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特開2018-207521移動体通信システム、基地局および移動端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207521(P2018-207521A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】移動体通信システム、基地局および移動端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20181130BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20181130BHJP
【FI】
   H04W8/22
   H04W28/16
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2018-160308(P2018-160308)
(22)【出願日】2018年8月29日
(62)【分割の表示】特願2017-5035(P2017-5035)の分割
【原出願日】2010年3月23日
(31)【優先権主張番号】特願2009-109312(P2009-109312)
(32)【優先日】2009年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】望月 満
(72)【発明者】
【氏名】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】三枝 大我
(72)【発明者】
【氏名】岩根 靖
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE24
(57)【要約】
【課題】複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信と、基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信とを適切に使い分けることによって、状況に適合させて性能を発揮できる移動体通信システムを提供する。
【解決手段】複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードを有する移動体通信システムであって、移動端末の能力に応じて、協調通信モードまたは非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行う。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードを有する移動体通信システムであって、
前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
他の基地局と協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードを有する基地局であって、
前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする基地局。
【請求項3】
他の基地局と協調して無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調することなく無線通信を行う非協調通信モードを有する複数の基地局との間で無線通信を行う移動端末であって、
前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局が複数の移動端末と無線通信を実施する移動体通信システム、ならびに該移動体通信システムを構成する基地局および移動端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
【0003】
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
【0006】
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目と6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
【0007】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
【0008】
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0009】
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
【0010】
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5(a)には下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5(b)には上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
【0011】
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5(b)に示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
【0012】
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
【0013】
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6(a)には下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6(b)には上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0014】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0015】
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献4 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために移動端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
【0016】
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(b)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
【0017】
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
【0018】
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home-NB、HNB)、Home−eNodeB(Home-eNB、HeNB)と称される基地局が検討されている。HNB/HeNBはUTRAN/E−UTRANにおける、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献6にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードのセルは、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
【0019】
3GPPにおいて、LTEアドバンス(LTE Advanced、LTE-A)と呼ばれるさらに進んだ新たな無線区間の通信方式が検討されている(非特許文献5)。LTE−Aは、LTEに従う無線区間の通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。新技術として、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、多地点協調送信受信技術(Coordinated Multiple Point transmission and reception、CoMP)などがある。
【0020】
LTE−Aのために検討されているCoMPとは、地理的に分離された多地点間で協調した送信あるいは受信を行うことで、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図る技術である。CoMPには下りCoMP(DL CoMP)と上りCoMP(UL CoMP)がある。
【0021】
DL CoMPでは、一つの移動端末(UE)へのPDSCHを多地点(マルチポイント)間で協調して送信する。一つのUEへのPDSCHを、マルチポイントの一つのポイントから送信しても良いし、マルチポイントの複数のポイントから送信しても良い。一つのポイントから送信される場合は、協調スケジューリング(Coordinate Scheduling、CS)、協調ビームフォーミング(Coordinate Beamforming、CB)とも称され、他のポイントから該UEへの下りリンクにおいてPDSCHが割当てられる物理リソースについて、送信停止や送信電力低減などを行なう。こうすることで、該UEへの干渉を低減して、該UEのPDSCHの受信品質を向上させる。
【0022】
マルチポイントの複数のポイントから送信する場合は、ジョイントプロセッシング(joint processing、JP)、ジョイントトランスミッション(joint transmission、JT)とも称され、該UEへのPDSCHを該マルチポイントの複数のポイントから同時に送信する。マルチポイントの複数のポイントから該UEへ送信されるPDSCHは同じものである。こうすることで、該UEは受信した複数のPDSCHを合成することができ、受信品質の向上を図ることが可能となる。物理チャネルPDSCHの物理リソース(リソースブロック)への割当て情報は、物理チャネルPDCCHにのせてUEへ送信される。
【0023】
マルチポイントで送信するユニット(セル)として、基地局(NB、eNB、HNB、HeNB)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)、リレー(Relay)などが検討されている。多地点協調送信を行なうユニット(セル)をマルチポイントユニット(マルチポイントセル)と称する。
【0024】
UL CoMPでは、一つの移動端末(UE)からの上りデータを多地点(マルチポイント)間で協調して受信する。マルチポイントで受信したデータを合成することによって、UEからの上り受信品質の向上を図ることができる。
【0025】
UL CoMPにおいて、物理チャネルPUSCHが、マルチポイント間で協調されて受信されることが検討されている。物理チャネルPUSCHの物理リソース(リソースブロック)への割当て情報は、物理チャネルPDCCHにのせてUEへ送信される。
【0026】
マルチポイントで受信するユニット(セル)として、基地局(NB、eNB、HNB、HeNB)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)、リレー(Relay)などが検討されている。多地点協調受信を行なうユニット(セル)をマルチポイントユニット(マルチポイントセル)と称する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.6.0
【非特許文献2】3GPP R1−072963
【非特許文献3】TR R3.020V0.6.0
【非特許文献4】3GPP TS36.304 V8.4.0
【非特許文献5】3GPP TR36.814 V0.2.0
【非特許文献6】3GPP S1−083461
【非特許文献7】3GPP R1−090529
【非特許文献8】3GPP TS36.331 V8.4.0
【非特許文献9】3GPP TS36.211 V8.6.0
【非特許文献10】3GPP TS36.213 V8.6.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の目的は、複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信と、基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信とを適切に使い分けることによって、状況に適合させて性能を発揮できる移動体通信システム、ならびに該移動体通信システムを構成する基地局および移動端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードを有する移動体通信システムであって、前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする移動体通信システムである。
【0030】
また本発明は、他の基地局と協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードを有する基地局であって、前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする基地局である。
【0031】
また本発明は、他の基地局と協調して無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調することなく無線通信を行う非協調通信モードを有する複数の基地局との間で無線通信を行う移動端末であって、前記移動端末の能力に応じて、前記協調通信モードまたは前記非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うことを特徴とする移動端末である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、移動端末の能力に応じて、複数の基地局が協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび基地局が他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードのいずれかを選択的に使用して無線通信を行うので、状況に適合させて性能を発揮できる移動体通信システムを実現することができる。
【0033】
また本発明によれば、基地局では、移動端末の能力に応じて、他の基地局と協調して移動端末との間で無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調することなく移動端末との間で無線通信を行う非協調通信モードのいずれかが選択的に使用されて無線通信が行われる。
【0034】
また本発明によれば、移動端末では、移動端末の能力に応じて、他の基地局と協調した基地局との間で無線通信を行う協調通信モードおよび他の基地局と協調しない基地局との間で無線通信を行う非協調通信モードのいずれかが選択的に使用されて無線通信が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。
図2】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
図3】MBSFNフレームの構成を示す説明図である。
図4】LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
図5】LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。
図6】LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。
図7】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
図8】本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。
図9】本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。
図10】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
図11】本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。
図12】LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。
図13】3GPPで検討されているDL CoMPの概念図である。
図14】LTE−Aにおける下り物理リソースを説明する図である。
図15】BCCHのマッピングされたPDSCHをCoMPする場合の説明図である。
図16】周辺セルとDL CoMPを行なっているセルの下り物理リソースの割当ての説明図である。
図17】報知情報の中のSIB1がのるBCCHの場合の物理リソース割当ての説明図である。
図18】ロジカルチャネル毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図である。
図19】サービングセルと、該セルとDL CoMPを行なう他のセルでの動作について説明する図である。
図20】ロジカルチャネル毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合のシーケンス図である。
図21】セル間インタフェースに限らず、コアネットワーク側とセル間のインタフェース、あるいは、MME間のインタフェースを用いた場合のシーケンス図である。
図22】DL CoMPを行う可能性のあるセル間で割当て不可能な物理リソース情報を通知する場合のシーケンス図である。
図23】情報毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図である。
図24】送信対象となるUEの状態に応じてDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図である。
図25】DL CoMP対応/非対応の分別を、セル毎に設定した場合の概念図である。
図26】DL CoMP対応/非対応の分別の設定を、セミスタティックに行なう場合の設定手順を説明する図である。
図27】UL CoMPの概念図である。
図28】UL CoMPを行う場合のシーケンス図である。
図29】UL CoMPの際に1つのセルからPUSCHの割当て情報を送信する方法の概念図である。
