特開2019-190778(P2019-190778A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国電力株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019190778-発電設備の冷却管清掃装置 図000003
  • 特開2019190778-発電設備の冷却管清掃装置 図000004
  • 特開2019190778-発電設備の冷却管清掃装置 図000005
  • 特開2019190778-発電設備の冷却管清掃装置 図000006
  • 特開2019190778-発電設備の冷却管清掃装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-190778(P2019-190778A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】発電設備の冷却管清掃装置
(51)【国際特許分類】
   F28G 3/10 20060101AFI20191004BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20191004BHJP
   F01K 9/00 20060101ALI20191004BHJP
【FI】
   F28G3/10
   F01D25/00 R
   F01K9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-86184(P2018-86184)
(22)【出願日】2018年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖男
(57)【要約】      (修正有)
【課題】復水器や軸受冷却水冷却器に設けられる冷却管の内部の清掃を自動的に行うことが可能な発電設備の冷却管清掃装置を提供する。
【解決手段】冷却管41、51の長手方向に沿って冷却管41、51の内部中央に設けられるシャフト110と、冷却管41、51の長手方向に沿ってシャフト110と一体に設けられるブレード130A、B、Cと、冷却管41、51の長手方向に沿ってブレード120A、B、Cのシャフト110とは反対側に一体に設けられ、シャフト110の回転に伴って冷却管41、51の内壁の付着物を取り除く清掃部材130A、B、Cと、シャフト110と同軸になるように一体に設けられ、海水の流れに伴って回転するスクリュー140A、Bと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンを回転させた後の蒸気を凝縮するために前記蒸気と熱交換を行う海水が流れる円筒型の第1冷却管を有する復水器と、機器の軸受を冷却する冷却水を冷却するために前記冷却水と熱交換を行う海水が流れる円筒型の第2冷却管を有する軸受冷却水冷却器と、を含んで構成される発電設備の冷却管清掃装置であって、
前記第1冷却管及び前記第2冷却管の少なくとも一方の冷却管に対して、
前記冷却管の長手方向に沿って前記冷却管の内部中央に設けられるシャフトと、
前記冷却管の長手方向に沿って前記シャフトと一体に設けられるブレードと、
前記冷却管の長手方向に沿って前記ブレードの前記シャフトとは反対側に一体に設けられ、前記シャフトの回転に伴って前記冷却管の内壁の付着物を取り除く清掃部材と、
前記シャフトと同軸になるように一体に設けられ、海水の流れに伴って回転するスクリューと、
を備えたことを特徴とする発電設備の冷却管清掃装置。
【請求項2】
前記ブレードは、前記シャフトに一体に設けられる複数のブレードからなり、
前記清掃部材は、前記複数のブレードにそれぞれ一体に設けられる複数の清掃部材からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の発電設備の冷却管清掃装置。
【請求項3】
前記ブレードは、前記シャフトの周りに等間隔で一体に設けられる第1〜第3ブレードからなり、
前記清掃部材は、前記第1〜第3ブレードにそれぞれ一体に設けられる第1〜第3清掃部材からなる
ことを特徴とする請求項2に記載の発電設備の冷却管清掃装置。
【請求項4】
前記スクリューは、前記冷却管の海水が流入又は流出する出入口に設けられる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の発電設備の冷却管清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電設備の冷却管清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、火力発電所の発電設備として、蒸気タービンを回転させた後の蒸気を凝縮する復水器と、蒸気タービンの軸受を冷却する軸受冷却水冷却器と、が設置されている。そして、復水器には、蒸気と熱交換を行う媒体として海水が流れる冷却管が設けられ、軸受冷却水冷却器には、軸受を冷却する冷却水と熱交換を行う媒体として海水が流れる冷却管が設けられている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−133403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、復水器や軸受冷却水冷却器に設けられる冷却管を流れる媒体として海水を用いた場合、海水の温度が熱交換を通して上昇することに起因して稚貝が冷却管の内壁に付着し、更には、海水に含まれるゴミも稚貝とともに冷却管の内壁に付着することとなる。この場合、付着物が原因となって冷却管が摩耗又は腐食し、海水が漏洩する虞があった。
【0005】
そのため、復水器や軸受冷却水冷却器が常日頃正常に動作するように、冷却管の内部を定期的に清掃・点検する等の管理が必要になる。しかし、冷却管の本数は各発電設備あたり数万本程度であることから、冷却管の内部の清掃・点検に関して人海戦術に頼らざるを得ないのが現状である。
