特開2018-199178(P2018-199178A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018199178-クーラント供給装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-199178(P2018-199178A)
(43)【公開日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】クーラント供給装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
   B23Q11/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-104361(P2017-104361)
(22)【出願日】2017年5月26日
(11)【特許番号】特許第6196409号(P6196409)
(45)【特許公報発行日】2017年9月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸佑
(72)【発明者】
【氏名】多賀 充
(72)【発明者】
【氏名】山崎 太
(72)【発明者】
【氏名】東 良昭
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011BB31
3C011BB34
(57)【要約】
【課題】クーラントタンク内における異物の沈殿、堆積等を効果的に抑止可能なクーラント供給装置を提供する。
【解決手段】所定の間隔で並設された第1及び第2クーラント槽5,7、並びに第1及び第2クーラント槽5,7間に設けられて両者を連通させる連通部8を含み、全体形状がU字形状に形成されたクーラントタンク2と、第2クーラント槽7内のクーラントを汲み上げて所定部位に供給するポンプ30,31,32とを備え、供給ポンプ30,31,32によって供給されたクーラントは第1クーラント槽5に還流され、連通部8を流通して第2クーラント槽7内に流入する。そして、クーラントを吐出して連通部8に向けたクーラントの流れを助勢する第1攪拌ノズル体20を第1クーラント槽5に配設し、クーラントを吐出して、連通部8から流入したクーラントの流れを助勢する第2攪拌ノズル体23を第2クーラント槽7に配設する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視ほぼ矩形状を有し、相互に所定の間隔を空けて並設された第1及び第2クーラント槽、並びに前記第1及び第2クーラント槽間の端部に設けられ、一端が前記第1クーラント槽の側壁に接続し、他端が前記第2クーラント槽の側壁に接続して、前記第1クーラント槽と第2クーラント槽とを連通させる連通部を含み、全体形状が平面視ほぼU字形に形成されたクーラントタンクと、
前記第2クーラント槽内のクーラントを汲み上げて所定部位に供給する供給ポンプとを備え、
前記供給ポンプによって前記所定部位に供給されたクーラントが前記第1クーラント槽に還流され、前記第1クーラント槽内のクーラントが前記連通部内を流通して前記第2クーラント槽内に流入するように構成されたクーラント供給装置において、
前記クーラントタンク内のクーラントを汲み上げる少なくとも1つの撹拌用ポンプと、
前記第1クーラント槽内に配設され、前記撹拌用ポンプから供給される前記クーラントを吐出して前記連通部に向けたクーラントの流れを助勢する第1攪拌ノズル体と、
前記第2クーラント槽内に配設され、前記撹拌用ポンプから供給される前記クーラントを吐出して前記連通部から流入したクーラントの流れを助勢する第2攪拌ノズル体とを設けて構成したことを特徴とするクーラント供給装置。
【請求項2】
前記第1攪拌ノズル体及び第2攪拌ノズル体の少なくとも一方は、複数の吐出口を有してなり、更に、複数の吐出口の内、少なくとも一の吐出口の吐出方向は、他の吐出口の吐出方向よりも、槽内の中央寄りに向けられていることを特徴とする請求項1記載のクーラント供給装置。
【請求項3】
前記第2クーラント槽は、前記第2攪拌ノズル体のクーラント吐出方向前方位置に設けられた邪魔板を備えており、
前記邪魔板は、前記クーラントの流れを遮るように、前記第2クーラント槽の内壁から、底面との間に前記クーラントが流通可能な間隔を空けて、槽内側に向け延設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のクーラント供給装置。
