特開2018-201850(P2018-201850A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-201850(P2018-201850A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20181130BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   D06F39/10 E
   D06F33/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-110577(P2017-110577)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】脇田 克也
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 敏之
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
【Fターム(参考)】
3B166AA04
3B166AB43
3B166AE02
3B166AE05
3B166AE07
3B166BA10
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3B166BA56
3B166BA72
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3B166DD06
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3B167LD12
3B167LD13
3B167LE07
3B167LF15
3B167LG08
(57)【要約】
【課題】洗濯運転で汚れた洗濯水から汚れ物質を分離して浄化し、分離した汚れ物質の洗濯物への再付着を抑制する。
【解決手段】水槽1内に回転可能に設けられた洗濯槽4を回転駆動するモータ9と、水槽1に洗濯水を給水する給水弁13と、水槽1内の洗濯水を排水する排水弁17と、水槽1内の洗濯水を浄化する洗濯水浄化部22と、水槽1と洗濯水浄化部22との間で洗濯水を循環させるポンプ21と、水槽1とポンプ21と洗濯水浄化部22とを繋ぐ洗濯水が流れる送水路19と、制御部27とを備え、洗濯水浄化部22は、送水路19に設けられたケース23と、ケース23内に回転可能に設けられた回転筒24と、回転筒24を回転駆動する回転筒モータ25を有し、回転筒24に洗濯水に含まれる異物を吸着する吸着体26が設けられたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に弾性支持された水槽と、
前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、
前記洗濯槽を回転駆動するモータと、
前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、
前記水槽内の洗濯水を排水する排水部と、
前記水槽内の洗濯水を浄化する洗濯水浄化部と、
前記水槽と前記洗濯水浄化部との間で洗濯水を循環させるポンプと、
前記水槽と前記ポンプと前記洗濯水浄化部とを繋ぐ洗濯水が流れる送水路と、
洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御部とを備え、
前記洗濯水浄化部は、前記送水路に設けられたケースと、前記ケース内に回転可能に設けられた回転筒と、前記回転筒を回転駆動する駆動部を有し、
前記回転筒に洗濯水に含まれる異物を吸着する吸着体が設けられた洗濯機。
【請求項2】
前記吸着体は、前記回転筒の周側部に設けられた、
請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記吸着体が設けられた前記回転筒の周側部に通過孔が設けられた、
請求項2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記吸着体は、前記回転筒の周側部側に設けられ、かつ、前記回転筒内の洗濯水中で遊動可能に構成された、
請求項1記載の洗濯機。
【請求項5】
前記吸着体が収容される収容部が前記回転筒内に設けられ、
前記収容部は、洗濯水が通過する仕切体によって前記回転筒の周側部に沿って環状に形成された、
請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記吸着体は、合成繊維又は/及び天然繊維からなる繊維集合体で構成された、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記洗濯水浄化部が設けられた第1の送水路と、前記洗濯水浄化部が設けられていない第2の送水路と、前記第1の送水路と前記第2の送水路を切り替える切替部とが設けられ、前記制御部は、前記第1の送水路と前記第2の送水路とを適宜切り換えるように構成された、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
タイマー部が設けられ、
前記制御部は、前記タイマー部により計時し、洗濯が開始されてから所定時間後に、前記切替部によって前記第2の送水路から前記第1の送水路に切り替えるように構成された、請求項7記載の洗濯機。
【請求項9】
前記洗濯水浄化部は、前記回転筒に設けられた前記吸着体を取り出し可能に構成された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記洗濯水浄化部は、前記送水路との連結部を洗濯水の入口側と出口側に有して前記送水路に対して着脱自在に構成され、
前記回転筒は、前記駆動部の回転シャフトが挿入される結合部を有し、
前記回転シャフトと前記結合部とは着脱自在に構成された、
