特開2018-59852(P2018-59852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-59852力センサの製造方法、および、力センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-59852(P2018-59852A)
(43)【公開日】2018年4月12日
(54)【発明の名称】力センサの製造方法、および、力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/18 20060101AFI20180316BHJP
【FI】
   G01L1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-198484(P2016-198484)
(22)【出願日】2016年10月6日
(71)【出願人】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区六甲台町1−1
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】磯野 吉正
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区六甲台町1−1 国立大学法人神戸大学内
(57)【要約】
【課題】高い形状再現性が確保できるMEMS力センサを製造する。
【解決手段】MEMS力センサの製造方法であって、半導体製の基礎部材106の一部表面に所定の元素を付着させ、基礎部材106を加熱しながら、所定の元素が付着した部分、および、その近傍を押圧部材301により押圧し、元素を基礎部材106の表層部に拡散させながら、塑性変形させる力センサの製造方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサの製造方法であって、
半導体製の基礎部材の一部表面に所定の元素を付着させ、
前記基礎部材を加熱しながら、
所定の元素が付着した部分、および、その近傍を押圧部材により押圧し、
前記元素を前記基礎部材の表層部に拡散させながら、塑性変形させる
力センサの製造方法。
【請求項2】
前記基礎部材を押圧部材により押圧する前に、前記基礎部材に貫通状の中心孔を設け、
前記中心孔に球体の一部をはめ込み、
前記球体を介して前記押圧部材により前記元素が付着した部分、および、その近傍を押圧する
請求項1に記載の力センサの製造方法。
【請求項3】
前記基礎部材を押圧部材により押圧する前に、前記基礎部材の厚さ方向に貫通する孔を複数箇所に設ける
請求項1または2に記載の力センサの製造方法。
【請求項4】
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサであって、
半導体製の板状の基礎部材の一部が板面から突出するように湾曲する変形部と、
前記変形部の湾曲している表層の一部に素子部が設けられる検出部と
を備える力センサ。
【請求項5】
前記変形部の形状はドーム形状であり、
前記検出部は、前記変形部の頂点を中心とする円周上に並んで複数箇所に配置される
請求項4に記載の力センサ。
【請求項6】
前記変形部の頂点部分に貫通状の中心孔を備える
請求項5に記載の力センサ。
【請求項7】
前記変形部は、
隣り合う前記検出部の間に設けられる貫通状の分割孔を備える
請求項5または6に記載の力センサ。
【請求項8】
前記検出部は、
厚さ方向に貫通する貫通孔を備える
請求項4から7のいずれか1項に記載の力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加えられた力の大きさや方向などを検出する力センサの製造方法、および、力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り曲げられた微小なカンチレバーに外力を検知する機能を付与し、これらカンチレバーを3軸方向にそれぞれ向けて配置することにより、3軸方向の力を検出するいわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサが存在している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−218906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の三次元構造のMEMSセンサは、外部磁場による磁気力や薄膜の残留応力などによって、カンチレバーが折り曲げられているが、これを実現するには、三次元構造の部材に各種薄膜を形成するプロセスが必要である。このため、成膜プロセスにおいて、薄膜の膜厚や残留応力の制御を高精度に実現できなければ、製造後の形状再現性を確保することができないという困難性を備えている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、三次元構造を有するMEMSセンサでありながら高い形状再現性が確保できる力センサの製造方法、および、力センサの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる力センサの製造方法は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサの製造方法であって、半導体製の基礎部材の一部表面に所定の元素を付着させ、前記基礎部材を加熱しながら、所定の元素が付着した部分、および、その近傍を押圧部材により押圧し、前記元素を前記基礎部材の表層部に拡散させながら、塑性変形させることを特徴とする。
【0007】