【請求項4】
前記第2クーラント槽は、前記連通部から槽内壁面に沿って、該槽内壁面に対向するように延設され、前記連通部から流入したクーラントの流れを整える整流板を備えていることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかのクーラント供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラントを所定部位、例えば工作機械の加工領域等に供給するクーラント供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械の加工領域内にクーラントを供給するとともに、工作機械から還流されるクーラントから切屑等を分離するように構成されたクーラント処理装置が提案されている(下記特許文献1)。
【0003】
このクーラント処理装置は、工作機械から排出される切屑及びクーラントを受けるダーティ槽と、ダーティ槽内のクーラントに浸漬され、クーラントを内部に取り込む途中で濾過する濾過ドラムと、ダーティ槽の第1側面に接続するように配設され、このダーティ槽の第1側面に形成された開口を介して前記濾過ドラムの内部空間に連通する経路を有する第1クーラント槽と、ダーティ槽の第2側面側に配設され、周囲を側壁で囲われた第2クーラント槽と、前記第1クーラント槽及び第2クーラント槽に連通する結合路と、第2クーラント槽の側壁から離れた平面視中央付近に設けられ、第2クーラント槽からクーラントを汲み上げて工作機械にクーラントを供給するポンプとを備えて構成される。
【0004】
そして、前記結合路の後方側の側壁面は前記第2クーラント槽の後方側の側壁面から延設されており、かつ前記第2クーラント槽の側壁は、その後方側から前方側を経てダーティ槽側に至る部分が凹曲面を含む連続的な面となっている。尚、第1クーラント槽、第2クーラント槽及び結合路からクーラントタンクが形成される。
【0005】
このクーラント処理装置によれば、第2クーラント槽の中央付近に設けられたポンプによって第2クーラント槽のクーラントが汲み上げられるので、当該第2クーラント槽内のクーラントの流れがポンプの汲み上げ口を中心とした渦流となり、このポンプによって第2クーラント槽内の異物が汲み上げられるため、第2クリーン槽における異物の堆積、滞留を抑止することができるとのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−226491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、このように工夫された従来のクーラント処理装置においても、クーラントタンク内の各所において切屑やスラッジ等が沈殿、堆積するという問題は十分には解決されないでいた。
【0008】
即ち、上述した従来のクーラント処理装置は、ポンプがクーラントを汲み上げる作用、並びに工作機械からクーラントが還流される作用によって、第1クーラント槽から第2クーラント槽に向けたクーラントの流れを生じさせるものである。このため、ポンプの汲み上げ能力が極めて高い能力を有する場合は別として、工作機械で一般的に必要とされる汲み上げ能力を有するポンプの場合には、第1クーラント槽、第2クーラント槽及び結合路において、切屑やスラッジ等の沈殿、堆積を抑止するのに十分な流速の液流を生じさせることができない。
【0009】
この結果、第1クーラント槽、第2クーラント槽及び結合路の各所において、切屑やスラッジ等が沈殿、堆積するという問題を生じていた。
【0010】
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであって、クーラントタンク内に十分な流速の液流を生じさせることによって、当該タンク内における異物の沈殿、堆積を抑止可能なクーラント供給装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、
平面視ほぼ矩形状を有し、相互に所定の間隔を空けて並設された第1及び第2クーラント槽、並びに前記第1及び第2クーラント槽間の端部に設けられ、一端が前記第1クーラント槽の側壁に接続し、他端が前記第2クーラント槽の側壁に接続して、前記第1クーラント槽と第2クーラント槽とを連通させる連通部を含み、全体形状が平面視ほぼU字形に形成されたクーラントタンクと、
