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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-161243(P2018-161243A)
(43)【公開日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】安全装置付き補助ロープ
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20180921BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20180921BHJP
【FI】
   A62B35/00 B
   G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-59597(P2017-59597)
(22)【出願日】2017年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】村上 廉士
(72)【発明者】
【氏名】藤井 賢二
(72)【発明者】
【氏名】山田 達也
(72)【発明者】
【氏名】多和 浩二
【テーマコード(参考)】
2E184
5C086
【Fターム(参考)】
2E184JA03
2E184KA11
2E184LA14
2E184LA23
2E184LA40
2E184MA09
5C086AA18
5C086AA53
5C086BA19
5C086CA06
5C086DA01
5C086EA13
5C086FA02
(57)【要約】
【課題】補助ロープの一端部に係留したフックの付け替え忘れを防止する安全装置付き補助ロープを提供する。
【解決手段】補助ロープ10は、補助ロープ本体1、送信器2、及び受信器3を備える。補助ロープ本体1は、一端部にフック1hを係留し、安全帯9を構成する胴ベルト91に他端部を係留している。送信器2は、補助ロープ本体1の一端部に取り付け、接近距離dの信号と接近警告距離dwarnの信号を受信器3に向けて送信する。受信器3は、補助ロープ本体1の他端部に取り付けている。受信器3は、送信器2から送信された接近距離dの信号と接近警告距離dwarnの信号を比較し、接近距離dが接近警告距離dwarnよりも短いときには、所定時間、警報信号を遅延させて、警報信号をスピーカ31sから警報音を発生する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部にフックを係留し、柱上安全帯を構成する胴ベルトに他端部を係留した補助ロープであって、前記補助ロープの一端部が前記胴ベルトの高さを超えていることを確認できる安全装置付き補助ロープであって、
前記補助ロープの一端部に取り付け、無線通信できる第1制御部を有する送信器と、
前記補助ロープの他端部に取り付け、前記送信器と無線通信できる第2制御部を有する受信器と、を備え、
前記第1制御部は、
前記受信器との接近距離を算出する算出手段と、
前記受信器との接近警告距離を記憶した記憶手段と、
前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記受信器に向けて送信する第1アンテナと、を有し、
前記第2制御部は、
前記受信器からの信号を受信する第2アンテナと、
前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに作動する警報手段と、
前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに、前記警報手段に向けて送信する警報信号を所定の時間、遅延する遅延手段と、を有している、安全装置付き補助ロープ。
【請求項2】
前記送信器は、前記第1制御部を内在し、前記補助ロープの一端部に固定自在な第1固定ブロックを備え、
前記受信器は、前記第2制御部を内在し、前記補助ロープの他端部に固定自在な第2固定ブロックを備えている、請求項1記載の安全装置付き補助ロープ。
【請求項3】
前記算出手段は、インパルス信号の送信タイミングと前記インパルス信号の反射波の受信タイミングに基づいて前記接近距離を算出し、
前記第1アンテナは、前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記インパルス信号に重畳して送信する、請求項1又は2記載の安全装置付き補助ロープ。
【請求項4】
前記警報手段は、警報音を発生するスピーカからなる、請求項1から3のいずれかに記載の安全装置付き補助ロープ。
【請求項5】
一端部にフックを係留し、柱上安全帯を構成する胴ベルトに他端部を係留した補助ロープに取り付けでき、前記補助ロープの一端部が前記胴ベルトの高さを超えていることを確認できる安全装置であって、
前記補助ロープの一端部に取り付け、無線通信できる第1制御部を有する送信器と、
前記補助ロープの他端部に取り付け、前記送信器と無線通信できる第2制御部を有する受信器と、を備え、
前記第1制御部は、
前記受信器との接近距離を算出する算出手段と、
前記受信器との接近警告距離を記憶した記憶手段と、
前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記受信器に向けて送信する第1アンテナと、を有し、
前記第2制御部は、
前記受信器からの信号を受信する第2アンテナと、
前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに作動する警報手段と、