これによれば、平板状の基礎部材を立体的な形状に塑性変形させる高温クリープ成形工程と、変形する基礎部材の表層にセンサの機能を付与する不純物拡散工程とを同時に進行させることで、製造プロセス工程を短縮しつつ湾曲部分の表層にセンサ素子を形成することが可能となる。これにより3軸方向の力を検出可能な力センサの高い形状再現性を確保することができ、製品の検出精度の安定性や歩留まりを向上させることが可能となる。
【0008】
また、前記基礎部材を押圧部材により押圧する前に、前記基礎部材に貫通状の中心孔を設け、前記中心孔に球体の一部をはめ込み、前記球体を介して前記押圧部材により前記元素が付着した部分、および、その近傍を押圧してもよい。
【0009】
フォトリソグラフィなどの微細加工技術を用いて正確な位置に設けられた中心孔にはめ込まれた球体を押圧することで、基礎部材の正確な位置にドーム状に変形した部分を形成することが可能となる。従って、基礎部材における位置、および、形状の高い再現性を確保することが可能となる。
【0010】
また、前記基礎部材を押圧部材により押圧する前に、前記基礎部材の厚さ方向に貫通する孔を中心孔とは異なる複数箇所に設けても構わない。
【0011】
これによれば、押圧部材により押圧される際の基礎部材の応力を高めることができ、比較的容易に基礎部材を塑性変形させることが可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明にかかる力センサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサであって、半導体製の板状の基礎部材の一部が板面から突出するように湾曲する変形部と、前記変形部の湾曲している表層の一部に素子部が設けられる検出部とを備えることを特徴としている。
【0013】
これによれば、基礎部材の板面に垂直な方向を含む3軸方向の力を高い精度で検出することが可能となる。
【0014】
また、前記変形部の形状はドーム形状であり、前記検出部は、前記変形部の頂点を中心とする円周上に並んで複数箇所に配置されてもよい。
【0015】
これによれば、3軸方向の力をより詳細な情報として検出することが可能となる。
【0016】
また、前記変形部の頂点部分に貫通状の中心孔を備えてもよく、前記変形部は、隣り合う前記検出部の間に設けられる貫通状の分割孔を備えてもよい。また、前記検出部は、厚さ方向に貫通する貫通孔を備えてもよい。
【0017】
これらのように、変形部や検出部に貫通状の孔を設けることで、力センサの検出感度を調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
三次元構造を有する力センサを高い形状再現性の下で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、力センサを示す斜視図である。
図2図2は、力センサを示す平面図である。
図3図3は、図2に示すA−A線で切断した力センサの断面図である。
図4図4は、塑性変形前のエッチングパターンを示す平面図である。
図5図5は、変形部を塑性変形させる工程を示す断面図である。
図6図6は、力センサの変形例を示す斜視図である。
図7図7は、変形部を塑性変形させる工程の変形例を示す断面図である。
図8図8は、基礎部材に複数の変形部を設けた場合を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る力センサの製造方法、および、力センサの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明に係る力センサの製造方法、および、力センサの一例を示したものに過ぎない。従って本発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0021】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0022】
図1は、力センサを示す斜視図である。
【0023】
図2は、力センサを示す平面図である。
【0024】
なお、図面において変形部101(検出部102)は、厚さを省略して示す場合がある。
【0025】
同図に示すように、力センサ100は、フォトリソグラフィなどの微細加工技術、および、微細塑性変形加工技術を用いて製造され、機械的構造と電気素子的構造とを併せ持ついわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサであって、変形部101と、検出部102とを備えている。
【0026】
変形部101は、半導体であるシリコンの板状の基礎部材106の一部であって、微細加工技術により厚さを薄くした部分を基礎部材106の板面から突出するように塑性変形により湾曲させた部分である。本実施の形態の場合、変形部101は、全体視としてドーム状となっており、ドーム形状の頂点部分には、厚さ方向に貫通した中心孔111を備えている。また、変形部101は、中心孔111を中心としドーム形状に沿って放射状に配置される分割孔112を備えている。
【0027】
中心孔111、および、分割孔112は、後述の隣り合う検出部102の間に配置され検出部102同士の構造的な繋がりを分割、または、一部分割するために変形部101に設けられた貫通状の孔である。これにより、複数の検出部102が相互に独立してひずみを検出することができる。
【0028】
検出部102は、半導体製の変形部101の湾曲している表層の一部に素子部122が設けられた部分であり、検出部102の弾性変形的ひずみを素子部122によって電気信号に変更する部分である。
【0029】