請求項9記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯を行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
着衣等の洗濯物には、雑菌や皮脂、蛋白質成分等、人の活動や人体に由来する汚れ成分が付着している。これらの汚れ成分は、洗濯の過程で洗剤に含まれる界面活性剤の洗浄効果によって洗濯物から洗い落とされる。しかしながら、洗濯物から洗い落とされた汚れ成分を含む洗濯水で洗濯を続けていると、除去された汚れ等が再び洗濯物に付着してしまう。これにより、洗濯後の仕上がりが低下していた。また、目には見えないものの、汚れの洗い残しがあると保管時に黄ばみが発生したり、汚れの再付着があるまま繰り返し洗濯を行うことで黒ずんできたりするという課題があった。また、節水目的で風呂水を利用して洗濯が行われた場合、使用後の風呂水には人体の汚れが含まれているため、上記課題が発生しやすい。
【0003】
これらの課題に対して、風呂水を用いて洗濯をする際に、風呂水の供給路にサイクロン式分離器を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された従来の洗濯機は、図10に示すように、第1の給水管51と、第2の給水管52および第3の給水管53で構成された風呂水供給路にサイクロン式分離器54が設けられている。洗濯時に風呂水供給ポンプ55が駆動されると、ドラム56内の水が接続管57からサイクロン式分離器54を通過する。洗濯物から遊離した汚れや糸屑等の不純物は、サイクロン式分離器54で取り除かれる。このように、ドラム56内の水が、第2の給水管52および第1の給水管51を通してドラム56内に戻されて循環するように構成されている。
【0005】
また、ドラム内に設けられたバッフル内に汚れを捕獲する不織布を設けて洗濯水を浄化することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この構成では、バッフル内に流入した洗濯水が不織布を通過する際に、洗濯水に含まれる微細で異種の汚れが不織布で捕獲される。
【0006】
さらに、極細繊維からなる繊維集合体を洗濯用補助材として洗濯物と一緒に洗濯し、洗濯物から洗い落された汚れ物質を洗濯用補助材で吸着することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−152212号公報
【特許文献2】特開2011−78483号公報
【特許文献3】特開平9−10473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の構成では、供給水路にサイクロン式分離器が設けられたものであり、サイクロン式分離器においては回転によって発生する遠心力と物質の比重差によって分離が行われるものであることから、風呂水あるいは洗濯水の場合には水と分離する対象物との比重差に基づくものとなる。そのため、水と比重差の大きい砂粒やゴミ等は比較的容易に分離することができるものの、皮脂などの有機物質や菌体
などは分離が難しく、大きな遠心力、すなわち、回転数を高めなければ分離することが難しいという課題があった。さらには、このように水との比重差が小さい物質においては、回転数が変動するとかろうじて平衡状態が得られて分離されている状態が崩れ、再度混合されて分離が困難となるという課題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された従来の構成では、バッフル内に収納されたフィルタに洗濯水を通過させて汚れを捕獲するため、微細な汚れを捕獲できるようにすると、目詰まりが生じて洗濯水を通過させることができなくなり、洗濯水の通過と微細な汚れの捕獲を両立させることが難しいという課題があった。
【0010】
また、特許文献3に記載された従来の構成では、洗濯物と一緒に洗濯された補助材が洗濯物と混在しているため、補助剤近傍に存在する洗濯水中の汚れ物質しか除去する事ができない。また、洗濯後に最終の脱水工程で固まった状態の洗濯物をほぐす際に、洗濯物から取り除く必要があり、使い勝手が悪いという課題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗濯で汚れた洗濯水から汚れ物質を分離して浄化し、分離した汚れ物質の洗濯物への再付着を抑えて洗浄効果を高めることができる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水部と、前記水槽内の洗濯水を浄化する洗濯水浄化部と、前記水槽と前記洗濯水浄化部との間で洗濯水を循環させるポンプと、前記水槽と前記ポンプと前記洗濯水浄化部とを繋ぐ洗濯水が流れる送水路と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御部とを備え、前記洗濯水浄化部は、前記送水路に設けられたケースと、前記ケース内に回転可能に設けられた回転筒と、前記回転筒を回転駆動する駆動部を有し、前記回転筒に洗濯水に含まれる異物を吸着する吸着体が設けられたものである。
【0013】
この構成によって、洗い工程時に衣類等の洗濯物から洗い落とされて洗濯水中へと分散し、遊離した状態で存在している汚れ物質(例えば、人体の垢や皮脂、蛋白成分、雑菌等)は、洗濯水とともに送水路を循環するときに、洗濯水浄化部の回転筒に設けられた吸着体に捕捉されて洗濯水から除去される。したがって、洗濯水中に存在する汚れ物質が減少し、汚れ物質の洗濯物への再付着を防ぐことができる。これによって、洗濯後の衣類の黒ずみや、黄ばみ、さらには、機体や衣類に生息する菌の代謝物由来の不快臭が衣類から発生することを抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗濯機は、洗濯物から洗い落とした汚れ物質の洗濯水からの分離と洗濯物への再付着が抑制でき、洗濯後の衣類の黒ずみや黄ばみを抑え、菌の代謝物由来の不快臭を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態1における洗濯機の概略構成図
