特開2018-171964(P2018-171964A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-171964(P2018-171964A)
(43)【公開日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】車両用画像表示装置及び設定方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20181012BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20181012BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20181012BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20181012BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   G08G1/16 C
   H04N7/18 J
   H04N7/18 U
   G06T1/00 330A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-70302(P2017-70302)
(22)【出願日】2017年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(72)【発明者】
【氏名】松葉 慶暁
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】大坪 智範
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠之
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直朋
【住所又は居所】広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ株式会社内
【テーマコード(参考)】
5B057
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057BA17
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CD12
5B057CE08
5B057CH16
5B057CH20
5C054CC05
5C054CE01
5C054EA01
5C054EA05
5C054FC04
5C054FC12
5C054FD03
5C054FE16
5C054FE18
5C054FE26
5C054FF03
5C054HA30
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】本発明は、広角レンズのカメラにより撮像した画像をドライバに表示する際に、ドライバの注意力が低下することを防止し、ドライバの安全運転を支援することができる車両用画像表示装置及び設定方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の車両用画像表示装置は、車両に搭載され、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置であって、車両外部の前方部又は後方部に設置されて、広角レンズにより車両の前方又は後方を撮像するカメラと、このカメラにより撮像された広角画像を補正して平面画像を生成する処理部と、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域と適さない周辺領域を含む平面画像を画面上に表示する表示部と、を有し、広角レンズの光軸は、車両の車両進行側であり且つ設定車速の車両が停止するまでの間の移動区間の路面部分が中央領域に含まれるように、路面部分の所定位置に向けて設定されていることを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置であって、
前記車両外部の前方部又は後方部に設置されて、広角レンズを介して前記車両の前方又は後方を撮像するカメラと、
このカメラにより撮像された広角画像を補正して平面画像を生成する処理部と、
ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域と適さない周辺領域を含む前記平面画像を画面上に表示する表示部と、を有し、
前記広角レンズの光軸は、前記車両より車両進行方向側であり且つ設定車速の前記車両が停止するまでの間の移動区間の路面部分が前記中央領域に含まれるように、前記路面部分の所定位置に向けて設定されている、ことを特徴とする車両用画像表示装置。
【請求項2】
前記中央領域は、前記平面画像のコントラスト比が30パーセント以上の領域である、請求項1に記載の車両用画像表示装置。
【請求項3】
前記広角レンズの光軸は、前記路面部分の略中央と交差するように設定されている、請求項1又は2に記載の車両用画像表示装置。
【請求項4】
前記カメラは、ドライバが運転しているときの前記前方部又は前記後方部の死角領域において、この死角領域外に近接する位置に設置されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用画像表示装置。
【請求項5】
車両進行方向における前記移動区間は、前記設定車速に基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車両進行方向の空走距離とドライバが制動動作を開始してから前記車両が停止するまでの車両進行方向の制動距離とに基づき規定される、請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用画像表示装置。
