特開2018-201768(P2018-201768A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201768(P2018-201768A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】空間改質装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20181130BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20181130BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20181130BHJP
   C02F 1/48 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A61L9/01 E
   H05H1/24
   A61L9/14
   C02F1/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-109390(P2017-109390)
(22)【出願日】2017年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(72)【発明者】
【氏名】北井 崇博
(72)【発明者】
【氏名】松田 源一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 芳生
(72)【発明者】
【氏名】三宅 岳
【テーマコード(参考)】
2G084
4C180
4D061
【Fターム(参考)】
2G084AA13
2G084AA18
2G084AA25
2G084BB01
2G084BB11
2G084BB23
2G084BB35
2G084CC03
2G084CC08
2G084CC11
2G084CC32
2G084CC35
2G084DD01
2G084DD12
2G084FF12
4C180AA02
4C180AA07
4C180CB01
4C180DD11
4C180DD17
4C180EA53X
4C180EA54X
4C180GG07
4C180HH02
4C180HH03
4D061DA03
4D061DA05
4D061DB01
4D061DB19
4D061DC04
4D061EA13
4D061EB01
4D061EB07
4D061EB14
4D061EB17
4D061EB18
4D061EB19
4D061EB28
4D061EB31
4D061EB33
4D061EB39
4D061GC16
(57)【要約】
【課題】プラズマを効率良く発生させて液体を迅速に改質できて、臭気物質及び菌を分解する能力を向上させることができる空間改質装置を提供する。
【解決手段】導入された液体L1を旋回させることにより、液体L1の旋回流F1の旋回中心付近に気相Gを発生させる処理槽12と、処理槽内に少なくとも一部が配置されて処理槽内の液体に接触する第1電極30と、処理槽内の液体に接触するように配置された第2電極31と、第1電極と第2電極との間に電圧を印加して気相にプラズマを発生させる電源60とを備えて、気相にプラズマを発生させて改質成分を生成し、生成した改質成分が液体に溶解して液体中に分散して、改質液を生成して貯留槽90に保持する。改質液を供給ポンプ45を介してノズル41から処理対象空間40にミスト状に噴霧又は散布する。
【選択図】図6D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入部から導入される液体を中心軸周りに旋回させることにより、前記液体の旋回流の旋回中心付近に気相を発生させるとともに、前記導入部から導入された前記液体を、前記導入部との間で旋回させて前記旋回流を発生させたのち改質液として排出する排出部を有する処理槽と、
前記処理槽内に少なくとも一部が配置されて前記処理槽内の前記液体に接触する第1電極と、
前記処理槽内の前記液体に接触するように配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させて改質成分を前記改質液中に生成する電源と、
前記処理槽の前記排出部から排出される前記改質液を貯留する貯留槽と、
前記処理槽の前記排出部が接続されて前記貯留槽に前記改質液として排出されて保持される貯留水を前記処理槽の前記導入部から前記処理槽内に再び導入して、前記処理槽と前記貯留槽との間で前記貯留水が循環可能とするポンプと、
前記貯留槽の貯留水排出部に接続されて、前記貯留槽の前記貯留水を処理対象空間にミスト状に排出するノズルと、
前記貯留槽から前記ノズルへ前記貯留水を供給する供給ポンプとを備え、
前記貯留水を前記ノズルから噴霧又は散布する、
空間改質装置。
【請求項2】
前記貯留槽は前記ノズルの下方に配置され、かつ、上部が開口されており、
前記ノズルから噴霧又は散布された前記貯留水を前記貯留槽に回収し、前記貯留槽に回収した液体を前記貯留槽の前記改質液と接触させる、
請求項1に記載の空間改質装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記液体の前記旋回流の前記の旋回中心付近に発生させた前記気相に接触するように、もしくは前記気相の近傍に位置するように配置される、
請求項1又は2に記載の空間改質装置。
【請求項4】
前記処理槽は、前記導入部から供給された前記液体を旋回させて前記旋回流を発生させる円筒状もしくは円錐台形状の第1内壁を有し、
