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特開2018-204899マルチ型空気調和装置の制御装置、それを備えたマルチ型空気調和装置、及びその制御方法並びに制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204899(P2018-204899A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】マルチ型空気調和装置の制御装置、それを備えたマルチ型空気調和装置、及びその制御方法並びに制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20181130BHJP
   F24F 11/49 20180101ALI20181130BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20181130BHJP
【FI】
   F24F11/02 102T
   F24F11/02 102F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-112737(P2017-112737)
(22)【出願日】2017年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】三苫 恵介
(72)【発明者】
【氏名】五十住 晋一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆博
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 篤
(72)【発明者】
【氏名】大村 峰正
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA32
3L260CB04
3L260CB62
3L260DA11
3L260EA13
3L260FA01
3L260FA16
3L260FB09
(57)【要約】
【課題】室内機の運転切り替え時における圧縮機の冷媒吐出温度の急上昇を抑えること。
【解決手段】室外側四方弁は、熱交換器側と圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、室内機及びアキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と熱交換器側とを接続する場合に熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で室内ユニットの運転の切り替えが行われ、運転切替後の圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する判定部71と、割合が所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の熱交換器に接続される室外側四方弁を、高圧切替設定から低圧切替設定にするまたは低圧切替設定から高圧切替設定にする流路設定部72とを具備する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御装置であって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする流路設定手段と
を具備するマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項2】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御装置であって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする流路設定手段と
を具備するマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項3】
前記流路設定手段は、全ての前記室内機が冷房運転されている場合に、全ての前記冷媒流路切替手段が前記高圧切替設定とされているうち、少なくとも一の前記熱交換器に接続された前記冷媒流路切替手段を前記低圧切替設定に切り替える請求項1または請求項2に記載のマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項4】
前記流路設定手段は、全ての前記室内機が暖房運転されている場合に、全ての前記冷媒流路切替手段が前記低圧切替設定とされているうち、少なくとも一の前記熱交換器に接続された前記冷媒流路切替手段を前記高圧切替設定に切り替える請求項1または請求項2に記載のマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記圧縮機の回転数が目標回転数に到達したか否かを判定し、
前記目標回転数に到達している場合には、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定に切り替えられた前記室外機の前記熱交換器、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定に切り替えられた前記室外機の前記熱交換器に接続される室外側膨張弁を閉状態にする制御手段を具備する請求項1から請求項4のいずれかに記載のマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項6】
前記流路設定手段は、前記室外側膨張弁閉状態にされた後、前記マルチ型空気調和装置に要求される凝縮能力または蒸発能力に応じて、前記高圧切替設定または前記低圧切替設定を元の設定に戻す請求項1から請求項5のいずれかに記載のマルチ型空気調和装置の制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の制御装置と、
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段とを備えた少なくとも一つの室外機と、
複数の室内機と、
を備えたマルチ型空気調和装置。
【請求項8】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御方法であって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する工程と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする工程と、
を有するマルチ型空気調和装置の制御方法。
【請求項9】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御プログラムであって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する処理と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする処理と
をコンピュータに実行させるためのマルチ型空気調和装置の制御プログラム。
