特開2019-149105(P2019-149105A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱日立パワーシステムズ株式会社の特許一覧
特開2019-149105プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法
<>
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000003
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000004
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000005
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000006
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000007
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000008
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000009
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000010
  • 特開2019149105-プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-149105(P2019-149105A)
(43)【公開日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】プラント運転支援装置、および、プラント運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20190809BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20190809BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20190809BHJP
【FI】
   G06Q50/04
   F23N5/00 C
   F23N5/00 L
   G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-34691(P2018-34691)
(22)【出願日】2018年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小澤 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 潤
(72)【発明者】
【氏名】平山 裕
(72)【発明者】
【氏名】宮本 学
(72)【発明者】
【氏名】坂本 正春
(72)【発明者】
【氏名】高木 一成
【テーマコード(参考)】
3K003
5L049
【Fターム(参考)】
3K003EA07
3K003FA10
3K003GA01
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】複数の燃料サプライヤからプラント運転者に提供される燃料構成の決定を通して燃料燃焼プラントの運転支援を行うプラント運転支援装置を提供する。
【解決手段】プラント運転支援装置は、燃料燃焼プラントを構成する機器に関する機器情報と、プラント運転者によって運転される燃料燃焼プラントの運転に関する計画である運転計画と、複数の燃料サプライヤから提供される複数種類の燃料の各々の燃料特性、提供可能量または燃料コストの少なくとも1つの情報を含む候補燃料情報を取得し、これらの候補燃料情報、運転計画、及び少なくとも1台の機器情報に基づいて、所定期間ごとの複数の燃料サプライヤの各々から供給される複数種類の燃料の各々の調達量を決定することにより、運転計画を実現可能な燃料調達計画を決定する燃料調達計画決定部を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料燃焼プラントで用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画を決定するプラント運転支援装置であって、
前記燃料燃焼プラントを構成する機器に関する機器情報を記憶する機器情報保持部と、
プラント運転者によって運転される前記燃料燃焼プラントの運転に関する計画である運転計画を取得するプラント運転計画取得部と、
複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の燃料特性、提供可能量または燃料コストの少なくとも1つの情報を含む候補燃料情報を取得する候補燃料情報取得部と、
前記燃料燃焼プラントを構成する少なくとも1台の前記機器の前記機器情報を前記機器情報保持部から取得する構成機器情報取得部と、
前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報に基づいて、前記複数の燃料サプライヤの各々から供給される前記複数種類の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、前記運転計画を実現可能な前記燃料調達計画を決定する燃料調達計画決定部と、を備えることを特徴とするプラント運転支援装置。
【請求項2】
前記燃料調達計画の少なくとも一部の情報を前記複数の燃料サプライヤの少なくとも一つに送信する燃料調達計画フィードバック部を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のプラント運転支援装置。
【請求項3】
前記燃料調達計画フィードバック部は、前記複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の前記提供可能量の調整が可能であるか否かを示す調整可否情報を取得すると共に、前記調整可否情報に基づいて、前記燃料調達計画の少なくとも一部を送信する送信先の前記燃料サプライヤを決定することを特徴とする請求項2に記載のプラント運転支援装置。
【請求項4】
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる燃料使用実績であって、前記複数種類の燃料の少なくとも1つの燃料の燃焼性能または燃料使用量を含む燃料使用実績を取得する燃料使用実績取得部と、
前記燃料使用実績の少なくとも一部の情報を、少なくとも1の前記燃料サプライヤに送信する燃料使用実績フィードバック部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項5】
前記候補燃料情報取得部は、前記燃料サプライヤが前記燃料使用実績に基づいて修正した前記候補燃料情報を取得することを特徴とする請求項4に記載のプラント運転支援装置。
【請求項6】
前記機器情報、前記運転計画、及び前記燃料調達計画に基づいて、前記燃料燃焼プラントのメンテナンス計画を決定するメンテナンス計画決定部を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項7】
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる運転データ実績を取得する運転データ実績取得部と、
前記運転データ実績に基づいて、前記メンテナンス計画の修正を判定するメンテナンス計画修正判定部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のプラント運転支援装置。
【請求項8】
前記燃料調達計画決定部は、前記候補燃料情報および前記機器情報に基づいて、前記候補燃料情報に含まれる複数燃料のうちから前記燃料燃焼プラントで使用可能な燃料を判定すると共に、使用可能と判定された前記燃料の前記候補燃料情報、前記機器情報および前記運転計画に基づいて前記燃料調達計画を算出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項9】
前記燃料調達計画決定部は、前記燃料燃焼プラントにおいて過去に使用された過去使用燃料と、前記過去使用燃料を用いて前記燃料燃焼プラントを運転することにより得られる過去運転実績との関係を機械学習することにより作成される学習モデルを用いて、前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報から前記燃料調達計画を決定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項10】
前記候補燃料情報は、前記燃料コストの情報を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項11】
前記候補燃料情報は、前記提供可能量の情報を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項12】
前記候補燃料情報は、前記燃料特性の情報を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項13】
前記複数種類の燃料はバイオマスを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項14】
燃料燃焼プラントで用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画を決定するプラント運転支援方法であって、
プラント運転者によって運転される前記燃料燃焼プラントの運転に関する計画である運転計画を取得するプラント運転計画取得ステップと、
複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の燃料特性、提供可能量または燃料コストの少なくとも1つの情報を含む候補燃料情報を取得する候補燃料情報取得ステップと、
前記燃料燃焼プラントを構成する少なくとも1台の前記機器の機器情報を取得する構成機器情報取得ステップと、
