特開2019-180245(P2019-180245A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-180245(P2019-180245A)
(43)【公開日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】温度制御装置、及び遺伝子検査装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/38 20060101AFI20190927BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20190927BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20190927BHJP
【FI】
   C12M1/38 Z
   G01N35/00 B
   C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-70627(P2018-70627)
(22)【出願日】2018年4月2日
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 航
(72)【発明者】
【氏名】長岡 嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
(72)【発明者】
【氏名】中澤 太朗
【テーマコード(参考)】
2G058
4B029
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB19
4B029AA07
4B029AA12
4B029BB20
4B029GA08
(57)【要約】
【課題】小型であって簡略化された温度制御装置、及びそれを備えた遺伝子検査装置を提供する。
【解決手段】温度制御される対象であるDNAを含む溶液を内部に保持する温調対象部を備える温度制御装置であって、所定の温度に調整される単一の温調部と、前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間の熱を伝える第一伝熱部と、前記第一伝熱部及び前記温調対象部に接触し前記第一伝熱部と前記温調対象部との間の熱を伝える、又は前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間の熱を伝える第二伝熱部と、をさらに備え、前記温調対象部は前記第一伝熱部と前記第二伝熱部に挟まれ、前記第二伝熱部は押圧されることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御される対象であるDNAを含む溶液を内部に保持する温調対象部を備える温度制御装置であって、
所定の温度に調整される単一の温調部と、
前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間で伝熱する第一伝熱部と、
前記第一伝熱部及び前記温調対象部に接触し前記第一伝熱部と前記温調対象部との間で伝熱する、又は前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間で伝熱する第二伝熱部と、をさらに備え、
前記温調対象部は前記第一伝熱部と前記第二伝熱部に挟まれ、
前記第二伝熱部は押圧されることを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温度制御装置であって、
前記第二伝熱部が押圧される方向は、前記温調対象部が前記第一伝熱部と前記第二伝熱部に挟まれる方向であることを特徴とする温度制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の温度制御装置であって、
前記第一伝熱部または前記第二伝熱部は、押圧によって変形する変形部を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の温度制御装置であって、
前記変形部は、熱伝導シートまたは熱伝導グリースであることを特徴とする温度制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の温度制御装置であって、
前記第二伝熱部は前記第一伝熱部及び前記温調対象部に接触し、
前記第二伝熱部が前記温調対象部を押圧する方向と、前記第二伝熱部が前記第一伝熱部を押圧する方向とは異なることを特徴とする温度制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の温度制御装置であって、
前記第二伝熱部が前記温調対象部を押圧する方向と、前記第二伝熱部が前記第一伝熱部を押圧する方向とは直交することを特徴とする温度制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の温度制御装置であって、
前記第一伝熱部は、前記第二伝熱部によって押圧される方向に対して前記温調部に拘束されることを特徴とする温度制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の温度制御装置であって、