【請求項10】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御方法であって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する工程と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする工程と
を有するマルチ型空気調和装置の制御方法。
【請求項11】
圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御プログラムであって、
前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、
所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する処理と、
前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする処理と
をコンピュータに実行させるためのマルチ型空気調和装置の制御プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ型空気調和装置の制御装置、それを備えたマルチ型空気調和装置、及びその制御方法並びに制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、1つの室外機に対し、複数の室内機が接続されるマルチ型空気調和装置は、室内機毎に運転制御されている。マルチ型空気調和装置は、複数の室内機が運転している状態から一部の室内機の運転が停止されるような場合には、圧縮機の回転数や膨張弁を制御して快適な空調が継続されるように調整されている。
下記特許文献1では、室外機に複数台の室内機を接続した多室空気調和装置において、冷房室内機の設定温度と吸い込み温度との差と、暖房室内機の設定温度と吸い込み温度との差を比較して、室外熱交換器を蒸発器として機能させるか、凝縮器として機能させるかを決定し、室外熱交換器を凝縮器または蒸発器に切り替える頻度を減少させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−14790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マルチ型空気調和装置において、室内機全台運転から最小容量の室内機1台運転に運転が切り替わる場合、室外機の圧縮機の回転数が最大回転数から最小回転数に切り替わっても特に問題が発生することはなかった。
しかしながら、圧縮機に従来よりも高速(例えば、200rps等)で回転する圧縮機が採用された場合には、圧縮機の回転数の上限値すなわち最大回転数が上がるが、最大回転数で運転時に最小回転数まで負荷が低下すると冷媒の高低圧差が大きくなる。そうすると、圧縮機の回転数は、所定のレートで低下されるものの停止する室内機の膨張弁の絞りに追従できず、圧縮機の冷媒吐出温度が急上昇して保護停止するという課題がある。
上記特許文献1の方法では、200rps等で回転する従来よりも高速な圧縮機を採用することについては記載されておらず、上記課題を解決することはできない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、室内機の運転切り替え時における圧縮機の冷媒吐出温度の急上昇を抑えることができるマルチ型空気調和装置の制御装置、それを備えたマルチ型空気調和装置、及びその制御方法並びに制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御装置であって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する判定手段と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする流路設定手段とを具備するマルチ型空気調和装置の制御装置を提供する。
【0007】
圧縮機に従来(例えば、140rps)よりも高速(例えば、200rps等)で回転する圧縮機が採用されると、圧縮機の回転数の上限値すなわち最大回転数が上がるが、最大回転数で運転時に最小回転数まで負荷が低下すると冷媒の高低圧差が大きくなり、圧縮機の冷媒吐出温度が急上昇して保護停止する虞がある。これは、室内機の運転台数に応じた冷媒循環量に追従できず、低圧側冷媒圧力が下がり,これに伴い吐出エンタルピが増加する為結果として圧縮機の吐出温度が急上昇するものである。
本発明によれば、冷媒流路切替手段により圧縮機の吐出側と熱交換器側の経路が接続され高圧切替設定にされると、圧縮機で圧縮され吐出された冷媒が高圧ガス冷媒となって熱交換器に送られ、熱交換器が高圧側にされる。冷媒流路切替手段により室内機とアキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と熱交換器側とを接続され低圧切替設定にされると、熱交換器からの冷媒がアキュームレータ側に送られ、熱交換器が低圧側にされる。
【0008】
マルチ型空気調和装置において、所定期間内で、例えば室内機の運転台数が切り替えられ、運転切替後の圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の圧縮機回転数指令値の割合が所定倍数(例えば5倍)を超える場合、すなわち運転切替後の圧縮機回転数指令値が運転切替前に比べて十分小さい値となった場合において、冷媒流路切替手段が高圧切替設定から低圧切替設定に、或いは、低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えられる。
これにより、高圧切替設定から低圧切替設定に切り替えが行われれば、一部の熱交換器で低圧側を補うように制御され、低圧異常を防ぐ。また、低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えが行われれば、一部の熱交換器で高圧側を補うように制御され、高圧異常を防ぐ。こうして、圧縮機の冷媒吐出温度の上昇を防ぐ。
【0009】
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御装置であって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する判定手段と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする流路設定手段とを具備するマルチ型空気調和装置の制御装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、冷媒流路切替手段により圧縮機の吐出側と熱交換器側の経路が接続され高圧切替設定にされると、圧縮機で圧縮され、吐出された冷媒が高圧ガス冷媒となって熱交換器に送られ、熱交換器が高圧側にされる。冷媒流路切替手段により室内機とアキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と熱交換器側とを接続され低圧切替設定にされると、熱交換器からの冷媒がアキュームレータ側に送られ、熱交換器が低圧側にされる。
