特開2018-203282(P2018-203282A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-203282二重容器、注出具付き容器及びプリフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203282(P2018-203282A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】二重容器、注出具付き容器及びプリフォーム
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20181130BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65D1/02 111
   B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-107355(P2017-107355)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 裕介
【テーマコード(参考)】
3E014
3E033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PC07
3E014PD13
3E014PE05
3E014PE06
3E014PE08
3E014PE09
3E014PE11
3E014PE14
3E014PE16
3E014PF01
3E014PF09
3E033AA02
3E033BA16
3E033BA18
3E033BB08
3E033DA08
3E033DA09
3E033DB01
3E033DD01
3E033DE05
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】外容器体と内容器体との間に確実に外気を導入することができる二重容器、注出具付き容器及び当該二重容器をブロー成形するためのプリフォームを提供する。
【解決手段】外口部11aと外容器本体部11bと係止突起11cとを備えた外容器体11と、内口部12aとフランジ部12bと減容変形可能な内容器本体部12cとを備えた内容器体12と、外口部11aの内周面及び内口部12aの外周面の少なくとも何れか一方に設けられて外口部11aと内口部12aとの間に外気導入用隙間15を保持するための突起部12dと、外口部11aの外周面に設けられた外側溝部16と、外口部11aの上端に設けられて外気導入用隙間15を外側溝部16に連ねる上側溝部17と、を有する二重容器2、二重容器2と注出具3とを備える注出具付き容器1及び二重容器2のブロー成形に用いられるプリフォーム20。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部に注出具を装着して使用される合成樹脂製の二重容器であって、
前記口部の外殻を形成する筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる外容器本体部と、前記注出具の装着キャップを係止するために前記外口部の外周面に設けられた係止突起と、を備えた外容器体と、
前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と、該内口部から径方向外側に向けて延びて前記外口部の上端に当接するフランジ部と、前記内口部の下端に連なり前記外容器本体部の内側に配置され前記外容器本体部から独立して減容変形可能な内容器本体部と、を備えた内容器体と、
前記外口部の内周面及び前記内口部の外周面の少なくとも何れか一方に何れか他方に向けて突出して設けられ、前記外口部と前記内口部との間に外気導入用隙間を保持するための突起部と、
前記外口部の外周面に設けられ、該外口部の上端から前記係止突起よりも下方側にまで延びる外側溝部と、
前記外口部の上端に設けられ、前記外気導入用隙間を前記外側溝部に連ねる上側溝部と、を有することを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記内口部の外周面に、周方向に等しい間隔を空けて3つの前記突起部が設けられている、請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
3つの前記突起部それぞれの前記内口部の外周面からの突出高さが全て等しい、請求項2に記載の二重容器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の前記二重容器と、
前記口部に装着された前記注出具と、を有することを特徴とする注出具付き容器。