前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに、前記警報手段に向けて送信する警報信号を所定の時間、遅延する遅延手段と、を有している、安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全装置付き補助ロープに関する。特に、電柱などを昇降するときに使用される柱上安全帯に備えた補助ロープであって、補助ロープの一端部が胴ベルトの高さを超えていることを確認できる安全装置を補助ロープに設けることによって、作業員の安全を確保する安全装置付き補助ロープの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電柱などに昇って作業するためには、いわゆる、高所作業では、作業者の安全を確保するため、柱上安全帯を着用することが法令上、義務づけられている。電柱などでの高所作業及び高所作業に伴う昇降時において、柱上安全帯を着用することで、作業者の身体を安定して保持でき、かつ、墜落を防止できる。
【0003】
図7は、従来技術による柱上安全帯の構成を示す平面図である。図7を参照すると、柱上安全帯(以下、安全帯と略称する)9は、胴ベルト91、補助ベルト92、及び、一組のD環93・93を備えている。又、安全帯9は、長尺の胴綱94、伸縮調整器95、及び、補助ロープ96を備えている。
【0004】
図7を参照すると、胴ベルト91は、合成繊維を密に編み込んだ帯状の布製ベルトである。そして、胴ベルト91は、その一端部に金属製のバックル91bを縫着している。又、胴ベルト91は、その他端部に金属製の先端金具91cを備えている。胴ベルト91の他端部をバックル91bに挿入して、胴ベルト91を作業者の腰回りに装着できる。
【0005】
図7を参照すると、補助ベルト92は、胴ベルト91と同様に、合成繊維を密に編み込んだ帯状の布製ベルトである。補助ベルト92は、胴ベルト91より幅を広く形成している。そして、補助ベルト92には、複数のベルト通し92bを介して、胴ベルト91が挿通されている。
【0006】
図7を参照して、補助ベルト92が作業者の身体側になるように、胴ベルト91を作業者の腰回りに装着できる。
【0007】
図7を参照すると、D環93は、D字状にループした金属環である。D環93は、その内部に胴ベルト91を挿通できる。そして、D環93は、一組のベルト通し92b・92bの間で移動自在に配置されている。
【0008】
図7を参照して、一方のD環93には、胴綱94の一端部に設けたフック94hを係脱自在に係留できる。又、他方のD環93には、補助ロープ96の一端部に設けたフック96hを係脱自在に係留できる。
【0009】
図7を参照すると、胴綱94は、その他端部側を伸縮調整器95に係留している。伸縮調整器95は、胴ベルト91のバックル91bに連結している。なお、伸縮調整器95の一部は、V型角環93dに係留している。伸縮調整器95を操作することで、胴綱94の引き出し長さを調整できる。
【0010】
図7を参照すると、胴綱94は、その一端部にフック94hを取り付けている。胴綱94を電柱などの外周に回して、フック94hをD環93に係留することで、作業者を電柱にU字つり状態で保持できる。又、胴綱94には、8字環94eを取り付けている。フック94hを8字環94eに係留することで、胴綱94の一端部側を図示しない構造物に回し掛けできる。
【0011】
図7を参照すると、胴ベルト91には、図示しない工具袋に設けた一対のサック91s・91sを挿通できる。工具袋(図示せず)には、ドライバーやペンチなどの工具、及びボルトやナットなどの締結部材を収納できる。そして、安全帯9に工具袋(図示せず)を装着しておくことで、柱上で作業することが容易になる。又、安全帯9には、尻当てベルト93bを装着している。
【0012】
図7を参照すると、補助ロープ96は、V型角環93dを介して、他端部を胴ベルト91に係留している。又、補助ロープ96は、その一端部にフック96hを係留している。フック96hは、後述するステップボルトSbなどの装柱物に係留できる(図9参照)。胴綱94と補助ロープ96を併用することで、作業員の墜落を予防できる。なお、補助ロープ96の一端部には、フック94hを取り付けることもできる。
【0013】
次に、従来技術による柱上安全帯の使用方法を説明する。図8は、従来技術による柱上安全帯の装着状態を示す斜視図である。図9は、従来技術による柱上安全帯を装着して、電柱を昇柱している状態を示す斜視図であり、図9(A)は、腕金の下方で昇柱を停止している状態図、図9(B)は、腕金を乗り越えている状態図、図9(C)は、腕金を乗り越えた状態図である。
【0014】
図8を参照して、電柱Pに昇る前に、地上で胴綱94を電柱Pの外周に回し掛けする。この場合、図8に示すように、胴綱94を電柱Pの後ろ側に回し、フック94hをD環93に係留しておく。図8に示した状態では、フック94hの開口が内側を向くように、D環93に係留しておく必要がある。又、作業服がD環93に挟み込まれていないかを確認しておくことが重要である。
【0015】
図8を参照して、以上の準備が整った後に、U字つり状態で電柱Pを昇る場合には、伸縮調整器95を操作して(図7参照)、胴綱94を必要最小限の長さに調整する。そして、胴綱94が滑り落ちないように、ステップボルトSbの上方に胴綱94を掛けて(図9参照)、電柱Pを昇っていく。これにより、作業者Mの墜落を防止できる。なお、電柱Pから降りる場合にも、胴綱94をステップボルトSbの上方に絶えず掛けておくことが必要である。
【0016】
図9を参照して、電柱Pの途中に腕金Aなどの障害物がある場合には、図9(A)に示すように、腕金Aの下方で昇柱を停止し、補助ロープ96の一端部(フック96h)をステイStに係留する。図9において、例えば、ステイStは、一対の腕金A・Aを連結している。
