特開2018-50794(P2018-50794A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-50794(P2018-50794A)
(43)【公開日】2018年4月5日
(54)【発明の名称】測温装置及び測温方法
(51)【国際特許分類】
   A61D 13/00 20060101AFI20180309BHJP
   A01K 67/00 20060101ALI20180309BHJP
   A01K 5/01 20060101ALI20180309BHJP
   A61D 1/14 20060101ALI20180309BHJP
【FI】
   A61D13/00 A
   A01K67/00 D
   A01K5/01 Z
   A61D1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-188480(P2016-188480)
(22)【出願日】2016年9月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【住所又は居所】東京都板橋区蓮沼町75番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 久
【住所又は居所】東京都板橋区蓮沼町75−1株式会社トプコン
【テーマコード(参考)】
2B102
【Fターム(参考)】
2B102AA01
2B102AB50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力を削減しつつ、動物の体温測定の正確性を向上させることができる測温装置及び測温方法を提供すること。
【解決手段】非接触で所定の範囲の温度分布を測定するサーモグラフィ20と、設定した温度で発熱可能な発熱体を有する校正部21と、校正部21の温度の異なる複数箇所に設置され、各設置箇所の温度を測定するサーミスタとを備え、制御部22が、サーモグラフィ20により対象物である子牛Cの眼部Eを含む範囲の温度分布を測定した第1の測温結果に対し、サーモグラフィ20により校正部21を含む範囲の温度分布を測定した第2の測温結果とサーミスタにより校正部21の温度分布を測定した第3の測定結果の対応する箇所の温度差に基づき、校正を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の体外から当該動物の体温を非接触で測定する測温装置であって、
非接触で所定の範囲の温度分布を測定する第1の測温部と、
設定した温度で発熱可能な発熱体を有する校正部と、
前記校正部の温度の異なる複数箇所に設置され、各設置箇所の温度を測定する第2の測温部と、
前記第1の測温部により対象物を含む範囲の温度分布を測定した第1の測温結果に対し、前記第1の測温部により前記校正部を含む範囲の温度分布を測定した第2の測温結果と前記第2の測温部により前記校正部の温度分布を測定した第3の測定結果の対応する箇所の温度を比較して、校正を行う制御部と、
を備える測温装置。
【請求項2】
前記校正部は、前記発熱体からの熱が伝わる伝熱体を有しており、
前記第2の測温部は、前記発熱体と、前記伝熱体の少なくとも1箇所に設置されている請求項1記載の測温装置。
【請求項3】
前記校正部は、前記発熱体を複数有しており、
前記第2の測温部は、前記複数の発熱体それぞれに設置されている請求項1記載の測温装置。
【請求項4】
前記対象物は前記動物の眼である請求項1から3のいずれか一項に記載の測温装置。
【請求項5】
前記第1の測温部は前記動物に飼料を与える飼料提供部に取り付けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の測温装置。
【請求項6】
前記飼料提供部は哺乳器である請求項5記載の測温装置。
【請求項7】
動物の体外から当該動物の体温を非接触で測定する測温方法であって、
非接触で所定の範囲の温度分布を測定する第1の測温部により対象物を含む範囲の温度分布を測定する第1の測温工程と、
前記第1の測温部により、設定した温度で発熱可能な発熱体を有する校正部を含む範囲の温度分布を測定する第2の測温工程と、
前記校正部の温度の異なる複数箇所に設置され、各設置箇所の温度を測定する第2の測温部により、前記校正部の温度分布を測定する第3の測温工程と、
前記第1の測温工程により測定された第1の測温結果に対し、前記第2の測温工程により測定された第2の測温結果と前記第3の測温工程により測定された第3の測温結果との対応する箇所の温度差に基づき、校正を行う校正工程と、
を備える測温方法。
【請求項8】