前記第二伝熱部は、門型またはL字型の断面形状を有することを特徴とする温度制御装置。
【請求項9】
DNAを含む溶液を検査する遺伝子検査装置であって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の温度制御装置を備えることを特徴とする遺伝子検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遺伝子検査装置に備えられる温度制御装置に係わり、特に温度制御装置の簡略化に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝子検査装置では、DNA(Deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)を含む試料を取得したのち、試料中の微量のDNAを増幅させてから分析が行われる。DNAの増幅に広く利用されているPCR(Polymerase Chain Reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)では、DNAを含む試料溶液とDNAを増幅させる試薬を含む溶液を混合し、例えば94°Cで1本鎖に変性させ、60°Cで相補鎖を合成させる。このような温度変化の繰り返しによりDNAを指数関数的に増幅させられるものの、溶液内に温度ばらつきが大きくなると、DNAが増幅する領域とDNAが増幅しない領域が発生し、安定した増幅を行うことができずに遺伝子検査の信頼性が低下する。
【0003】
特許文献1には、溶液が含まれる反応部を2つの温度制御部によって挟みこむことで、溶液の温度ばらつきを低減する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−53650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、1つの反応部に対して2つの温度制御部が必要となるため温度制御装置が大型になり、さらに2箇所を温度制御するため制御回路が複雑になる。
【0006】
そこで、本発明は、小型であって簡略化された温度制御装置、及びそれを備えた遺伝子検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、温度制御される対象であるDNAを含む溶液を内部に保持する温調対象部を備える温度制御装置であって、所定の温度に調整される単一の温調部と、前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間の熱を伝える第一伝熱部と、前記第一伝熱部及び前記温調対象部に接触し前記第一伝熱部と前記温調対象部との間の熱を伝える、又は前記温調部及び前記温調対象部に接触し前記温調部と前記温調対象部との間の熱を伝える第二伝熱部と、をさらに備え、前記温調対象部は前記第一伝熱部と前記第二伝熱部に挟まれ、前記第二伝熱部は押圧されることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、DNAを含む溶液を検査する遺伝子検査装置であって、上記温度制御装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型であって簡略化された温度制御装置、及びそれを備えた遺伝子検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】遺伝子検査装置20の概略構成図である。
図2】実施例1による温度制御装置1の概略斜視図である。
図3】実施例1の温度制御装置1の構造を説明する図であって図2のA−A断面図である。
図4】実施例1の温調対象部2の構成の一例を説明する斜視図である。
図5】実施例1の変形例の温度制御装置1の構造を説明する断面図である。
図6】実施例2の温度制御装置1の構造を説明する断面図である。
図7】実施例3の温度制御装置1の構造を説明する断面図である。
図8】実施例4の温度制御装置1の構造を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下、図面に従って本発明に係る温度制御装置および遺伝子検査装置の実施例について説明する。なお、以下の説明および図面において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は遺伝子検査装置20の概略構成図である。遺伝子検査装置20は、溶液注入部21と流路22と温度制御装置1と検査部23を備える。溶液注入部21には、DNA(Deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)を含む試料溶液や、DNAを増幅させる試薬を含む溶液等が注入される。溶液注入部21に注入された溶液は、流路22を通って温度制御装置1へ流れる。温度制御装置1では所定の温度変化、例えば94°Cと60°Cの間での加熱と冷却が繰り返され、溶液中のDNAが指数関数的に増幅させられる。温度制御装置1の詳細は後述する。増幅後のDNAを含む溶液は検査部23へ流れる。検査部23では、増幅後のDNAを含む溶液への励起光の照射と、励起光の照射により溶液が発する蛍光の受光とにより、遺伝子検査が行われる。