図30】UL CoMPの際に1つのセルからPUSCHの割当て情報あるいは上りHARQの判定結果を送信する方法のシーケンス図である。
図31】UL CoMPの際に上りHARQの判定結果が一つのセルから送信される場合の概念図である。
図32】UL CoMPを行なう全てのセルから同一の判定結果を送信する場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
【0037】
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
【0038】
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
【0039】
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
【0040】
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
【0041】
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
【0042】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
【0043】
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
【0044】
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
【0045】
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0046】
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
【0047】
LTE−A用の新技術としてDL CoMPが検討されている。図13に現在3GPPで検討されているDL CoMPの概念図を示す。マルチポイントユニット1(Unit1)1301、およびマルチポイントユニット2(Unit2)1302は、DL CoMPすなわち下り多地点協調送信を行なうユニットである。1304はUnit1によって構成されるセル1、1305はUnit2によって構成されるセル2である。1303はDL CoMPの対象となる移動端末(UE1)である。図13はジョイントプロセッシングの場合におけるDL CoMPを示してある。DL CoMPでは、マルチポイントセルの複数のポイントからある一つのUEへPDSCHを送信する。すなわち、セル1とセル2から該UE1へ同じPDSCHが送信される(1306、1307)。該UE1はセル1とセル2から送信されたPDSCHを合成し、受信品質の向上を図ることが可能となる。DL CoMPの目的である、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図るため、セルエッジに位置するUEがCoMPの対象になる。
【0048】
図14にLTE−Aにおける下り物理リソースを説明する図を示す。横方向が周波数、縦方向が時間を示している。LTE−Aの下り物理リソースの構成はLTEのそれと基本的に等しい。図では1サブフレームについて示してある。LTE(LTE−A)では1サブフレームを1TTI(Transmission Time Interval)としている。1サブフレームのうち、最初から1つあるいは2つあるいは3つのシンボルには、PDCCH、PHICH、PFICHが割当てられる(1401)。上記シンボルを除いた残りのシンボルにはPDSCHが割当てられる(1402)。従って、DL CoMPすなわち下り多地点協調送信が行なわれる物理リソースは、図14のPDSCHが割当てられる物理リソースとなる。
【0049】
DL CoMPを行なうセル(マルチポイントセル)間では同期がとられており、各セル(マルチポイントセル)から送信されるPDSCHには同じ物理リソース(リソースブロック)が割当てられる。これにより、図13に示す、UE1(1303)は受信したPDSCH(1306、1307)を合成することが可能となる。
【0050】
3GPPにおいて、DL CoMPを行う場合のPDSCH物理リソースの割当てを、サービングセル(あるいはアンカーセル)が行なうことが検討されている。DL CoMPはサービングセルを含めた複数のマルチポイントセルによって行なわれる。PDSCHが割当てられる物理リソースの割当て情報は、DL CoMPを行なうセルのいずれか一つのセルのPDCCHによりUEへ送信される。該いずれか一つのセルとしてサービングセルが検討されている。あるいは、DL CoMPの協調送信をスケジューリングするセルとしてアンカーセルが設けられた場合は、割当て情報を送信する一つのセルを該アンカーセルとすることが検討されている。
【0051】
PDSCHの物理リソースの割当て情報の通知方法は、3GPPにおいてまだ決められていないが、インタフェースX2および/またはインタフェースS1によって、サービングセル(アンカーセル)からDL CoMPを行う他のセルへ、PDSCHの物理リソースの割当てを前もって行うようにすれば良い。インタフェースX2は、セル(基地局)間のインタフェースであり、インタフェースS1はセルとコアネットワーク側(MEEなど)との間のインタフェースである。
【0052】
図5で示したように、PDSCHにマッピングされる下りトランスポートチャネルには、DL−SCHとPCHがある。DL−SCHにマッピングされる下りロジカルチャネルは図6で示したように、BCCH、CCCH、DCCH、DTCH、MCCH、MTCHである。一方、PCHにマッピングされる下りロジカルチャネルは図6で示したようにPCCHである。
【0053】
これらのロジカルチャネルは、その種類に応じて送信される対象UE数が異なる。例えば、BCCHには報知情報がのるので、セル傘下の全移動端末(UE)に報知される。また、DTCHにはある一つのUEへの個別データがのるので、セル傘下のある一つのUEのみに送信される。
【0054】
ロジカルチャネルが送信される対象のUE数が多くなると、DL CoMPを行う対象となるUE数も増大することになる。これは、送信対象のUE数の増大とともに、セルエッジに位置するUEの存在確率も増大するためである。DL CoMPを適用するUE数が増大すると、DL CoMPのために必要とする無線リソースが増大し、無線リソースの使用効率が大きく低下する。DL CoMPを適用するUEのスループットは増大するが、逆にシステムとしてのスループットが低下してしまうことになる。また、DL CoMPを適用するUEの数が増大すると、DL CoMPの協調送信をスケジューリングするセルから他のDL CoMPを行うセルへ通知する、DL CoMPを適用するUEへのPDSCHの物理リソースの割当て情報の情報量が増大するという課題が発生する。
【0055】
DL CoMP適用UE数の増大によりシステムとしてのスループットが低下する問題が生じてしまう例として、BCCHがDL CoMPされる場合を示す。
【0056】
BCCHには、セルのシステム情報など、セル傘下の全UEへ報知する情報がのる。BCCHはトランスポートチャネルDL−SCHにマッピングされ、さらに物理チャネルPDSCHにマッピングされて、セル傘下の全UEへ送信される。該PDSCHの物理リソース割当などのスケジューリングはセル毎に設定される。
【0057】
該セルをサービングセルとするどれか一つのUEがセルエッジに入った場合を考える。セルエッジに存在する該UEにDL CoMPを適用すると、CoMPを行なう他のセルからも同一の物理リソースでPDSCHが送信されることになる。該セルをサービングセルとするどれか一つのUEがどこかのセルエッジにいる可能性は高く、殆ど常時と言っても良い。従って、該セルのBCCHがマッピングされるPDSCHは、殆ど常時どこか周辺のセルとCoMPがなされることになる。これは、周辺のセルでも同様である。
【0058】
つまり、一つのセルをとってみると、該セルは該セルのBCCHをマッピングしたPDSCHだけでなく、周辺セルのBCCHをマッピングしたPDSCHも殆ど常時送信しなければならないことになる。
【0059】
図15に、BCCHのマッピングされたPDSCHをCoMPする場合の説明図を示す。1501はマルチポイントユニット1(セル1)で、その周辺に、マルチポイントユニット2(セル2)(1502)、マルチポイントユニット3(セル3)(1503)、マルチポイントユニット4(セル4)(1504)、マルチポイントユニット5(セル5)(1505)、マルチポイントユニット6(セル6)(1506)、マルチポイントユニット7(セル7)(1507)が配置されている。
【0060】
UE1(1508)はセル1をサービングセルとする移動端末である。同様に、UE2(1509)はセル2とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル2をサービングセルとする。UE3(1510)はセル3とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル3をサービングセルとする。UE4(1511)はセル4とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル4をサービングセルとする。UE5(1512)はセル5とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル5をサービングセルとする。UE6(1513)はセル6とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル6をサービングセルとする。UE7(1514)はセル7とセル1間のDL CoMP対象のUEであり、セル7をサービングセルとする。
【0061】
1515はセル1傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE1は該PDSCH(1515)を受信する。1522はセル2傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE2は該PDSCH(1522)を受信する。1523はセル3傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE3は該PDSCH(1523)を受信する。1524はセル4傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE4は該PDSCH(1524)を受信する。1525はセル5傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE5は該PDSCH(1525)を受信する。1526はセル6傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE6は該PDSCH(1526)を受信する。1527はセル7傘下のUEに対して送信されるBCCHのマッピングされたPDSCHである。UE7は該PDSCH(1527)を受信する。
【0062】
BCCHがマッピングされたPDSCH1516は、セル2からUE2へ送信されるとともに、DL CoMPによりセル1からUE2へ送信される。セル3〜セル7でも同様であり、BCCHがマッピングされたPDSCH1517〜1521は、セル3〜セル7からUE3〜UE7へ送信されるとともに、DL CoMPによりセル1からUE3〜UE7へ送信される。従って、この場合、セル1は、自セル(セル1)のBCCHがマッピングされたPDSCHだけでなく、周辺セルのBCCHがマッピングされたPDSCHも送信しなければならない。
【0063】
図16に、周辺セルとDL CoMPを行なっているセル1の下り物理リソースの割当ての説明図を示す。横軸は周波数を、縦軸は時間をそれぞれ示す。図では、横軸方向にシステム帯域を表示し、縦軸方向に14シンボルからなるサブフレームを複数表示している。1サブフレームは1TTIである。
【0064】
セル1(自セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#nの一部の領域1601に割当てられる。セル2(周辺セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#n+1の一部の領域1602に割当てられる。セル3(周辺セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#n+2の一部の領域1603に割当てられる。セル4(周辺セル)とセル5(周辺セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#n+3の一部の領域1604および領域1605に割当てられる。セル6(周辺セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#n+5の一部の領域1606に割当てられる。セル7(周辺セル)のBCCHがマッピングされたPDSCHは、サブフレーム#n+6の一部の領域1607に割当てられる。
【0065】
このように、セル1は自セルと周辺セルのBCCHのマッピングされたPDSCHを物理リソースに割当てて送信しなければならなくなり、無線リソースの使用効率を著しく低下させることになる。従って、CoMPを適用するUEのスループットは増大するが、逆にシステムとしてのスループットが低下してしまうことになる。
【0066】
図17は、報知情報の中のSIB1(System Information Block1)がのるBCCHの場合の物理リソース割当ての説明図である。領域1701は、セル1のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1702はセル2のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1703はセル3のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1704はセル4のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1705はセル5のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1706はセル6のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。領域1707はセル7のSIB1がマッピングされるPDSCHが割当てられた物理リソースである。SIB1がマッピングされるPDSCHが送信される無線フレームナンバ(SFN、System Frame Number)とサブフレームナンバが、全てのセルにおいて決められている。SIB1の初送は8の倍数のSFNのサブフレームナンバ5で、そのリピテションが他の全ての2の倍数のSFNのサブフレームナンバ5で送信される。
【0067】
従って、図のように、2の倍数のSFNのサブフレームナンバ5で、自セルのSIB1ののるBCCHがマッピングされるPDSCHだけでなく、CoMPを行なう周辺セルのSIB1がのるBCCHがマッピングされるPDSCHの物理リソースの割当てが行なわれることになる。
【0068】
このことは、無線リソースの使用効率を著しく低下させるだけでなく、無線リソースが足りなくて他のPDSCHの割当てが不可能となったり、あるいは、CoMPする周辺のセルのPDSCHすら割当てできなくなったり、といった場合が生じる。これは、システムとしてのスループットを低下させるだけでなく、システムとしての動作を不安定にしてしまう。
【0069】
上述のような問題を解消するため、本実施の形態では、ロジカルチャネルの種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示する。ここで、DL CoMPを対応とするとは、DL CoMPを用いて、すなわち複数の基地局が協調して送信を実施することを示す。DL CoMPを非対応とするとは、DL CoMPを用いないで、すなわち基地局が他の基地局と協調せずに送信を実施することを示す。
【0070】
このようにDL CoMPの対応/非対応をロジカルチャネルの種類に応じて分別しておくことで、ロジカルチャネルの送信対象UE数に応じてDL CoMPの対応/非対応を設定可能となるため、例えば上述したような、送信対象UE数が多い場合に生じる問題等を解消することが可能となる。また、通信方法に応じてきめ細やかにCoMP設定を行なうことが可能となるため、システムとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となり、従って、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。また、ロジカルチャネル毎に分別することで、基地局での制御が容易になるという効果、また、基地局間での協調送信制御を容易にできるという効果が得られる。
【0071】
例として、UEに対して個別に送信するロジカルチャネルとその他のロジカルチャネルで分別し、前者のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、後者のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする。
【0072】
セル傘下の全UEに対して一斉に報知するような情報がのるロジカルチャネルと異なり、一つのUEに対して個別に送信するロジカルチャネルは、該UEに対する送信データが発生した場合にのみ、該UEに対してのみ送信される。従って、該ロジカルチャネルを送信するUEがセルエッジにいる場合は少ない。従って、セルエッジにいる該UEに対してDL CoMPを行なったとしても、上述のような無線リソースの使用効率を著しく劣化させるようなことは無くなる。従って、あるひとつのUEに対して個別に送信するロジカルチャネルとそれ以外のロジカルチャネルで分別し、前者のロジカルチャネルをDL CoMP対応とし、後者のロジカルチャネルをDL CoMP非対応とすることで、DL CoMPによるスループットの増大が図れ、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。
【0073】
他の例として、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする。