【請求項6】
車幅方向における前記移動区間は、前記設定車速及び前記車両の最大舵角に基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車幅方向の空走距離とドライバが制動動作を開始してから前記車両が停止するまでの車幅方向の制動距離とに基づき規定される、請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両用画像表示装置。
【請求項7】
ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置の設定方法であって、
車両の設定車速及び最大舵角を設定する工程と、
前記設定車速及び前記最大舵角に基づき、前記車両より車両進行方向側であり且つ前記設定車速の前記車両が停止するまでの間の移動区間の路面部分を規定する工程と、
前記両用画像表示装置が有するカメラの広角レンズを介して撮像された広角画像を補正して生成される平面画像において、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域と適さない周辺領域とを規定する工程と、
前記路面部分が前記中央領域に含まれるように前記広角レンズの光軸を向ける前記路面部分の所定位置を設定する工程を有する、ことを特徴とする設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用画像表示装置及び設定方法に係り、特に車両に搭載され、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置及び設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車外に設けられたカメラにて車両周囲を撮像し、撮像した画像を車内に設置されたモニタに表示することにより、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置が知られている。この装置は、例えばドライバが駐車を行う際に、カメラにてドライバの死角となる車両周囲を撮像してモニタに表示することによって、ドライバの車両周囲の安全確認を支援している。そのために、カメラは、広い範囲を撮像することができる広角レンズ(魚眼レンズ等)を備えたものが使用されている。
【0003】
この広角レンズのカメラで撮像された画像は、光軸から離れるほど画像が圧縮されて「歪み」が発生する。この「歪み」により、画像の周辺部の視認が難しかった。この問題を解消するために、広角レンズのカメラで撮像された画像を座標変換し、「歪み」のない平面画像としてモニタに表示する車両用画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1又は2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−143381号公報
【特許文献2】特開2016−167792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、広角レンズのカメラで撮像された画面を座標変換した平面画像は、画像周辺部が中央部に比べて少ない画素数で構成されているため、光軸から離れた部分に「ぼやけ」が発生する。このため依然としてドライバは周辺部を視認し難いという問題がある。また、車両に対するカメラの設置位置は、車両外観デザインや周辺部品との兼ね合いで決められており、モニタに表示される画像の「ぼやけ」に対する考慮はされていなかった。即ち、ドライバが安全上注視すべき車両周囲がモニタに表示されていても、その部分に「ぼやけ」が発生している場合があり、ドライバが視認し難いという問題があった。また、ドライバは、「ぼやけ」が発生している部分を確認することに気を取られ、ドライバの運転に対する注意力が低下する恐れがあるという問題があった。
【0006】
従って、本発明は、広角レンズのカメラにより撮像した画像をドライバに表示する際に、ドライバの注意力が低下することを防止し、ドライバの安全運転を支援することができる車両用画像表示装置及び設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用画像表示装置は、車両に搭載され、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置であって、車両外部の前方部又は後方部に設置されて、広角レンズにより車両の前方又は後方を撮像するカメラと、このカメラにより撮像された広角画像を補正して平面画像を生成する処理部と、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域と適さない周辺領域を含む平面画像を画面上に表示する表示部と、を有し、広角レンズの光軸は、車両の車両進行側であり且つ設定車速の車両が停止するまでの間の移動区間の路面部分が中央領域に含まれるように、路面部分の所定位置に向けて設定されていることを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明においては、表示部に表示される平面画像にドライバが撮像体を視認するのに適さない「ぼやけ」が発生していても、ドライバが安全上注視すべき路面部分は、「ぼやけ」が発生していない平面画像の中央領域上に表示される。したがって、広角レンズのカメラにより撮像された画像において、ドライバは路面部分を「ぼやけ」がない状態で視認することができ、ドライバの注意力が散乱することを防止し、ドライバの安全運転を支援することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、中央領域は、平面画像のコントラスト比が30パーセント以上の領域である。