前記第1電極は、前記第1内壁の中心軸上もしくは中心軸近傍に配置される、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の空間改質装置。
【請求項5】
前記第1電極は、前記中心軸もしくは前記中心軸近傍の一方の端部側に配置され、
前記第2電極は、前記中心軸もしくは前記中心軸近傍の他方の端部側に配置され、
前記導入部は、前記中心軸の前記一方の端部側に配置され、
前記排出部は、前記中心軸の前記他方の端部側に配置される、
請求項4に記載の空間改質装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の周りの一部にもしくは前記中心軸の全周を取り囲む様に配置される板状の電極である、
請求項5に記載の空間改質装置。
【請求項7】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の側方に配置される、
請求項5に記載の空間改質装置。
【請求項8】
前記第2電極は、前記第1内壁の前記他方の端部側の前記第1内壁の前記中心軸の一部もしくは全周を取り囲むように配置される筒状の電極である、
請求項5に記載の空間改質装置。
【請求項9】
導入部から導入される液体を中心軸周りに旋回させることにより、前記液体の旋回流の旋回中心付近に気相を発生させるとともに、前記導入部から導入された前記液体を、前記導入部との間で旋回させて前記旋回流を発生させたのち改質液として排出する排出部を有する処理槽と、
前記処理槽内に少なくとも一部が配置されて前記処理槽内の前記液体に接触する第1電極と、
前記処理槽内の前記液体に接触するように配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させて改質成分を前記改質液中に生成する電源と、
前記処理槽の前記排出部から排出される前記改質液を貯留する貯留槽と、
前記処理槽の前記排出部が接続されて前記貯留槽に前記改質液として排出されて保持される貯留水を前記処理槽の前記導入部から前記処理槽内に再び導入して、前記処理槽と前記貯留槽との間で前記貯留水が循環可能とするポンプと、
処理対象空間内で、前記貯留槽の上方に配置されて、前記貯留槽の上部開口に向けて液体をミスト状に排出するノズルと、
前記ノズルへ前記液体を供給する供給ポンプとを備え、
前記供給ポンプから前記ノズルへ供給された前記液体を前記ノズルから噴霧又は散布したのち、前記貯留槽の前記上部開口内に回収したのち、前記液体と前記改質液とが前記貯留槽内で接触する、
空間改質装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を電気化学的に処理して液体処理装置で生成した改質液を、ミストで噴霧して臭気物質等を分解したり、或いは、ミスト状の改質液で臭気物質等を捕捉して回収したのち分解する空間改質装置に関する。より詳細には、本発明は、液体の中でプラズマを発生させることにより液体を改質することで、殺菌作用及び脱臭作用がある改質液を生成し、生成された改質液をミスト状に噴霧して臭気物質等を分解したり、ミスト状の改質液で臭気物質等を捕捉して回収したのち分解する空間改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図15に、従来の改質液生成装置の例を示す。液体803(例えば、水)の中に、第1電極801および第2電極802を配置し、パルス電源804から両電極801,802間に高電圧パルスを印加して液体803を気化させ、プラズマ805を発生させることにより、例えば、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)又は過酸化水素等の酸化力を持つ成分を含んだ改質液を生成する改質液生成装置が知られている。特に、OHラジカルは高い酸化力を有することが知られており、これらの成分が含有された改質液を混合させることで、例えば、菌に対して、高い殺菌作用があるとされている。また、液体803の中でプラズマ805を発生させることで、プラズマ805が液体803で覆われており、液体由来の成分を発生させやすいことが知られている。例えば、水の中でプラズマ805を発生させることで、OHラジカル又は過酸化水素が生成されやすいことが知られている。
【0003】
しかしながら、上記従来の改質液生成装置の場合、液体803を気化させるために高い印加電圧が必要なだけでなく、プラズマ805の発生効率が低く、液体803を改質させるのに長時間を要するという問題があった。
【0004】
そこで、印加電圧を低くしつつプラズマの発生効率を向上させるために、両電極間に外部より導入した気体を介在させるようにした改質液生成装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の改質液生成装置(図16)では、アノード電極901とカソード電極902との間に被処理液903とともに気体904(例えば、酸素)を介在させた上で、両電極901,902間にパルス電圧を印加する。パルス電圧の印加により、気体904内にプラズマが発生し、プラズマと被処理液903との接触面で被処理液903の改質が発生する。特許文献1に記載の改質液生成装置によれば、気体を介在させない場合よりも印加電圧を低減させることができ、かつ、プラズマを効率良く発生させて被処理液903の改質を行うことができる。
