特開2018-192442(P2018-192442A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-192442(P2018-192442A)
(43)【公開日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】復水脱塩装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/42 20060101AFI20181109BHJP
   B01J 49/08 20170101ALI20181109BHJP
   B01J 49/09 20170101ALI20181109BHJP
   B01J 47/028 20170101ALI20181109BHJP
   B01J 47/04 20060101ALI20181109BHJP
   B01J 49/53 20170101ALI20181109BHJP
   B01J 49/57 20170101ALI20181109BHJP
【FI】
   C02F1/42 A
   B01J49/00 113
   B01J49/00 114
   B01J47/02 121
   B01J47/04
   B01J49/00 161
   B01J49/00 162
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-99996(P2017-99996)
(22)【出願日】2017年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】余田 充
【住所又は居所】東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガノ株式会社内
【テーマコード(参考)】
4D025
【Fターム(参考)】
4D025AA07
4D025AB07
4D025AB09
4D025AB18
4D025BA08
4D025BA13
4D025BA22
4D025BB03
4D025BB04
4D025BB15
4D025BB16
4D025BB17
(57)【要約】
【課題】カチオン交換体とアニオン交換体を容易に分離し、かつ設置面積を抑える。
【解決手段】復水脱塩装置1は、第1のイオン交換体が充填される内側空間6を形成する内筒3と、内筒3を取り囲む容器本体2であって、少なくとも第2のイオン交換体が充填される外側空間7を内筒3との間で形成するとともに、外側空間7と連通する接続空間8を形成する容器本体2と、内側空間6に復水を供給する復水供給管14と、外側空間7の第2のイオン交換体の下流に設けられ、第2のイオン交換体で処理された復水を排出する復水排出部13と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のイオン交換体が充填される内側空間を形成する内筒と、
前記内筒を取り囲む容器本体であって、少なくとも第2のイオン交換体が充填される外側空間を前記内筒との間で形成するとともに、前記外側空間と連通する接続空間を形成する容器本体と、
前記内側空間に復水を供給する復水供給部と、
前記外側空間の前記第2のイオン交換体の下流に設けられ、前記第2のイオン交換体で処理された復水を排出する復水排出部と、を有する復水脱塩装置。
【請求項2】
前記復水供給部は、前記内側空間を鉛直方向に延び、側壁に複数の復水供給開口が形成された復水供給管であり、
前記内側空間を、前記第1のイオン交換体を挟んで前記復水供給管と対向して鉛直方向に延びる集水部をさらに有し、前記集水部は、側壁に前記第1のイオン交換体で処理された復水を集水する復水集水開口が形成されるとともに、前記接続空間と連通する復水流出口を備える、請求項1に記載の復水脱塩装置。
【請求項3】
前記復水供給管は前記内側空間のほぼ中心に位置し、前記集水部は前記内筒の内側壁面に沿って周方向に配置されている、請求項2に記載の復水脱塩装置。
【請求項4】
前記集水部は複数の集水管であり、各集水管は、側壁に設けられた複数の復水集水開口と、前記復水流出口と、を有する、請求項3に記載の復水脱塩装置。
【請求項5】
前記内側空間を鉛直方向に延び、側壁に前記第1のイオン交換体の再生薬液を供給する複数の薬液供給開口が設けられた第1の薬液供給管を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
【請求項6】
前記容器本体の前記第1のイオン交換体の充填部の下方に開口し、前記第1のイオン交換体を抜き取るための抜き取り口と、前記第1の薬液供給管に接続され、前記第1のイオン交換体の抜き取り時に、第1の薬液供給管を通して前記内側空間を加圧するための空気を供給する空気供給手段と、を有する、請求項5に記載の復水脱塩装置。
