特開2018-161983(P2018-161983A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-161983(P2018-161983A)
(43)【公開日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】車両の前部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20180921BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20180921BHJP
   B62D 37/02 20060101ALI20180921BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20180921BHJP
【FI】
   B60R19/52 L
   B60Q1/04 A
   B62D37/02 Z
   B62D25/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-60419(P2017-60419)
(22)【出願日】2017年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】西田 周平
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】溝兼 通矢
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】森 敦紀
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山口 享
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
【テーマコード(参考)】
3D203
3K339
【Fターム(参考)】
3D203AA04
3D203AA05
3D203BB33
3D203BC03
3D203BC09
3D203BC23
3D203BC24
3D203CB27
3D203DA05
3D203DA22
3D203DA23
3D203DA38
3D203DB04
3K339AA02
3K339BA14
3K339BA16
3K339BA18
3K339BA23
3K339BA26
3K339CA01
3K339GA06
3K339GA08
3K339GB02
(57)【要約】
【課題】オフセット部前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図る車両の前部車体構造を提供する。
【解決手段】車両前部に位置するグリル部13と、グリル部13よりも車幅方向外側に配置されるランプ部14とを備え、ランプ部14前端下部とバンパ部12前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、ランプ部14前端下部とバンパ部12前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部19が形成され、ランプ14前側に整流部20を備え、整流部20は、グリル部13の内壁面に沿って車両上下方向に延びて配置される空気流入口と、ランプ部14の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両上下方向に延びて配置される空気排出口27と、空気流入口と空気排出口27とをつなぐ導風路とから構成されたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に位置するグリル部と、該グリル部よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部とを備え、
上記ランプ部前端下部とバンパ部前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ランプ部前端下部と上記バンパ部前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部が形成された車両の前部車体構造であって、
上記ランプ部前側に整流部を備え、
該整流部は、上記グリル部の内壁面に沿って車両上下方向に延びて配置される空気流入口と、上記ランプ部の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両上下方向に延びて配置される空気排出口と、上記空気流入口と上記空気排出口とをつなぐ導風路とから構成された
車両の前部車体構造。
【請求項2】
上記空気排出口は、車両平面視で上記ランプ部前端部に連続して配置された
請求項1に記載の車両の前部車体構造。
【請求項3】
上記空気流入口と上記空気排出口と上記導風路とは一体的に形成された
請求項1または2に記載の車両の前部車体構造。
【請求項4】
車両平面視で上記導風路後壁後部の少なくとも後端部を含む上記導風路後壁後部と車幅方向に延びる仮想の水平面とが成す角度は、上記ランプ部前端と上記仮想の水平面とが成す角度と同等または大きく形成された
請求項1〜3の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。
【請求項5】
上記空気排出口は、上記整流部の車両前後方向後部において車幅方向外側に向けて開口形成された
請求項1〜4の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両前部に位置するグリル部と、該グリル部よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部とを備え、上記ランプ部前端部とバンパ部前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ランプ部前端下部と上記バンパ部前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部が形成された車両の前部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の前部車体構造としては、特許文献1に開示されているように、車両前部に位置するグリル部としてのフロントグリルと、該フロントグリルよりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるヘッドランプ(ランプ部)とを備えたものが知られている。
【0003】