その被処理液903をミスト状に噴霧して、空間を浮遊する臭気物質又は菌に直接接触させて分解したり、ミスト状の被処理液903で臭気物質又は菌を捕捉して水槽等に回収して分解する脱臭装置又は除菌装置に活用する事が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4041224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の改質液生成装置を使用する脱臭装置又は除菌装置では、プラズマの発生効率が低く、改質液中の酸化力を持つ成分が不足し、臭気物質及び菌を分解する能力が弱いという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、プラズマを効率良く発生させて液体を迅速に改質できて、臭気物質及び菌を分解する能力を向上させることができる空間改質装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様にかかる空間改質装置は、
導入部から導入される液体を中心軸周りに旋回させることにより、前記液体の旋回流の旋回中心付近に気相を発生させるとともに、前記導入部から導入された前記液体を、前記導入部との間で旋回させて前記旋回流を発生させたのち改質液として排出する排出部を有する処理槽と、
前記処理槽内に少なくとも一部が配置されて前記処理槽内の前記液体に接触する第1電極と、
前記処理槽内の前記液体に接触するように配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して前記気相にプラズマを発生させて改質成分を前記改質液中に生成する電源と、
前記処理槽の前記排出部から排出される前記改質液を貯留する貯留槽と、
前記処理槽の前記排出部が接続されて前記貯留槽に前記改質液として排出されて保持される貯留水を前記処理槽の前記導入部から前記処理槽内に再び導入して、前記処理槽と前記貯留槽との間で前記貯留水が循環可能とするポンプと、
前記貯留槽の貯留水排出部に接続されて、前記貯留槽の前記貯留水を処理対象空間にミスト状に排出するノズルと、
前記貯留槽から前記ノズルへ前記貯留水を供給する供給ポンプとを備え、
前記貯留水を前記ノズルから噴霧又は散布する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の前記態様にかかる空間改質装置によれば、旋回流中で液体を気化させ、生成された気相にパルス電圧を印加してプラズマを発生させて改質成分を持つ改質液を生成できる。電圧印加により液体を気化させる必要がないため、少ない電力でプラズマを効率良く発生させることができ、液体の改質を効率良く、迅速に行うことができて、改質液中の酸化力を持つ成分が不足することなく、臭気物質及び菌に直接接触させて分解する能力を向上させることができる。また、改質された改質液を空間にミスト状に噴霧又は散布する事で、気体中の臭気物質及び菌を改質液で効果的に分解することができて、空間改質作用を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1にかかる空間改質装置の改質液生成装置の構成を示す側面断面図
図2】装置本体の側面断面図
図3図2の3―3線における断面図
図4】処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加していない状態を示す側面断面図
図5図4の5−5線における断面図
図6A】処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加した状態を示す側面断面図
図6B図6Aの気相中にプラズマが発生した状態の部分拡大図
図6C】空間改質装置の貯留槽に改質液を供給している状態の側面断面図
図6D】空間改質装置でノズルから改質液を噴霧している状態の断面側面図
図6E】本発明の実施形態2にかかる空間改質装置の構成を示す断面側面図
図6F】本発明の実施形態3にかかる空間改質装置の構成を示す断面側面図
図7】装置本体の変形例を示す側面断面図
図8】装置本体の変形例を示す側面断面図
図9A】装置本体の変形例を示す側面断面図
図9B図9Aとは異なる装置本体の変形例を示す側面断面図
図10】装置本体の変形例を示す側面断面図
図11】装置本体の変形例を示す側面断面図
図12】装置本体の変形例を示す側面断面図
図13】装置本体の変形例を示す側面断面図
図14A】装置本体の変形例を示す側面断面図
図14B】装置本体の変形例において貯留槽の一部に銅材を配置した側面断面図
図15】従来の改質液生成装置の概略構成図
図16】気体導入装置を備える従来の改質液生成装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る改質液生成装置100を有する空間改質装置101を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0012】
[全体構成]
空間改質装置101は、少なくとも、改質液生成装置100と、ノズル41と、供給ポンプ45とを備えている(図6D参照)。改質液生成装置100は、脱臭処理又は除菌処理で使用する改質液L2を生成する装置として機能する。
まず、実施形態1にかかる改質液生成装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1にかかる改質液生成装置100の構成を示す側面断面図である。以下の図では、矢印Fは改質液生成装置100の前方向を示し、矢印Bは後方向を示す。矢印Uは上方向を示し、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは後方向から見て右方向、矢印Lは後方向から見て左方向を示す。
【0013】
