特開2018-206036(P2018-206036A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-206036車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206036(P2018-206036A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバ
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20181130BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20181130BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20181130BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20181130BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   B60W30/095
   B60W40/04
   B60T7/12 C
   G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-110354(P2017-110354)
(22)【出願日】2017年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】川邊 浩司
(72)【発明者】
【氏名】波多野 邦道
(72)【発明者】
【氏名】林部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】河島 光則
(72)【発明者】
【氏名】菅原 卓
【テーマコード(参考)】
3D241
3D246
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA02
3D241BA11
3D241BA12
3D241BA15
3D241BA30
3D241BA32
3D241BA33
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5H181AA01
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5H181CC03
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5H181MB08
5H181MC04
5H181MC11
5H181MC21
(57)【要約】
【課題】自車両から得られた情報を取り扱う際の通信容量及び処理負荷を効果的に低減可能な車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバを提供する。
【解決手段】車両制御システム10は、走行制御部58による走行制御の実行中に、状態検出部(車両センサ20、操作検出センサ26、外界センサ14又は内界センサ16)により検出された状態に関する送信条件が成立した場合、走行状態、操作状態又は環境状態を示す注意状態情報46を、通信装置18を介して走行支援サーバ200に向けて送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する走行制御部と、
前記走行制御部による前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を前記走行制御部における前記走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する状態抽出部とを備えること
を特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
外部装置との間で通信可能に構成される通信部と、
前記走行制御部による前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態に関する送信条件が成立した場合、前記走行状態、前記操作状態又は前記環境状態を示す状態情報を、前記通信部を介して前記外部装置に向けて送信する送信制御を行う通信制御部と、
を備えることを特徴とする車両制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記自車両に他物体が接触する際の前記走行状態若しくは前記環境状態、
前記自車両の制動量が所定値を超えた前記走行状態、
前記自車両のブレーキ操作量が所定値を超えた前記操作状態、又は
前記自車両の挙動が許容範囲から逸脱して変化した前記走行状態
のうちいずれかの状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記自車両のドライバにより、前記操舵制御に関わる前記操作デバイスへの接触又は操作が行われた前記操作状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項5】
請求項2に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記通信部、前記走行制御部、前記状態検出部又は前記操作デバイスのうち、いずれかの性能低下が生じた場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に影響を与えると予測される前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記移動物体又は前記移動可能物体が前記自車両の走行に与える影響度が閾値以上であると評価された前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項8】
請求項6に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、参照対象である環境状態のパターンと一致又は類似する前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項9】
請求項6に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、前記自車両を目標軌道に沿って走行させる前記走行制御を実行し、
前記状態抽出部は、前記移動物体又は前記移動可能物体が前記目標軌道を含む走行予定領域内に進入し、又は該走行予定領域内への進入が予測される前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行う
ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項10】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
前記状態抽出部は、少なくとも、
前記自車両の制動量が所定値を超えた前記走行状態、及び
前記自車両の周辺に移動物体又は移動可能物体がある前記環境状態
の両方の状態を、前記状態検出部が同時に検出した場合に前記抽出を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項11】
請求項2に記載の車両制御システムにおいて、
前記通信制御部は、前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に影響を与える度合いに応じて、前記状態情報のサンプリング間隔を可変に設定して前記送信制御を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両制御システムにおいて、
前記走行制御に関与する目標軌道を生成する軌道生成部をさらに備え、
前記軌道生成部は、参照対象である環境状態のパターンと一致又は類似する前記環境状態を前記状態検出部が検出した場合、前記パターンに基づいて前記目標軌道を生成する
ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項13】
請求項12に記載の車両制御システムにおいて、