前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報に基づいて、前記複数の燃料サプライヤの各々から供給される前記複数種類の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、前記運転計画を実現可能な前記燃料調達計画を決定する燃料調達計画決定ステップと、を備えることを特徴とするプラント運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラントの運転支援に関し、特に、ボイラを備えるプラントで用いる複数種類の燃料の燃料構成の決定を通した、プラントの運転支援に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、複数の二次エネルギー生産者(電力会社など)の設備内の燃料貯蔵設備の管理、運用及び所要燃料の補充を、一次エネルギー販売者(燃料供給会社又は商社など)が一括して管理することにより、燃料取引の効率化を図ることが可能なコンピュータネットワークを用いたエネルギーの取引方法が開示されている。より具体的には、複数の二次エネルギー生産者に設置される燃料貯蔵設備内の燃料の貯残量が一次エネルギー販売者に連絡されることにより、一次エネルギー販売者は一次エネルギー(石炭、石油、ガス)を搬送する。この搬送にあたって、燃料の貯残量が少なく、かつ、1日当りの消費量が多い二次エネルギー生産者の発電所を優先することや、早期に販売したい在庫を基に搬送する燃料種類を決める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4405269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示するエネルギーの取引方法では、一次エネルギー販売者が一括して、複数の二次エネルギー生産者の燃料の貯残量に基づいて燃料の搬送計画を立案するが、一次エネルギー販売者に一次エネルギー(燃料)を提供する燃料生産者(以下、燃料サプライヤ)についての記載はない。つまり、特許文献1は、燃料サプライヤの生産状況を考慮するものとはなっていない。
【0005】
他方、ボイラの燃料は、燃料の燃焼性やミルによる粉砕性など、使用に際して制約条件を満たす必要がる。特にバイオマス燃料は、その原料となる木材やヤシの実などの収穫量が気候条件などによって左右され易いと共に、産地、原料、保管方法が含水率などに影響を与えるなど、性状のバラツキが大きい。
【0006】
このような状況を鑑み、本発明の発明者らは、ボイラなどの燃料を燃焼する装置を備えるプラント(以下、燃料燃焼プラント)を構成する機器の仕様を保有する例えばEPC事業者(EPC:Engineering, Procurement and Construction)などが、機器の特性や燃料の特性や、複数の燃料サプライヤの各々の燃料の生産状況(生産見込み)を考慮しつつ、燃料燃焼プラントで使用する燃料の燃料構成(燃料割合)を提案(立案)することを考えた。このようにすれば、燃料燃焼プラントを運転する事業者(以下、プラント運転者)にとって、コストや燃料の安定供給などの点で最適となる燃料供給計画を提供できるなど、適切な運転支援が可能となる。さらに、燃料サプライヤの生産状況を考慮して使用燃料が決定されることで、燃料サプライヤにとってもより適切な生産計画を立案することが可能となる。
【0007】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数の燃料サプライヤからプラント運転者に提供される燃料構成の決定を通して燃料燃焼プラントの運転支援を行うプラント運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラント運転支援装置は、
燃料燃焼プラントで用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画を決定するプラント運転支援装置であって、
前記燃料燃焼プラントを構成する機器に関する機器情報を記憶する機器情報保持部と、
プラント運転者によって運転される前記燃料燃焼プラントの運転に関する計画である運転計画を取得するプラント運転計画取得部と、
複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の燃料特性、提供可能量または燃料コストの少なくとも1つの情報を含む候補燃料情報を取得する候補燃料情報取得部と、
前記燃料燃焼プラントを構成する少なくとも1台の前記機器の前記機器情報を前記機器情報保持部から取得する構成機器情報取得部と、
前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報に基づいて、前記複数の燃料サプライヤの各々から供給される前記複数種類の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、前記運転計画を実現可能な前記燃料調達計画を決定する燃料調達計画決定部と、を備える。
【0009】
燃料燃焼プラントを構成するボイラなどの装置、燃焼装置、熱交換器、脱硝装置、排ガス処理装置の構成機器といった様々な機器の仕様などの機器情報は、ボイラなどの装置で使用可能な燃料の選別や、メンテナンス計画の立案に役立つ情報であり、例えば、プラント建設を請け負うEPC事業者などが保有する。
【0010】
上記(1)の構成によれば、プラント運転支援装置は、燃料燃焼プラントを構成する機器の仕様などの機器情報を保有するEPC事業者が保有するなど、EPC事業者と密接に関連する装置であり、複数の燃料サプライヤの各々が保有する予定の燃料を候補として、機器情報およびプラント運転者が計画する運転計画に適した複数種類の燃料に関する燃料調達計画を決定する。このように燃料調達計画を決定することにより、燃料燃焼プラントの運転をコストや燃料供給の安定性などの観点から、どの種類の燃料をどの燃料サプライヤからどれくらい供給を受けると良いか決定することができ、運転計画を実現するのに最適な燃料調達計画をプラント運転者に対して提案することができる。
【0011】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記燃料調達計画の少なくとも一部の情報を前記複数の燃料サプライヤの少なくとも一つに送信する燃料調達計画フィードバック部を、さらに備える。
上記(2)の構成によれば、燃料サプライヤに燃料調達計画がフィードバックされることにより、各燃料サプライヤは、需要のある燃料種類の燃料の増産や、需要のない燃料種類の減産などの調整を行うことができ、燃料サプライヤの燃料生産、在庫の最適化を図ることができる。
【0012】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記燃料調達計画フィードバック部は、前記複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の前記提供可能量の調整が可能であるか否かを示す調整可否情報を取得すると共に、前記調整可否情報に基づいて、前記燃料調達計画の少なくとも一部を送信する送信先の前記燃料サプライヤを決定する。
【0013】
燃料調達計画はプラントの運転計画に基づくものであり、プラント運転者にとって経営情報、つまり秘密性の高い情報とも言える。
よって、上記(3)の構成によれば、燃料量の調整が可能な燃料サプライヤのみに燃料調達計画をフィードバックすることにより、必要以上の情報拡散を防止できる。また、燃料サプライヤに対して、燃料の増産、減産などを促すことができ、プラント運転者やEPC事業者側の調達コストの低減や、燃料サプライヤ側のコストの低減を図ることができる。
【0014】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる燃料使用実績であって、前記複数種類の燃料の少なくとも1つの燃料の燃焼性能または燃料使用量を含む燃料使用実績を取得する燃料使用実績取得部と、
前記燃料使用実績の少なくとも一部の情報を、少なくとも1の前記燃料サプライヤに送信する燃料使用実績フィードバック部と、をさらに備える。
【0015】
例えば、木質バイオマス燃料は、間伐材など森林から直接産出される木材(原木)や、木材加工から生じる端材や木屑、建築解体材などの産業廃棄物から生産される。そして、このような原料由来や樹種、保管方法などによって含水率等が影響を受けるなど含水率等の性状のバラツキが大きく、燃焼性能もばらつき易い。また、石炭などの化石燃料についても産地などによって燃焼性能に違いがある場合がある。よって燃料サプライヤが有する燃焼性能と実際に燃料を使用した場合の実績の燃焼性能とに差異が生じる場合がある。そして、燃焼性能が異なると、燃料使用量も計画値から乖離する場合がある。
【0016】
上記(4)の構成によれば、燃料調達計画に基づいて供給された複数種類の燃料を燃料燃焼プラントの運転に用いることにより得られる燃料使用実績が、プラント運転支援装置を介して、燃料を提供した燃料サプライヤにフィードバックされる。これによって、燃料サプライヤは、必要な燃料の増産、減産などにより生産調整、在庫調整をするなど、燃料サプライヤの燃料生産を最適化することが可能となると共に、プラント運転者に対してより確実に安定的な燃料供給を行うことを可能にすることができる。
【0017】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記候補燃料情報取得部は、前記燃料サプライヤが前記燃料使用実績に基づいて修正した前記候補燃料情報を取得する。
上記(5)の構成によれば、より精度の良い燃料調達計画を決定することができる。
【0018】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記機器情報、前記運転計画、及び前記燃料調達計画に基づいて、前記燃料燃焼プラントのメンテナンス計画を決定するメンテナンス計画決定部を、さらに備える。
上記(6)の構成によれば、使用燃料の情報を含む燃料調達計画に基づいて、燃料燃焼プラントのメンテナンス計画を決定する。例えば、木質バイオマス燃料は、樹皮、おが屑、廃木材などの種類に応じて燃料中の灰分量に違いがある。石炭などにおいても、低品位炭、高品位炭などの種類に応じて、灰の量や付着性に違いがある。また、燃料燃焼プラントを構成する機器の仕様によって障害への耐性が異なる。よって、燃料燃焼プラントの仕様(機器情報)、運転計画、使用燃料の種類を考慮することにより、適切なメンテナンス計画を決定することができる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる運転データ実績を取得する運転データ実績取得部と、
前記運転データ実績に基づいて、前記メンテナンス計画の修正を判定するメンテナンス計画修正判定部と、をさらに備える。
上記(7)の構成によれば、燃料燃焼プラントの運転により得られる運転データ実績に基づいて、メンテナンス計画の修正を判定する。このように運転実績からその時点のメンテナンス計画の修正を判定することにより、メンテナンス計画を使用する燃料の種類に適したものに更新していくことができる。