【0011】
マルチ型空気調和装置において、所定期間内で、例えば室内機の運転台数が切り替えられ、運転切替後の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替後の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が所定倍数(例えば5倍)を超える場合、すなわち運転切替後の運転容量合計値が運転切替前に比べて十分小さい値となった場合において、冷媒流路切替手段が高圧切替設定から低圧切替設定に、或いは、低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えられる。
これにより、高圧切替設定から低圧切替設定に切り替えが行われれば、一部の熱交換器で低圧側を補うように制御され、低圧異常を防ぐ。また、低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えが行われれば、一部の熱交換器で高圧側を補うように制御され、高圧異常を防ぐ。こうして、圧縮機の冷媒吐出温度の上昇を防ぐ。
【0012】
上記マルチ型空気調和装置の制御装置の前記流路設定手段は、全ての前記室内機が冷房運転されている場合に、全ての前記冷媒流路切替手段が前記高圧切替設定とされているうち、少なくとも一の前記熱交換器に接続された前記冷媒流路切替手段を前記低圧切替設定に切り替えてもよい。
【0013】
全ての室内機が冷房運転されているときに室外機の熱交換器は凝縮器とされ、高圧切替設定により高圧側になっているが、そのうち少なくとも一の熱交換器に接続された冷媒流路切替手段を切り替えて、一の熱交換器を低圧切替設定にする。これにより、室外機側で低圧側圧力を補うので、冷房運転時の低圧異常を防ぐことができる。
【0014】
上記マルチ型空気調和装置の制御装置の前記流路設定手段は、全ての前記室内機が暖房運転されている場合に、全ての前記冷媒流路切替手段が前記低圧切替設定とされているうち、少なくとも一の前記熱交換器に接続された前記冷媒流路切替手段を前記高圧切替設定に切り替えてもよい。
【0015】
全ての室内機が暖房運転されているときに室外機の熱交換器は蒸発器とされ、低圧切替設定により低圧側になっているが、そのうち少なくとも一の熱交換器に接続された冷媒流路切替手段を切り替えて、一の熱交換器を高圧切替設定にする。これにより、室外機側で高圧側圧力を補うので、暖房運転時の高圧異常を防ぐことができる。
【0016】
上記マルチ型空気調和装置の制御装置の前記判定手段は、前記圧縮機の回転数が目標回転数に到達したか否かを判定し、前記目標回転数に到達している場合には、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定に切り替えられた前記室外機の前記熱交換器、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定に切り替えられた前記室外機の前記熱交換器に接続される室外側膨張弁を閉状態にする制御手段を具備してもよい。
【0017】
このように、目標回転数に到達した場合には、低圧・高圧の切替設定をしている熱交換器の膨張弁を閉状態にすることで、冷媒の流通を止める。冷房運転(暖房運転)の場合には、室外機の熱交換器は凝縮器(蒸発器)として運転させるが、割合が所定倍数(例えば5倍)となったときに凝縮器(蒸発器)から蒸発器(凝縮器)に切り替えているので、圧縮機の回転数が目標回転数に到達し、低圧側(高圧側)を補う必要がなくなったときには、運転の切り替えを行った熱交換器への冷媒流通を止め、それ以上無駄な運転をさせないようにする。
【0018】
上記マルチ型空気調和装置の制御装置の前記流路設定手段は、前記室外側膨張弁閉状態にされた後、前記マルチ型空気調和装置に要求される凝縮能力または蒸発能力に応じて、前記高圧切替設定または前記低圧切替設定を元の設定に戻してもよい。
【0019】
このように、要求される凝縮能力または蒸発能力に応じて、熱交換器を本来凝縮器として運転させるものを蒸発器にしていた熱交換器を凝縮器に戻し、或いは、本来蒸発器として運転させるものを凝縮器にしていた熱交換器を蒸発器に戻し、元の機能に戻すことで運転能力を確保することができる。
【0020】
本発明は、上記いずれかに記載の制御装置と、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段とを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機と、を備えたマルチ型空気調和装置を提供する。
【0021】
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御方法であって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する工程と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする工程と、を有するマルチ型空気調和装置の制御方法を提供する。
【0022】
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御プログラムであって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記圧縮機の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の前記圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する処理と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする処理とをコンピュータに実行させるためのマルチ型空気調和装置の制御プログラムを提供する。
【0023】
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御方法であって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する工程と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする工程とを有するマルチ型空気調和装置の制御方法を提供する。
【0024】