このように構成された本発明においては、ドライバは路面部分をコントラスト比率が30パーセント以上の中央領域上で視認することができる。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、更に、広角レンズの光軸は、路面の略中央と交差するように設定されている。このように構成された本発明においては、路面部分を光軸から離れないようにすることができるために、路面部分を「ぼやけ」が発生していない平面画像の中央領域に確実に表示することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、更に、カメラは、ドライバが運転しているときの前方部又は後方部の死角領域において、この死角領域外に近接する位置に設置されている。このように構成された本発明においては、ドライバの目線の延長線上付近にカメラが設置されているために、カメラを路面部分に確実に向けることができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、車両進行方向における移動区間は、設定車速に基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車両進行方向の空走距離とドライバが制動動作を開始してから車両が停止するまでの車両進行方向の制動距離とに基づき規定される。このように構成された本発明においては、車両進行方向の路面部分を精度良く定めることができ、路面部分を「ぼやけ」が発生していない平面画像の中央領域に表示することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、更に、車幅方向における移動区間は、設定車速及び車両の最大舵角に基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車幅方向の空走距離とドライバが制動動作を開始してから車両が停止するまでの車幅方向の制動距離とに基づき規定される。このように構成された本発明においては、車幅方向の路面部分を精度良く定めることができ、路面部分を「ぼやけ」が発生していない平面画像の中央領域に表示することができる。
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明の設定方法は、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置の設定方法であって、車両の設定車速及び最大舵角を設定する工程と、設定車速及び前記最大舵角に基づき、車両より車両進行方向側であり且つ設定車速の車両が停止するまでの間の移動区間の路面部分を規定する工程と、車両用画像装置が有するカメラの広角レンズを介して撮像された広角画像を補正して生成される平面画像において、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域と適さない周辺領域とを規定する工程と、路面部分が中央領域に含まれるように広角レンズの光軸を向ける路面部分の所定位置を設定する工程を有することを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明においては、広角レンズのカメラにより撮像した画像において、ドライバが路面部分を「ぼやけ」がない状態で視認できるようにするための設定方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の車両用画像表示装置及び設定方法は、広角レンズのカメラにより撮像した画像をドライバに表示する際に、ドライバの注意力が低下することを防止し、ドライバの安全運転を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、本発明の実施形態の車両用画像表示装置を搭載した車両全体を示す側面図であり、図1(b)は、図1(a)の平面図である。
図2】本発明の実施形態による車両用画像表示装置を示す基本構成図である。
図3図3(a)は、本実施形態による車両用画像表示装置を使用している際の車両状態を表す図であり、図3(b)は、図3(a)の際の液晶画面の表示状態を表す図である。
図4図4(a)は、広角レンズのカメラにより撮像した広角画像のイメージを示す図であり、図4(b)は、図4(a)の広角画像を補正した平面画像のイメージを示す図である。
図5】「ぼやけ」とコントラスト比との関係を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態による車両用画像表示装置の広角レンズの光軸の向きと路面部分について示す側面図である。
図7図6の平面図である。
図8】本発明の実施形態による車両用画像表示装置の設定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1及び2を参照して、本発明の実施形態による車両用画像表示装置の基本構成について説明する。図1(a)は車両用画像表示装置を搭載した車両全体を示す側面図、図1(b)は図1(a)の平面図である。図2は車両用画像表示装置を示す基本構成図である。
【0019】
本明細書においては、車両が前進する側を前、車両が後進する側を後、前を向いて車両の車幅方向を左右、鉛直方向を上下と呼んでいる。
【0020】
図1及び2に示すように、車両用画像表示装置1は、車両2に搭載され、フロントカメラ3、リアカメラ5、左サイドカメラ7、右サイドカメラ9、表示部11、スイッチ13、処理部15を備えている。車両用画像表示装置1は、各種センサから各センサデータを取得する。各種センサは、ギヤポジションセンサ17、車速センサ19、ステアリング舵角センサ21を含む。