【0074】
個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)は、一つのUEに対して個別に送信するロジカルチャネルなので、前述の例と同様の効果が得られる。さらに、DL CoMP対応のロジカルチャネルをDTCH、DCCHに限定することで、DL CoMPを適用するUE数の増加が抑制されるため、さらにシステムとしてのスループットの増大が可能となる。さらに、DL CoMPを適用するUEの通信状態が限定されることになるため、DL CoMP制御、すなわちマルチセル間の協調送信制御を容易にすることが可能となる。
【0075】
他の例として、報知用ロジカルチャネル(BCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、報知用ロジカルチャネル(BCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とする。
【0076】
報知用ロジカルチャネル(BCCH)は、セル傘下の全UEに一斉に報知される。ロジカルチャネルの中でもっとも前述のような問題を発生させるチャネルである。従って、該チャネル(BCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とすることで、無線リソースの使用効率の低下を抑え、他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHのDL CoMPによるスループットの増大により、システムとしてのスループットの増大が図れる。
【0077】
他の例として、MBMS用ロジカルチャネル(MTCH、MCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、MBMS用ロジカルチャネル(MTCH、MCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とする。
【0078】
MBMS用ロジカルチャネル(MTCH、MCCH)には、MBMSのために用いられ、MBMSデータや制御情報などMBMS関連情報がのる。一つのセルからMBMS関連情報を送信するシングルセル送信の場合に、該MBMS用ロジカルチャネルはDL−SCHにマッピングされ、PDSCHにマッピングされて、MBMS受信可能および/またはMBMSサービスを受けているUEに対して送信される。該セルのMBMSサービスを複数のUEが受信している場合もあるため、MBMS用ロジカルチャネル(MTCH、MCCH)が送信されるUE数は一つとは限らず、複数となる場合がある。対象となるUE数が多くなるため、MBMS用ロジカルチャネル(MTCH、MCCH)は、前述のような問題を発生させやすい。従って、該チャネル(MTCH、MCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とすることで、無線リソースの使用効率の低下を抑え、他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHのDL CoMPによるスループットの増大により、システムとしてのスループットの増大が図れる。
【0079】
他の例として、ページングメッセージ(paging message)用ロジカルチャネル(PCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、ページングメッセージ用ロジカルチャネル(PCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とする。
【0080】
ページングメッセージは、ページングに関する情報 および/または システム情報変更についての情報(BCCH modify情報) および/または ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)通知についての情報(ETWS indication)などを含む。従って、例えば、地震が発生して、ETWS通知が発生した場合、セルは、傘下のUEに対して一斉にページングメッセージを送信する。ページングメッセージはPCCHにのり、PCCHはPCHにマッピングされ、PDSCHにマッピングされて傘下のUEに対して一斉に送信される。周辺セルにおいてもETWS通知を送信しなければならないような場合にPCCHのマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とすると、ETWS通知時に、前述のようにDL CoMPするために多大な無線リソースを使用しなければならなくなる。このため、他のPDSCH、例えば、地震に被災したユーザなど逼迫した状況にあるユーザの通話用のPDSCHのための無線リソースの確保が不可能となってしまうことになる。このような問題を解消するため、ページングメッセージ(paging message)用ロジカルチャネル(PCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、ページングメッセージ用ロジカルチャネル(PCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする。こうすることで、無線リソースの使用効率の低下を抑え、他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHのDL CoMPによるスループットの増大により、システムとしてのスループットの増大が図れる。
【0081】
他の例として、報知用、MBMS用、ページングメッセージ用のロジカルチャネル(BCCH、MTCH、MCCH、PCCH)と、その他のロジカルチャネルで分別し、前者のロジカルチャネル(BCCH、MTCH、MCCH、PCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とするようにしても良い。こうすることで、CoMP対象となるUE数が多くなってしまうようなロジカルチャネルはCoMP非対応とし、CoMP対象となるUE数が少ない他のロジカルチャネルはCoMP対応とできる。これにより、無線リソースの使用効率の低下をさらに抑えられ、他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHのDL CoMPによるスループットの増大により、システムとしてのスループットのさらなる増大が図れる。
【0082】
次に、動作について開示する。本実施の形態では、ロジカルチャネルの種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示した。該ロジカルチャネルのどのロジカルチャネルをCoMP対応とするか非対応とするは、あらかじめ決めておく(predefined)。
【0083】
例として、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする場合について示す。
【0084】
図18に、ロジカルチャネル毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図を示す。1801から1805は図13の1301から1305と同様なので説明を省略する。UE1はセル1をサービングセル(あるいはアンカーセル)としている。図18ではジョイントプロセッシングの場合について示してある。図に示すように、PDSCHを、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)がマッピングされるPDSCHとその他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHを分別する。DL CoMP対象のUE1に対して、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)はDL CoMP対応とし、該ロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHは、DL CoMPを行なう複数のマルチポイントセル(セル1、セル2)からUE1へ送信される(1806、1807)。一方、DL CoMP対象のUE1に対して、その他のロジカルチャネルはDL CoMP非対応とし、該ロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHは、サービングセル(セル1)のみからUE1へ送信される(1808)。
【0085】
該UE1はセル1とセル2から送信された個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)がマッピングされるPDSCHを合成し、受信品質の向上を図ることが可能となる。一方、その他のロジカルチャネルはDL CoMP非対応のためUE1での受信品質の向上を図ることはできないが、前述のような無線リソースの使用効率の著しい低下がなくなる。従って、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)に対してDL CoMPの目的である、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上が図れ、さらに、無線リソースの使用効率の低下をなくして、システムにおけるスループットの増大を図ることが可能となる。
【0086】
図19に、サービングセルと、該セルとDL CoMPを行なう他のセルでの動作について一例を示す。サービングセルにおいて、ST1901でUE1へのPDSCH送信手順が開始されると、サービングセルは、まず、送信するロジカルチャネルを該ロジカルチャネルに対応したトランスポートチャネルへマッピングする(ST1902)。次に、該トランスポートチャネルをPDSCHへマッピングする(ST1903)。次に、サービングセルは、該PDSCHの物理リソースのスケジューリングを行なう(ST1904)。
【0087】
ST1905において、サービングセルは、該PDSCHを送信するUEがDL CoMP対象のUEかどうかを判断する。判断指標として、該UEがセルエッジに位置するかどうか、などとすると良い。また、サービングセルは、該UEに対して、どのセルとDL CoMPを行なうかを決定する。該UEがDL CoMP対象でないと判断した場合、PDCCHによってST1904で決定したPDSCHのスケジューリング情報を、また、該スケジューリング情報で示される物理リソースで該PDSCHを送信する(ST1908)。一方、ST1905で、該UEがCoMP対象であると判断した場合、ST1906で、送信するロジカルチャネルがDL CoMP対応か非対応かを判断する。
【0088】
該ロジカルチャネルがDL CoMP非対応の場合、ST1908で、PDCCH、PDSCHを送信する。ST1906で、送信するロジカルチャネルがDL CoMP対応であると判断した場合、ST1907でDL CoMPを行なう他のセルへ、送信データおよびPDSCHスケジューリング情報を送信する。その後、ST1908で、PDCCH、PDSCHを送信する。DL CoMPを行なう他のセルは、ST1907でサービングセルから送信された送信データおよびPDSCHスケジューリング情報を受信する(ST1909)。DL CoMPを行なう他のセルは、これらの情報あるいはいずれかを受信することで、該UEへのDL CoMPを起動するようにしておくと良い。該UEへのDL CoMPを起動したセル(DL CoMPを行なう他のセル)は、該UEへのPDSCH送信手順に入る。ST1910で、該他のセルは該UEへの送信データをPDSCHにマッピングする。ST1911で、該他のセルは該UEへのPDSCHスケジューリング情報にもとづいて、PDSCHをサービングセルと同じ物理ソースに割当て送信する。DL CoMP対象のUEはサービングセルおよびDL CoMPを行なう他のセルから送信されたPDSCHを受信する。
【0089】
ロジカルチャネルの種類に応じてDL CoMPの対応/非対応を分別することで、ST1907でサービングセルからDL CoMPする他のセルに送信するデータをロジカルチャネル毎のフォーマットで送信することが可能となり、さらに、ST1910で、DL CoMPを行う他のセルは、受信したデータがすでにロジカルチャネルのフォーマットとなっているため、該受信データを加工する必要なくPDSCHにマッピングすることが可能となる。従って、基地局での制御が容易になるという効果、また、基地局間での協調送信制御を容易にできるという効果が得られる。
【0090】
また、ここでは、ST1909で、DL CoMPを行なうセルがサービングセルから送信されたDL CoMP用のひとつあるいは複数の情報を受信することで、該UEへのDL CoMPを起動するようにしたが、ST1905で、サービングセルが、該UEがDL CoMP対象であると判断した際に、DL CoMPを行なうと決定したセルに対して、DL CoMP起動のための信号を送信しても良い。DL CoMPを行う他のセルは該信号を受信することで、該UEへのDL CoMPを起動する。
【0091】
こうすることで、該他のセルはDL CoMPを起動するための信号を明示的に受信可能となるので、誤動作が防止できる効果が得られる。該DL CoMP起動信号をPDSCHの割当が行なわれるサブフレームよりどれだけ前もって行なわれるか、その時間あるいはサブフレーム数あるいは無線フレーム数をあらかじめ決めておいても良い。それにより、該他のセルはDL CoMPを行なう無線フレームがわかるため、該他のセル傘下のUEへのスケジューリングとの調整をとりやすくすることが可能となる。
【0092】
図20に、ロジカルチャネル毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合のシーケンス図の一例を示す。図20(a)はDL CoMP対応のロジカルチャネルを送信する場合、図20(b)はDL CoMP非対応のロジカルチャネルを送信する場合である。個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)とその他のロジカルチャネルで分別し、個別ロジカルチャネル(DTCH、DCCH)がマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする場合の例について示している。
【0093】
図20(a)に示すように、DL CoMP対応のロジカルチャネルを送信する場合、サービングセル(セル1)は、DL CoMP対象のUE(UE1)に対してDTCH、DCCHがマッピングされるPDSCHを送信する前に、DL CoMPを行なう他のセルに対して、該DTCH、DCCHおよび、該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報を送信する(ST2001)。ST2001はセル間のインタフェースX2で行なうと良い。その後、サービングセルはPDCCHにより、該DTCH、DCCHのPDSCH割当て情報をUE1に対して送信する(ST2002)。サービングセルは該DTCH、DCCHのPDSCH割当て情報に従って、PDSCHを送信する(ST2003)。一方DL CoMPを行う他のセルは、ST2001で受信した該DTCH、DCCHをPDSCHにマッピングし、同じようにST2001で受信した該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報に従って、PDSCHを物理リソースに割当ててUE1に対して送信する(ST2004)。UE1は、ST2002でサービングセルより送信されたPDCCHを受信して自UE宛のPDSCHの物理リソースの割当て情報を検出し(ST2005)、検出した割当て情報をもとに、該PDSCHが割当てられている物理リソースを受信し、DTCH、DCCHを検出する(ST2006)。この際、UE1は、サービングセルとDL CoMPを行なう他のセルからの同じ物理リソースに割当てられたPDSCHを受信することとなり、受信品質が向上する。
【0094】
図20(b)に示すように、DL CoMP非対応のその他のロジカルチャネルを送信する場合、サービングセル(セル1)はその他のセルに対して、該ロジカルチャネルおよび、該ロジカルチャネルがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報を送信する必要は無い。従って、サービングセルはPDCCHにより、その他のロジカルチャネルのPDSCH割当て情報をUE1に対して送信する(ST2007)。サービングセルはその他のロジカルチャネルのPDSCH割当て情報に従って、PDSCHを送信する(ST2008)。UE1は、ST2007でサービングセルより送信されたPDCCHを受信して自UE宛のPDSCHの物理リソースの割当て情報を検出し(ST2009)、検出した割当て情報をもとに、該PDSCHが割当てられている物理リソースを受信し、該その他のロジカルチャネルを検出する(ST2010)。
【0095】
図20の例では、ST2001において、DL CoMP対応のロジカルチャネルを送信する場合に、サービングセル(セル1)が、該DTCH、DCCHおよび、該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報をDL CoMPを行なう他のセルに対して送信するのに、セル間インタフェース(X2)を用いた。
【0096】
セル間インタフェースに限らず、コアネットワーク側(MME)とセル間のインタフェース(S1)、あるいは、MME間のインタフェースを用いても良い。例えば、図21(a)のST2101、ST2102に示すようにしても良い。まず、サービングセルから該サービングセルを制御するMME(MME1)にS1インタフェースを用いて、該DTCH、DCCHおよび、該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報を送信する(ST2101)。続いて、MME1は、MME1が制御するDL CoMPを行う他のセルに送信する(ST2102)。これにより、MMEがDL CoMPを行なうセルを決めることが可能となり、そのような場合、例えサービングセルがDL CoMPを行なう他のセルを認識していなくてもDL CoMPを行なうことが可能となる。
【0097】