前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に与える影響度を評価する影響度評価部をさらに備え、
前記軌道生成部は、前記影響度が相対的に低くなる前記目標軌道を生成する
ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項14】
自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップと、
前記制御ステップにおける前記走行制御の実行中に、前記検出ステップにおいて検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を前記制御ステップにおける前記走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する抽出ステップとを備えること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項15】
外部装置との間で通信可能に構成される通信部と、
自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する状態検出部と、
を備える車両制御システムを用いた車両制御方法であって、
前記状態検出部による検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップと、
前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態に関する送信条件が成立した場合、前記走行状態、前記操作状態又は前記環境状態を示す状態情報を、前記通信部を介して前記外部装置に向けて送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする車両制御方法。
【請求項16】
請求項2〜13のいずれか1項に記載された車両制御システムから送信された前記状態情報を蓄積可能に構成される走行支援サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車両の走行に関わる状態を検出し、その検出結果に基づいて自車両の周辺にある交通参加者との関係性を予測する技術が種々開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、センサ情報と衝突危険予測度の対応関係を事前に学習しておき、車両の交通シーン毎に取得したセンサ情報から当該車両がおかれる危険性を推定する車載装置が提案されている。また、車両とは別体のサーバが、各々の車両から収集した学習データ(例えば、センサ情報の時系列データ)を用いて上記した学習を行うことで、学習結果を共有化する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−059058号公報(図7、[0109]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、各種センサ情報と衝突危険度とを対応させて時系列で記憶するようにしているため、特定の条件に限らずデータを記憶することとなり、データ格納容量や処理負荷が増加し、製造コストの高騰につながるという問題がある。
【0006】
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、自車両から得られた情報を取り扱う際の処理負荷を効果的に低減可能な車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る車両制御システムは、自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する状態検出部と、前記状態検出部による検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する走行制御部と、前記走行制御部による前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を前記走行制御部における走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する状態抽出部と、を備える。
【0008】
このように、走行制御中に抽出条件に合致する場合に、車両内外の状態を走行制御用の学習データとして時系列に取得することにより、必要な情報を適切に抽出することができる。このため、自車両から得られた情報を取り扱う際の通信容量及び処理負荷を効果的に低減することができる。
【0009】
また、第1の本発明に係る車両制御システムは、外部装置との間で通信可能に構成される通信部と、前記走行制御部による前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態に関する送信条件が成立した場合、前記走行状態、前記操作状態又は前記環境状態を示す状態情報を、前記通信部を介して前記外部装置に向けて送信する送信制御を行う通信制御部と、を備えてもよい。
【0010】
このように、走行制御部による走行制御の実行中に、検出された状態に関する送信条件が成立した場合、走行状態、操作状態又は環境状態を示す状態情報を送信するので、送信条件の設定により注意度が相対的に高い交通シーンが特定され、かつ、当該交通シーンにおける状態情報のみを効果的に抽出及び送信可能となる。これにより、自車両から得られた情報を外部装置に送信する際の通信容量及び処理負荷を低減することができる。
【0011】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記自車両に他物体が接触する際の前記走行状態若しくは前記環境状態、前記自車両の制動量が所定値を超えた前記走行状態、前記自車両のブレーキ操作量が所定値を超えた前記操作状態、又は前記自車両の挙動が許容範囲から逸脱して変化した前記走行状態のうちいずれかの状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行ってもよい。これにより、自車両に他物体が接触した後の交通シーン又は自車両が他物体との接触を回避しようとする交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0012】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記自車両のドライバによって前記操舵制御に関わる前記操作デバイスへの接触又は操作が行われた前記操作状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行ってもよい。これにより、操舵操作が必要であると判断したドライバの意思を強く反映する交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0013】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記通信部、前記走行制御部、前記状態検出部又は前記操作デバイスのうち、いずれかの性能低下が生じた場合に前記抽出を行ってもよい。これにより、自車両の走行が一時的又は継続的に困難である交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0014】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に影響を与えると予測される前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記送信制御を行ってもよい。これにより、移動物体又は移動可能物体との接触を回避するための高度な走行判断が必要になる交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0015】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記移動物体又は前記移動可能物体が前記自車両の走行に与える影響度が閾値以上であると評価された前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行ってもよい。定量的な評価結果に基づいて移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0016】