【請求項5】
前記注出具が、ノズルを備え前記装着キャップに上下動自在に保持されたヘッド部と、該ヘッド部の押下げ操作により作動して前記内容器本体部の内部に収容された内容液を前記ノズルから注出させるポンプとを備える、請求項4に記載の注出具付き容器。
【請求項6】
前記注出具が、前記装着キャップに設けられ前記内容器本体部の内部に収容された内容液を外部に注出する注出口と、該注出口と前記内容器本体部との連通を開閉する内容液用逆止弁と、前記装着キャップの下端と前記外側溝部の下端よりも下方側における前記外口部の外周面との隙間を開閉する外気導入路用逆止弁とを備える、請求項4に記載の注出具付き容器。
【請求項7】
口部を備えた試験管状に形成されてブロー成形に用いられる合成樹脂製のプリフォームであって、
前記口部の外殻を形成する筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる外プリフォーム本体部と、注出具の装着キャップを係止するために前記外口部の外周面に設けられた係止突起と、を備えた外プリフォーム体と、
前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と、該内口部から径方向外側に向けて延びて前記外口部の上端に当接するフランジ部と、前記内口部の下端に連なり前記外プリフォーム本体部の内側に配置された内プリフォーム本体部と、を備えた内プリフォーム体と、
前記外口部の内周面及び前記内口部の外周面の少なくとも何れか一方に何れか他方に向けて突出して設けられ、前記外口部と前記内口部との間に外気導入用隙間を保持するための突起部と、
前記外口部の外周面に設けられ、該外口部の上端から前記係止突起よりも下方側にまで延びる外側溝部と、
前記外口部の上端に設けられ、前記外気導入用隙間を前記外側溝部に連ねる上側溝部と、を有することを特徴とするプリフォーム。
【請求項8】
前記内口部の外周面に、周方向に等しい間隔を空けて3つの前記突起部が設けられている、請求項7に記載のプリフォーム。
【請求項9】
3つの前記突起部それぞれの前記内口部の外周面からの突出高さが全て等しい、請求項8に記載のプリフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口部に注出具を装着して使用される合成樹脂製の二重容器、これを用いた注出具付き容器及び口部を備えた試験管状に形成されてブロー成形に用いられる合成樹脂製のプリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリー、あるいは醤油などの食品調味料や飲料などを内容液として収納する容器として、合成樹脂製の二重容器が知られている。例えば特許文献1には、容器の外殻を形成する外容器体と外容器体の内側に配置された減容変形自在の内容器体とを備えるとともに、外容器体の口部に外容器体と内容器体との間に外気を導入するための外気導入孔を設けた構成の二重容器が記載されている。
【0003】
このような二重容器は、その口部に、例えばノズルを備えたヘッド部を押下げ操作することにより作動するポンプを備えたポンプヘッドや、注出口に逆止弁が設けられた注出キャップなどの注出具が装着されて注出具付き容器として使用されるのが一般的である。注出具が装着された二重容器によれば、注出具から内容液が注出されたときに、外容器体の口部に設けられた外気導入孔から外容器体と内容器体との間に外気を導入して内容器体のみを減容変形させることができるので、内容液を注出した後に内容器体の内部に外気が導入されることを抑制して、容器内に収容されている内容液の劣化や変質を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−145249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の二重容器では、外容器体と内容器体との間に外気を導入するための外気導入孔を、例えばドリル孔加工によって口部の外容器体の部分のみに設けるようにしているので、その加工は難易度が高く、場合によっては外気導入孔が開口不良となって、二重容器としての機能が損なわれる虞があるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、外容器体と内容器体との間に確実に外気を導入することができる二重容器、注出具付き容器及び当該二重容器をブロー成形するためのプリフォームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の二重容器は、口部に注出具を装着して使用される合成樹脂製の二重容器であって