また、例えば、図21(b)のST2103、ST2104、ST2105に示すようにしても良い。まず、サービングセルから該サービングセルを制御するMME(MME1)にS1インタフェースを用いて、該DTCH、DCCHおよび、該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報を送信する(ST2103)。続いて、MME1は、MME間のインタフェースを用いて、DL CoMPを行なうセルを制御するMME2へ送信する(ST2104)。続いて、MME2が該DL CoMPを行う他のセルにS1インタフェースを用いて送信する(ST2105)。これにより、DL CoMPを行なうセルが、それらのセルを制御するMMEが異なっているような場合にも、DL CoMPを行なうことが可能となる。例えば、異なるトラッキングエリアに属するセル間でDL CoMPを行なうような場合に適用することで、DL CoMPが可能となる。これは、一般的に、トラッキングエリア毎にMMEが設けられる場合が多いためである。
【0098】
本実施の形態では、DL CoMP対応のロジカルチャネルを送信する場合、サービングセル(セル1)は、DL CoMP対象のUE(UE1)に対してDTCH、DCCHがマッピングされるPDSCHを送信する前に、DL CoMPを行なう他のセルに対して、該DTCH、DCCHおよび、該DTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH割当てスケジューリング情報を送信するとした(図20(a)のST2001)。これが行なわれる前に、DL CoMPをする可能性のある周辺セル間で、割当て不可能(あるいは可能であっても良い)な物理リソース情報を通知するようにしても良い。
【0099】
図22(a)に、DL CoMPをする可能性のある周辺セル間で必要な物理リソース情報を通知するシーケンス図の一例を示す。ST2201でDL CoMPをする可能性のある周辺セル間で、割当て不可能な物理リソース情報または割当て可能な物理リソース情報を通知する。DL CoMP対象のUEがどのセルとDL CoMPを行なうか、セルが既に認識している場合は、DL CoMP対象のUEに対してDL CoMPを行うセル間のみにて、割当て不可能な物理リソース情報を通知するようにしても良い。あるいは、割当て可能な物理リソース情報を通知するようにしても良い。
【0100】
こうすることで、DL CoMPを行うサービングセルは、PDSCHのスケジューリングに該情報を用いることが可能となり、他セルの物理リソース使用状況に応じてスケジューリングすることが可能となる。例えば、セル2が定期的に同じ物理リソースに何らかのPDSCHを割当てている場合、その情報をサービングセルに送信することで、サービングセルは該物理リソースにスケジューリングすることを避けて、DL CoMPするPDSCHをスケジューリングすることが可能となる。これにより、多地点間での協調送信制御を容易にでき、また、再スケジューリングの発生、また、それによる制御遅延などを防ぐことが可能となる。
【0101】
他の方法として、サービングセルが、DL CoMPを行う可能性のあるセル、またはDL CoMPを行うセルに対して、割当て不可能な物理リソース情報を要求する信号を送信しても良い。あるいは、割当て可能な物理リソース情報を要求する信号を送信しても良い。
【0102】
図22(b)に、サービングセルが割当て不可能(あるいは可能)な物理リソース情報を要求する信号を送信するシーケンス図の一例を示す。ST2202で、サービングセルからDL CoMPを行うセルに対して、割当て不可能(あるいは可能)な物理リソース情報を要求する信号を送信する。サービングセルから該信号を受信したセルは、サービングセルに対して、自セルの割当て不可能(あるいは可能)な物理リソース情報を送信する(ST2203)。ST2202で、サービングセルからDL CoMPを行うセルに対して信号を送信したが、DL CoMPを行なうセルをまだ認識していない場合は、DL CoMPを行なう可能性のあるセルに対して信号を送信するようにしても良い。こうすることで、DL CoMPを行うサービングセルは、PDSCHのスケジューリングに該情報を用いることが可能となり、他セルの物理リソース使用状況に応じてスケジューリングすることが可能となる。また、サービングセルから物理リソースの要求信号を送信するので、必要に応じてST2202やST2203で示した信号が送信されることになり、シグナリング容量の増大を防ぐことが可能となる。
【0103】
これらの、割当て不可能(あるいは可能)な物理リソース情報の通知、あるいは、割当て不可能(あるいは可能であっても良い)な物理リソース情報を要求する信号の送信は、実施の形態1で述べたような、セル間のインタフェース(X2)、あるいは、MMEとセル間のインタフェース(S1)、あるいは、MME間のインタフェースを用いて実施しても良い。また、MMEを介して行い、MMEがDL CoMPを行なう可能性のある各セルの割当て不可能な物理リソース情報を保持、管理し、DL CoMP対象となるUEのサービングセルはMMEから該情報を受信するようにしても良い。
【0104】
図22の例では、DL CoMPをする可能性のある周辺セル間で、割当て不可能(あるいは可能であっても良い)な物理リソース情報を通知するようにしたが、DL CoMP用に割当て不可能な物理リソースまたは割当て可能な物理リソースをあらかじめ決めておいても良い。該物理リソースとして、周波数領域で決めても良いし、または時間領域で決めても良い。周波数領域と時間領域両方を決めても良い。また、リソースブロック単位としても良い。該物理リソースの導出方法をあらかじめ決めておいても良い。システムとしてあらかじめ決めておくと良い。これにより、DL CoMPを行う可能性のあるセルまたはDL CoMPを行なうセルは、該物理リソース情報を共有することが可能となるため、ST2201、あるいは、ST2202、ST2203で行なうセル間での相互通知が不要となり、シグナリグ量の削減が可能となる。
【0105】
該物理リソースの導出方法をあらかじめ決めておく場合、導出するための入力パラメータとして、セル識別子(cell-ID、PCI)を用いても良い。この場合は、DL CoMPを行なう他のセルのセル識別子情報を認識するため、DL CoMPを行なう各セル間で相互に通知しておけば良い。または、周辺セル情報としてMMEより各セルに通知されても良い。いずれも少ない情報量のシグナリングで該物理リソースを導出可能となる。
【0106】
DL CoMP用に割当て不可能な物理リソースまたは割当て可能な物理リソースは、スタティック(static、静的)であっても良いし、セミスタティック(semi-static、準静的)であっても良い。セミスタティックの場合、該物理リソース情報、または、該物理リソース情報の適用時間(スタート、ストップ、有効期間など)情報等をDL CoMPを行う可能性のあるセルまたはDL CoMPを行なうセル間で相互に通知すれば良い。セミスタティックとすることで、DL CoMPを行なうたびに各セル間での通知が必要無くなるためシグナリグ量の削減が可能になるとともに、時間的に変動する電波伝搬環境やセル傘下の移動端末数などに適切に対応できるようになる。
【0107】
セミスタティックの場合の一例として、DL CoMP用に割当て不可能な物理リソースまたは割当て可能な物理リソースを何種類かあらかじめ決めておき、どの種類を用いるかを、該物理リソースの設定または変更の際に、DL CoMPを行う可能性のあるセルまたはDL CoMPを行なうセル間で相互に通知するようにしても良い。または、MMEが各セルに通知しても良い。これにより、どの種類かを示す情報などのように、少ない情報量の信号をセル間で通知するだけでよくなる。
【0108】
上述の情報の通知方法は、実施の形態1で述べたような、セル間のインタフェース(X2)、あるいは、MMEとセル間のインタフェース(S1)、あるいは、MME間のインタフェースを用いて実施しても良い。また、MMEを介して行い、MMEがこれらの情報を保持、管理しても良い。DL CoMP対象となるUEのサービングセルは該MMEからこれらの情報を受信するようにしても良い。
【0109】
本実施の形態では、ロジカルチャネルの種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示したが、トランスポートチャネルの種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別するようにしても良い。
【0110】
例えば、DL−SCHとその他のトランスポートチャネルで分別し、前者のトランスポートチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、後者のトランスポートチャネルがマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする。
【0111】
このようにDL CoMPの対応/非対応をトランスポートチャネルの種類に応じて分別しておくことで、トランスポートチャネルの送信対象UE数に応じてDL CoMPの対応/非対応を設定可能となり、送信対象UE数が多い場合に生じる問題等を解消することが可能となる。また、通信方法に応じてきめ細やかにCoMP設定を行なうことが可能となるため、システムとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となり、従って、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。
【0112】
セルにおける動作例として、図19に示すST1906の判断をロジカルチャネルではなく、トランスポートチャネルで判断するようにしておけば良い。また、ST1907で、サービングセルがDL CoMPを行う他のセルへ送信する送信データを、トランスポートチャネルにのるデータ単位としても良い。その場合、ST1908で、DL CoMPを行う他のセルは該トランスポートにのるデータ単位で送信されたサービングセルからの送信データを受信する。トランスポートチャネル毎に分別することで基地局での制御がさらに容易になるという効果、また、基地局間で送受信する情報をトランスポートチャネルにのるデータ単位とすることができるため、基地局間での協調送信制御を容易にできるという効果、また、サービングセルからトランスポートチャネル単位のデータを受信した基地局では、PDSCHへのマッピングや物理リソースへの割当て時間を短縮できるという効果、が得られる。
【0113】
実施の形態1 変形例1
実施の形態1では、ロジカルチャネルの種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示した。しかし、同じ種類のロジカルチャネルでも、それにのる情報の種類に応じて送信される対象UE数が異なる場合がある。
【0114】
例えば、PCCHにのる情報である。前述のように、PCCHにはページングメッセージがのり、ページングメッセージには、ページングに関する情報 および/または システム情報変更についての情報 および/または ETWS通知についての情報などが含まれる。ページングに関する情報は、着呼が生じたUEに送信する。しかし、システム情報変更についての情報やETWS通知についての情報は、システム情報が変更された場合やETWS通知が発生した場合に、セル傘下の全UEに通知することになる。従って、同じ種類のロジカルチャネルでも、それにのる情報の種類に応じて送信される対象UE数が異なる場合がある。
【0115】
ページングに関する情報は着呼が生じたUEに送信されるので、PCCHをDL CoMP対応とすると、PCCHにのるシステム情報の変更が生じた場合や、ETWS通知が発生した場合などに、PCCHをセル傘下の全UEに一斉に通知しなければならなくなる。PCCHはPCHにマッピングされ、PDSCHにマッピングされて傘下のUEに対して一斉に送信される。周辺セルにおいてもシステム情報が変更された場合やETWS通知を送信しなければならないような場合に、PCCHのマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とすると、DL CoMPするために多大な無線リソースを使用しなければならなくなってしまい、無線リソースの使用効率が著しく低下してしまい、システムとしてのスループットが低下する問題が生じる。さらには、前述のように地震に被災したユーザなど逼迫した状況にあるユーザの通話用の無線リソースの確保が不可能となってしまう問題が発生する。
【0116】
逆に、PCCHをDL CoMP非対応とすると、ページングに関する情報については本来受信品質を向上させることが可能なのに、できなくなってしまう、という問題が生じる。つまり、ページングに関する情報は、着呼が発生したUEに対してのみ送信されるため、本来はDL CoMPを対応させても前述のような問題は生じず、DL CoMP対応可能だからである。
【0117】
そこで、これらの問題を解消するため、本変形例1では、PDSCHにマッピングされる情報の種類に応じてDL CoMPを対応するか非対応とするかを分別することを開示する。このようにDL CoMPの対応/非対応を情報の種類に応じて分別しておくことで、情報の種類毎の送信対象UE数に応じてDL CoMPの対応/非対応を設定可能となる。したがって、例えば上述したような、同じ種類のロジカルチャネルでも送信対象UE数が多い場合と少ない場合(あるいは一つのUEだけの場合)があるような場合にも、それぞれのUE数に応じてきめ細やかにCoMP設定を行なうことが可能となる。また、情報の種類毎に設定を行なうことが可能となるため、サービス毎にDL CoMP対応/非対応の設定を行なうことも可能となる。このため、システムとしての無線リソースの使用を柔軟に制御することが可能となり、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。従って、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。
【0118】
例として、セル傘下の一つのUEに対して個別に送信しなければならない情報と、それ以外の情報とで、DL CoMP対応/非対応を分別する。
【0119】
具体例として、個別UE用ユーザ情報、個別UE用制御情報、共通制御情報、ページング情報をCoMP対応とし、その他の情報をCoMP非対応とする。個別UE用ユーザ情報はDTCHにのり、個別UE用制御情報はDCCHにのり、共通制御情報はCCCHにのり、DL−SCHにマッピングされてさらにPDSCHにマッピングされて送信される。ページング情報はPCCHにのり、PCHにマッピングされてさらにPDSCHにマッピングされて送信される。その他の情報、例えば、報知情報、システム情報変更情報、ETWS通知についての情報、MBMS関連情報などを、CoMP非対応とする。報知情報はBCCHにのりDL−SCHにマッピングされさらにPDSCHにマッピングされて送信される。システム情報変更情報とETWS通知についての情報はPCCHにのりPCHにマッピングされてさらにPDSCHにマッピングされて送信される。MBMS関連情報はMTCH、MCCHにのりDL−SCHにマッピングされてさらにPDSCHにマッピングされて送信される。上記のように情報の種類ごとに分別し、個別UE用ユーザ情報、個別UE用制御情報、共通制御情報、ページング情報がのるPDSCHをCoMP対応とし、その他の情報がのるPDSCHをCoMP非対応とする。こうすることで、送信される情報の種類ごと、サービス毎のDL CoMP対象となるUE数に応じてDL CoMP対応/非対応が分別されるため、システムとしての無線リソースの使用を柔軟に制御することが可能となり、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。従って、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。
【0120】
次に、動作について開示する。本変形例1では、送信される情報の種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示した。該送信される情報のどの種類をCoMP対応とするか非対応とするかは、あらかじめ決めておく(predefined)。
【0121】
例として、個別送信情報とその他の送信情報で分別し、個別送信情報がマッピングされるPDSCHをDL CoMP対応とし、その他の送信情報がマッピングされるPDSCHをDL CoMP非対応とする場合について示す。
【0122】
図23に、情報毎にDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図を示す。2301〜2305は、図13の1301〜1305と同様なので説明を省略する。図に示すように、PDSCHを、個別送信情報がマッピングされるPDSCHとその他の送信情報がマッピングされるPDSCHに分別する。DL CoMP対象のUE1に対して、個別送信情報はDL CoMP対応とし、該情報がマッピングされるPDSCHは、DL CoMPを行なう複数のマルチポイントセル(セル1、セル2)からUE1へ送信される(2306、2307)。一方、DL CoMP対象のUE1に対して、その他の送信情報はDL CoMP非対応とし、該情報がマッピングされるPDSCHは、サービングセル(セル1)のみからUE1へ送信される(2308)。
【0123】
該UE1はセル1とセル2から送信された個別送信情報がマッピングされるPDSCHを合成し、受信品質の向上を図ることが可能となる。一方、その他の送信情報はDL CoMP非対応のためUE1での受信品質の向上を図ることはできないが、前述のような無線リソースの使用効率の著しい低下がなくなる。従って、個別送信情報に対してDL CoMPの目的である、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上が図れ、さらに、その他の送信情報をCoMP非対応とすることで無線リソースの使用効率の低下をなくして、システムにおけるスループットの増大を図ることが可能となる。
【0124】
サービングセルと、該セルとDL CoMPを行なう他のセルの動作については、図19で示したフローチャートに以下のステップの追加と変更をすれば良い。ST1902の前に、送信する情報毎に対応するロジカルチャネルに該情報をのせる処理を行うステップを追加する。また、ST1906で、CoMP対応ロジカルチャネルかどうかを判断するところを、CoMP対応の送信情報か否かを判断するように変更する。こうすることで、送信する情報の種類に応じてDL CoMP対応/非対応を分別して送信することが可能となる。