図2】本実施の形態の洗濯機の洗浄水浄化部の概略構成図
図3】本実施の形態の洗濯機のブロック構成図
図4】本発明の実施の形態2における洗濯機の洗浄水浄化部の概略構成図
図5】本発明の実施の形態3における洗濯機の洗浄水浄化部の概略構成図
図6】本発明の実施の形態4における洗濯機の洗浄水浄化部の概略構成図
図7】本発明の実施の形態5における洗濯機の要部構成図
図8】本発明の実施の形態6における洗濯機の洗浄水浄化部の概略構成図
図9図8のA−A断面図
図10】従来の洗濯機の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内の洗濯水を排水する排水部と、前記水槽内の洗濯水を浄化する洗濯水浄化部と、前記水槽と前記洗濯水浄化部との間で洗濯水を循環させるポンプと、前記水槽と前記ポンプと前記洗濯水浄化部とを繋ぐ洗濯水が流れる送水路と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御部とを備えている。さらに、前記洗濯水浄化部は、前記送水路に設けられたケースと、前記ケース内に回転可能に設けられた回転筒と、前記回転筒を回転駆動する駆動部を有し、前記回転筒に洗濯水に含まれる異物を吸着する吸着体が設けられたものである。
【0017】
この構成により、洗い工程時に衣類等の洗濯物から洗い落とされて洗濯水中へと分散し、遊離した状態で存在している汚れ物質(例えば、人体の垢や皮脂、蛋白成分、雑菌等)は、洗濯水とともに送水路を循環するときに、洗濯水浄化部の回転筒に設けられた吸着体に捕捉されて洗濯水から除去される。これによって、洗濯水中に存在する汚れ物質が減少し、汚れ物質の洗濯物への再付着を防ぐことができる。したがって、洗濯後の衣類の黒ずみや、黄ばみ、さらには、機体や衣類に生息する菌の代謝物由来の不快臭が衣類から発生することを抑えることができる。
【0018】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記吸着体は、前記回転筒の周側部に設けられたものである。この構成により、送水路を流れる洗濯水が回転筒を通過するときに、回転筒の高速回転により発生する旋回流による遠心力で、汚れ物質は回転筒の周側部に設けられた吸着体に押し付けられ、吸着体は汚れ物質を効果的に捕捉することができる。これによって、洗濯水は循環にともない浄化が進行して洗濯物への汚れの再付着を抑えることができる。
【0019】
第3の発明は、特に、第2の発明において、前記吸着体が設けられた前記回転筒の周側部に通過孔が設けられ、たものである。この構成により、前記洗濯水浄化部に流入した洗濯水は、回転筒の高速回転により発生する旋回流による遠心力で、吸着体および通過孔を通過して送水路へ流出する。これによって、洗濯水に含まれる汚れ物質は吸着体に効果的に捕捉され、洗濯水は循環にともない浄化が進行して洗濯物への汚れの再付着を抑えることができる。
【0020】
第4の発明は、特に、第1の発明において、前記吸着体は、前記回転筒の周側部側に設けられ、かつ、前記回転筒内の洗濯水中で遊動可能に構成されたものである。この構成により、回転筒の高速回転により発生する洗濯水の旋回流とともに吸着体が遊動する。そして、洗濯水は、スムーズに旋回するとともに、吸着体に対して効果的に接触することができる。これによって、吸着体は、回転筒を通過する洗濯水の循環に抗することなく、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0021】
第5の発明は、特に、第4の発明において、前記吸着体が収容される収容部が前記回転筒内に設けられ、前記収容部は、洗濯水が通過する仕切体によって前記回転筒の周側部に沿って環状に形成されたものである。この構成により、回転筒の高速回転により発生する洗濯水の旋回流とともに吸着体を収容部内で遊動させることができる。そして、吸着体の遊動性をよくするための大きさ、厚み、形状等の自由度を高めて洗濯水との接触を良好に
できる。これによって、吸着体は、回転筒を通過する洗濯水の循環に抗することなく、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0022】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかの発明において、前記吸着体は、合成繊維又は/及び天然繊維からなる繊維集合体で構成されたものである。この構成により、吸着体の表面積を多くすることができる。これによって、吸着体の繊維の構成を汚れ物質との親和性を最適化することができ、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0023】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれかの発明において、前記洗濯水浄化部が設けられた第1の送水路と、前記洗濯水浄化部が設けられていない第2の送水路と、前記第1の送水路と前記第2の送水路を切り替える切替部とが設けられ、前記制御部は、前記第1の送水路と前記第2の送水路とを適宜切り替えるように構成されたものである。この構成により、制御部は、洗濯が開始され、洗剤の効果によって洗濯物から汚れを洗い落とす段階では、洗濯水浄化部が設けられていない第2の送水路を洗濯水が流れるように切り替え、洗い工程が進行し、洗濯水中の汚れ物質が増加した段階で、洗濯水浄化部が設けられた第1の送水路を洗濯水が流れるように切り替えることで、洗濯物から汚れを洗い落とす段階で洗剤が吸着体に付着して減少することを防止する。これによって、洗浄効果の低下が防止されるとともに、洗濯水中の汚れ物質が効果的に分離回収されて洗濯物への再付着を低減することができる。
