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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204815(P2018-204815A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】輸送用冷凍機
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20181130BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20181130BHJP
   B60P 3/20 20060101ALI20181130BHJP
   F01P 1/06 20060101ALI20181130BHJP
   F01P 5/10 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   F25D11/00 101D
   F25B27/00 C
   B60P3/20 Z
   F01P1/06 Z
   F01P5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-107633(P2017-107633)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】神野 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】ダラマシ ケワル
(72)【発明者】
【氏名】外薗 寿幸
(72)【発明者】
【氏名】星 伸太郎
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045NA03
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】内燃機関収容室内に、排気管が発する熱の影響が抑制された冷却空気の主流を形成することを目的とする。
【解決手段】輸送用冷凍機1は、圧縮機に対して動力を提供するエンジン本体部30と、エンジン本体部30の前面に配置されてエンジン本体部30に燃焼用空気を供給する吸気管31と、エンジン本体部30の後面に配置されてエンジン本体部30で生成された排ガスを排気する排気系部品32と、エンジン本体部30、吸気管31及び排気系部品32を有するサブエンジン11を収容するエンジン収容室27と、エンジン収容室27内に外気を導入する遠心ファン35と、を備えている。遠心ファン35は、サブエンジン11よりも外気の流れにおける上流に配置され、排気系部品32側よりも吸気管31側に向けて外気を導入する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送車の冷却空間を冷却する冷凍機に用いられる圧縮機に対して動力を提供する内燃機関と、
前記内燃機関の一側面に配置され、前記内燃機関に燃焼用空気を供給する吸気管と、
前記内燃機関の他側面に配置され、前記内燃機関で生成された排ガスを排気する排気管と、
前記内燃機関、前記吸気管及び前記排気管を収容する内燃機関収容室と、
前記内燃機関収容室内に冷却用空気を導入する送風機と、を備え、
前記送風機は、前記内燃機関よりも前記冷却用空気の流れにおける上流に配置され、前記排気管側よりも前記吸気管側に向けて前記冷却用空気を導入する輸送用冷凍機。
【請求項2】
前記圧縮機の駆動を制御する制御装置と、
前記制御装置を収容する電装箱と、を備え、
前記電装箱は、前記送風機よりも前記冷却用空気の流れにおける上流に配置される請求項1に記載の輸送用冷凍機。
【請求項3】
前記内燃機関を冷却する冷却液を循環させる循環ポンプと、
該循環ポンプを駆動させるポンプ駆動装置と、を備え、
前記ポンプ駆動装置は、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路であって、かつ、前記送風機と前記内燃機関との間に配置されている請求項1または請求項2に記載の輸送用冷凍機。
【請求項4】
前記吸気管と、該吸気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面との距離は、前記排気管と、該排気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面との距離よりも長く設定されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項5】
前記排気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面には、遮熱材が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項6】