【0020】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記燃料調達計画決定部は、前記候補燃料情報および前記機器情報に基づいて、前記候補燃料情報に含まれる複数燃料のうちから前記燃料燃焼プラントで使用可能な燃料を判定すると共に、使用可能と判定された前記燃料の前記候補燃料情報、前記機器情報および前記運転計画に基づいて前記燃料調達計画を算出する。
上記(8)の構成によれば、最適な運転計画をプラント運転者に対して提案することができる。
【0021】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の構成において、
前記燃料調達計画決定部は、前記燃料燃焼プラントにおいて過去に使用された過去使用燃料と、前記過去使用燃料を用いて前記燃料燃焼プラントを運転することにより得られる過去運転実績との関係を機械学習することにより作成される学習モデルを用いて、前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報から前記燃料調達計画を決定する。
上記(9)の構成によれば、機械学習を通して得られる最適な運転計画をプラント運転者に対して提案することができる。
【0022】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記燃料コストの情報を含む。
上記(10)の構成によれば、候補燃料情報に燃料の燃料コストの情報が含まれることによって、例えば燃料コストが最小となる燃料調達計画を決定するなど、燃料コストを重視した燃料調達計画を決定することができる。
【0023】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記提供可能量の情報を含む。
上記(11)の構成によれば、候補燃料情報に提供可能量の情報が含まれることによって、例えば安定的な燃料調達が可能な燃料調達計画を決定するなど、燃料調達の安定性を重視した燃料調達計画を決定することができる。
【0024】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記燃料特性の情報を含む。
上記(12)の構成によれば、燃料中に含まれる、例えば、Na、K、Clなどの燃焼により生じる灰の付着性を高くする灰形成元素が多い燃料は、メンテナンスコストが増大し易いため、候補燃料情報に含有成分が含まれることによって、例えばメンテナンスコストを最小となる燃料調達計画を決定するなど、メンテナンスコストを重視した燃料調達計画を決定することができる。同様に、灰発生量や、石炭の場合に発生する石膏発生量、灰付着や環境有害物質を抑制する薬品(例として、炉壁に付着したクリンカを脆弱化し剥離しやすくするアルミ系薬剤や、排ガス処理装置や排水処理装置にて使用される薬品が挙げられるが、これらに限るものではない)使用量なども見積もることで、例えばランニングコストを最小となる燃料調達計画を決定するなど、ランニングコストを重視した燃料調達計画を決定することができる。
【0025】
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(12)の構成において、
前記複数種類の燃料はバイオマスを含む。
【0026】
木質バイオマスなどのバイオマスの生産量は、原料となる木材の生育が気象条件に影響を受けるため、時期によって変化し得る。また、バイオマスは性状のバラツキが化石燃料に比べて大きい。
上記(13)の構成によれば、このような性質のバイオマスを含む複数燃料について、最適な運転計画をプラント運転者に対して提案することができる。
【0027】
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラント運転支援方法は、
燃料燃焼プラントで用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画を決定するプラント運転支援方法であって、
プラント運転者によって運転される前記燃料燃焼プラントの運転に関する計画である運転計画を取得するプラント運転計画取得ステップと、
複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の燃料特性、提供可能量または燃料コストの少なくとも1つの情報を含む候補燃料情報を取得する候補燃料情報取得ステップと、
前記燃料燃焼プラントを構成する少なくとも1台の前記機器の機器情報を取得する構成機器情報取得ステップと、
前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報に基づいて、前記複数の燃料サプライヤの各々から供給される前記複数種類の燃料の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、前記運転計画を実現可能な前記燃料調達計画を決定する燃料調達計画決定ステップと、を備える。
【0028】
上記(14)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
【0029】
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記燃料調達計画の少なくとも一部の情報を前記複数の燃料サプライヤの少なくとも一つに送信する燃料調達計画フィードバックステップを、さらに備える。
上記(15)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
【0030】
(16)幾つかの実施形態では、上記(15)の構成において、
前記燃料調達計画フィードバックステップは、前記複数の燃料サプライヤから提供される前記複数種類の燃料の各々の前記提供可能量の調整が可能であるか否かを示す調整可否情報を取得すると共に、前記調整可否情報に基づいて、前記燃料調達計画の少なくとも一部を送信する送信先の前記燃料サプライヤを決定する。
上記(16)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
【0031】
(17)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(16)の構成において、
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる燃料使用実績であって、前記複数種類の燃料の少なくとも1つの燃料の燃焼性能または燃料使用量を含む燃料使用実績を取得する燃料使用実績取得ステップと、
前記燃料使用実績の少なくとも一部の情報を、前記複数種類の燃料を提供した少なくとも1の前記燃料サプライヤに送信する燃料使用実績フィードバックステップと、をさらに備える。
上記(17)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
【0032】
(18)幾つかの実施形態では、上記(17)の構成において、
前記候補燃料情報取得ステップは、前記燃料サプライヤが前記燃料使用実績に基づいて修正した前記候補燃料情報を取得する。
上記(18)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
【0033】
(19)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(18)の構成において、
前記機器情報、前記運転計画、及び前記燃料調達計画に基づいて、前記燃料燃焼プラントのメンテナンス計画を決定するメンテナンス計画決定ステップを、さらに備える。
上記(19)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
【0034】
(20)幾つかの実施形態では、上記(19)の構成において、
前記燃料調達計画に従って前記燃料燃焼プラントの運転が実行されることにより得られる運転データ実績を取得する運転データ実績取得ステップと、
前記運転データ実績に基づいて、前記メンテナンス計画の修正を判定するメンテナンス計画修正判定ステップと、をさらに備える。
上記(20)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏する。
【0035】
(21)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(20)の構成において、
前記燃料調達計画決定ステップは、前記候補燃料情報および前記機器情報に基づいて、前記候補燃料情報に含まれる複数燃料のうちから前記燃料燃焼プラントで使用可能な燃料を判定すると共に、使用可能と判定された前記燃料の前記候補燃料情報、前記機器情報および前記運転計画に基づいて前記燃料調達計画を算出する。
上記(21)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏する。
【0036】
(22)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(21)の構成において、
前記燃料調達計画決定ステップは、前記燃料燃焼プラントにおいて過去に使用された過去使用燃料と、前記過去使用燃料を用いて前記燃料燃焼プラントを運転することにより得られる過去運転実績との関係を機械学習することにより作成される学習モデルを用いて、前記候補燃料情報、前記運転計画、及び前記少なくとも1台の機器の前記機器情報から前記燃料調達計画を決定する。
上記(22)の構成によれば、上記(9)と同様の効果を奏する。
【0037】
(23)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(22)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記燃料コストの情報を含む。
上記(23)の構成によれば、上記(10)と同様の効果を奏する。
【0038】
(24)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(23)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記提供可能量の情報を含む。
上記(24)の構成によれば、上記(11)と同様の効果を奏する。
【0039】
(25)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(24)の構成において、