前記第1の測温工程は、前記動物の飼料摂食時に行う請求項7記載の測温方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜等の動物の体温を測定する測温装置及び測温方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛等の動物の体温を測定するためには、体温計などの接触型温度計を直腸内又は口内に挿入し、一定時間、定位置に留めなければならなかった。それゆえ、測定者にも、動物にも多大なストレスや労力がかかっていた。
【0003】
そこで、サーモグラフィ等のような非接触型温度計により、動物の体外から体温を測定する手法が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−515872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的に非接触型温度計は風等の外部環境の影響を受けやすく、測定誤差(例えば±2℃)も生じやすい。体温を測る上でこのような測定誤差が生じると健康管理の信頼性を損なうという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力を削減しつつ、動物の体温測定の正確性を向上させることができる測温装置及び測温方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る測温装置では、動物の体外から当該動物の体温を非接触で測定する測温装置であって、非接触で所定の範囲の温度分布を測定する第1の測温部と、設定した温度で発熱可能な発熱体を有する校正部と、前記校正部の温度の異なる複数箇所に設置され、各設置箇所の温度を測定する第2の測温部と、前記第1の測温部により対象物を含む範囲の温度分布を測定した第1の測温結果に対し、前記第1の測温部により前記校正部を含む範囲の温度分布を測定した第2の測温結果と前記第2の測温部により前記校正部の温度分布を測定した第3の測定結果の対応する箇所の温度を比較して、校正を行う制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る測温装置において、前記校正部は、前記発熱体からの熱が伝わる伝熱体を有しており、前記第2の測温部は、前記発熱体と、前記伝熱体の少なくとも1箇所に設置されていてもよい。
【0009】
また、本発明に係る測温装置において、前記校正部は、前記発熱体を複数有しており、前記第2の測温部は、前記複数の発熱体それぞれに設置されていてもよい。
【0010】
また、本発明に係る測温装置において、前記対象物は前記動物の眼であってもよい。
【0011】
また、本発明に係る測温装置において、前記第1の測温部は前記動物に飼料を与える飼料提供部に取り付けられていてもよい。
【0012】
また、本発明に係る測温装置において、前記飼料提供部は哺乳器であってもよい。
【0013】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る測温方法では、動物の体外から当該動物の体温を非接触で測定する測温方法であって、非接触で所定の範囲の温度分布を測定する第1の測温部により対象物を含む範囲の温度分布を測定する第1の測温工程と、前記第1の測温部により、設定した温度で発熱可能な発熱体を有する校正部を含む範囲の温度分布を測定する第2の測温工程と、前記校正部の温度の異なる複数箇所に設置され、各設置箇所の温度を測定する第2の測温部により、前記校正部の温度分布を測定する第3の測温工程と、前記第1の測温工程により測定された第1の測温結果に対し、前記第2の測温工程により測定された第2の測温結果と前記第3の測温工程により測定された第3の測温結果との対応する箇所の温度差に基づき、校正を行う校正工程と、を備える。
【0014】
本発明に係る測温方法において、前記第1の測温工程は、前記動物の飼料摂食時に行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記手段を用いる本発明によれば、測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力を削減しつつ、動物の体温測定の正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る測温装置1の全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る校正部の概略構成図である。
図3】本実施形態における測温装置の制御部が実行する測温制御ルーチンを示すフローチャートである。
図4】サーモグラフィが測温対象物に指向している状態(a)及び校正部に指向している状態(b)を示す上面視概略図である。
図5】子牛の眼の温度分布例(a)及び校正部の温度分布例(b)の説明図である。
図6】本発明の変形例に係る校正部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0018】