本発明は、圧縮機と、複数の熱交換器と、複数の冷媒流路切替手段と、アキュームレータとを備えた少なくとも一つの室外機と、複数の室内機とを備えたマルチ型空気調和装置の制御プログラムであって、前記冷媒流路切替手段は、前記熱交換器側と前記圧縮機の吐出側との経路を接続する場合に前記熱交換器を高圧側とする高圧切替設定とされ、前記室内機及び前記アキュームレータとを接続する経路の間に合流する経路と前記熱交換器側とを接続する場合に前記熱交換器を低圧側とする低圧切替設定とされ、所定期間内で前記室内機の運転の切り替えが行われ、運転切替後の前記室内機の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の前記室内機の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数を超えるか否かを判定する処理と、前記割合が前記所定倍数を超えると判定された場合に、少なくとも一の前記熱交換器に接続される前記冷媒流路切替手段を、前記高圧切替設定から前記低圧切替設定にする、または前記低圧切替設定から前記高圧切替設定にする処理とをコンピュータに実行させるためのマルチ型空気調和装置の制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、室内機の運転の切り替え時における圧縮機の冷媒吐出温度の急上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る冷暖房フリーマルチエアコンの概略構成図である。
図2】本発明に係る冷暖房フリーマルチエアコンの制御装置の機能ブロック図である。
図3】本発明に係る冷暖房フリーマルチエアコンの制御装置の制御フローを示している。
図4】本発明に係る冷暖房フリーマルチエアコンの制御装置の制御フローの続きを示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施形態に係るマルチ型空気調和装置の制御装置、それを備えたマルチ型空気調和装置、及びその制御方法並びに制御プログラムについて図面を参照して説明する。
以下では、1台の室外ユニットで複数の室内ユニットの冷房と暖房の同時自動運転を可能にした空気調和装置(以下「冷暖房フリー」ともいう)である場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定しない。例えば、冷暖房フリーでなく、分流コントローラを設けず、室内ユニットと室外ユニットとはそれぞれ1本のガス管と液管とで接続させた冷房と暖房を切り替え運転する空気調和装置に適用してもよい。
【0028】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、冷暖房フリーマルチエアコン(マルチ型空気調和装置)100の概略構成が示されている。
冷暖房フリーマルチエアコン100は、一つの室外ユニット(室外機)1と、複数(例えば、4台)の室内ユニット(室内機)3a,3b,3c,3dと、これらを接続する高圧ガス管5、低圧ガス管7と、液管9と、制御装置70とを備えている。
室外ユニット1は、例えば、1台の圧縮機10と、2台の室外熱交換器12a,12bと、2つの室外側四方弁(冷媒流路切替手段)14a,14bを備えている。
なお、以下において、室外熱交換器12a,12bや、室外側四方弁14a,14b等と示される各部は、特に区別しない場合にはa,b等の符号を省略し、例えば、室外熱交換器12、室外側四方弁14のように示す。
【0029】
本実施形態においては、室外熱交換器12に対応して室外側四方弁14を設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、冷暖房フリーマルチエアコン100に3つの室外熱交換器12と、2つの室外側四方弁14を備え、一方の室外側四方弁14には2つの室外熱交換器12を接続し、他方の室外側四方弁14には残り1つの室外熱交換器12を接続する構成としても良い。
また、本実施形態においては、冷媒流路切替手段として四方弁を用いることを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、2つの三方弁を使用して、四方弁と同じ機能を実現してもよい。
本実施形態においては、冷暖房フリーマルチエアコン100は、室内ユニット3を4台備える場合を例に挙げて説明するが、室内ユニット3の台数は特に限定されない。
【0030】
室外熱交換器12は、室外空気と熱交換するものであり、通過する冷媒の状態に応じて、凝縮器または蒸発器として動作する。各室外熱交換器12a,12bとレシーバ23との間の液管9との間であって、各室外熱交換器12a,12bの近傍には、それぞれ、室外側電子膨張弁13a,13bが設けられている。
室外側電子膨張弁13a,13bのレシーバ23側に接続された配管は、液管9の合流点9aにて合流するようになっている。
【0031】
圧縮機10は、要求される能力に応じて運転されるものである。圧縮機10は、室外熱交換器12からの低温低圧ガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒を作り出すものであり、本実施形態においては、従来(例えば、120rpsから140rps等)よりも高速(例えば、200rps等)で回転する超高速圧縮機としてスクロール圧縮機が用いられるとよい。
圧縮機10で圧縮された冷媒は、高圧ガス冷媒となり、高圧ガス管5へと吐出される。
【0032】
室外ユニット1内に位置する高圧ガス管5は、分岐点5a,5bにおいて分岐し、それぞれの分岐管6a,6bが高圧ガス管用ポート14−1において室外側四方弁14a,14bに接続されている。室外側四方弁14a,14bは、それぞれ、室外熱交換器12a,12bに接続される室外熱交換器側ポート14−2と、低圧ガス管7の分岐点7dにおいて低圧ガス管に合流する低圧ガス分岐管15a,15bに接続される低圧ガス管側ポート14−3と、ストレーナ17a,17b及びキャピラリチューブ18a,18bを介して低圧ガス分岐管15a,15bに接続されるバイパス管側ポート14−4とを備えている。室外側四方弁14a,14bは、接続される室外熱交換器12を高圧側または低圧側に切り替える。
【0033】
室外ユニット1内に位置する低圧ガス管7は、アキュームレータ20を介して、圧縮機10に接続されている。アキュームレータ20において回収された液冷媒は、液冷媒返送ライン22aによって圧縮機10に戻されるようになっている。
【0034】
室外熱交換器12a,12bは、室外側四方弁14a,14bに接続される側の反対側に、液管9が接続されている。室外ユニット1内の液管9は、液冷媒を貯留するレシーバ23と、冷房運転時に液管9を流れる冷媒に過冷却を与える過冷却器25とを備える。過冷却器25は、液管9を流れる液冷媒の一部を取り出し、膨張弁25aによって膨張気化させて冷却した冷媒によって、液管9を流れる液冷媒に過冷却を与えるようになっている。過冷却に用いられて気化したガス冷媒は、アキュームレータ20に返送される。
【0035】
室内ユニット3は、複数設けられており、各室内ユニットの構成は同等とされる。室内ユニット3は、室内空気と熱交換を行う室内熱交換器40を備える。室内熱交換器40と液管9とを接続する液冷媒用分岐管44には、膨張弁42が設けられる。各室内ユニット3には、高圧ガス管5及び低圧ガス管7の切り換えを行う分流コントローラ46が設けられる。
【0036】
分流コントローラ46は、室内側四方弁48を備えている。室内側四方弁48は、高圧ガス管5の主管から分岐された高圧ガス分岐管5cに接続される高圧ガス管用ポート48−1と、室内熱交換器40側に接続される室内熱交換器側ポート48−2と、低圧ガス管7の主管から分岐された室内側低圧ガス分岐管7cに接続される低圧ガス管用ポート48−3と、室内側低圧ガス分岐管7cの中途位置49に合流する低圧バイパス管50に接続される低圧バイパス管用ポート48−4とを有している。