【0021】
図1を参照して、フロントカメラ3は、車両2外部の前方部4で、車両2の前端且つ車幅方向中央に設置される。具体的には、フロントカメラ3は、前方部4の左右ヘッドライトの間に配置されるオーナメントの上方に設置される。フロントカメラ3は、広角レンズを備え、前方且つ下方を向くように設置されている。広角レンズは、例えば魚眼レンズ、超広角レンズ等が用いられ、ドライバの視界の画角より広い画角範囲(約180度)の広角画像を撮像可能である。これにより、フロントカメラ3は、広角レンズを介して車両2の前方の車両周囲を広範囲で撮像することができる。また、フロントカメラ3は、処理部15と通信可能に接続され、撮像した広角画像データを処理部15に送信する。
【0022】
リアカメラ5は、車両2外部の後方部6で、車両2の後端且つ車幅方向中央に設置される。具体的には、リアカメラ5は、後方部6の左右バックライトの間に配置されるナンバープレートの上方に設置される。換言すると、リアカメラ5は、リアガラス8の下縁と略同じ高さ位置、即ちドライバがリアガラス8を見たとき死角領域となる後方部6の後端の最上縁(死角領域と死角外領域との境界)付近に設置される。これにより、ドライバがリアガラス8を介して死角領域を視認しているような画像を撮像することができる。また、リアカメラ5は、フロントカメラ3と同じ仕様の広角レンズを備え、後方且つ下方を向くように設置される。これにより、リアカメラ5は、広角レンズを介して車両2の後方の車両周囲を広範囲で撮像することができる。また、リアカメラ5は、処理部15と通信可能に接続され、撮像した広角画像データを処理部15に送信する。
【0023】
左サイドカメラ7及び右サイドカメラ9は、車両2外部の側方部12に配置される左右両方のドアミラー10の下部に設置される。また、左右サイドカメラ7、9は、フロントカメラ3と同じ仕様の広角レンズを備え、外方向且つ下方を向くように設置される。これにより、左右サイドカメラ7、9は、広角レンズを介して車両2の側方の車両周囲を広い範囲で撮像することができる。また、左右サイドカメラ7、9は、処理部15と通信可能に接続され、撮像した広角画像データを処理部15に送信する。
【0024】
表示部11は、画像を表示する液晶画面を備え、車内前方のダッシュボード上に設置される。この表示部11は、カーナビゲーションシステム用の液晶画面を兼用してもよい。この液晶画面は、運転席を向いており、運転中のドライバが画面を視認できるように設置される。また、表示部11は、処理部15と通信可能に接続され、処理部15を介して画像データを受信する。各種カメラで撮像された広角画像は、処理部15により平面画像に変換され液晶画面上に表示される。
【0025】
ギヤポジションセンサ17は、複数のギヤを備える変速機構と電気的に接続している。変速機構は、車両2が後進するためのバックギヤと、車両が前進するための複数のドライブギヤとを備えている。運転者が操作レバーを操作して一つギヤを選択すると、選択された車両進行方向及び速度により車両2は走行する。ギヤポジションセンサ17は、処理部15と通信可能に接続され、操作レバーの位置を検知し、ギヤ位置のデータを処理部15に送信する。
【0026】
車速センサ19は、車両2の絶対速度を検知する。車速センサ19は、処理部15と通信可能に接続され、車両2の絶対速度のデータを処理部15に送信する。
【0027】
ステアリング舵角センサ21は、ステアリングの操舵角を検知する。ステアリング舵角センサ21は、処理部15と通信可能に接続され、ステアリングの操舵角のデータを処理部15に送信する。
【0028】
スイッチ13は、表示部11又は車内の運転席近傍に設置され、表示部11及び各種カメラを起動又は終了させる電源スイッチ18と、表示部11の画像の種類を切り替える画像切替スイッチ20とを備える。操作レバーがドライブギヤに入っている場合、ドライバは、画像切替スイッチ20によって、フロントカメラ3により撮像した前方画像又はより広範囲を撮像した前方広域画像又は左右サイドカメラ7、9により撮像した側方画像の何れかを選択して液晶画面上に表示させることができる。操作レバーがバックギヤに入っている場合、ドライバは、画像切替スイッチ20によって、リアカメラ5により撮像した後方画像又はより広範囲を撮像した後方広域画像の何れかを選択して液晶画面上に表示させることができる。各スイッチは、処理部15と通信可能に接続され、各スイッチからデータを処理部15に送信する。
【0029】
処理部15は、各信号と各データを統合するCMU(コネクティビティマスタユニット)又は/及びECU(Electronic Control Unit)である。処理部15は、各種カメラにて撮像された広角画像データを受信する。処理部15は、この広角画像を座標変換して補正を行うことにより平面画像をリアルタイムで生成する。処理部15は、この平面画像のデータを表示部11に送信する。これにより、各種カメラにて撮像された広角画像は補正され、平面画像として表示部11に表示される。更に、処理部15は、各種センサ、スイッチ13からの各データに基づいて、表示部11の液晶画面上に表示する各カメラ画像の種別と内容を制御する。
【0030】
次いで、図3及び4を参照して、本発明の本実施形態による車両用画像表示装置の基本概念について説明する。図3(a)は車両用画像表示装置を使用している際の車両状態を表す図、図3(b)は図3(a)の際の液晶画面の表示状態を表す図である。図4(a)は広角レンズのカメラにより撮像した広角画像のイメージを示す図、図4(b)は図4(a)の広角画像を補正した平面画像のイメージを示す図である。
【0031】