前記第2クーラント槽内のクーラントを汲み上げて所定部位に供給する供給ポンプとを備え、
前記供給ポンプによって前記所定部位に供給されたクーラントが前記第1クーラント槽に還流され、前記第1クーラント槽内のクーラントが前記連通部内を流通して前記第2クーラント槽内に流入するように構成されたクーラント供給装置において、
前記クーラントタンク内のクーラントを汲み上げる少なくとも1つの撹拌用ポンプと、
前記第1クーラント槽内に配設され、前記撹拌用ポンプから供給される前記クーラントを吐出して前記連通部に向けたクーラントの流れを助勢する第1攪拌ノズル体と、
前記第2クーラント槽内に配設され、前記撹拌用ポンプから供給される前記クーラントを吐出して前記連通部から流入したクーラントの流れを助勢する第2攪拌ノズル体とを設けて構成したクーラント供給装置に係る。
【0012】
このクーラント供給装置によれば、供給ポンプにより第2クーラント槽内のクーラントが汲み上げられて所定部位、例えば工作機械の加工領域に供給され、供給されたクーラントは切屑やスラッジ等の異物が混入した状態で所定の流路を経て第1クーラント槽に還流される。そして、第1クーラント槽に還流されたクーラントは連通部を流通して第2クーラント槽に流入する。
【0013】
また、第1クーラント槽には第1攪拌ノズル体が設けられており、クーラントタンク内のクーラントが攪拌用ポンプによって第1攪拌ノズル体に供給され、当該第1攪拌ノズル体から吐出される。そして、前記連通部に向けたクーラントの流れが当該第1攪拌ノズル体から吐出されたクーラントによって助勢され、これによって第1クーラント槽内のクーラントが攪拌され、また、連通部におけるクーラントの流速が加速される。
【0014】
斯くして、この第1クーラント槽内におけるクーラントの攪拌作用、及び連通部におけるクーラントの加速作用により、当該第1クーラント槽及び連通部において、異物が沈殿、堆積するのが抑止される。
【0015】
また、第2クーラント槽には第2攪拌ノズル体が設けられており、前記攪拌用ポンプから、この第2攪拌ノズル体にもクーラントが供給されて、当該第2攪拌ノズル体から吐出される。そして、前記連通部から流入したクーラントの流れが、この第2攪拌ノズル体から吐出されるクーラントによって助勢され、これにより第2クーラント槽内のクーラントが攪拌され、このようなクーラントの攪拌作用によって、当該第2クーラント槽において、異物が沈殿、堆積するのが抑止される。
【0016】
このように、本発明に係るクーラント供給装置によれば、第1及び第2攪拌ノズル体から吐出されるクーラントによって、第1及び第2クーラント槽内のクーラントが攪拌されるとともに、連通部におけるクーラントの流れが加速されるので、第1及び第2クーラント槽及び連通部において異物が沈殿、堆積するのを抑止することができる。
【0017】
尚、上記クーラント供給装置において、前記第1攪拌ノズル体及び第2攪拌ノズル体の少なくとも一方は、複数の吐出口を有してなり、更に、複数の吐出口の内、少なくとも一の吐出口の吐出方向は、他の吐出口の吐出方向よりも、槽内の中央寄りに向けられているのが好ましい。
【0018】
吐出口を複数設けるとともに、その内の少なくとも一の吐出口の吐出方向を、他の吐出口の吐出方向よりも、槽内の中央寄りに向けることで、当該槽内を万遍なく攪拌することができ、切屑やスラッジ等が沈殿、堆積するのをより効果的に抑止することができる。即ち、槽の中央付近は比較的淀みを生じ易い箇所であるが、クーラントの吐出方向を槽の中央寄りに向けることで、中央付近に淀みが生じるのを防止することができ、槽中央部において異物が沈殿、堆積するのを防止することができる。
【0019】
第1及び第2クーラント槽の内のいずれかにおいて異物が沈殿、堆積し易い場合には、第1及び第2攪拌ノズル体の内の対応する一方に複数の吐出口を設けた構成とすれば良く、第1及び第2クーラント槽の双方とも異物が沈殿、堆積し易い場合には、第1及び第2攪拌ノズル体の双方に複数の吐出口を設けた構成とすれば良い。
【0020】
また、上記クーラント供給装置において、前記第2クーラント槽は、前記第2攪拌ノズル体のクーラント吐出方向前方位置に設けられた邪魔板を備えていても良く、この邪魔板は、前記クーラントの流れを遮るように、前記第2クーラント槽の内壁から、底面との間に前記クーラントが流通可能な間隔を空けて、槽内側に向け延設されているのが好ましい。