【0037】
室内側四方弁48は、暖房運転時には、高圧ガス管用ポート48−1と室内熱交換器側ポート48−2とを連通し、かつ、低圧ガス管用ポート48−3と低圧バイパス管用ポート48−4とを連通する。こうして、暖房運転時には、高圧ガスを室内熱交換器40に供給する。
また、室内側四方弁48は、冷房運転時には、高圧ガス管用ポート48−1と低圧バイパス管用ポート48−4とを連通し、かつ、室内熱交換器側ポート48−2と低圧ガス管用ポート49−3とを連通する。こうして、冷房運転時には低圧ガスを室内熱交換器40に供給する。
【0038】
室内側四方弁48の上流側の高圧ガス分岐管5cには、高圧ガス分岐管用開閉弁52が設けられる。高圧ガス分岐管用開閉弁52を迂回するように高圧ガス分岐管用バイパス流路54が形成されており、高圧ガス分岐管用バイパス流路54には第1キャピラリチューブ55が設けられる。
室内側四方弁48の下流側の低圧バイパス管50には、第2キャピラリチューブ57が設けられる。
高圧ガス分岐管用バイパス流路54の上流側の高圧ガス分岐管5cと低圧バイパス管50の下流側(中途位置49の下流側)の室内側低圧ガス分岐管7cとの間には、高低圧バイパス管(バイパス管)58が設けられる。高低圧バイパス管58には、高圧ガス分岐管5c側から室内側低圧ガス分岐管7c側に向かって、高低圧バイパス管用開閉弁60と第3キャピラリチューブ62とが順に設けられる。
【0039】
制御装置70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。また、制御装置70は、室外ユニット1に備えられている。
【0040】
具体的には、制御装置70は、判定部(判定手段)71と、流路設定部(流路設定手段)72と、制御部(制御手段)73とを備えている。図2は、本実施形態に係る冷暖房フリーマルチエアコン100を制御する制御装置70の電気的構成を示すブロック図である。また、冷暖房フリーマルチエアコン100は、図示しない検出部において、圧縮機10の回転数指令値及び実回転数、各室内ユニット3の運転容量等を検出している。
判定部71は、所定期間内で室内ユニット3の運転の切り替えが行われ、運転切替後の圧縮機10の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数(例えば5倍)を超えるか否かを判定し、判定結果を流路設定部72に出力する。
室内ユニット3の運転の切り替えとは、室内ユニット3を運転状態から停止すること、室内ユニット3を停止状態から運転開始させること、室内ユニット3の運転台数が変更されること等を含む。
【0041】
また、室内ユニット3の運転台数に応じて運転容量が変動することを勘案し、室内ユニット3の運転の切り替え前後における運転容量の合計値に基づいて割合が所定倍数(例えば5倍)を超えるか否か判定しても良い。具体的には、判定部71は、各室内ユニットの運転容量を検出し、運転切替後の室内ユニット3の運転容量の合計である第1運転容量合計値に対する運転切替前の室内ユニット3の運転容量の合計である第2運転容量合計値の割合が、所定倍数(例えば5倍)を超えるか否かを判定する。
このように、室内ユニット3の運転の切り替えに応じて圧縮機10の回転数で割合を判定するだけでなく、室内ユニット3の運転台数に応じて変化する運転容量に基づいて割合が所定倍数(例えば5倍)を超えるか否かを判定しても良い。
【0042】
また、判定部71は、圧縮機10の回転数が目標回転数に到達したか否かを判定し、判定結果を流路設定部72に出力する。
また、判定部71は、冷暖房フリーマルチエアコン100に対する運転要求に対し、凝縮器及び蒸発器の能力が、現在運転している室外熱交換器12によって充足しているか否かを判定し、判定結果を流路設定部72に出力する。
なお、運転切替後の圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の圧縮機回転数指令値の割合が所定倍数(例えば5倍)を超える場合とは、例えば、運転切替後の圧縮機回転数指令値が運転切替前に比べて十分小さい値となった場合である。
【0043】
流路設定部72は、割合が所定倍数(例えば5倍)を超えると判定された場合に、少なくとも一の室外熱交換器12に接続される室外側四方弁14を、高圧切替設定から低圧切替設定にする、または低圧切替設定から高圧切替設定にする。例えば、全ての室内ユニット3が冷房運転されている場合に、全ての室外側四方弁14が高圧切替設定とされており、割合が5倍を超えると判定された場合に、少なくとも一の室外熱交換器12に接続された室外側四方弁14を低圧切替設定に切り替える。また、全ての室内ユニット3が暖房運転されている場合に、全ての室外側四方弁14が低圧切替設定とされており、割合が5倍を超えると判定された場合に、少なくとも一の室外熱交換器12に接続された室外側四方弁14を高圧切替設定に切り替える。
【0044】
高圧切替設定では、室外側四方弁14a,14bは、高圧ガス管用ポート14−1と室外熱交換器側ポート14−2を連通させ、低圧ガス管側ポート14−3とバイパス管側ポート14−4とを連通させる。従って、高圧ガス管用ポート14−1に流れ込んだ高圧ガス冷媒は、室外熱交換器側ポート14−2を流通して、室外熱交換器12a,12bに導かれる。
【0045】
低圧切替設定では、室外側四方弁14a,14bは、高圧ガス管用ポート14−1とバイパス管側ポート14−4とを連通させ、室外熱交換器側ポート14−2と低圧ガス管側ポート14−3とを連通させる。従って、室外側四方弁14a,14bに流れ込んだ高圧ガス冷媒は、バイパス管側ポート14−4を通って、キャピラリチューブ18a,18bで減圧された後、室外側低圧ガス分岐管15a,15bに合流する。室外側低圧ガス分岐管15a,15b内の低圧ガス冷媒は、アキュームレータ20を通過して、再び圧縮機10に戻される。また、室外熱交換器12a,12bから導かれる低圧ガス冷媒も、室外側四方弁14a,14bを介して室外側低圧ガス分岐管15a,15bに流れるようになっている。
なお、高圧切替設定・低圧切替設定を切り替える室外側四方弁14の選定については、例えば、それぞれ接続される室外熱交換器12の容量等、所定の条件に応じて選定される。
【0046】
また、流路設定部72は、低圧切替設定と高圧切替設定を元の状態から切り替えた状態を継続させると、所定期間経過後に圧縮機10の回転数が目標回転数に到達する。目標回転数に到達した場合には、制御部73によって、流路設定部72の切り替えにより蒸発器と凝縮器が入れ替えられた室外熱交換器12に接続される室外側電子膨張弁13が閉じられる。このとき、複数の室外熱交換器12のうち、室外側電子膨張弁13を閉じられた室外熱交換器12には冷媒が流通しないので室外熱交換器12は停止された状態となり、室外側電子膨張弁13を閉じる制御をしていない他の室外熱交換器12は運転を継続している状態となる。その後、冷暖房フリーマルチエアコン100に対する運転指令に対し、室外熱交換器12の能力が充足しているか否かに応じて、流路設定部72が低圧切替設定と高圧切替設定を切り替える。