改質液生成装置100は、液体の中で放電することによって、改質成分を生成し、生成した改質成分を液体の中に分散させることで改質液L2を生成する。本実施形態1では、液体の例として循環水L1を改質し、OHラジカル又は過酸化水素等の改質成分を含んだ改質液L2を生成する場合について説明する。ここで、循環水L1とは、後述する貯留槽90に保持されて貯留している貯留水92を、循環用配管81及び配管51を通してポンプ50で処理槽12に供給される液体を意味する。なお、循環水L1に対しては、供給口90eから水道水又は井戸水などを供給できるようにしている。
【0014】
改質液生成装置100は、少なくとも、処理槽12と、第1電極30と、第2電極31と、電源60とを備えている。より具体的には、改質液生成装置100は、装置本体10、液体供給部50、貯留槽90、および電源60を備えている。装置本体10は、処理槽12、導入部15、排出部17、第1電極30、および第2電極31を備えている。
【0015】
処理槽12は、内部に導入された循環水L1をプラズマにより、改質成分(例えば、OHラジカル又は過酸化水素等)を生成して改質液L2を生成させる部分である。処理槽12の材質は絶縁体でもよいし、導体でもよい。導体の場合には、各電極30,31との間に絶縁体を介在する必要がある。前記改質成分が貯留槽90に排出される際に、改質成分が循環水L1に分散され、改質液L2が生成される。
処理槽12の内壁の正面断面形状は円形である(図3参照)。言い換えれば、処理槽12は、処理槽12の循環水L1の旋回軸X1沿いの一端側が閉口した断面形状が円形である円柱状の処理室を有している。導入部15は、処理槽12の一端に配置されて、処理槽12に循環水L1を処理槽12の中心軸X1と直交する円形の断面形状の接線方向から導入する。導入部15は、配管51を介して液体供給部50に連通している。排出部17は、処理槽12の他端に配置されて、処理槽12に導入された循環水L1と処理槽12で生成された改質成分を処理槽12から貯留槽90に排出させる。本実施形態1では、排出部17は、貯留槽90の改質液供給部91に接続されている。
【0016】
第1電極30は、処理槽12の一端の内部に配置されている。第1電極30は、処理槽12の一端の内壁の中央から処理槽12内に、長手方向沿いに突出配置されている。
第2電極31は、処理槽12の他端の壁の外側に配置されて、排出部17の近傍に配置されている。
第1電極30は電源60が接続されており、第2電極31は接地されている。第1電極30および第2電極31には、電源60により高電圧のパルス電圧が印加される。第1電極30の材質は、一例としてタングステンを使用している。
【0017】
液体供給部50は、一例として、処理槽12内に循環水L1を供給するポンプである。液体供給部50は、配管51に接続されている。配管51の一端は、処理槽12の一端の内壁近傍に配置された内側開口としての導入部15に接続されており、配管51の他端は図示しない液体供給源(例えば、水タンク80)又は貯留槽90の改質液を含んだ貯留水を循環できる形に接続されている(図1の一点鎖線の循環用配管81を参照)。
【0018】
電源60は、第1電極30と第2電極31との間に高電圧のパルス電圧を印加する。電源60は、正のパルス電圧と負のパルス電圧とを交互に印加する、いわゆるバイポーラーパルス電圧を印加することができる。
【0019】
貯留槽90は、改質液生成装置100から排出される改質成分をせん断し、改質成分を内包したマイクロバブル又はナノバブルを生成し、水の中に拡散させる槽である。具体的には、貯留槽90は、処理槽12の排出部17の開口断面積より大きい断面積を内部に有して、排出部17から貯留槽90内に排出された改質成分を貯留槽90でせん断し、改質成分を内包したマイクロバブル、又は、マイクロバブル及びナノバブルを貯留槽90内で生成して、水の中に拡散させる。よって、貯留槽90はマイクロバブル生成槽として機能する。貯留槽90としては、少なくとも、処理槽12の排出部17の開口の内径寸法の倍以上の内径又は一辺を確保することにより、マイクロバブル又はナノバブルを含有して殺菌を確実に行える改質液L2を貯留槽90で生成することができる。
【0020】
貯留槽90は、図6Dに示すように、下部又は中間部に配置されて処理槽12の排出部17に接続される改質液供給部91と、改質液供給部91よりも上部の例えば中央に配置された貯留水排出部90bと、上部に配置された貯留水排出部90dとを有している。一例として、処理槽12側に改質液供給部91と貯留水排出部90bとを配置し、貯留水排出部90dは、改質液供給部91と貯留水排出部90bとは離れた側、例えば対向する壁面側に配置されている。処理槽12中の気相GにプラズマPを発生させて改質成分を生成する。生成した改質成分が、液体に溶解して液体中に分散して改質液L2を生成し、生成した改質液L2が処理槽12の排出部17から貯留槽90の改質液供給部91に排出されて、旋回流(図6Dの渦巻きF2参照)を伴う水流となったのち、貯留槽90に貯留する。
【0021】
図6Dでは、配管51は、貯留槽90の貯留水排出部90bに連結されて、循環用配管81を構成している。貯留槽90内の貯留水92が循環用配管81及びポンプ50を介して導入部15から処理槽12内に循環水L1として供給され、処理槽12から排出部17を介して排出される改質液L2が貯留槽90内に改質液供給部91から導入されることにより、液体が処理槽12と貯留槽90との間で循環するように構成されている。なお、貯留槽90内の改質液L2を含む貯留水92の液面は、貯留水排出部90b及び貯留水排出部90dよりも上方に維持されるようにする。以下の実施形態2及び3でも同様な構成となっている。
【0022】
このような改質液生成装置100の他に、空間改質装置101としてはノズル41と供給ポンプ45とをさらに備えている。