【0013】
図2及び図3を用いて温度制御装置1の構造について説明する。なお、図2は温度制御装置1の概略斜視図であり、図3図2のA−A断面図である。温度制御装置1は、温調部8と温調対象部2と第一伝熱部3と第二伝熱部4と押圧部材14を備える。以下、各部について説明する。
【0014】
温調部8は所定の温度に調整される加熱源かつ冷却源である。本実施例の温度制御装置1は単一の温調部8を備える。温調部8は、例えばペルチェ素子5とヒートシンク6により構成される。ペルチェ素子5は、直流電流が流されることにより、一方の面での吸熱と、他方の面での発熱を起こす素子であり、直流電流を流す方向を変えることにより加熱源としても冷却源としても機能する。ヒートシンク6は複数のフィンを有する構造体であり、放熱または吸熱がなされる。ペルチェ素子5はヒートシンク6と組合せられることにより、加熱源又は冷却源としての機能を強化される。なお、温調部8はペルチェ素子5とヒートシンク6の組合せに限定されず、ヒータを用いた加熱や、冷却媒体を通過させることにより温度を調整する構成であっても良い。
【0015】
温調対象部2は、温度制御される対象であるDNAを含む溶液10を内部に保持する。図4を用いて温調対象部2の構成の一例について説明する。温調対象部2は流路チップ9と流路密閉部材11を有する。流路チップ9は、数mmの厚さを有する平板であり、開口部9aと溝部9bを有する。開口部9aには後述する第二伝熱部4が挿入される。溝部9bには溶液10が満たされ、流路密閉部材11で覆われることにより、溝部9bが溶液10の流路となる。流路密閉部材11は数百μmの厚さを有する平板である。
【0016】
第一伝熱部3は、熱伝導率が高い材質、例えばアルミニウムや銅で構成される部材であり、温調部8の上、より具体的にはペルチェ素子5の上に配置される。第一伝熱部3は突起部である凸部3aを有する。凸部3aは温調対象部2の流路密閉部材11に接触する。つまり、第一伝熱部3は温調部8と温調対象部2とに接触し、温調部8と温調対象部2との間を伝熱する。
【0017】
第二伝熱部4は、熱伝導率が高い材質、例えばアルミニウムや銅で構成され、断面が門型の形状を有する部材である。第二伝熱部4の二つの脚部は、流路チップ9の開口部9aにそれぞれ挿入され、第一接触面4aにて第一伝熱部3に接触する。また第二伝熱部4の中央部は、第二接触面4bにて温調対象部2の流路チップ9に接触する。つまり、第二伝熱部4は第一伝熱部3と温調対象部2とに接触し、第一伝熱部3と温調対象部2との間を伝熱する。
【0018】
押圧部材14は、第二伝熱部4を押圧する部材であって、熱伝導率が低い材質、例えばアルミナ等の金属酸化物で構成される。押圧部材14は水平面である押し付け面14aで第二伝熱部4を−Y方向に押圧し、第二伝熱部4は第一伝熱部3及び温調対象部2を同じ方向、すなわち−Y方向に押圧する。押圧部材14によって第二伝熱部4が−Y方向、すなわち温調対象部2が第一伝熱部3と第二伝熱部4に挟まれる方向に押圧されることにより、第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減できる。
【0019】
第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗の差異を低減するために、第一接触面4a及び第二接触面4bの少なくとも一方に、押圧によって変形する変形部13が取り付けられても良い。第二伝熱部4のY方向における寸法精度が高くない場合であっても、変形部13が取り付けられることにより、第一接触面4a及び第二接触面4bに隙間を生じさせずにすみ、両面の接触熱抵抗を同等にすることができる。なお変形部13は、第一伝熱部3と温調対象部2との間に取り付けられても良い。また変形部13は、第二伝熱部4や第一伝熱部3、温調対象部2よりも柔らかく、それらと同等の熱伝導率を有することが望ましく、例えば熱伝導シートや熱伝導グリースが用いられる。
【0020】
温調部8の制御に必要となる図示されない温度センサは、第一伝熱部3と第二伝熱部4の少なくとも一方に固定される。なお、温調部8から温調対象部2までの伝熱経路は、第二伝熱部4を介する伝熱経路のほうが長いので、第二伝熱部4の温度変化、すなわち最高温度と最低温度との差異は第一伝熱部3よりも小さい。そこで、温度センサを第一伝熱部3に固定することにより、第二伝熱部4の温度を過度に制御させずにすむとともに、第二伝熱部4に温度センサを設けずにすむ。温度センサが固定される位置は、温調対象部2により近いほうが望ましい。
【0021】
なお、温調対象部2は図3に示した流路チップ9と流路密閉部材11を有する構造に限定されない。図5を用いて温調対象部2の変形例について説明する。図5に示す温調対象部2は、円筒形状の反応容器12の内部に溶液10を保持したものである。また、第一伝熱部3は反応容器12の形状に適合する凹部を有する。第一伝熱部3と反応容器12とが適合する形状を有することにより、第二伝熱部4の押圧による接触熱抵抗の低減がY方向だけでなくX方向においてもなされる。