、前記口部の外殻を形成する筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる外容器本体部と、前記注出具の装着キャップを係止するために前記外口部の外周面に設けられた係止突起と、を備えた外容器体と、前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と、該内口部から径方向外側に向けて延びて前記外口部の上端に当接するフランジ部と、前記内口部の下端に連なり前記外容器本体部の内側に配置され前記外容器本体部から独立して減容変形可能な内容器本体部と、を備えた内容器体と、前記外口部の内周面及び前記内口部の外周面の少なくとも何れか一方に何れか他方に向けて突出して設けられ、前記外口部と前記内口部との間に外気導入用隙間を保持するための突起部と、前記外口部の外周面に設けられ、該外口部の上端から前記係止突起よりも下方側にまで延びる外側溝部と、前記外口部の上端に設けられ、前記外気導入用隙間を前記外側溝部に連ねる上側溝部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の二重容器は、上記構成において、前記内口部の外周面に、周方向に等しい間隔を空けて3つの前記突起部が設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明の二重容器は、上記構成において、3つの前記突起部それぞれの前記内口部の外周面からの突出高さが全て等しいのが好ましい。
【0010】
本発明の注出具付き容器は、前記二重容器と、前記口部に装着された前記注出具と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の注出具付き容器は、上記構成において、前記注出具が、ノズルを備え前記装着キャップに上下動自在に保持されたヘッド部と、該ヘッド部の押下げ操作により作動して前記内容器本体部の内部に収容された内容液を前記ノズルから注出させるポンプとを備えるのが好ましい。
【0012】
本発明の注出具付き容器は、上記構成において、前記注出具が、前記装着キャップに設けられ前記内容器本体部の内部に収容された内容液を外部に注出する注出口と、該注出口と前記内容器本体部との連通を開閉する内容液用逆止弁と、前記装着キャップの下端と前記外側溝部の下端よりも下方側における前記外口部の外周面との隙間を開閉する外気導入路用逆止弁とを備えるのが好ましい。
【0013】
本発明のプリフォームは、口部を備えた試験管状に形成されてブロー成形に用いられる合成樹脂製のプリフォームであって、前記口部の外殻を形成する筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる外プリフォーム本体部と、注出具の装着キャップを係止するために前記外口部の外周面に設けられた係止突起と、を備えた外プリフォーム体と、前記外口部の内側に配置された筒状の内口部と、該内口部から径方向外側に向けて延びて前記外口部の上端に当接するフランジ部と、前記内口部の下端に連なり前記外プリフォーム本体部の内側に配置された内プリフォーム本体部と、を備えた内プリフォーム体と、前記外口部の内周面及び前記内口部の外周面の少なくとも何れか一方に何れか他方に向けて突出して設けられ、前記外口部と前記内口部との間に外気導入用隙間を保持するための突起部と、前記外口部の外周面に設けられ、該外口部の上端から前記係止突起よりも下方側にまで延びる外側溝部と、前記外口部の上端に設けられ、前記外気導入用隙間を前記外側溝部に連ねる上側溝部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のプリフォームは、上記構成において、前記内口部の外周面に、周方向に等しい間隔を空けて3つの前記突起部が設けられているのが好ましい。
【0015】
本発明のプリフォームは、上記構成において、3つの前記突起部それぞれの前記内口部の外周面からの突出高さが全て等しいのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外容器体と内容器体との間に確実に外気を導入することができる二重容器、注出具付き容器及び当該二重容器をブロー成形するためのプリフォームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態である注出具付き容器の半断面図である。
図2図1に示す注出具付き容器の要部を拡大して示す拡大断面図である。
図3】外口部に設けられた外側溝部と上側溝部の詳細を示す説明図である。
図4】本発明の一実施の形態であるプリフォームの半断面図である。