【0125】
DL CoMP対応の送信情報と非対応の送信情報が同時に同じロジカルチャネルにのる場合がある。このような場合のDL CoMP対応/非対応をあらかじめ決めておくと良い。例えば、このような場合、DL CoMP非対応とする。こうすることで、前述のようなDL CoMP対象となるUE数が多い場合に生じる無線リソースの著しい低下を防ぐことが可能となる。
【0126】
別の方法として、DL CoMP対応の送信情報と非対応の送信情報は、異なるロジカルチャネルにのせるようにしておくと良い。同じ種類のロジカルチャネルだとしても、異なるロジカルチャネルにのせるようにすると良い。例えば、ページング情報とシステム情報変更情報を異なるPCCHにのせて送信するようにしておく。このようにすれば、情報種別毎にDL CoMP対応/非対応を分別することが可能となる。
【0127】
また、ロジカルチャネルにのる情報種別を表す情報を設け、該ロジカルチャネルにどの種類の送信情報がのっているか識別できるようにしておくと良い。
【0128】
本変形例1のシーケンス図の一例については、実施の形態1で開示した図20の“DTCH、DCCH”を“CoMP対応の情報ののるロジカルチャネル”と変更し、“その他のロジカルチャネル”を“その他の送信情報ののるロジカルチャネル”と変更すれば良い。
【0129】
実施の形態1 変形例2
実施の形態1変形例1では、送信される情報の種類に応じてDL CoMPを対応とするか非対応とするかを分別することを開示した。しかし、同じ種類の情報でも、送信対象となるUEの状態に応じて、要求される受信品質が異なっていても良い。
【0130】
このような目的を達成するために、本変形例2では、UEの状態に応じてDL CoMPを対応するか非対応とするかを分別することを開示する。
【0131】
例として、UEの状態に応じてDL CoMPを対応するか非対応とするかを分別し、RRC_ConnectedのUEへのPDSCHはCoMP対応とし、RRC_IdleのUEへのPDSCHはDL CoMP非対応とする。
【0132】
例えば、セル傘下の一つのUEに対して個別に送信しなければならない情報について示す。一つのUEに対して個別に送信しなければならない情報のうち制御情報は、その送信対象となるUEが待ち受け状態(RRC_Idle)と通話状態(RRC_Connected)の2通りが存在する。RRC_IdleのUEに対して送信される制御情報は、共通制御情報で、共通制御チャネル(CCCH)にマッピングされて送信される。一方、RRC_ConnectedのUEに対して送信される制御情報は、個別UE用制御情報で、個別制御チャネル(DCCH)にマッピングされて送信される。送信対象となるUEの状態に応じて要求受信品質が異なるような場合、例えば、RRC_Connectedの状態では高い受信品質が要求され、RRC_Idleの状態ではそれに比べて低い受信品質が要求されるような場合、本変形例で開示したように、この送信対象となるUEの状態がRRC_Connectedの場合はDL CoMP対応とし、RRC_Idleの場合はDL CoMP非対応とする。こうすることによって、送信対象となるUEの状態に応じて異なる要求受信品質を達成することが可能となる。また、UEの状態に応じてDL CoMPの対応/非対応を分別することが可能となるため、過度な受信品質を得るための不必要なDL CoMPを行なわないようにすることが可能となり、前述のような無線リソースの使用効率の低下を防ぐことが可能となる。
【0133】
図24に、送信対象となるUEの状態に応じてDL CoMP対応/非対応を分別した場合の概念図を示す。2401〜2405は、図13の1301〜1305と同様なので説明を省略する。図に示すように、送信対象となるUEがRRC_Connectedの状態で送信される情報がのるPDSCHと、送信対象となるUEがRRC_Idleの状態で送信される情報がのるPDSCHとを分別する。DL CoMP対象のUE1に対して、送信対象となるUEがRRC_Connectedの状態で送信される情報がのるPDSCHをDL CoMP対応とする。該情報がマッピングされるPDSCHは、DL CoMPを行なう複数のマルチポイントセル(セル1、セル2)からUE1へ送信される(2406、2407)。一方、DL CoMP対象のUE1に対して、送信対象となるUEがRRC_Idleの状態で送信される情報がのるPDSCHはDL CoMP非対応とする。該情報がマッピングされるPDSCHは、サービングセル(セル1)のみからUE1へ送信される(2408)。
【0134】
該UE1はセル1とセル2から送信されたRRC_Connectedの状態で送信される情報がのるPDSCHを合成し、受信品質の向上を図ることが可能となる。一方、RRC_Idleの状態で送信される情報はDL CoMP非対応のためUE1での受信品質の向上を図ることはできないが、前述のような無線リソースの使用効率の著しい低下がなくなる。従って、上述の目的のようなUEの状態に応じた受信品質を得ることが可能となり、DL CoMP対応のUEの状態では高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上が図れ、さらに、DL CoMP非対応のUEの状態では無線リソースの使用効率の低下をなくすことが可能とすることができ、結果としてシステムにおけるスループットの増大を図ることが可能となる。
【0135】
本変形例2における動作あるいはシーケンスは、実施の形態1の動作あるいはシーケンスを、UEの状態に応じてDL CoMP対応/非対応を分別し判断するように変更したものである。ここでは詳細の説明は省略する。
【0136】
他の例として、移動端末の対応システム(LTE対応、LTE−A対応など)に応じて、または移動端末の対応バージョン(リリース8対応、リリース10対応など)に応じて、または移動端末の能力に応じて、DL CoMP対応/非対応の分別の設定が行なわれるようにしても良い。これにより、DL CoMP対象とするUEの数を、対応するシステムやバージョン、あるいは能力によってきめ細やかに柔軟に設定可能となる。従って、システムとしてのスループットの増大を図ることが可能となる。
【0137】
実施の形態1 変形例3
実施の形態1、その変形例1および変形例2では、DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定は、どのセルかにかかわらず行なわれた。本変形例3では他の方法として、DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定を、セル毎に行なうことを開示する。
【0138】
システムにおいて、セル毎の通信状況は異なる。例えば、傘下のUE数、RRC_idleあるいはRRC_ConnectedにいるUE数、MBMSを受信しているUE数などは、セル毎に異なる。このような場合、全てのセルで同じDL CoMP対応/非対応の設定だと、システムとして無線リソースの使用効率が低下することが考えられる。
【0139】
このような問題を解消するため、本変形例3では、DL CoMPを対応するか非対応とするかの分別を、セル毎に設定することを開示する。
【0140】
こうすることで、セル毎に無線リソースの使用効率を最適にできるため、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。
【0141】
例えば、実施の形態1で開示した、ロジカルチャネル毎にDL CoMP対応/非対応を分別する場合について示す。どのロジカルチャネルをDL CoMP対応とするか、非対応とするかはセル毎に設定する。
【0142】
図25に、DL CoMP対応/非対応の分別を、セル毎に設定した場合の概念図を示す。2501〜2505は図13の1301〜1305と同様なので説明を省略する。2512はDL CoMP対象のUE(UE2)である。例として、セル1では、DTCH、DCCHをDL CoMP対応としてその他のロジカルチャネルを非対応とする。セル2ではBCCHをDL CoMP対応として、その他のロジカルチャネルを非対応とする。
【0143】
セル1をサービングセルとするDL CoMP対象のUE1に対しては、セル1はUE1のDTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH(2508)と、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCH(2509)を送信する。また、セル2をサービングセルとするDL CoMP対象のUE2に対しては、セル1はセル2のBCCHがマッピングされるPDSCH(2506)を送信する。一方、セル2は、UE1に対してDL CoMPを行なうため、セル1で送信されるDTCH、DCCHがマッピングされるPDSCH(2507)を送信する。また、UE2に対しては、セル2のBCCHがマッピングされるPDSCH(2511)、その他のロジカルチャネルがマッピングされるPDSCH(2510)を送信する。セル1をサービングセルとするUE1はセル1とセル2からDTCH、DCCHのマッピングされたPDSCHを受信することで該チャネルの受信品質を向上させることが可能となる。一方、セル2をサービングセルとするUE2はセル1とセル2からBCCHのマッピングされたPDSCHを受信することで該チャネルの受信品質を向上させることが可能となる。
【0144】
このように、ひとつあるいはいくつかのセル(ここではセル2)限定で報知情報ののるBCCHをDL CoMP対応とし、その他のセル(ここではセル1)で報知情報ののるBCCHをDL CoMP非対応とすることで、前述のような全てのセルで報知情報ののるPDSCHをDL CoMPした場合に生じる物理リソースの使用効率の著しい低下やシステムとしてのスループットの低下を抑えることが可能となる。
【0145】
また、例えば、あるセル(ここではセル2)のセルエッジでの報知情報の受信品質やスループットが何らかの原因で悪い場合など、該セルだけに所望のロジカルチャネルをDL CoMP対応とすることで、システム全体のスループットに大きな影響を与えることなく、該セルにおけるセルエッジでの受信品質やスループットを向上させることが可能となる。
【0146】
ここでは、ロジカルチャネルの場合について示したが、ロジカルチャネルにかぎらず、例えば情報の種別や、UEの状態であっても良く、またその組合せでもよく、それらを、DL CoMP対応/非対応をセル毎に設定するようにすれば良い。
【0147】
こうすることで、システムの各セルの状況に応じて柔軟にDL CoMP対応/非対応の分別を行なうことが可能となり、システム全体としてのスループットの向上や、個別のセルの受信品質やスループットの向上を図ることが可能となる。
【0148】
他の例として、セルのシステム帯域幅に応じて、セル毎にDL CoMP対応/非対応の分別の設定が行なわれるようにしても良い。システム帯域幅が広帯域であればそれだけ物理リソースも大きくなる。狭帯域であれば物理リソースも小さい。従って、例えば、広帯域なシステム帯域幅を有するセルではPDSCH全てをDL CoMP対応とするようにして、狭帯域のシステム帯域幅を有するセルではDL CoMP対象となるUE数が少ないロジカルチャネルあるいは情報がマッピングされるPDSCHのみをDL CoMP対応としてその他のPDSCHをDL CoMP非対応とするように設定すると良い。
【0149】
こうすることで、セルの有する物理リソースに応じて、DL CoMPに必要となる物理リソースを設定することができるので、物理リソースの使用効率の著しい低下を生じることなく、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。
【0150】
LTE−Aでは、新技術として、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)が検討されている。より広い帯域をサポートするため、複数の周波数軸において分離した帯域を集める(アグリゲーション)方法が提案されている。該分離された一つ一つの帯域はコンポーネントキャリアと呼ばれる。上記では、セルのシステム帯域幅に応じてセル毎にDL CoMP対応/非対応の分別の設定が行なわれるようにしても良いことを示したが、その他の例として、該コンポーネントキャリア毎に、DL CoMP対応/非対応の分別の設定が行なわれるようにしても良い。こうすることで、同等の効果が得られるだけでなく、周波数によって異なる電波伝搬環境に応じた、DL CoMP対応/非対応の分別の設定が可能となるため、Wider bandwidth extensionの際にさらに効率的な無線リソースの使用が可能となり、コンポーネントキャリアをアグリゲーションしたセルのスループットの向上が図れることになる。
【0151】
他の例として、セルの対応システム(LTE対応、LTE−A対応など)に応じて、あるいはセルの対応バージョン(リリース8対応、リリース10対応など)に応じて、セル毎にDL CoMP対応/非対応の分別の設定が行なわれるようにしても良い。これにより、DL CoMP対象とするUEの数を、対応するシステムやバージョンによってきめ細やかに柔軟に設定可能となる。従って、システムとしてのスループットの増大を図ることが可能となる。
【0152】
実施の形態1 変形例4
実施の形態1、その変形例1〜変形例3では、DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定は、あらかじめ決めておくようにした。本変形例4では、DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定を、セミスタティック(semi-static、準静的)に行なうことを開示する。
【0153】
システムのおける通信状況はセル毎に異なるだけでなく、時間によっても異なる。例えば、傘下のUE数、RRC_idleあるいはRRC_ConnectedにいるUE数、MBMSを受信しているUE数などは、時間によって異なる。このような場合、いつも(static、静的)同じDL CoMP対応/非対応の設定だと、システムとして無線リソースの使用効率が低下することが考えられる。
【0154】
このような問題を解消するため、本変形例4では、DL CoMPを対応するか非対応とするかの分別を、セミスタティック(semi-static、準静的)に行なうことを開示する。
【0155】
こうすることで、時間に応じて無線リソースの使用効率を最適にできるため、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。
【0156】
図26に、DL CoMP対応/非対応の分別の設定を、セミスタティックに行なう場合の設定手順の一例を示す。図26(a)はセルが決定する場合、図26(b)はコアネットワーク側(MME)が決定する場合について示している。図26(a)について説明する。ST2601で、設置時あるいはリセット時などに初期設定として、セルはDL CoMP対応/非対応の分別の初期設定を行なう。この初期設定はあらかじめ決めておいても良い。ST2602でセルは自セルの状況、例えば負荷状況を測定する。負荷状況として例えば傘下のUE数 および/または RRC_idleあるいはRRC_ConnectedにいるUE数 および/または MBMSを受信しているUE数などがある。ST2603で、セルは、自セルの負荷状況の測定結果を用いてDL CoMP対応/非対応の分別の設定を導出する。DL CoMP対応/非対応の分別の設定として、例えば、実施の形態1およびその変形例1〜変形例3で開示した、ロジカルチャネルの種類毎に分別する設定、情報種類毎に分別する設定などがある。自セルの負荷状況の測定結果を用いることによって、その時点での最適な設定を行なうことが可能となる。ST2604で、セルは、導出したDL CoMP対応/非対応の分別の設定に、現設定を変更するかどうか判断する。変更しない場合、現設定を変更せず、ST2602に移行し再度自セルの負荷状況を測定する。ST2604で、変更すると判断した場合、ST2605で、セルは、現設定を、導出したDL CoMP対応/非対応の分別の設定に変更する。変更後、ST2602に移行し再度自セルの負荷状況を測定する。
【0157】
ST2602の負荷状況の測定は、周期的に行なうようにしても良い。あるいは、任意のタイミングで行なうようにしても良い。また、負荷状況の測定結果に対してある閾値を設けて、ST2602からST2603への移行が該閾値を超えた場合に行なわれるようにしても良い。また、同様に、負荷状況の測定結果に対して、設定を変更するか否かのある閾値を設けて、ST2604での判断が、該閾値を超えた場合に行なわれるようにしても良い。
【0158】
このようにすることで、刻々と変化するセルの負荷状況に応じてDL CoMP対応/非対応の分別の設定を変更させることが可能となるため、時間に応じて無線リソースの使用効率を最適にでき、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。
【0159】
次に、図26(b)のコアネットワーク側(MME)が決定する場合について説明する。ST2606で、コアネットワーク側(MME)が、セル設置時あるいはリセット時などにDL CoMP対応/非対応の分別の初期設定を行なう。この初期設定はあらかじめ決めておくと良い。ST2607でMMEは該初期設定を該セルに通知する。該セルはST2608で受信し、ST2609で該初期値を自セル用のDL CoMP対応/非対応の分別の初期設定とする。
【0160】
ST2611で、セルは、自セルの負荷状況を測定する。負荷状況の測定は、周期的に行なうようにしても良いし、任意のタイミングで行なうようにしても良い。あるいは、MMEからセルに負荷状況測定要求を送信するようにしても良い。
【0161】