【0024】
第8の発明は、特に、第7の発明において、タイマー部が設けられ、前記制御部は、前記タイマー部により計時し、洗濯が開始されてから所定時間後に、前記切替部によって前記第2の送水路から前記第1の送水路に切り替えるように構成されたものである。この構成により、洗濯の開始後、洗剤の効果によって洗濯物から汚れを洗い落とす時間を設定することが可能になり、例えば、洗濯物の量や汚れの程度に応じて最適なタイミングで送水路を切り替えることができる。
【0025】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれかの発明において、前記洗濯水浄化部は、前記回転筒に設けられた前記吸着体を取り出し可能に構成されたものである。この構成により、洗濯水浄化部から吸着体が取り外され、吸着体に付着し、堆積した汚れ物質を除去することができる。これによって、吸着体は、堆積した汚れ物質が取り除かれて吸着能力または捕捉能力が再生され、洗濯水から汚れ物質を除去する効果を持続することができる。
【0026】
第10の発明は、特に、第9の発明において、前記洗濯水浄化部は、前記送水路との連結部を洗濯水の入口側と出口側に有して前記送水路に対して着脱自在に構成され、前記回転筒は、前記駆動部の回転シャフトが挿入される結合部を有し、に構成されたものである。この構成により、洗濯水浄化部を送水路から取り外し、回転筒を駆動部から切り離して洗濯水浄化部から取り出すことが可能となる。これによって、吸着体に付着した汚れ物質を容易に取り除くことができる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯機の概略構成図である。図1に示されるように、有底筒状に構成された水槽1は、洗濯機の筐体2の内部で複数のサスペンション機構3によって弾性的に支持されている。有底筒状に構成された洗濯槽4は水槽1内に配設されている。洗濯槽4は、正面側に衣類等の被洗浄物(以下、洗濯物という)が出し入れされる略円形状に形成された投入口5を有している。
【0029】
洗濯槽4は、回転軸6を中心として回転可能に設けられ洗濯物を収容する。洗濯槽4の周壁面には、内方へ突出した複数(例えば、3個)のバッフル7と、多数の小孔8が設けられている。水槽1の内部と洗濯槽4の内部とは、小孔8を通して連通している。水槽1と洗濯槽4と回転軸6は、水平に対して角度θ(例えば、20°)だけ前上がりに傾けて配設されている。
【0030】
洗濯槽4は、水槽1の後部に設けられたモータ9によって正逆両方向に駆動される。モータ9は、例えば、ブラシレス直流モータで構成され、インバータ制御によって回転速度が自在に変化させることができるように構成されている。
【0031】
筐体2の前面には、扉10が設けられている。扉10は、洗濯物が出し入れされる投入口5を開閉する。投入口5と対向して形成された水槽1の開口部1aは、伸縮自在な可撓性を有したパッキン12によって筐体2と気密構成を確保して連結されている。
【0032】
給水弁(給水部)13が設けられた給水配管14は、水道の蛇口(図示せず)と接続されている。給水弁13の開閉動作によって水道水の給水と停止が行われる。給水配管14を通して給水された洗濯水(水道水)は、洗剤ケース15に流入し、洗剤ケース15内に投入されている洗剤を溶かしながら給水路14aを通して水槽1へ給水される。
【0033】
水槽1の底部に洗濯水を排出する排水口16が設けられている。開閉自在な排水弁(排水部)17が設けられた排水経路18が、排水口16に連結されている。排水弁17の開閉動作によって水槽1内の洗濯水の排水と停止が行われる。切替弁20が、排水口16と排水弁17の間の排水経路18に設けられている。
【0034】
パイプ状の送水路19は、上流側となる一端が排水経路18に切替弁20を介して接続され、他端は吐出口19cが形成されて水槽1の前方下部に配設されている。水槽1内の洗濯水は、切替弁20によって送水路19側と排水弁17側とに流れを切り替えられる。
【0035】
送水路19には、上流側からポンプ21および洗濯水浄化部22が接続されている。切替弁20が送水路19側に切り替えられてポンプ21が駆動されると、水槽1内の洗濯水は、水槽1の排水口16から排水経路18と切替弁20を経て、水槽1外の下方に形成された送水路19を通してポンプ21と洗濯水浄化部22を通過し、吐出口19cから水槽1内に吐出されて循環する。送水路19を流れる洗濯水は、洗濯水浄化部22を通過する際に洗濯水に含まれる異物を分離される。異物には、洗濯物から洗い落されて遊離した汚れ物質、糸屑、洗濯水に投入された洗剤に含まれる洗浄助剤等が含まれる。
【0036】
図2は、本実施の形態の洗濯機の洗浄水浄化部の洗浄水浄化部の概略構成図である。洗濯水浄化部22は、ケース23と、ケース23内に回転可能に設けられた回転筒24と、回転筒24を回転させる回転筒モータ(駆動部)25とを有している。
【0037】
回転筒24は、円筒形状の中空状に形成されている。回転筒24の下部には、回転筒24内に洗濯水を流入させる洗濯水入口24aが設けられている。回転筒24の上部には、回転筒24から送水路19へ洗濯水を流出させる洗濯水出口24bが設けられている。回転筒24の周側部24cには、洗濯水中の異物を吸着する吸着体26が設けられている。送水路19を流れて洗濯水浄化部22に到達した洗濯水は、洗濯水入口24aから回転筒24内に導入されて下方から上方に向けて流れ、洗濯水出口24bから流出する。このとき、回転筒モータ25が駆動され、回転筒24が回転していると、回転筒24の回転による遠心力が洗浄水に作用し、この遠心力によって洗濯水から分離される汚れ物質は回転筒24の周側部24cへ向かう。