図1には本発明の一実施形態に係る測温装置1の全体構成図、図2には校正部の概略構成図が示されている。
【0019】
測温装置1は、動物の体外から当該動物の体温を非接触で測温するものであり、本実施形態においては測定対象の動物を子牛Cとし、深部体温と相関性の高い表面温度を示す眼部Eを測温対象としている。そして、当該測温装置1の大部分は子牛Cの飼料であるミルクを供給する哺乳器2(飼料提供部)上に設けられている。
【0020】
哺乳器2は、子牛Cが乳飲のために咥える人工乳首10と、当該人工乳首10を支持する本体部11と、図示しないミルクタンクから本体部11にミルクを輸送する輸送管12とから構成されている。本体部11は、一端面中央部にて人工乳首10を支持する円筒部11aと、当該円筒部11aの他端から輸送管12まで円錐状に延びる円錐部11bとからなる。
【0021】
測温装置1は、主にサーモグラフィ(第1の測温部)20、校正部21、及び制御部22を有している。サーモグラフィ20と校正部21は、哺乳器2に本体部11における円筒部11a上部に、板状の支持板23を介して設けられている。支持板23は人工乳首10の延長方向に対して垂直な水平方向に延びており、一端部が円筒部11a上部に固定されている。
【0022】
サーモグラフィ20は、測定対象物から発せられる赤外線量に基づいて、非接触で所定の範囲の温度分布を示す熱画像を取得するカメラであり、水平方向に回転可能な回転駆動部24を介して支持板23上に設けられている。
【0023】
一方、校正部21は支持板23の他端部上に設けられている。なお、サーモグラフィ20と校正部21との位置関係は、サーモグラフィ20と校正部21との距離が、サーモグラフィ20から人工乳首10を咥えた子牛Cの眼までの距離とおおよそ同等となるように設定される。
【0024】
校正部21は、図2に示すように、発熱体30と、当該発熱体30と連結された棒状の伝熱体31とを有しており、当該発熱体30と伝熱体31の複数箇所にサーミスタ(第2の測温部)32a〜32dが設けられている。
【0025】
発熱体30は有底円筒状の断熱材からなるケース33により覆われており、伝熱体31は当該ケース33上面から上方に突出している。さらに、当該ケース33の外周から、上部が開放された円筒状のカバー34が上方に延びている。当該カバー34は、赤外線が通過する透明な素材からなり、伝熱体31に風が当たるのを防ぐ風防の機能を有する。
【0026】
発熱体30は例えばペルチェ素子であり、設定した温度に発熱させることが可能である。伝熱体31は例えば銅からなる棒であり、発熱体30からの温度が伝達され、発熱体30に近い側の端部が最も高く、他端に向かうにつれ徐々に低くなる温度勾配を生じる。伝熱体31は、この温度勾配が少なくとも測定対象である動物の体温範囲を含むように、長さや太さが設定されている。
【0027】
伝熱体31に設けられている各サーミスタ32b〜32dは、当該伝熱体31の長手方向に略等間隔に設けられている。そして、各サーミスタ32a〜32dは、それぞれの設置箇所の温度を測定する。なお、本実施形態ではサーミスタを4つ設けているが、サーミスタを設ける数は、少なくとも発熱体に1つと、伝熱体に1つあればよい。サーミスタの数が多いほど精度は高くなるが、サーミスタの数が少ない場合でも発熱体の発熱温度と伝熱体の構成から各箇所の温度を推定することも可能である。
【0028】
サーモグラフィ20、回転駆動部24、発熱体30、各サーミスタ32a〜32dは制御部22と通信可能に接続されている。制御部22は、例えばパーソナルコンピュータであり、サーモグラフィ20により測定される温度分布情報、各サーミスタ32a〜32dにより測定される温度情報の取得、記憶、演算等を行い、その結果に応じて回転駆動部24の駆動制御や発熱体30の温度設定を行う。
【0029】
また、制御部22は表示部25とも接続されている。表示部25は、例えばLCD等のフラットパネルディスプレイやCRTディスプレイである。
【0030】
そして、制御部22は、子牛の体温を体外から非接触で測定すべく、哺乳器2を介して乳飲中(飼料摂食時)の子牛の眼を測温対象物として、サーモグラフィ20により子牛Cの眼の温度を測定し、且つこの測定した温度に対して校正部21を用いて校正(キャリブレーション)する、測温制御を実行する。
【0031】
詳しくは、図3に本実施形態における測温装置の制御部が実行する測温制御ルーチンがフローチャートで示されており、図4にはサーモグラフィが測温対象物に指向している状態(a)及び校正部に指向している状態(b)を示す上面視概略図、図5には子牛の眼の温度分布例(a)及び校正部の温度分布例(b)の説明図が示されている。以下、図4、5を途中で参照しつつ、図3のフローチャートに沿って説明する。
【0032】