また、前記状態抽出部は、参照対象である環境状態のパターンと一致又は類似する前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行ってもよい。環境状態のパターン一致性に基づいて移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0017】
また、前記状態抽出部は、前記自車両を目標軌道に沿って走行させる前記走行制御を実行し、前記状態抽出部は、前記移動物体又は前記移動可能物体が前記目標軌道を含む走行予定領域内に進入し、又は該走行予定領域内への進入が予測される前記環境状態を、前記状態検出部が検出した場合に前記抽出を行ってもよい。自車両が現在の走行状態を維持した場合において移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0018】
また、前記状態抽出部は、少なくとも、前記自車両の制動量が所定値を超えた前記走行状態、及び前記自車両の周辺に移動物体又は移動可能物体がある前記環境状態の両方の状態を、前記状態検出部が同時に検出した場合に前記抽出を行ってもよい。これにより、他物体との接触を回避する目的とは関係なく自車両がブレーキ動作を行った交通シーンを効果的に除外することができる。
【0019】
また、前記通信制御部は、前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に影響を与える度合いに応じて、前記状態情報のサンプリング間隔を可変に設定して前記送信制御を行ってもよい。これにより、各々の交通シーンに適したきめ細かい情報量の設定が可能となる。
【0020】
また、当該システムは、前記走行制御に関与する目標軌道を生成する軌道生成部をさらに備え、前記軌道生成部は、参照対象である環境状態のパターンと一致又は類似する前記環境状態を前記状態検出部が検出した場合、前記パターンに基づいて前記目標軌道を生成してもよい。これにより、環境状態のパターンを想定した適切な走行制御を行うことができる。
【0021】
また、当該システムは、前記自車両の周辺にある移動物体又は移動可能物体が前記自車両の走行に与える影響度を評価する影響度評価部をさらに備え、前記軌道生成部は、前記影響度が相対的に低くなる前記目標軌道を生成してもよい。これにより、自車両の走行に与える影響を可能な限り抑制した適切な走行制御を行うことができる。
【0022】
第2の本発明に係る車両制御方法は、自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップと、前記制御ステップにおける前記走行制御の実行中に、前記検出ステップにより検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を前記制御ステップにおける前記走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する抽出ステップとを備える。
【0023】
第3の本発明に係る車両制御方法は、外部装置との間で通信可能に構成される通信部と、自車両の走行状態、前記自車両に搭載される操作デバイスの操作状態、及び前記自車両の外部周辺又は該自車両の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する状態検出部と、を備える車両制御システムを用いた方法であって、前記状態検出部による検出結果に基づいて、前記自車両の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップと、前記走行制御の実行中に、前記状態検出部により検出された状態に関する送信条件が成立した場合、前記走行状態、前記操作状態又は前記環境状態を示す状態情報を、前記通信部を介して前記外部装置に向けて送信する送信ステップと、を備える。
【0024】
第4の本発明に係る走行支援サーバは、上記したいずれかの車両制御システムから送信された前記状態情報を蓄積可能に構成される。これにより、自車両から得られた情報を受信する際の通信容量及び処理負荷を効果的に低減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る車両制御システム及び方法、並びに走行支援サーバによれば、自車両から得られた情報を取り扱う際の通信容量及び処理負荷を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態における車両制御システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示す車両制御システムの動作説明に供されるフローチャートである。
図3】自車両が直線状の道路を走行している交通シーンを示す平面図である。
図4】判定処理に供される送信条件の一例を示す図である。
図5】トリガー時点の前後における通信制御部の動作を時系列的に示す図である。
図6図6A及び図6Bは、影響度の算出方法に関する説明図である。
図7】パターン情報の一例を示す図である。
図8】判定処理(図2のステップS5)の詳細フローチャートである。
図9】目標軌道、走行予定領域及び割り込み領域の間の位置関係を示す図である。
図10】本発明の一実施形態における走行支援サーバの構成を示すブロック図である。
図11図11Aは、注意状態情報の一形態である撮像画像を示す図である。図11Bは、学習データの一形態である抽象化画像を示す図である。
図12】学習処理に供される学習データ群を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る車両制御システムについて、車両制御方法及び走行支援サーバとの関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0028】
[車両制御システム10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御システム10の構成を示すブロック図である。車両制御システム10は、車両(図3等の自車両100、他車両114)に組み込まれており、かつ、自動又は手動により車両の走行制御を行う。この「自動運転」は、車両の走行制御をすべて自動で行う「完全自動運転」のみならず、走行制御を部分的に自動で行う「部分自動運転」を含む概念である。
【0029】
車両制御システム10は、基本的には、入力系装置群と、出力系装置群と、走行制御装置12と、から構成される。入力系装置群及び出力系装置群をなす各々の装置は、走行制御装置12に通信線を介して接続されている。
【0030】
入力系装置群は、外界センサ14(状態検出部)と、内界センサ16(状態検出部)と、通信装置18(通信部)と、ナビゲーション装置19と、車両センサ20(状態検出部)と、自動運転スイッチ22と、操作デバイス24に接続された操作検出センサ26(状態検出部)と、を備える。
【0031】
出力系装置群は、図示しない車輪を駆動する駆動力装置28と、当該車輪を操舵する操舵装置30と、当該車輪を制動する制動装置32と、視聴覚を通じてドライバに報知する報知装置34と、を備える。
【0032】
<入力系装置群の具体的構成>
外界センサ14は、車両の外界状態を示す情報(以下、外界情報)を取得し、当該外界情報を走行制御装置12に出力する。外界センサ14は、具体的には、カメラと、レーダと、LIDAR(Light Detection and Ranging;光検出と測距/Laser Imaging Detection and Ranging;レーザ画像検出と測距)と、を含んで構成される。
【0033】
内界センサ16は、車両の内界状態を示す情報(以下、内界情報)を取得し、当該内界情報を走行制御装置12に出力する。内界センサ16は、具体的には、車載装置の動作状態を検出するセンサ群と、車室内の状態を撮像可能な車内カメラと、を含んで構成される。
【0034】