【0038】
また、回転筒24の略中央部に設けられた洗濯水入口24aは、回転筒モータ25の回転シャフト25aの外側にスリット状の孔を円弧状に複数(例えば、2個)形成されている(図9参照)。回転シャフト25aを中心とした周側部24cの直径は、洗濯水入口24aと洗濯水出口24bの最大径より大きく構成されている。
【0039】
異物を吸着する吸着体26は、回転筒24の周側部24cの内側に設けられている。吸着体26は、合成繊維又は/及び天然繊維からなる繊維集合体で構成されている。吸着体26はシート状に形成され、周側部24cの広い範囲に帯状に連続的又は断続的に配設され、洗濯水に作用する遠心力を受けやすいように構成されている。
【0040】
吸着体26は、繊維の材質と汚れ物質との親和性により、洗濯物から洗い落された多様な汚れを付着させることができる。具体的には、綿等の天然繊維の場合は、水溶性の蛋白質や色素等の汚れ物質が付着し易い。また、ポリプロピレンやポリエステル等の合成繊維の場合は、皮脂や脂溶性の汚れ物質が付着し易い。したがって、吸着体26は、複数の繊維材料で構成され、汚れ物質との親和性を最適化されることが望ましい。そして、繊維集合体に形成されることで、洗濯水中の汚れ物質と接触する表面積を多くすることができ、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0041】
図3は、本実施の形態の洗濯機のブロック構成図である。筐体2内に設けられた制御部27は、使用者の設定に基づいて、モータ9、給水弁13、排水弁17、切替弁20、ポンプ21、回転筒モータ25等の駆動を制御し、これらの工程を逐次制御して洗濯運転が実行される。洗濯運転には、洗い、すすぎ、脱水等の各工程が含まれる。制御部27には、洗濯槽4に投入された洗濯物の量を検知する布量検知部28の出力と、水槽1内に給水された洗濯水の量を検知する水量検知部29の出力と、洗濯槽4の回転駆動を検知する回転検知部30等の出力が入力される。
【0042】
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。洗濯運転において、洗い工程は、洗剤が溶解した洗濯水が水槽1内に給水され、洗濯槽4の回転によって叩き洗いを行いながら洗濯物の汚れが落とされる工程である。洗い工程に続いて、すすぎ工程が行われ、例えば、中間脱水1、すすぎ1、中間脱水2、すすぎ2、の各工程が行われる。そして、最後に、脱水工程が実行される。
【0043】
まず、使用者は、筐体2の前面に設けられた扉10を開いて投入口5から洗濯槽4に洗濯物を投入する。そして、筐体2の上面前部に設けられている操作表示部31の電源スイッチ(図示せず)を入れ、スタートスイッチ(図示せず)を操作して洗濯運転を開始する。
【0044】
制御部27は、洗濯運転の開始により、最初に、洗濯槽4内に投入された洗濯物の量を布量検知部28によって検知する。洗濯物の量は、モータ9を駆動して洗濯槽4を回転させ、モータ9にかかるトルク量や、モータ9の電流値から検知される。
【0045】
制御部27は、検知した洗濯物の量に応じて洗い、すすぎ、脱水の各工程の時間、および洗濯水と洗剤の量を設定する。そして、設定された洗剤量を操作表示部31に表示する。使用者は、操作表示部31に表示された洗剤量を目安として洗剤ケース15に洗剤を投入する。制御部27は、洗剤の投入が完了するまで洗濯運転を一時停止する。
【0046】
制御部27は、一時停止を解除すると、給水弁13を開く。給水弁13が開かれると、水道水が給水配管14を流れて洗剤ケース15に流入し、投入されている洗剤を溶かしながら水槽1へ洗濯水として給水される。水槽1内の底部に溜まった洗濯水は、小孔8から
洗濯槽4内に流入する。水槽1内に溜まった洗濯水は、水量検知部29で検知される。制御部27は、洗濯物の量に応じて予め設定された所定量の洗濯水が給水されると給水弁13を閉じる。
【0047】
制御部27は、給水が完了すると、モータ9を駆動して洗濯槽4を回転させる。洗濯槽4内の洗濯物は、バッフル7によって回転方向へ持ち上げられて上方から落下し、洗濯槽4の底面あるいは洗濯槽4の底に溜まっている洗濯物に叩きつけられる。このようにして、洗剤による化学力と併せて、その機械力によって叩き洗いが行われる。洗濯物が叩き洗いされるときの洗濯槽4は、例えば、45rpmで回転し、所定時間毎に反転して両方向に回転する。
【0048】
制御部27は、洗い工程を設定時間行うと、排水弁17を開いて水槽1内の洗濯水を機外へ排水する。排水が完了した後、すすぎ工程となり、中間脱水1に続いてすすぎ1が行われる。すすぎ工程においても、洗い工程と同様に水槽1内に所定量の洗濯水が給水され、洗濯槽4を回転させて洗濯物のすすぎを行う。
【0049】
最後に行われる脱水工程では、排水弁17が開かれて水槽1内の洗濯水が機外へ排出された後、モータ9により洗濯物の入った洗濯槽4が高速に回転され、洗濯物が脱水される。脱水工程が完了すると、制御部27は洗濯運転を終了する。
【0050】
次に、洗濯水浄化部22において洗濯水が浄化される作用について説明する。
【0051】
洗い工程において、洗濯水は、汚れ物質などのさまざまな異物を含む。例えば、汚れ物質は、砂、繊維屑、髪の毛、角質汚れなどのように水より比重が重いもの、および、皮脂に代表される脂分などのように水より軽くても、糸屑などのように水より比重が重いものに付着するものなどがある。
【0052】
