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特開2019-197689端子付き電線及び端子付き電線の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-197689(P2019-197689A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】端子付き電線及び端子付き電線の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20191018BHJP
   H01R 43/048 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H01R4/18 A
   H01R43/048 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-91934(P2018-91934)
(22)【出願日】2018年5月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 英彦
【テーマコード(参考)】
5E063
5E085
【Fターム(参考)】
5E063CB01
5E063CC05
5E085BB02
5E085BB03
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD14
5E085FF01
5E085HH06
5E085JJ06
(57)【要約】
【課題】サイズが異なる2本の電線を圧着する場合でも、良好な圧着状態を形成することができる端子付き電線及び端子付き電線の製造方法を提供する。
【解決手段】端子付き電線1は、外径が異なる電線3,4と、被覆圧着部14を有する圧着端子2とを備える。被覆圧着部14は、第二側壁部14A,14B、区分け部14Cを有する。第二側壁部14A,14Bは、圧着前状態にて、第二対向面22A,22Bの間隔が開口16から挿入方向に向けて電線3,4の合計外径より狭くなるように形成される。区分け部14Cは、第二側壁部14A,14Bの間にあって挿入方向と反対側に突出する。被覆圧着部14は、圧着後状態にて、第二側壁部14A,14Bの開口16側の各端部が挿入方向に折り曲げられ区分け部14Cと対向する位置にある。第二側壁部14Aと区分け部14Cとで電線3が挟み込まれ、第二側壁部14Bと区分け部14Cとで電線4の他方が挟み込まれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径が異なる2本の電線と、
前記2本の電線に巻き付けられて圧着される電線圧着部を有する圧着端子と、
を備え、
前記電線圧着部は、
前記2本の電線が圧着される前の圧着前状態において、
前記2本の電線の配線方向と直交する対向方向に対向面をそれぞれ有し、前記対向面の間隔が、前記2本の電線が挿入される開口から前記対向方向と直交する挿入方向に向けて前記2本の電線の合計外径より狭くなるように形成された一対の側壁部と、
前記一対の側壁部の間にあって各前記側壁部に接続され、かつ前記挿入方向と反対側に向けて突出する区分け部と、を有し、
前記2本の電線が圧着された後の圧着後状態において、
前記一対の側壁部の開口側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて前記区分け部と対向する位置にあって、一方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の一方が挟み込まれる圧着状態となり、他方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の他方が挟み込まれる圧着状態となる、
ことを特徴とする端子付き電線。
【請求項2】
外径が異なる2本の電線と、
前記2本の電線に巻き付けられて圧着される電線圧着部を有する圧着端子と、を備え、
前記電線圧着部は、
前記2本の電線が圧着される前の圧着前状態において、
前記2本の電線の配線方向と直交する対向方向に対向面をそれぞれ有し、前記対向面の間隔が、前記2本の電線が挿入される開口から前記対向方向と直交する挿入方向に向けて前記2本の電線の合計外径より狭くなるように形成された一対の側壁部と、
前記一対の側壁部の間にあって各前記側壁部に接続され、かつ前記挿入方向と反対側に向けて突出する区分け部と、
を有する端子付き電線の製造方法において、
前記2本の電線を前記電線圧着部で前記圧着前状態から圧着後状態にさせる圧着工程を含み、