供給ポンプ45は、改質液供給管44の途中に設けられ、改質液供給管44の一端は貯留水排出部90dに接続され、他端は1個または複数個のノズル41に接続されている。
ノズル41は、処理対象空間40の例えば上方に配置され、貯留槽90の貯留水排出部90dから改質液供給管44を介して供給される改質液L2を、処理対象空間40の上方からミスト状に排出する。排出方法としては、噴霧又は散布などが例示できる。処理対象空間40としては、屋内などの閉鎖空間でもよいし、屋外などの開放空間でもよい。改質液L2をミスト状に配置することで、気体中を浮遊する臭気成分又は菌に直接接触させて分解することができる。
【0023】
[装置本体]
次に、装置本体10について詳細に説明する。図2は、装置本体10の側面断面図である。
処理槽12は、第1内壁21、第2内壁22、および第3内壁23を有している。第1内壁21は、筒状の壁部である。第2内壁22は、第1内壁21の図2の左端部に設けられている。第3内壁23は、第1内壁21の図2の右端部に設けられている。第2内壁22および第3内壁23は、側面視では略円形である。第1内壁21、第2内壁22、および第3内壁23により、処理槽12の内部には、略円柱状の収容空間83が構成されている。第1内壁21の中心軸、つまり、処理槽12の内部に構成される略円柱状の収容空間83の仮想の中心軸を軸X1とする。
【0024】
第2内壁22には、収容空間83内に突出した円筒状の電極支持筒24が中央に設けられている。電極支持筒24は、筒状であり右方に延びている。電極支持筒24は、その中心軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように配置されている。電極支持筒24の内側には、絶縁体53を介して第1電極30が支持されている。第1電極30は棒状であり、絶縁体53は第1電極30の周囲に配置されている。このため、第1電極30は、長手方向の軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように配置されている。第1電極30の右端部301の内側端面と、絶縁体53の内側端面と、電極支持筒24の内側端面241とは、ほぼ同じ面内に配置されるように構成されている。
【0025】
導入部15は、装置本体10を貫通しており、一方の開口端151が第1内壁21に形成されている。導入部15は、側面視では、第2内壁22に隣接した位置に配置されている。また、図3は、図2の3―3線における断面図である。導入部15は、第1内壁21の壁面に配置されている。
【0026】
排出部17は、第3内壁23の中央部を貫通している。排出部17は、その中心軸が第1内壁21の中心軸X1と一致するように形成されている。
【0027】
第2電極31は、板状の金属部材であり、中央部に開口部311が形成されている。開口部311は円形であり、その中心が第1内壁21の中心軸X1と一致するように形成されている。
【0028】
[動作]
次に、改質液生成装置100の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、処理槽12の内部に気相を発生させる状態(図4および図5)と、発生させた気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させる状態(図6A及び図6B)とを別図に分けて説明する。図4は、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、パルス電圧を印加していない状態を示す側面断面図である。
まず、図4に示すように、ポンプ50で貯留槽90の貯留水92を吸い込んで導入部15から処理槽12に循環水L1として所定の圧力で導入される。すると、循環水L1は、第1内壁21に沿って、旋回流F1を発生させながら導入部15から図4の右方に向けて移動する。旋回しながら図4の右方に移動した旋回流F1は、排出部17に向けて移動する。
【0029】
旋回流F1により、第1内壁21の中心軸X1付近の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、循環水L1の一部が気化した水蒸気が発生することで、気相Gが第1内壁21の中心軸X1付近に生成される。気相Gは、旋回中心付近、具体的には、第1電極30の右端部301から第1内壁21の中心軸X1に沿って、第2電極31の開口部311の付近まで発生する。また、気相Gは、接している旋回流F1により、旋回流F1と同方向に旋回している。旋回している気相Gは、排出部17の近傍で貯留槽90内の水の抵抗を受ける事で、マイクロバブル又はナノバブルにせん断され、排出部17から、排出部17に接続された貯留槽90の改質液供給部91を介して貯留槽90に拡散される。
【0030】
図5は、図4の5−5線における断面図である。図4で説明したように、導入部15から処理槽12に循環水L1が所定の圧力で導入されると、循環水L1は、第1内壁21に沿った図5の右回りの旋回流F1を発生させる。循環水L1が処理槽12の内部で旋回することで、旋回流F1の中心付近、つまり第1内壁21の中心軸X1付近の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、第1内壁21の中心軸X1付近において循環水L1の一部が気化した水蒸気が発生することで、気相Gが生成される。
【0031】