通信装置18は、路側機、他の車両、及びサーバを含む外部装置と通信可能に構成されており、例えば、交通機器に関する情報、他の車両に関する情報、プローブ情報、地図情報42、パターン情報44又は注意状態情報46(状態情報)を送受信する。この地図情報42は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、或いはナビゲーション装置19に記憶される。また、後述するパターン情報44及び注意状態情報46は、記憶装置40の所定メモリ領域内に記憶される。
【0035】
ナビゲーション装置19は、車両の現在位置を検出可能な衛星測位装置と、ユーザインタフェース(例えば、タッチパネル式のディスプレイ、スピーカ及びマイク)を含んで構成される。ナビゲーション装置19は、車両の現在位置又はユーザによる指定位置に基づいて、指定した目的地までの経路を算出し、走行制御装置12に出力する。ナビゲーション装置19により算出された経路は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、経路情報48として記憶される。
【0036】
車両センサ20は、車両の走行速度(車速)を検出する速度センサ、縦加速度又は横加速度を検出する加速度センサ、垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、向き・方位を検出する方位センサ、勾配を検出する勾配センサを含み、各々のセンサからの検出信号を走行制御装置12に出力する。これらの検出信号は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、自車情報50として記憶される。
【0037】
自動運転スイッチ22は、例えば、押しボタン式のハードウェアスイッチ、又は、ナビゲーション装置19を利用したソフトウェアスイッチから構成される。自動運転スイッチ22は、ドライバを含むユーザのマニュアル操作により、複数の運転モードを切り替え可能に構成される。
【0038】
操作デバイス24は、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー、及び方向指示レバーを含んで構成される。操作デバイス24には、ドライバによる操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。
【0039】
操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込量(アクセル開度)、ステアリング操作量(操舵量)、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を走行制御部58に出力する。
【0040】
<出力系装置群の具体的構成>
駆動力装置28は、駆動力ECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)と、エンジン・駆動モータを含む駆動源から構成される。駆動力装置28は、走行制御部58から入力される走行制御値に従って車両の走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介して間接的に、或いは直接的に車輪に伝達する。
【0041】
操舵装置30は、EPS(電動パワーステアリングシステム)ECUと、EPS装置とから構成される。操舵装置30は、走行制御部58から入力される走行制御値に従って車輪(操舵輪)の向きを変更する。
【0042】
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであって、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータとから構成される。制動装置32は、走行制御部58から入力される走行制御値に従って車輪を制動する。
【0043】
報知装置34は、報知ECUと、表示装置と、音響装置とから構成される。報知装置34は、走行制御装置12から出力される報知指令に応じて、自動運転又は手動運転に関わる報知動作を行う。
【0044】
<運転モード>
ここで、自動運転スイッチ22が押される度に、「自動運転モード」と「手動運転モード」(非自動運転モード)が順次切り替わるように設定されている。これに代わって、ドライバの意思確認を確実にするため、例えば、2度押しで手動運転モードから自動運転モードに切り替わり、1度押しで自動運転モードから手動運転モードに切り替わるように設定することもできる。
【0045】
自動運転モードは、ドライバが、操作デバイス24(具体的には、アクセルペダル、ステアリングホイール及びブレーキペダル)の操作を行わない状態で、車両が走行制御装置12による制御下に走行する運転モードである。換言すれば、自動運転モードは、走行制御装置12が、逐次作成される行動計画に従って、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32の一部又は全部を制御する運転モードである。
【0046】
なお、ドライバが、自動運転モードの実行中に操作デバイス24を用いた所定の操作を行うと、自動運転モードが自動的に解除されると共に、自動運転の度合いが相対的に低い運転モード(手動運転モードを含む)に切り替わる。自動運転から手動運転へ移行させるために、ドライバが自動運転スイッチ22又は操作デバイス24を操作することを「テイクオーバー操作」ともいう。
【0047】
<走行制御装置12の構成>
走行制御装置12は、1つ又は複数のECUにより構成され、上記した記憶装置40の他、各種機能実現部を備える。この実施形態では、機能実現部は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)が、非一過性の記憶装置40に記憶されているプログラムを実行することにより機能が実現されるソフトウエア機能部である。これに代わって、機能実現部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路からなるハードウエア機能部であってもよい。
【0048】
走行制御装置12は、記憶装置40及び走行制御部58の他、外界認識部52と、行動計画作成部54と、軌道生成部56と、影響度評価部60と、通信制御部62と、を含んで構成される。
【0049】
外界認識部52は、入力系装置群により入力された各種情報(例えば、外界センサ14からの外界情報)を用いて、車両の両側にあるレーンマーク(白線)を認識し、停止線・信号機の位置情報、又は走行可能領域を含む「静的」な外界認識情報を生成する。また、外界認識部52は、入力された各種情報を用いて、駐停車車両等の障害物、人・他車両等の交通参加者、又は信号機の灯色を含む「動的」な外界認識情報を生成する。
【0050】
行動計画作成部54は、外界認識部52による認識結果に基づいて走行区間毎の行動計画(イベントの時系列)を作成し、必要に応じて行動計画を更新する。イベントの種類として、例えば、減速、加速、分岐、合流、交差点、レーンキープ、レーン変更、追い越しが挙げられる。ここで、「減速」「加速」は、車両を減速又は加速させるイベントである。「分岐」「合流」「交差点」は、分岐地点、合流地点又は交差点にて車両を円滑に走行させるイベントである。「レーン変更」は、車両の走行レーンを変更(つまり、進路変更)させるイベントである。「追い越し」は、車両に先行車を追い越させるイベントである。
【0051】
また、「レーンキープ」は、走行レーンを逸脱しないように車両を走行させるイベントであり、走行態様との組み合わせによって細分化される。走行態様として、具体的には、定速走行、追従走行、減速走行、カーブ走行、或いは障害物回避走行が含まれる。
【0052】
軌道生成部56は、記憶装置40から読み出した地図情報42、経路情報48及び自車情報50を用いて、行動計画作成部54により作成された行動計画に従う走行軌道(目標挙動の時系列)を生成する。この走行軌道は、例えば、位置、姿勢角、速度、加速度、曲率、ヨーレート、操舵角をデータ単位とする時系列データセットである。
【0053】