図5図4に示す外プリフォーム体の一部切欠き断面図である。
図6図4に示す内プリフォーム体の半断面図である。
図7図1に示す注出具付き容器の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
【0019】
本明細書、特許請求の範囲、及び要約書において、「上方」とは図1に示す姿勢における上方を意味し、「下方」とは、その反対方向を意味するものとする。
【0020】
図1図3に示す本発明の一実施の形態である注出具付き容器1は、例えば化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリー、あるいは醤油などの食品調味料や飲料などを内容液として収納する用途に用いることができるものであり、合成樹脂製の二重容器2と注出具3とを有している。
【0021】
本発明の一実施の形態である二重容器2は、外容器体11と外容器体11の内側に配置される内容器体12とを備えた二重構造を有し、その外形形状は、口部13と、口部13の下方に連なる胴部14とを有するボトル形状となっている。注出具3はポンプ式(ポンプヘッド)となっており、二重容器2は、その口部13に注出具3を装着して使用されるようになっている。
【0022】
外容器体11は、二重容器2の外殻を形成する部分であり、口部13の外殻を形成する円筒状の外口部11aと、外口部11aの下端に連なって胴部14の外殻を形成する有底円筒状の外容器本体部11bとを有している。
【0023】
なお、外口部11aは円筒状に限らず、筒状であれば、例えば楕円形状や角筒状とすることもできる。また、胴部14の形状も、内容液を収容可能な形状であれば、種々変更可能である。
【0024】
本実施の形態においては、外容器体11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主材とした合成樹脂材料により形成されており、外口部11aは硬質に構成され、外容器本体部11bは内容液が注出されても容易に変形しない程度の剛性を有するように構成されている。
【0025】
外口部11aの外周面には、注出具3の装着キャップ3aを係止するための係止突起11cが外口部11aと一体に設けられている。本実施の形態においては、係止突起11cは雄ねじとして構成されており、注出具3は、装着キャップ3aを、その内周面に設けられた雌ねじ3bにおいて雄ねじ(係止突起11c)にねじ結合させることで、口部13に装着されるようになっている。
【0026】
なお、係止突起11cを外口部11aの周方向に沿って延びるリブ形状に構成し、装着キャップ3aの内周面に設けられた被係止突起を打栓により係止突起11cにアンダーカット係合させることで装着キャップ3aを口部13に装着する構成とすることもできる。
【0027】
内容器体12は、外口部11aの内側に配置された円筒状の内口部12aを有している。内口部12aは外口部11aと同様に硬質に構成されている。内口部12aの外径寸法は外口部11aの内径寸法よりも小さくなっており、これにより、内口部12aの外周面と外口部11aの内周面との間には、口部13の上端から下端に達するとともに略円筒状の空間となる外気導入用隙間15が設けられている。なお、外気導入用隙間15は、口部13の上端から下端に向けて延びていれば、口部13の下端に達していなくてもよい。
【0028】
なお、内口部12aは円筒状に限らず、外口部11aが楕円形状や角筒状に形成された場合には、これに対応して楕円形状や角筒状に形成することができる。また、例えば、外口部11aを円筒状とするとともに内口部12aを多角筒状とし、当該多角筒状の内口部12aの角部を後述する突起部12dとしてもよく、あるいは外口部11aを多角筒状とするとともに内口部12aを円筒状とし、内口部12aの外周面に当接する多角筒状の外口部11aの各辺部分を後述する突起部12dとしてもよい。
【0029】
内容器体12は、内口部12aの上端に一体に連なるとともに当該上端から径方向外側に向けて延びる円環状のフランジ部12bを有している。フランジ部12bは、その下面において外口部11aの上端に当接し、内口部12aを外口部11aに対して軸方向に位置決めしている。なお、フランジ部12bは、周方向の全周に亘る円環状に限らず、周方向に向けて間欠状に形成することもできる。
【0030】