洗い工程において、制御部27は、ポンプ21を駆動して水槽1内の汚れ物質を含む洗濯水を洗濯水浄化部22へ循環させる。ポンプ21が駆動されると、水槽1内の洗濯水は送水路19側に切り替えられている切替弁20を通して送水路19を流れ、洗濯水浄化部22を通過する。洗い工程の初期には、回転筒モータ25により回転駆動される回転筒24は停止状態である。洗濯水は、さらに送水路19を通って吐出口19cから洗濯槽4内で叩き洗いが行われている洗濯物にかけられる。そして、洗濯物から洗い落とされた異物を含んだ後、水槽1の排水口16から送水路19を流れて循環する。
【0053】
制御部27は、洗い工程が進行して洗濯水中の汚れ物質が増加した頃合で、回転筒モータ25を駆動して回転筒24を回転させる。洗濯が開始されてから回転筒24を駆動するまでの所定時間は、例えば、洗濯物の量や汚れの程度に応じてタイマー部32により最適に設定することができる。制御部27は、タイマー部32によって洗濯が開始されてから所定時間後(例えば、洗い工程の時間が9分に設定されている場合は、2分後)に、回転筒モータ25により回転筒24を駆動する。回転筒24の回転数は、例えば、100rpm〜1000rpmである。
【0054】
制御部27は、このように、洗い工程において、洗剤の作用によって洗濯物から汚れを洗い落とす初期の段階では、洗剤成分が吸着体で除去されるのを防止して洗浄効果を高める。そして、洗濯物から汚れが洗い落とされた段階で、回転筒24を駆動して洗濯水から汚れ物質等の異物を除去する。
【0055】
洗濯水が洗濯水入口24aから導入されて回転している回転筒24を通過して洗濯水出口24bから流出するまでに、洗濯水は回転筒24内で旋回流となって遠心力が発生する
。洗濯水に含まれる洗濯水よりも比重が重い異物は、その遠心力によって回転筒24の周側部24cに向かい、吸着体26で捕捉される。
【0056】
一方、回転筒24の回転軸近傍より周側部24c側を満たす洗濯水は、回転筒24の洗濯水入口24aおよび洗濯水出口24bが貫流で占められていることに加え、貫流部分よりも周側部24cに向かう遠心力が常時かかっていることによって、貫流部分の洗濯水とは殆ど混じり合うことがない。このため、遠心力により回転筒24の周側部24cに向かった異物は、吸着体26で捕捉された状態に維持されて回転軸近傍の貫流に戻ることがない。
【0057】
したがって、洗濯水浄化部22は、洗濯水に遠心力を作用させることで、分離された異物を吸着体26で確実に捕捉することができる。また、洗濯水に含まれる汚れ物質のうち、皮脂に代表される脂分等、水より比重が軽いものも吸着体26に捕捉され、遠心力による分離との相乗効果で洗濯水の清浄効果を高めることができる。
【0058】
このようにして、洗濯水浄化部22で異物が減少した洗濯水は、送水路19を通って吐出口19cから洗濯槽4内で叩き洗いが行われている洗濯物にかけられ、再度、異物を含む。そして、水槽1の排水口16から送水路19を流れて循環し、再度、洗濯水浄化部22で浄化され、洗濯物の洗浄が進行する。
【0059】
なお、洗濯水に含まれる異物の分離は、洗い工程のほか、すすぎ工程で実行することができる。すすぎ工程で洗濯物から洗濯水に出た異物を洗濯水浄化部22で分離することにより、すすぎ効果を高めることができる。すすぎ時は、洗剤に含まれる洗浄助剤のうち比重が水より重いゼオライトを除去することも可能であり、すすぎ性能が向上する。
【0060】
以上のように、本実施の形態の洗濯機は、筐体2内に弾性支持された水槽1と、水槽1内に回転可能に設けられた洗濯槽4と、洗濯槽4を回転駆動するモータ9と、水槽1に洗濯水を給水する給水弁(給水部)13と、水槽1内の洗濯水を排水する排水弁(排水部)17と、水槽1内の洗濯水を浄化する洗濯水浄化部22と、水槽1と洗濯水浄化部22との間で洗濯水を循環させるポンプ21と、水槽1とポンプ21と洗濯水浄化部22とを繋ぐ洗濯水が流れる送水路19と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を逐次制御する制御部27とを備える。そして、洗濯水浄化部22は、送水路19に設けられたケース23と、ケース23内に回転可能に設けられた回転筒24と、回転筒24を回転駆動する回転筒モータ(駆動部)25とを有し、回転筒24に洗濯水に含まれる異物を吸着する吸着体26が設けられたものである。
【0061】
この構成により、衣類等の洗濯物から洗い落とされて洗濯水中へ分散し、遊離した状態で存在している汚れ物質(例えば、人体の垢や皮脂、蛋白成分、雑菌等)は、洗濯水とともに送水路19を循環するときに、洗濯水浄化部22の回転筒24に設けられた吸着体26に捕捉されて洗濯水から除去される。これによって、洗濯水中に存在する汚れ物質が減少し汚れ物質の洗濯物への再付着を防ぐことができる。したがって、洗濯後の衣類の黒ずみや、黄ばみ、さらには、機体や衣類に生息する菌の代謝物由来の不快臭が衣類から発生することを抑えることができる。
【0062】
また、吸着体26は、回転筒24の周側部24cに設けられたものであり、送水路19を流れる洗濯水が回転筒24を通過するときに、回転筒24の高速回転により発生する旋回流による遠心力で、汚れ物質は回転筒24の周側部24cに設けられた吸着体26に押し付けられ、吸着体26は汚れ物質を効果的に捕捉することができる。これによって、洗濯水は循環にともない浄化が進行して洗濯物への汚れの再付着を抑えることができる。
【0063】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における洗濯機の洗濯水浄化部の概略構成図である。本実施の形態の特徴は、回転筒24に配設された吸着体26の外側の周側部24cに通過孔24dが設けられたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0064】
回転筒24の周側部24cに吸着体26が配設されている。この吸着体26の外側の周側部24cに通過孔24dが設けられている。本実施の形態において、通過孔24dは、網状体で構成されている。通過孔24dは、これに限られるものではなく、洗濯水がスムーズに通過できるように形成されていればよい。