【0047】
例えば、冷房運転時に、室外ユニット1の室外熱交換器12a,12bは凝縮器として運転しているが、流路設定部72によって一方の室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14b)が高圧切替設定から低圧切替設定に切り替えられると、その室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14b)に接続される室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)は蒸発器に切り替えられ、低圧側とされる。それにより、室外熱交換器12aは凝縮器(高圧側)として運転され、室外熱交換器12bは蒸発器(低圧側)として運転され、所定期間経過後に圧縮機10の回転数が目標回転数に到達すると蒸発器とされている熱交換器の室外側電子膨張弁13が閉じられる。
【0048】
その後、凝縮器として運転中の室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)の能力が充足しているか否かに応じ、必要に応じて停止中の室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)を凝縮器として再度運転をさせるか否かが決定される。停止した室外熱交換器12を再度凝縮器として運転させるには、流路設定部72により低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えを行い、停止した室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)を高圧側にし、凝縮器として運転させる。
【0049】
次に、上記構成の冷暖房フリーマルチエアコン100について、各運転モードに応じてその動作を説明する。以下に説明するように、本実施形態にかかる冷暖房フリーマルチエアコンは、要求される凝縮能力及び蒸発能力に応じて、室外熱交換器12の動作を適宜変更するものである。
【0050】
[全台冷房運転]
例えば、夏季のように、全ての室内ユニット3において冷房運転が選択されている場合の動作について、図1を用いて説明する。この場合、2つの室外熱交換器12a,12bは凝縮器として動作する。
圧縮機10によって圧縮された高圧ガス冷媒は、高圧ガス管5の分岐点5a,5bで分岐して、各室外側四方弁14a,14bに流入する。一方、高圧ガス冷媒の一部分(ごく少量)は、室内ユニット3へと接続される高圧ガス管5を通って室内ユニット3に流れる。
【0051】
室外側四方弁14a,14bは、高圧切替設定では、高圧ガス管用ポート14−1と室外熱交換器側ポート14−2が連通され、低圧ガス管側ポート14−3とバイパス管側ポート14−4とが連通されている。従って、高圧ガス管用ポート14−1に流れ込んだ高圧ガス冷媒は、室外熱交換器側ポート14−2を流通して、室外熱交換器12a,12bに導かれる。一方、低圧ガス管側ポート14−3とバイパス管側ポート14−4とが連通され、室外側低圧ガス分岐管15a,15bを通る流路は閉ループとされており、室外側低圧ガス分岐管15a,15bには高圧ガス冷媒は流れず、低圧ガス管7の分岐点7dから低圧ガス冷媒は流れ込まない。このとき、室外側低圧ガス分岐管15a,15b内は低圧ガス冷媒が満たされた状態となっている。
【0052】
室外熱交換器12a,12bに流れ込んだ高圧ガス冷媒は、外気と熱交換して放熱し、凝縮液化される。凝縮液化した高圧液冷媒は、レシーバ23を通過し、過冷却器25で過冷却された後、液管9を通って室内ユニット3に導かれる。
室内ユニット3側に流れ込んだ高圧液冷媒は、各室内ユニット3に接続された液冷媒用分岐管44に分岐した後、各室内ユニット3の膨張弁42で絞られて膨張される。その後、液冷媒は室内熱交換器40で蒸発して、室内空気から熱を奪い冷却する。蒸発気化した低圧ガス冷媒は、分流コントローラ46の室内側四方弁48に流れ込む。室内側四方弁48は、高圧ガス管用ポート48−1と低圧バイパス管用ポート48−4とを連通し、かつ、室内熱交換器側ポート48−2と低圧ガス管用ポート49−3とを連通している。したがって、室内熱交換器40からの低圧ガス冷媒は、室内側四方弁48を通り、室内側低圧ガス分岐管7cに流れ込んだ後、主管である低圧ガス管7を通って室外ユニット1に導かれる。
【0053】
分流コントローラ46内では、高圧ガス冷媒について、次のような冷媒流れが形成されている。高圧ガス管5から各室内ユニット3に分岐した高圧ガス分岐管5cを通って流れ込んだ高圧ガス冷媒は、高圧ガス分岐管用開閉弁52が閉とされることにより、高圧ガス分岐管用バイパス流路54を通り、第1キャピラリチューブ55で減圧される。減圧されたガス冷媒は、室内側四方弁48を通り、低圧バイパス管50に流れ込み、第2キャピラリチューブ57で絞られて流量調整された後、中途位置49において室内側低圧ガス分岐管7cに合流する。このように、高圧ガス分岐管5cの高圧ガス冷媒を室内側四方弁48を介して流すようにしたので、高圧ガス分岐管5cにおいて高圧ガスが滞留することがなく、主管である高圧ガス管5において高圧ガスが滞留することがない。
【0054】
したがって、高圧ガス管5(もしくは高圧ガス分岐管5c)内で高圧ガス冷媒が放熱・凝縮してしまい、液冷媒が高圧ガス管5内に溜まり込むことが防止される。
一方、分流コントローラ46の高低圧バイパス管用開閉弁60は閉とされていることにより、高低圧バイパス管58には高圧ガス冷媒が流れない。
低圧ガス管7を通って室外ユニット1に流れ込んだ低圧ガス冷媒は、アキュームレータ20で液冷媒が除去された後、圧縮機10に戻される。
【0055】
[全台冷房運転から、1台冷房運転に運転切替]
全台冷房運転では、要求される凝縮能力が大きいため、2つの室外熱交換器12a,12bが凝縮器として運転される。
室内ユニット3が全台(本実施形態では4台)冷房運転している状態から、所定期間内において室内ユニット3の運転の切り替えが行われ、3台の室内ユニット3は冷房運転が停止され、1台の室内ユニット3のみ冷房運転を継続しているとする。このときの制御装置70の動作フローを図3及び図4に示す。
冷暖房フリーマルチエアコン100の圧縮機回転数指令値をモニタしている(図3のステップSA1)。
冷暖房フリーマルチエアコン100の室内ユニット3の運転が切り替えられたか否かが判定される(図3のステップSA2)。室内ユニット3の運転が切り替えられていない場合には、ステップSA2の判定を所定タイミングで繰り返す。室内ユニット3の運転が切り替えられた場合には、運転切替後の圧縮機回転数指令値に対する運転切替後の圧縮機回転数指令値の割合がモニタされる(図3のステップSA3)。
【0056】