【0017】
次に、図9(B)を参照して、フック94hをD環93から外す。次に、図9(C)に示すように、作業者Mが腕金Aを回避できる体勢になったときに、再度、フック94hをD環93に掛け、U字つり状態で電柱Pを昇ることができる。
【0018】
このように、図9を参照すると、胴綱94と補助ロープ96を交互に使用することで、腕金Aなどの障害物を安全に回避できる。
【0019】
しかし、図7から図9を参照すると、墜落事故を確実に防止するためには、作業者Mが安全帯9を正しく使用することが必要である。具体的には、作業者Mが安全帯9を装着していても、胴綱94の一端部に設けたフック94hをステップボルトSbなどの被掛止物に確実に掛止されていないと、墜落する心配がある。
【0020】
図7から図9を参照して、フック94hをステップボルトSbなどの被掛止物に確実に掛止していない場合、又は、フック94hをステップボルトSbなどの被掛止物に確実に掛止することを失念した場合には、いわゆる、無胴綱状態が発生する。
【0021】
このような事態を防止するため、ステップボルトなどの被掛止物へのフックの掛止状態を検出し、正しく掛止されていない場合は作業者に対して警告を与えることができる胴綱用フックが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2014−18338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
図10は、従来技術による胴綱用フックの構成を示す図であり、図10(A)は、胴綱用フックの平面図、図10(B)は、胴綱用フックの正面図である。図11は、従来技術による胴綱用フックを一端部に備えたランヤードの構成を示す正面図である。
【0024】
図12は、従来技術による胴綱用フックの構成を示す図であり、図12(A)は、胴綱用フックの要部を横断面で示した胴綱用フックの平面図、図12(B)は、胴綱用フックを縦断面で示した胴綱用フックの平面図である。
【0025】
なお、本願の図10から図12は、特許文献1の図1から図3に相当している。又、従来技術による柱上安全帯で使用した符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同一にするので、説明を省略することがある。
【0026】
図10から図12を参照すると、従来技術による胴綱用フック(以下、フックと略称する)8は、J字状のフック本体81、抜け止め金具82、及び、ロック金具83を備えている。又、フック8は、ICタグ部84をフック本体81の他端部に備えている。
【0027】
図11を参照すると、従来技術によるランヤード8Lは、胴綱となるストラップ8sの他端部に環状のカラナビ8kを係留している。カラナビ8kは、例えば、V型角環93dを介して、胴ベルト91に着脱自在に係留できる(図7参照)。
【0028】
又、図11を参照すると、ランヤード8Lは、フック8をストラップ8sの一端部に係留している。フック8は、ステップボルトなどの被掛止物Hに掛止できる(図10(B)又は図12(B)参照)。
【0029】
図10(B)又は図12(B)を参照すると、抜け止め金具82は、その他端部を軸ピン821でフック本体81の他端部と回動自在に連結している。又、図12(B)を参照すると、抜け止め金具82は、その他端部の内部に圧縮コイルばね82sを保持している。圧縮コイルばね82sは、軸ピン821を回動中心として、抜け止め金具82の一端部が外側に開く力を付勢している。
【0030】
図10(B)又は図12(B)に示した状態では、抜け止め金具82の一端部が鉤片81hの一端部に当接して、抜け止め金具82の一端部が外側に開くことを規制している。圧縮コイルばね82sの付勢力に抗して、被掛止物Hを抜け止め金具82の外側から押すことで、フック本体81の内部に被掛止物Hを導入できる。又、抜け止め金具82が元の状態に復帰することで、被掛止物Hを抜け止めできる。
【0031】
図10(B)又は図12(B)を参照すると、ロック金具83は、その一端部を軸ピン831でフック本体81の中間部と回動自在に連結している。又、図12(B)を参照すると、ロック金具83は、その中間部の内部に圧縮コイルばね83sを保持している。圧縮コイルばね83sは、軸ピン831を回動中心として、ロック金具832の他端部が外側に開く力を付勢している。
【0032】
図10(B)又は図12(B)を参照すると、ロック金具83は、円弧状のカム穴83cを他端部に開口している。一方、抜け止め金具82は、カム穴83cによって案内される軸ピン822を隅部に有している。カム穴83cと軸ピン822は、ロック金具83と抜け止め金具82の相互の運動を規定するカム装置を構成している。
【0033】
図12(B)に示すように、軸ピン822がカム穴83cの始端部に位置している状態では、ロック金具83は、外側に開くことが阻止されている。又、図12(B)に示した状態で、抜け止め金具82に外力が作用しても、カム装置の構成により、抜け止め金具82が容易に閉じないように構成している。つまり、フック8は、施錠(ロック)されている。
【0034】
一方、図12(B)に示した状態から、抜け止め金具82とロック金具83を同時に把持すると、軸ピン822がカム穴83cの終端部に移動することで、フック本体81の内部に被掛止物Hを導入でき、又は、フック本体81の内から被掛止物Hを導出できる。抜け止め金具82とロック金具83を同時に解放すると、フック8を元の状態に復帰できる。
【0035】