前記内燃機関収容室には、前記送風機によって前記冷却用空気が導入される第1開口及び前記冷却用空気が排出される第2開口が形成され、
前記第2開口は、前記第1開口に対して前記内燃機関を挟んで反対側に形成される請求項1から請求項5のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項7】
前記内燃機関の始動用のバッテリを備え、
前記バッテリは、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路に配置される請求項1から請求項6のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項8】
前記内燃機関収容室のうち、前記吸気管と対向する部分が樹脂製パネルで形成されている請求項1から請求項7のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項9】
前記内燃機関の駆動力によって発電する発電機を備え、
前記発電機は、該発電機を冷却する発電機冷却用空気を吸気する発電機吸気口を有し、
該発電機吸気口は、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路から吸気する請求項1から請求項8のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【請求項10】
内部に前記冷却空間が形成されたコンテナの前面に設けられる請求項1から請求項9のいずれかに記載の輸送用冷凍機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送車に搭載される輸送用冷凍機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍車や冷凍トレーラ等の輸送車に搭載される輸送用冷凍機の1つに、動力源として専用のサブエンジンを搭載しているサブエンジン式輸送用冷凍機がある。このようなサブエンジン式輸送用冷凍機では、サブエンジンからの騒音を冷凍機の外部に放射しないように、サブエンジンを収容室内に収容している。サブエンジンを収容室内に収容した場合、サブエンジンが駆動することによって発生する排熱が収容室内で滞留する。収容室内で排熱が滞留すると、収容室内の温度が上昇し、収容室内に収容されている他の部品が加熱され、許容温度を越えてしまう恐れがある。
【0003】
このような問題を解決しようとするものに、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1では、排気管を第一仕切り板によって遮られた位置でエンジン本体に接続し、箱体の内部を流れる空気の流路から排気管を離して設置している。これにより、エンジン本体が配置された空間に流れ込んだ空気が、排気管によってすぐに温められてしまうことを抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−20671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、箱体の空気を取り込む駆動送風部が、駆動源よりも下流側に配置され、空気を箱体の中に吸込む構成となっている。このような構成では、箱体内の全体から空気を駆動送風部に取り入れてしまう可能性があり、箱体の内部を流れる空気を好適に排気管から離すことができない可能性があった。これにより、箱体内に流れる空気が、排気管が発する熱の影響を受けてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、内燃機関収容室内に、排気管が発する熱の影響が抑制された冷却空気の主流を形成することが可能な輸送用冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の輸送用冷凍機は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、輸送車の冷却空間を冷却する冷凍機に用いられる圧縮機に対して動力を提供する内燃機関と、前記内燃機関の一側面に配置され、前記内燃機関に燃焼用空気を供給する吸気管と、前記内燃機関の他側面に配置され、前記内燃機関で生成された排ガスを排気する排気管と、前記内燃機関、前記吸気管及び前記排気管を収容する内燃機関収容室と、前記内燃機関収容室内に冷却用空気を導入する送風機と、を備え、前記送風機は、前記内燃機関よりも前記冷却用空気の流れにおける上流に配置され、前記排気管側よりも前記吸気管側に向けて前記冷却用空気を導入する。
【0008】