【0021】
前記第2クーラント槽内では、前記第2攪拌ノズル体の吐出口から吐出されたクーラントによって液流が助勢されるとともに、槽壁に沿って旋回する旋回流(渦流)が形成される。そして、クーラントの流速は、第2攪拌ノズル体から遠ざかった位置、即ち、前方位置において最も弱まった状態になり、同部において異物が沈殿、堆積し易い状態になる。
【0022】
上記邪魔板を備えたクーラント供給装置によれば、クーラントの流速が弱まる前記前方位置に邪魔板が設けられているので、第2攪拌ノズル体側からその前方に向かうクーラントの流れは邪魔板により遮られて、当該邪魔板と槽底面との間に形成された隙間を通過する態様となる。斯くして、このようにしてクーラントの流路が邪魔板により狭められることによって、前記隙間を通過するクーラントの流速が高められ、これにより、同部において、異物が沈殿、堆積するのが防止される。
【0023】
また、上記クーラント供給装置において、前記第2クーラント槽は、前記連通部から槽内壁面に沿って、該槽内壁面に対向するように延設され、前記連通部から流入したクーラントの流れを整える整流板を備えているのが好ましい。
【0024】
上述したように、第2クーラント槽では、第2攪拌ノズル体の吐出口から吐出されたクーラントによって液流が助勢されるとともに、槽壁に沿って旋回する旋回流が形成される。したがって、前記連通部と第2クーラント槽との接続部では、連通部から流入するクーラント流と、第2クーラント槽内の旋回クーラント流とがぶつかり、連通部からのクーラントの流入が阻害されるため、連通部において、異物が沈殿、堆積し易くなる。
【0025】
上述した整流板を設けることで、連通部と第2クーラント槽との接続部において、連通部から流入するクーラント流と、第2クーラント槽内の旋回クーラント流とをスムーズに合流させることができ、連通部からのクーラントの流入を良好なものとすることができる。これにより、連通部において異物が沈殿、堆積するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係るクーラント供給装置によれば、第1及び第2攪拌ノズル体から吐出されるクーラントによって、第1及び第2クーラント槽内のクーラントが攪拌されるとともに、連通部におけるクーラントの流れが加速されるので、第1及び第2クーラント槽及び連通部において異物が沈殿、堆積するのを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るクーラント供給装置を示した斜視図である。
図2】本実施形態に係るクーラント供給装置を示した平面図である。
図3図2における矢視A−A方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本例のクーラント供給装置1は、図示しない工作機械に付設されて、その加工領域等にクーラントCを供給する装置であり、図1及び図2に示すように、全体形状が平面視ほぼU字形に形成され、クーラントCが貯留されるクーラントタンク2を備えている。
【0029】
具体的には、前記クーラントタンク2は、平面視矩形状を有し、相互に所定の間隔を空けて並設された第1クーラント槽3及び第2クーラント槽7、並びにこれら第1クーラント槽3と第2クーラント槽7との間の端部(図2において図示下側の端部)に設けられ、一端が前記第1クーラント槽3の側壁に接続し、他端が第2クーラント槽7の側壁に接続して、第1クーラント槽3と第2クーラント槽7とを連通させる連通部8を含む。また、前記第1クーラント槽3は、仕切板6によって2つの槽に液密状に仕切られており、図示上側の槽が高度クリーン槽4、図示下側の槽が還流槽5となっている。
【0030】
図2に示すように、前記還流槽5の図示右下の角部には整流板9が配設され、同様に第2クーラント槽7の各角部にも、それぞれ整流板10,11,12が配設されている。これら整流板9,10,11,12は多面を成すように折り曲げられており、これによってほぼ円弧状に成形されている。
【0031】