内口部12aの下端には内容器本体部12cが一体に連ねて設けられている。内容器本体部12cは内口部12aから充填される内容液を収容する部分であり、内口部12aよりも薄肉の袋状に形成され、外容器本体部11bの内側に配置されて外容器本体部11bの内部で減容変形自在となっている。本実施の形態においては、内容器本体部12cは外容器本体部11bから独立して減容変形可能に積層されている。なお、内容器本体部12cと外容器本体部11bとは、非接着状態で積層されていてもよく、剥離可能な擬似接着状態で積層されていてもよい。なお、内容器本体部12cを外容器本体部11bから独立して減容変形可能に構成することができれば、外容器体11と内容器体12とを、同じ材質で構成しても、異なる材質で構成してもよい。
【0031】
内口部12aの外周面には、3つの突起部12dが周方向に等しい間隔を空けて並べて設けられている。これらの突起部12dは、それぞれ周方向に所定の長さを有するリブ形状に構成されるとともに外口部11aの内周面に向けて径方向外側に突出しており、その径方向外側端において外口部11aの内周面に当接している。また、それぞれの突起部12dの内口部12aの外周面からの突出高さは全て等しくなっている。なお、突起部12dは、所定の長さを有するリブ形状に限らず、例えば半球状など、その形状は種々変更可能である。また、3つの突起部12dを、その軸方向の高さを互いに相違させて設けるようにしてもよい。
【0032】
このような構成の3つの突起部12dを有することにより、内口部12aを、外口部11aの内側に外口部11aと同軸となるように確実に位置決めさせて、外口部11aと内口部12aとの間に外気導入用隙間15を保持する(生じさせる)ことができる。また、外口部11aと内口部12aとを同軸に位置決めすることができるので、外気導入用隙間15を、その径方向幅が周方向で一様となる円筒状空間に構成することができる。さらに、内口部12aを外口部11aの内側に確実に固定して、内口部12aのガタつきを防止することもできる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、内口部12aの外周面に突起部12dを設けるようにしているが、これに限らず、外口部11aの内周面に突起部を設けるようにしてもよく、あるいは内口部12aの外周面と外口部11aの内周面の両方に突起部を設けるようにしてもよい。
【0034】
また、本実施の形態においては、内口部12aの外周面に、周方向に延びるリブ形状の突起部12dを、周方向に等しい間隔を空けて3つ設けるようにしているが、これに限らず、口部13の上端と下端との間で外気導入用隙間15を分断させることなく外口部11aの内周面と内口部12aの外周面との間に外気導入用隙間15を保持することができるものであれば、突起部12dの個数ないし形状は種々変更可能である。この場合、複数の突起部12dを、その全ての高さを互いに相違させ、あるいは一部の高さを相違させて設けるようにしてもよい。
【0035】
本実施の形態においては、内容器体12は、ポリプロピレン(PP)を主材とした合成樹脂材料により構成されている。
【0036】
外口部11aの外周面には、外口部11aの上端から係止突起11cよりも下方側にまで延びる外側溝部16が設けられている。本実施の形態では、外口部11aの外周面には、係止突起11cよりも下方側に環状の凸リブ11dが一体に設けられ、外側溝部16は凸リブ11dよりも下方側にまで延びている。外側溝部16が設けられている部分においては、雄ねじに形成されている係止突起11c及び凸リブ11dは周方向に分断されて間欠状となっている。本実施の形態では、外側溝部16は矩形断面の溝状に形成され、口部13の軸方向と平行に真っ直ぐに延びるとともに、その溝幅及び溝の深さは、その上端と下端との間で一定である。なお、上記のように、凸リブ11dが外側溝部16により周方向に分断されている場合には、凸リブ11dを装着キャップ3aの内面に当接させて、装着キャップ3aを凸リブ11dによって安定的に支持させるようにしてもよい。
【0037】
なお、外側溝部16は、その溝幅や溝の深さが、上端と下端との間で徐々に変化するものであってもよく、部分的に溝幅や溝の深さが変化するものであってもよい。
【0038】
外口部11aの上端には上側溝部17が設けられている。上側溝部17は、矩形断面の溝状に形成され、口部13の径方向に沿って真っ直ぐに延びるとともに、その溝幅及び溝の深さは、外側溝部16の溝幅及び溝の深さと同一となっている。また、上側溝部17は、その径方向外側端において外側溝部16に連なるとともに、径方向内側端において外気導入用隙間15に連なることで、外気導入用隙間15を外側溝部16に連ねている。
【0039】
なお、上側溝部17の溝幅及び溝の深さは、外側溝部16の溝幅及び溝の深さと異なるものとすることもできる。また、上側溝部17は、その溝幅や溝の深さが、径方向外側端と径方向内側端との間で徐々に変化するものであってもよく、部分的に溝幅や溝の深さが変化するものであってもよい。
【0040】