まず、制御部22は、例えば子牛Cが哺乳器2の人工乳首10を咥えたことをトリガとして測温制御を開始する。また、制御部22は、予め発熱体30を所定温度に発熱させておく。当該所定温度は例えば子牛Cの体温より高い温度であり、±0.1℃の範囲で保たれるようフィードバック制御される。
【0033】
ステップS1として、制御部22は、サーモグラフィ20により子牛Cの眼部Eを含む範囲の温度分布を測定する(第1の測温工程)。ここで測定した温度分布を以下第1の測温結果という。これは図4(a)に示すように、サーモグラフィ20を人工乳首10がある正面方向に指向させることで、子牛Cの眼部Eを測定範囲内に収め、図5(a)に示すような眼部Eを含む温度分布の熱画像を得る。サーモグラフィ20では、色彩の違いによって温度の高低が判別され、例えば図5(a)では眼部Eの範囲A1aが暖色(例えば赤色)、眼部E周辺の範囲A1bが中間色(例えば緑色)、眼部E周辺より外側の範囲A1cが寒色(例えば青色)で示されており、暖色寄りは温度が高く、寒色寄りは温度が低いことを示している。なお、図5(a)(b)では説明を簡略化するために、温度範囲を3段階で示しているが、実際の温度範囲はさらに細分化されている。
【0034】
続いて、ステップS2として制御部22は、回転駆動部24を制御してサーモグラフィ20を校正部21の方向に指向させる。これは図4(b)に示すように、サーモグラフィを上面視において時計回りに90°回転させて、校正部21に正対させる。
【0035】
ステップS3では、制御部22は、校正部21を含む範囲の温度分布を測定する(第2の測温工程)。ここで測定した温度分布を以下第2の測温結果という。これは、上記ステップS2においてサーモグラフィ20を校正部21の方向に指向させたことで、校正部21が測定範囲内に収まり、図5(b)に示すような校正部21を含む温度分布の熱画像を得る。図5(a)では伝熱体31において、発熱体30に近い下部範囲A2aが暖色、中間範囲A2bが中間色、上部範囲A2cが寒色(例えば青色)で示されている。
【0036】
また、ステップS4において、制御部22は、各サーミスタ32a〜32dによる温度測定を行う(第3の測温工程)。これは、図5(b)に示すように、伝熱体31に設けられた各サーミスタ32b〜32dにより各箇所の温度を測定することで、伝熱体31の温度分布を得る。ここで測定した温度分布を以下第3の測温結果という。図5(a)では伝熱体31において、下部に設けられたサーミスタ32bでは温度Ta、中間部に設けられたサーミスタ32cでは温度Tb、上部に設けられたサーミスタ32dでは温度Tcが測定されている。なお、制御部22は、発熱体30に設けられたサーミスタ32aにより測定される温度T0を、発熱体30の温度を保つためのフィードバック制御に用いる。
【0037】
続くステップS5では、制御部22は第1の測定結果に対し、第2の測定結果と第3の測定結果の対応する箇所の温度を比較して、測定誤差の校正を行う(校正工程)。具体的には、図5(b)に示す第2の測定結果の範囲A2a〜A2cに対応する温度と、各範囲に対応する第3の測定結果の測定温度Ta〜Tcとの温度差を校正値として算出する。そして、第1の測定結果における対象物である眼部の範囲A1aの温度に対して、対応する校正値により校正した校正温度を算出する。
【0038】
そして、ステップS6において制御部22は、少なくとも上記ステップS5で校正した眼部Eの校正温度を表示して、当該ルーチンを終了する。なお、表示部25には、この他にも第1の測定結果、第2の測定結果、第3の測定結果をそれぞれ表示したり、その他の情報を表示したりしてもよい。
【0039】
このようにして、測温装置1は、第1の測温結果であるサーモグラフィ20により測定した子牛Cの眼部Eを含む温度分布に対して、校正部21を用いることで眼部Eの正確な校正温度を得ることができる。これにより、非接触での体温測定により測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力を削減することができる上、体温測定に対して測定誤差の大きかったサーモグラフィ20による体温測定の信頼性を向上させることができる。
【0040】
本実施形態における校正部21は、発熱体30と伝熱体31とからなり、当該伝熱体31をサーモグラフィ20で測定することで上記第2の測温結果を得て、当該伝熱体31に複数のサーミスタ32b〜32dを設けることで上記第3の測温結果を得ている。これにより、一つの発熱体30により容易にサーモグラフィ20により測定結果の校正を行うことができる。
【0041】
また、本実施形態では、子牛Cの体温を測定するのに深部体温と相関性の高い表面温度を示す眼部Eの温度を測定することで、非接触な体温測定においても信頼度の高い健康管理を実現することができる。
【0042】