図10又は図12を参照すると、フック本体81は、半円弧状に形成した検出レバー85と磁気センサ86を備えている。検出レバー85は、その一端部を軸ピン851で鉤片81hの先端側と回動自在に連結している。又、図12(B)を参照すると、鉤片81hは、その内部に圧縮コイルばね85sを保持している。圧縮コイルばね85sは、軸ピン851を回動中心として、検出レバー85がフック本体81の内部に向かって開く力を付勢している。
【0036】
図10(B)又は図12(B)を参照すると、検出レバー85は、軸ピン852を中間部に有している。一方、図12(B)を参照すると、鉤片81hは、円弧状のカム穴85cを中間部に開口している。カム穴85cは、軸ピン852を導入している。図12(B)に示した状態では、検出レバー85は、その軸ピン852がカム穴85cの端部に移動している。そして、検出レバー85は、フック本体81の内部に向かって無制限に開くことが規制されている。
【0037】
図10(B)又は図12(B)に示した状態から、被掛止物Hを検出レバー85に向かって移動すると、つまり、フック8を被掛止物Hに掛止すると、検出レバー85は、鉤片81hの内壁に密着する方向に移動する。
【0038】
図10(B)を参照すると、検出レバー85は、その一方の側面の他端部に磁石85mを配置している。一方、図12(B)を参照すると、フック本体81は、磁気センサ86を中間部に配置している。磁気センサ86は、ホール素子86hを内部に有している。
【0039】
図10(B)又は図12(B)に示した状態から、被掛止物Hを検出レバー85に向かって移動すると、つまり、フック8を被掛止物Hに掛止すると、磁石85mをホール素子86hに近接できる。これにより、ホール素子86hの磁束密度が変化し、検出信号をICタグ部84に送出できる。つまり、フック8が被掛止物Hに掛止したことを検知できる。なお、磁気センサ86とICタグ部84は、柔軟ケーブル86cで電気的に接続されている。
【0040】
図12(A)を参照すると、ICタグ部84は、制御基板84pと絶縁性を有する基板台84bを備えている。又、ICタグ部84は、電池84eと一対の分割ケース841・842を備えている。制御基板84pは、図示しない情報処理部と無線通信用のアンテナを内部に有している。
【0041】
図12(A)を参照して、制御基板84pの内部に設けた情報処理部(図示せず)は、磁気センサ86から送出された検出情報をアンテナ(図示せず)に送出している。アンテナは、磁気センサ86から送出された検出情報を外部に発信している。電池84eは、制御基板84pに電力を供給している。電池84eは、ボタン電池を使用することが好ましい。
【0042】
図12(B)を参照すると、制御基板84pは、基板台84bを介して、フック本体81の他端部に一方の面に実装されている。一方の分割ケース841は、制御基板84pを覆っている。他方の分割ケース841は、基板台84bを覆っている。一対の分割ケース841・842は、それらの四隅をボルトとナットで締結することが好ましい。
【0043】
図10(B)又は図12(B)を参照すると、一方の分割ケース841は、一組の鉤状の無線用の鉤穴84h・84hを主面板に開口している。同様に、他方の分割ケース842は、一組の鉤状の無線用の鉤穴84h・84hを主面板に開口している。アンテナを設けた制御基板84pを覆う一対の分割ケース841・842に、無線用の鉤穴84h・84hを二つ開口することで、フック本体81の両側面に電波が飛び易いというメリットがある。
【0044】
図10から図12を参照すると、従来技術によるフック8は、フック8が被掛止物Hに掛止したことを検知できる磁気センサ86と、磁気センサ86からの検出情報を外部に無線通信できるアンテナを備えているので、外部で受信した検出情報を例えば、作業者が装着したコントロールボックス(受信機)の送信でき、作業員の安全を確保できる、としている。
【0045】
前述したように、柱上安全帯を着用して、電柱などを昇降するときには、胴綱と補助ロープを併用することが安全上、義務づけられている。又、補助ロープは、その一端部が胴ベルトの高さを超えていることが安全上、義務づけられている。
【0046】
しかし、図7又は図9を参照して、補助ロープ96の一端部に取り付けたフック96hの付け替えを失念して、フック96hが胴ベルト91の高さ以下になることがある。この状態で、作業者が墜落すると、フック96hが胴ベルト91の高さを超えている場合と比べて、図6(A)の落下距離が増大しているので、作業者への衝撃が大きくなるという問題がある。
【0047】
以上のことから、補助ロープの一端部が胴ベルトの高さを超えていることを確認することによって、作業員の安全を確保する安全装置付き補助ロープが求められていた。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0048】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、電柱などを昇降するときに使用される柱上安全帯に備えた安全装置付き補助ロープであって、補助ロープの一端部が胴ベルトの高さを超えていることを確認することによって、補助ロープの一端部に取り付けたフックの付け替え忘れを防止できる安全装置付き補助ロープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本発明者らは、一端部にフックを係留し、他端部を胴ベルトに係留した補助ロープの両端部に、互いに通信自在な一組の無線機を取り付け、これらの無線機が接近した場合に、所定時間経過した後に、胴ベルト側の無線機から警報を発生させる構成とすることで、補助ロープの一端部に取り付けたフックの付け替え忘れを防止できると考え、これに基づいて、以下のような新たな安全装置付き補助ロープを発明するに至った。
【0050】