前記候補燃料情報は、前記燃料特性の情報を含む。
上記(25)の構成によれば、上記(12)と同様の効果を奏する。
【0040】
(26)幾つかの実施形態では、上記(14)〜(25)の構成において、
前記複数種類の燃料はバイオマスを含む。
上記(26)の構成によれば、上記(13)と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0041】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数の燃料サプライヤからプラント運転者に提供される燃料構成の決定を通して燃料燃焼プラントの運転支援を行うプラント運転支援装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態に係るプラント運転支援装置を含むシステム全体を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る図1のシステムで行われる内容の全体像を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプラント運転支援装置の機能を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る燃料調達計画を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る燃料調達計画に定める複数燃料を決定するフローを示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る燃料サプライヤによる燃料の生産計画の修正を説明するための図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る燃料調達計画のフィードバック先となる燃料サプライヤの決定手法を説明するための図であり、調整可否情報に基づいてフィードバック先を決定する。
図7B】本発明の一実施形態に係る燃料調達計画のフィードバック先となる燃料サプライヤの決定手法を説明するための図であり、調整可否情報および燃料コストに基づいてフィードバック先を決定する。
図8】本発明の一実施形態に係るプラント運転支援方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラント運転支援装置1を含むシステム全体を示す図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る図1のシステムで行われる内容の全体像を説明するための図である。なお、以下の説明では、ボイラを備えるプラントであるボイラプラント92を燃料燃焼プラントの一例として説明するが、本発明の適用先は、ボイラプラントに限られず、複数の燃料を調達し使用するプラントであれば適用することができる。
【0045】
図1に示すように、ボイラプラント92(前述)を運転するプラント運転者9は、複数の燃料サプライヤ8(前述)から、化石燃料(例えば石炭、石油、ガスなど)やバイオマス(例えば木質バイオマスなど)などの各種燃料となるボイラ燃料の提供(供給)を受けて、ボイラプラント92の運転を行う。燃料サプライヤ8は、上記のボイラ燃料を生産あるいは輸入する燃料生産者(燃料輸入者)や、燃料生産者が生産した燃料をプラント運転者9に販売する商社であり、少なくとも1種類のボイラ燃料を取り扱う。そして、本発明では、これらの燃料サプライヤ8とプラント運転者9とは、プラント運転支援装置1を介して燃料の取引を行う。
【0046】
このプラント運転支援装置1は、例えば、プラント建設を請け負うEPC事業者などが管理するような装置であり、図1図2に示す実施形態では、EPC事業者が保有、管理している。EPC事業者は、ボイラプラント92を構成するボイラをはじめとする様々な機器の仕様などの機器情報Bを保有する。このような機器情報Bは、ボイラで使用可能な燃料の選別や、様々な特性を有する燃料を用いてボイラを運転した場合の機器の劣化の進行度合いなどを予測するのに用いるための情報としている。つまり、本発明では、燃料サプライヤ8とプラント運転者9とは、ボイラプラント92の特性に対する知見を備えるEPC事業者などの知識やノウハウを利用することにより、両者にとってより望ましい燃料の取引の実行を可能とする。
【0047】
具体的には、図2に示すように、プラント運転支援装置1(EPC事業者など)は、燃料サプライヤ8とプラント運転者9と各々から提供される各種の情報に基づいて、燃料構成やメンテナンス計画などの初期計画を立案する。また、その初期計画に従ってボイラプラント92を運転した場合の結果のフィードバックを受けて、初期計画の修正や、燃料サプライヤ8へのフィードバックを行う。
【0048】
以下、上述した内容を実現するプラント運転支援装置1について、図3図5を用いて具体的に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るプラント運転支援装置1の機能を示すブロック図である。図4は、本発明の一実施形態に係る燃料調達計画Pを示す図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係る燃料調達計画Pに定める複数燃料を決定するフローを示す図である。
【0049】
プラント運転支援装置1は、ボイラプラント92で用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画Pを決定する装置である。そして、図3に示すように、プラント運転支援装置1は、機器情報保持部2と、プラント運転計画取得部31と、候補燃料情報取得部32と、構成機器情報取得部33と、燃料調達計画決定部4と、を備える。これらの機能部について、それぞれ説明する。
【0050】
なお、プラント運転支援装置1は、コンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリなどの記憶装置などを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(プラント運転支援プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。また、プラント運転支援プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されていても良い。
【0051】
機器情報保持部2は、ボイラプラント92を構成する機器の機器情報Bを記憶する。一般に、ボイラプラント92は、ボイラをはじめとする様々な機器で構成される。例えば、ボイラの他、ボイラの燃料を粉砕するミル装置やミル装置に燃料を搬送装置(ベルトコンベヤなど)や、ミル装置で粉砕した燃料をボイラ(バーナ)に搬送する1次空気や燃焼用の2次空気を供給すると共に燃焼させる燃焼装置を構成する各種の機器、ボイラ内や煙道に設置される過熱器、再熱器、節炭器といった各種の熱交換器、排ガスを処理する脱硝装置、電気集塵機、脱硫装置などの排ガス処理装置を構成する各種の機器、ボイラで生成した蒸気で駆動する発電機など、様々な機器で構成される。こうした各機器の機器情報Bが、必要な範囲で例えばデータベースなどの機器情報保持部2に記憶される。
【0052】
プラント運転計画取得部31は、プラント運転者9によって運転されるボイラプラント92の運転に関する計画である運転計画Dを取得する。運転計画Dは、時、日、周、月、四半期、年などの単位期間毎のボイラプラント92の出力(蒸気量、あるいはボイラの運転を通した発電量)を、単位期間よりも長い所定期間(例えば年)にわたって定めた計画であり、例えば、同様に単位期間毎の発電量を所定期間にわたって定めた発電計画などに基づいて定められる。なお、プラント運転者9は運転計画Dに従ってボイラプラント92の運転を行うが、運転計画Dは、プラント運転者9によって作成されても良いし、他の者(事業者など)が作成しても良い。
【0053】
候補燃料情報取得部32は、複数の燃料サプライヤ8から提供される複数種類の燃料の各々の情報(以下、候補燃料情報F)を取得する。各燃料サプライヤ8は少なくとも1種類の燃料を提供する。また、候補燃料情報Fは、燃料の種類毎に、燃料特性Fp、提供可能量Fqまたは燃料コストFcの少なくとも1つの情報を含む。燃料の種類が異なる燃料同士は、互いに燃料特性Fpが異なる。具体的には、化石燃料およびバイオマス同士や、石炭、石油およびガス同士は、相互に燃料種類が異なる。バイオマスでは、例えば木質バイオマスの含水率、発熱量などの特性が所定範囲で一致してれば同一種類としても良いし、樹種などの原料や、木材、建築廃材などの原料由来の一つが異なれば種類が異なるとしても良い。また、石炭では、高品位炭や低品位炭同士も燃料種類が異なる。
【0054】
燃料特性Fpの情報は、燃料としての特性を定量化して示す指標であり、例えば、含水量(含水率)、発熱量(MJ/kgなど)、かさ密度(kg/mなど)、エネルギー密度(MJ/mなど)、組成、灰分(wt%など)や、例えばペレットや、チップ、PKS(Palm Kernel Shell)、EFB(Empty Fruit Bunches)といった燃料タイプなどハンドリング性に関連する燃料形状の少なくとも1つの特性を含んでいても良い。
【0055】
提供可能量Fqの情報は、在庫を有する燃料など、即出荷可能な燃料種類毎の燃料量(余剰燃料)の情報や、近い将来出荷可能な燃料の少なくとも一方を含む。後者(近い将来出荷可能な情報)は、例えばA国のB地点からの供給量(例えば月あたりのトンなど)が1万から2万になったといった燃料サプライヤの生産計画(山元を含む)や、気候条件から考えるとヤシの実の生産量が増え、PKSが増産される見込みといった予測、新種燃料が開発される見込みなどの情報である。新種燃料であれば、ボイラプラント92での使用可否が予め確認されていても良い。また、提供可能量Fqの情報は、各燃料サプライヤ8が有する他国や他のボイラプラントに対する供給計画が含まれていることにより、これらの情報を提供可能量Fqに反映可能となっていても良いし、あるいは、こういった他への供給計画が提供可能量Fqから予め除外されることで、提供可能量Fqの情報の提供先のボイラプラント92に対して提供可能な燃料量の情報となっていても良い。
【0056】
燃料コストFcの情報は、単位量(重量)当たりの価格(単価)、燃料サプライヤ8からボイラプラント92まで燃料を運ぶための運送費や保険料の少なくとも1つの情報が含まれていても良い。例えば燃料の燃料費(燃料価格)は、単価×供給量(購入量)で算出可能となるが、この燃料価格に対して運送費や保険料が無視できるほど小さい場合には燃料費のみを含めるなど、燃料コストFcに含める情報を何にするかは、候補となる情報の相対的な大小で決めても良い。