【0006】
そこで、本発明は、復水器や軸受冷却水冷却器に設けられる冷却管の内部の清掃を自動的に行うことが可能な発電設備の冷却管清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する主たる本発明は、蒸気タービンを回転させた後の蒸気を凝縮するために前記蒸気と熱交換を行う海水が流れる円筒型の第1冷却管を有する復水器と、機器の軸受を冷却する冷却水を冷却するために前記冷却水と熱交換を行う海水が流れる円筒型の第2冷却管を有する軸受冷却水冷却器と、を含んで構成される発電設備の冷却管清掃装置であって、前記第1冷却管及び前記第2冷却管の少なくとも一方の冷却管に対して、前記冷却管の長手方向に沿って前記冷却管の内部中央に設けられるシャフトと、前記冷却管の長手方向に沿って前記シャフトと一体に設けられるブレードと、前記冷却管の長手方向に沿って前記ブレードの前記シャフトとは反対側に一体に設けられ、前記シャフトの回転に伴って前記冷却管の内壁の付着物を取り除く清掃部材と、前記シャフトと同軸になるように一体に設けられ、海水の流れに伴って回転するスクリューと、を備える。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、復水器や軸受冷却水冷却器に設けられる冷却管の内部の清掃を自動的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】火力発電所の発電設備を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す分解斜視図である。
図3】本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す正面図である。
図5】本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
===発電設備===
図1は、火力発電所の発電設備を示すブロック図である。以下、図1を参照しつつ、火力発電所の発電設備について説明する。
【0013】
火力発電所の発電設備は、ボイラ10と、蒸気タービン20と、発電機30と、復水器40と、軸受冷却水冷却器50とを含んで構成されている。
【0014】
ボイラ10は、燃焼炉、給水装置、通風装置、脱硫装置等を有し、高圧の蒸気を発生する装置である。蒸気タービン20は、発電機30を発電させるための動力源であって、ボイラ10から供給される高圧の蒸気によって羽根車を回転させる装置である。つまり、蒸気タービン20は、蒸気の熱エネルギーを羽根車の回転によって速度エネルギー(機械的仕事)に変換する装置である。発電機30は、蒸気タービン20と同軸に結合され、蒸気タービン20の羽根車の回転に伴って発電を行う装置である。復水器40は、蒸気タービン20の羽根車を回転させた後の蒸気を凝縮し、凝縮の結果として得られる復水をポンプ60を介してボイラ10に供給する装置である。軸受冷却水冷却器50は、発電設備のうち軸受を有する冷却対象70を冷却するための軸受冷却水を冷却する装置である。ここで、冷却対象70は各種ポンプ、通風機、圧縮機等であって、軸受冷却水はポンプ80を介して冷却対象70の軸受を冷却するように循環する。
【0015】
復水器40は、複数の冷却管41(第1冷却管)を有している。複数の冷却管41は、蒸気タービン20の羽根車を回転させた後の蒸気と熱交換を行うための冷却媒体が流れる円筒型の管であって、整列するように配置されている。本実施形態において、冷却媒体は海水であって、複数の冷却管41の入口にはポンプ90を介して海水が供給され、複数の冷却管41の出口からは管内を流れた後の海水が吐出される。このようにして、蒸気タービン20の羽根車を回転させた後の蒸気は海水との熱交換によって復水に形を変えてボイラ10に供給される。
【0016】
軸受冷却水冷却器50は、複数の冷却管51(第2冷却管)を有している。複数の冷却管51は、冷却対象70の軸受を冷却する軸受冷却水と熱交換を行うための冷却媒体が流れる円筒型の管であって、整列するように配置されている。本実施形態において、冷却媒体は海水であって、複数の冷却管51の入口にはポンプ90を介して海水が供給され、複数の冷却管51の出口からは管内を流れた海水が吐出される。このようにして、冷却対象70の軸受を冷却する冷却水は海水との熱交換によって冷却される。
【0017】
===冷却管清掃装置===
図2は、本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す正面図である。図5は、本実施形態に係る冷却管清掃装置を示す側面図である。以下、図2図5を参照しつつ、冷却管清掃装置について説明する。
【0018】
冷却管41,51を流れる冷却媒体として海水を用いた場合、海水の温度が熱交換を通して上昇することに起因して稚貝が冷却管41,51の内壁に付着し、更には、海水に含まれるゴミも稚貝とともに冷却管41,51の内壁に付着することとなる。この場合、付着物が原因となって冷却管41,51が摩耗又は腐食し、海水が漏洩する虞がある。そのため、復水器40の冷却管41及び軸受冷却水冷却器50の冷却管51の双方に対して、本実施形態に係る冷却管清掃装置を設けることとして以下に説明する。
【0019】
冷却管清掃装置100は、シャフト110と、3個のブレード120A,120B,120Cと、3個の清掃部材130A,130B,130Cと、2個のスクリュー140A,140Bと、を含んで構成されている。
【0020】
シャフト110は、冷却管41(51)の長手方向に沿って冷却管41(51)の内部中央に配置される長尺部材である。冷却管41(51)の長手方向において、シャフト110の長さは、冷却管41(51)の長さよりも僅かに長く設定されている。