内燃機関で生成される排ガスは高温であるので、排ガスを排気する排気管も高温となる。一方、内燃機関に燃焼用空気を供給する吸気管は、燃焼に供される前の空気なので、比較的低温となる。上記構成では、内燃機関収容室内に冷却用空気を導入する際に、送風機が排気管側よりも吸気管側に向けて冷却用空気を導入している。これにより、内燃機関収容室内に、高温の排気管が発する熱の影響が抑制された比較的低温の冷却空気の主流を形成することができる。よって、例えば、冷却空気の主流に配置された内蔵部品は、排気管が発する熱の影響を受けていない冷却空気によって冷却されるので、好適に冷却される。したがって、当該内蔵部品の寿命を延長することができる。また、当該内蔵部品の信頼性を向上させることができる。なお、主流を形成するとは、内燃機関収容室内に導入された冷却用空気の流量が、排気管側よりも吸気管側が多くなるように冷却用空気を導入することを意味する。なお、導入された冷却用空気のうち、可及的全てを吸気管側に導入すると好適である。
送風機を内燃機関よりも下流側に配置した場合、内燃機関収容室内の全体から空気を送風機に取り入れてしまうので、内燃機関収容室内の特定の領域に空気の主流を形成することが難しく、排気管側の空気も内燃機関収容室内で流通してしまう可能性がある。上記構成では、内燃機関よりも上流に送風機を配置しているので、吸気管側に向けて確実に冷却用空気を導入することができる。したがって、確実に吸気管側に冷却用空気の主流を形成することができる。
また、内燃機関を内燃機関収容室内に収容しているので、内燃機関から発生する騒音の外部への放射を内燃機関収容室が遮蔽する。したがって、内燃機関に起因した騒音であって、内燃機関収容室の外部に放射される騒音を低減することができる。なお、内燃機関収容室に吸音材を設けると、より効果的に騒音を低減することができる。
【0009】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記圧縮機の駆動を制御する制御装置と、前記制御装置を収容する電装箱と、を備え、前記電装箱は、前記送風機よりも前記冷却用空気の流れにおける上流に配置されていてもよい。
【0010】
上記構成では、送風機よりも上流に電装箱を配置しているので、内燃機関等が収容されている内燃機関収容室に導入される前の冷却用空気を電装箱に接触させることができる。したがって、内燃機関等の影響を受けることなく、電装箱を冷却することができるので、好適に電装箱を冷却することができる。
また、一つの送風機で、内燃機関収容室内に収容された装置と、電装箱とを冷却しているので、それぞれを冷却するために複数の送風機を設ける場合に比べて、構成を簡素化し、かつ、コストを低減することができる。
【0011】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記内燃機関を冷却する冷却液を循環させる循環ポンプと、該循環ポンプを駆動させるポンプ駆動装置と、を備え、前記ポンプ駆動装置は、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路であって、かつ、前記送風機と前記内燃機関との間に配置されていてもよい。
【0012】
上記構成では、ポンプ駆動装置が、冷却用空気が流れる吸気管側の流路に配置されている。換言すれば、ポンプ駆動装置が、冷却用空気の主流に配置されている。これにより、排気管が発する熱の影響を受けていない冷却空気とポンプ駆動装置が接触するので、好適にポンプ駆動装置を冷却することができる。したがって、ポンプ駆動装置の寿命を延長することができる。また、ポンプ駆動装置の信頼性を向上させることができる。
また、ポンプ駆動装置が送風機と内燃機関との間に配置されている。これにより、送風機とポンプ駆動装置との距離が比較的短くなる。したがって、より好適にポンプ駆動装置を冷却することができる。
なお、ポンプ駆動装置とは、例えば、ベルトとプーリとで構成された装置であって、この場合、ベルトとプーリとの摺動部分を冷却すると効果的である。
【0013】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記吸気管と、該吸気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面との距離は、前記排気管と、該排気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面との距離よりも長く設定されている。
【0014】
上記構成では、吸気管と内燃機関収容室の内周面との距離が、排気管と内燃機関収容室の内周面との距離よりも長く設定されている。すなわち、吸気管と内燃機関収容室との間に形成される空間が、排気管と内燃機関収容室との間に形成される空間よりも広く形成されている。