図6A及び図6Bは、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、パルス電圧を印加した状態を示す側面断面図である。図6Aに示すように、循環水L1が気化した気相Gが、第1電極30の近傍から第2電極31の付近まで発生されている状態で、電源60により、第1電極30と第2電極31との間に高電圧のパルス電圧を印加する。図6Bは、気相G中にプラズマPが発生している状態を示す拡大図である。第1電極30と第2電極31とは、高電圧のパルス電圧が印加されると、気相G内にプラズマPが発生し、改質成分として水由来のラジカル(OHラジカル等)又は化合物(過酸化水素等)又はイオンを生成する。前記改質成分を含んだ気相Gは、周辺にある旋回流F1により、旋回流F1と同方向に旋回する。前記改質成分を含んだ気相Gが旋回することにより、前記改質成分の一部が、旋回流F1側へ溶解することで、循環水L1の中に改質成分が分散する。加えて、排出部17付近の前記改質成分を含んだ気相Gは、貯留槽90内の改質液L2の抵抗を受ける事でせん断され、改質成分を含有した気泡BAを生じる。このとき、処理槽12の排出部17から貯留槽90の改質液供給部91を経て貯留槽90内に排出した改質液L2は、処理槽12内での旋回流F1の影響で、旋回流を伴う改質液L2の水流と前記した気泡BAとが合わさった状態で、処理槽12から貯留槽90内に排出される。これにより、貯留槽90の貯留水92中に、臭気物質及び菌の分解成分が付加されることになる。また、貯留槽90内に改質液L2を留めることで、負圧である気相Gに空気が混入することを防いでいる。この様に、プラズマPにより生成した改質成分が気泡状態もしくは改質液L2の中に溶け込んで分散された状態で、改質液L2が貯留槽90に貯留水92として貯められる。
【0032】
その後、供給ポンプ45を駆動して、貯留槽90で改質液L2となった貯留水92を吸い上げて改質液供給管44に供給する。そして、改質液供給管44の先端のノズル41から、処理対象空間40の上方から、改質液L2をミスト状に噴霧又は散布する。この結果、臭気成分分解成分が付加された改質液L2のミスト42を空間40に供給することになり、空気などの気体中の臭気成分又は菌を改質液L2で分解する。
【0033】
なお、具体的には図示しないが、別空間から処理対象空間40に排気ファンにより臭気物質を強制的に吸い込み、吸い込んだ臭気物質を処理対象空間40で分解するようにしてもよい。このような構成は、後述する実施形態2及び3にも適用可能である。
【0034】
以上説明した本実施形態1によれば、旋回流F1中で循環水L1を気化させ、生成された気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させて液体から改質成分(液体由来のラジカル又は化合物等)を含む改質液L2を生成する。そのため、気相Gは、ジュール熱によって気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相よりも負圧となっており、小さな電圧(すなわち、少ない電力)でプラズマPを発生できるので、循環水L1の改質処理が効率良くできて、改質液中の酸化力を持つ成分が不足することなく、臭気物質及び菌に直接接触させて分解する能力を向上させることができる。さらに、ジュール熱によって水を気化させないので、投入するエネルギーが小さくなる。また、外部から気体を導入しないので、気体供給装置が不要となり、改質液生成装置の小型化がしやすくなる。すなわち、改質液生成装置100を有する空間改質装置101の全体として、構成がコンパクトなものとなり、かつ効率良く活性種を生成することができ、ミスト状に噴霧又は散布する事で、気体中の臭気物質及び菌を改質液L2で効果的に分解することができて、空間改質作用を行わせることができる。
【0035】
また、ジュール熱によって気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相Gは、浮力により一定の形状又は一定の位置で保持することが困難である。しかし、本実施形態1の気相Gは、周りの旋回流F1により、旋回流F1の中心軸X1に集まる方向へ力が加わるので、第1電極30の右端部301の近傍に一定の気相Gを生成することができる。そのため、第1電極30と第2電極31との間に生成される気体の量の時間変化が少なく、プラズマPに必要な電力が変化しにくいので、プラズマPを安定して発生でき、循環水L1の改質処理が効率良く迅速にできる。
【0036】
また、プラズマPの体積はカソード電極の近傍にある気相の体積以下になるが、ジュール熱により気化させた気体、もしくは外部から導入した気体によって形成される気相Gの形状は、バブル形状なので体積が一定以上になると分裂するため、一定の体積以上のプラズマPを発生させることが困難である。しかし、本実施形態1の気相Gは、旋回流F1の旋回速度を確保できれば、中心軸X1の方向に体積を大きくすることが容易であるため、プラズマPの体積を大きくしやすい。そのため、改質成分の生成量を増加させやすく、液体を迅速に改質できる。
【0037】
また、液体が気化する際に体積が膨張するため、衝撃波が発生し、周辺の物体を破壊するキャビテーションが知られている。本実施形態1では、キャビテーションによる破壊が最も強くなるのは、処理槽12の内径が最も小さく、旋回流F1の旋回速度が最も早くなる排出部17である。そのため、気相Gの中でも第1電極30の右端部301は、キャビテーションの破壊が最も強くなる箇所から離れているため、キャビテーションによる第1電極30への影響を小さくなりプラズマPを安定的に発生できる。
【0038】
また、外部から空気を導入することなく循環水L1の処理を行うため、空気等の窒素成分を含んだ気体を導入した気相を活用したプラズマで発生する有害な亜硝酸の生成を抑制することができる。さらに、OHラジカル又は過酸化水素等を内包した気泡BAを含んだ改質液L2を生成することができる。