詳しくは、上述のヘッドランプは、ボンネットの前部における車幅方向外側面、バンパ部としてのフロントバンパフェースの上部コーナ部における車幅方向外側面およびフロントフェンダパネルの前部上側面と、その外面部が略面一状になるように配置されている。
この特許文献1に開示された従来構造において車両前突時には、上述のヘッドランプが破損する懸念がある。
【0004】
そこで、車両前突時にヘッドランプの破損を回避するためには、図10の(b)に比較例として示すように、ヘッドランプ91をフロントバンパフェース92に対して車両前後方向後方の奥まった位置に配置することが考えられる。
【0005】
この場合、同図に示すように、ヘッドランプ91の前端下部と、ヘッドランプ対応位置におけるフロントバンパフェース92との間に車両前後方向に延びるオフセット部93が形成されることになる。なお、図10の(b)において、94はボンネット、95はフロントグリルの縁取り部材(いわゆるシグニチャ)である。
【0006】
図10の(b)に示す比較例の構造において、上記オフセット部93の存在に起因して、下方から上方に流れる走行風の一部が、縁取り部材95前端で剥離し、各要素94,91,95で囲繞された前方開放空間部の大きさに対応して、渦(同図の矢印参照)が形成され、この渦により空力抵抗が増大するので、空力抵抗低減の観点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−201536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明はオフセット部前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図ることができる車両の前端車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による車両の前部車体構造は、車両前部に位置するグリル部と、該グリル部よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部とを備え、上記ランプ部前端下部とバンパ部前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ランプ部前端下部と上記バンパ部前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部が形成された車両の前部車体構造であって、上記ランプ部前側に整流部を備え、該整流部は、上記グリル部の内壁面に沿って車両上下方向に延びて配置される空気流入口と、上記ランプ部の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両上下方向に延びて配置される空気排出口と、上記空気流入口と上記空気排出口とをつなぐ導風路とから構成されたものである。
上述の整流部は、フロントグリルの縁取り部材で形成してもよい。
【0010】
上記構成によれば、グリル部の内壁面に位置する空気流入口から導風路を介して、ランプ部の車両前側かつ車幅方向内側の空気排出口から排出される気流を形成することができる。
【0011】
この気流はランプ部前部に沿って車幅方向内側から車幅方向外側へ流れるので、上記オフセット部前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記空気排出口は、車両平面視で上記ランプ部前端部に連続して配置されたものである。
上記構成によれば、ランプ部前方において走行風の剥離に起因する渦の発生を、効果的に抑制することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記空気流入口と上記空気排出口と上記導風路とは一体的に形成されたものである。
上記構成によれば、空気流入口、空気排出口、導風路を一体的に形成したので、整流部の部品点数削減を図り、その組付け性を向上させることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、車両平面視で上記導風路後壁後部の少なくとも後端部を含む上記導風路後壁後部と車幅方向に延びる仮想の水平面とが成す角度は、上記ランプ部前端と上記仮想の水平面とが成す角度と同等または大きく形成されたものである。
上記構成によれば、上記角度設定により、空気排出口から流出される気流を、確実にランプ部前面に沿って車幅方向内側から車幅方向外側に流すことができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記空気排出口は、上記整流部の車両前後方向後部において車幅方向外側に向けて開口形成されたものである。
上記構成によれば、ランプ部前面に沿って流れる気流を確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、オフセット部前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の前部車体構造を備えた車両の正面図
図2】車両の前部車体構造を示す概略斜視図
図3】要部を破断して示す前部車体構造の斜視図
図4】整流部を示す拡大正面図
図5】整流部の左側面図
図6】整流部の平面図
図7】整流部の斜視図
図8図4のA−A線矢視断面図
図9図8のB−B線矢視断面図
図10】(a)は本実施例の渦発生抑制を示す側面図、(b)は比較例の渦発生を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
オフセット部前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図るという目的を、車両前部に位置するグリル部と、該グリル部よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部とを備え、上記ランプ部前端下部とバンパ部前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ランプ部前端下部と上記バンパ部前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部が形成された車両の前部車体構造であって、上記ランプ部前側に整流部を備え、該整流部は、上記グリル部の内壁面に沿って車両上下方向に延びて配置される空気流入口と、上記ランプ部の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両上下方向に延びて配置される空気排出口と、上記空気流入口と上記空気排出口とをつなぐ導風路とから構成されるという構造にて実現した。
【実施例】