このように、外口部11aには、外側溝部16及び上側溝部17によって、外口部11aの外周面の係止突起11cよりも下方側の部分から外口部11aの上端を経て外口部11aの内側にある外気導入用隙間15にまで達する外気導入用の流路が形成されている。
【0041】
注出具3は、有頂筒状に形成された装着キャップ3aに上下動自在に保持されたヘッド部3cを有している。ヘッド部3cは内容液の吐出口となるノズル3dを備えている。また、装着キャップ3aにはポンプ3eが保持されている。ポンプ3eは、ピストン3fとシリンダ3gとを有し、ヘッド部3cを押下げ操作することにより作動して、内容器本体部12cの内部に収容された内容液を、吸引パイプ3hを通してノズル3dに圧送し、ノズル3dから外部に注出させることができる。ヘッド部3cの押下げ操作が解除されると、バネ部材3iの弾性力によりヘッド部3cは上方に押し上げられ、元の位置に自動的に復帰する。
【0042】
なお、符号18は、ヘッド部3cと装着キャップ3aとの間に着脱自在に装着されて、不使用時にヘッド部3cが押下げ操作されることを阻止するための阻止部材である。阻止部材18は使用時には取り外される。
【0043】
このような構成の注出具3は、装着キャップ3aを外口部11aにねじ結合させることで口部13に装着される。口部13に注出具3が装着されると、口部13の開口が装着キャップ3aにより閉塞されるとともに、口部13の外周面が装着キャップ3aにより覆われる。このとき、二重容器2の外口部11aに設けられた外側溝部16は、雄ねじとして形成されている係止突起11c及び凸リブ11dを周方向に分断して口部13の上端から下端に向けて延設されているので、装着キャップ3aと外口部11aの外周面との間には、この外側溝部16によって口部13の根元部分から上端に向けた外気導入用の流路が構成されている。外側溝部16の下端は装着キャップ3aの外側と連通されている。
【0044】
なお、上記したポンプ付きの注出具3は、ヘッド部3cの押下げ操作によりポンプ3eを作動させてノズル3dから内容液を注出させることができるものであれば、その構成は種々変更可能である。
【0045】
以上の構成を有する注出具付き容器1では、阻止部材18を取り外した後、起立姿勢の状態でヘッド部3cを押下げ操作することにより、内容器体12の内容器本体部12cに収容されている内容液を所定量ずつノズル3dから外部に注出させることができる。
【0046】
内容器本体部12cに収容されている内容液が外部に注出されると、外口部11aの外周面に形成され、注出具付き容器1の外部に開放されている外側溝部16と、外口部11aの上端に形成された上側溝部17とを介して、外口部11aと内口部12aとの間に設けられた外気導入用隙間15に外気が導入されるので、外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気が導入されるようにして、外容器本体部11bの形状はそのままに、内容液が減少した分だけ内容器本体部12cを、内容積を減少させるように容易に減容変形させることできる。
【0047】
このように、本実施の形態の注出具付き容器1ないし二重容器2では、外口部11aと内口部12aとの間に外気導入用隙間15を設け、外口部11aの外周面に外側溝部16を設けるとともに、外口部11aの上端に外気導入用隙間15と外側溝部16とを連ねる上側溝部17を設けることで、口部13に装着キャップ3aが装着された状態において、外側溝部16、上側溝部17及び外気導入用隙間15を介して外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気が導入されるようにしたので、外容器体11と内容器体12との間に外気を導入するための外気導入孔をドリル孔加工等によって口部13に設ける必要がない。このため、外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気を導入する流路を精度よく形成することができるので、注出具付き容器1ないし二重容器2を、内容液の注出時に外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気を確実に導入可能な構成とすることができる。
【0048】
図4は、本発明の一実施の形態であるプリフォームの半断面図である。また、図5は、図4に示す外プリフォーム体の半断面図であり、図6は、図4に示す内プリフォーム体の半断面図である。
【0049】
上記の注出具付き容器1に用いられる二重容器2は、図4に示す構成を有する本発明の一実施の形態である合成樹脂製のプリフォーム20をブロー成形することによって形成することができる。