また測温装置1は、飼料提供部である哺乳器2に設けられ、子牛Cの乳飲時に眼部Eの温度測定を行うことから、体温測定のためだけに子牛Cを拘束することもなく、自然な状態で眼部Eの温度を測定できることから、測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力をより一層削減することができる。
【0043】
以上のことから、本実施形態に係る測温装置及び測温方法によれば、測定者及び測定対象である動物に対するストレスや労力を削減しつつ、動物の体温測定の正確性を向上させることができる。
【0044】
以上で本発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
【0045】
例えば、図6には、本発明の変形例に係る校正部の概略構成図が示されており、同図に基づき本発明の変形例について説明する。なお、校正部以外の校正は上記実施形態と同様であるため同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0046】
図6に示されている校正部40は、基部41から上方に延びる断熱棒42に複数の発熱体43a〜43cがそれぞれ間隔をあけて設けられている。そして、各発熱体43a〜43cにはそれぞれサーミスタ44a〜44cが設けられている。また、上記実施形態と同様に、カバー45が設けられている。
【0047】
各発熱体43a〜43c及び各サーミスタ44a〜44cは制御部22’に接続されており、制御部22’は各発熱体43a〜43cをそれぞれ異なる温度となるように温度設定する。例えば、制御部22’は、下部に設けられている発熱体43aを対象動物の体温の上限、中央部に設けられている発熱体43bを対象動物の体温の中間温度、上部に設けられている発熱体43cを対象動物の体温の下限に設定する。なお、発熱体及びサーミスタの数は少なくとも2つずつ設ければよくこれに限られるものではない。
【0048】
そして、制御部22’は、第1の測温結果を得た後、サーモグラフィ20により校正部40を含む範囲の温度分布を測定して第2の測温結果と、各サーミスタ44a〜44cによる温度測定により第3の測温結果を得ることで、上記実施形態と同様の測温制御を行うことができる。
【0049】
当該変形例によれば、校正部40において発熱体43a〜43cを複数設け、各発熱体にサーミスタ44a〜44cを設けていることから、制御部22’によりそれぞれの発熱体43a〜43cの温度を設定管理することができる。したがって、より精密な校正を行うことができる。
【0050】
この他にも、上記実施形態及び変形例では、サーモグラフィ20により対象物の温度分布を測定(S1)した後、校正部21、40の温度分布の測定(S3)及びサーミスタによる温度測定(S4)を行っているが、この順序に限られるものではない。例えば先に校正部の温度分布の測定及びサーミスタによる温度測定を行い、その後にサーモグラフィによる対象物の温度分布の測定を行ってもよい。また、各サーミスタによる温度測定はステップS4のタイミングだけでなく、定期的に測定したり、常時測定したりしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態及び変形例では、回転駆動部24によりサーモグラフィ20を回転駆動して眼部Eと校正部21の温度分布の測定を行っているが、サーモグラフィと校正部との位置関係はこれに限られるものではない。例えば、サーモグラフィの測定範囲に測温対象とともに校正部が含まれるよう校正部を配置することで回転駆動部がなくとも本発明を実現することができ、より効率的な校正を行うことができることとなる。
【0052】
また、上記実施形態及び変形例では、子牛Cが哺乳器2の人工乳首10を咥えたことをトリガとして測温制御を開始しているが、測温制御を開始するトリガはこれに限られるものではない。
【0053】
また、上記実施形態及び変形例では、測温装置1を哺乳器2に設けているが、測温装置は哺乳器に設けられるものに限られず、測温装置単体で使用することも可能であるし、その他の飼料提供部に設けてもよい。
【0054】
また、上記実施形態及び変形例では、体温を測定する対象動物を子牛Cとし、測温対象を眼部Eとしているが、測温装置により体温を測定できる対象動物や測温対象はこれに限られるものではない。例えば、豚等の他の家畜を対象動物としたり、深部体温と相関性の高い表面温度を示す部分であれば眼部以外を測温対象としたりすることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 測温装置
2 哺乳器(飼料提供部)
20 サーモグラフィ(第1の測温部)
21 校正部
22 制御部
24 回転駆動部
25 表示部
30 発熱体
31 伝熱体
32a〜32d サーミスタ(第2の測温部)
C 子牛
E 眼部
図1
図2
図3
図4
図5
図6