このように、冷却用空気の主流が流れる流路を広く形成することで、排気管が発する熱の影響を受けていない冷却空気をより多く内燃機関収容室内に導入することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記排気管と対向する前記内燃機関収容室の内周面には、遮熱材が設けられていてもよい。
【0016】
排気管と、排気管と対向する内燃機関収容室の内周面との間に形成された空間は、冷却用空気の主流から外れているので、排気管が発する熱が滞留する。上記構成では、排気管と対向する内燃機関収容室の内周面に遮熱材が設けられているので、排気管が発する熱によって内燃機関収容室の内周面が損傷することを抑制することができる。
【0017】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記内燃機関収容室には、前記送風機によって前記冷却用空気が導入される第1開口及び前記冷却用空気が排出される第2開口が形成され、前記第2開口は、前記第1開口に対して前記内燃機関を挟んで反対側に形成されていてもよい。
【0018】
上記構成では、第2開口は、第1開口に対して内燃機関を挟んで反対側に形成されている。これにより、内燃機関収容室内に導入された冷却用空気の主流は、内燃機関に沿うように流れる。したがって、内燃機関収容室内の冷却用空気の流れを比較的長くすることができる。
【0019】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記内燃機関の始動用のバッテリを備え、前記バッテリは、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路に配置されていてもよい。
【0020】
上記構成では、バッテリが、冷却用空気が流れる吸気管側の流路に配置されている。換言すれば、バッテリが、冷却用空気の主流に配置されている。これにより、排気管が発する熱の影響を受けていない冷却空気とバッテリが接触するので、好適にバッテリを冷却することができる。したがって、バッテリの寿命を延長することができる。また、バッテリの信頼性を向上させることができる。
【0021】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記内燃機関収容室のうち、前記吸気管と対向する部分が樹脂製パネルで形成されていてもよい。
【0022】
吸気管側に冷却用空気の主流を形成しているので、内燃機関収容室のうち、吸気管と対向する部分は、冷却用空気と接触することとなる。このように、吸気管と対向する部分は冷却空気によって冷却されるので、熱によって損傷し易い樹脂製パネルを採用することができる。樹脂製パネルは、金属等と比較して軽量であり、かつ、成形しやすい。したがって、上記構成のように、内燃機関収容室の一部を樹脂製パネルで形成することで、内燃機関収容室を容易に成形することができ、かつ、軽量とすることができる。
【0023】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、前記内燃機関の駆動力によって発電する発電機を備え、前記発電機は、該発電機を冷却する発電機冷却用空気を吸気する発電機吸気口を有し、該発電機吸気口は、前記冷却用空気が流れる前記吸気管側の流路から吸気してもよい。
【0024】
上記構成では、発電機吸気口が、冷却用空気が流れる吸気管側の流路から吸気している。換言すれば、発電機吸気口が、冷却用空気の主流から吸気している。これにより、排気管が発する熱の影響を受けていない冷却空気が、発電機冷却用空気として発電機に供給されるので、好適に発電機を冷却することができる。したがって、発電機の寿命を延長することができる。また、発電機の信頼性を向上させることができる。
【0025】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、内部に前記冷却空間が形成されたコンテナの前面に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、内燃機関収容室内に、排気管が発する熱の影響が抑制された冷却空気の主流を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る輸送用冷凍機が適用された車両の側面図である。
図2図1の車両の平面図である。