運転切替後の圧縮機回転数指令値に対する運転切替後の圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数(例えば5倍)を超えるか否かが判定される(図3のステップSA4)。割合が、5倍を超えていない場合には、現在の運転を継続する(図3のステップSA5)。割合が、5倍より大きいことが検出された場合には、冷房運転時には、少なくとも一の室外ユニット1の室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)に接続される室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14b)を、高圧切替設定から低圧切替設定にする。
【0057】
室内ユニット3が全台冷房運転している場合には、室外ユニット1側の室外熱交換器12は2つとも凝縮器として運転し高圧側となっているが、本実施形態においては、割合が5倍を超えたと判定された場合に、少なくとも一の室外ユニット1の室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14b)を低圧切替設定にする(図3のステップSA6)。こうすることで、低圧切替設定に切り替えられた室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14b)に接続される室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)を凝縮器から蒸発器として運転させるので、低圧側を補うことができ、低圧異常を防ぐ。
なお、高圧切替設定と低圧切替設定との切り替えが行われない室外側四方弁14に対する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)は、運転状態を維持するので、冷房運転時には高圧側(凝縮器)として運転を継続する。
【0058】
圧縮機10の実回転数がモニタされており、圧縮機10の回転数が目標回転数に到達したか否かが判定される(図3のステップSA7)。圧縮機10が目標回転数に到達していない場合には、ステップSA7を繰り返す。圧縮機10が目標回転数に到達したことが検出されると、制御部73により、高圧切替設定から低圧切替設定にされた室外側四方弁14に対する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)の室外側電子膨張弁13(例えば、室外側電子膨張弁13b)の開度が絞られ、閉状態にされる(図4のステップSA8)。室外側電子膨張弁13が閉状態にされると蒸発器として運転させていた室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)に冷媒が流通しなくなる。このとき、凝縮器として運転させている室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)は、運転を継続する。
【0059】
その後、冷暖房フリーマルチエアコン100の運転状態を監視し、冷房運転時に凝縮器として運転させている室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)の能力が充足しているか否かが判定される(図4のステップSA9)。室外熱交換器12の能力が充足している場合には、本処理を終了する(図4のステップSA9のYES)。室外熱交換器12の能力が充足していない場合には(図4のステップSA9のNO)、室外側四方弁14bを低圧切替設定から高圧切替設定に切り替え、閉状態にさせた室外側電子膨張弁13(例えば、室外側電子膨張弁13b)を徐々に開状態にして冷媒を流通させ、対応する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)を高圧側にし、凝縮器として再度運転させる(図4のステップSA10)。
【0060】
[全台暖房運転]
例えば、冬季のように、全ての室内ユニット3において暖房運転が選択されている場合の動作について、図1を用いて説明する。この場合、2つの室外熱交換器12a,12bは蒸発器として動作する。
圧縮機10によって圧縮された高圧ガス冷媒は、高圧ガス管5を通って室内ユニット3に導かれる。高圧ガス冷媒のごく一部は、高圧ガス管5の分岐点5a,5bにおいて分岐して各室外側四方弁14a,14bに流れ込む。室外側四方弁14a,14bは、高圧ガス管用ポート14−1とバイパス管側ポート14−4とが連通され、また、室外熱交換器側ポート14−2と低圧ガス管側ポート14−3とが連通されている。
【0061】
従って、室外側四方弁14a,14bに流れ込んだ高圧ガス冷媒は、バイパス管側ポート14−4を通って、キャピラリチューブ18a,18bで減圧され、室外側低圧ガス分岐管15a,15bで合流される。室外側低圧ガス分岐管15a,15b内の低圧ガス冷媒は、アキュームレータ20を通過して、再び圧縮機10に戻る。また、室外熱交換器12a,12bから導かれる低圧ガス冷媒も、室外側四方弁14a,14bを介して室外側低圧ガス分岐管15a,15bに流れるようになっている。
【0062】
高圧ガス管5によって室内ユニット3へと導かれた高圧ガス冷媒は、各高圧ガス分岐管5cを通過して、各分流コントローラ46に流れ込む。分流コントローラ46の室内側四方弁48は、高圧ガス管用ポート48−1と室内熱交換器側ポート48−2とを連通し、かつ、低圧ガス管用ポート48−3と低圧バイパス管用ポート48−4とを連通している。したがって、高圧ガス冷媒は、室内側四方弁48を通って室内熱交換器40に導かれ、この室内熱交換器40で凝縮・液化することによって室内空気に熱を与えて暖房を行う。
【0063】
室内熱交換器40で液化した高圧液冷媒は、液冷媒用分岐管44を通って、主管である液管9に合流する。この高圧液冷媒は、液管9によって室外ユニット1に導かれ、室外熱交換器12a,12bの上流側に位置する室外側電子膨張弁13a,13bによって減圧させられて低圧液冷媒とされた後に、室外熱交換器12a,12bに送られる。低圧液冷媒は、室外熱交換器12a,12bにおいて外気から熱を奪うことにより蒸発して低圧ガス冷媒とされる。低圧ガス冷媒は、上述のように、室外側四方弁14a,14bに導かれた後、低圧ガス分岐管15a,15bを通って圧縮機10に戻される。
【0064】
高圧ガス分岐管5cと低圧ガス分岐管7cとを連通する高低圧バイパス管58に設けられた高低圧バイパス管用開閉弁60は閉じられており、高低圧バイパス管58に冷媒は流れない。
【0065】
[全台暖房運転から1台暖房運転に運転切替]
このように、全台暖房運転では、要求される蒸発能力が大きいため、2つの室外熱交換器12a,12bが蒸発器として運転される。
室内ユニット3が全台(本実施形態では4台)暖房運転している状態から、所定期間内において室内ユニット3の運転の切り替えが行われ、3台の室内ユニット3は暖房運転が停止され、1台の室内ユニット3のみ暖房運転を継続しているとする。このときの制御装置70の動作フローを図3及び図4に示す。
冷暖房フリーマルチエアコン100の圧縮機回転数指令値をモニタしている(図3のステップSA1)。