前記圧着工程は、
前記電線圧着部を、前記一対の側壁部の開口側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて前記区分け部と対向する位置まで加工し、一方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の一方が挟み込まれる圧着状態にし、他方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の他方が挟み込まれる圧着状態にする、
ことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子付き電線及び端子付き電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の芯線と電気的に接続される電線接続部を備える圧着端子が知られている。圧着端子と電線とは、端子圧着装置によって電線接続部で圧着されることで、相互に電気的に接続される。このような圧着端子では、通常、1つの端子に対して1本の電線(単線)が圧着される(例えば、特許文献1〜3参照)。一方、例えば、電線を分岐する場合、1つの圧着端子に複数本の電線を圧着する場合がある(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−225529号公報
【特許文献2】特開2011−192465号公報
【特許文献3】特許第5428789号公報
【特許文献4】特開2001−298824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の圧着端子は、電線に巻きつけられて圧着される一対のバレルを有する。圧着端子に2本の電線を圧着する場合、端子圧着装置に固定された圧着端子に対して、一対のバレル間に水平方向に2本の電線が挿入され、当該バレルと2本の電線とが圧着される。2本の電線の外径が異なる場合、一対のバレル間への挿入時に2本の電線間で傾きが生じ、挿入方向において2本の電線が重なり合い、圧着時にバレルの開口側の先端で電線の外周面にダメージを与えてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、サイズが異なる2本の電線を圧着する場合でも、良好な圧着状態を形成することができる端子付き電線及び端子付き電線の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線は、外径が異なる2本の電線と、前記2本の電線に巻き付けられて圧着される電線圧着部を有する圧着端子と、を備え、前記電線圧着部は、前記2本の電線が圧着される前の圧着前状態において、前記2本の電線の配線方向と直交する対向方向に対向面をそれぞれ有し、前記対向面の間隔が、前記2本の電線が挿入される開口から前記対向方向と直交する挿入方向に向けて前記2本の電線の合計外径より狭くなるように形成された一対の側壁部と、前記一対の側壁部の間にあって各前記側壁部に接続され、かつ前記挿入方向と反対側に向けて突出する区分け部と、を有し、前記2本の電線が圧着された後の圧着後状態において、前記一対の側壁部の開口側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて前記区分け部と対向する位置にあって、一方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の一方が挟み込まれる圧着状態となり、他方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の他方が挟み込まれる圧着状態となる、ことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線製造方法は、外径が異なる2本の電線と、前記2本の電線に巻き付けられて圧着される電線圧着部を有する圧着端子と、を備え、前記電線圧着部は、前記2本の電線が圧着される前の圧着前状態において、前記2本の電線の配線方向と直交する対向方向に対向面をそれぞれ有し、前記対向面の間隔が、前記2本の電線が挿入される開口から前記対向方向と直交する挿入方向に向けて前記2本の電線の合計外径より狭くなるように形成された一対の側壁部と、前記一対の側壁部の間にあって各前記側壁部に接続され、かつ前記挿入方向と反対側に向けて突出する区分け部と、を有する端子付き電線の製造方法において、前記2本の電線を前記電線圧着部で前記圧着前状態から圧着後状態にさせる圧着工程を含み、前記圧着工程