【0019】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1は当該前部車体構造を備えた車両の正面図、図2は車両の前部車体構造を示す概略斜視図、図3は要部を破断して示す前部車体構造の斜視図である。
【0020】
図1図3において、エンジンルームの上方を開閉可能に覆うボンネット10と、エンジンルームの左右両側方を覆うフロントフェンダパネル11と、エンジンルームの前方を覆うバンパ部としてのフロントバンパフェース12とを設けている。
【0021】
上述のフロントバンパフェース12の車幅方向中央上部と、上述のボンネット10の前端車幅方向中央部との間にはグリル部としてのフロントグリル13を設けると共に、このフロントグリルよりも車両後方かつ車幅方向外側には、ランプ部として左右一対のヘッドランプ14を配置している。
【0022】
図1図3に示すように、上述のフロントグリル13の下方においてフロントバンパフェース12には、車幅方向に延びる走行風導入部15が形成される一方で、フロントフェンダパネル11の前輪対応部には、ホイールアーチ16が形成されている。
上述のホイールアーチ16は、詳しくは、ホイールハウスインナパネルと、ホイールハウスアウタパネルと、スプラッシュシールドとにより形成されるものである。
【0023】
図1に示すように、上述のフロントグリル13は上下の各縁取り部材17,18(いわゆるシグニチャ)を備えている。
上側の縁取り部材17はフロントグリル13の上側内壁面13aに沿って車幅方向に延びるように形成されており、下側の縁取り部材18はフロントグリル13の車幅方向左右両端部の内壁面13bおよび下側内壁面13cに沿って車両正面視で略凹形状に形成されている。
【0024】
上述の下側の縁取り部材18における左右の車幅方向両端部は、左右整流部の20,20を兼ねるように構成されている。
この整流部20は、フロントグリル13の車幅方向最外端部であるポイントPから上方かつ車幅方向内方に延びる上片部20Aと、上述のポイントPから下方かつ車幅方向内方に延びる下片部20Bとを、図1に示す車両正面視で横向きの略Y字状に一体的に形成したものである。
【0025】
ここで、上片部20Aはフロントグリル13とヘッドランプ14との間に位置すると共に、上片部20Aの上端はボンネット10の前端部と当接する位置まで上方に延びている。また下片部20Bはフロントグリル13とフロントバンパフェース12との間に位置している。
【0026】
図3に示すように、上述のヘッドランプ14の前端下部とフロントバンパフェース12の前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ヘッドランプ14前端下部と上記バンパフェース12前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部19(具体的には車両前後方向に約10cmのオフセット部)が形成されており、これにより、車両前突時に、ヘッドランプ14が破損するのを回避すべく構成している。
【0027】
図4は整流部20を示す拡大正面図、図5は整流部20の左側面図、図6は整流部20の平面図、図7は整流部20の斜視図、図8図4のA−A線矢視断面、図9図8のB−B線矢視断面図、図10の(a)は本実施例の渦発生抑制を示す側面図である。
【0028】
つぎに、図4図9を参照して整流部20の具体的構造について説明する。
なお、以下の説明においては、車両左側の整流部20の構造について述べるが、車両右側の整流部20は左側のそれと左右対称または左右略対称に構成されている。
【0029】
図4図9に示すように、上述の整流部20の上片部20Aは、前壁21と後壁22と上壁23と底壁24と、後壁22の車幅方向外端部から車両後方に一体的に折曲げ形成された屈曲壁25と、を備えている。
【0030】
図7図8に示すように、上述の整流部20は、上記各壁21,22,23,24で囲繞されてフロントグリル13の内壁面に沿って車両の略上下方向に延びて配置された空気流入口26を備えている。なお、図中、29は空気流入口26の面するグリル案内壁面である。
【0031】
図5図6図7図8に示すように、上述の整流部20は、上記各壁21,22,23,24で囲繞されると共に、ヘッドランプ14の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両の略上下方向に延びて配置される空気排出口27を備えている。この空気排出口27は縦長の方形状に形成されている。
【0032】
さらに、図8に示すように、上述の空気流入口26と空気排出口27とをつなぐ導風路28を備えている。この導風路28は、上述の前壁21、後壁22、上壁23、底壁24により囲繞形成されたものであり、この実施例では、底壁24は、図7に示すように、車幅方向内側から車幅方向外側へかけて斜め上方に上がるようスラント形状に形成されている。
【0033】
このように、上述の整流部20がフロントグリル13の内壁面に沿う空気流入口26と、ヘッドランプ14の車両前側で、かつ車幅方向内側に位置する空気排出口27と、これら空気流入口26と空気排出口27とをつなぐ導風路28と、を備えているので、車両走行時には、フロントグリル13内壁面に位置する空気流入口26から導風路28を介してヘッドランプ14の車両前側かつ車幅方向内側の空気排出口27から排出される気流を形成することができる。
【0034】
具体的には、図10の(a)に示すように、上述の気流は、ヘッドランプ14のアウタレンズ前面と、同図に仮想線αで示す範囲に形成され、この気流はヘッドランプ14前部(詳しくは、ヘッドランプ14のアウタレンズ前面)に沿ってその車幅方向内側から車幅方向外側へ流れるため、上述のオフセット部19前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図るものである。
【0035】
本実施例の構造を示す図10の(a)と、比較例(空気流入口26、空気排出口27、導風路28が存在しないもの)の構造を示す図10の(b)との対比から明らかなように、上記各要素26,27,28が存在しない比較例のものでは、オフセット部93に起因して、その前端での走行風の剥離により大きい渦が発生して、空力抵抗の改善が望めない一方で、上記各要素26,27,28を備えた本実施例のものでは、上記気流によりオフセット部19前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図ることができた。
【0036】