【0022】
以上述べた構成により、単一の温調部8からの熱を伝える第一伝熱部3と第二伝熱部4とに温調対象部2が挟まれ、さらに第二伝熱部4が押圧されるので、温調対象部2の温度は迅速かつ均一に制御される。迅速かつ均一な温度制御により、溶液10中のDNAの増幅を安定化させることができ、遺伝子検査の信頼性を向上できる。また温調部8が単一であることにより、温調部8が大型になることなく制御回路も単一ですむので、小型であって簡略化された温度制御装置1を提供できる。
【0023】
なお、図2及び図3では、温調部8の上に第一伝熱部3、温調対象部2、第二伝熱部4という順で配置されているが、温調部8の下に第一伝熱部3、温調対象部2、第二伝熱部4という順で配置されても良いし、各部が左右方向(X方向)に並べられても良い。また、第一伝熱部3と第二伝熱部4とが分離された構造であることにより、、温調対象部2の交換が容易になる。
【実施例2】
【0024】
実施例1では、第二伝熱部4が第一伝熱部3に接触する構造について説明した。本実施例では第二伝熱部4が温調部8に接触する構造について説明する。なお、すでに説明した同一の符号を付された構成と同一の機能を有する部分については説明を省略する。
【0025】
図6を用いて本実施例の構造について説明する。本実施例と実施例1との違いは、第二伝熱部4と第一伝熱部3であるので、これらについて特に説明する。
【0026】
第二伝熱部4は、材質及び形状が実施例1と同じであるが、流路チップ9の開口部9aに挿入される二つの脚部が第一接触面4aにて接触するのは温調部8である。つまり、第二伝熱部4は温調部8と温調対象部2とに接触し、温調部8と温調対象部2との間を伝熱する。第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減するために、第二伝熱部4が−Y方向に押圧されることは実施例1と同じである。なお、本実施例の第二伝熱部4が押圧するのは、温調部8と温調対象部2である。
【0027】
第一伝熱部3は、材質及び形状が実施例1と同じであるが、X方向の大きさが実施例1よりも小さく、第二伝熱部4の二つの脚部の間であって、温調部8の上に配置される。第一伝熱部3が温調部8と温調対象部2とに接触し、温調部8と温調対象部2との間を伝熱することは実施例1と同じである。
【0028】
第二伝熱部4の第一接触面4aまたは第二接触面4bや、第一伝熱部3と温調対象部2との間に、第二伝熱部4の押圧によって変形する変形部13を取り付けても良いことも実施例1と同様である。
【0029】
以上述べた構成により、単一の温調部8からの熱を伝える第一伝熱部3と第二伝熱部4とに温調対象部2が挟まれ、さらに第二伝熱部4が押圧されるので、実施例1と同様に、温調対象部2の温度は迅速かつ均一に制御される。また温調部8が単一であることにより、温調部8が大型になることなく制御回路も単一ですむので、小型であって簡略化された温度制御装置1を提供できる。
【0030】
また、本実施例の構造によれば、第二伝熱部4から温調対象部2への伝熱は、第一伝熱部3を介すことなく温調部8から伝熱されるので、実施例1に比べてY軸方向の温度ばらつきを小さくすることができる。なお、温調部8から第二伝熱部4を介して温調対象部2へ伝熱する経路と、温調部8から第一伝熱部3を介して温調対象部2へ伝熱する経路との伝熱距離の差異をより小さくすることで、Y軸方向の温度ばらつきをさらに小さくすることができる。
【実施例3】
【0031】
実施例1では、第二伝熱部4が第一伝熱部3及び温調対象部2を同じ方向に押圧する構造について説明した。本実施例では第二伝熱部4が第一伝熱部3を押圧する方向と、温調対象部2を押圧する方向とが異なる構造について説明する。
【0032】
図7を用いて本実施例の構造について説明する。本実施例と実施例1との違いは、第一伝熱部3と第二伝熱部4と押圧部材14であるので、これらについて特に説明する。
【0033】
第一伝熱部3は、材質が実施例1と同じであるが、第二伝熱部4と接触する面(第一接触面4a)が水平面ではなく鉛直面である。第一伝熱部3が温調部8と温調対象部2とに接触し、温調部8と温調対象部2との間を伝熱することは実施例1と同じである。
【0034】
第二伝熱部4は、材質が実施例1と同じであるが、断面がL字型の形状を有する部材であって、水平面に対し傾斜する斜面を有する。また、第二伝熱部4は鉛直面である第一接触面4aにて第一伝熱部3と接触するとともに、水平面である第二接触面4bにて温調部8と接触する。つまり、第二伝熱部4は温調対象部2と第一伝熱部3とに接触し、温調対象部2と第一伝熱部3との間を伝熱する。
【0035】
押圧部材14は、材質が実施例1と同じであるが、実施例1とは形状が異なり、水平面に対し傾斜する斜面である押し付け面14aを有し、押し付け面14aにて第二伝熱部4を押圧する。押圧部材14が第二伝熱部4を押圧すると、第二伝熱部4は温調対象部2を−Y方向に、第一伝熱部3を−X方向に押圧するので、第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減することができる。なお、鉛直面である第一接触面4aでの接触熱抵抗を低減するさらに低減するために、第一伝熱部3は−X方向の移動を拘束されることが望ましく、例えば温調部8のペルチェ素子5の上に拘束部15を設けても良い。