走行制御部58は、軌道生成部56により生成された走行軌道(目標挙動の時系列)に従って、車両を走行制御するための各々の走行制御値を決定する。そして、走行制御部58は、得られた各々の走行制御値を、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32に出力する。
【0054】
影響度評価部60は、外界認識部52による認識結果、記憶装置40から読み出したパターン情報44、又は軌道生成部56からの目標軌道を用いて、車両の走行に与える影響の度合いに関する評価処理を行う。そして、影響度評価部60は、得られた定量的又は定性的な評価結果を、行動計画作成部54又は通信制御部62に出力する。
【0055】
通信制御部62は、通信装置18を用いた各種情報の送信制御又は受信制御を行う。具体的には、通信制御部62は、状態抽出部64、条件判定部66、情報生成部68、及び送受信処理部70として機能する。
【0056】
[車両制御システム10の動作]
<全体の流れ>
本実施形態における車両制御システム10は、以上のように構成される。続いて、車両制御システム10の動作(特に、通信制御部62による送信動作)について、図2のフローチャートを主に参照しながら説明する。ここでは、車両制御システム10を搭載した自車両100が、自動又は手動により走行する場合を想定する。
【0057】
ステップS1において、通信制御部62は、通信装置18を介して外部装置からのパターン情報44を取得する。具体的には、送受信処理部70は、走行支援サーバ200(図10)からのパターン情報44を、通信装置18を介して受信する受信制御を行った後、受信した最新のパターン情報44を記憶装置40に記憶させる。
【0058】
ステップS2において、走行制御装置12は、自動運転モード(自動運転スイッチ22)が「オン」であるか否かを判定する。「オン」ではない(「オフ」である)と判定された場合(ステップS2:NO)、車両制御システム10は、図2のフローチャートをそのまま終了する。一方、「オン」であると判定された場合(ステップS2:YES)、次のステップS3に進む。
【0059】
ステップS3において、走行制御部58は、運転モードに応じた走行制御を開始する。これにより、走行制御部58は、自車両100の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する。
【0060】
ステップS4において、状態抽出部64は、走行状態、操作状態、及び環境状態のうち少なくとも1つの状態を取得する。具体的には、状態抽出部64は、車両センサ20から自車両100の走行状態を取得し、操作検出センサ26から操作デバイス24の操作状態をそれぞれ取得する。また、状態抽出部64は、外界センサ14から自車両100の外部周辺における環境状態を取得し、内界センサ16から自車両100の内部における環境情報をそれぞれ取得する。
【0061】
図3は、自車両100が直線状の道路102を走行している交通シーンを示す平面図である。2車線の道路102は、自車両100が走行する走行レーン104と、走行レーン104に対向する対向レーン106と、から構成される。本図は、自動車が「左側」走行する旨の取極めがなされている地域の道路を示す。
【0062】
自車両100の前方であって走行レーン104に接する路側帯108上には、移動又は停止している2人の歩行者110、112が存在する。また、対向レーン106上には、自車両100と対面して走行中の他車両114が存在する。
【0063】
ステップS5において、条件判定部66は、ステップS4で取得された少なくとも1つの状態に基づいて、送信条件の成否に関する判定処理を行う。この送信条件は、自車両100を含む車両にとって注意度が相対的に高い交通シーンを特定するための条件である。
【0064】
図4は、判定処理に供される送信条件の一例を示す図であり、6つの個別条件(個別条件1〜6)を具体的に示している。ここでは、6つの個別条件のうち少なくとも1つを満たした場合、送信条件が成立したものと判定する。なお、個別条件の総数・内容は本図の例に限られず、任意の個別条件を設定してもよいし、2つ以上の個別条件の組み合わせを同時に満たす場合に送信条件を成立させてもよい。
【0065】
ステップS6において、条件判定部66は、ステップS5の判定結果によって送信条件が成立したか否かについて確認する。送信条件が成立しなかった場合(ステップS6:NO)にはステップS4に戻って、以下、ステップS4〜S6を順次繰り返す。一方、送信条件が成立した場合(ステップS6:YES)には、次のステップS7に進む。
【0066】
ステップS7において、情報生成部68は、ステップS6にて送信条件が成立した時点(トリガー時点)の前後にわたってサンプリングした状態情報(すなわち、注意状態情報46)を生成する。この注意状態情報46には、例えば、カメラ画像の時系列データ(動画像)、位置情報、姿勢情報、及びタイムスタンプが含まれる。
【0067】
ステップS8において、送受信処理部70は、ステップS7で生成された注意状態情報46を、通信装置18を介して外部装置に向けて送信する。具体的には、送受信処理部70は、送信が未了であって記憶装置40から読み出した注意状態情報46を、通信装置18を介して走行支援サーバ200(図10)に向けて送信する送信制御を行う。
【0068】
図5は、トリガー時点の前後における通信制御部62の動作を時系列的に示す図である。時間軸の上側にはイベントの発生時点を表記すると共に、時間軸の下側には状態情報のサンプリング条件を表記する。
【0069】
先ず、送信条件の成立時点(トリガー時点)をt=t0とする。情報生成部68は、t=t1(>t0+Tf)の時点において注意状態情報46の生成処理を開始する。情報生成部68は、[1]t=t0以前の収集時間Tb分の情報(サンプリング間隔:Δb)と、[2]t=t0以後の収集時間Tf分の情報(サンプリング間隔:Δf)を纏めることで、合計の収集時間Ts(=Tb+Tf)分の注意状態情報46を生成する。そして、送受信処理部70は、t=t2(>t1)の時点において注意状態情報46の送信処理を行う。
【0070】
なお、収集時間Tb、Tfはいずれも、固定値(例えば、Tb=Tf=5s)であってもよいし、可変値(例えば、Tb<Tf)であってもよい。同様に、サンプリング間隔Δb、Δf(例えば、Δb>Δf)はいずれも、固定値であってもよいし可変値であってもよい。
【0071】
このようにして、車両制御システム10の動作(特に、通信制御部62による送信動作)が終了する。以下、図2のフローチャートを定期的又は不定期に実行することで、事後分析のために有用な注意状態情報46を適時に送信することができる。
【0072】
なお、通信制御部62は、自車両100の周辺にある移動物体又は移動可能物体が自車両100の走行に影響を与える度合い(後述する)に応じて、注意状態情報46のサンプリング間隔を可変に設定して送信制御を行ってもよい。これにより、各々の交通シーンに適したきめ細かい情報量の設定が可能となる。
【0073】
[判定処理の具体例(図2のステップS5)]
続いて、通信制御部62の条件判定部66による判定処理の具体例について、図6A図9を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
<条件1:自車両100に衝撃が加わった時>
通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、(a)自車両100に他物体が接触する際の走行状態若しくは環境状態、(b)自車両100の制動量が所定値を超えた走行状態、(c)自車両100のブレーキ操作量が所定値を超えた操作状態、又は(d)自車両100の挙動が許容範囲から逸脱して変化した走行状態のうちいずれかの状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。
【0075】
具体的な例として、条件判定部66は、加速度センサの検出値(瞬間値又は時系列)が閾値を上回ったことをトリガーとして、自車両100に衝撃が加わった時点、つまり、自車両100に他物体が接触した時点、或いは、手動又は自動により急ブレーキが発生した時点を検知してもよい。
【0076】