は、前記電線圧着部を、前記一対の側壁部の開口側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて前記区分け部と対向する位置まで加工し、一方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の一方が挟み込まれる圧着状態にし、他方の前記側壁部と前記区分け部とにより前記2本の電線の他方が挟み込まれる圧着状態にする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る端子付き電線及び端子付き電線の製造方法によれば、サイズが異なる2本の電線を圧着する場合でも、良好な圧着状態を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る端子付き電線の圧着前状態を示す部分斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る端子付き電線の圧着端子を展開した状態を示す部分平面図である。
図3図3は、実施形態に係る端子付き電線の圧着後の状態を示す斜視図である。
図4図4は、端子付き電線における電線圧着部の圧着前状態の一例を示す断面図である。
図5図5は、電線圧着部における2つの電線の位置が異なる圧着前状態の一例を示す断面図である。
図6図6は、電線圧着部における2つの電線の位置が異なる圧着前状態の他の一例を示す断面図である。
図7図7は、実施形態に係る端子付き電線を製造する圧着装置の側面図である。
図8図8は、実施形態における圧着装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る端子付き電線及び端子付き電線の製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0011】
[実施形態]
本実施形態の端子付き電線1は、例えば、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスに適用される。ワイヤハーネスは、例えば、車両に搭載される各種装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線を一度に各装置に接続するようにしたものである。本実施形態の端子付き電線1は、外径が異なる2本の電線3,4と、電線3,4の端部に圧着(接続)される圧着端子2とを備える。
【0012】
なお、以下の説明では、図1図6図8に示す端子付き電線1のX方向を「配線方向」、Y方向を「対向方向」、Z方向を「挿入方向」と呼ぶものとする。配線方向は、電線3,4が配線される方向である。対向方向は、圧着端子2の幅方向であり、各電線3,4の幅方向(径方向)である。挿入方向は、圧着端子2により圧着される電線3,4の挿入方向である。これら配線方向、対向方向、及び挿入方向は、相互に直交する。
【0013】
電線3,4は、例えば、一方の電線3が他方の電線4よりも細くなっている。電線3は、例えば、導電性を有する線状の芯線31と、芯線31の外側を覆い絶縁性を有する被覆32とを含んで構成される。電線4は、電線3と同様に、導電性を有する線状の芯線41と、芯線41の外側を覆い絶縁性を有する被覆42とを含んで構成される。芯線31,41は、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の素線を複数束ねた芯線であるが、複数の素線を撚り合わせた撚り芯線であってもよい。芯線31,41は、例えば、各電線3,4の外径に合わせて、一方の芯線31の断面積が他方の芯線41の断面積よりも小さく成型されている。被覆32,42は、芯線31,41の外周側を被覆する電線被覆である。被覆32,42は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。電線3,4は、少なくとも芯線31,41の一方の端部において、被覆32,42が剥ぎ取られており、当該芯線31,41の一方の端部が被覆32,42から露出しており、当該露出している芯線31,41の端部に圧着端子2が圧着されている。
【0014】