【0050】
プリフォーム20は、口部13を備えた試験管状に形成されており、ブロー成形によって二重容器2に成形される。なお、プリフォーム20の口部13は、ブロー成形によっては変形されない部分であるので、二重容器2の口部13と同一の形状となっている。すなわち、プリフォーム20は、その口部13を構成する部分、すなわち、二重容器2の外口部11a、係止突起11c、凸リブ11d、内口部12a、フランジ部12b、突起部12d、外気導入用隙間15、外側溝部16及び上側溝部17の構成をそのまま有している。図4図6においては、二重容器2の上記部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0051】
プリフォーム20は、外プリフォーム体21と内プリフォーム体22とを備えた二重構造を有している。
【0052】
外プリフォーム体21は、口部13の外殻を形成する円筒状の外口部11aと、外口部11aの下端に連なる有底円筒状の外プリフォーム本体部21bとを有している。また、外口部11aの外周面には、係止突起11cが外口部11aと一体に設けられている。
【0053】
本実施の形態においては、外プリフォーム体21は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主材とした合成樹脂材料により構成されている。
【0054】
内プリフォーム体22は、外口部11aの内側に配置された円筒状の内口部12aを有し、内口部12aの外周面と外口部11aの内周面との間には、口部13の上端から下端に達するとともに略円筒状の空間となる外気導入用隙間15が設けられている。
【0055】
内口部12aの上端には径方向外側に延びる円環状のフランジ部12bが一体に連なっている。このフランジ部12bは、その下面において外口部11aの上端に当接し、内口部12aを外口部11aに対して軸方向に位置決めしている。なお、フランジ部12bは、周方向の全周に亘る円環状に限らず、周方向に向けて間欠状に形成することもできる。
【0056】
内口部12aの下端には内プリフォーム本体部22cが一体に連ねて設けられている。内プリフォーム本体部22cは内口部12aと略同一の外径寸法を有する有底筒状に形成されており、外プリフォーム本体部21bの内側に配置されている。
【0057】
外プリフォーム本体部21bの側面部分における内周面と内プリフォーム本体部22cの側面部分における外周面との間には、外気導入用隙間15と同程度の隙間が設けられている。また、外プリフォーム本体部21bの底部分における内周面と内プリフォーム本体部22cの底部分における外周面との間には、外気導入用隙間15よりも広い隙間が設けられている。これらの隙間を設けることにより、外プリフォーム体21に対する内プリフォーム体22の組立て性を高めることができる。なお、外プリフォーム本体部21bの側面部分における内周面と内プリフォーム本体部22cの側面部分における外周面との間、及び、外プリフォーム本体部21bの底部分における内周面と内プリフォーム本体部22cの底部分における外周面との間には、隙間を設けない構成とすることもできる。
【0058】
内口部12aの外周面には、3つの突起部12dが周方向に等しい間隔を空けて並べて設けられている。これらの突起部12dは、それぞれ周方向に所定の長さを有するリブ形状に形成されるとともに外口部11aの内周面に向けて突出しており、その径方向外側端において外口部11aの内周面に当接している。ここで、それぞれの突起部12dの内口部12aの外周面からの突出高さは全て等しくなっている。これにより、内プリフォーム体22は外プリフォーム体21と同軸となるように保持され、内プリフォーム体22と外プリフォーム体21との間には周方向に一様の間隔の隙間が設けられている。
【0059】
本実施の形態においては、内プリフォーム体22は、ポリプロピレン(PP)を主材とした合成樹脂材料により構成されている。
【0060】
外口部11aの外周面には、外口部11aの上端から係止突起11cよりも下方側にまで延びる外側溝部16が設けられている。本実施の形態では、外口部11aの外周面には、係止突起11cよりも下方に環状の凸リブ11dが一体に設けられ、外側溝部16は凸リブ11dよりも下方側にまで延びている。
【0061】
また、外口部11aの上端には上側溝部17が設けられている。上側溝部17は、その径方向外側端において外側溝部16に連なるとともに、径方向内側端において外気導入用隙間15に連なって、外気導入用隙間15を外側溝部16に連ねている。
【0062】