図3に示すように、車両用画像表示装置1は、例えばドライバが車両2を後進させて駐車を行うときに使用される(図3(a)参照)。車両用画像表示装置1は、ドライバが電源スイッチ18をオンにすることにより起動される。次いで、ドライバが操作レバーをバックギヤに入れると、処理部15は、リアカメラ5によって撮像された車両2の後方周囲画像を表示部11に表示させる。表示部11の液晶画面には、鳥瞰画像表示部22と、各種平面画像を表示する各方向画像表示部24と、使用状態を示すアイコン26と、電源スイッチ18及び画像切替スイッチ20とが表示される(図3(b)参照)。
【0032】
鳥瞰画像表示部22には、車両2を空から見下ろしているような視点の画像が表示される。この画像は、フロントカメラ3及びリアカメラ5、左右サイドカメラ7、9によって撮像された画像を処理部15により合成したものである。鳥瞰画像表示部22には、車両周囲の合成画像と共に、この画像上に車幅延長線28が表示される。車幅延長線28は、ステアリング舵角センサ21により検知されたステアリングの操舵角に基づき、処理部15が予測した車幅の延長目安を示す線である。
【0033】
各方向画像表示部24には、フロントカメラ3又はリアカメラ5、左右サイドカメラ7、9により撮像され、処理部15にて補正された平面画像が表示される。更に、この平面画像と共に、車幅延長線28及び距離目安線30が表示される。距離目安線30は、車両2の後端から約1m間隔に引かれた線である。図3(b)の各方向画像表示部24には後方画像が表示されているが、画像切替スイッチ20により後方広域画像に切り替えることができる。また、ドライバが操作レバーをドライブギヤに入れると、画像切替スイッチ20に応じて、前方画像又は前方広域画像又は側方画像の何れかを各方向画像表示部24に表示することができる。
【0034】
アイコン26は、各方向画像表示部24に表示中の画像を撮像しているカメラを表している。
【0035】
このように、各種カメラにより撮像したドライバの死角となる車両周囲画像は、表示部11の液晶画面に表示される。これにより、ドライバは表示部11の液晶画面により車両周囲の安全を確認しながら車両2を運転することができる。
【0036】
また、望ましくは、処理部15は、車速センサ17が検知する絶対車速が15km/hを超えたと判断すると、表示部11の画面表示を停止する。これにより鳥瞰画像表示部22と各方向画像表示部24の画像はオフになる。
【0037】
図4(a)に示すように、車両用画像表示装置1のカメラに用いられるレンズは、広角レンズ、例えば魚眼レンズ、超広角レンズ等であり、撮像された広角画像31は円形画像で表示される。広角画像31の周辺部34は、中心部32と比べ画像が圧縮されているため、光軸36から離れるほど「歪み」が生じている。これにより、広角画像31は、「歪み」が生じている周辺部34において視認が難しくなっている。
【0038】
図4(b)に示すように、広角画像31の「歪み」を解消するために、処理部15により広角画像31を座標変換による補正をして平面画像37を生成する。平面画像37の周辺領域40は、中心領域38に比べ少ない画素数で構成されているため、座標変換による補正をすると画素数が不足する。このため、平面画像37は、光軸42から離れるほど「ぼやけ」が生じている。即ち、周辺領域40は、コントラスト比が30パーセントより小さく「ぼやけ」が生じているため、ドライバが撮像体を視認するのに適していない領域である。また、平面画像37の中央領域38は、コントラスト比が30パーセント以上であり「ぼやけ」が殆ど生じていないため、ドライバが撮像体を視認するのに適している領域である。
【0039】
広角画像31を補正した平面画像37において、中央領域38は、ドライバが撮像体を視認するのに適しており、周辺領域40は、ドライバが撮像体を視認するのに適していない。路面(例えば、道路、車線、白線、縁石等)内でドライバが運転する際に注視すべき路面部分と対象物(例えば、車両、歩行者、障害物等)が中央領域38に表示されている場合、ドライバは瞬時に視認することができる。しかしながら、それらが周辺領域40に表示されている場合、「ぼやけ」が生じているため、それらに対する視認性が低下する。このように、路面部分や対象物が周辺領域40に表示されていると、ドライバは周辺領域40の確認に気を取られるため、運転に対する注意力が低下する恐れがある。
【0040】
これに対する設計思想として、従来は、カメラの性能(画素数、画角の広さ等)を向上させることが考えられてきた。しかしながら、高い性能のカメラを採用することは車両全体の製品コストの増加に繋がる。そこで、本発明者らは、駐車時の車速は通常走行時と比べ低く(約5km/h以下)、ドライバが運転する際に注視すべき路面部分が狭いことに着目し、その路面部分をドライバに確実に視認させ、それ以外の部分を視認させないようにすれば、ドライバの注意力低下を防止できることを見出した。
【0041】
次いで、図5を参照して、本実施形態による「ぼやけ」の定義について説明する。図5は「ぼやけ」とコントラスト比との関係を説明するための図である。
【0042】
「ぼやけ」は、例えばコントラスト比により定義される。コントラスト比は、任意の境界から所定幅範囲内の画素の最小輝度値Lminを所定幅範囲内の画素の最大輝度値Lmaxで除した値である(コントラスト比(%)=Lmin/Lmax×100))。図5に示すように、コントラスト比が100%の場合(図5(a))、「ぼやけ」が生じておらず、ドライバは鮮明に撮像体を視認することができる。コントラスト比が50%の場合(図5(b))、「ぼやけ」が多少生じているが、ドライバが鮮明に撮像体を視認できる限界である。コントラスト比が10%の場合(図5(c))、「ぼやけ」がかなり生じており、ドライバは撮像体を視認することが難しい。即ち、コントラスト比が30%以上であれば、ドライバは撮像体を視認するのに適している。