圧着端子2は、端子接続部11と、芯線圧着部13と、被覆圧着部14とを備え、全体が一体で導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等によって構成される。圧着端子2は、例えば、端子接続部11、芯線圧着部13、及び被覆圧着部14の各部に対応した形状に打ち抜かれた一枚の板金をプレス及び折り曲げ成形することより各部が立体的に一体で形成される。圧着端子2は、配線方向に沿って一方側から他方側に向かって、端子接続部11、芯線圧着部13、被覆圧着部14の順で並んで相互に連結される。本実施形態では、芯線圧着部13及び被覆圧着部14は、圧着端子2と電線3,4の端部とを電気的に接続する圧着部12を構成する。圧着部12は、芯線圧着部13と被覆圧着部14とが分断された、いわゆる別体バレル型の圧着部を構成する。圧着端子2は、端子接続部11と芯線圧着部13とを電気的に接続し、当該芯線圧着部13を介して端子接続部11と2つの電線3,4の芯線31,41とが電気的に接続される。
【0015】
端子接続部11は、相手側端子(不図示)に対して電気的に接続される部分である。端子接続部11は、雄型の端子形状であってもよいし、雌型の端子形状であってもよい。なお、端子接続部11は、図1に示すように、一部が省略されている。
【0016】
芯線圧着部13は、電線3,4の芯線31,41に対して圧着される部位である。芯線圧着部13は、芯線31,41に巻きつけられて圧着される。芯線圧着部13は、配線方向から見た断面がU字形状を成しており、電線3,4の挿入方向の反対側に開口16を有する。芯線圧着部13は、図2に示すように、一対の第一側壁部13A,13Bと、第一基部13Cとを有する。第一基部13Cは、電線3,4の芯線31,41の端部が載置される部分である。第一基部13Cは、配線方向の一方側に端子接続部11が接続され、他方側に被覆圧着部14が連結される。ここでは、第一基部13Cは、後述する被覆圧着部14の第二基部である区分け部14Cに連結される。一対の第一側壁部13A,13Bは、いわゆるバレルであり、第一基部13Cの幅方向(Y方向)の両端から挿入方向と反対方向に向けて延在し、電線3,4の配線方向と直交する対向方向(Y方向)に第一対向面21(21A,21B)をそれぞれ有する。一対の第一側壁部13A,13Bは、各第一側壁部13A,13Bの挿入方向の高さが略同一となるように成型されている。第一対向面21A,21Bの間隔は、電線3,4が圧着される前の圧着前状態において、電線3,4が挿入される開口16から対向方向と直交する挿入方向(Z方向)に向けて芯線31,41の合計径より狭くなるように形成される。また、芯線圧着部13は、電線3,4が圧着された後の圧着後状態において、一対の第一側壁部13A,13Bの開口16側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて電線3,4が挟み込まれる圧着状態となる。
【0017】
被覆圧着部14は、電線3,4の被覆32,42に対して圧着される部位である。被覆圧着部14は、電線3,4に巻き付けられて圧着される。被覆圧着部14は、配線方向から見た断面がW字形状を成しており、開口16を有する。被覆圧着部14は、一対の第二側壁部14A,14Bと、区分け部14Cとを有する。区分け部14Cは、電線3,4の被覆32,42の端部が載置される部分である。区分け部14Cは、一対の第二側壁部14A,14Bの間にあって各第二側壁部14A,14Bに接続され、かつ挿入方向と反対側に向けて突出する。区分け部14Cは、配線方向の一方側に芯線圧着部13の第一基部13Cが連結される。一対の第二側壁部14A,14Bは、いわゆるバレルであり、区分け部14Cの幅方向(Y方向)の両端から挿入方向と反対方向に向けて延在し、対向方向に第二対向面22(22A,22B)をそれぞれ有する。一対の第二側壁部14A,14Bは、各第二側壁部14A,14Bの挿入方向の高さが略同一となるように成型されている。第二対向面22A,22Bの間隔は、上述した圧着前状態において、開口16から挿入方向に向けて電線3,4の合計外径より狭くなるように形成される。また、被覆圧着部14は、電線3,4が圧着された後の圧着後状態において、一対の第二側壁部14A,14Bの開口16側の各端部が区分け部14Cと対向する位置にあるように挿入方向に向かって折り曲げられて電線3,4が挟み込まれる圧着状態となる。本実施形態では、被覆圧着部14は、圧着後状態において、一方の第二側壁部14Aと区分け部14Cとにより電線3,4の一方が挟み込まれる圧着状態となり、他方の第二側壁部14Aと区分け部14Cとにより電線3,4の他方が挟み込まれる圧着状態となる。
【0018】
次に、端子付き電線1の製造方法について説明する。本実施形態では、図7に示す端子圧着装置100により圧着端子2と電線3,4とを接続して端子付き電線1を形成する。
【0019】