【請求項7】
前記外側空間の前記第2のイオン交換体の充填部の上方に位置し、前記第2のイオン交換体の再生薬液を供給する第2の薬液供給管と、前記容器本体の前記第2のイオン交換体の充填部の下方に開口し、前記第2のイオン交換体の再生薬液を回収する薬液回収口と、を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
【請求項8】
前記外側空間の前記第2のイオン交換体の充填部の下流に、カチオン交換体とアニオン交換体が混床で充填され、
前記第2のイオン交換体の再生時に前記薬液回収口に向けて水を供給する水供給手段を有する、請求項7に記載の復水脱塩装置。
【請求項9】
前記容器本体の前記アニオン交換体の充填部の下部に開口し、前記アニオン交換体を抜き取るための抜き取り口と、前記第2の薬液供給管に接続され、前記アニオン交換体の抜き取り時に前記外側空間を加圧するための空気を供給する空気供給手段と、を有する、請求項7または8に記載の復水脱塩装置。
【請求項10】
前記第1のイオン交換体はカチオン交換樹脂であり、前記第2のイオン交換体はアニオン交換樹脂である、請求項1から9のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復水脱塩装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所では復水の脱塩のために復水脱塩装置が用いられている。復水脱塩装置の脱塩塔にはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が充填され、Na等のカチオン成分とCl等のアニオン成分が除去される。カチオン交換樹脂やアニオン交換樹脂が飽和状態に達すると、カチオン交換樹脂やアニオン交換樹脂は復水脱塩装置の再生塔に移送され、薬液で再生されて再び脱塩塔に戻される。特許文献1、2には、カチオン交換樹脂層とアニオン交換樹脂層が交互に積層され、その間を分離壁で区分された復水脱塩装置が開示されている。特許文献3には、カチオン交換樹脂が充填されたカチオン交換樹脂塔と、アニオン交換樹脂が充填されたアニオン交換樹脂塔と、が直列に接続された復水脱塩装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−296748号公報
【特許文献2】特開2007−98328号公報
【特許文献3】特開平8−82695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載された復水脱塩装置では、カチオン交換樹脂層とアニオン交換樹脂層が交互に積層されるため、塔高が高くなってしまう。また、樹脂の再生にあたり、逆再生を防止するため、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を樹脂塔から抜き出して、それぞれを別々に再生することから、別途再生塔や樹脂塔と再生塔を繋ぐライン等が必要になり、復水脱塩装置のコストが上がるほか、復水脱塩装置の設置面積も増加する。特許文献3に記載された復水脱塩装置では、カチオン交換樹脂がカチオン交換樹脂塔に、アニオン交換樹脂がアニオン交換樹脂塔に充填されるため、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を分離する操作が原理的に不要である。しかし、カチオン交換樹脂塔とアニオン交換樹脂塔を設置する必要があるため、復水脱塩装置のコストが上がるほか、復水脱塩装置の設置面積も増加する。
【0005】
本発明はイオン交換体の再生が容易であり、かつ設置面積が低減された復水脱塩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の復水脱塩装置は、第1のイオン交換体が充填される内側空間を形成する内筒と、内筒を取り囲む容器本体であって、少なくとも第2のイオン交換体が充填される外側空間を内筒との間で形成するとともに、外側空間と連通する接続空間を形成する容器本体と、内側空間に復水を供給する復水供給管と、外側空間の第2のイオン交換体の下流に設けられ、第2のイオン交換体で処理された復水を排出する復水排出部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の復水脱塩装置は、内側空間を形成する内筒と、内筒を取り囲み外側空間を形成する容器本体と、からなる二重円筒構造を有し、内側空間に第1のイオン交換体が、外側空間に少なくとも第2のイオン交換体が充填される。このため、第1のイオン交換体と第2のイオン交換体を別々の塔に充填する復水脱塩装置と比べて設置面積を低減することができる。また、内側空間には第1のイオン交換体だけが充填されるため、内側空間に充填された第1のイオン交換体は分離操作が不要である。