冷暖房フリーマルチエアコン100の室内ユニット3の運転が切り替えられたか否かが判定される(図3のステップSA2)。室内ユニット3の運転が切り替えられていない場合には、ステップSA2の判定を所定タイミングで繰り返す。室内ユニット3の運転が切り替えられた場合には、運転切替後の圧縮機回転数指令値に対する運転切替後の圧縮機回転数指令値の割合が検出される(図3のステップSA3)。また、割合は、圧縮機の回転数により判断するだけでなく、運転する室内ユニット3の運転容量によって判断してもよい。
【0066】
運転切替後の圧縮機回転数指令値に対する運転切替後の圧縮機回転数指令値の割合が、所定倍数(例えば5倍)を超えるか否かが判定される(図3のステップSA4)。割合が、5倍を超えていない場合には、現在の運転を継続する(図3のステップSA5)。割合が、5倍より大きいことが検出された場合には、暖房運転時には、少なくとも一の室外ユニット1の室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)に接続される室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14a)を、低圧切替設定から高圧切替設定にする。
【0067】
室内ユニット3が全台暖房運転している場合には、室外ユニット1側の室外熱交換器12は2つとも蒸発器として運転し低圧側となっているが、本実施形態においては、割合が5倍を超えたと判定された場合に、少なくとも一の室外ユニット1の室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14a)を高圧切替設定にする(図3のステップSA6)。こうすることで、高圧切替設定に切り替えられた室外側四方弁14(例えば、室外側四方弁14a)に接続される室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)を蒸発器から凝縮器として運転させるので、高圧側を補うことができ、高圧異常を防ぐ。
なお、高圧切替設定と低圧切替設定との切り替えが行われない室外側四方弁14に対する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)は、運転状態を維持するので、暖房運転時には低圧側(蒸発器)として運転を継続する。
【0068】
圧縮機10の実回転数がモニタされており、圧縮機10の回転数が目標回転数に到達したか否かが判定される(図3のステップSA7)。圧縮機10が目標回転数に到達していない場合には、ステップSA7を繰り返す。圧縮機10が目標回転数に到達したことが検出されると、制御部73により、低圧切替設定から高圧切替設定にされた室外側四方弁14に対する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)の室外側電子膨張弁13(例えば、室外側電子膨張弁13a)の開度が絞られ、閉状態にされる(図4のステップSA8)。室外側電子膨張弁13が閉状態にされると凝縮器として運転させていた室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)に冷媒が流通しなくなる。このとき、蒸発器として運転させている室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)は、運転を継続する。
【0069】
その後、冷暖房フリーマルチエアコン100の運転状態を監視し、暖房運転時に蒸発器として運転させている室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12b)の能力が充足しているか否かが判定される(図4のステップSA9)。室外熱交換器12の能力が充足している場合には、本処理を終了する(図4のステップSA9のYES)。室外熱交換器12の能力が充足していない場合には(図4のステップSA9のNO)、室外側四方弁14aを高圧切替設定から低圧切替設定に切り替え、閉状態にさせた室外側電子膨張弁13(例えば、室外側電子膨張弁13a)を徐々に開状態にして冷媒を流通させ、対応する室外熱交換器12(例えば、室外熱交換器12a)を低圧側にし、蒸発器として再度運転させる(図4のステップSA10)。
【0070】
以上説明してきたように、本実施形態に係る冷暖房フリーマルチエアコン100の制御装置70、それを備えた冷暖房フリーマルチエアコン100、及びその制御方法並びに制御プログラムによれば、室外側四方弁14により圧縮機10の吐出側と室外熱交換器12側の経路が接続され高圧切替設定にされると、圧縮機10で圧縮され吐出された冷媒が高圧ガス冷媒となって室外熱交換器12に送られ、室外熱交換器12が高圧側にされる。室外側四方弁14により室内ユニット3とアキュームレータ20とを接続する経路の間に合流する経路と室外熱交換器12側とが接続され低圧切替設定にされると、室外熱交換器12からの冷媒がアキュームレータ20側に送られ、室外熱交換器12が低圧側にされる。
【0071】
冷暖房フリーマルチエアコン100において、所定期間内で、例えば室内ユニット3の運転台数が切り替えられ、運転切替後の圧縮機10の回転数の指令値である圧縮機回転数指令値に対する運転切替前の圧縮機回転数指令値の割合が所定倍数(例えば5倍)を超える場合、すなわち運転切替後の圧縮機回転数指令値が運転切替前に比べて十分小さい値となった場合において、室外側四方弁14が高圧切替設定から低圧切替設定に、或いは、低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えられる。
【0072】
これにより、冷房運転時に、室外ユニット1の室外熱交換器12が高圧切替設定から低圧切替設定に切り替えが行われれば、切り替えられた一部の室外熱交換器12で低圧側を補うように制御され、低圧異常を防ぐ。また、暖房運転時に、室外ユニット1の熱交換器12が低圧切替設定から高圧切替設定に切り替えが行われれば、切り替えられた一部の熱交換器12で高圧側を補うように制御され、高圧異常を防ぐ。こうして、室外ユニット1に設けられる複数の室外熱交換器12のうち一部の室外熱交換器12を、冷暖房フリーマルチエアコン100のシステムバランスに過渡的に用いて、圧縮機10の冷媒吐出温度の上昇を防ぐことができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。例えば、上記実施形態においては、室内ユニット3が全台運転状態から、1台の室内ユニット3のみが運転を継続し、それ以外の室内ユニット3が停止されたケースを例示して説明していたが、本発明は、室内ユニット3の制御台数をそれに限定するものでない。
【0074】
また、上記実施形態では、運転切替において圧縮機回転数指令値または室内機の運転容量を用いて判定を行うとしたが、室内機の運転容量に代えてそれに相当する値を用いるとしてもよい。室内機の運転容量に相当する値としては、例えば室内機が要求する周波数の合計値である室内機要求周波数合計などが挙げられる。
【符号の説明】
【0075】
10 圧縮機
12a,12b 室外熱交換器(熱交換器)
14a,14b 室外側四方弁(冷媒流路切替手段)
20 アキュームレータ
70 制御装置
71 判定部(判定手段)
72 流路設定部(流路設定手段)
100 冷暖房フリーマルチエアコン(マルチ型空気調和装置)
図1
図2
図3
図4