このように、プリフォーム20においても、外口部11aには、外側溝部16及び上側溝部17によって、外口部11aの外周面の係止突起11cよりも下方側の部分から外口部11aの上端を経て外口部11aの内側にある外気導入用隙間15にまで達する外気導入用の流路が形成されている。
【0063】
上記構成のプリフォーム20は、一般的に予め延伸可能な温度に加熱された外プリフォーム本体部21b及び内プリフォーム本体部22cを金型内に配置し、その口部13から内プリフォーム体22の内部に加圧媒体(加圧エアーや加圧液体)を充填してブロー成形されるため、口部13の形状は変化することなく(延伸されることなく)、外プリフォーム本体部21b及び内プリフォーム本体部22cのみが加圧媒体の圧力によりブロー成形用の金型に沿った形状に延伸されてブロー成形される。このとき、外プリフォーム本体部21b及び内プリフォーム本体部22cが所定の延伸率で引き延ばされることで、外プリフォーム本体部21bは外容器本体部11bに構成され、内プリフォーム本体部22cは減容変形自在の袋状に形成されて外容器本体部11bの内面に配置される内容器本体部12cに構成される。
【0064】
このように、個別に形成された外プリフォーム体21と内プリフォーム体22を組み合わせて構成されたプリフォーム20をブロー成形するだけの簡単な工程で、外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気を導入可能な流路を備えた二重容器2を形成することができる。
【0065】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0066】
例えば、前記実施の形態においては、外容器体11ないし外プリフォーム体21をポリエチレンテレフタレート製とし、内容器体12ないし内プリフォーム体22をポリプロピレン製としたが、これに限らず、内容器本体部12cを外容器本体部11bの内側において減容変形自在となるように構成することができれば、これらを構成する合成樹脂材料の種類は種々変更可能である。
【0067】
さらに、前記実施の形態においては、注出具3としてポンプ式のものを用いるようにしているが、外容器体11の外容器本体部11bを、スクイズ(押圧)可能であるとともにスクイズの解除による復元性を有する構成とすることもできる。この場合には、例えば注出具3として、図7に変形例として示すように、装着キャップ3aに設けられて内容器本体部12cの内部に収容された内容液を外部に注出する注出口(不図示)と、注出口に設けられた内容液用逆止弁(不図示)と、装着キャップ3aの下端内周縁部分に装着されて、装着キャップ3aの下端と外側溝部16の下端よりも下方側における外口部11aの外周面との隙間を開閉する外気導入路用逆止弁30とを備えた注出キャップとして構成されたものを用いることもできる。この場合、外容器本体部11bをスクイズして注出口から内容液を注出する際には、外気導入路用逆止弁30により装着キャップ3aの下端と外側溝部16の下端よりも下方側における外口部11aの外周面との隙間が閉塞されて外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間の空気が外部に排出されることを防止し、当該スクイズにより内容液を容易に注出させることができる。一方、スクイズが解除されて外容器本体部11bが元の形状に復元するときには、外気導入路用逆止弁30が開いて装着キャップ3aの下端と外側溝部16の下端よりも下方側における外口部11aの外周面との隙間、外側溝部16、上側溝部17及び外気導入用隙間15を通して外容器本体部11bと内容器本体部12cとの間に外気を導入することができるので、内容器本体部12cを確実に減容変形させて外容器本体部11bの変形ないし内容器本体部12cの内部への外気の導入を抑制することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 注出具付き容器
2 二重容器
3 注出具
3a 装着キャップ
3b 雌ねじ
3c ヘッド部
3d ノズル
3e ポンプ
3f ピストン
3g シリンダ
3h 吸引パイプ
3i バネ部材
11 外容器体
11a 外口部
11b 外容器本体部
11c 係止突起
11d 凸リブ
12 内容器体
12a 内口部
12b フランジ部
12c 内容器本体部
12d 突起部
13 口部
14 胴部
15 外気導入用隙間
16 外側溝部
17 上側溝部
18 阻止部材
20 プリフォーム
21 外プリフォーム体
21b 外プリフォーム本体部
22 内プリフォーム体
22c 内プリフォーム本体部
30 外気導入路用逆止弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7