【0008】
従って、本発明によれば、イオン交換体の再生が容易であり、かつ設置面積が低減された復水脱塩装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る復水脱塩装置の縦断面図と横断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る復水脱塩装置の縦断面図である。
図3図2に示す復水脱塩装置の横断面図である。
図4】第1の実施形態と第2の実施形態の復水脱塩装置の復水の流れを示す模式図である。
図5】第2の実施形態の変形例の復水脱塩装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施形態に係る復水脱塩装置について説明する。本発明の復水脱塩装置1,101は主に発電所で用いられる。タービン(図示せず)で仕事を行った蒸気は復水器(図示せず)で凝縮されて復水となり、復水ろ過装置(図示せず)等でろ過された後、復水脱塩装置1,101で脱塩され、ボイラー(図示せず)等の蒸気発生装置に供給される。
【0011】
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る復水脱塩装置1の縦断面図を、図1(b)は図1(a)のA−A線からみた横断面図を示している。復水脱塩装置1は、圧力容器を構成する容器本体2と、容器本体2の内部に設けられた内筒3と、を有している。容器本体2は鉛直方向Zの中心線2dを有する円筒状の側壁2aと、側壁2aの上部に接続されたドーム状の頂板2bと、側壁2aの下部に接続されたドーム状の底板2cと、から構成されている。内筒3は円筒形の形状を有し、容器本体2と同心配置されている。内筒3は容器本体2の底板2cに溶接され、内筒3の上部はイオン交換体の流出を防ぐことができる大きさの開口が複数形成された内側仕切板4で覆われている。従って、内筒3は内側仕切板4及び容器本体2の底板2cとともに、内側空間6を形成する。内筒3と容器本体2(側壁2a)との間には外側空間7が形成されている。容器本体2の上部は外側空間7と連通する接続空間8となっている。外側空間7と接続空間8との間には、イオン交換体の流出を防ぐことができる大きさの開口が複数形成された外側仕切板5が設けられており、外側空間7はこの開口を介して接続空間8と連通している。また、内側空間6は内側仕切板4の開口を介して接続空間8と連通している。容器本体2の頂板2bにはマンホール9が設けられており、メンテナンスなどの目的で使用される。また、容器本体2の側壁2aにもマンホール11が設けられている。容器本体2の内面及び内筒3の両面は樹脂の接触面となるためライニングされている。
【0012】
内側空間6には第1のイオン交換体が、外側空間7には第2のイオン交換体が充填されている。ここでは、第1のイオン交換体はカチオン交換体、好ましくはカチオン交換樹脂(以下、カチオン交換樹脂層Cという場合がある)であり、第2のイオン交換体はアニオン交換体、好ましくはアニオン交換樹脂(以下、アニオン交換樹脂単床層Aという場合がある)である。アニオン交換樹脂は外側空間7の鉛直方向Z中間位置に設けられた環状の支持板12で支持されている。支持板12には、復水を通過させるがアニオン交換樹脂を保持する大きさの多数の開口が形成されている。支持板12の下方の容器本体2の底板2c付近には、復水を排出する復水排出部13が設けられている。復水排出部13は表面に多数の開口が形成されたリング配管13aと、リング配管13aに接続され容器本体2を貫通する貫通部13bと、から形成されている。
【0013】
外側空間7のアニオン交換樹脂単床層Aの下流ないし下方にはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が混合された状態で充填されている(以下、混合層Mという場合がある)。復水排出部13は混合層Mに埋め込まれている。カチオン交換樹脂層Cとアニオン交換樹脂単床層Aによって復水中のイオン成分の多くが除去され、また後述するように、カチオン交換樹脂層Cとアニオン交換樹脂単床層Aは薬液で再生後洗浄されるため、残留薬液の負荷も小さい。このため、混合層Mは仕上げの目的で設けられ、少量で十分であるとともに、再生されることなく定期的に交換される。復水の要求水質によっては混合層Mを省略することもできる。
【0014】