【0039】
[実施形態2]
図6Eに示すように、実施形態2の空間改質装置102として、貯留槽90を単数又は複数のノズル41の下方に配置し、かつ、貯留槽90の上部を開口するようにしてもよい。
このような構成にすることにより、空間40内の臭気物質又は菌がノズル41から噴出したミスト42に捕捉される。このように臭気物質又は菌を捕捉したミスト42が、貯留槽90の上部開口から貯留水92内に落下する。臭気物質又は菌のうち、ミスト42が落下する間に分解できずに残っている臭気成分又は菌は、貯留水92内で気泡BA及び改質液L2の水流F2により、改質液L2と効果的に接触して分解される。
なお、図6Eの貯留水92は、改質液生成装置102のノズル41から貯留槽90に落下したミスト42に含まれる改質液L2、及び、ミスト42の改質液L2で、貯留槽90内に捕捉された臭気物質又は菌を分解して脱臭作用が低下した改質液も含んでいる。なお、この貯留槽90に落下したミスト42に含まれる改質液L2なども、ポンプ50により貯留水92として吸い込まれて、導入部15から処理槽12に、循環水L1として導入される。
【0040】
この実施態様2によれば、ミスト42がノズル41から排出されて貯留槽90に至るまでの間に、ミスト42の改質液L2で分解されずに残った臭気成分も、貯留槽90の貯留水92内の改質液L2で分解することができ、臭気物質及び菌の分解殺菌作用をより効果的に発揮させることができる。また、ミスト42を貯留槽90で回収して再使用することができるので、循環水L1及び改質液L2を、より効率良く使用することができる。更に、臭気物質又は菌をミスト42で捕捉すると同時に分解を開始することができる。或いは、ミスト42として噴霧又は散布するとき、分解成分を含んだ気泡BAをミスト42に付加しておく事で、分解を早めると同時に、貯留槽90に落ちた臭気物質も、処理槽12から吐出する旋回流を伴った水流F2で効果的に分解することができる。
このように構成すれば、臭気物質及び菌の分解能力の被処理水への付加、或いは、被処理水の撹拌を、一つの構成のユニットで提供でき、効率の良い空間改質装置として使用することができる。
【0041】
[実施形態3]
図6Fの空間改質装置103において、図6Eと同様に貯留槽90を単数又は複数のノズル41の下方に配置しかつ貯留槽90の上面を開放状態とする一方、ノズル41が接続された改質液供給管44の一端には、貯留槽90が接続されるのではなく、水道水又は井戸水等がポンプ43で供給されるようにしている。
このような構成では、空間40内の臭気物質又は菌が、ノズル41から噴出した水道水などのミスト42aに捕捉される。このように臭気物質又は菌を捕捉したミスト42aは、貯留槽90の貯留水92内に落下し、貯留水92内で気泡BA及び改質液L2の水流F2により、改質液L2と効果的に接触して、臭気物質の臭気成分又は菌が分解される。
この実施態様3によれば、ミスト42aを吹き出すノズル41及びポンプ43になどの構成は、従来の公知の構成を使用することができ、装置全体として安価なものとすることができる。
【0042】
[変形例]
本実施形態1〜3で説明した改質液生成装置100の構成は一例であり、種々の変更が可能である。例えば、処理槽12の内部構造又は第1電極30又は第2電極31の位置等については、本実施形態1〜3の構造に限定されない。
【0043】
本実施形態1〜3では、処理槽12は単純な円筒形状であったが、断面形状が円形である筒状の処理槽であり、処理槽の片方の端部に処理槽の中心軸上もしくは中心軸の近傍に窄まった穴形状の排出部を有していれば、様々な形状をとることが可能である。例えば、図7に示すように、半径が異なる円筒を組み合わせた処理槽121であっても同様の効果が得られる。図7では、導入部側の半径が排出部側の半径よりも大きくなるように構成している。又は、図8に示す円錐形状の処理槽122であっても同様の効果が得られる。好ましくは、旋回流F1が前方向Fにすべるのを防ぐために、図8に示すように、断面の内径が連続的に小さくなる円錐形状が好ましい。
【0044】
また、本実施形態1〜3では、第1電極30の形状は、棒電極であったが、第1電極30の右端部301に電解が集中させる形状であれば、この限りではない。例えば、図9Aで示すように、排出部側に向けて尖った円錐形状が付いた板形状の第1電極32でもよい。また、図9Bで示すように、円錐形状の代わりに、排出部側に向けて湾曲するように突出した山形状の凸部32Bが中央部に有する板形状の第1電極32Aでもよい。第1電極32Aでは、発生するプラズマPに最も近い中央部が摩耗しやすいので、単なる平板の電極よりも、当該中央部を処理槽12内に突出させる山形状の凸部32Bを有する電極の方が寿命が長くて好ましい。さらに好ましくは、板形状の第1電極32の代わりに、電極が磨耗した際に、処理槽12内に電極の送り出しが容易な棒電極でもよい。
【0045】
また、図10で示すように、第1電極30の電極支持筒24を用いず、第2内壁22に第1電極30と絶縁体53とを取り付ける構造にしても同様の効果が得られる。好ましくは、水の電気分解又はジュール熱の発生を抑えるために、プラズマ発生に必要な第1電極30の右端部301と、電源60との接続部以外は絶縁体で覆われているほうがよい。
【0046】
また、本実施形態1〜3では、第1電極30の材質は、一例としてタングステンであったが、特に導電性のある材料であれば限定はされない。好ましくは、水中で過酸化水素と接触するとフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現できる金属材料が好ましい。例えば、SUS(ステンレス鋼)又は銅又は銅タングステンがよい。