(1)本発明による安全装置付き補助ロープは、一端部にフックを係留し、柱上安全帯を構成する胴ベルトに他端部を係留した補助ロープであって、前記補助ロープの一端部が前記胴ベルトの高さを超えていることを確認できる安全装置付き補助ロープであって、前記補助ロープの一端部に取り付け、無線通信できる第1制御部を有する送信器と、前記補助ロープの他端部に取り付け、前記送信器と無線通信できる第2制御部を有する受信器と、を備え、前記第1制御部は、前記受信器との接近距離を算出する算出手段と、前記受信器との接近警告距離を記憶した記憶手段と、前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記受信器に向けて送信する第1アンテナと、を有し、前記第2制御部は、前記受信器からの信号を受信する第2アンテナと、前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに作動する警報手段と、前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに、前記警報手段に向けて送信する警報信号を所定の時間、遅延する遅延手段と、を有している。
【0051】
(2)前記送信器は、前記第1制御部を内在し、前記補助ロープの一端部に固定自在な第1固定ブロックを備え、前記受信器は、前記第2制御部を内在し、前記補助ロープの他端部に固定自在な第2固定ブロックを備えていることが好ましい。
【0052】
(3)前記算出手段は、インパルス信号の送信タイミングと前記インパルス信号の反射波の受信タイミングに基づいて前記接近距離を算出し、前記第1アンテナは、前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記インパルス信号に重畳して送信することが好ましい。
【0053】
(4)前記警報手段は、警報音を発生するスピーカからなることが好ましい。
【0054】
(5)本発明による安全装置は、一端部にフックを係留し、柱上安全帯を構成する胴ベルトに他端部を係留した補助ロープに取り付けでき、前記補助ロープの一端部が前記胴ベルトの高さを超えていることを確認できる安全装置であって、前記補助ロープの一端部に取り付け、無線通信できる第1制御部を有する送信器と、前記補助ロープの他端部に取り付け、前記送信器と無線通信できる第2制御部を有する受信器と、を備え、前記第1制御部は、前記受信器との接近距離を算出する算出手段と、前記受信器との接近警告距離を記憶した記憶手段と、前記接近距離の信号と前記接近警告距離の信号を前記受信器に向けて送信する第1アンテナと、を有し、前記第2制御部は、前記受信器からの信号を受信する第2アンテナと、前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに作動する警報手段と、前記接近距離が前記接近警告距離より短いときに、前記警報手段に向けて送信する警報信号を所定の時間、遅延する遅延手段と、を有している。
【発明の効果】
【0055】
本発明による安全装置付き補助ロープは、一端部にフックを係留し、他端部を胴ベルトに係留した補助ロープの両端部に、互いに通信自在な一組の無線機を取り付け、これらの無線機が接近した場合に、所定時間経過した後に、胴ベルト側の無線機から警報を発生させるので、補助ロープの一端部に係留したフックの付け替え忘れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の一実施形態による安全装置付き補助ロープの全体構成を示す正面図である。
図2】前記実施形態による安全装置付き補助ロープの構成を示す斜視図である。
図3】前記実施形態による安全装置付き補助ロープの構成を示す斜視分解組立図である。
図4】前記実施形態による安全装置付き補助ロープに備わる送信器の回路構成を示す電気回路図である。
図5】前記実施形態による安全装置付き補助ロープに備わる受信器の回路構成を示す電気回路図である。
図6】前記実施形態による安全装置付き補助ロープの動作手順を示すフローチャートである。
図7】従来技術による柱上安全帯の構成を示す平面図である。
図8】従来技術による柱上安全帯の装着状態を示す斜視図である。
図9】従来技術による柱上安全帯を装着して、電柱を昇柱している状態を示す斜視図であり、図9(A)は、腕金の下方で昇柱を停止している状態図、図9(B)は、腕金を乗り越えている状態図、図9(C)は、腕金を乗り越えた状態図である。
図10】従来技術による胴綱用フックの構成を示す図であり、図10(A)は、胴綱用フックの平面図、図10(B)は、胴綱用フックの正面図である。
図11】従来技術による胴綱用フックを一端部に備えたランヤードの構成を示す正面図である。
図12】従来技術による胴綱用フックの構成を示す図であり、図12(A)は、胴綱用フックの要部を横断面で示した胴綱用フックの平面図、図12(B)は、胴綱用フックを縦断面で示した胴綱用フックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[安全装置付き補助ロープの構成]
最初に、本発明の一実施形態による安全装置付き補助ロープの構成を説明する。
【0058】
図1は、本発明の一実施形態による安全装置付き補助ロープの全体構成を示す正面図である。
【0059】
図2は、前記実施形態による安全装置付き補助ロープの構成を示す斜視図である。図3は、前記実施形態による安全装置付き補助ロープの構成を示す斜視分解組立図である。
【0060】
図4は、前記実施形態による安全装置付き補助ロープに備わる送信器の回路構成を示す電気回路図である。図5は、前記実施形態による安全装置付き補助ロープに備わる受信器の回路構成を示す電気回路図である。
【0061】