前記高度クリーン槽4には第1ポンプ27が配設され、前記還流槽5には、その第2クーラント槽7側の側壁近傍に第2ポンプ28及び第3ポンプ29が配設され、更に、前記連通部8の接続部と対角を成す位置に第1攪拌ノズル体20が配設されている。また、第2クーラント槽7には、前記連通部8の接続部と対峙する位置に第2攪拌ノズル体23が配設され、第1クーラント槽3側の側壁近傍に第4ポンプ30、第5ポンプ31及び第6ポンプ32が配設され、前記連通部8には第3攪拌ノズル体26が配設されている。尚、第1攪拌ノズル体20、第2攪拌ノズル体23及び第3攪拌ノズル体26はクーラントC中に浸漬された状態となっている。
【0032】
前記第1ポンプ27は、前記高度クリーン槽4内のクーラントCを汲み上げて前記工作機械の主軸に形成された循環路に供給するポンプであり、また、前記第2ポンプ28は、還流槽5内のクーラントCを汲み上げて第1攪拌ノズル体20、第2攪拌ノズル体23及び第3攪拌ノズル体26に供給するポンプであり、第3ポンプ29は、還流槽5内のクーラントCを汲み上げて前記工作機械の加工領域の上方に供給して、当該加工領域内に吐出させるポンプである。
【0033】
また、前記第4ポンプ30、第5ポンプ31及び第6ポンプ32は、それぞれ第2クーラント槽7のクーラントCを汲み上げるポンプであり、汲み上げたクーラントCをそれぞれ、第4ポンプ30は図示しないフィルタ装置に供給し、第5ポンプ31は前記工作機械の主軸近傍に供給して前記加工領域内に吐出させ、第6プンプ32は前記工作機械のベース部分に供給する。尚、第1ポンプ27は高度クリーン槽4の天板を構成する取付板(図示せず)に取り付けられ、第2ポンプ28、第3ポンプ29、第4ポンプ30、第5ポンプ31及び第6ポンプ32は、それぞれクーラントタンク2を閉塞する天板(図示せず)に取り付けられている。
【0034】
また、クーラントタンク2の第1クーラント槽3と第2クーラント槽7との間の空間には、上述した特許文献1に開示されるようなチップコンベア(図示せず)が配設されており、このチップコンベアに、前記工作機械の加工領域に供給されたクーラントCが切屑やスラッジを含んだ状態で回収される。
【0035】
また、チップコンベアには、上述した特許文献1に開示されるドラム状のフィルタ(ドラムフィルタ)(図示せず)が内装されており、このドラムフィルタの内部に進入する際にクーラントCは濾過され、所定の大きさの切屑やスラッジが当該クーラントCから分離され、除去される。そして、このドラムフィルタの内部空間は、前記還流槽5の前記第2クーラント槽7側の側壁に形成された開口部(図示せず)を通して、液密状に連通している。斯くして、前記工作機械の加工領域に供給されたクーラントCは、このチップコンベアに回収され、ドラムフィルタによって濾過された後、還流槽5に還流される。
【0036】
尚、前記第1ポンプ27から主軸の循環路に供給されたクーラントC、及び第6ポンプ32から工作機械のベース部分に供給されたクーラントCは、それぞれ別に形成された流通路を通して前記還流槽5に還流される。また、第6ポンプ32によって汲み上げられたクーラントCは、前記ドラムフィルタの目詰まりを解消するための所謂逆洗浄にも使用される。また、上述したように、第4ポンプ30によって汲み上げられたクーラントCは、図示しないフィルタ装置に供給され、このフィルタ装置によって高度に浄化された後、前記高度クリーン槽4に供給され、供給されたクーラント量が過剰な場合には、前記仕切板6に形成された開口部6aから還流槽5にオーバフローするようになっている。
【0037】
前記第1攪拌ノズル体20は、前記第2ポンプ28から供給されたクーラントCを、前記連通部8側に向けて吐出する2つの平行に設けられたノズル21,22を備えており、ノズル22から吐出されたクーラントCは還流槽5の側壁にほぼ沿った液流を生じさせ、ノズル21から吐出されたクーラントCは還流槽5の中央付近に向けた液流を生じさせる。
【0038】
また、前記第3攪拌ノズル体26は、前記第2ポンプ28から供給されたクーラントCを、前記第2クーラント槽7に向けて吐出するように配設される。
【0039】
前記第2攪拌ノズル体23は、第2ポンプ28から供給されたクーラントCを、前記連通部8から流入するクーラントCの流れに対してほぼ直交する方向、即ち、図2において図示上側に向けて吐出する2つの平行に設けられたノズル24,25を備えており、ノズル25から吐出されたクーラントCは第2クーラント槽7の側壁にほぼ沿った液流を生じさせ、ノズル24から吐出されたクーラントCは第2クーラント槽7の中央付近に向けた液流を生じさせる。