これにより、自車両100に他物体が接触した後の交通シーン又は自車両100が他物体との接触を回避しようとする交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な注意状態情報46を適時に抽出及び送信することができる。
【0077】
なお、条件1の改良策として、通信制御部62は、(b)自車両100の制動量が所定値を超えた走行状態、及び(e)自車両100の周辺に移動物体又は移動可能物体がある環境状態、の両方の状態を同時に検出した場合に送信制御を行ってもよい。これにより、他物体との接触を回避する目的とは関係なく自車両100がブレーキ動作を行った交通シーンを効果的に除外することができる。
【0078】
<条件2:テイクオーバーの発生時>
通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、自車両100のドライバによって操舵制御に関わる操作デバイス24への接触又は操作が行われた操作状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。
【0079】
具体的な例として、条件判定部66は、ステアリングホイールに設けられた把持センサの検出値が閾値を上回ったことをトリガーとして、テイクオーバーが発生した時点を検知してもよい。
【0080】
これにより、操舵操作が必要であると判断したドライバの意思を強く反映する交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な注意状態情報46を適時に抽出及び送信することができる。
【0081】
<条件3:性能低下の発生時>
通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、通信装置18、走行制御部58、状態検出部(外界センサ14、内界センサ16、操作検出センサ26)又は操作デバイス24のうち、いずれかの性能低下が生じた場合に送信制御を行ってもよい。
【0082】
ここで、「性能低下」とは、走行環境の変化に伴ってコンポーネントの機能が一時的に失陥した状態(つまり、機能失陥)であってもよいし、走行環境の変化に伴って自動による走行制御を継続することが困難な状態(つまり、性能限界)であってもよい。
【0083】
これにより、自車両100の走行が一時的又は継続的に困難である交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な注意状態情報46を適時に抽出及び送信することができる。
【0084】
<条件4:走行影響の認識時(1)>
通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、自車両100の周辺にある移動物体又は移動可能物体が自車両100の走行に影響を与えると予測される環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。これにより、移動物体又は移動可能物体との接触を回避するための高度な走行判断が必要になる交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0085】
ここでは、影響度評価部60は、各々の物体が自車両100の走行に与える影響度を定量的に評価する。以下、影響度の算出方法について、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。
【0086】
図6A及び図6Bにおいて、道路102上に自車両100及び他車両114があり、かつ、路側帯108上に歩行者110、112がいる点で共通している一方、歩行者112の姿勢(移動方向)及び他車両114の位置がそれぞれ異なっている。
【0087】
グラフの横軸は車幅方向の位置を示すと共に、グラフの縦軸は影響度を示す。影響度のグラフは、各々の物体の位置において極大値をとる3つのピークP1〜P3を有する。ピークP1は歩行者110に相当し、ピークP2は歩行者112に相当し、ピークP3は他車両114に相当する。
【0088】
図6Aに示す場合では、歩行者112の姿勢が走行レーン104の方を向いており、かつ、他車両114が自車両100に相対的に近い位置にある。つまり、ピークP2、P3の値は相対的に高くなっているため、グラフの一部分において所定の閾値を上回っている。このとき、歩行者112及び他車両114は、自車両100の走行に与える影響が大きいと予測される。
【0089】
図6Bに示す場合では、歩行者112の姿勢が走行レーン104とは反対側を向いており、かつ、他車両114が自車両100から相対的に遠い位置にある。つまり、ピークP2、P3の値は相対的に低くなっているため、グラフの全部分において所定の閾値を下回っている。このとき、歩行者110、112及び他車両114はいずれも、自車両100の走行に与える影響が小さいと予測される。
【0090】
このように、通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、移動物体又は移動可能物体が自車両100の走行に与える影響度が閾値以上であると評価された環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。これにより、定量的な評価結果に基づいて移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定される。
【0091】
<条件5:走行影響の認識時(2)>
条件4の場合と同様に、通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、自車両100の周辺にある移動物体又は移動可能物体が自車両100の走行に影響を与えると予測される環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。ここでは、影響度評価部60は、パターン情報44が示す環境状態のパターン(参照対象)と、実際に検出された環境状態との間の一致性を評価する。以下、パターン情報44の一例について、図7を参照しながら説明する。
【0092】
図7に示すように、パターン情報44は、交通シーンの時系列を示すスナップショットSS1〜SS4を含んで構成される。スナップショットSS1は、レーン118の路肩120上において、前方から順にトラック122及び乗用車124が縦に並んで停車しているところ、乗用車124の後方から自転車126が走行している状況を示す。
【0093】
例えば、自転車126は、前方にある乗用車124を避けるため、右方向に移動してレーン118側に寄りながら走行を継続しようとする(SS2)。これと同じタイミングで、トラック122の運転手128は、積み荷を取り出すために後部ドア130を開ける動作を行う(SS3)。そうすると、自転車126は、迫り出した後部ドア130を避けるため、さらに右方向に移動しながら走行を継続しようとする(SS4)。
【0094】
つまり、レーン118上を走行する自車両100がスナップショットSS1に示す環境状態にある場合、「SS1」の時点では自車両100が自転車126に接触する可能性が低いものの、「SS4」の時点では自車両100が自転車126に接触する可能性が高くなっている。
【0095】
このように、通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、参照対象である環境状態のパターンと一致又は類似する環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。環境状態のパターン一致性に基づいて移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0096】
<条件6:走行影響の認識時(3)>
条件4及び条件5の場合と同様に、通信制御部62(条件判定部66)は、少なくとも、自車両100の周辺にある移動物体又は移動可能物体が自車両100の走行に影響を与えると予測される環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。ここでは、影響度評価部60は、各々の物体が自車両100の走行予定領域142内に進入する可能性を評価する。以下、図8のフローチャート及び図9を参照しながら説明する。
【0097】