本実施の形態の場合、検出部102は、ドーム形状の変形部101の頂点を中心とする円周上に均等に並んで複数箇所(4箇所)に配置されている。また、検出部102の基端部(変形部101の頂点とは反対側の端部)は、検出部102よりも厚い保持部161に接続されている。つまり、検出部102は、保持部161により片持ち状態で保持されている。保持部161は、放射状に配置される四つの検出部102を外側から一体に保持する円環状の部材である。また、保持部161は、基礎部材106を微細加工により形成された変形部101の近傍に存在する未加工部分であり、検出部102と保持部161とは一体である。
【0030】
素子部122は、検出部102のひずみを電気信号に変換することができる素子である。本実施の形態の場合、素子部122は、ピエゾ抵抗効果を発揮する部分であり、基礎部材106の表層に、基礎部材106を構成する元素とは異なる元素(不純物)をドーピングすることにより形成される。なお、素子部122の形成方法については後述する。
【0031】
本実施の形態の場合、素子部122は、検出部102の幅方向の2箇所に帯状に設けられる帯状部123と、帯状部123の一端部同士を接続する架橋部124とを備えている。また、保持部161の表層には、帯状部123の他端部に電気的に接続され、帯状部123よりも幅の広い端子部125が設けられている。
【0032】
端子部125は、素子部122と同様の元素がドーピングされ素子部122と同様に熱拡散により形成される部分であり、構造的(原子組成的)には素子部122と同様である。但し、検出部102よりも剛性の高い保持部161の表層に設けられているため、ピエゾ抵抗効果はほぼ発揮されず、端子部125は、専ら導体として機能する。
【0033】
また本実施の形態の場合、検出部102は、厚さ方向に貫通する貫通孔121を備えている。本実施の形態の場合、貫通孔121は、複数箇所にマトリクス状に配置されており、検出部102は、網の目の形状となっている。
【0034】
この貫通孔121は、製造時においては応力を集中させて検出部102を容易に塑性変形させるために機能し、力を検出する際には、立体的に湾曲した検出部102を撓みやすくして力の検出感度を向上させるために機能する。
【0035】
本実施の形態の場合、力センサ100は、さらに接続部113を備えている。接続部113は、隣り合う検出部102同士を接続し、保持部161に片持ち状態となっている検出部102の姿勢を安定させるための部分である。また、接続部113は、検出部102を独立して変形させるように、複数回湾曲した蛇行状となっている。
【0036】
図3は、図2に示すA−A線で切断した力センサの断面図である。
【0037】
同図に示すように、力センサ100は、検出部102の両面から挟んだ状態で配置される弾性部107をさらに備えている。本実施の形態の場合、弾性部107は、弾性を備えた樹脂で成形される部材である。弾性部107の形状や、弾性部107を構成する材料は、特に限定されるものではなく、検出する力の大きさや検出範囲によって適宜決定される。つまり、力が加えられることにより発生する検出部102のひずみの量が検出部102を挟んで配置される弾性部107のヤング率などにより調整される。樹脂としては具体的には、アクリル樹脂、ジメチルポリシロキサンのようなシリコン樹脂、その他エラストマーを例示することができる。
【0038】
本実施の形態に係る力センサ100によれば、基礎部材106の板面から突出する複数の検出部102により、加えられる力を三次元的に、特に基礎部材106の板面に垂直な方向の力を容易に捉えることがでる。また、各検出部102の素子部122から得られる信号を処理することにより、それぞれの検出部102に加えられた力の方向を三次元的に高精度に検出することができる。
【0039】
また、検出部102の両面ばかりでなく検出部102の周囲の部分も弾性部107によりモールドされているため、微細加工によって小さな力でも歪むように成形された検出部102の感度を弾性部107のヤング率により調整し、例えば力の検出範囲を0.01N〜5N等の微小な力を含むワイドレンジにすることが可能となる。
【0040】
また、大きな外力が働いた場合でも、弾性部107により検出部102が保護されているため、検出部102が破壊されることを抑止できる。
【0041】
つぎに、力センサ100の製造方法を説明する。
【0042】
図4は、塑性変形前のエッチングパターンを示す平面図である。
【0043】
力センサ100は、例えば変形部101全体としての大きさが500μm以下の径であるため、力センサ100の製造には微細加工技術が用いられる。
【0044】
本実施の形態の場合、検出部102(変形部101)と保持部161とを1つの半導体基板から形成する。
【0045】
半導体基板は、いわゆるSOI(Silicon on Insulator)と称される基板を用いている。これは、シリコン層201の表面や中間部に酸化シリコン層202が形成されている基板である。
【0046】
本実施の形態では、図4の上段に示すように、例えば反応性プラズマエッチングなどのドライエッチングにより厚いシリコン層201を円柱状に取り除き、薄い円板状の変形部101を形成する。
【0047】
つぎに、同図に示すように、表面に形成される酸化シリコン層に、素子部122を形成するためのパターン(破線で示す)をエッチングにより形成し、シリコン層の表面が露出した部分にシリコンとは異なる元素(例えば、リンやゲルマニウム)を充填する。
【0048】
また、中心孔111、分割孔112、貫通孔121のためのレジストパターンを形成した後、例えば反応性プラズマエッチングなどにより、変形部101を貫通する孔を複数箇所に所定のパターンで設ける。
【0049】
図5は、変形部を塑性変形させる工程を示す断面図である。
【0050】