【0040】
また、第2クーラント槽7には、前記第2攪拌ノズル体23におけるクーラントCの吐出方向の前方位置に邪魔板13が設けられている。この邪魔板13は、図2に示すように、クーラントCの流れを遮るように、第2クーラント槽7の内壁から槽内側に向けて延設され、図3に示すように、槽底面7aとの間にクーラントCが流通可能な間隔dを有する隙間が形成されている。
【0041】
また、第2クーラント槽7には、その前記連通部8の接続部において、当該連通部8から連続する槽内壁面(図2における図示下側の内壁面)に沿って当該槽内壁面に対向するように、当該連通部8から延設され整流板14を備えている。
【0042】
以上の構成を備えた本例のクーラント供給装置1によれば、上述したように、第4ポンプ30,第5ポンプ31及び第6ポンプ32によって第2クーラント槽7内のクーラントCが汲み上げられ、汲み上げられたクーラントCが上述した各部位に供給され、供給されたクーラントCがそれぞれ還流槽5に還流される。斯くして、このようなクーラントCの流通によって、還流槽5から連通路8を経て第2クーラント槽7に流れ込むクーラントCの基本的な流れが形成される。
【0043】
具体的には、還流槽5には、工作機械の加工領域からチップコンベアを経てクーラントCが還流され、また、第1ポンプ27から主軸の循環路に供給されたクーラントCが適宜流通路を経て還流され、更に、第6プンプ32から工作機械のベース部分に供給されたクーラントCが同じく適宜流通路を経て還流される。また、第5ポンプ31から高度クリーン槽4に供給されたクーラントCがオーバフローして還流槽5に流れ込む。還流槽5では、このようなクーラントCによって、前記連通部8に向けた液流が生じ、この連通部8を通じて、還流槽5から第2クーラント槽7に向けてクーラントCが流れ込む。
【0044】
また、第2クーラント槽7では、第4ポンプ30、第5ポンプ31及び第6ポンプ32によって、それぞれクーラントCが汲み上げられ、この汲み上げ作用、並びに連通部8から流れ込むクーラントCの液流によって、旋回流が生じる。
【0045】
そして、このクーラント供給装置1では、前記還流槽5において、前記第2ポンプ28から供給されるクーラントCが、前記第1攪拌ノズル体20のノズル21,22からそれぞれ吐出され、ノズル22から吐出されたクーラントCは還流槽5の側壁にほぼ沿った液流を生じさせ、ノズル21から吐出されたクーラントCは還流槽5の中央付近に向けた液流を生じさせる。これにより、連通部8に向けたクーラントCの流れが当該ズル21,22から吐出されるクーラントCによって助勢され、還流槽5内のクーラントCが攪拌される。また、還流槽5の角部に円弧状の整流板9を設けているので、同部におけるクーラントCの流れを淀みの無いスムーズな流れとすることができる。
【0046】
このように、この還流槽5では、槽内のクーラントCの流れを助勢するとともに、当該クーラントCを攪拌し、また、淀みの無いスムーズな流れを形成しているので、クーラントC内に切屑やスラッジなどの異物が混入している場合でも、当該異物が沈殿、堆積するのを抑止することができる。
【0047】
また、連通部8においては、第3攪拌ノズル体26から第2クーラント槽7に向けてクーラントCが吐出されるので、還流槽5から流入するクーラントCが第3攪拌ノズル体から吐出されるクーラントCにより助勢、加速されて、これらクーラントCが第2クーラント槽7に流入する。これにより、連通部8において、異物が沈殿、堆積するのが抑止される。
【0048】
一方、第2クーラント槽7では、第2ポンプ28から供給されるクーラントCが、第2攪拌ノズル体23のノズル24,25からそれぞれ吐出され、ノズル25から吐出されたクーラントCは第2クーラント槽7の側壁にほぼ沿った液流を生じさせ、ノズル24から吐出されたクーラントCは第2クーラント槽7の中央付近に向けた液流を生じさせる。これにより、第2クーラント槽7内のクーラントCの流れ(旋回流)が当該ズル24,25から吐出されるクーラントCによって助勢され、攪拌される。また、第2クーラント槽7の角部にそれぞれ円弧状の整流板10,11,12を設けているので、同部におけるクーラントCの流れを淀みの無いスムーズな流れとすることができる。
【0049】