第1のイオン交換体がアニオン交換樹脂であり、第2のイオン交換体がカチオン交換樹脂、またはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合物であってもよい。すなわち、内側空間6にアニオン交換樹脂を充填し、外側空間7の支持板12上にカチオン交換樹脂、またはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合層を充填することもできる。しかし、本実施形態のように、カチオン交換樹脂を内側空間6に充填し、アニオン交換樹脂を外側空間7の支持板12上に充填し、復水をカチオン交換樹脂層C、アニオン交換樹脂単床層Aの順で流すのがより好ましい。これは以下の理由による。一般に火力発電所等においては、系統設備の腐食防止のために復水のpHが9.3〜9.6程度に調整されている。この目的で復水にはアンモニアが注入されることがある。カチオン交換樹脂はNaイオンなどだけでなく、アンモニアも除去するため、高い負荷がかかる。このため、復水脱塩装置1にはカチオン交換樹脂がアニオン交換樹脂より多く充填される。復水流量が730m/hの条件における一例では、カチオン交換樹脂単床層Cのカチオン交換樹脂の充填量が約6m、アニオン交換樹脂単床層Aのアニオン交換樹脂の充填量が約3m、混床層Mのカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の合計充填量が約1mである。従って、適正な層高Chを考慮すると、カチオン交換樹脂を外側空間7に設置した場合、復水脱塩装置1の平面寸法が大きくなる傾向となる。また、カチオン交換樹脂を外側空間7に充填すると、後述するようにカチオン交換樹脂を抜き取る際、平面形状の支持板12上を移動させるのが困難となる場合がある。これはカチオン交換樹脂の比重がアニオン交換樹脂の比重より大きいためである。これに対しカチオン交換樹脂を内側空間6に充填した場合、容器本体2の底面の傾斜を利用することができるため、カチオン交換樹脂をよりスムーズに抜き取ることができる。さらに復水をカチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂の順で流すほうが復水の水質が改善されることが分かっている。以上より、本実施形態はカチオン交換樹脂を内側空間6に充填し、復水をカチオン交換樹脂単床層C、アニオン交換樹脂単床層Aの順で流す構成としている。
【0015】
内側空間6のカチオン交換樹脂単床層Cの上方には、カチオン交換樹脂の再生薬液を供給するリング状の第1の薬液供給管26が設けられている。第1の薬液供給管26は容器本体2と内筒3を貫通する配管27に接続されている。カチオン交換樹脂の再生薬液としてはHClなどの強酸性液体が好適に用いられる。再生薬液は、底板2cに設けられたドレン管(不図示)から抜き取り、回収される。ドレン管は、抜き取り口22や復水供給口28を利用することもできる。
【0016】
外側空間7のアニオン交換樹脂単床層Aの上方には、アニオン交換樹脂の再生薬液を供給するリング状の第2の薬液供給管19が設けられている。第2の薬液供給管19は容器本体2を貫通する配管20に接続されている。アニオン交換樹脂単床層Aの下方、正確には支持板12の直下には、容器本体2に開口しアニオン交換樹脂の再生薬液を回収する薬液回収口21が設けられている。アニオン交換樹脂の再生薬液としてはNaOHなどの強アルカリ性液体が好適に用いられる。
【0017】
容器本体2のカチオン交換樹脂層Cの下方にはカチオン交換樹脂を抜き取るための抜き取り口22が設けられている。容器本体2のアニオン交換樹脂単床層Aの下部には、アニオン交換樹脂を抜き取るための抜き取り口23が設けられている。さらに、容器本体2の混床層Mの下方には混床層Mのカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を抜き取るための抜き取り口24が設けられている。抜き取り口22,24はできる限り容器本体2の中心寄りに設けることが望ましく、抜き取り口23はできる限り支持板12の近くに設けることが望ましい。容器本体2の底板2cには中心線2dと同心の復水供給口28が設けられている。
【0018】
復水脱塩装置1の内部で復水は以下のように処理される(図4(a)も参照)。まず、復水供給口28から内側空間6に流入した復水は上向流となってカチオン交換樹脂単床層Cを通り、内側仕切板4の開口から接続空間8に流出する。復水は次に外側空間7と接続空間8の間の外側仕切板5の開口を通って、下向流となって外側空間7に流入する。復水は一旦外側仕切板5に保持され、その後外側仕切板5の多数の開口を通って外側空間7に供給される。このため、復水が周方向に均一に供給されるとともに、アニオン交換樹脂に直接落下しないため、不均一な流動によるアニオン交換樹脂の舞い上がりを防止し、アニオン交換樹脂層高を一定に保持することができる。復水はアニオン交換樹脂単床層Aでアニオン成分を除去され、支持板12を通って混床層Mに供給される。復水に含まれるカチオン成分とアニオン成分は混床層Mでさらに除去される。再生の際に残留する可能性のある薬液も混床層Mで除去される。このようにしてカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂で処理された復水は復水排出部13を通って復水脱塩装置1から排出される。