図6は、前記実施形態による安全装置付き補助ロープの動作手順を示すフローチャートである。
【0062】
なお、従来技術で使用した符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略することがある。
【0063】
(全体構成)
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態による安全装置付き補助ロープ(以下、補助ロープと略称する)10は、補助ランヤードである補助ロープ本体1、送信器2、及び、受信器3を備えている。
【0064】
図1を参照すると、補助ロープ本体1は、屈曲自在なストラップ1s、フック1h、及び、ベルト形の連結具1cで構成している。補助ロープ本体1は、ストラップ1sの一端部1aにフック1hを係留している。フック1hは、胴綱94に用いたフック94hを使用できる(図7参照)。
【0065】
又、図1を参照すると、補助ロープ本体1は、ストラップ1sの他端部1bに連結具1cを係留している。連結具1cは、角環状のバックル11bを一端部に有し、D環11dを他端部に有している。バックル11bは、ストラップ1sの他端部1bに係留している。D環11dには、胴ベルト91を挿通できる。つまり、補助ロープ本体1は、安全帯9を構成する胴ベルト91にストラップ1sの他端部1bを係留している。
【0066】
図1から図3を参照すると、送信器2は、ストラップ1sの一端部1aに取り付けている。又、送信器2は、無線通信できる第1制御部21を内部に有している。図2から図4を参照すると、第1制御部21は、実体としてプリント基板で構成している。そして、第1制御部21は、CPU210及び駆動用のソフトウェアを内部に備え、送信器2を駆動すると共に制御している。
【0067】
図1から図3を参照すると、受信器3は、ストラップ1sの他端部1bに取り付けている。又、受信器3は、送信器2と無線通信できる第2制御部31を内部に有している。図2又は図3及び図5を参照すると、第2制御部31は、実体としてプリント基板で構成している。そして、第2制御部31は、CPU310及び駆動用のソフトウェアを内部に備え、受信器3を駆動すると共に制御している。
【0068】
図2から図4を参照すると、第1制御部21は、受信器3との接近距離dを算出する算出手段を有している。受信器3との接近距離dは、例えば、特開2006−20822号公報に開示されたUWB(Ultra Wide Band)技術を利用して、算出できる。
【0069】
図4を参照すると、算出手段は、第1制御部21に回路構成した距離算出部21cを含むことができる。距離算出部21cは、第1アンテナ216から発信したインパルス信号Siの送信タイミングと第2アンテナ315(図5参照)から返信されたインパルス信号Siの反射波の受信タイミングに基づいて、接近距離dを算出できる。
【0070】
図2又は図4を参照して、送信器2の第1アンテナ216からインパルス信号Siによる送信波を送信する。この送信波が受信器3から反射し、この反射波が送信器2の第1アンテナ216により受信される。この送受信の時間差をΔt[sec]とすると、接近距離d[m]は、d={Δt×3×10(光速)}/2の計算式で算出できる。
【0071】
又、図4を参照すると、第1制御部21は、記憶手段となるメモリ21mと第1アンテナ216を有している。メモリ21mは、受信器3との接近警告距離dwarnを記憶している。第1アンテナ216は、接近距離dの信号と接近警告距離dwarnの信号を受信器3に向けて送信できる。
【0072】
図5を参照すると、第2制御部31は、第2アンテナ315、警報手段となるスピーカ31s、及び、遅延手段となる遅延部319を有している。第2アンテナ315は、受信器3からの信号を受信できる。スピーカ31sは、接近距離dが接近警告距離dwarnより短いときに作動できる。一方、スピーカ31sは、接近距離dが接近警告距離dwarnより長いときに作動しない。
【0073】
図5を参照して、遅延部319は、接近距離dが接近警告距離dwarnより短いときに、スピーカ31sに向けて送信する警報信号を所定の時間、遅延できる。
【0074】
図1から図6を参照すると、実施形態による補助ロープ10は、一端部にフック1hを係留し、他端部を胴ベルト91に係留した補助ロープ10の両端部に、互いに通信自在な一組の送信器2と受信器3を取り付け、これらの送信器2と受信器3が接近した場合に、つまり、補助ロープ10の一端部1aのフック1hの付け替えを失念して、フック1hが胴ベルト91の高さ以下になったときに、所定時間経過した後に、胴ベルト91側の受信器3から警報を発生させるので、補助ロープ10の一端部1aに係留したフック1hの付け替え忘れを防止できる。
【0075】
(送信器の構成)
(第1固定ブロックの構成)
次に、実施形態による送信器2の構成を説明する。図1から図3を参照すると、送信器2は、直方体状の第1固定ブロック22を備えている。第1固定ブロック22は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して所望の形状の第1固定ブロック22を得ることができる。
【0076】
図2又は図3を参照すると、第1固定ブロック22は、第1制御部21を内在している。又、第1固定ブロック22は、送信器2の外殻を構成している。図3を参照すると、第1固定ブロック22は、電気記号22mを正面に表示している。電気記号22mは、アンテナ付きの無線通信機器であることを表示している。
【0077】
図2又は図3を参照すると、第1固定ブロック22は、上面から下面に貫通する保持穴22hを開口している。又、第1固定ブロック22は、保持穴22hに連通したスリット22sを開口している。