【0057】
構成機器情報取得部33は、ボイラプラント92を構成する少なくとも1台の機器の機器情報を機器情報保持部2から取得する。つまり、構成機器情報取得部33は、必要な範囲の機器についての機器情報を機器情報保持部2から取得する。
【0058】
燃料調達計画決定部4は、上述した候補燃料情報F、運転計画D、及び少なくとも1台の機器情報Bに基づいて、複数の燃料サプライヤ8の各々から供給される複数種類の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、運転計画Dを実現可能な燃料調達計画Pを決定する。図4に示すように、燃料調達計画Pは、複数の燃料サプライヤ8の各々から調達する1または複数の燃料の種類とその各々の燃料量とを、所定の期間を構成する複数の単位期間の各々についてそれぞれ定めたものである。機器情報Bを参照することで、発電すべき発電量(発電計画)などから、その発電量を得るために生成すべき蒸気量が求まる。また、生成すべき蒸気量から、その蒸気量を生成するために要求されるエネルギー量(カロリー)が求まる。そして、この要求されるエネルギー量と、燃料の発熱量などの燃料特性Fpとから、必要な燃料量が求まる。
【0059】
通常、複数の燃料サプライヤ8の各々が供給可能な燃料の種類や量は必ずしも同じではない。また、複数の燃料サプライヤ8の各々が同一種類の燃料を取り扱っているとしても、その単価、運送費、保険料の少なくとも1つにおいて違いがあり、どの燃料サプライヤ8から調達するかによって、燃料コストが異なるのが通常である。よって、燃料調達計画決定部4は、電力需要やボイラプラント92の発電能力等に基づいて決定される運転計画Dを実現することを可能とする燃料種類および燃料サプライヤの組合せである燃料調達計画Pを、ボイラプラント92を構成する機器の種類と、複数の燃料サプライヤ8の各々の実際の燃料供給能力(候補燃料情報Fに含まれる燃料種類、供給可能量、コストなど)とに基づいて決定する。
【0060】
なお、燃料調達計画決定部4が最終的な燃料調達計画Pを決定するまでに、複数の燃料サプライヤ8に仮決定した燃料調達計画案を送信し、その燃料調達計画案に定められた燃料を供給することになる複数の燃料サプライヤ8の各々の了承、あるいはそれらの燃料サプライヤ8からの要求を反映するなどして了承を得ることを1回以上繰り返して得られた燃料調達計画案を、燃料調達計画Pとして決定しても良い。
【0061】
図3に示す実施形態では、燃料調達計画決定部4は、候補燃料情報Fおよび機器情報Bに基づいて、候補燃料情報Fに含まれる複数燃料のうちからボイラプラント92で使用可能な燃料を判定すると共に、使用可能と判定された燃料に関する候補燃料情報F、機器情報B、および運転計画Dに基づいて燃料調達計画Pを算出する。例えば、ミル装置に燃料を搬送する搬送装置による搬送が適切に行えるか、ミル装置による燃料の粉砕が適切に行えるか、ボイラでの適切な燃焼を行えるかなどの他、排ガス処理装置による排ガスの無害化の程度や、ボイラや煙道における腐食、摩耗などの寿命に関する観点から、燃料の使用の可否が判定されても良い。例えば、ボイラで使用する燃料中の塩素(Cl)は0.2%以下である必要があるなどの制限が存在したりする。
【0062】
また、燃料調達計画決定部4による処理を通して、使用可能と判定された燃料の少なくとも一部が燃料調達計画Pで採用されることになるが、その際、燃料の燃料コストFc、燃料の安定調達、ボイラプラント92のメンテナンスコストやランニングコストなどのいずれかを最優先に考慮して決定しても良い。この最優先とする指標(最適方針)は、プラント運転者9のニーズに応じて決定されても良く、このようなニーズは燃料調達計画Pを決定する前に予め入力されて記憶装置などに記憶される。
【0063】
例えば、燃料コストFcを最小とするなど、燃料コストFcを重視した燃料調達計画Pを立案する場合には、候補燃料情報Fは、燃料コストFcの情報を含むことが必須となる。燃料自体の価格(燃料費)は、単価×燃料量で算出可能である。また、燃料コストFcは、この燃料費(Cost)、保険料(Insurance)、運送料(Freight)を含むCIF価格であっても良いし、これらのうちの少なくとも1つを含むコストであっても良い。この実施形態において、幾つかの実施形態では、候補燃料情報Fは提供可能量Fqの情報をさらに含んでいても良い。この場合には、各燃料サプライヤ8の各々が現状で可能とする各燃料の提供可能量Fqの範囲内で燃料の燃料コストFcを重視した燃料調達計画Pを立案することにより、燃料供給の安定化を図りつつ、燃料コストFcを重視した燃料調達計画Pを決定することができる。他の幾つかの実施形態では、候補燃料情報Fは提供可能量Fqの情報を含んでいなくても良く、この場合には、後述する燃料調達計画Pの燃料サプライヤ8へのフィードバックにより、燃料サプライヤ8による在庫調整を早期に促すことが可能となる。
【0064】
また、燃料の安定調達を重視した燃料調達計画Pを立案する場合には、候補燃料情報Fは、提供可能量Fqの情報を含むことが必須となる。つまり、各燃料サプライヤ8の各々が現状で可能とする提供可能量Fqの範囲内で運転計画Dを決定する。この際、幾つかの実施形態では、候補燃料情報Fは燃料コストFcの情報をさらに含んでいても良く、この場合には、上述したのと同様に、燃料コストFcを低減しつつ、燃料の安定調達を重視した燃料調達計画Pを決定することが可能となる。
【0065】
ボイラプラント92のメンテナンスコストやランニングコストを重視した燃料調達計画Pを立案する場合には、候補燃料情報Fは、燃料特性Fpの情報を含むことが必須となる。例えば、Na、K、Clなどの成分が多いと燃料は、その燃料の燃焼により生じる灰の付着性が高いため、その分だけ、スーツブロワを頻繁に稼働して、ボイラ内部の各種の熱交換器の伝熱面の付着灰(副生成物)を除去する必要性が生じる(ランニングコストの増大)。灰付着や環境有害物質を抑制するための薬品(例として、炉壁に付着したクリンカを脆弱化し剥離しやすくするアルミ系薬剤や、排ガス処理装置や排水処理装置にて使用される薬品が挙げられるが、これらに限るものではない)をボイラ内に供給する場合には、その分だけランニングコストが増大する。また、スーツブロワは高圧蒸気や圧縮空気を噴射して付着した灰を除去するものであり、灰の除去時に摩擦力が働く結果、噴射回数が多い分だけ伝熱管の摩耗を早める結果となる(メンテナンスコスト増大)。
【0066】
また、特にバイオマスでは、含水率のバラツキが多く、含水量(含水率)が規定範囲内に収まっていないと、燃料を粉砕または破砕する装置に燃料を運ぶ搬送装置の使用や、燃料を粉砕または破砕する装置による粉砕・破砕性の確保も困難となり、ハンドリング性に劣る。他方、発熱量(MJ/kgなど)、かさ密度(kg/mなど)、エネルギー密度(MJ/mなど)は大きいほど効率の良い運転が可能であり、ボイラの寿命等にも影響する。このように、燃料特性Fpの情報を重視することにより、メンテナンスコストやランニングコストを重視した燃料調達計画Pを決定することが可能となる。
【0067】
ただし、上述した実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、図5に示すように、燃料調達計画決定部4は、過去の運転実績を機械学習することにより作成した各種の学習モデルを用いて、燃料調達計画Pを導出しても良い。より具体的には、燃料調達計画決定部4は、燃料燃焼プラントにおいて過去に使用された燃料(過去使用燃料)と、過去使用燃料を用いて燃料燃焼プラントを運転することにより得られる運転実績(過去運転実績)との関係を機械学習することにより作成される学習モデル71を用いて、候補燃料情報F、運転計画D、及び少なくとも1台の機器の機器情報Bから燃料調達計画Pを決定する。
【0068】
例えば、プラント運転者9から提供されて、過去DB7(データベース)に記憶される過去運転実績に基づいて、例えば、過去使用燃料と、燃料費と、出力等の運転結果との関係を機械学習し、候補燃料情報F、運転計画D、及び機器情報Bから最も発電効率(出力÷燃料費)の高い燃料構成を導出(出力)する学習モデル71を作成して用いることにより、燃料コストを重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。
同様に、上記の過去運転実績に基づいて、過去使用燃料と、灰発生量と、灰処理費用との関係を機械学習し、候補燃料情報F、運転計画D、及び機器情報Bから最も灰処理費用の低い燃料構成を導出する学習モデル71を作成して用いることにより、副生成物処理コストを重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。
【0069】
あるいは、上記の過去運転実績に基づいて、過去使用燃料と、その使用燃料によるトラブル実績との関係を機械学習し、使用燃料からトラブルを予測するトラブル予測モデル(学習モデル71)と共に、トラブル実績と改修費用実績との関係を機械学習し、トラブルからその改修費用を導出する改修費用予測モデルを作成する。これによって、その燃料燃焼プラントにおいて使用されている現在までの燃料履歴をトラブル予測モデルに入力して、トラブルを予測すると共に、その予測したトラブルを改修費用予測モデルに入力して改修費用を算出することができるので、これらのモデルを用いて、候補燃料情報F、運転計画D、及び機器情報Bから、最も改修費用(停止期間中の遺失利益を考慮しても良い)が抑えられる燃料構成を見出すことにより、メンテナンスコストを重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。
【0070】
さらに、これら燃料コスト、副生成物処理コストまたはメンテナンスコストのうちの少なくとも2つの項目の合計コストが最も抑えられる燃料構成を見出すことにより燃料種類の選択を行っても良く、例えば3つの項目の合計コストが最も抑えられる燃料構成を見出すことにより、ボイラプラント92の運転コスト(ランニングコスト)を最も抑制可能な最適な燃料構成を決定しても良い。なお、上記の過去DBには、燃料調達計画Pの対象となるボイラプラント92とは異なるプラントの情報が記憶されていても良い。
【0071】
他方、上記の過去運転実績に基づいて、過去使用燃料と運転結果との関係を機械学習し、候補燃料情報F、運転計画D、及び機器情報Bから最も安定運転可能な燃料構成を導出する学習モデル71を作成して用いることにより、安定運転を重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。