図3】本実施形態に係る輸送用冷凍機の内部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る輸送用冷凍機の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中FRは車両前方を、図中UPは車両上方を、図中INは車幅方向内側をそれぞれ示している。また、以下の説明における前後方向は、車両の前後方向を意味し、左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0029】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る輸送用冷凍機1が搭載される車両(輸送車)2は、トラクター3と、トラクター3により牽引されるコンテナ4とを備えている。トラクター3は、乗務員が乗車するキャブ5の下方に走行用エンジン(図示省略)が配置される、いわゆるキャブオーバー型のトラクターである。トラクター3は、キャブ5の後方で前後方向に延びるフレーム6を有し、該フレーム6上に略直方体形状のコンテナ4が搭載される。コンテナ4は、前面4aがキャブ5の後面から離間するように配置される。コンテナ4の内部には、輸送用冷凍機1によって冷却される冷却空間7が形成され、この冷却空間7内に冷凍・冷蔵品等の積み荷が積載される。なお、本実施形態に係る輸送用冷凍機1は、動力源として専用のサブエンジン11を搭載しているサブエンジン式輸送用冷凍機である。
【0030】
コンテナ4の前面4aには、車幅方向略全域に亘って輸送用冷凍機1が設けられている。輸送用冷凍機1は、冷却空間7内に供給する冷却空気を生成する冷凍サイクル(図示省略)と、輸送用冷凍機1の外殻をなす筐体12と、筐体12の内部に収容されるサブエンジン11等の各種装置とを備える。冷凍サイクルは、図示省略の圧縮機、コンデンサ、膨張弁およびエバポレータ等で構成される公知の冷凍サイクルであり、コンデンサおよびエバポレータには、それぞれコンデンサファンおよびエバポレータファンが付設されている。この圧縮機、コンデンサファンおよびエバポレータファンは、圧縮機モータ、コンデンサファンモータおよびエバポレータファンモータにより駆動されるようになっており、これら各モータには、サブエンジン11にて駆動される後述の発電機25や、商用電源等から駆動電力が供給されるようになっている。
【0031】
筐体12は、輸送用冷凍機1の車幅方向の右端を規定する右側壁13と、輸送用冷凍機1の車幅方向左端を規定する左側壁14と、輸送用冷凍機1の前方を規定する前壁15と、輸送用冷凍機1の後方を規定する後壁16とを有する。後壁16の後面は、コンテナ4の前面4aに固定されている。なお、輸送用冷凍機1の筐体12に後壁16を設けず、輸送用冷凍機1の後方をコンテナ4の前面4aで規定してもよい。すなわち、コンテナ4の前面4aが筐体12の後壁16を兼ねてもよい。筐体12は、内部に収容するサブエンジン11等から発生する騒音を遮蔽する樹脂パネル等で形成されている。なお、遮音効果をさらに高めるために、筐体12に遮音材を設けてもよい。
【0032】
前壁15は、後壁16から所定距離離間した位置に配置される。なお、前壁15と後壁16との離間距離は、コンテナ4の容積に影響を与えないように短く形成されている。前壁15は、後壁16と略平行に延びる平板形状をしている。なお、前壁15は、図1及び図2に示すように、車幅方向の中心から外側に向って前後方向の長さが短くなるように湾曲していてもよい。湾曲するように形成することで、車両2が旋回する際に、キャブ5と輸送用冷凍機1とが干渉しないようにしつつ、輸送用冷凍機1の内部の空間を広く形成することができる。
【0033】
左側壁14は、前壁15の左端と後壁16の左端とを連結している。また、左側壁14には、前後方向の中央よりも後方側に、車幅方向に貫通する導入開口17が形成されている。右側壁13は、前壁15の右端と後壁16の右端とを連結している。また、右側壁13には、前後方向の中央よりも後方側に、車幅方向に貫通する排出開口(第2開口)18が形成されている。
【0034】
また、筐体12は、前壁15と後壁16とを連結し、筐体12内の空間を車幅方向に隔てる隔壁19を有する。隔壁には、前後方向の中央よりも後方側に、車幅方向に貫通する隔壁開口20が形成されている。導入開口17と排出開口18と隔壁開口20とは、前後方向において略同位置に形成されている。
【0035】
左側壁14と隔壁19との間には、電装箱21が収容される電装箱収容室22が形成されている。すなわち、電装箱収容室22は、左側壁14と隔壁19と前壁15の一部と後壁16の一部とに囲まれた空間である。電装箱21内には、サブエンジン11が駆動する圧縮機を制御する制御装置(図示省略)が収容されている。制御装置とは、例えばインバータ等の電子部品である。電装箱21は、電装箱収容室22内において、中央よりも前方側に配置されている。すなわち、電装箱21は、電装箱21の前面と前壁15の後面との距離よりも、電装箱21の後面と後壁16の前面との距離の方が長くなるように配置されている。電装箱21の後面には、電装箱21の内部に収容された制御装置を冷却するためのヒートシンク23が設けられている。ヒートシンク23は、導入開口17及び隔壁開口20と、前後方向において略同位置に配置されている。なお、ヒートシンク23の配置は、当該位置に限定されないが、導入開口17と隔壁開口20とを結ぶ直線上に配置されると好適である。