【0019】
次に、復水脱塩装置1におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生方法を説明する。
【0020】
まず、復水脱塩装置1を発電所の復水系統から隔離し、復水脱塩装置1の内部を大気開放し、復水を排水する。この結果、カチオン交換樹脂が充填された内側空間6はアニオン交換樹脂が充填された外側空間7から分離され、内側空間6と外側空間7との間で復水が流通することが防止される。次に、あらかじめ薬液タンク(図示せず)に接続された第1の薬液供給管26から内側空間6に、カチオン交換樹脂の再生薬液を供給し、カチオン交換樹脂を再生する。再生薬液は復水供給口28から分岐されたドレン管(不図示)から回収される。第1の薬液供給管26がリング管であるため、カチオン交換樹脂に均等に薬液が供給される。カチオン交換樹脂の再生後、第1の薬液供給管26の接続先を洗浄水タンクに切り替え、第1の薬液供給管26から内側空間6に洗浄水を供給する。洗浄水は復水供給口28から分岐されたドレン管(不図示)から回収される。カチオン交換樹脂は洗浄水によって洗浄され、表面に付着した再生薬液や不純物が除去される。洗浄水としては純水を用いることができる。
【0021】
アニオン交換樹脂も同様にして再生することができる。あらかじめ、第2の薬液供給管19を薬液タンク(図示せず)に接続しておく。次に、第2の薬液供給管19から外側空間7にアニオン交換樹脂の再生薬液を供給し、アニオン交換樹脂を再生する。再生薬液は薬液回収口21から回収される。第2の薬液供給管19がリング管であるため、アニオン交換樹脂に均等に薬液が供給される。アニオン交換樹脂の再生後、第2の薬液供給管19の接続先を洗浄水タンクに切り替え、第2の薬液供給管19から外側空間7に洗浄水を供給する。洗浄水は薬液回収口21から回収される。アニオン交換樹脂は洗浄水によって洗浄され、表面に付着した再生薬液や不純物が除去される。洗浄水としては純水を用いることができる。アニオン交換樹脂の再生及び洗浄は、カチオン交換樹脂の再生及び洗浄と並行して行うことができるが、順次行ってもよい。
【0022】
アニオン交換樹脂を再生及び洗浄するときに、復水排出部13を水源に接続し、復水排出部13から薬液回収口21に向けて水を供給することができる。この際、水の水位が薬液回収口21と同程度となるように流量を調整することが望ましい。薬液回収口21からは薬液と水が同時に排出される。復水排出部13から供給される水はアニオン交換樹脂単床層Aの下方にある混床層Mに薬液が流れ込むことを防止する。アニオン交換樹脂の薬液(NaOH等)が混床層Mに流れ込むと、混床層Mのカチオン交換樹脂が逆再生を起こす。カチオン交換樹脂は逆再生されるとNa形となり、脱塩の際にNaイオンが放出され、腐食、スケールなどの原因となる。
【0023】
次に、復水脱塩装置1からカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を抜き取る方法を説明する。内側空間6のカチオン交換樹脂と外側空間7のアニオン交換樹脂は上述の方法で再生されるため、通常は復水脱塩装置1から抜き取ることはないが、樹脂が寿命に達した場合などに抜き取ることがありうる。
【0024】
内側空間6のカチオン交換樹脂を抜き取るときは、まず塔内の水抜きを行う。次に復水供給口28から水を供給してカチオン交換樹脂層をほぐし、第1の薬液供給管26に接続された空気供給手段(図示せず)から第1の薬液供給管26を通して空気を供給して塔内を加圧する。そして、抜き取り口22に設けられた弁(図示せず)を開いてカチオン交換樹脂の抜き取りを行う。容器本体2の底板2cは中心に向かって下り傾斜となっているため、カチオン交換樹脂は空気の加圧力と相まって底板2cの中心に向かって移動し、抜き取り口22から押し出される(排出される)。
【0025】
外側空間7のアニオン交換樹脂を抜き取るときは、まず塔内の水抜きを行う。次に復水排出部13から水を供給してアニオン交換樹脂層をほぐし、第2の薬液供給管19に接続された空気供給手段(図示せず)から第2の薬液供給管19を通して空気を供給して塔内を加圧する。そして、抜き取り口23に設けられた弁(図示せず)を開いてアニオン交換樹脂の抜き取りを行う。支持板12は水平であるが、アニオン交換樹脂はカチオン交換樹脂と比べて軽量であるため、空気の加圧力だけでアニオン交換樹脂を動かすことができる。このようにして、アニオン交換樹脂は抜き取り口23から押し出される(排出される)。