【0047】
本実施形態1〜3では、第2電極31は、排出部17に配置されているが、処理槽12内に接地された第2電極の少なくとも一部が配置されていればこの限りではない。例えば、配置場所に関しては、図11に示すように、棒状の第2電極33として、第1内壁21の中心軸X1の側方に配置するようにしても、同様の効果が得られる。また、図12に示すように、処理槽12外の貯留槽90内でかつ貯留槽90の改質液供給部91近傍に棒状の第2電極33として配置してもよい。また、図13に示すように、筒状の第2電極34として第1内壁21の内側に配置してもよい。また、開口部311は円形としたが、多角形でもよく、さらには、第2電極は、分割された複数の金属部材を組み合わせて構成してもよい。好ましくは、旋回流F1を乱さないために、丸穴を有した板状もしくは円筒形状がよい。また、気相Gと第2電極の間が短いほうが水の抵抗が小さくなりジュール熱を抑制できるため、気相Gと第2電極の間が短くなる排出部17もしくは排出部17近傍に第2電極を配置するほうがよい。
【0048】
処理槽12に導入される循環水L1の流量は、処理槽12の形状等に応じて、旋回流F1中に気相Gが発生する流量に設定される。また、第1電極30と第2電極31とに印加されるパルス電圧については、バイポーラではなくモノポーラで印加する場合、又は、電圧、パルス幅、又は周波数等は旋回流F1中に発生した気相GにプラズマPを発生させることができる値に適宜設定することが可能である。
【0049】
さらに、本発明の効果が得られる限り、電源60はパルス電源以外の高周波電源等であってもよい。好ましくは、水の電気分解により電極間のpHが偏るので、カソードとアノードとを交互に交換できるバイポーラ印加がよい。
【0050】
貯留槽90は槽としているが、旋回流F1をせん断するために、貯留槽90内に水を保持できる形状であれば、これに限定されない。例えば、改質液を輸送する配管としてもよい。好ましくは、排出部17を循環水L1で満たし処理槽12への空気の混入を防ぐために、図14Aに示すように装置本体10は改質液を上向きに排出し、貯留槽90は装置本体10の上側にあるほうがよい。
また、貯留槽90を構成する材料の材質としては、水が透過しなければよい。また、例えば、図14Bに代表例として空間改質装置102において示すように、改質成分の1つである過酸化水素水とフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現できる銅若しくは鉄を含有した板部材93を、貯留槽90の一部もしくはすべてに使用することができる。また、板部材93を、貯留槽90とは別部材として貯留槽90内に配置してもよい。要するに、板部材93が貯留槽90内の改質液と接触すれば、改質成分の1つである過酸化水素水とフェントン反応を起こして高い殺菌効果を発現することができる。
【0051】
本実施形態1〜3では、循環水L1を改質したが、改質する液体は、水に限定されない。例えば、エタノールでもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態1〜3を説明したが、上述した実施形態1〜3は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態1〜3に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態1〜3を適宜変形して実施することが可能である。
すなわち、前記実施形態又は前記様々な変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の前記態様にかかる空間改質装置は、液体の中でプラズマを発生させることにより液体から改質成分(液体由来のラジカル又は化合物等)を含む改質液を生成し、処理すべき空間に対して、生成した改質液をミスト状に噴霧又は散布することができる。このため、本発明の前記態様にかかる空間改質装置は、殺菌、脱臭、又は、各種の環境改善等に利用することが可能であり、例えばスクラバー又は食品工場向け噴霧式殺菌システムなどに使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 装置本体
12 処理槽
15 導入部
17 排出部
21 第1内壁
22 第2内壁
23 第3内壁
24 電極支持筒
30 第1電極
31 第2電極
32 板形状の第1電極
32A 山形状の凸部を有する板形状の第1電極
32B 山形状の凸部
33 棒状の第2電極
34 筒状の第2電極
40 処理対象空間(処理室)
41 ノズル
42、42a ミスト
43 ポンプ
44 改質液供給管
45 供給ポンプ
50 液体供給部
53 絶縁体
60 電源
80 水タンク
81 一点鎖線(循環用配管)
83 収容空間
90 貯留槽
90b 貯留水排出部
90d 貯留水排出部
91 改質液供給部
92 貯留水
93 板部材
100 改質液生成装置
101,102,103 空間改質装置
121,122 処理槽
151 開口端
241 内側端面
301 右端部
311 開口部
801 第1電極
802 第2電極
803 液体
804 パルス電源
805 プラズマ
901 アノード電極
902 カソード電極
903 被処理液
904 気体
B 後方向
BA 気泡
D 下方向
F 前方向
F1 旋回流
G 気相
L 後方向から見て左方向
L1 循環水
L2 改質液
P プラズマ
R 後方向から見て右方向
U 上方向
X1 略円柱状の収容空間の仮想の中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16