自セルの負荷状況を測定したセルは、ST2613で、該測定結果をMMEに送信する。ST2610で各セルから該測定結果を受信したMMEは、ST2612で、各セル毎のDL CoMP対応/非対応の分別の設定を導出する。ST2614で、MMEは、導出したDL CoMP対応/非対応の分別の設定に、現設定を変更するかどうか判断する。変更しない場合、現設定を変更せず、ST2610に移行し再度各セルの負荷状況を受信する。ST2614で、変更すると判断した場合、ST2616で、MMEは、現設定を、導出したセル毎のDL CoMP対応/非対応の分別の設定に変更する。変更後、ST2618で、DL CoMP対応/非対応の分別の設定を、対応する各セルに対して送信する。ST2615で該設定を受信した各セルは、ST2617で自セルのDL CoMP対応/非対応の分別の設定の変更を行なう。
【0162】
その後MMEは再び各セルからの負荷状況の受信に戻り、各セルは自セルの負荷状況の測定に戻る。
【0163】
また、負荷状況の測定結果に対してある閾値を設けて、ST2613で各セルがMMEに対して負荷状況を送信するか否かの閾値としても良い。また、MMEにおけるST2610からST2612への移行が該閾値を超えた場合に行なわれるようにしても良い。また、負荷状況の測定結果に対して、設定を変更するか否かのある閾値を設けて、ST2614での判断が、該閾値を超えた場合に行なわれるようにしても良い。
【0164】
MMEは設定をセル毎でなく、MMEが制御するセル全てで同じ設定としても良い。こうすることによって、セル毎に異なった制御を行なわなくて済むため、システムとしてのDL CoMP制御が簡易になる効果が得られる。
【0165】
このようにすることで、刻々と変化するセルの負荷状況に応じてDL CoMP対応/非対応の分別の設定を変更させることが可能となるため、時間に応じて無線リソースの使用効率を最適にでき、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。
【0166】
また、MMEで、各セルの設定を変更させることが可能となるため、システムとして最適な設定を行なうことが可能となり、従って、システムとしてのスループットの向上をさらに図ることが可能となる効果が得られる。
【0167】
実施の形態1およびその変形例1〜実施の形態1変形例4で、DL CoMP対応/非対応の分別をいろいろな場合に応じて設定することで、システムとしてのスループットを増大させることが可能となることを示した。
【0168】
しかし、DL CoMP非対応に分別された場合でも、一時的に、セルカバレッジの増大やセルエッジでの受信品質の向上、スループットの向上を図りたい場合が生じる。そのような場合、実施の形態1変形例4で開示した、DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定を、セミスタティックに行なうようにすれば良いことを示したが、その他の方法として、次の方法を開示する。DL CoMP非対応と設定した情報のうち、一時的にDL CoMPを行う必要のある情報を、DL CoMP対応のロジカルチャネルにのせて送信する。こうすることで、該ロジカルチャネルのマッピングされるPDSCHはDL CoMPが行われるため、該情報はDL CoMP対象のUEにおいてDL CoMPが行なわれ、該情報の受信品質を向上させることが可能となる。これにより、DL CoMP非対応と設定された情報だとしても、一時的に該情報のセルカバレッジの増大やセルエッジでの受信品質の向上、スループットの向上が図れることになる。DL CoMPを対応とするか非対応とするかの設定をセミスタティックに行なう場合に比べ、あるセル全体の設定を変更する必要は無く、必要な情報のみ、一時的にDL CoMP対応とすることが可能となる。これにより、セルの状況やシステムの状況に応じてさらに柔軟に、システムとしてのスループットの向上が図れる。
【0169】
例えば、PCCHをDL CoMP非対応としていて、DCCHをDL CoMP対応としている場合、ページングメッセージにのるETWS通知についての情報を、ETWS発生時一時的にDL CoMP対応にするため、DCCHにのせてPDSCHにマッピングして送信するようにする。こうすることで、DCCHにのせられたETWS通知についての情報はセルエッジに位置するUEにDL CoMPされることとなり、ETWS通知についての情報に対してセルカバレッジの増大やセルエッジでの受信品質の向上、スループットの向上を図れることになる。ETWS通知についての情報は、携帯電話ユーザにとって、受信できないと生死にかかわるような重要な情報である。従って、ここで開示した方法を用いてDL CoMP対応とすることは有効である。
【0170】
その他にも、例えば、PCCHをDL CoMP非対応としていて、DCCHをDL CoMP対応としている場合、ページングメッセージにのるシステム情報変更情報を、システム情報変更時一時的にDL CoMP対応とするため、DCCHにのせてPDSCHにマッピングして送信するようにする。こうすることで、DCCHにのせられたシステム情報変更情報はセルエッジに位置するUEにDL CoMPされることとなり、システム情報変更情報に対してセルカバレッジの増大やセルエッジでの受信品質の向上、スループットの向上を図れることになる。システム情報変更情報は携帯電話ユーザにとって受信できないと該セルと通信ができなくなってしまう重要な情報である。従って、ここで開示した方法を用いてDL CoMP対応とすることは有効である。
【0171】
実施の形態1およびその変形例1〜変形例4で開示したことは、それぞれ単独で用いられる必要はなく、組合せて用いても良い。システムとしてより良い組合せで設定を可能とし、通信負荷に対する柔軟なシステム設計を可能とし、従って、システムとしてのスループットを向上させることができる。
【0172】
実施の形態1およびその変形例1〜変形例4は、DL CoMPの場合について示したが、DL CoMPに限らずUL CoMPの場合にも適用することができる。ロジカルチャネルに応じてUL CoMP対応/非対応を分別しても良いし、情報の種類に応じてUL CoMP対応/非対応を分別しても良いし、UEの状態に応じてUL CoMP対応/非対応を分別しても良いし、UL CoMP対応/非対応の設定をセル毎に行なっても良いし、UL CoMP対応/非対応の設定をsemi-staticに行なっても良い。
【0173】
これにより、DLと同様に、ULにおいても、システムとしての無線リソースの使用効率を向上させることが可能となり、従って、システムとしてのスループットを増大させることが可能となる。
【0174】
実施の形態2
LTE−A用の新技術としてUL CoMPが検討されている。前述のように、UL CoMPでは、一つの移動端末(UE)からの上りデータを多地点(マルチポイント)間で協調して受信する。マルチポイントで受信したデータを合成することによって、UEからの上り受信品質の向上を図る。図27にUL CoMPの概念図を示す。マルチポイントユニット1(Unit1)2701およびマルチポイントユニット2(Unit2)2702は、UL CoMPすなわち上り多地点協調受信を行なうユニットである。2704はUnit1によって構成されるセル、2705はUnit2によって構成されるセルである。2703はUL CoMP対象の移動端末(UE1)である。UL CoMPでは、ある一つのUEから送信されたPUSCHを、複数のマルチポイントセルが受信する。すなわち、セル1とセル2に対して該UE1から同じPUSCHが送信される(2708、2709)。セル1とセル2は該UE1から送信されたPUSCHを合成し、該UEからの上りデータの受信品質の向上を図ることが可能となる。UL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0175】
PUSCHの物理リソース(リソースブロック)への割当て情報、例えば周波数−時間領域における割当て情報などは、下り物理チャネルであるPDCCHによってUEに送信される。一般に、各セルは個別にスケジューリング機能を有するMACを持つ。よって、各セルで異なるスケジューリングが行なわれ、各セルからのPDCCHによって各セルで異なるPUSCHの物理リソース割当情報が送信される。しかし、UL CoMPを行なうためには、各UL CoMPを行なう各セル間で、該UEからの上りPUSCHの受信タイミングをある範囲内に収める必要がある。これは、各セルが受信した該UEからのPUSCHをセル間で合成しなければならないためである。各セルが受信するまで待ってから合成するようになるため、もし受信タイミングが大きく異なるような場合、送受信間で大きな遅延が生じてしまう。
【0176】
このため、UL CoMPを行なう各セルは、UL CoMP対象のあるUEに対して、PUSCHの物理リソースがある時間範囲内となるように、各セル間で調整してスケジューリング割当を行なうようにする。各セル間で調整されたPUSCHの物理リソース割当の情報を、各セルからのPDCCH(図27では2707、2706)によって受信したUEは、各セルに対して、それらの物理リソースに同じPUSCHをマッピングして送信する。こうすることで、UL CoMPを行なうことが可能となる。
【0177】
図28のST2801〜ST2810に、UL CoMPを行う場合のシーケンス図の一例を示す。セル1とセル2は、上記の方法でUL CoMP対象のUE(UE1)へのPUSCHの物理リソーススケジューリングのタイミング調整を行ない、それぞれ、PDCCHによって、PUSCH割当て情報を送信する(ST2801、ST2802)。ST2803で、UE1は、セル1から受信したPUSCHの割当て情報に従って物理リソースへPUSCHを割当て、ST2804で該PUSCHを送信する。同様に、ST2805でセル2から受信したPUSCHの割当て情報に従って物理リソースへセル1に送信したPUSCHと同じPUSCHを割当て、ST2806で該PUSCHを送信する。ST2807、ST2808で、セル1、セル2は各々、UE1からのPUSCHを受信する。ST2809で、セル2はUE1から受信した情報をセル1に送信する。ST2810でセル1は、セル1とセル2のUE1からの受信情報を合成する。これにより、UE1からの受信品質を向上させることが可能となる。
【0178】
しかし、上記のような方法とした場合、あらかじめセル1とセル2とでPUSCHを割当てる物理リソースのタイミングを調整してスケジューリングしなければならず、該PUSCHの割当て情報を各々のセルからPDCCHにてUE1に送信しなければならない。UE1は、同じPUSCHを、各々のセルに対して各々のセルからのPUSCHの割当て情報に従って物理リソースに割当てねばならない。これは、同じPUSCHを重複して物理リソースに割当てることになり、上り無線リソースの使用効率低下につながる。これはまた、UEの送信電力も増大することになり、消費電力の増大が生じてしまう。
【0179】
本実施の形態では、この問題を解消するため、UL CoMPを行う各セルは、UL CoMP対象となるUEに対して、同じPUSCHの物理リソース割当ての情報を送信することを開示する。これにより、UL CoMP対象のUEは、該各セルからのPDCCHによって送信される同一のPUSCH物理リソース割当て情報を受信することになる。UEは、同じ上り送信データを各セルへ送信するPUSCHにのせ、受信した該PUSCH物理リソース割当て情報に従って、該PUSCHを物理リソースへ割当て、各セルに送信することになる。この場合の概念図は図27と同じである。シーケンス図は、図28ST2801〜ST2810となるが、図28のST2801、ST2802で各セルから送信されるPUSCH割当情報が各セルで同じとなり、従って、ST2803、ST2805でUEは、同じ物理リソースに各セルへのPUSCHを割当てることとなり、従って、ST2804、ST2806でUEは、同じ物理リソースで各セルへのPUSCHを送信することになる。
【0180】
この場合、UL CoMPを行うセル間で、あらかじめ、PUSCHの物理リソース割当て情報を共有しておく必要がある。このため、ST2801あるいはST2801を行う前に、該PUSCHの物理リソース割当て情報をセル間で相互に通知しておくとよい。該PUSCHの物理リソース割当ては、サービングセルが行い、サービングセルからUL CoMPを行う他のセルに通知するようにしておいても良い。これらの通知は、実施の形態1で述べたような、セル間のインタフェース(X2)、あるいは、MMEとセル間のインタフェース(S1)、あるいは、MME間のインタフェースを用いて実施しても良い。
【0181】
こうすることにより、UEは、UL CoMPを行う各セルに対して、同じ物理リソースでPUSCHを送信することになるので、一つのPUSCHに対して使用する上り物理リソースは一つですむため、無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。また、同時に複数の物理リソースで送信することが無くなるため、UEの送信電力の増大も抑制でき、消費電力の増大を抑制できる、という効果が生じる。
【0182】
また、UL CoMPを行う全てのセルのPDCCHによるPUSCH割当て情報を受信することなく、どれか一つのセルからのPUSCH割当て情報を受信すれば良くなる。逆に、複数のセルから受信することで、該情報の受信品質を向上することができるという効果が得られる。
【0183】
しかし、上記のような方法とした場合、あらかじめセル1とセル2とでPUSCHを割当てる物理リソースのタイミングを調整してスケジューリングしなければならず、該PUSCHの割当て情報を各々のセルからPDCCHにてUE1に送信しなければならない。これは、UL CoMP対象のUEに対して二つのセルからPDCCHを送信しなければならないため、シグナリング容量の増大を生じさせる。また、UEも二つのセルからのPDCCHを受信しなくてはならず、UEの受信回路規模の増大、消費電力の増大を生じさせる。
【0184】
ここでは、前述の、上り無線リソースの使用効率低下やUEの消費電力の増大という問題に加えて、これらの問題を解消するため、UL CoMPの際のPUSCHのスケジューリング割当てはひとつのセルから行なうことを開示する。UL CoMP対象のUEは、該1つのセルからのPUSCHの割当て情報に従う。該1つのセルとして、UL CoMP対象のUEのサービングセルとするのが良い。これにより、該UEは自UEがUL CoMPの対象となっているか否かを認識する必要が無く、サービングセルのみのPDCCHを受信すれば良いことになる。このため、UEにおけるUL CoMPのための制御が容易になり、UEの制御回路規模の増大を抑えることができ、さらには、UL CoMPのための消費電力の増大も抑えることが可能となる。
【0185】
図29に、UL CoMPの際に1つのセルからPUSCHの割当て情報を送信する方法の概念図を示す。2901〜2905は図27の2701〜2705と同様なので説明を省略する。2906はPUSCH割当て情報ののったPDCCHで、セル1からUE1へ送信される。2907は該PUSCH割当て情報に従って物理リソースに割当てられたPUSCHで、UE1から送信される。ここで、UE1はセル2に対して特にPUSCHを送信する必要は無く、セル2が該UE1から送信されたPUSCHを受信するようにしておけば良い(2908)。セル1とセル2は該UE1から送信されたPUSCHを合成し、該UEからの上りデータの受信品質の向上を図ることが可能となる。UL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0186】
図30のST3001〜ST3010に、UL CoMPの際に1つのセルからPUSCHの割当て情報を送信する方法のシーケンス図の一例を示す。UL CoMPの対象となるUE(UE1)のサービングセルをセル1とし、UL CoMPを行なうセルをセル2とする。セル1はUE1へのPUSCHの物理リソースへのスケジューリングを行い、該PUSCHの割当て情報をセル2へ送信する(ST3001)。ST3002でセル1は、UE1に対してPDCCHを用いてPUSCH割当て情報を送信する。ST3003でUE1はセル1からのPDCCHを受信し、ST3004でセル1から受信したPUSCHの割当て情報により物理リソースへの割当を行ない、ST3005でUE1はPUSCHを送信する。ここで、UE1はセル1に対してPUSCHを送信するが、セル1もセル2も該UE1から送信されたPUSCHを受信するようにしておく(ST3006)。ST3007でセル1はUE1からのPUSCHを受信する。ST3008で、セル2でもUE1からのPUSCHを受信する。この際、セル2はST3001でセル1から受信したUE1へのPUSCH割当て情報にもとづいて、UE1からのPUSCHを受信するようにしておけば良い。ST3009で、セル2はUE1から受信した情報をセル1に送信する。ST3010でセル1は、セル1とセル2のUE1からの受信情報を合成する。これにより、UE1からの受信品質を向上させることが可能となる。
【0187】
本実施の形態で開示した方法を用いることで、UL CoMP対象のUEに対して二つのセルからPDCCHを送信しなくてすみ、シグナリング容量の増大を無くすことが可能となる。また、UE1が二つのセルに対して同じPUSCHを重複して物理リソースに割当てる必要が無くなるため、上り無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。さらに、これにより、UEの送信電力の増大や消費電力の増大も無くすことが可能となる。そして、UL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0188】
UEがUL CoMPを行なう全セルからPUSCHの物理リソースの割当て情報を受信しなくて済むことを説明したが、それだけでなく、サービングセルの他のセルのスクランブリングコードやセルにおける移動端末の識別子(UE−ID、C−RNTI)をUL CoMPのために受信しなくても良い。UEにおけるUL CoMPの際の制御がさらに容易にできる効果がある。
【0189】
ST3001で、PUSCHの割当を行なうセル(この例ではサービングセル、セル1)はCoMPを行う他のセル(この例ではセル2)へ、PUSCHの割当て情報を送信することを示したが、その他に、UEからのPUSCHをデコードするのに必要な情報を通知しても良い。例えば、セル1で用いている移動端末識別子(UE-ID、C-RNTI) および/または セル1で用いているUE毎のスクランブリングコードなどがある。これらの情報の通知は、セル間インタフェース(X2)を用いても良いし、セルとコアネットワーク(MME)間インタフェース(S1)を用いて行っても良い。MMEを介して行っても良い。これにより、セル2はUE1からのPUSCHを、受信およびデコード可能となる。従って、デコード後の情報をセル1に送信することで、セル1はデコード後の情報により合成を行なうことが可能となる。