【0036】
右側壁13と隔壁19との間には、サブエンジン11等が収容されるエンジン収容室(内燃機関収容室)27が形成されている。すなわち、エンジン収容室27は、右側壁13と隔壁19と前壁15の一部と後壁16の一部とに囲まれた空間である。前壁15の一部であるエンジン収容室27の前方を規定するエンジン収容室前壁27aは、樹脂パネルで形成されている。エンジン収容室前壁27aは、着脱または開閉可能な構成となっており、エンジン収容室27内に収容された部品のメンテナンス時等に着脱または開閉される。また、後壁16のうち、後述するサブエンジン11の排気系部品32と対向する部分の略全域には、遮熱材28が設けられている。
【0037】
サブエンジン11は、内部で燃料を燃焼して駆動力を発生させるエンジン本体部(内燃機関)30と、エンジン本体部30に燃焼用空気を供給する吸気管31と、エンジン本体部30で生成された排ガスを排気する排気管等から構成される排気系部品32とを有している。エンジン本体部30で生成された排ガスは、高温であるため、サブエンジン11の駆動時には、排気系部品は高温となる。吸気管31はエンジン本体部30の前面に設けられ、排気系部品32はエンジン本体部30の後面に設けられている。
【0038】
サブエンジン11は、エンジン収容室27内において、エンジン収容室前壁27aと離間して配置されている。すなわち、サブエンジン11の前面とエンジン収容室前壁27aとの間には、空間(後述の流通路29)が形成されている。サブエンジン11は、エンジン収容室27内において、中央よりも後方側に配置されている。すなわち、サブエンジン11は、サブエンジン11の前面とエンジン収容室前壁27aの後面との距離よりも、サブエンジン11の後面と後壁16の前面との距離の方が短くなるように配置されている。換言すれば、サブエンジン11の長手方向の中心軸C1からエンジン収容室前壁27aの後面までの距離L1が、中心軸C1から後壁16の前面までの距離L2よりも長くなるように、サブエンジン11は配置されている。また、サブエンジン11は、エンジン本体部30に冷却水を循環供給するエンジン冷却装置(図示省略)を有している。エンジン冷却装置は、エンジン本体部を冷却する冷却液を循環させる循環ポンプ(図示省略)と、循環ポンプを駆動させるポンプ駆動装置33とを具備している。ポンプ駆動装置33とは、例えば、ベルトとプーリとで構成された装置である。ポンプ駆動装置33は、エンジン本体部30の左側面(すなわち、隔壁19側の面)に設けられ、エンジン本体部30が駆動することにより発生する回転エネルギーによって駆動する。
【0039】
エンジン収容室27の内部には、サブエンジン11の他に、発電機25及びバッテリ26等が収容されている。発電機25は、エンジン本体部30の右側面(すなわち、右側壁側の面)に配置され、エンジン本体部30の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。発電機25で発電された電力は、モータ(図示省略)に給電され、モータに電力が給電させるとモータの駆動力により圧縮機が駆動する。また、発電機25は、発電機を冷却する発電機冷却用空気を吸気する発電機吸気口25aを有する。発電機吸気口25aは、発電機の右側面(すなわち、右側壁側の面)に設けられ、右側方向(すなわち、右側面方向)に開口している。バッテリ26は、サブエンジン11の始動用であり、サブエンジン11の始動時に使用される。また、バッテリ26は、発電機25と右側壁13との間であって、かつ、エンジン収容室前壁27aと排出開口18との間に配置されている。
【0040】
隔壁19とサブエンジン11との間には、遠心ファン(送風機)35が収容されるファン収容室36が形成されている。ファン収容室36は、隔壁19からエンジン収容室27内に突出するように形成されている。ファン収容室36は、隔壁19と、隔壁19のうち隔壁開口20よりも前方の領域から右方向に延びる前壁36aと、隔壁19のうち隔壁開口20よりも後方の領域から右方向に延びる後壁36bと、前壁36aの右端と後壁36bの右端とを連結する右側壁36cとに四方を囲まれた空間である。すなわち、ファン収容室36と、電装箱収容室22とは、隔壁開口20を介して連通している。