【0026】
カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混床層Mを抜き取るときは、まず塔内の水抜きを行う。次に復水排出部13から水を供給して混床層Mをほぐし、復水排出部13に接続された空気供給手段(図示せず)から復水排出部13を通して空気を供給して塔内を加圧する。そして、抜き取り口24に設けられた弁(図示せず)を開いて混床樹脂の抜き取りを行う。容器本体2の底板2cは中心に向かって下り傾斜となっているため、混床層Mは空気の加圧力と相まって底板2cの中心に向かって移動し、抜き取り口24から押し出される(排出される)。
【0027】
本実施形態の復水脱塩装置1は、容器本体2と内筒3によって、カチオン交換樹脂単床層Cが設けられた内側空間6と、アニオン交換樹脂単床層Aが設けられた外側空間7とに仕切られている。このため、一つの脱塩塔にアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を充填することができ、復水脱塩装置1の設置面積を低減することができる。カチオン交換樹脂単床層Cとアニオン交換樹脂単床層Aが横方向に隣接して配置されるため復水脱塩装置1の全高を抑えることもできる。
【0028】
本実施形態の復水脱塩装置1はさらに、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生を内部で行うことができることによる様々な利点を有している。まず、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生を行うための再生塔が不要である。従来、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂それぞれの再生を行うために設けられていた2つの再生塔などの塔槽類と、これに付随する樹脂の移送配管、移送ポンプなどの設備も不要となる。そのため、設備の設置面積が少なくなり、屋内に設置する場合は、建屋のコストも削減が可能である。
【0029】
本実施形態では樹脂の分離、移送、復水脱塩装置1への再充填などの操作が不要であるため、再生に要する時間も短縮される。従来の復水脱塩装置は2つの再生塔で並行して樹脂の再生を行っているが、本実施形態の復水脱塩装置1でもカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生を並行して実施できるため、樹脂の再生自体に要する時間に大きな差異はない。さらに、樹脂の分離や移送に要する水も不要となるため、使用水量及び廃液量も削減される。
【0030】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態に係る復水脱塩装置101の縦断面図を、図3(a)は図2のA−A線からみた横断面図を、図3(b)は図2のB−B線からみた横断面図を、図3(c)は図2のC−C線からみた横断面図を示している。図2図3のD−D線に沿った縦断面図である。以下、第1の実施形態と同様の点については省略し、第1の実施形態と異なる点を中心に述べる。
【0031】
内側空間6には、鉛直方向Zに延びる復水供給管14が設けられている。復水供給管14は内側空間6のほぼ中心、すなわち内側空間6ないし容器本体2の中心線2dと同軸に設けられている。復水供給管14は容器本体2の底板2cを貫通しており、復水は復水脱塩装置1の下方から上向流で復水脱塩装置1に供給される。復水供給管14の側壁14bにはイオン交換体が通過しない大きさの複数の復水供給開口14aが形成されている。復水供給開口14aは復水供給管14の周方向にほぼ均等に設けられ、かつ鉛直方向Zに関しほぼ同じピッチで設けられている。復水が復水供給管14の鉛直方向Zのどの位置からもほぼ同程度の流量で供給されるように、復水供給開口14aの大きさは復水供給管14の上部に向かって大きくなっていてもよい。復水供給開口14aの大きさを鉛直方向Zに変化させる代わりに、復水供給開口14aの鉛直方向Zの配列ピッチが復水供給管14の上部に向かって小さくなるようにしてもよい。容器本体2の頂板2bと内側仕切板4にはそれぞれマンホール9,11が設けられており、後述する復水供給管14の設置、メンテナンスなどの目的で使用される。カチオン交換樹脂は内側空間6の底面、すなわち容器本体2の底面から内側仕切板4の直下まで充填されている。このため、カチオン交換樹脂は高い充填率で充填される。内側仕切板4には第1の実施形態と異なり、復水が流通する開口が設けられていない。
【0032】