【0043】
本実施形態において、ドライバの視認に適するコントラスト比の閾値を30%としたが、閾値は撮像体の大きさ等により変更することができ、例えば小さな撮像体をカメラで撮像する場合には30%より大きく設定することが望ましい。
【0044】
次いで、図6及び7を参照して、本発明の本実施形態による車両用画像表示装置の特徴について説明する。図6は車両用画像表示装置の広角レンズの光軸の向きと路面部分について示す側面図、図7図6の平面図である。
【0045】
図6、7に示すように、前方部4の車両前端にはフロントカメラ3が設置され、後方部6の車両後端にはリアカメラ5が設置されている。車両2が走行する路面51には、設定車速の車両2が後進して停止するまでの間に車両2が移動し得る後側移動区間53と、設定車速の車両2が前進して停止するまでの間に車両2が移動し得る前側移動区間55が設定されている。更に、車両2が走行する路面51には、車両2の後端を通り且つ車両中央軸Xに対して垂直で左右方向(車幅方向)に延びる基準線58より後方側(後進方向側)に、後側路面部分57が設定されている。また、車両2が走行する路面51には、前側移動区間55において、車両2の前端を通り且つ車両中央軸Xに対して垂直で左右方向(車幅方向)に延びる基準線60より前方側(前進方向)に、前側路面部分59が設定されている。
【0046】
後側移動区間53又は前側移動区間55は、後進又は前進中、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始してから車両2が停止するまでに車両2が移動する範囲である。後側移動区間53の後端線52は、最小舵角と最大舵角の範囲内において、車両2が後進してから停止するまでに後方部6の後端が到達し得る最遠位置である。後側移動区間53の左端線54、右端線56は、左右最大舵角にて、車両2が後進してから停止するまでに側方部12が到達し得る車幅方向の最遠位置である。これら後端線52、左端線54、右端線56、車両2の外郭線で囲まれた範囲が後側移動区間53である。後側移動区間53と同様に、前端線61、左端線63、右端線65、車両2の外郭線で囲まれた範囲が前側移動区間55である。
【0047】
後側移動区間53の車両進行方向の最大距離L1は、或る基準位置の車両2の後端(基準線58)から最遠位置(後端線52)までの車両進行方向の距離である。具体的に、最大距離L1は、設定車速Vで後進中に或る基準位置でドライバが対象物を認識し制動動作を開始してから車両2が停止するまでの間において、車両2の後端が移動する距離である。最大距離L1は、設定車速Vに基づいて得られ、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車両進行方向の空走距離L2とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの車両進行方向の制動距離L3の和により算出される(L1=L2+L3)。
【0048】
設定車速Vは、予め規定される固定値であり、駐車する場合を想定して5km/hと設定される。
【0049】
空走距離L2は、ドライバが液晶画面を見てから対象物を認知するまでの時間t1とドライバが対象物を認知してから制動動作を開始するまでの時間t2との和に対して設定車速Vを乗じた距離である(L2=(t1+t2)×V)。t1とt2は、予め規定される固定値であり、それぞれ0.5sと0.75sと設定される。
【0050】
制動距離L3は、設定速度Vを、摩擦係係数μに重力加速度Gを乗じて二掛けした値によって除した距離である(L3=V/(2×μ×G))。
【0051】
後側移動区間53の車幅方向の最大距離W1は、車両2の側方部12の外郭線から最遠位置(左端線54又は右端線56)までの車幅方向の距離である。具体的に、最大距離W1は、設定車速V及び最大舵角で後進中に或る基準位置でドライバが対象物を認識し制動動作を開始してから車両2が停止するまでの間において、車両2の側方部12が車幅方向に移動する距離である。最大距離W1は、設定車速V及び最大舵角に基づいて得られ、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車幅方向の空走距離W2とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの車幅方向の制動距離W3の和により算出される(W1=W2+W3)。
【0052】
後側路面部分57は、車両2の後端を通り且つ車両中央軸Xに対して垂直で左右方向(車幅方向)に延びる基準線58より後側(後進方向側)の後側移動区間53である。換言すると、後側路面部分57は、後側移動区間53の後端線52及び左右端線54、56、基準線58で囲まれる範囲である。車両2を後進させる際に、ドライバは後側路面部分57の安全確認を最も注意して行う必要がある。
【0053】
前側移動区間55の車両進行方向の最大距離L4は、或る基準位置の車両2の前端(基準線60)から最遠位置(前端線61)までの車両進行方向の距離である。具体的に、最大距離L4は、設定車速Vで前進中に或る基準位置でドライバが対象物を認識し制動動作を開始してから車両2が停止するまでの間において、車両2の前方部4の前端が移動する距離である。最大距離L4は、設定車速Vに基づいて得られ、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの進行方向の車両空走距離L5とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの進行方向の車両制動距離L6の和により算出される(L4=L5+L6)。
【0054】