【0065】
洗濯水入口24aから回転筒24に流入した洗濯水は、回転筒24の回転によって旋回流が生成される。そして、その遠心力によって周側部24cに配設された吸着体26に押し付けられる方向に移動し、吸着体26および通過孔24dを通過して回転筒24の外に流出する。このとき、洗濯水に含まれる汚れ物質は吸着体26に捕捉される。
【0066】
吸着体26を通過した洗濯水は、ケース23と回転筒24の間を通って送水路19へ流出する。そして、洗濯水出口24bから流出した洗濯水と合流して送水路19へ流出する。このように、洗濯水浄化部22を通過する洗濯水の一部が吸着体26を通過して通過孔24dから送水路19へ流出するため、吸着体26を通過する洗濯水の循環に抗することなく通過量も多くなり、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0067】
本実施の形態によれば、洗濯水浄化部22に流入した洗濯水は、回転筒24の高速回転により発生する旋回流による遠心力で、吸着体26および通過孔24dを通過して送水路19へ流出する。これによって、洗濯水に含まれる汚れ物質は吸着体26に効果的に捕捉され、洗濯水は循環にともない浄化が進行して洗濯物への汚れの再付着を抑えることができる。
【0068】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における洗濯機の洗濯水浄化部の概略構成図である。本実施の形態の特徴は、吸着体26が回転筒24内で洗濯水とともに動くように遊動可能に構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0069】
回転筒24内に収容された吸着体26は、合成繊維又は/及び天然繊維からなる繊維集合体で構成され、回転筒24の空間に収容できる程度の外径と長さを有する円筒形状に成型されている。
【0070】
洗濯水入口24aから回転筒24に流入した洗濯水は、回転筒24の回転によって旋回流が生成される。吸着体26は、洗濯水の旋回流による遠心力を受けるとともに、旋回流に引きずられるように回転筒24内で旋回し、遊動する。そして、洗濯水は、吸着体26とともにスムーズに旋回しながら吸着体26を通過し、洗濯水出口24bから回転筒24の外に流出する。このとき、洗濯水に含まれる汚れ物質は吸着体26に捕捉される。
【0071】
本実施の形態によれば、回転筒24の高速回転により発生する洗濯水の旋回流とともに吸着体26が回転筒24内で遊動する。そして、洗濯水は、スムーズに旋回するとともに、吸着体26に対して効果的に接触することができる。これによって、吸着体26は、回転筒24を通過する洗濯水の循環に抗することなく、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0072】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における洗濯機の洗濯水浄化部の概略構成図である。本実施の形態の特徴は、回転筒24内に吸着体26を収容する収容部24eが設けられたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0073】
吸着体26が収容される収容部24eは、回転筒24の周側部24cに沿って環状に形成されている。収容部24eは、回転筒24を通過する洗濯水および異物が収容部24eへスムーズに通過できるように網状体で構成された仕切体24fで仕切られている。仕切体24fは、円筒形状に形成されておいる。そして、洗濯水入口24aと洗濯水出口24bをその内側に囲むように配設され、上端と下端は回転筒24の上部と下部に接している。仕切体24fは、網状体に限られるものではなく、洗濯水がスムーズに通過できるように形成されていればよい。なお、糸くずなどの異物が通過できるためには、スリット形状など、大き目の開口部が設けられるとよい。
【0074】
洗濯水入口24aから回転する回転筒24に流入した洗濯水は、仕切体24fの円筒形状の中を旋回しながら通過し、洗濯水出口24bから流出する。
【0075】
吸着体26は、合成繊維又は/及び天然繊維からなる繊維集合体で構成された繊維片で形成されている。繊維片は、収容部24e内での洗濯水の旋回流による遊動性に優れた形状、大きさ、厚み等に形成されている。形状は限定されるものではなく、仕切体24fの開口部を通過しない大きさを有するものであれば、バラバラの個体でもよいし、円筒形状の一体成形物でもよい。
【0076】
洗濯水入口24aから回転筒24に流入した洗濯水は、回転筒24の回転によって旋回流が生成される。特に、仕切体24fの内側では旋回しながらの貫流となる。洗濯水に含まれる異物は、旋回流による遠心力を受けて仕切体24fの開口部から収容部24e内の洗濯水に移動する。吸着体26は、洗濯水の旋回流による遠心力を受けるとともに、旋回流に引きずられるように回転筒24内で旋回し、遊動する。そして、収容部24e内の洗濯水は、吸着体26とともにスムーズに旋回しながら吸着体26を通過する。このとき、洗濯水に含まれる汚れ物質は吸着体26に捕捉される。
【0077】
本実施の形態によれば、回転筒24の高速回転により発生する洗濯水の旋回流によって吸着体26を収容部24e内で自由に遊動させることができる。そして、吸着体26の遊動性をよくするための大きさ、厚み、形状等の自由度を高めて洗濯水との接触を良好にすることができる。これによって、吸着体26は、回転筒24を通過する洗濯水の循環に抗することなく、洗濯水に含まれる汚れ物質を効果的に捕捉することができる。