【0036】
以上述べた構成により、単一の温調部8からの熱を伝える第一伝熱部3と第二伝熱部4とに温調対象部2が挟まれ、さらに第二伝熱部4が押圧されるので、実施例1と同様に、温調対象部2の温度は迅速かつ均一に制御される。また温調部8が単一であることにより、温調部8が大型になることなく制御回路も単一ですむので、小型であって簡略化された温度制御装置1を提供できる。
【0037】
なお、第二伝熱部4のY方向における寸法精度が高くない場合に、実施例1や実施例2では変形部13を取り付けることが望ましいが、本実施例では変形部13を取り付けることなく、第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減することができる。本実施例では、第二伝熱部4が第一伝熱部3を押圧する方向と、温調対象部2を押圧する方向とが異なり、両方向が交差するので、Y方向における寸法精度が高くない場合でも、第二伝熱部4が−X方向へ移動する過程で第一伝熱部3と接触させることができる。なお、第二伝熱部4の移動距離を短くするために、第二伝熱部4が第一伝熱部3を押圧する方向と、温調対象部2を押圧する方向とは直交することが望ましい。
【実施例4】
【0038】
実施例3では、第二伝熱部4が第一伝熱部3を押圧する方向と、温調対象部2を押圧する方向とが異なる構造について図7を用いて説明した。両方向が異なる構造は図7に限定されない。本実施例では第二伝熱部4が第一伝熱部3を押圧する方向と、温調対象部2を押圧する方向とが異なる構造の他の例について説明する。
【0039】
図8を用いて本実施例の構造について説明する。本実施例と実施例3との違いは、第一伝熱部3と第二伝熱部4と押圧部材14であるので、これらについて特に説明する。
【0040】
第一伝熱部3は、材質が実施例3と同じであるが、実施例3とは断面の形状が異なり、凹部3bを有する。凹部3bはY方向に向かって広がるテーパー形状であり、第一伝熱部3が第二伝熱部4と接触する面(第一接触面4a)は鉛直面ではなく、鉛直面に対し傾きを有する斜面である。第一伝熱部3が温調部8と温調対象部2とに接触し、温調部8と温調対象部2との間を伝熱することは実施例3と同じである。
【0041】
第二伝熱部4は、材質や断面がL字型の形状を有する部材であることは実施例3と同じであるが、L字型の先端部4cが鉛直面に対し傾きを有する斜面である第一接触面4aを有する点が実施例3と異なる。なお、第二伝熱部4が温調対象部2と第一伝熱部3とに接触し、温調対象部2と第一伝熱部3との間を伝熱する点は実施例3と同じである。
【0042】
押圧部材14は、実施例1と同じ形状であり、水平面である押し付け面14aにて第二伝熱部4を押圧する。押圧部材14が第二伝熱部4を押圧すると、第二伝熱部4は温調対象部2を−Y方向に、第一伝熱部3を第一接触面4aと直交する方向に押圧するので、実施例3と同様に第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減することができる。
【0043】
また第一伝熱部3と第二伝熱部4との接触面である第一接触面4aの形状は、平滑面であることに限定されず、例えば互いの面を櫛歯型として接触面積を増加させても良い。さらに、接触面に熱伝導シートや熱伝導グリースを塗布することで接触熱抵抗をさらに低減させるようにしてもよい。
【0044】
以上述べた構成により、単一の温調部8からの熱を伝える第一伝熱部3と第二伝熱部4とに温調対象部2が挟まれ、さらに第二伝熱部4が押圧されるので、実施例1と同様に、温調対象部2の温度は迅速かつ均一に制御される。また温調部8が単一であることにより、温調部8が大型になることなく制御回路も単一ですむので、小型であって簡略化された温度制御装置1を提供できる。
【0045】
また、実施例3と同様に、第二伝熱部4のY方向における寸法精度が高くない場合であっても変形部13を取り付けることなく、第一接触面4a及び第二接触面4bでの接触熱抵抗を低減することができる。
【0046】
なお、本発明の温度制御装置1および遺伝子検査装置20は上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、上記実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。
【符号の説明】
【0047】
20:遺伝子検査装置、21:溶液注入部、22:流路、23:検査部、1:温度制御装置、2:温調対象部、3:第一伝熱部、3a:凸部、3b:凹部、4:第二伝熱部、4a:第一接触面、4b:第二接触面、4c:先端部、5:ペルチェ素子、6:ヒートシンク、8:温調部、9流路チップ、9a:開口部、9b:溝部、10:溶液、11:流路密閉部材、12:反応容器、13:変形部、14:押圧部材、14a:押し付け面、15:拘束部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8