端子圧着装置100は、端子供給装置101、圧着装置102、及び駆動装置103を有する。端子圧着装置100は、この技術分野においてアプリケータと称される装置である。端子供給装置101は、所定の圧着位置に圧着端子2を供給する装置である。圧着装置102は、所定の圧着位置で電線3,4に対して圧着端子2を圧着させる装置である。駆動装置103は、端子供給装置101及び圧着装置102を動作させる装置である。
【0020】
端子供給装置101は、圧着部12を第一金型112に設置する設置工程を実行する。より詳しくは、端子供給装置101は、リール状に巻き取られている端子連鎖体(不図示)を外周側から順次引き出す。端子供給装置101は、引き出した端子連鎖体の圧着端子2を先頭側から順に圧着位置に供給する。端子供給装置101は、先頭の圧着端子2が電線3,4に対して圧着され、かつ連結片(不図示)から切り離されると、新たに先頭となった圧着端子2を圧着位置に供給する。端子供給装置101は、一つの圧着端子2の圧着工程及び端子切断工程が完了する毎に設置工程を行って次の圧着端子2を圧着位置に供給する。
【0021】
圧着装置102は、供給された圧着端子2を電線3,4に圧着させる圧着工程と、この圧着端子2を連結片から切り離す端子切断工程とを実行する。圧着装置102は、圧着機110及び端子切断機構120を有する。
【0022】
圧着機110は、圧着端子2を電線3,4の端部に加締めることにより、圧着端子2を電線3,4に圧着させる装置である。本実施形態の圧着機110は、圧着端子2の芯線圧着部13及び被覆圧着部14を電線3,4の芯線31及び被覆32に対して巻き付けるように加締めることで圧着端子2を電線3,4に圧着させる。圧着機110は、フレーム111、第一金型112、第二金型113、及び動力伝達機構114を有する。
【0023】
フレーム111は、端子圧着装置100が載置される載置台に対して固定される。第一金型112は、フレーム111によって支持されている。第一金型112と第二金型113とは対をなしている。第一金型112と第二金型113とは上下方向において間隔をあけて配置されている。第一金型112及び第二金型113は、圧着工程において、図8に示すように圧着端子2及び電線3,4を間に挟み込むことで、圧着端子2を電線3,4に対して圧着させる。
【0024】
第一金型112は、圧着端子2を下方から支持する金型である。第一金型112は、二つの下型が形成されたものであり、第一の下型としての第一アンビル112A及び第二の下型としての第二アンビル112Bを有する。第一アンビル112Aと第二アンビル112Bとは、例えば、一体に成形される。第一アンビル112Aの支持面(不図示)は、芯線圧着部13の第一基部13Cの外側面を支持する。第一側壁部13A,13Bは、芯線圧着部13が第一アンビル112Aによって支持されている状態において、第一基部13Cから斜め上方に向けて延在した姿勢となる。第二アンビル112Bの支持面112aは、被覆圧着部14の区分け部14Cの外側面を支持する。第二側壁部14A,14Bは、被覆圧着部14が第二アンビル112Bによって支持されている状態において、区分け部14Cから斜め上方に向けて延在した姿勢となる。第二金型113は、第一金型112に対して上方に配置されている。第二金型113は、二つの上型が形成されたものであり、第一の上型としての第一クリンパ113A及び第二の上型としての第二クリンパ113Bを有する。芯線圧着部13及び被覆圧着部14は、第一金型112及び第二金型113によって電線3,4に対して圧着される。ここでは、芯線圧着部13は、第一アンビル112Aと第一クリンパ113Aにより電線3,4の芯線31,41に対して圧着される。被覆圧着部14は、第二アンビル112Bと第二クリンパ113Bにより電線3,4の被覆32,42に対して圧着される。
【0025】
第一アンビル112Aと第一クリンパ113Aとは上下方向において互いに対向している。第一アンビル112A及び第一クリンパ113Aは、芯線圧着部13を圧着させる。すなわち、第一アンビル112A及び第一クリンパ113Aは、その相互間の間隔を狭めていくことにより、U字状の芯線圧着部13を電線3,4の芯線31,41に対して巻き付け、芯線31,41に圧着させる。
【0026】