【0021】
ブレード120A,120B,120Cは、シャフト110から冷却管41(51)の内壁に向かって等間隔(120度)で放射状に延びるように配置される矩形型の平板部材である。冷却管41(51)の長手方向において、ブレード120A,120B,120Cの長さは、冷却管41(51)の長手方向の長さよりも僅かに長く設定されている。一方、冷却管41(51)の長手方向とは直交する方向において、冷却管41(51)の内部に配置されるブレード120A,120B,120Cの長さは、シャフト110が回転するように、冷却管41(51)の内壁とシャフト110との間の長さよりも僅かに短く設定され、更には、海水が流入する冷却管41(51)の入口側に露出する部分のブレード120A,120B,120Cの長さは、冷却管41(51)の内壁とシャフト110との間の長さよりも僅かに長く設定されている。つまり、ブレード120A,120B,120Cには段差面150A,150B,150Cが形成されている。そして、ブレード120A,120B,120Cを冷却管41(51)の海水が流入する入口側(上流側)から挿入すると、段差面150A,150B,150Cが冷却管41(51)の入口端面に当接するため、ブレード120A,120B,120Cは冷却管41(51)から抜けることなく安定的に配置されることとなる。
【0022】
尚、シャフト110及びブレード120A,120B,120Cは、例えば、腐食や摩耗に強い金属材料(チタンやステンレス)を用いて形成され、更に、溶接加工を施すことによって一体に形成されている。
【0023】
清掃部材130A,130B,130Cは、ブレード120A,120B,120Cのシャフト110とは反対側の端に一体に形成される円柱型の長尺部材である。冷却管41(51)の長手方向において、清掃部材130A,130B,130Cの長さは、冷却管41(51)の内壁全体を清掃できるように、冷却管41(51)の長さと実質的に同一に設定されている。清掃部材130A,130B,130Cは、例えば、ゴムやシリコン等の材料を用いて形成されている。
【0024】
スクリュー140Aは、冷却管41(51)の海水が流入する入口側において、シャフト110と同軸に結合される回転部材である。又、スクリュー140Bは、冷却管41(51)の海水が流出する出口側において、シャフト110と同軸に結合される回転部材である。スクリュー140A,140Bは、海水の流れに対して同一方向に回転するようにシャフト110に結合されている。スクリュー140A,140Bは、例えば、腐食や摩耗に強い金属材料(チタンやステンレス)を用いて形成されている。更に、スクリュー140A,140Bは、メンテナンスを行う際に冷却管41(51)からシャフト110及びブレード120A,120B,120Cを取り外すことができるように、割ピン等(不図示)を用いてシャフト110に結合されていることとする。
【0025】
そして、冷却管41(51)の入口側から出口側へ向かって冷却管41(51)の内側を海水が流れると、スクリュー140A,140Bが海水の流れに応じてともに同じ方向に回転し、シャフト110もスクリュー140A,140Bと同じ方向に回転し、清掃部材130A,130B,130Cはシャフト110の回転に応じて冷却管41(51)の内壁を摺動する。これによって、冷却管41(51)の内壁に付着する付着物(稚貝やゴミ)を取り除くことが可能となる。
【0026】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る発電設備の冷却管清掃装置100は、蒸気タービン20を回転させた後の蒸気を凝縮するために蒸気と熱交換を行う海水が流れる円筒型の冷却管41を有する復水器40と、機器の軸受を冷却する軸受冷却水を冷却するために軸受冷却水と熱交換を行う海水が流れる円筒型の冷却管51を有する軸受冷却水冷却器50と、を含んで構成され、冷却管41(51)の少なくとも一方の冷却管に対して、冷却管41(51)の長手方向に沿って冷却管41(51)の内部中央に設けられるシャフト110と、冷却管41(51)の長手方向に沿ってシャフト110と一体に設けられるブレード12A,120B,120Cと、冷却管41(51)の長手方向に沿ってブレード120A,120B,120Cのシャフト110とは反対側に一体に設けられ、シャフト110の回転に伴って冷却管41(51)の内壁の付着物を取り除く清掃部材130A,130B,130Cと、シャフト110と同軸になるように一体に設けられ、海水の流れに伴って回転するスクリュー140A,140Bと、を備える。
【0027】
そして、本実施形態によれば、復水器や軸受冷却水冷却器に設けられる冷却管の内部の清掃を、人手に頼ることなく海水の流れを利用して自動的に行うことが可能となる。
【0028】
又、本実施形態において、ブレード120A,120B,120Cは、シャフトの周りに等間隔(120度)で一体に設けられる。
【0029】
又、本実施形態において、スクリュー140A,140Bは、冷却管41(51)の海水が流入又は流出する出入口に設けられる。
【0030】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、ブレード及び清掃部材は、1個以上であればよく、本実施形態に示される3個に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0031】
10 ボイラ
20 蒸気タービン
30 発電機
40 復水器
50 軸受冷却水冷却器
60,80,90 ポンプ
70 冷却対象
100 冷却管清掃装置
110 シャフト
120A,120B,120C ブレード
130A,130B,130C 清掃部材
140A,140B スクリュー
150A,150B,150C 段差面
図1
図2
図3
図4
図5