ファン収容室36の前壁36a及び後壁36bは、それぞれ、筐体12の前壁15及び後壁16と所定距離離間し、かつ、略平行に配置されている。また、ファン収容室36の右側壁36cは、隔壁19と略平行に配置されている。ファン収容室36の前壁36aには、吹出し開口(第1開口)37が形成されている。すなわち、ファン収容室36と、エンジン収容室27とは、吹出し開口37を介して連通している。上述のように、ファン収容室36の内部には、遠心ファン35が収容されている。遠心ファン35は、車幅方向に軸が配置されるように、設置されている。
【0041】
次に、筐体12内での外気(冷却用空気)の流れ等について図3を用いて説明する。なお、図3では、外気の流れを白抜き矢印で示している。
サブエンジン11が駆動すると、サブエンジン11を冷却するために、遠心ファン35を駆動する。遠心ファン35が駆動すると、導入開口17から外気が筐体12内に導入される。筐体12内に導入された外気は、まず電装箱収容室22内を流通する。電装箱収容室22内を流通する外気は、ヒートシンク23と熱交換を行い、ヒートシンク23を介して電装箱収容室22内に収容された制御装置等を冷却する。ヒートシンク23と熱交換を行った外気は、隔壁開口20を介してファン収容室36内に流入する。
【0042】
ファン収容室36内に流入した外気は、遠心ファン35によって流通方向を変化させられ、吹出し開口37を介してエンジン収容室27内に導入される。このとき、吹出し開口37は、ファン収容室36の前壁36aに形成されているので、エンジン収容室27内の前方に吹出される(すなわち、吸気管側に向けて吹出される)。これにより、エンジン収容室27内に吹出された外気は、まず、エンジン収容室前壁27aに沿うように流通する。すなわち、吹出された外気の大部分が、サブエンジン11の前面とエンジン収容室前壁27aとの間に形成された流通路29(換言すれば吸気管側)を流通し、サブエンジン11の後面と後壁16との間に形成された空間(換言すれば排気管側)には外気がほとんど流通しない。なお、エンジン収容室27内に吹出された外気の一部は、エンジン本体部30の左側面に設けられたポンプ駆動装置33と熱交換を行い、ポンプ駆動装置を冷却(詳細には、ベルトとプーリとの摺動部分を冷却)したあとに、流通路29に流入する。
【0043】
流通路29を流通した外気は、筐体12の右側壁13に衝突する。この時、外気は、バッテリ26と熱交換を行い、バッテリ26を冷却する。右側壁13に衝突した外気は、右側壁13に沿うように後方に流通した後に、排出開口18を介して筐体12の内部から排出される。右側壁13に沿うように後方に流通している際に、外気の一部は、発電機吸気口25aから発電機25内に吸気される。
本実施形態では、このように、筐体12内に導入された外気の大部分が流通する外気の主流を形成されている。
【0044】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、エンジン収容室27内に外気を導入する際に、遠心ファン35が排気系部品32側よりも吸気管31側に向けて外気を導入している。これにより、エンジン収容室27内に、高温の排気系部品32が発する熱の影響が抑制された比較的低温の外気の主流を形成することができる。よって、外気の主流に配置されたポンプ駆動装置33及びバッテリ26は、排気系部品32が発する熱の影響を受けていない外気によって冷却されるので、好適に冷却される。したがって、ポンプ駆動装置33及びバッテリ26の寿命を延長することができる。また、ポンプ駆動装置33及びバッテリ26の信頼性を向上させることができる。
【0045】
なお、サブエンジン11よりも下流にファンを配置し、空気をエンジン収容室27内に吸込むような構成とした場合、エンジン収容室27内の全体から空気をファンに取り入れてしまい、エンジン収容室27内に排気系部品32側の空気も流通させてしまう可能性があった。本実施形態では、外気(詳細には、エンジン収容室27の一側方から導入し、他側方から排出する外気)を導入するファンを、サブエンジン11よりも上流にのみ設けて、エンジン収容室27内に外気を押し込むように導入している。したがって、上述のように、エンジン収容室27内に、排気系部品32が発する熱の影響が抑制された比較的低温の外気の主流を好適に形成することができる。
【0046】
また、ポンプ駆動装置33は、遠心ファン35とサブエンジン11との間に配置されている。これにより、ポンプ駆動装置33と遠心ファン35との距離が比較的短くなる。したがって、より好適にポンプ駆動装置33を冷却することができる。
【0047】
また、発電機吸気口25aが、外気の主流から吸気している。これにより、排気系部品32が発する熱の影響を受けていない外気が、発電機25の冷却用空気として発電機25に供給されるので、好適に発電機25を冷却することができる。したがって、発電機25の寿命を延長することができる。また、発電機25の信頼性を向上させることができる。