設定車速Vは、予め規定される固定値であり、駐車する場合を想定して5km/hと設定される。
【0055】
空走距離L5は、ドライバが液晶画面を見てから対象物を認知するまでの時間t1とドライバが対象物を認知してから制動動作を開始するまでの時間t2との和に対して設定車速Vを乗じた距離である(L5=(t1+t2)×V)。t1とt2は、予め規定される固定値であり、それぞれ0.5sと0.75sと設定される。
【0056】
制動距離L6は、設定速度Vを、摩擦係係数μに重力加速度Gを乗じて二掛けした値によって除した距離である(L6=V/(2×μ×G))。
【0057】
前側移動区間55の車幅方向の最大距離W4は、車両2の側方部12の外郭線から最遠位置(左端線63又は右端線65)までの車幅方向の距離である。具体的に、最大距離W4は、設定車速V及び最大舵角で前進中に或る基準位置でドライバが対象物を認識し制動動作を開始してから車両2が停止するまでの間において、車両2の側方部12が車幅方向に移動する距離である。最大距離W4は、設定車速V及び最大舵角に基づいて得られ、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車幅方向の空走距離W5とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの車幅方向の制動距離W6の和により算出される(W4=W5+W6)。
【0058】
前側路面部分59は、車両2の前端を通り且つ車両中央軸Xに対して垂直で左右方向(車幅方向)に延びる基準線60より前側(前進方向側)の前側移動区間55である。また、前側路面部分59は、前側移動区間55の前端線61及び左右端線63、65、基準線60で囲まれる範囲である。車両2を前進させる際に、ドライバは前側路面部分59の安全確認を最も注意して行う必要がある。
【0059】
リアカメラ5の広角レンズの光軸62は、表示装置11に表示される平面画像37において、後側路面部分57の全面が、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域38に含まれるように、鉛直線に対して所定角度α傾けて、後側路面部分57の所定位置に向けて設定されている。これにより、後側路面部分57は、平面画像37の中央領域38に表示され、周辺領域40には表示されない。また、中央領域38は、コントラスト比が30パーセント以上で構成されており、ドライバが撮像体を視認するのに適している。更に、リアカメラ5の広角レンズの光軸62は、後側路面部分57における車両進行方向(前後方向)及び車幅方向(左右方向)の略中央の中央部分66と交差するように、後方且つ下方を向くように設定されている。
【0060】
フロントカメラ3の広角レンズの光軸64は、表示装置11に表示される平面画像37において、前側路面部分59の全面が、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域38に含まれるように、鉛直線に対して所定角度β傾けて、前側路面部分59の所定位置に向けて設定されている。これにより、前側路面部分59は、平面画像37の中央領域38に表示され、周辺領域40には表示されない。中央領域38は、コントラスト比が30パーセント以上で構成されており、ドライバが撮像体を視認するのに適している。更に、フロントカメラ3の広角レンズの光軸64は、前側路面部分59における車両進行方向(前後方向)及び車幅方向(左右方向)の略中央の中央部分68と交差するように、前方且つ下方を向くように設定されている。
【0061】
次いで、図8を参照して本発明の実施形態による車両用画像表示装置の設定方法のフローについて説明する。図8は車両用画像表示装置の設定方法を示すフローチャートである。図8において、Sは各工程を示す。
【0062】
広角レンズのカメラで撮像した画像を表示部11に表示することにより運転を支援する車両用画像表示装置1においては、カメラを車両2に取り付ける前に、電子計算機等(図示せず)を使用することによって広角レンズの光軸62、64の向きを予め設定する。
【0063】
図8に示すように、まず、S1では、各初期条件を設定する。具体的に、電子計算機は、車両2の駐車の際の設定車速V(例えば5km/h)及び車両2の最大舵角、カメラを車両に取り付ける位置(上下方向の高さ、車幅方向の位置、車両進行方向の位置)、ドライバが液晶画面を見てから対象物を認知するまでの時間t1、ドライバが対象物を認知してから制動動作を開始するまでの時間t2を読み込む。
【0064】
次いで、S2では、電子計算機は、S1で読み込まれた各初期条件(設定車速V及び最大舵角等)に基づき、車両進行方向及び車幅方向の空走距離と制動距離を算出し、ドライバが対象物を認知してから車両2が停止するまでの間の後側移動区間53又は前側移動区間55を規定する。更に、車両2の後端(基準線58)より後側(後進方向側)の後側移動区間53を後側路面部分57として規定する。また、車両2の前端(基準線60)より前側(前進方向側)の前側移動区間55を前側路面部分59として規定する。
【0065】
S3では、電子計算機は、広角レンズを備えたリアカメラ5又はフロントカメラ3により撮像され、処理部15により補正された平面画像37において、ドライバが撮像体を視認するのに適している中央領域38とドライバが撮像体を視認するのに適していない周辺領域40とを規定する。中央領域38は、平面画像37のコントラスト比が30パーセント以上の領域であるのが好ましい。
【0066】
次いで、S4では、電子計算機は、表示装置11の液晶画面に表示される平面画像37において路面部分57、59の全面が中央領域38に表示されように、広角レンズの光軸62、64を向ける路面部分57、59の所定位置を設定する。これで車両用画像表示装置の設定方法のフローを完了する。