【0078】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5における洗濯機の要部構成図である。本実施の形態の特徴は、洗濯水浄化部22が設けられた第1の送水路19aと、洗濯水浄化部22が設けられていない第2の送水路19bを切替可能に構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0079】
制御部27は、洗濯運転が開始されたときには、水路切替弁33を第2の送水路19b側に設定し、回転筒モータ25を停止している。そして、洗い工程が進行して洗濯水中の汚れ物質が増加した頃合で、水路切替弁33を第1の送水路19a側に切り替え、回転筒モータ25を駆動して回転筒24を回転させる。洗濯が開始されてから水路切替弁33を切り替え、回転筒24を駆動するまでの所定時間は、例えば、洗濯物の量や汚れの程度に
応じてタイマー部32により最適に設定することができる。
【0080】
すなわち、制御部27は、洗濯運転が開始され、洗剤の効果によって洗濯物から汚れを洗い落とす段階では、水路切替弁(切替部)33を洗濯水浄化部22が設けられていない第2の送水路19b側を洗濯水が流れるように切り替える。制御部27は、洗い工程が進行し、洗濯物から汚れが洗い落とされて洗濯水中の汚れ物質が増加した段階で、タイマー部32によって洗濯が開始されてから所定時間(例えば、2分)後に、水路切替弁33を洗濯水浄化部22が設けられた第1の送水路19aを洗濯水が流れるように切り替える。
【0081】
本実施の形態によれば、洗濯物から汚れを洗い落とす洗い工程の初期の段階で、洗剤物質が除去されるのを防止して洗浄効果を高める。そして、洗濯物から汚れが洗い落とされた段階で、洗濯水を洗濯水浄化部22に通過させて汚れ物質等の異物を除去する。これによって、洗濯水中の汚れ物質を効果的に捕捉して洗濯物への汚れの再付着を低減することができる。また、洗濯の開始後、洗剤の効果によって洗濯物から汚れを洗い落とす時間を設定することが可能になり、例えば、洗濯物の量や汚れの程度に応じて、最適なタイミングで第1の送水路19a側に切り替えることができる。
【0082】
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6における洗濯機の洗濯水浄化部の概略構成図、図9図8のA−A断面図である。本実施の形態の特徴は、洗濯水浄化部22が送水路19に対して着脱自在に構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0083】
洗濯水浄化部22は、ケース23の上流側と下流側の2ヶ所に送水路19との連結部34(34a、34b)が設けられている。連結部34では、Oリング等のシール部材(図示せず)を介して水密にねじ等で結合される。これによって、洗濯水浄化部22は、送水路19に対して着脱自在に構成されている。
【0084】
回転筒24は、回転筒モータ25の回転シャフト25aが挿入される結合部35を底部に有している。結合部35には回転シャフト25aに設けられた突起25bが係止される係止部35aが設けられている。結合部35に回転シャフト25aが挿入されると、回転シャフト25aの突起25bが係止部35aと係合し、回転シャフト25aが結合部35に保持される。これによって、回転筒モータ25の回転が回転筒24に伝達される。なお、回転筒モータ25と結合部35とは着脱自在に構成されている。
【0085】
図8に示されるように、洗濯水浄化部22は、連結部34で送水路19から取り外すことができる。回転筒モータ25は、送水路19に保持された状態である。使用者は、まず、上方にある下流側の連結部34bを送水路19から取り外す。そして、ケース23の上部開口を覆うケース蓋23aを取り外すと、内部に収容されている回転筒24が露出する。さらに、回転筒24の上部開口を覆う回転筒蓋24gを取り外すと、内部に収容されている吸着体26を取り出すことができる。これによって、使用者は、吸着体26に付着し、堆積した汚れ物質を取り除くことができる。
【0086】
さらに、結合部35に挿入されている回転シャフト25aから回転筒24を引き抜くと、ケース23から回転筒24を取り出すことができる。これによって、使用者は、吸着体26に付着した汚れ物質を取り除く作業を容易に行うことができる。また、吸着体26を交換することも可能である。
【0087】
本実施の形態によれば、洗濯水浄化部22から吸着体26を取り外して付着した汚れ物質を除去することができる。そして、吸着体26は、堆積した汚れ物質が取り除かれて吸
着能力または捕捉能力が再生され、洗濯水から汚れ物質を除去する効果を持続することができる。
【0088】
また、回転筒24を回転筒モータ25から切り離して洗濯水浄化部22から取り出すことができることにより、吸着体26に付着した汚れ物質を容易に取り除くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、洗濯物から洗い落とされた汚れ物質の洗濯水からの分離と洗濯物への再付着を抑制でき、洗濯後の衣類の黒ずみや黄ばみを抑え、衣類から発生する菌の代謝物由来の不快臭を抑えることができるので、洗濯機として有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 水槽
2 筐体
4 洗濯槽
9 モータ
13 給水弁(給水部)
17 排水弁(排水部)
18 排水経路
19 送水路
19a 第1の送水路
19b 第2の送水路
21 ポンプ
22 洗濯水浄化部
23 ケース
24 回転筒
24c 周側部
24d 通過孔
24e 収容部
24f 仕切体
25 回転筒モータ(駆動部)
25a 回転シャフト
26 吸着体
27 制御部
32 タイマー部
33 水路切替弁(切替部)
34、34a、34b 連結部
35 結合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10