【0048】
また、遠心ファン35よりも上流に電装箱21を配置しているので、サブエンジン11等が収容されているエンジン収容室27に導入される前の外気を電装箱21に接触させることができる。したがって、サブエンジン11等の影響を受けることなく、電装箱21を冷却することができるので、好適に電装箱21を冷却することができる。
また、一つの遠心ファン35で、エンジン収容室27内に収容された各種装置と、電装箱21とを冷却している。したがって、それぞれを冷却するために複数のファンを設ける場合に比べて、構成を簡素化し、かつ、コストを低減することができる。
【0049】
本実施形態では、サブエンジン11よりも上流に遠心ファン35を配置しているので、確実に吸気管31側に向けて外気を導入することができる。したがって、確実に吸気管31側に外気の主流を形成することができる。また、サブエンジン11よりも下流にファンを配置した場合には、エンジン収容室前壁27aを外した際に、エンジン収容室27が開空間となり、エンジン収容室27内に外気の流通路がなくなってしまう。したがって、当該ファンによって筐体12内に外気を吸込むことができなくなってしまい、電装箱21を冷却することができない。本実施形態では、エンジン収容室27よりも上流に遠心ファン35を配置しているので、エンジン収容室前壁27aを外した際にも、電装箱21を冷却することができる。
【0050】
また、サブエンジン11を筐体12に収容している。また、筐体12を遮音性を有する材料で形成している。これにより、サブエンジン11から発生する騒音の外部への放射を筐体12が遮蔽する。したがって、サブエンジン11に起因した騒音であって、筐体12の外部に放射される騒音を低減することができる。
【0051】
また、吸気管31と筐体12の前壁15との距離が、排気系部品32と筐体12の後壁16との距離よりも長く設定されている。すなわち、流通路29が、排気系部品32と後壁16との間に形成される空間よりも広く形成されている。このように、外気の主流が流れる流通路29を広く形成することで、排気系部品32が発する熱の影響を受けていない外気をより多くエンジン収容室27内に導入することができる。
【0052】
また、排気系部品32と後壁16との間に形成された空間には、排気系部品32が発する熱が滞留する。本実施形態では、排気系部品32と対向する後壁16に遮熱材28が設けられているので、排気系部品32が発する熱によって後壁16や、コンテナ4の前面4aが損傷することを抑制することができる。
【0053】
また、吹出し開口37と排出開口18とが、サブエンジン11等を挟んで反対側に形成されている。これにより、エンジン収容室27内に導入された外気の流れを比較的長くすることができる。
【0054】
吸気管31側に外気の主流を形成しているので、エンジン収容室前壁27aの材料として、熱によって損傷し易い樹脂製パネルを採用することができる。樹脂製パネルは、金属等と比較して軽量であり、かつ、成形しやすい。したがって、筐体12の成形を容易化し、かつ、筐体12を軽量化することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に係る発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、本実施形態では、遠心ファン35によって、筐体12内に外気を流通させ、さらに外気の流れを変更しているが、外気を流通させ、外気の流れを変更する方法はこれに限定されない。軸流ファンによって外気を流通させ、ダクトによって外気の流れを所望の方向に変更してもよい。
また、本実施形態では、コンテナ4の前面4aに設けられるフラッシュマウント型の輸送用冷凍機について説明したが、輸送用冷凍機1の配置はこれに限定されない。例えば、コンテナ4の下方に輸送用冷凍機を搭載するアンダーマウント型であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 輸送用冷凍機
2 車両(輸送車)
3 トラクター
4 コンテナ
7 冷却空間
11 サブエンジン
12 筐体
13 右側壁
14 左側壁
15 前壁
16 後壁
17 導入開口
18 排出開口
19 隔壁
20 隔壁開口
21 電装箱
22 電装箱収容室
23 ヒートシンク
25 発電機
25a 発電機吸気口
26 バッテリ
27 エンジン収容室(内燃機関収容室)
27a エンジン収容室前壁
28 遮熱材
29 流通路
30 エンジン本体部(内燃機関)
31 吸気管
32 排気系部品
33 ポンプ駆動装置
35 遠心ファン(送風機)
36 ファン収容室
37 吹出し開口
図1
図2
図3