第二アンビル112Bと第二クリンパ113Bとは上下方向において互いに対向している。第二アンビル112B及び第二クリンパ113Bは、被覆圧着部14を圧着させる。すなわち、第二アンビル112B及び第二クリンパ113Bは、その相互間の間隔を狭めていくことによって、W字状の被覆圧着部14を被覆32,42に対して巻き付け、被覆32,42に圧着させる。第一クリンパ113A及び第二クリンパ113Bは、凹状の加締め部50aを有する。加締め部50aは、第一クリンパ113A及び第二クリンパ113Bの下面に設けられた溝状の凹部である。本実施形態の第一クリンパ113A及び第二クリンパ113Bは、いわゆるB型圧着方式で芯線圧着部13及び被覆圧着部14を電線3,4に対して圧着させる。図8に示すように、加締め部50aは、第一壁面51及び第二壁面52を有する。第一壁面51と第二壁面52とは対向方向(Y方向)において互いに対向している。
【0027】
第一壁面51及び第二壁面52は、それぞれ曲面部53,56、中間部54,57、及び裾部55,58を有する。第一壁面51と第二壁面52とは、例えば、対向方向に関して対称に形成されている。曲面部53,56は、それぞれ第一壁面51及び第二壁面52における最も奥側に位置している。曲面部53,56は、挿入方向において第一金型112(例えば図8に示す第二アンビル112B)と対向する。中間部54,57は、曲面部53,56と裾部55,58とを繋いでいる。中間部54,57の断面形状は、例えば、直線状もしくは略直線状である。中間部54,57は、曲面部53,56から裾部55,58へ向かうに従って第二金型113(例えば図8に示す第二クリンパ113B)における対向方向の端部へ向かうように傾斜している。
【0028】
裾部55,58は、第一壁面51及び第二壁面52における最も入口側に位置している。裾部55,58は、中間部54,57から加締め部50aの入口へ向かうに従って第二金型113における対向方向の端部へ向かうように湾曲している。
【0029】
圧着機110は、圧着端子2及び電線3,4が第一金型112によって支持された状態で、第二金型113を第一金型112に向けて下降させる。被覆32,42は、図8に示すように、区分け部14C、第二側壁部14A,14Bによって囲まれた内部空間に設置され、例えば、第一対向面21A,21Bの間に載置される。第二金型113が第一金型112に向けて下降していくと、図8に示すように、第二側壁部14Aが第二壁面52に接触し、第二側壁部14Bが第一壁面51に接触する。
【0030】
第一壁面51の曲面部53は、第二側壁部14Bを第二側壁部14A側へ向けて折り曲げて第二側壁部14Bを湾曲させる。より詳しくは、第一壁面51は、第二側壁部14Bの開口16側の先端が挿入方向において被覆32と対向するように、第二側壁部14Bを略J字形状に湾曲させる。第二壁面52の曲面部56は、第二側壁部14Aを第二側壁部14B側へ向けて折り曲げて第二側壁部14Aを湾曲させる。より詳しくは、第二壁面52は、第二側壁部14Aの開口16側の先端が挿入方向において被覆42と対向するように、第二側壁部14Aを略J字形状に湾曲させる。
【0031】
第一壁面51及び第二壁面52は、第二側壁部14Bを第二側壁部14A側に向けて押圧し、かつ第二側壁部14Bを第二側壁部14A側に向けて押圧する。その結果、図6に示すように、被覆圧着部14は、その断面形状が略B字形状をなすようにして被覆32,42に対して圧着される。図4に示すように、圧着後の被覆圧着部14では、第二側壁部14A,14Bにそれぞれ湾曲部23A,23Bが形成されている。
【0032】
第二側壁部14Aは、開口16側の先端が挿入方向に向って折り曲げられて区分け部14Cと対向する位置にある。言い換えると、第二側壁部14Aは、区分け部14Cにより電線3が挟み込まれる圧着状態となる。第二側壁部14Bは、開口16側の先端が挿入方向に向って折り曲げられて区分け部14Cと対向する位置にある。言い換えると、第二側壁部14Bは、区分け部14Cにより電線4が挟み込まれる圧着状態となる。
【0033】
第二側壁部14Aの湾曲部23Aと第二側壁部14Bの湾曲部23Bとは互いに当接している。具体的には、湾曲部23A,23Bにおける先端側の部分同士が対向方向において互いに当接している。互いに当接した湾曲部23A,23Bによって、溝部24が形成される。溝部24は、湾曲部23A,23Bの壁面によって形成される溝状の部位であり、配線方向に沿って延在する。溝部24の対向方向の幅は、挿入方向へ向かうに従って狭くなる。
【0034】