復水供給管14と対向して鉛直方向Zに延びる集水部が形成されている。集水部は内筒3の内側壁面に沿って周方向に配置されている。本実施形態では集水部は内筒3の内側壁面に沿って周方向に等ピッチで配置された8本の集水管15からなるが、集水管15の本数はこれに限定されない。各集水管15はカチオン交換樹脂を挟んで復水供給管14と対向している。各集水管15は、側壁15cに設けられ、イオン交換体が通過しない大きさの複数の復水集水開口15aと、接続空間8と連通する復水流出口15bと、を有している。複数の復水集水開口15aは同じ径を有し、カチオン交換樹脂を有効に使用できるよう、容器本体2の内筒3の壁面を向く位置に鉛直方向Zに等ピッチで配列されているのが好ましい。集水管15は復水集水開口15aからカチオン交換樹脂で処理された復水を集水し、その復水を復水流出口15bから接続空間8に流出させる。
【0033】
復水脱塩装置101の内側空間6にはカチオン交換樹脂の再生薬液を供給する複数の第1の薬液供給管16が設けられている。複数の第1の薬液供給管16は内筒3の内側壁面に沿って等間隔で設けられ、かつ集水管15と交互に設けられている。各第1の薬液供給管16はカチオン交換樹脂を挟んで集水管15と対向している。本実施形態では8本の第1の薬液供給管16が等間隔で配置されており、かつ第1の薬液供給管16と集水管15も等間隔で配置されている。第1の薬液供給管16の本数や集水管15との位置関係はこれに限定されない。第1の薬液供給管16の側壁16bには再生薬液を供給するイオン交換体が通過しない大きさの複数の薬液供給開口16aが設けられている。複数の薬液供給開口16aは、容器本体2の内筒3の壁面を向く位置に鉛直方向Zに等ピッチで配列されているのが好ましい。複数の第1の薬液供給管16は接続空間8に設けられたリング状のヘッダ配管17から分岐しており、ヘッダ配管17は容器本体2の頂板2bを貫通する配管18と接続されている。カチオン交換樹脂の再生薬液としてはHClなどの強酸性液体が好適に用いられる。
【0034】
復水脱塩装置101の内部で復水は以下のように処理される(図4(b)も参照)。まず、復水供給管14に流入した復水は復水供給管14の内部を上向流で流通し、復水供給管14の側壁14bに設けられた多数の復水供給開口14aから内側空間6に排出される。復水はカチオン交換樹脂層Cを通って、各集水管15に向かって流れる。このため、復水は、復水供給管14から各集水管15に向かって(径方向外側に向かって)放射状に、且つ概ね水平方向に流れる。集水管15は内筒3の内側壁面に沿って複数設けられているため、復水は容器本体2の中心線2dを中心としたどの角度方向にも概ね均等に流れる。このようにして、復水はカチオン交換樹脂層Cでカチオン成分を除去される。
【0035】
復水は集水管15の復水集水開口15aから集水管15の内部に導入され、再び上向流となって復水流出口15bから接続空間8に流出する。その後、復水は第1の実施形態と同様にしてアニオン交換樹脂単床層Aでアニオン成分を除去され、カチオン成分とアニオン成分が混床層Mでさらに除去される。復水は復水排出部13を通って復水脱塩装置1から排出される。
【0036】
このように、本実施形態では内側空間6内を復水が径方向に流通する。この結果、カチオン交換樹脂層Cの層高は鉛直方向Zではなく水平方向で規定される。図4(a)には第1の実施形態の復水脱塩装置1の模式的な断面図を、図4(b)には第2の実施形態の復水脱塩装置101の模式的な断面図を示している。図4(a)は説明の都合上、径を誇張して示している。カチオン交換樹脂層Cの容積は同じであると仮定している。図中、太線は復水の流れを示している。第2の実施形態の復水脱塩装置101では、カチオン交換樹脂層Cの層高Chは容器本体2の径方向ないし水平方向で規定される。層高Chは復水の水質確保のために一定の高さが求められるともに、過大な圧力損失を防止するために適正な範囲に設定する必要がある。第1の実施形態の復水脱塩装置1では、第2の実施形態と同様、内筒3によってカチオン交換樹脂層Cとアニオン交換樹脂単床層Aが仕切られている。しかし、復水は従来のようにカチオン交換樹脂層Cの底部から上向流で流入するため、カチオン交換樹脂層Cの層高Chは鉛直方向Zで規定される。この結果、第1の実施形態の復水脱塩装置1はカチオン交換樹脂層Cの上方に、カチオン交換樹脂が充填されない空間が発生しやすい。これに対して第2の実施形態ではカチオン交換樹脂が効率的に充填されるため、空間の利用率が高い。従って、復水脱塩装置101をコンパクト化することができ、第1の実施形態の復水脱塩装置1と比べてコストをさらに抑制することができる。また、第2の実施形態では復水脱塩装置1の平面寸法も抑制される。これにより、復水脱塩装置101の設置面積が低減し、復水脱塩装置101が設置される建屋のコストも抑制することができる。また、第1の実施形態の場合、装置をコンパクトにしようとするとカチオン交換樹脂層Cが層高になるため、差圧が上昇してしまうが、第2の実施形態の場合、装置をコンパクト化でき、さらに差圧が低減できる。