同様に、上記の過去運転実績に基づいて、過去使用燃料と、トラブル発生実績と、それに紐づくプラント停止期間との関係を機械学習し、候補燃料情報F、運転計画D、及び機器情報Bから、最もトラブルの少ない燃料構成を導出(出力)する学習モデル71を作成して用いることにより、トラブルの発生が少ないことを重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。そして、例えばこれらの安定運転およびトラブルの発生が少ないことの2つの項目から、最も安定運転が可能であることを重視して燃料種類が選択(決定)された燃料調達計画Pを決定しても良い。その後、決定した燃料構成をどの燃料サプライヤ8から調達するかを、上述したような燃料コストや燃料の安定調達などの点を考慮して決定する。
【0072】
図5に示す実施形態では、ボイラプラント92を構成する機器の機器情報Bに基づいて、そのボイラプラント92で使用可能な燃料を判定するための条件を取得して、候補燃料情報Fにリストアップされた複数種類の燃料のどれが使用可能であるかの判定を行うと共に、別途設定されている上述のような最適方針の下で、燃料調達計画Pを決定するようになっている。具体的には、図5に示す実施形態では、使用可能な燃料の判定を、ハンドリング性(燃料形状)と、水分量と、燃料成分とで行うようになっており(S51)、例えばペレット、含水率a%以下、塩素分b%以下といった値に基づいて、複数燃料のうちから候補となる候補燃料を絞りこむようになっている(S52)。一方、最適化方針としては、燃料コスト低減、副生物処理コスト低減、メンテナンスコスト等低減、出力安定(燃料の安定調達)、トラブルゼロ(高品位の燃料使用)の方針があり、それらの内の少なくとも1つの方針に従って、学習モデル71を用いて、燃料調達計画Pを決定する(S53)。
【0073】
上記の構成によれば、プラント運転支援装置1は、ボイラプラント92を構成する機器の仕様などの機器情報Bを保有するなど、EPC事業者と密接に関連する装置であり、複数の燃料サプライヤ8の各々が保有する予定の燃料を候補として、機器情報Bおよびプラント運転者9が計画する運転計画Dに適した複数種類の燃料に関する燃料調達計画Pを決定する。このように燃料調達計画Pを決定することにより、ボイラプラント92の運転においてコストや燃料供給の安定性などの観点から、どの種類の燃料をどの燃料サプライヤからどれくらい供給を受けると良いか決定することができ、運転計画Dを実現するのに最適な燃料調達計画Pをプラント運転者9に対して提案することができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、プラント運転支援装置1は、決定した燃料調達計画Pを燃料サプライヤ8にフィードバックしても良い。すなわち、幾つかの実施形態では、図3に示すように、上述したプラント運転支援装置1は、燃料調達計画Pの少なくとも一部の情報を複数の燃料サプライヤ8の少なくとも一つに送信する燃料調達計画フィードバック部51を、さらに備える。プラント運転支援装置1は、燃料調達計画Pの決定にあたって、複数の燃料サプライヤ8から情報の提供を受けることにより候補燃料情報Fを取得するが、燃料調達計画Pをフィードバックすることにより、各燃料サプライヤ8は、その燃料調達計画Pで定められた燃料の需要に応じて燃料の生産計画を見直すことが可能となる(図6参照)。
【0075】
図6は、本発明の一実施形態に係る燃料サプライヤ8による燃料の生産計画の修正を説明するための図である。例えば、複数の燃料サプライヤ8からプラント運転支援装置1に提供された当初の燃料の生産計画が図6の(a)で示すものであったとする。ここで、図6では、燃料[1]と燃料[2]は別種だが燃料としての品質は同じものとする(代替燃料として利用可能な燃料)。そして、説明を単純化するために、ボイラプラント92の調達必要量は、春、夏、秋および冬で、それぞれ、燃料[1]、燃料[2]の合計が40であり、プラント運転者9は、燃料サプライヤ8であるA社(燃料[1]を生産)、B社(燃料[2]を生産)と取引するものとする。また、燃料[1]は生産時期が限られる燃料(収穫された穀物のもみ殻など)であり、燃料[2]は生産時期を調整や増産が容易な燃料(木材加工の端材等)とする。
【0076】
図6(a)の当初の生産計画では、燃料サプライヤ8であるA社は、燃料[1]を春、夏ではそれぞれ40だけ生産し、秋、冬では共に生産しない計画となっており、B社は、燃料[2]を春、夏、秋、冬の各々それぞれ20ずつ生産する計画であった。このため、A社、B社の全体で見ると、春および夏では、需要が40であるのに対して60となることから供給過剰であり、秋および冬では、需要が40であるのに対して20となることから供給不足であった。ところが、燃料調達計画Pがフィードバックされることにより、B社は、生産調整が容易な燃料[2]を、供給過剰な春および夏でそれぞれ減産(20→0)すると共に、供給不足となる秋および冬でそれぞれ増産(20→40)するように、当初の生産計画を修正することが可能である。そして、このように生産計画を修正すれば、プラント運転者9の需要を満たすことが可能となる。
【0077】
このように、プラント運転者9にとっては、ベストな燃料構成を安定的に維持可能である。EPC事業者などは、供給不足を生じさせるような状態を回避させることができ、他の燃料サプライヤ8からより高価な燃料をスポット調達する必要がなくなる。また、燃料サプライヤ8(B社)にとっては、余剰な在庫を抱える必要がなくなると共に、生産を秋・冬に集約することができ、無駄が出ないようにすることができる。
【0078】
なお、燃料サプライヤ8には、燃料調達計画Pの全体がフィードバックされても良いし、例えば、A社には燃料[1]の時期毎(季節毎)の必要量、B社には燃料[2]の時期毎の必要量など、必要な範囲の情報がフィードバックされても良い。または、例えば、上記のような生産計画の修正内容(図6(b)の燃料[2])をプラント運転支援装置1で作成して、B社に対して燃料サプライヤ8に提案としてフィードバックしても良い。また、図5に示す実施形態では燃料サプライヤ8は2社であるが、1社の燃料サプライヤ8が複数の燃料を生産する場合においても同様に、フィードバックされた燃料調達計画Pに基づいて、それら複数の燃料の生産量の修正に用いることも可能である。
【0079】
また、上述した図6に示す実施形態では、B社のみが、生産時期の調整や増産が容易な燃料を取り扱っている場合を説明したが、他の幾つかの実施形態では、プラント運転支援装置1に、各燃料サプライヤ8が燃料量を調整可能か否かを示す調整可否情報と燃料コストFcの情報を持たせると共に、プラント運転支援装置1は、その調整可否情報や燃料コストFcの情報に基づいて決定した最小限の燃料サプライヤ8のみに燃料調達計画Pをフィードバックしても良い。燃料調達計画Pはプラントの運転計画Dに基づくものであり、プラント運転者9にとって経営情報、つまり秘密性の高い情報とも言える。よって、このような燃料調達計画Pを、燃料量の調整が可能でない燃料サプライヤ8にまでフィードバックする必要性は乏しい。そこで、燃料調達計画Pのフィードバック先を燃料量の調整が可能な燃料サプライヤ8に絞ることにより、必要以上の情報拡散を防止することが可能となる。
【0080】
具体的には、燃料調達計画フィードバック部51は、複数の燃料サプライヤ8から提供される複数種類の燃料の各々の燃料量の調整が可能であるか否かを示す調整可否情報を取得すると共に、この調整可否情報に基づいて、燃料調達計画Pの少なくとも一部を送信する送信先の燃料サプライヤ8を決定する(図7A図7B参照)。上記の調整可否情報は、候補燃料情報Fに含まれていても良い。これによって、プラント運転支援装置1は、候補燃料情報Fの取得により、燃料サプライヤ8の燃料種類毎に燃料量の調整が可能であるかの把握が可能となる。あるいは、候補燃料情報Fに含まれる燃料サプライヤ8毎および複数の燃料種類毎の提供可能量Fqと、燃料調達計画Pに含まれる燃料サプライヤ8毎および複数の燃料種類毎の調達量との所定期間毎の差分に基づいて調整可否情報を生成しても良い。この場合、調達量が0でない燃料について、調達量と提供可能量Fqとに差分がある燃料は、燃料量の調整が可能としても良い。さらに、差分の有る燃料について、候補燃料情報Fに含まれる燃料の種類に応じて調整し易い燃料であるか否かを、予め定められた情報に基づくなどして判定することによって、燃料量の調整が可能な燃料種類であり、かつ、上記の差分が有る場合に、燃料量の調整が可能としても良い。
【0081】
図7Aは、本発明の一実施形態に係る燃料調達計画Pのフィードバック先となる燃料サプライヤ8の決定手法を説明するための図である。図7Aに示す実施形態では、プラント運転支援装置1は、まずは、上述した調整可否情報に基づいて、燃料サプライヤ8毎および燃料種類毎に、燃料量の調整が可能な期間である調整可能範囲Sを判定している。その結果、図7Aの例示では、燃料[1]の提供が可能な燃料サプライヤ8であるA社、B社、C社について、その燃料量の調整が可能な時期(期間)は、A社は期間III以降、B社は期間II以降、C社は期間IV以降と判定されている。よって、燃料調達計画Pのフィードバック先は、期間毎に、燃料量の調整が可能な燃料サプライヤ8(調整可能範囲Sに重なる期間を有する燃料サプライヤ8)なので、期間Iでは1社もなく、期間IIではB社、期間IIIではA社またはB社の少なくとも一方、期間IV〜Vでは、A社、B社またはC社の少なくとも一方となる。
【0082】
この際、図7Bに示すように、期間毎、燃料サプライヤ8毎、燃料種類毎に燃料コストFcの情報が分かっていることにより、燃料調達計画Pのフィードバック先をさらに絞ることが可能となる。図7Bは、本発明の一実施形態に係る燃料調達計画Pのフィードバック先となる燃料サプライヤ8の決定手法を説明するための図であり、調整可否情報および燃料コストFcに基づいてフィードバック先を決定する。このような燃料コストFcの情報は、候補燃料情報Fに、複数種類の燃料の各々についての燃料コストFcの情報を含むことで取得可能である。図7Bの表中の1〜3の数値は燃料コストFcの情報であり、1、2、3の順に燃料コストFcが高いことを示す。また、図7Bに示す実施形態では、燃料コストFcは燃料単価としているが、燃料単価、保険料、運送料の少なくとも1つであっても良いし、これらの少なくとも2つの料金の合計であっても良い。なお、図7Bにおける調整可能範囲Sは図7Aと同じとする。
【0083】