【0190】
セル1で用いている移動端末識別子(UE-ID、C-RNTI) および/または セル1で用いているUE毎のスクランブリングコードなどをセル1からセル2へ送信することを開示したが、その他の方法として、UL CoMP対象となるUEが使用する移動端末識別子(UE-ID、C-RNTI) および/または UE毎のスクランブリングコードなどをあらかじめ決めておいても良い。その他にも、それらの情報の導出方法をあらかじめ決めておいて、該導出方法をセルとUEで共有することによって、セル、UE各々で同じ結果を導出できるようにしておけば良い。導出に用いる入力パラメータとしては、移動端末識別子(IMSI)などがある。これにより、PUSCHの割当を行うセルからCoMPを行う他のセルへ、PUSCHをデコードするのに必要な情報を通知する必要がなくなり、セル間(X2)あるいはセルとコアネットワーク(MME)間(S1)で生じるシグナリング量を削減することが可能となる。
【0191】
上述の例では、UL CoMPを行なう他のセルからのUL CoMP対象となるUEへのPDCCHについては言及しておらず、送信してもしなくても良かった。UL CoMPを行なう他のセルからのUL CoMP対象となるUEへのPDCCHは送信しないようにしても良い。これにより、該他のセルは該UEに移動端末識別子(UE−ID、C-RNTI)を割当てる必要がなくなり、その他のUEに用いることが可能となり、識別子を無駄に使用することが無くなる。また、該UEにPDCCHを送信しないことでPDCCH用の物理リソースの無駄な使用を無くすことが可能となる。
【0192】
UL CoMPを行なう他のセル(セル2)は、セル1から通知されたUL CoMP対象となるUEへの上り物理リソースを、セル2をサービングセルとする他のUEに対して割当てないようにしても良い。こうすることで、UL CoMP対象となるUE1からのPUSCHと同じ周波数、時間領域で他のUEから送信されることがなくなるため、UE1のPUSCHに対する干渉が無くなり、セル2での受信品質が向上する。これにより、合成後の受信品質はさらに向上することになり、さらに高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0193】
逆に、UL CoMPを行なう他のセル(セル2)は、セル1から通知されたUL CoMP対象となるUEへの上り物理リソースを、セル2をサービングセルとする他のUEに対して割当てを許可するようにしても良い。UEのPDSCHに、UE毎のスクランブリングコードを乗じるようにしておくことで、セルはどのUEから送信されたのかを検出することができる。こうすることで、例えば、セル2傘下のセル中心に位置するUEに、UE1のPUSCHと同じ物理リソースを割当てる、など、PUSCHの物理リソースの利用効率の向上が図れる。
【0194】
実施の形態3
一般に、各セルは個別にスケジューリング機能を有するMACを持つ。また、MACはUEに対してHARQを行なう。そのようなセル間でUL CoMPが行なわれる場合、セル毎に一つのMACが構成され、該MACによりセル毎にHARQが行なわれる。上り(UL、Uplink)のHARQはPDCCHとPHICHを用いて以下に示す方法で行なわれる(非特許文献1)。PHICHでAck/Nackが送信される。UEへのPDCCHがある場合は、PHICHの内容にかかわらず、該UEは該PDCCHの初送要求あるいは再送要求に従う。この場合、物理リソースの割当ては該PDCCHに従う。UEへのPDCCHが無い場合は、PHICHで送信されるAck/Nackに従う。Nackの場合、該UEは先に送信したのと同じ物理リソース割当で再送を行う。Ackの場合、該UEはどんな上り送信も行なわないで、後に送信されるPDCCHに従う。このような方法で行なわれているため、UL CoMPが行われるセル(マルチポイントセル)毎に上りHARQがPDCCHとPHICHを用いて行なわれることになる。
【0195】
図28のST2811〜ST2822に、UL CoMPを行なう場合の上りHARQのシーケンス図の一例を示す。UL CoMP対象のあるUEに対して、各セル間で調整されたPUSCHの物理リソース割当を各セルからのPDCCHで送信し、各セルからの該PDCCHを受信したUEは各セルに対してそれらの物理リソースに同じPUSCHをマッピングして送信する場合である。
【0196】
ST2807でセル1はUE1からPUSCHの受信をし、その結果をもとに、ST2811で上りHARQを行い、UE1への再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定を行なう。セル1は判定結果にもとづいて、ST2813で、UE1に対してPDCCH および/または PHICHを送信する。一方、セル2も同様に、ST2808でUE1からPUSCHの受信をし、その結果をもとに、ST2812で上りHARQを行い、UE1への再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定を行なう。セル2は判定結果にもとづいて、ST2814で、UE1に対してPDCCH および/または PHICHを送信する。
【0197】
UE1はセル1から受信したPDCCH および/または PHICHにもとづいて再送あるいは初送あるいは何も送信しないかを決定する。再送あるいは初送の場合、PDCCH および/または PHICHで送信された内容に従って、セル1に対するPUSCHを物理リソースに割当てる(ST2815)。ST2816で、UE1は該PUSCHをセル1に対して送信する。また、UE1はセル2から受信したPDCCH および/または PHICHにもとづいて再送あるいは初送あるいは何も送信しないかを決定する。再送あるいは初送の場合、PDCCH および/または PHICHで送信された内容に従って、セル2に対するPUSCHを物理リソースに割当てる(ST2817)。ST2818で、UE1は該PUSCHをセル2に対して送信する。
【0198】
ST2820でセル1はUE1からのPUSCHを受信する。ST2819でセル2はUE1からのPUSCHを受信する。ST2821でセル2はセル1に対してUE1から受信した情報を送信する。ST2822でセル1は、自セルがUE1から受信した情報と、セル2から送信されたUE1の受信情報を合成する。
【0199】
しかし、例えUE1がセル1とセル2に対して同じPUSCHを送信したとしても、セル1とセル2とで受信結果が異なる場合がある。これはセル毎に電波伝搬環境が異なるからである。従って、各セルにおいて、上りHARQによるUE1への再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定結果は異なる場合が生じる。例えばセル1では初送判定となり、セル2では再送判定となったとする。この場合、UE1は、ST2816でセル1に対して初送データののったPUSCHを送信し、ST2818でセル2に対して再送データののったPUSCHを送信することとなる。つまり、セル毎に上りHARQが個別に行なわれてしまうような状態が発生し、UE1は各セルに対して異なるPDSCHを送信するような状態が発生する。このような場合、ST2822で、セル1が、自セルがUE1から受信した情報と、セル2から送信されたUE1の受信情報を合成しても、全く意味がなくなってしまう。UL CoMPを行なうことができなくなってしまう。従って、UL CoMPによる高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大はまったく図れなくなってしまう。
【0200】
このような問題を解消するため、UL CoMPを行なう場合に、UL CoMPの対象となるUEに対して上りHARQを行なわない、とする方法がある。この方法を用いることで、上りHARQを適用したために生じてしまう、UL CoMPができなくなってしまうという問題を解消することが可能となる。しかし、上りHARQを行わないようにすることで、上りスループットは低下してしまう。このため、UL CoMPを行なった際に得られる上りスループットの改善効果と相殺されてしまい、システムとしてスループットの大きな向上は図れなくなってしまう。
【0201】
本実施の形態では、さらに上記の問題を解消するため、UL CoMPを行なう場合に、対象となるUEに対して上りHARQを行なう。
【0202】
上りHARQによるUEへの再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定結果をUL CoMPを行なうセルのうちいずれか一つのセルから送信する。UEは該いずれか一つのセルからの判定結果を受信して、該判定結果に従う。
【0203】
こうすることで、UL CoMPの対象となるUEに対して上りHARQを行うことが可能となる。従って、上りHARQによる上りスループットの向上とUL CoMPによる上りスループットの向上とにより、さらに高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。該判定結果をUL CoMP対象となるUEに対して送信する該いずれか一つのセルをサービングセルとしても良い。UEはサービングセルからのPDCCHをPUSCH送信のために受信している。また、サービングセルからのPHICHの物理リソースの割当ては、該PUSCHの割当てられる物理リソース(リソースブロック)によって決定される。従って、該判定結果をサービングセルから送信するようにしておくことで、UEはサービングセルの他のセルからのPDCCH および/または PHICHをUL CoMPのために受信する必要が無くなる。このため、セルとUEにおけるUL CoMPの制御が容易になり、セルとUEの回路規模の削減、消費電力の削減が図れる。
【0204】
UL CoMP対象となるUEの上りHARQはいずれか一つのセルで行なわれるようにしても良い。いずれか一つのセルで行なわれるようにしておくことで、その他のセルで該UEに対する上りHARQを並行して行なわずに済むため、その他のセルで無駄な処理を省くことが可能となる。該いずれか一つのセルとしてサービングセルとしても良い。これにより、初送のPUSCHの物理リソースのスケジューリングからHARQまでサービングセルが行なうことが可能となる。また、さらに、該判定結果をサービングセルから送信するようにしておけば、初送のPUSCHの物理リソースのスケジューリングからHARQ、さらにHARQによる判定結果の送信まで一貫してサービングセルが行なうことが可能となり、UL CoMPにおける上りHARQの制御を容易にすることが可能となる。UEにおいても、サービングセルからのスケジューリング情報のみ受信して該受信結果に従えばよくなるので、UL CoMPにおける上りHARQの制御をシンプルに容易にすることが可能となる。また、上りHARQの制御方法をUL CoMPを行なう場合行なわない場合にかかわらず統一することが可能となるので、セルおよびUEにおいて制御回路規模の削減、制御誤動作の低減ができる効果が得られる。
【0205】
図31に、UL CoMPの際に上りHARQの判定結果が一つのセルから送信される場合の概念図を示す。3101〜3105は図27の2701〜2705と同様なので説明を省略する。セル1はUE1のサービングセルである。3106はセル1からUE1に送信されるPDCCHで、PUSCH割当て情報、あるいは上りHARQの判定結果による再送あるいは初送かどうかを示す情報と、該再送あるいは初送がのるPDSCHの物理リソース割当て情報がのる。3107は該PUSCH割当て情報に従って物理リソースに割当てられたPUSCHで、UE1から送信される。ここで、UE1はセル2に対して特にPUSCHを送信する必要は無く、セル2が該UE1から送信されたPUSCHを受信するようにしておけば良い(3109)。3108はセル1からUE1に送信されるPHICHで、上りHARQの判定結果によるAckあるいはNack情報がのる。セル1とセル2は該UE1から送信されたPUSCHを合成し、該UEからの上りデータの受信品質の向上を図ることが可能となる。上りHARQによるスループットの改善を図りつつ、さらにUL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0206】
図30のST3011からST3020に、UL CoMPの際に上りHARQの判定結果が一つのセルから送信される場合のシーケンス図を示す。図では、一例として、サービングセル(セル1)において上りHARQを行い、サービングセルから該HARQの結果をUL CoMP対象のUE(UE1)に送信する場合を示している。UL CoMPの対象となるUE(UE1)のサービングセルをセル1とし、UL CoMPを行なうセルをセル2とする。
【0207】
ST3010でセル1は、自セルがUE1から受信した情報と、セル2から送信されたUE1の受信情報を合成する。該合成した受信情報をもとに、セル1はST3011で上りHARQを行い、UE1への再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定を行なう。セル1は判定結果にもとづいて、ST3012で、セル2に対してUE1への次のPUSCH割当て情報を送信し、ST3013で、UE1に対してPDCCH および/または PHICHを送信する。
【0208】
UE1はセル1から受信したPDCCH および/または PHICHの内容に従って再送あるいは初送あるいは何も送信しないかを決定する。再送あるいは初送の場合、PDCCH および/または PHICHで送信された内容に従って、セル1に対するPUSCHを物理リソースに割当てる(ST3014)。ST3015で、UE1は該PUSCHをセル1に対して送信する。ここで、UE1はセル1に対してPUSCHを送信するが、セル1もセル2も該UE1から送信されたPUSCHを受信するようにしておく(ST3016)。ST3017でセル1はUE1からのPUSCHを受信する。ST3018で、セル2でもUE1からのPUSCHを受信する。この際、セル2はST3012でセル1から受信したUE1へのPUSCH割当て情報にもとづいて、UE1からのPUSCHを受信するようにしておけば良い。ST3019で、セル2はUE1から受信した情報をセル1に送信する。ST3020でセル1は、セル1とセル2のUE1からの受信情報を合成する。
【0209】
これにより、UE1からの受信品質を向上させることが可能となる。その後セル1において再びHARQが行われることになる。ST3012で、セル1は判定結果にもとづいて、セル2に対してUE1への次のPUSCH割当て情報を送信したが、もし該判定結果がPDCCHを送信しないとなった場合、セル1は、その旨を示す情報、例えば、AckあるいはNackであることを示す情報を、UE1に対して送信すれば良い。Nackの場合は再送ののるPDSCHが前回割当てられたのと同じ物理リソースに割当てられる。このため、セル2が前回割当てられた物理リソースを保持するようにしておくことで、セル1からセル2に対してNackであることを示す情報のみ送信しても、ST3018でセル2がUE1からの再送を受信することが可能となる。Ackの場合、UEは再送あるいは初送などの上り送信をなんら行なわないので、PDSCHの割当てを送る必要が無い。次のPDCCHによるPUSCHの割当てに従うことになる。このため、セル1からセル2に対してAckであることを示す情報のみ送信しても良い。そして、セル1からのその後のPDCCHによるPUSCHの割当て情報を受信するようにすれば良い。こうすることで、セル間(X2)あるいはセルとコアネットワーク(MME)間(S1)で生じるシグナリング量を削減することが可能となる。
【0210】
上述に開示した方法とすることによって、上りHARQによるスループットの改善を図りつつ、さらにUL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0211】
UEがUL CoMPを行なう全セルからPDCCH および/または PHICHを受信しなくて済むことを説明したが、それだけでなく、サービングセルの他のセルのスクランブリングコードやセルにおける移動端末の識別子(UE−ID、C−RNTI)をUL CoMPのために受信しなくても良い。UEにおけるUL CoMPの際の制御がさらに容易にできる効果がある。
【0212】
ST3012で、PUSCHの割当て情報を送信することを示したが、ST3001の説明の際に示したのと同様に、UEからのPUSCHをデコードするのに必要な情報を通知するように、あるいは、あらかじめ導出方法を決めておくようにしても良い。また、UL CoMPを行なうセル間の情報の通知には、セル間インタフェース(X2)を用いても良いし、セルとコアネットワーク(MME)間インタフェース(S1)を用いて行っても良い。MMEを介して行っても良い。これらの方法を用いることで実施の形態2に記載したのと同様の効果を得ることが可能である。
【0213】
UL CoMPを行なう他のセル(セル2)は、ST3012でセル1から通知されたUL CoMP対象となるUEへの上り物理リソースを、セル2をサービングセルとする他のUEに対して割当てないようにしても良い。あるいは、割当てを許可するようにしても良い。実施の形態2で記載したのと同様の効果が得られる。
【0214】
上記に開示した方法では、上りHARQとして、セル1は、UE1への再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定判結果にもとづいて、UE1に対してPDCCH および/または PHICHを送信することとした。別の方法として、UL CoMP対象のUEに対しては、上りHARQとして再送あるいは初送の判定結果をPDCCHによってのみ送信するようにしても良い。こうすることで、該UEはPHICHを受信する必要が無くなり、UEの低消費電力化が図れる。また、セル間でAckあるいはNackであることを示す情報さえも送信する必要がなくなるため、さらにセル間(X2)あるいはセルとコアネットワーク(MME)間(S1)で生じるシグナリング量を削減することが可能となる。
【0215】