一方で、図8に示すように、上述の上片部20Aは導風路28の直前部に中空部20aを備えており、図7に示すように、上述の下片部20Bはフロントグリル13内に対向する対向面部20bと、この対向面部20bの車幅方向外側かつ前方から一旦下方に屈曲した後に、車幅方向内側かつ後方に屈曲する折返し部20dとを備えている。
【0037】
ところで、図3に示すように、上述の空気排出口27は、車両平面視でヘッドランプ14の前端部に連続して配置されており、これにより、ヘッドランプ14前方において走行風の剥離に起因する渦の発生を、効果的に抑制すべく構成している。
【0038】
さらに、図8図9に示すように、上述の空気流入口26と空気排出口27と導風路28とは一体的に形成されており、これにより、整流部20の部品点数削減を図り、当該整流部20の組付け性を向上させるよう構成している。
【0039】
さらにまた、図8に示すように、車両平面視で上述の導風路28の後壁22後部の少なくとも後端部を含む上記導風路28の後壁22後部と車幅方向に延びる仮想の水平面HORとが成す角度θ2(この実施例では、車幅方向に延びる仮想の水平線HORと、導風路28の中心線CLとの成す角度θ2)は、上記ヘッドランプ14前端と上記仮想の水平面HORとが成す角度θ1(この実施例では、ヘッドランプ14におけるアウタレンズ前面の水平線HORに対する傾斜角度θ1)と同等または大きく形成されている。
【0040】
この実施例では、上記角度θ2を約40°に設定し、上記角度θ1を約30°に設定しているが、この数値に限定されるものではない。
上述のように、各角度θ2,θ1の関係を、θ2≧θ1と成すことで、空気排出口27から流出される気流を、確実にヘッドランプ14前面に沿って車幅方向内側から車幅方向外側に流すよう構成したものである。
【0041】
加えて、図3図5に示すように、上述の空気排出口27は、整流部20の車両前後方向後部において車幅方向外側に向けて開口形成されており、これにより、ヘッドランプ14前面、詳しくはヘッドランプ14のアウタレンズ前面に沿って流れる気流を確実に確保するよう構成したものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0042】
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、車両前部に位置するグリル部としてのフロントグリル13と、該フロントグリル13よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部としてのヘッドランプ14とを備え、上記ヘッドランプ14前端下部とバンパ部であるフロントバンパフェース12前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ヘッドランプ14前端下部と上記バンパフェース12前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部19が形成された車両の前部車体構造であって、上記ヘッドランプ14前側に整流部20を備え、該整流部20は、上記フロントグリル13の内壁面に沿って車両上下方向に延びて配置される空気流入口26と、上記ヘッドランプ14の車両前側かつ車幅方向内側に位置し、車両上下方向に延びて配置される空気排出口27と、上記空気流入口26と上記空気排出口27とをつなぐ導風路28とから構成されたものである(図1図3図8参照)。
【0043】
この構成によれば、フロントグリル13内壁面に位置する空気流入口26から導風路28を介して、ヘッドランプ14の車両前側かつ車幅方向内側の空気排出口27から排出される気流を形成することができる。
【0044】
この気流はヘッドランプ14前部に沿って車幅方向内側から車幅方向外側へ流れるので、上記オフセット部19前端での走行風の剥離に起因する渦の発生を抑制して、空力抵抗の改善を図ることができる。
【0045】
また、この発明の一実施形態においては、上記空気排出口27は、車両平面視で上記ランプ部としてのヘッドランプ14前端部に連続して配置されたものである(図3参照)。
この構成によれば、ヘッドランプ14前方において走行風の剥離に起因する渦の発生を、効果的に抑制することができる。
【0046】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記空気流入口26と上記空気排出口27と上記導風路28とは一体的に形成されたものである(図8図9参照)。
この構成によれば、空気流入口26、空気排出口27、導風路28を一体的に形成したので、整流部20の部品点数削減を図り、その組付け性を向上させることができる。
【0047】
さらにまた、この発明の一実施形態においては、車両平面視で上記導風路28の後壁22後部の少なくとも後端部を含む上記導風路28後壁後部と車幅方向に延びる仮想の水平面HORとが成す角度θ2は、上記ヘッドランプ14前端と上記仮想の水平面HORとが成す角度θ1と同等または大きく形成されたものである(図8参照)。
【0048】
この構成によれば、上記角度θ2,θ1の設定により、空気排出口27から流出される気流を、確実にヘッドランプ14前面に沿って車幅方向内側から車幅方向外側に流すことができる。
【0049】
加えて、この発明の一実施形態においては、上記空気排出口27は、上記整流部20の車両前後方向後部において車幅方向外側に向けて開口形成されたものである(図3図5参照)。
この構成によれば、ヘッドランプ14前面に沿って流れる気流を確実に確保することができる。
【0050】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のグリル部は、実施例のフロントグリル13に対応し、
以下同様に、
ランプ部は、ヘッドランプ14に対応し、
バンパ部は、バンパフェース12に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上説明したように、本発明は、車両前部に位置するグリル部と、該グリル部よりも車両後方かつ車幅方向外側に配置されるランプ部とを備え、上記ランプ部前端下部とバンパ部前端上部とが車両前後方向にオフセットして配置されると共に、上記ランプ部前端下部と上記バンパ部前端上部とをつなぐ車幅方向に延びるオフセット部が形成された車両の前部車体構造について有用である。
【符号の説明】
【0052】
12…フロントバンパフェース(バンパ部)
13…フロントグリル(グリル部)
14…ヘッドランプ(ランプ部)
19…オフセット部
20…整流部
26…空気流入口
27…空気排出口
28…導風路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10