ステップS51において、行動計画作成部54は、外界認識部52の認識結果に基づき次の交通シーンを予測し、その予測結果に応じた行動計画を作成する。行動計画作成部54は、交通シーンの予測に際し、パターン情報44(図7)をさらに用いて、環境状態のパターン一致性を考慮してもよい。
【0098】
この場合、軌道生成部56は、参照対象であるパターンと一致又は類似する環境状態を検出した後、当該パターンに基づいて目標軌道140を生成することになる。これにより、環境状態のパターンを想定した適切な走行制御を行うことができる。
【0099】
ステップS52において、軌道生成部56は、ステップS51で予測された交通シーンに基づいて自車両100の目標軌道140を生成し、得られた目標軌道140を影響度評価部60に供給する。例えば、軌道生成部56は、影響度評価部60により評価された影響度が相対的に低くなる目標軌道140を生成してもよい。これにより、自車両100の走行に与える影響を可能な限り抑制した適切な走行制御を行うことができる。
【0100】
ステップS53において、影響度評価部60は、外界認識部52による認識結果及び軌道生成部56による目標軌道140を用いて、自車両100の走行予定領域142を決定する。
【0101】
ステップS54において、影響度評価部60は、ステップS53で定められた走行予定領域142に基づいて、両外側の割り込み領域144R、144Lをそれぞれ決定する。
【0102】
図9は、目標軌道140、走行予定領域142及び割り込み領域144R、144Lの間の位置関係を示す図である。走行予定領域142は、自車両100の目標軌道140を中心とする帯状の領域であり、車幅Wvを考慮した自車両100の軌跡に相当する。右側の割り込み領域144Rは、走行予定領域142の右側境界線に接しており、幅Wrを有する帯状の領域である。左側の割り込み領域144Lは、走行予定領域142の左側境界線に接しており、幅Wlを有する帯状の領域である。
【0103】
なお、幅Wv、Wr、Wlはいずれも、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。例えば、自車両100が高速で走行する場合には幅Wr、Wlを大きく設定し、自車両100が低速で走行する場合には幅Wr、Wlを小さく設定してもよい。
【0104】
ステップS55において、影響度評価部60は、自車両100の周辺に移動物体があるか否かを判定する。自車両100の周辺に移動物体が1つもない場合(ステップS55:NO)、影響度評価部60は、「条件6」を満たしていないと判定し(ステップS58)、図8のフローチャートを終了する。
【0105】
図9に示す例では、自車両100の周辺には歩行者110、112、他車両114があると判定されるので(ステップS55:YES)、次のステップS56に進む。
【0106】
ステップS56において、影響度評価部60は、ステップS55で確認された各々の移動物体に対して、走行予定領域142内に進入する可能性について予測する。ここでは、移動物体が走行予定領域142内にある場合に「走行予定領域142に進入している状態」とし、移動物体が割り込み領域144R、144L内にある場合に「走行予定領域142内への進入が予想される状態」とする。
【0107】
すべての移動物体に対して進入する可能性が低いと予測された場合(ステップS56:NO)、影響度評価部60は、「条件6」を満たしていないと判定し(ステップS58)、図8のフローチャートを終了する。
【0108】
一方、少なくとも1つの移動物体に対して進入する可能性が高いと予測された場合(ステップS56:YES)、影響度評価部60は、「条件6」を満たしていると判定し(ステップS57)、図8のフローチャートを終了する。
【0109】
このように、通信制御部62(条件判定部66)は、移動物体又は移動可能物体が目標軌道140を含む走行予定領域142内に進入し、又は、走行予定領域142内への進入が予測される環境状態を検出した場合に送信制御を行ってもよい。自車両100が現在の走行状態を維持した場合において移動物体又は移動可能物体と接触する確度が高い交通シーンが特定されるので、事後分析のために有用な状態情報を適時に抽出及び送信することができる。
【0110】
[車両制御システム10による効果]
以上のように、車両制御システム10は、[1]自車両100の走行状態、自車両100に搭載される操作デバイス24の操作状態、及び自車両100の外部周辺又は自車両100の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する状態検出部(車両センサ20、操作検出センサ26、外界センサ14又は内界センサ16)と、[2]状態検出部による検出結果に基づいて、自車両100の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する走行制御部58と、[3]走行制御部58による走行制御の実行中に、状態検出部により検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を走行制御部58における走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する状態抽出部64と、を備える。
【0111】
更に、[4]外部装置との間で通信可能に構成される通信装置18と、[5]走行制御の実行中に、検出された状態に関する送信条件が成立した場合、走行状態、操作状態又は環境状態を示す状態情報(注意状態情報46)を、通信装置18を介して外部装置に向けて送信する送信制御を行う通信制御部62と、を備える。
【0112】
また、この車両制御方法は、自車両100の走行状態、自車両100に搭載される操作デバイス24の操作状態、及び自車両100の外部周辺又は自車両100の内部における環境状態のうち、少なくとも1つの状態を検出する検出ステップと、検出ステップにおける検出結果に基づいて、自車両100の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップと、制御ステップにおける走行制御の実行中に、検出ステップにおいて検出された状態が、抽出条件に合致する場合、前記状態に関する情報を制御ステップにおける走行制御を修正するための学習データとして時系列に抽出する抽出ステップと、を備える。
【0113】
また、この車両制御方法は、[1]通信装置18と、[2]状態検出部(車両センサ20、操作検出センサ26、外界センサ14又は内界センサ16)と、を備える車両制御システム10を用いた方法であり、[3]状態検出部による検出結果に基づいて、自車両100の速度制御又は操舵制御において少なくとも一部を自動的に行う走行制御を実行する制御ステップ(S3)と、[4]走行制御の実行中に、検出された状態に関する送信条件が成立した場合、注意状態情報46を送信する送信ステップ(S8)と、を備える。
【0114】
このように、走行制御部58による走行制御の実行中に、検出された状態に関する送信条件が成立した場合、走行状態、操作状態又は環境状態を示す注意状態情報46を送信するので、送信条件の設定により注意度が相対的に高い交通シーンが特定され、かつ、当該交通シーンにおける注意状態情報46のみを効果的に抽出及び送信可能となる。これにより、自車両100から得られた情報を送信する際の通信容量及び処理負荷を低減することができる。
【0115】
[走行支援サーバ200の構成]
続いて、車両(例えば、図3の自車両100、他車両114)の走行を支援する走行支援サーバ200について、図10図12を参照しながら説明する。
【0116】
図10は、本発明の一実施形態における走行支援サーバ200の構成を示すブロック図である。走行支援サーバ200は、自車両100、他車両114に搭載された車両制御システム10から送信された注意状態情報46を蓄積可能に構成されるコンピュータである。具体的には、走行支援サーバ200は、サーバ側通信部202と、サーバ側制御部204と、サーバ側記憶部206と、を含んで構成される。
【0117】