【0078】
図2又は図3を参照すると、第1固定ブロック22は、一対の挟持片22g・22gを端部に有している。第1固定ブロック22は、保持穴22hに連通したスリット22sを一対の挟持片22g・22gの間に開口している。
【0079】
図3を参照して、スリット22sには、ストラップ1sの一端部1aを外周方向から導入できる。ストラップ1sの一端部1aを保持穴22hに導入後に、一組のボルト部材22b・22bを用いて、一対の挟持片22g・22gが互いに近づく方向に閉じることで、ストラップ1sの一端部1aに第1固定ブロック22を保持できる(図2参照)。
【0080】
(受信器の構成)
(第2固定ブロックの構成)
次に、実施形態による受信器3の構成を説明する。図1から図3を参照すると、受信器3は、直方体状の第2固定ブロック32を備えている。第2固定ブロック32は、絶縁性を有する合成樹脂からなることが好ましく、絶縁性を有する合成樹脂を成形して所望の形状の第2固定ブロック32を得ることができる。
【0081】
図2又は図3を参照すると、第2固定ブロック32は、第2制御部31を内在している。又、第2固定ブロック32は、受信器3の外殻を構成している。図3を参照すると、第2固定ブロック32は、円形に区画した多孔板からなる出音カバー32cを正面に配置している。出音カバー32cの背面には、スピーカ31sを配置することが好ましく(図5参照)、スピーカ31sからの警報を外部に報知できる。
【0082】
図2又は図3を参照すると、第2固定ブロック32は、上面から下面に貫通する保持穴32hを開口している。又、第2固定ブロック32は、保持穴32hに連通したスリット32sを開口している。
【0083】
図2又は図3を参照すると、第2固定ブロック32は、一対の挟持片32g・32gを端部に有している。第2固定ブロック32は、保持穴32hに連通したスリット32sを一対の挟持片32g・32gの間に開口している。
【0084】
図3を参照して、スリット32sには、ストラップ1sの他端部1bを外周方向から導入できる。ストラップ1sの他端部1bを保持穴22hに導入後に、一組のボルト部材22b・22bを用いて、一対の挟持片32g・32gが互いに近づく方向に閉じることで、ストラップ1sの他端部1bに第2固定ブロック32を保持できる(図2参照)。
【0085】
(送信器の構成)
(第1制御部の構成)
次に、実施形態による第1制御部21の構成を説明する。図4を参照すると、第1制御部21は、電源21bを備えている。電源21bは、ボタン電池などからなることが好ましく、第1制御部21に電力を供給している。
【0086】
又、図4を参照すると、第1制御部21は、遅延時間算出部211と符号生成部213を備えている。更に、第1制御部21は、符号生成部213、パルス生成部214、及び、アンテナ共用器215を備えている。
【0087】
図4を参照すると、CPU210は、第1制御部21の全体を制御している。又、CPU210は、定期的に遅延時間算出部211を制御して、スタート信号を符号生成部213に送出する。符号生成部213は、スタート信号に対応してクロックを発生し、このクロックを符号生成部213に送出する。符号生成部213は、記憶手段となるメモリ21mから送出されるデータおよびクロックに基づいて、符号を生成し、パルス生成部214に送出する。
【0088】
図4を参照すると、パルス生成部214は、符号生成部213からの符号によりインパルス信号Siを変調し、アンテナ共用器215を介して、第1アンテナ216から変調したインパルス信号Siを送信する。同時に、パルス生成部214は、変調に用いたインパルス信号Siを相関部217へ送出する。
【0089】
図4を参照すると、第1制御部21は、相関部217と検波部218を備えている。又、第1制御部21は、ピーク検出部219と距離算出部21cを備えている。
【0090】
図2又は図4を参照して、第1制御部21は、受信器3から反射されたインパルス信号Si(反射波)を第1アンテナ216で受信し、アンテナ共用器215を介して、この反射波を相関部217に送出する。相関部217は、パルス生成部214ら送出されるインパルス信号Siと第1アンテナ216からの反射波との相関を検出し、その相関値を検波部218に送出する。ピーク検出部219は、相関値から反射波を受信したタイミングを検出し、受信タイミング信号を遅延時間算出部211に送出する。
【0091】
図4を参照して、遅延時間算出部211は、スタート信号を送信したタイミングと反射波を受信したタイミングから遅延時間Δtを算出し、距離算出部21cに遅延時間Δtを送出する。距離算出部21cは、遅延時間Δtから送信器2と受信器3との接近距離dを算出し、メモリ21mに伝達する。メモリ21mは、インパルス信号Siを送信するタイミングに合わせて、接近距離dの信号と接近警告距離dwarnの信号を符号生成部213の送出し、これらの信号をインパルス信号Siに重畳させて、第1アンテナ216から送信する。
【0092】
(受信器の構成)
(第2制御部の構成)
次に、実施形態による第2制御部31の構成を説明する。図5を参照すると、第2制御部31は、クロック発生部311と符号生成部312を備えている。又、第2制御部31は、パルス生成部313とアンテナ共用器314を備えている。
【0093】
図5を参照すると、CPU310は、第2制御部31の全体を制御している。クロック発生部311は、クロックを発生し、このクロックを符号生成部312に送出する。符号生成部312は、このクロックに基づいて符号を生成し、パルス生成部313に送出する。パルス生成部313は、符号生成部312からの符号によりインパルス信号Siを変調し、変調に用いたインパルス信号Siを相関部316へ送出する。