上記に開示した方法では、サービングセルがUL CoMPを行なうセルからの受信情報を合成した受信結果に対して、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定を行なうこととした。その他の方法として、UL CoMPを行なう各セルが、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定を行なうようにしても良い。各セルは自セルでの判定結果をサービングセルに通知するようにする。サービングセルは各セルからの判定結果をもとに、UL CoMP対象のUEへの、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定を決定し、該UEに対して送信する。各セルからサービングセルに通知する該判定結果は、X2インタフェースを用いても良いし、S1インタフェースを用いても良い。最終的にサービングセルがUL CoMP対象のUEへの、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定することで、X2のみを用いることが可能となる。X2インタフェースを用いた場合、S1インタフェースを用いるのに比べ、制御遅延を減らせる効果が得られる。
【0216】
最終的にサービングセルがUL CoMP対象のUEへの、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定をするとせずに、コアネットワーク(MME)が判定するとしても良い。UL CoMPを行う各セルは、自セルの判定結果をS1インタフェースを用いてMMEへ通知するようにしておく。MMEはUL CoMPを行なうセルからの判定結果にもとづいて、最終的に、再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定を行なう。該判定結果をS1インタフェースを用いてサービングセルに通知する。MMEから判定結果を受信したサービングセルは該判定結果に従って、UE1に対してPDCCH および/または PHICHを送信する。このように、MMEが最終的に再送/初送の判定 および/または Ack/Nackの判定を行なうようにすることで、どのセルがサービングセルであろうと関係なく、MMEで判定を一元化できる。従って、サービングセルの変更にも柔軟に対応できる。
【0217】
実施の形態2や本実施の形態で開示した方法において、UL CoMPを行なう各セルはどのセルがサービングセルかを認識させるため、セル間あるいはMMEを介してサービングセルがどのセルかの情報を送信するようにしても良い。該情報を、サービングセルからUL CoMPを行なう他のセルにX2インタフェースを介して送信しても良いし、MMEがUL CoMPを行なう各セルにS1インタフェースを介して送信しても良い。こうすることで、UL CoMPの対象となるUEに対して、PDCCHの送信、初送/再送の判定あるいはAck/Nackの判定、PHICHの送信、を、サービングセルのみが行なうようにすることが可能となる。
【0218】
実施の形態3 変形例1
本変形例では、実施の形態3であげた問題を解消するため、UL CoMPを行なう場合に、対象となるUEに対して上りHARQを行なう別の方法を開示する。
【0219】
UL CoMPを行なう全てのセルから、UL CoMPの対象となるUEに対して同一の、再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackののったPDCCH および/または PHICHを送信する。PDCCHに再送情報がのる場合は、同一の再送のための物理リソース割当て情報ののったPCCHを送信する。
【0220】
一例として、図32に、UL CoMPを行なう全てのセルから同一の判定結果を送信する場合のシーケンス図を示す。図32図28と一部同じであるため、同じ部分の説明は省く。図32では、ST3201からST3203のステップが加えられている。ST2811、ST2812でUL CoMPを行なう各セル(セル1、セル2)が再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNackの判定を行なった後で、ST3201で該判定結果を各セル間で相互に送受信する。各セルは、受信したUL CoMPを行なう他のセルの判定結果と自セルの判定結果をあわせて、一つの判定結果を導出する(ST3202、ST3203)。この判定結果はUL CoMPを行なう全セルにおいて同じ結果となるようにあらかじめ導出方法を決めておく。こうすることで、UL CoMPを行なう全セルから同じ判定結果にもとづく情報が、PDCCH および/または PHICHによって送信される。これにより、セル毎に再送あるいは初送が異なるようなことは無くなる。従って、UL CoMPを行なうことが可能となる。
【0221】
これにより、上りHARQによるスループットの改善を図りつつ、さらにUL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0222】
各セル間での判定結果の相互の送受信方法は、実施の形態2や実施の形態3で開示した方法を用いれば良い。各セルの判定結果から一つの判定結果を導出する方法として、例えば、いずれか一つのセルの判定が初送の判定の場合は、初送、としておく。いずれか一つのセルが正しく受信できていれば、UL CoMPによる受信情報の合成により受信可能となるためである。また、初送/再送の判定が無く、いずれか一つのセルの判定がAckの判定であった場合は、Ack、としておく。これも同じ理由からである。全てのセルが再送の場合は、再送、とする。また、初送/再送の判定が無く、全てのセルがNackの場合は、Nack、とする。これは、全セルにおいて受信ができなかったことを意味しているため、全セルにおいて再送が行なわれるようにするためである。このような導出方法をあらかじめ決めておくことで、UL CoMPを行なう全てのセルの電波伝搬状況を考慮しながら、ひとつの判定結果を導出することが可能となる。従って、いずれかのセルの受信品質が悪くてもいずれか一つのセルの受信品質が良ければ、初送 および/または Ackを全てのセルから送信することが可能となるため、システムとしてのスループットを向上させることが可能となる。本導出方法とする場合、初送 および/または Ackの場合のみ、各セル間で判定結果を送受信するようにしても良い。これにより、各セル間あるいはコアネットワークとセル間のシグナリング量を削減することが可能である。
【0223】
本変形例で開示した方法は、実施の形態3で開示した方法とあわせて用いても良い。UL CoMPを行なう全てのセルの判定結果から一つの判定結果を導出し、該一つの判定結果をUL CoMPを行なういずれか一つのセルからUL CoMPの対象となるUEに対して送信するようにしても良い。こうすることで、いずれかのセルの受信品質が悪くてもいずれか一つのセルの受信品質が良ければ、初送 および/または Ackを全てのセルから送信することが可能となるため、システムとしてのスループットを向上させることが可能となるとともに、UL CoMPによる高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。また、いずれか一つのセルを、サービングセルとしても良い。これにより、一貫してUEはサービングセルからの制御情報を受信していれば良く、セルおよびUEでの制御回路規模の削減、制御誤動作の低減ができる効果が得られる。
【0224】
本変形例で開示した方法は実施の形態2で開示した方法とあわせて用いても良い。本変形例で示した効果だけ無く、実施の形態2で示した効果も得られる。
【0225】
実施の形態3 変形例2
本変形例では、実施の形態3であげた問題を解消するため、UL CoMPを行なう場合に、対象となるUEに対して上りHARQを行なう別の方法を開示する。
【0226】
UL CoMPの対象となるUEが、UL CoMP内各セルからの再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNack判定結果にもとづいて、一つの判定結果を導出するようにしても良い。導出方法は変形例1で開示した方法が適用可能である。各セルは、UEから送信する再送あるいは初送のデータに、再送ナンバあるいは初送ナンバなどの初送かあるいは何回目の再送かを表す識別情報をのせておくと良い。各セルは該識別情報をもとに上りHARQを行なうようにする。こうすることで、UEが各セルからの再送あるいは初送の判定 および/または AckあるいはNack判定結果を受信しなければならなくなるが、各セルは、送信する判定結果を一つに決めるための制御を行なわなくて済む。本変形例は、上り送信割当てが周期的に行なわれるパーシステントスケジューリングまたはセミパーシステントスケジューリングなどに適用できる。これにより、初送の割当てタイミングは決められているので、各セルから異なる判定結果がUEに送信されたとしても、UE内で行なった判定結果をもとに、該周期にもとづく送信タイミングで次の送信を行なうことで、各セルは該UEからの送信データ(PUSCH)を受信することが可能となる。これにより、上りHARQによるスループットの改善を図りつつ、さらにUL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0227】
実施の形態4
LTEでは各セルにおいてPUSCHの周波数ホッピングが行なわれる(非特許文献9、非特許文献10)。PUSCHの周波数ホッピングパターンは各セル毎のセル識別子(Cell-ID、PCI)を用いて導出される。従って、UL CoMPを行なうセル(マルチポイントセル)間でPUSCHの周波数ホッピングパターンは異なる。例えば、実施の形態2から実施の形態3の変形例2で開示した、UL CoMPを行なうセルのうちサービングセルからUL CoMP対象となるUEへのPUSCH割当て情報を送信するような場合、該PUSCHに対して周波数ホッピングを行なうと、該ホッピングパターンはサービングセルによって用いられるホッピングパターンとなる。UL CoMPを行なう他のセルによって用いられるホッピングパターンとは異なることになる。従って、UL CoMPを行う他のセルは、該UEのPUSCHの周波数ホッピングパターンを知らないため、該UEからのPUSCHを受信することが不可能となる。従って、UL CoMPを行うことが不可能となる。
【0228】
この問題を解消するため、サービングセルからUL CoMPを行なう他のセルに、該UEに対するPUSCHの周波数ホッピングパターンに関する情報を送信する。該情報の送信は、該UEに対してUL CoMPを行なう前に行われると良い。例えば、図30のST3001で行なわれるようにしても良い。PUSCHの周波数ホッピングパターンに関する情報は、周波数ホッピングを行なうか否かを示す情報、サービングセルのセル識別子(Cell-ID、PCI)、サービングセルのシステム帯域幅、サービングセルのサブブロック数などである。これらの情報をあらかじめ他のセルに送信することによって、たとえPUSCHの周波数ホッピングが行なわれたとしても、他のセルは該UEからのPUSCHを受信することが可能となる。従って、UL CoMPの目的の、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、システムスループットの増大を図ることが可能となる。
【0229】
しかし、サービングセルから他のセルに、該UEに対するPUSCHの周波数ホッピングパターンに関する情報を送信して、他のセルにおいて該UEのPUSCHの送信される物理リソース割当を導出する制御は複雑になる。なぜならば、周波数ホッピングはサブフレーム毎あるいはスロット毎に行なわれるからである。これを行なうには、該周波数ホッピングに関する情報をサブフレーム毎あるいはスロット毎に送信しなければならず、サービングセルから他のセルへのシグナリング量が増大することになる。また、他のセルにおける周波数ホッピング制御もサブフレーム毎あるいはスロット毎に行なわれることになり、制御が複雑になり、セルの制御回路規模の増大や消費電力の増大を招く。
【0230】
従って、この問題を解消するため、UL CoMPの対象となるUEに対してはPUSCHのホッピングを行なわないようする(禁止する)と良い。このことはあらかじめ決められていても良い。あるいは、サービングセルが、UL CoMPの対象となるUEに対して、周波数ホッピングを行なうか否か(許可するか禁止するか)を示す情報を送信するようにしても良い。こうすることで、サービングセルはUL CoMP対象となるUEに対してPUSCHのホッピングを行なわないようにすることが可能となるため、上述のような問題を解消することが可能となる。
【0231】
サービングセルは、UL CoMP対象となるUEに対してPUSCHのホッピングを行なわないようにした場合は、他のセルに対して、図30のST3001で開示したPUSCHの割当て情報を送信すれば良い。あるいは、他のセルに対して、周波数ホッピングを行なうか否かを示す情報を送信するようにしても良い。周波数ホッピングを行なわない情報を送信した場合は、さらに図30のST3001で開示したPUSCHの割当て情報を送信すれば良いし、周波数ホッピングを行なう情報を送信した場合は前述のPUSCHの周波数ホッピングパターンに関する情報を送信すれば良い。これにより、周波数ホッピングを行なうか行なわないかをダイナミックに変更することが可能となるため、柔軟な無線リソースの割当てが可能となる。
【0232】
周波数ホッピングが行なわれるのは、多くは、パーシステントスケジューリングまたはセミパーシステントスケジューリングなど、上り送信割当てが周期的に行なわれる場合である。この様な場合、UEは周期的にPUSCHの送信を行なうが、毎送信時に該PUSCHの割当て情報をサービングセルからUEに対して送信するのは無線リソースの無駄となる。これを避けるため毎回のPUSCHの割当を同じとすると、その割当てる物理リソースすなわち周波数−時間領域の電波伝搬状況が悪化した場合、セルでのPUSCHの受信品質が連続して劣化してしまう。PUSCHが連続して劣化すると通信が切断されるなどの問題が発生する。このため、周期的にPUSCHの送信を行なうような場合は、PUSCHに周波数ホッピングを行なうことで、セルでのPUSCHの受信品質が連続して劣化することを回避する。このように、周期的にPUSCHの送信を行なうような場合に、PUSCHに周波数ホッピングが行なわれることが多い。
【0233】
しかし、UL CoMPの対象となったUEが周波数ホッピングを行わない(停止する)としても、問題は生じない。なぜならば、UL CoMPは、一つのUEとUL CoMPを行うセルとの間に複数の電波伝搬路が形成されるからである。従って、一つのセルとのPUSCH割当て物理リソースすなわち周波数−時間領域の電波伝搬状況が悪化したとしても、他のセルとの電波伝搬状況は悪化することは無いため、他のセルでの該PUSCHの受信品質が低下することはない。従って、UL CoMPを行うセルにより受信情報を合成することによって、受信品質を維持することが可能となり、通信が切断されるようなことは無くなる。
【0234】
従って、UL CoMPの対象となったUEが周波数ホッピングを行わない(禁止する)としても問題は無く、そうすることで、制御の複雑さを回避できるという効果が得られることになる。
【0235】
また、UL CoMPの対象となるUEに対して、サービスに応じて、PUSCHのホッピングを行なうか行なわないか(許可するか禁止するか)の設定をするようにしても良い。この設定はあらかじめ決められていても良い。例えば、UL CoMPの対象となるUEの送信データが音声通信サービスの場合はPUSCHのホッピングを行なわない(禁止する)ようにすると良い。これは、サービスに応じてPUSCHにパーシステントスケジューリングまたはセミパーシステントスケジューリングなどが行なわれるかどうかが決定されることが多く、それにより、PUSCHに周波数ホッピングが行なわれるかどうかが決定されることが多いためである。従って、サービスに応じてPUSCHのホッピングを行なうか行わないか設定するようにしておくことで、UL CoMP制御が複雑になるのを回避することが可能となる。
【0236】
実施の形態1で開示した、DL CoMP用に割当て不可能な物理リソースまたは割当て可能な物理リソースをあらかじめ決めておく方法をUL CoMPに適用しても良い。例えば、PDSCHを割当て可能な物理リソースの内、UL CoMP用に割当て可能な物理リソースの周波数領域をあらかじめ決めておき、その他の周波数領域を周波数ホッピングの対象とする物理リソースと決めておいても良い。上り周波数ホッピング可能な物理リソースをUL CoMP用の物理リソースと分割することで、セル毎に行なわれる周波数ホッピングの制御と、UL CoMPを行なう各セル間で協調して行なわなければならないPUSCHの物理リソースへのスケジューリング制御を独立させることが可能となる。このため、上り周波数ホッピング制御、UL CoMP制御を容易にすることが可能となる。
【0237】
セミスタティックに行なわれる場合、各セルからUEへの、周波数ホッピング可能な物理リソース情報または周波数ホッピング不可能な物理リソース情報の通知は、報知情報にのせて通知すれば良い。該物理リソースの変更情報を報知情報にのせて通知すれば良い。各セルからUEへ報知情報にのせて通知することで、各セル傘下の全UEが該セルの周波数ホッピング可能な物理リソースを認識することが可能となり、従って、周波数ホッピング可能な物理リソース内で周波数ホッピングパターンを決定することが可能となる。
【0238】
ここでは、UL CoMPを行う場合について記載したが、本実施の形態で開示した方法は、DL CoMPに用いても良い。DL CoMPに用いることで、DL CoMP時も同様の効果を得ることが可能となる。
【0239】
本発明についてはLTEアドバンスドシステムを中心に記載したが、OFDMを利用した他のシステムにも適用可能である。更には、CSG(Closed Subscriber Group)が導入される移動体通信システムおよび、CSGと同じようにオペレータが加入者を特定し、特定された加入者がアクセスを許可されるような通信システム、HeNBと同じように通常のセルと比較してセル半径の小さいセルが導入されるような通信システムにおいて適用可能である。
図1
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