尚、第2クーラント槽7内に形成される旋回流の流速は、第2攪拌ノズル体23から遠ざかった位置、即ち、その吐出方向前方位置において最も弱まった状態になり、この後の流路では、第4ポンプ30,第5ポンプ31及び第6ポンプ32の汲み上げ作用によってその流速が高められる。
【0050】
本例のクーラント供給装置1では、クーラントCの流速が弱まる部分に邪魔板13を設けているので、この邪魔板13の作用によってクーラントCの流速を加速させることができる。即ち、第2攪拌ノズル体23側からその前方に向かうクーラントCの流れは邪魔板13により遮られて、図3に示した、当該邪魔板13と槽底面7aとの間に形成された隙間を通過する態様となる。そして、このようにしてクーラントの流路が邪魔板13により狭められることにより、当該隙間を通過するクーラントの流速が高められる。
【0051】
斯くして、この第2クーラント槽7では、第2攪拌ノズル体23から吐出されるクーラントによって槽内のクーラントの流れが助勢され、これにより槽7内のクーラントが攪拌され、また、整流板10,11,12によって淀みの無いスムーズな流れが形成されるので、これら各作用により、当該第2クーラント槽7において、異物が沈殿、堆積するのが抑止される。
【0052】
また、クーラントの流速が弱まる位置に邪魔板13を設けているので、この邪魔板13と槽底面7aとの間の隙間を通過する際にクーラントCの流速を高めることができ、これにより、同部において、異物が沈殿、堆積するのが防止される。
【0053】
また、本例の第2クーラント槽7には、その前記連通部8の接続部において、当該連通部8から連続する槽内壁面(図2における図示下側の内壁面)に沿って当該槽内壁面に対向するように、当該連通部8から延設され整流板14が設けられている。
【0054】
上述したように、第2クーラント槽7では、第2攪拌ノズル体23から吐出されたクーラントCによって液流が助勢されるとともに、槽壁に沿って旋回する旋回流が形成される。したがって、前記連通部8と第2クーラント槽7との接続部では、連通部8から流入するクーラント流れと、第2クーラント槽7内の旋回クーラント流とがぶつかり、連通部8からのクーラントCの流入が阻害されるため、連通部8において、異物が沈殿、堆積し易くなる。
【0055】
斯くして、前記整流板14を設けることで、連通部8と第2クーラント槽7との接続部において、連通部8から流入するクーラント流と、第2クーラント槽7内の旋回クーラント流とをスムーズに合流させることができ、連通部8からのクーラントCの流入を良好なものとすることができる。これにより、連通部8の接続部において異物が沈殿、堆積するのを防止することができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態に係るクーラント供給装置について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものでは無い。
【0057】
例えば、上例では、第1攪拌ノズル体20をノズル21,22から構成し、第2攪拌ノズル体23をノズル24,25から構成したが、このような構成に限られるものではなく、第1攪拌ノズル体20及び第2攪拌ノズル体23は1つのノズルから構成されていても、或いは3つ以上のノズルから構成されていても良い。ノズルの個数は、還流槽5及び第2クーラント槽7における異物の沈殿、堆積状態に応じて、これを解消できる適宜個数に設定すれば良い。また、各ノズルの吐出方向も、各槽内において異物の沈殿、堆積を解消できるような適宜向きに設定すれば良い。
【0058】
また、第3攪拌ノズル体26の設置は選択的であり、連通部8に異物の沈殿や堆積が生じない場合には、特にこれを設ける必要はない。
【0059】
また、第1ポンプ27〜第6ポンプ32は、これらがすべて必要なわけではなく、クーラントを供給する目的に応じて適宜設置すれば良い。
【符号の説明】
【0060】
1 クーラント供給装置
2 クーラントタンク
3 第1クーラント槽
4 高度クリーン槽
5 還流槽
6 仕切板
7 第2クーラント槽
8 連通部8
9,10,11,12 整流板
13 邪魔板
14 整流板
20 第1攪拌ノズル体
21,22 ノズル
23 第2攪拌ノズル体
24,25 ノズル
26 第3攪拌ノズル体
27 第1ポンプ
28 第2ポンプ
29 第3ポンプ
30 第4ポンプ
31 第5ポンプ
32 第6ポンプ
図1
図2
図3