以上説明した端子付き電線1は、外径が異なる電線3,4と、被覆圧着部14を有する圧着端子2とを備える。被覆圧着部14は、一対の第二側壁部14A,14Bと、区分け部14Cとを有する。一対の第二側壁部14A,14Bは、対向方向に第二対向面22(22A,22B)をそれぞれ有し、圧着前状態において、第二対向面22A,22Bの間隔が開口16から挿入方向に向けて電線3,4の合計外径より狭くなるように形成される。区分け部14Cは、圧着前状態において、一対の第二側壁部14A,14Bの間にあって各第二側壁部14A,14Bに接続され、挿入方向と反対側に向けて突出して形成される。被覆圧着部14は、圧着後状態において、一対の第二側壁部14A,14Bの開口16側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて区分け部14Cと対向する位置にある。また、被覆圧着部14は、一方の第二側壁部14Aと区分け部14Cとにより電線3,4の一方が挟み込まれる圧着状態となり、他方の第二側壁部14Bと区分け部14Cとにより電線3,4の他方が挟み込まれる圧着状態となる。上記構成により、電線3,4が第二側壁部14A,14Bの間に配置された圧着前状態(図3参照)から挿入方向への移動に伴って電線3,4が挿入方向に重なりそうな場合でも(図4図5参照)、被覆圧着部14に対して電線3,4を良好な状態で圧着させることができる。例えば、図4に示すように、電線3が電線4より先に挿入された場合、当該電線3が第二側壁部14Bと区分け部14Cとに当接することで、対向方向(Y方向)の移動が規制されて第二側壁部14A側に移動できず、電線4の移動先である空隙部17Aを確保することができる。一方、図5に示すように、電線4が電線3より先に挿入された場合、当該電線4が第二側壁部14Aと区分け部14Cとに当接することで、対向方向の移動が規制されて第二側壁部14B側に移動できず、電線3の移動先である空隙部17Bを確保することができる。この結果、圧着前状態から電線3,4が挿入方向において重なり合わないように規制することができ、サイズが異なる2本の電線3,4を圧着する場合でも、良好な圧着状態を形成することができる。
【0035】
また、端子付き電線1の製造方法は、電線3,4を被覆圧着部14で圧着前状態から圧着後状態にさせる圧着工程を含む。この圧着工程は、被覆圧着部14を、一対の第二側壁部14A,14Bの開口16側の各端部が挿入方向に向かって折り曲げられて区分け部14Cと対向する位置まで加工し、一方の第二側壁部14Aと区分け部14Cとにより電線3,4の一方が挟み込まれる圧着状態にし、他方の第二側壁部14Bと区分け部14Cとにより電線3,4の他方が挟み込まれる圧着状態にする。上記構成により、上述した端子付き電線1による効果と同様に、圧着前状態から電線3,4が挿入方向において重なり合わないように規制することができ、サイズが異なる2本の電線3,4を圧着する場合でも、良好な圧着状態を形成することができる。
【0036】
(変形例)
なお、上記実施形態では、芯線圧着部13は、被覆圧着部14と同様に、いわゆるB型圧着方式で圧着されているが、被覆圧着部14と異なる方式で圧着されていてもよい。例えば、芯線圧着部13は、第一側壁部13Aが芯線31,41に対して巻き付けられ、第一側壁部13Aの外側に第一側壁部13Bが巻き付けられて、芯線31,41に対して第一側壁部13A,13Bが互いに重なるように圧着されてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、区分け部14Cは、被覆圧着部14側に設けられているが、これに限定されず、芯線圧着部13の第一基部13Cに設けられていてもよい。すなわち、第一基部13Cは、一対の第一側壁部13A,13Bの間にあって各第一側壁部13A,13Bに接続され、かつ挿入方向と反対側に向けて突出する区分け部を有していてもよい。この場合、区分け部14Cは、芯線圧着部13の第一基部13Cまで延在して形成されてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、圧着部12は、いわゆる別体バレル型の圧着部であるが、これに限定されず、一体バレル型であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 端子付き電線
2 圧着端子
3,4 電線
11 端子接続部
12 圧着部
13 芯線圧着部
13A,13B 第一側壁部
13C 第一基部
14 被覆圧着部
14A,14B 第二側壁部
14C 区分け部
17A,17B 空隙部
16 開口
21A,21B 第一対向面
22A,22B 第二対向面
23A,23B 湾曲部
24 溝部
31,41 芯線
32,42 被覆
100 端子圧着装置
101 端子供給装置
102 圧着装置
103 駆動装置
110 圧着機
112a 支持面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8