また、図7Bの例示では、燃料[1]の供給が、期間I〜II、IVで過剰であり、期間III、Vで不足しているものとする。この過剰または不足は、燃料調達計画Pに含まれる燃料種類毎の調達量の合計と各燃料サプライヤ8の生産計画の燃料種類毎の合計とを、燃料種類毎に差し引きした差分に基づいて決まる。そして、燃料量が過剰な場合には、同一種類の燃料を供給する燃料サプライヤ8のうち、燃料コストFcが最も高い燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pをフィードバックすると良く、燃料の減産を促すなどが可能となる。逆に、燃料量が不足している場合には、同一種類の燃料を供給する燃料サプライヤ8のうち、燃料コストFcが最も低い燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pをフィードバックすると良く、燃料の増産を促すなどが可能となる。
【0084】
よって、図7Bの例示では、燃料[1]について、期間Iでは、燃料量は過剰であるが、A社〜C社のいずれも燃料量の調整が可能でないため、燃料調達計画PをA社〜C社の全てに送信しない。他方、期間IIでは、燃料量が過剰であり、B社のみが燃料量の調整が可能であるため、燃料調達計画PをB社に送信する。期間IIIでは、燃料量が不足しており、A社、B社が燃料量の調整が可能であるが、その中でA社の燃料コストFcが最も安価であるため、少なくともA社に燃料調達計画Pを送信する。期間IVでは、燃料量が過剰であり、A社、B社、C社の全てが燃料量の調整が可能であるが、その中でB社の燃料コストFcが最も高価であるため、少なくともB社に燃料調達計画Pを送信する。逆に、期間Vでは、燃料量が不足しており、A社、B社、C社の全てが燃料量の調整が可能であるが、C社の燃料コストFcが最も安価であるため、少なくともC社に燃料調達計画Pを送信する。
【0085】
図7A図7Bに示す実施形態では、燃料調達計画Pの送信先を1社としている。燃料調達計画Pの送信先が1社であれば、期間毎に常に1社のみを対象とした調整を行うことができ、調整の複雑化を図ることができる。
【0086】
上述のように燃料調達計画Pの送信先を決定することにより、燃料量が不足する場合には燃料コストFcが安価な燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pをフィードバックすることにより、燃料の増産を促すなど、調達コストの低減を図ることができる。他方、燃料量が過剰な場合には、燃料コストFcが高価な燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pをフィードバックすることにより、燃料の減産を促すなど、燃料サプライヤ8のコストの低減を図ることができる。
【0087】
上記の構成によれば、燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pがフィードバックされることにより、各燃料サプライヤ8は、需要のある燃料種類の燃料の増産や、需要のない燃料種類の減産などの調整を行うことができ、燃料サプライヤ8の燃料生産、在庫の最適化を図ることができる。
【0088】
また、幾つかの実施形態では、図3に示すように、上述したプラント運転支援装置1は、燃料調達計画Pに従ってボイラプラント92の運転が実行されることにより得られる燃料使用実績Rfであって、燃料調達計画Pで定められた複数種類の燃料の少なくとも1つの燃料の燃焼性能または燃料使用量を含む燃料使用実績Rfを取得する燃料使用実績取得部52と、この燃料使用実績Rfの少なくとも一部の情報を、上記の燃料調達計画Pで定められた複数種類の燃料のいずれかを提供した少なくとも1つの燃料サプライヤ8など、少なくとも1の燃料サプライヤ8に送信する燃料使用実績フィードバック部53と、をさらに備えても良い。燃料使用実績Rfは、燃料使用実績Rfに含まれる燃料を提供した燃料サプライヤ8に送信される。この燃焼性能は例えば発熱量であり、上述したように燃料調達計画Pで定めた燃料量を見積もるのに用いることが可能な情報である。ボイラプラント92は運転計画Dに従って運転されるので、例えば発熱量が想定よりも小さいと、その小さい分を埋めるためにより多くの燃料が必要とされることになる。逆に、発熱量が想定よりも大きいと、その大きい分だけ燃料を使う必要がなくなることから燃料調達計画Pで定めた燃料量に余剰が生じ、燃料サプライヤ8の在庫増にもつながる。
【0089】
一般に、例えば、木質バイオマス燃料は、間伐材など森林から直接産出される木材(原木)や、木材加工から生じる端材や木屑、建築解体材などの産業廃棄物から生産される。そして、このような原料由来や樹種、保管方法などによって含水率等が影響を受けるなど含水率等の性状のバラツキが大きく、燃焼性能もばらつき易い。また、石炭などの化石燃料についても産地などによって燃焼性能に違いがある場合がある。よって、燃料サプライヤが有する燃焼性能と実際に燃料を使用した場合の実績の燃焼性能とに差異が生じる場合がある。そして、燃焼性能が異なると、燃料使用量も計画値から乖離する場合がある。
【0090】
そして、このような乖離は、燃料サプライヤ8にとって、計画外の在庫増大や在庫不足につながる可能性がある。プラント運転者9にとっても運転計画Dに従ったボイラプラント92の運転の支障になりかねない。そこで、プラント運転支援装置1は、例えばプラント運転者9から燃料使用実績Rfを取得し、燃料サプライヤ8にフィードバックする。これによって、燃料サプライヤ8は、初期の燃料調達計画Pの計画時に用いた候補燃料情報Fの情報をより適切な値に修正することにより、初期の燃料調達計画Pの計画値からの乖離が生じるような場合に対して、迅速な対応が可能となる。
【0091】
上記の構成によれば、燃料調達計画Pに基づいて供給された複数種類の燃料をボイラプラント92の運転に用いることにより得られる燃料使用実績Rfが、プラント運転支援装置1を介して、燃料を提供した燃料サプライヤ8にフィードバックされる。これによって、燃料サプライヤ8は、必要な燃料の増産、減産などにより生産調整、在庫調整をするなど、燃料サプライヤ8の燃料生産を最適化することが可能となると共に、プラント運転者9に対してより確実に安定的な燃料供給を行うことを可能にすることができる。
【0092】
また、上記の実施形態において、幾つかの実施形態では、燃料サプライヤ8に燃料使用実績Rfがフィードバックされた後に、上述した候補燃料情報取得部32は、燃料サプライヤ8が燃料使用実績Rfに基づいて修正した候補燃料情報F´を取得しても良い。つまり、プラント運転支援装置1は、修正された候補燃料情報F´を候補燃料情報Fとして、上述したように燃料調達計画Pを再度作成する。また、この新たな燃料調達計画Pは、プラント運転者9に送られても良く、プラント運転者9に受け入れられることにより、初期の燃料調達計画Pが適切なタイミングで新たな燃料調達計画Pに切り替えられても良い。このようなループ(図2の(2)〜(5))が1回以上繰り返されても良い。
【0093】
上記の構成によれば、燃料使用実績Rfが反映されたより精度の高い候補燃料情報Fに基づいて、より精度の良い燃料調達計画Pを決定することができる。
【0094】
次に、メンテナンス計画Mに関する幾つかの実施形態について説明する。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、上述したプラント運転支援装置1は、機器情報B、運転計画D、及び燃料調達計画Pに基づいて、ボイラプラント92のメンテナンス計画Mを決定するメンテナンス計画決定部61を、さらに備えても良い。メンテナンス計画Mは、燃料調達計画Pに定められた燃料を使用した場合のメンテナンスを行う予定時期など(メンテナンス予定日)を定めたものである。
【0095】
本発明者らは、ボイラプラント92で発生する例えば伝熱管の閉塞、摩耗などの問題は、ボイラプラント92を構成する機器の仕様や、使用燃料の燃料性状(組成、灰分、含水量など)との相関があるとの知見を有している。このため、例えば、過去の障害事例、定期点検などにおける調査結果などから、例えば機器毎に、問題事例と稼働時間と使用燃料(燃料性状)との関係について予め調査することで、燃料性状から保証可能なボイラの稼働時間を求められるようにする。このようにすれば、例えば、機器情報Bと、運転計画Dと、保証可能な稼働時間とに基づいて、燃料の使用開始時から保証可能な稼働時間を経過する前後の適切な時期をメンテナンス予定日として、計画することが可能となる。これによって、時期尚早となるようなメンテナンスの実行により、ボイラプラント92の運転停止期間が増えるなどの防止も図ることが可能となる。
【0096】
上記の構成によれば、使用燃料の情報を含む燃料調達計画Pに基づいて、ボイラプラント92のメンテナンス計画Mを決定する。例えば、木質バイオマス燃料は、樹皮、おが屑、廃木材などの種類に応じて燃料中の灰分量に違いがある。石炭などにおいても、低品位炭、高品位炭などの種類に応じて、灰の量や付着性に違いがある。また、ボイラプラント92を構成する機器の仕様によって障害への耐性が異なる。よって、ボイラプラント92の仕様(機器情報B)、運転計画D、使用する燃料の種類を考慮することにより、適切なメンテナンス計画Mを決定することができる。
【0097】
また、幾つかの実施形態では、図3に示すように、上述したプラント運転支援装置1は、燃料調達計画Pに従ってボイラプラント92の運転が実行されることにより得られる運転データ実績Rdを取得する運転データ実績取得部62と、運転データ実績Rdに基づいて、メンテナンス計画Mの修正を判定するメンテナンス計画修正判定部63と、をさらに備えても良い。運転データ実績Rdは、メンテナンス計画Mに影響を及ぼす可能性のある各種の情報である。例えば、ボイラプラント92の運転時にその運転状況を確認するために計測などを通して取得される各種の状態量やトラブルの有無といった情報を含んでいても良い。このような状態量としては、燃料使用量や灰発生量、薬品や工業用水などのユーティリティの使用量、常設の監視計(センサ)により計測される配管内の圧力、流量などが挙げられる。
【0098】
具体的には、監視計により計測される配管内の圧力や流量を監視することにより、例えば、配管の入口から同じような流量が流入している状況において、圧力が高くなるような推移を示す場合は配管のつまり(閉塞)が進行していることが予想される。また、上記と同様な状況において、圧力が低くなるような推移を示す場合には、配管の減肉(摩耗)が進行している状況が予測される。このように、監視計の計測値を監視することにより、配管の余肉状況の監視などが可能である。
【0099】