【0037】
次に、上述の復水脱塩装置101におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生方法を説明する。
【0038】
まず、復水脱塩装置101を発電所の復水系統から隔離し、復水脱塩装置1の内部を大気開放し、復水を排水する。この結果、カチオン交換樹脂が充填された内側空間6はアニオン交換樹脂が充填された外側空間7から分離され、内側空間6と外側空間7との間で復水が流通することが防止される。第1の薬液供給管16は薬液タンク(図示せず)に接続し、復水供給管14はドレン配管(図示せず)に接続しておく。
【0039】
次に、第1の薬液供給管16から内側空間6にカチオン交換樹脂の再生薬液を供給し、復水供給管14で再生薬液を回収することによって、カチオン交換樹脂を再生する。本実施形態では、再生薬液は復水の流れと逆向き、すなわち容器本体2の径方向内側に向けて概ね水平に流れる(向流再生)。向流再生では復水の流れに関しカチオン交換樹脂層Cの最下流側(出口側)の樹脂から再生されるため、安定した水質を維持できる。
【0040】
カチオン交換樹脂の再生後、第1の薬液供給管16の接続先を洗浄水タンク(図示せず)に切り替え、第1の薬液供給管16から内側空間6に洗浄水を供給する。復水供給管14で洗浄水を回収することによって、洗浄水は復水の向きと逆方向に流れる。カチオン交換樹脂は洗浄水によって洗浄され、表面に付着した再生薬液や不純物が除去される。洗浄水としては純水を用いることができる。なお、洗浄水も復水の流れに関しカチオン交換樹脂単床層Cの最下流側(出口側)から供給されるため、残留薬液が後段のアニオン交換樹脂に流れ、アニオン交換樹脂が逆再生されることを防止することができる。アニオン交換樹脂は逆再生されるとCl型(再生薬液として硫酸を用いた場合はSO型)となり、脱塩の際に塩素イオンや硫酸イオンが放出され、腐食、スケールなどの原因となる。アニオン交換樹脂は第1の実施形態と同様にして再生することができる。
【0041】
内側空間6のカチオン交換樹脂を抜き取るときは、まず塔内の水抜きを行う。次に復水供給管14から水を供給してカチオン交換樹脂層をほぐし、第1の薬液供給管16に接続された空気供給手段(図示せず)から第1の薬液供給管16を通して空気を供給して塔内を加圧する。そして、抜き取り口22に設けられた弁(図示せず)を開いてカチオン交換樹脂の抜き取りを行う。容器本体2の底板2cは中心に向かって下り傾斜となっているため、カチオン交換樹脂は空気の加圧力と相まって底板2cの中心に向かって移動し、抜き取り口22から押し出される(排出される)。外側空間7のアニオン交換樹脂は第1の実施形態と同様にして抜き取ることができる。
【0042】
本発明の第2の実施形態はこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0043】
まず、上記実施形態とは逆に、復水を復水脱塩装置101の径方向内側に流し、薬液及び洗浄水を径方向外側に流すことができる。
【0044】
接続空間8は容器本体2の下部に設けられてもよい。図示は省略するが、復水は復水脱塩装置101の上方から復水脱塩装置101に供給され、上記実施形態と同様、復水供給管14から集水部15に向かって径方向外側に流れ、カチオン交換樹脂単床層Cでカチオン成分を除去される。復水は集水部15を下向き流となって流れ接続空間8に流入し、さらに外側空間7のアニオン交換樹脂単床層A、混床層Mを上向き流で流通し、容器本体2の上部から排出される。
【0045】
集水部は複数の集水管15からなっているが、復水がカチオン交換樹脂の内部を概ね径方向に流れる限り、集水部は様々な構成をとることができる。図5図2のC―C線からみた図3(c)と同様の断面図である。この例では、内筒3の内側に内筒3と同心の第2の内筒25が設けられ、内筒3と第2の内筒25との間に環状断面を有する流路が形成されている。第2の内筒25には多数の復水集水開口(図示せず)が形成されている。
【符号の説明】
【0046】
1,104 復水脱塩装置
2 容器本体
3 内筒
6 内側空間
7 外側空間
8 接続空間
13 復水排出部
14 復水供給管
14a 復水供給開口
15 集水部(集水管)
15a 復水集水開口
15b 復水流出口
16,26 第1の薬液供給管
16a 薬液供給開口
19 第2の薬液供給管
21 薬液回収口
22 カチオン交換樹脂の抜き取り口
23 アニオン交換樹脂の抜き取り口
28 復水供給口
A アニオン交換樹脂単床層
C カチオン交換樹脂単床層
M 混床層
図1
図2
図3
図4
図5