同図に示すように、中心孔111、分割孔112、貫通孔121が設けられた変形部101が下に向くように配置し、基礎部材106を加熱しながら、所定の元素が付着した部分、および、その近傍を押圧部材301により押圧し、元素を基礎部材106の表層部に拡散させながら、変形部101を塑性変形させる。これにより、立体的に湾曲した検出部102を形成し、その表層に素子部122を形成することができる。また、本実施の形態の場合は、保持部161の表層にも端子部125が形成される。
【0051】
本実施の形態の場合、変形部101の中心に設けられた中心孔111に一部が嵌まり込む球体302を配置し、球体302を介して押圧部材301により元素が付着した部分の反対側の面、および、その近傍を押圧している。これにより、中心孔111によって球体302の芯出しを確実に実行され、変形部101において、押圧部材301により力が加えられる位置を正確に決定することが可能となる。また、変形部101は、押圧部材301の自重に基づき押圧されている。
【0052】
ここで、押圧部材301の形状や材質は特に限定されるものではなく、また、球体302の材質も特に限定されるものではない。なお、高温環境下で変形部101を押圧し続ける押圧部材301の材質は金属酸化物の結晶などが好ましい。特に、基礎部材106に接触する球体302の材質は、基礎部材106のシリコン結晶に対し安定した材質であることが好ましい。球体302の材質は、例えば酸化アルミニウムを主成分とする結晶やセラミクスを例示することができる。
【0053】
また、変形部101を押す力、押し続ける時間は、変形部101の厚みや変形部101を加熱する温度に依存する。一方、不純物である所定の元素の拡散工程における不純物の深さは、変形部101の厚み(シリコン層の厚み)と変形部を加熱する温度と時間に依存する。したがって、変形部101の塑性変形に必要な温度と時間、元素(不純物)を拡散させ素子部122を形成するための温度と時間とが一致するように前記パラメータを決定する。これらのパラメータは、FEA解析や実験により決定することができる。
【0054】
一例を示すと、変形部101の厚みが5μmの場合、変形部101を1050℃に加熱した状態で、18mNの力で8時間押圧し続けることで、立体的に湾曲した検出部102を形成し、ピエゾ抵抗効果を発揮する素子部122を湾曲した検出部102の表層部に形成することができた。
【0055】
また、変形部101の厚みが10μmの場合、変形部101を1000℃に加熱した状態で、46mNの力で2時間押圧し続けた場合でも、立体的に湾曲した検出部102を形成し、ピエゾ抵抗効果を発揮する素子部122を湾曲した検出部102の表層部に形成することができた。
【0056】
つぎに、保持部161を残すようにして基礎部材106の不要な部分を除去し、樹脂をモールドして弾性部107を形成する。また、端子部125にワイヤボンディングを行う事で、信号増幅器などに力センサ100を接続するための導線を取り付ける。
【0057】
以上により、力センサ100が製造される。
【0058】
上記力センサ100の製造方法には、三次元構造の検出部102を実現するために、単結晶Si薄膜の高温クリープ成形技術を採用している。これにより、製造後の力センサ100の高い形状再現性を確保することが可能となる。さらに、精密加工技術により設けられた中心孔111に球体302をはめ込んで変形部101を押圧するため、さらに高い形状再現性を確保することが可能となる。
【0059】
また、高温クリープ成形工程と素子部122を形成する不純物拡散工程を同時進行させることで、三次元に湾曲した検出部102の表層に素子部122を設けることができ、製造プロセス工程を短縮しつつ3軸方向の力を検知可能な力センサ100を実現することが可能となる。
【0060】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0061】
例えば、図6に示すような、隣り合う検出部102の間に分割孔112がなく、中心孔111や貫通孔121がない、ドーム状の膜に複数または単数の素子部122が設けられるものでも構わない。
【0062】
また、複数の検出部102に接続されるプローブが接合されるものでも構わない。
【0063】
また、シリコン製の基板に基づき力センサ100を製造する場合を説明したが、微細加工が可能な材質であれば、シリコンに限定されるものではない。
【0064】
また、図7に示すように、複数個の球体302を積み重ねることにより基礎部材106の板面から球体302の一部を突出させることができる場合、押圧部材301の形状は突出部分を持たない平板形状であっても構わない。これによれば、押圧部材301に対し微細加工が不要となる。
【0065】
また、図8に示すように、1つの基礎部材106に複数の変形部101を形成し、複数の変形部101に対して同時に押圧部材301や球体302を用いて押圧しても構わない。これにより、力センサ100を効率的に製造することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る力センサは、ロボットハンドの物体を把持する際の力の分布の測定、靴のソールへの埋め込みによる運動機能計測等に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
100 力センサ
101 変形部
102 検出部
106 基礎部材
107 弾性部
111 中心孔
112 分割孔
113 接続部
121 貫通孔
122 素子部
123 帯状部
124 架橋部
125 端子部
161 保持部
201 シリコン層
202 酸化シリコン層
301 押圧部材
302 球体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8