こうした、運転データ実績Rdに基づいて、配管の余肉状況など、稼働時間の経過に従って生じる損傷状況を推測し、その寿命を予測するなどして、既に決定されている初期のメンテナンス計画Mが適切か否かを判定する。メンテナンス計画Mが適切でないと判定された場合には、次回のメンテナンス予定日を早めたり、あるいは、先延ばしにすることにより、メンテナンス計画Mをより適切なものへと更新することができる。
【0100】
なお、ボイラプラント92でプラント運転者9が行った定期点検や補修、発電出力の変動や混焼率の変更、発電ポートフォリオの変更などの情報も合わせて運転データ実績Rdに含めるようにすれば、これらの情報を通して、各燃料の燃料使用量を予測することができ、燃料調達計画Pをより適切なものへと更新することができる。また、運転データ実績Rdを分析することにより、燃料使用量の低減や、燃料特性に劣る方の燃料(例えば高品位炭に対する低品位炭やバイオマスなど)の混焼率の向上が見込めるといった提案も可能となる。その他、機器の設計思想などへのフィードバックとしても良い。
なお、燃料使用実績Rfや運転データ実績Rdは、ネットワークを介し、プラント運転支援装置1がプラント運転者9から自動で継続的に取得する形としても良い。
【0101】
上記の構成によれば、ボイラプラント92の運転により得られる運転データ実績Rdに基づいて、メンテナンス計画Mの修正を判定する。このように運転実績からその時点のメンテナンス計画Mの修正を判定することにより、メンテナンス計画Mを使用する燃料の種類に適したものに更新していくことができる。
【0102】
以下、上述したプラント運転支援装置1が実行する処理に対応するプラント運転支援方法について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るプラント運転支援方を示す図である。
【0103】
プラント運転支援方法は、ボイラプラント92で用いる複数種類の燃料の調達に関する計画である燃料調達計画Pを決定するための方法である。図8に示すように、プラント運転支援方法は、プラント運転計画取得ステップ(S11)と、候補燃料情報取得ステップ(S12)と、構成機器情報取得ステップ(S13)と、燃料調達計画決定ステップ(S2)と、を備える。このプラント運転支援方法は、上述したプラント運転支援装置1が実行しても良いし、人手で実行しても良い。
図8のステップ順にプラント運転支援方法を説明する。
【0104】
図8に示す実施形態では、図8のステップS0において、機器情報保持ステップを実行している。機器情報保持ステップ(S0)は、ボイラプラント92を構成する機器の機器情報Bを、例えばデータベースなどとなる機器情報保持部2などに記憶するステップである。本実施形態では、このステップ(S0)の実行によって、機器情報Bをデータベース等に一元的に管理することにより、機器情報Bの取得(参照)の容易化を図っている。
【0105】
図8のステップS1において、上述した運転計画D、候補燃料情報F、および機器情報Bを取得する。具体的には、ステップS11において、プラント運転計画取得ステップ(S11)を実行し、ステップS12において候補燃料情報取得ステップ(S12)を実行し、ステップS13において構成機器情報取得ステップ(S13)を実行する。プラント運転計画取得ステップ(S11)は、上述したボイラプラント92の運転計画Dを取得するステップである。候補燃料情報取得ステップ(S12)は、上述した候補燃料情報Fを取得するステップである。また、構成機器情報取得ステップ(S13)は、ボイラプラント92を構成する少なくとも1台の機器の機器情報を機器情報保持部2などから取得するステップである。これらのステップ(S11〜S13)は、それぞれ、既に説明した、プラント運転計画取得部31、候補燃料情報取得部32、または構成機器情報取得部33が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。なお、図8に示す実施形態では、プラント運転者9から運転計画Dを取得し、複数の燃料サプライヤ8から候補燃料情報Fを取得し、機器情報保持部2から機器情報Bを取得している。また、これらのステップ(S11〜S13)は、図8とは異なる順序で実行されても良い。
【0106】
ステップS2において、燃料調達計画決定ステップを実行する。燃料調達計画決定ステップ(S2)は、ステップS1で取得した候補燃料情報F、運転計画D、及び少なくとも1台の機器情報Bに基づいて、複数の燃料サプライヤ8の各々から供給される複数種類の燃料の各々の所定期間ごとの調達量を決定することにより、運転計画Dを実現可能な燃料調達計画Pを決定するステップである。燃料調達計画決定ステップ(S2)は、既に説明した燃料調達計画決定部4が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
【0107】
上記の構成によれば、運転計画Dを実現するのに最適な燃料調達計画Pを決定することができると共に、プラント運転者9に対して提案することができる。
【0108】
また、幾つかの実施形態では、図8(S3参照)に示すように、プラント運転支援方法は、機器情報B、運転計画D、及び燃料調達計画Pに基づいて、ボイラプラント92のメンテナンス計画M(前述)を決定するメンテナンス計画決定ステップを、さらに備えても良い。メンテナンス計画決定ステップは、既に説明したメンテナンス計画決定部61が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図8に示す実施形態では、ステップS3においてメンテナンス計画決定ステップを実行しているが、燃料調達計画決定ステップ(S2)よりも先に実行しても良い。
【0109】
上記の構成によれば、ボイラプラント92の仕様(機器情報B)、運転計画D、使用する燃料の種類を考慮することにより、適切なメンテナンス計画Mを決定することができる。
【0110】
また、幾つかの実施形態では、図8(S4参照)に示すように、プラント運転支援方法は、燃料調達計画Pの少なくとも一部の情報を複数の燃料サプライヤ8の少なくとも一つに送信する燃料調達計画フィードバックステップを、さらに備えていても良い。燃料調達計画フィードバックステップは、既に説明した燃料調達計画フィードバック部51が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図8に示す実施形態では、ステップS4において、燃料調達計画フィードバックステップを実行している。
【0111】
上記の構成によれば、燃料サプライヤ8に燃料調達計画Pがフィードバックされることにより、各燃料サプライヤ8は、需要のある燃料種類の燃料の増産や、需要のない燃料種類の減産などの調整を行うことができ、燃料サプライヤ8の燃料生産、在庫の最適化を図ることができる。
【0112】
また、幾つかの実施形態では、図8(S5参照)に示すように、プラント運転支援方法は、上述した燃料使用実績Rfを取得する燃料使用実績取得ステップと、この燃料使用実績Rfの少なくとも一部の情報を、複数種類の燃料を提供した少なくとも1の燃料サプライヤ8に送信する燃料使用実績フィードバックステップと、をさらに備えても良い。燃料使用実績取得ステップ、および、燃料使用実績フィードバックは、それぞれ、既に説明した燃料使用実績取得部52や燃料使用実績フィードバック部53が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図8に示す実施形態では、ステップS5において、燃料使用実績取得ステップおよび燃料使用実績フィードバックステップを実行しているが、燃料調達計画決定ステップ(S2)より後であれば、いずれの段階(ステップ)で行っても良い。
【0113】
また、この場合には、幾つかの実施形態では、上述した候補燃料情報取得ステップ(S12)は、燃料サプライヤ8が燃料使用実績Rfに基づいて修正した候補燃料情報Fを取得しても良い。これによって、図2に示すようなループ(図2の(2)〜(5))を1回以上繰り返すことになり、燃料使用実績Rfが反映されたより精度の高い候補燃料情報Fに基づいて、より精度の良い燃料調達計画Pを決定することができる。
【0114】
上記の構成によれば、燃料を提供した燃料サプライヤ8に燃料使用実績Rfがフィードバックされることによって、燃料サプライヤ8は、必要な燃料の増産、減産などにより生産調整、在庫調整をするなど、燃料サプライヤ8の燃料生産を最適化することが可能となると共に、プラント運転者9に対してより確実に安定的な燃料供給を行うことを可能にすることができる。
【0115】
また、幾つかの実施形態では、図8(S6参照)に示すように、プラント運転支援方法は、上述した運転データ実績Rdを取得する運転データ実績取得ステップと、運転データ実績Rdに基づいて、メンテナンス計画Mの修正を判定するメンテナンス計画修正判定ステップと、をさらに備えても良い。運転データ実績取得ステップ、および、メンテナンス計画修正判定ステップは、それぞれ、既に説明した運転データ実績取得部62やメンテナンス計画修正判定部63が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図8に示す実施形態では、ステップS6において、運転データ実績取得ステップおよびメンテナンス計画修正判定ステップを実行しているが、メンテナンス計画決定ステップ(S3)より後であれば、いずれの段階(ステップ)で行っても良い。
【0116】
上記の構成によれば、運転実績に基いてメンテナンス計画Mの修正を判定することにより、メンテナンス計画Mを使用する燃料の種類に適したものに更新していくことができる。
【0117】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0118】
1 プラント運転支援装置
2 機器情報保持部
31 プラント運転計画取得部
32 候補燃料情報取得部
33 構成機器情報取得部
4 燃料調達計画決定部
51 燃料調達計画フィードバック部
52 燃料使用実績取得部
53 燃料使用実績フィードバック部
61 メンテナンス計画決定部
62 運転データ実績取得部
63 メンテナンス計画修正判定部
7 過去DB
71 学習モデル
8 燃料サプライヤ
9 プラント運転者
92 ボイラプラント
B 機器情報
D 運転計画
F 候補燃料情報
Fc 燃料コスト
Fp 燃料特性
Fq 提供可能量
P 燃料調達計画
M メンテナンス計画
Rd 運転データ実績
Rf 燃料使用実績
S 調整可能範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8