【0067】
なお、液晶画面に表示される路面部分57、59は、その外周縁が中央領域38の外周縁と完全一致するように表示される必要はなく、中央領域38の外周縁に対して所定幅だけ小さく表示してもよい。
【0068】
次いで、本実施形態の(作用)効果について説明する。
本実施形態の車両用画像表示装置1は、車両2外部の前方部4の前端又は後方部6の後端に設置され広角レンズにより車両2の前方又は後方を撮像するカメラ3、5と、このカメラ3、5により撮像された広角画像31を座標変換により補正して平面画像37を生成する処理部15と、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域38と適さない周辺領域40を含む平面画像37を液晶画面上に表示する表示部11を有する。車両2の前端又は後端(基準線58、60)より前側又は後側(車両進行方向側)であり且つ設定車速Vの車両2が停止するまでの間の移動区間53、55の路面部分57、59が中央領域38に表示されるように、広角レンズの光軸62、64は路面部分57、59の所定位置に向けて設定される。
【0069】
このような本実施形態においては、表示部11の平面画像37にドライバが撮像体を視認するのに適さない「ぼやけ」が発生していても、ドライバが安全上注意すべき路面部分57、59は、「ぼやけ」が発生していない平面画像37の中央領域38上に表示される。したがって、広角レンズのカメラにより撮像された画像において、ドライバは路面部分57、59を「ぼやけ」がない状態で視認することができ、ドライバの注意力が散乱することを防止し、ドライバの安全運転を支援することができる。
【0070】
また、本実施形態において、好ましくは、中央領域38は、平面画像37のコントラスト比が30パーセント以上の領域である。このような本実施形態においては、ドライバは路面部分57、59をコントラスト比が30パーセント以上の中央領域38上で視認することができる。
【0071】
本実施形態において、好ましくは、更に、広角レンズの光軸62、64は、路面部分57、59の略中央の中央部分66、68と交差するように設定されている。このような本実施形態においては、路面部分57、59を広角レンズの光軸62、64から離れないようにすることができるために、路面部分57、59を「ぼやけ」が発生していない平面画像37の中央領域38に確実に表示することができる。
【0072】
また、本実施形態において、好ましくは、更に、カメラ3、5は、ドライバが運転しているときの前方部4又は後方部6の死角領域において、この死角領域外に近接する位置(前方部4の前端又は後方部6の後端の最上縁付近)に設置されている。このような本実施形態においては、ドライバの目線の延長線上付近にカメラ3、5が設置されているために、カメラ3、5を路面部分57、59に確実に向けることができる。
【0073】
本実施形態において、好ましくは、車両進行方向における移動区間53、55は、設定車速Vに基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車両進行方向の空走距離L2、L5とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの車両進行方向の制動距離L3、L6に基づき規定される。このような本実施形態においては、車両進行方向の路面部分57、59を精度良く定めることができる。また、路面部分57、59を「ぼやけ」が発生していない平面画像37の中央領域38に精度良く表示することができる。
【0074】
また、本実施形態において、好ましくは、更に、車幅方向における移動区間53、55は、車両2の設定車速V及び最大舵角に基づいて得られる、ドライバが対象物を認知して制動動作を開始するまでの車幅方向の空走距離W2、5とドライバが制動動作を開始してから車両2が停止するまでの車幅方向の制動距離W3、6とに基づき規定される。このような本実施形態においては、車幅方向の路面部分57、59を精度良く定めることができる。また、路面部分57、59を「ぼやけ」が発生していない平面画像37の中央領域38に精度良く表示することができる。
【0075】
本実施形態の設定方法は、ドライバの運転を支援する車両用画像表示装置1の設定方法であって、車両2の設定車速V及び最大舵角を設定する工程と、設定車速V及び最大舵角に基づき、車両2の前端より前側又は後端より後側であり且つ設定車速Vの車両2が停止するまでの間の移動区間53、55の路面部分57、59を規定する工程と、車両用画像表示装置1が有する広角レンズを介して撮像された広角画像31を補正して生成された平面画像37において、ドライバが撮像体を視認するのに適した中央領域38と適さない周辺領域40とを規定する工程と、路面部分57、59が中央領域38に含まれるように広角レンズの光軸66、68を向ける路面部分57、59の所定位置を設定する工程を有する。
【0076】
このような本実施形態においては、広角レンズのカメラ3、5により撮像した画像において、ドライバが路面部分57、59を「ぼやけ」がない状態で視認できるようにするための設定方法を提供することができる。
【0077】
本発明の上述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 車両用画像表示装置
2 車両
3 フロントカメラ
5 リアカメラ
11 表示部
15 処理部
31 広角画像
37 平面画像
38 中央領域
40 周辺領域
53 後側移動区間
55 前側移動区間
57 後側路面部分
59 前側路面部分
62、64 広角レンズの光軸
66、68 中央部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8