サーバ側通信部202は、外部装置に対して電気信号を送受信するインターフェースである。これにより、サーバ側通信部202は、ネットワークNWを介して、自車両100(他車両114)から注意状態情報46を受信すると共に、自車両100(他車両114)に対してパターン情報44を送信する。
【0118】
サーバ側制御部204は、CPUを含む処理演算装置によって構成される。サーバ側制御部204は、図示しないメモリに記憶されているプログラムを読み出し実行することで、推論エンジン208、学習処理部210、及びパターン送信処理部212として機能する。
【0119】
ここで、推論エンジン208は、1つ以上の特徴量の入力を受け付けた後、学習処理により構築された演算規則に従って、車両の走行に与える「影響度」の予測結果を出力する。この推論エンジン208は、例えば、ニューラルネットワーク、機械学習、深層学習(ディープラーニング)を含む公知の人工知能技術を用いて構築されている。なお、学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習のうちのいずれの手法を採用してもよい。
【0120】
なお、推論エンジン208の演算規則は、パラメータの集合体であるパラメータ群218の値によって決定される。このパラメータ群218は、サーバ側記憶部206に格納され、必要に応じて適時に読み出される。階層型ニューラルネットワークを用いて推論エンジン208が構築されている場合、パラメータ群218は、例えば、ニューロンの応答関数を特定する係数、シナプス結合の重み付け係数、中間層の数、各層を構成するニューロンの個数を含んでもよい。
【0121】
サーバ側記憶部206は、非一過性であり、かつ、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で構成されている。サーバ側記憶部206には、例えば、2種類のデータベース、具体的には、注意状態情報46に関するデータベース(以下、注意状態情報DB214)と、学習データ224(或いは、パターン情報44)に関するデータベース(以下、学習パターンDB216)が構築されている。
【0122】
[走行支援サーバ200の動作]
本実施形態における走行支援サーバ200は、以上のように構成される。続いて、走行支援サーバ200の動作(特に、推論エンジン208の学習動作)について、図11A図12を参照しながら説明する。
【0123】
<STEP1.注意状態情報46の収集>
第1に、走行支援サーバ200は、複数の車両から逐次送信される注意状態情報46を収集する。具体的には、サーバ側制御部204は、ネットワークNW及びサーバ側通信部202を介して注意状態情報46を取得した後、注意状態情報DB214の更新(データの蓄積)を行う。上述した通り、走行支援サーバ200は、注意度が相対的に高い交通シーンにおける注意状態情報46のみを効果的に受信することができる。
【0124】
<STEP2.学習データ224の生成>
第2に、走行支援サーバ200は、蓄積された注意状態情報46に基づいて、推論エンジン208の学習処理に供される学習データ224を生成する。具体的には、学習処理部210は、注意状態情報46に対して所望の信号処理を施すことで、特徴量としての学習データ224を生成する。
【0125】
図11Aは、注意状態情報46の一形態である撮像画像220を示す図である。学習処理部210は、エッジ抽出処理・ラベリング処理を含む公知の画像処理を施すことで撮像画像220の形状又は色彩を抽象化し、抽象化画像222(学習データ224の一形態)を生成する。
【0126】
図11Bは、学習データ224の一形態である抽象化画像222を示す図である。抽象化画像222は、例えば、レーン領域R1、歩道領域R2、建物領域R3、信号機領域R4を含む。なお、移動物体に相当する画像領域、具体的には、車両領域R5及び自転車領域R6には、速度ベクトル及び姿勢(乗員の顔向き)が紐付けられている。
【0127】
このようにして、学習処理部210は、学習処理の入力値(特徴量)及び過去に分類済みの注意状態情報とを組み合わせた学習データ224を作成する。
【0128】
<STEP3.学習処理>
第3に、走行支援サーバ200は、生成された学習データ224の集合体(以下、学習データ群226という)を用いて、推論エンジン208の学習処理を行う。具体的には、学習処理部210は、学習データ224の正解(理想的な出力値)と、推論エンジン208による実際の出力値を比較し、出力値の誤差が小さくなるようにパラメータ群218の各値を更新する。
【0129】
図12は、学習処理に供される学習データ群226を模式的に示す図である。学習データ群226は、複数の観点(本図例では、カテゴリーA/B)で多次元的に分類されている。なお、矩形で示す要素は、各々の学習データ224に相当する。
【0130】
例えば、注意状態情報46を収集した結果、一致又は類似する分類において好ましい学習データ224を取得した場合、過去の学習データ228を新たな学習データ230に差し替えることで、当該分類における推論エンジン208の予測精度が向上する。また、未分類の学習データ224を取得した場合、新たな学習データ230を追加することで、当該分類における推論エンジン208の予測精度が向上する。
【0131】
<STEP4.パターン情報44の提供>
第4に、走行支援サーバ200は、逐次洗練される学習データ群226からパターン情報44を抽出した後、このパターン情報44を複数の車両に向けて提供する。具体的には、パターン送信処理部212は、車両からの要求に応じてパターン情報44を各々の車両に向けて送信する。そうすると、車両制御システム10は、サーバ側通信部202、ネットワークNW、及び通信装置18を介してパターン情報44を取得することができる。
【0132】
[走行支援サーバ200による効果]
以上のように、走行支援サーバ200は、車両制御システム10から送信された注意状態情報46を蓄積可能に構成される。つまり、この走行支援サーバ200は、注意度が相対的に高い交通シーンにおける注意状態情報46のみを効果的に受信可能となり、自車両100から得られた情報を受信する際の通信容量及び処理負荷を低減することができる。
【0133】
[補足]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。或いは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0134】
例えば、本実施形態では、車両制御システム10が行動計画又は走行軌道を生成しているが、装置構成はこの例に限られない。例えば、行動計画作成部54及び軌道生成部56(図1)の機能を走行支援サーバ200側にもたせてもよい。この場合、車両制御システム10は、走行支援サーバ200から逐次送信される行動計画又は走行軌道に基づいて自車両100の走行制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0135】
10…車両制御システム 12…走行制御装置
14…外界センサ(状態検出部) 16…内界センサ(状態検出部)
18…通信装置(通信部) 20…車両センサ(状態検出部)
22…自動運転スイッチ 24…操作デバイス
26…操作検出センサ(状態検出部) 28…駆動力装置
30…操舵装置 32…制動装置
40…記憶装置 44…パターン情報
46…注意状態情報(状態情報) 52…外界認識部
54…行動計画作成部 56…軌道生成部
58…走行制御部 60…影響度評価部
62…通信制御部 64…状態抽出部
66…条件判定部 68…情報生成部
70…送受信処理部 100…自車両
110、112…歩行者(移動物体) 114…他車両(移動物体)
140…目標軌道 142…走行予定領域
144R、144L…割り込み領域 200…走行支援サーバ(外部装置)
202…サーバ側通信部 204…サーバ側制御部
206…サーバ側記憶部 208…推論エンジン
210…学習処理部 212…パターン送信処理部
214…注意状態情報DB 216…学習パターンDB
218…パラメータ群 220…撮像画像
222…抽象化画像 224…学習データ
226…学習データ群 SS1〜SS4…スナップショット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12