【0094】
図2又は図5を参照すると、第2アンテナ315は、送信器2から送信されたインパルス信号Siを受信し、アンテナ共用器314を介して、このインパルス信号Siを相関部316に送出する。
【0095】
図5を参照すると、第2制御部31は、相関部316と検波部317を備えている。又、第2制御部31は、接近状況診断部318と遅延手段となる遅延部319を備えている。
【0096】
図5を参照すると、相関部316はパルス生成部313から送出されるインパルス信号Siと受信波との相関を検出し、その相関値を検波部317に送出する。検波部317は、相関値からデータを復元し、接近状況診断部318に復元データを送出する。
【0097】
図5を参照すると、接近状況診断部318は、データから送信器2と受信器3との接近距離dと接近警告距離dwarnを比較する。そして、接近距離dが接近警告距離dwarnより短いことを接近状況診断部318が判断すると、遅延部319を介して、スピーカ31sを動作させる。
【0098】
図5を参照すると、スピーカ31sは、警報音を報知する。この場合、第2制御部31にタイマーを設けて、一定時間(例えば、30秒)後に、警報音が停止するように制御することが好ましい。
【0099】
図5を参照すると、実施の形態では、警報手段としてスピーカ31sを用いたが、スピーカ31sに変えて、バイブレータによる振動で警報を報知してもよい。
【0100】
[安全装置付き補助ロープの作用]
次に、実施形態による安全装置の動作手順を説明しながら、補助ロープ10の作用及び効果を説明する。
【0101】
図6を参照して、最初に、受信器3との接近警告距離dwarnを送信器2のメモリ21mに予め設定しておく(ステップS1)。接近警告距離dwarnは、例えば、20cm程度の距離が好ましい。
【0102】
次に、図6を参照して、送信器2からインパルス信号Siによる送信波(UWB信号)を送信すると共に、受信器3からの反射波を待機する(ステップS2)。次に、送信器2は、受信器3からの反射波を受信したか否かを判断する(ステップS3)。受信器3から反射波を受信しないと、ステップS3で判断した場合は、ステップS2に戻る。受信器3から反射波をステップS3で受信した場合は、ステップS4に進む。
【0103】
次に、図6を参照して、送信器2は、インパルス信号Siの送信タイミングと受信タイミングの時間差Δtに基づいて、接近距離dを算出する(ステップS4)。次に。接近距離dのデータと接近警告距離dwarnのデータをインパルス信号Siに重畳して、受信器3に送信する(ステップS5)。
【0104】
図6を参照して、受信器3は、送信器2からインパルス信号Si(UWB信号)を受信して(ステップS6)、処理を開始する。次に、受信器3は、送信器2と受信器3との接近距離dが接近警告距離dwarnよりも短いか否かを判断する(ステップS7)。
【0105】
次に、図6を参照して、接近距離dが接近警告距離dwarnよりも短くないと、ステップS7で判断した場合は、ステップS6に戻る。接近距離dが接近警告距離dwarnよりも短いと、ステップS7で判断した場合は、ステップS8に進む。
【0106】
図6を参照して、ステップS7において、警報信号が遅延部319に送出されると(図5参照)、遅延部319は、所定時間、警報信号を遅延させる(ステップS8)。遅延時間は、例えば、5秒程度の短い時間に設定しておくことが好ましい。
【0107】
次に、図6を参照して、スピーカ31sから警報音を発生することで(ステップS9)、作業者にフックの付け替え忘れを報知し、ステップS6に戻る。
【0108】
図1から図6を参照すると、実施形態による補助ロープ10は、一端部にフック1hを係留し、他端部を胴ベルト91に係留した補助ロープ10の両端部に、互いに通信自在な一組の送信器2と受信器3を取り付け、これらの送信器2と受信器3が接近した場合に、つまり、補助ロープ10の一端部1aのフック1hの付け替えを失念して、フック1hが胴ベルト91の高さ以下になったときに、所定時間経過した後に、胴ベルト91側の受信器3から警報を発生させるので、補助ロープ10の一端部1aに係留したフック1hの付け替え忘れを防止できる。
【0109】
本発明による安全装置付き補助ロープは、次のような効果が期待できる。
(1)補助ロープの付け替え忘れに起因する墜落時の作業者への衝撃を軽減できる。
(2)補助ロープのフックの取り付け位置が胴ベルトより低いことを確認できる。
【0110】
本発明は、胴ベルト型柱上安全帯に好適な安全装置付き補助ロープを開示したが、本発明の安全装置付き補助ロープは、作業者の全身を保持するハーネス型安全帯に応用することが期待される。
【0111】
又、本発明は、補助ロープの一端部に送信器を取り付け、補助ロープの他端部に受信器を取り付けた安全装置付き補助ロープを開示したが、補助ロープの一端部に受信器を取り付け、補助ロープの他端部に送信器を取り付けてもよく、この場合、胴ベルト側の送信器に警報装置を配置することが好ましい。
【符号の説明】
【0112】
1 補助ロープ本体
1a 一端部(補助ロープの一端部)
1b 他端部(補助ロープの他端部)
1h フック
2 送信器
3 受信器
9 安全帯
10 補助ロープ(安全装置付き補助ロープ)
21 第1制御部
21c 距離算出部(算出手段)
21m メモリ(記憶手段)
31 第2制御部
31s スピーカ(警報手段)
91 胴ベルト
216 第1アンテナ
315 第2アンテナ
319 遅延部(遅延手段)
Si インパルス信号
d 接近距離
dwarn 接近警告距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12