特開2019-198143(P2019-198143A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000003
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000004
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000005
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000006
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000007
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000008
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000009
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000010
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000011
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000012
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000013
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000014
  • 特開2019198143-電気接続箱及びワイヤハーネス 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198143(P2019-198143A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】電気接続箱及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20191018BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20191018BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H02G3/14
   B60R16/02 610A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-89716(P2018-89716)
(22)【出願日】2018年5月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175536
【弁理士】
【氏名又は名称】高井 智之
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】池田 達彦
(72)【発明者】
【氏名】垣見 孝明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】藤本 昂
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361AA06
5G361AC02
5G361AC03
5G361AC09
5G361BA06
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】ロアカバー組み付けの際の傷付き等を防止することが可能な電気接続箱を提供する。また、この電気接続箱を構成に含むワイヤハーネスも提供する。
【解決手段】自動車に配索されるワイヤハーネス4は、フレーム5とロアカバー9とを有する筐体3を備えて構成される。筐体3の底には、ワイヤハーネス4の引き出し部分としての導出部12が形成される。この導出部12は、筐体3の底から下方に真っ直ぐのびるような筒状の形状に形成される。導出部12の内周面35には、ワイヤハーネス4に対する接触部分としてのハーネス接触部36が形成される。このハーネス接触部36は、ロアカバー9の嵌合方向Sに沿ってのびるように形成される。また、導出部12の周方向に複数存在するように形成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の導出部が外側に突出する筐体を備え、
前記導出部は、前記筐体のフレーム及びロアカバーに跨って形成され、且つ、前記フレームに対する前記ロアカバーの嵌合方向に沿って形成され、且つ、端末部分が前記筐体の内部に配置されるワイヤハーネスの引き出し部分として形成され、
前記導出部の内周面には、前記ワイヤハーネスに対する接触部分としてのハーネス接触部が形成され、
該ハーネス接触部は、前記嵌合方向に沿ってのびるように形成され、且つ、前記導出部の周方向に複数存在するように形成される
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱において、
前記複数のハーネス接触部は、前記ワイヤハーネスに接触する部分が前記内周面の位置に配置形成され、
前記内周面には、前記複数のハーネス接触部の前記周方向の隣に凹部が形成され、
該複数の凹部は、前記導出部の開口縁から中間部分の範囲で前記内周面を凹ませて形成される
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項3】
請求項2に記載の電気接続箱において、
前記複数の凹部のうち1つには、前記導出部の基端部分も凹ませて前記筐体の前記内部に連通する切り欠き部が形成される
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の電気接続箱において、
前記導出部は、前記フレーム側の第一導出部と、前記ロアカバー側の第二導出部とを有して前記筒状に形成され、
前記第一導出部には、前記ワイヤハーネスを前記内周面に固定するためのバンド部材が組み付けられるバンド組み付け部と、前記導出部から前記ワイヤハーネスにかけて巻き付けられるテープに対するテープ巻き部とが形成され、
該テープ巻き部は、前記第一導出部の外周面が前記バンド組み付け部のある部分に比べて外側に膨出する部分に形成される
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項5】
端末に請求項1、2、3又は4に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に導出部が形成される電気接続箱に関する。また、導出部を介して筐体から引き出されるワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気接続箱は、電子部品ブロックを収容するための筐体を備えて構成される(例えば下記特許文献1参照)。筐体は、上下が開口するフレームと、フレームの上部開口部を覆うアッパーカバーと、フレームの下部開口部を覆うロアカバーとを備えて構成される。電気接続箱は、端末部分が筐体の内部に配置されるワイヤハーネスに設けられる。筐体の底には、ワイヤハーネスの引き出し部分として導出部が形成される。この導出部は、筐体の底から下方に真っ直ぐのびるような筒状の形状に形成される。導出部は二分割に形成され、一方はフレームからのびるように、他方はロアカバーからのびるように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−259149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術にあっては、フレームから下方に向けてワイヤハーネスを引き出した状態にした後、ロアカバーを上方に向けて移動させ、そして、このロアカバーをフレームに嵌合させるようにして組み付けが行われることから、ロアカバーの上方移動の際にロアカバー側の導出部の内周面がワイヤハーネスの外面を強く擦ってしまう虞があり、その場合には、傷付き等が生じるという問題点を有する。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、ロアカバー組み付けの際の傷付き等を防止することが可能な電気接続箱を提供することを課題とする。また、この電気接続箱を構成に含むワイヤハーネスを提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の電気接続箱は、筒状の導出部が外側に突出する筐体を備え、前記導出部は、前記筐体のフレーム及びロアカバーに跨って形成され、且つ、前記フレームに対する前記ロアカバーの嵌合方向に沿って形成され、且つ、端末部分が前記筐体の内部に配置されるワイヤハーネスの引き出し部分として形成され、前記導出部の内周面には、前記ワイヤハーネスに対する接触部分としてのハーネス接触部が形成され、該ハーネス接触部は、前記嵌合方向に沿ってのびるように形成され、且つ、前記導出部の周方向に複数存在するように形成されることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1の特徴を有する本発明によれば、ワイヤハーネスに対する接触部分が導出部の内周面全体ではなく、内周面に形成されたハーネス接触部になることから、接触する部分が少なくなり、結果、ロアカバー組み付けの際の傷付き等を防止することができる。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電気接続箱において、前記複数のハーネス接触部は、前記ワイヤハーネスに接触する部分が前記内周面の位置に配置形成され、前記内周面には、前記複数のハーネス接触部の前記周方向の隣に凹部が形成され、該複数の凹部は、前記導出部の開口縁から中間部分の範囲で前記内周面を凹ませて形成されることを特徴とする。
【0009】
このような請求項2の特徴を有する本発明によれば、上記傷付き等の防止を簡単な構造にて図ることができる。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の電気接続箱において、前記複数の凹部のうち1つには、前記導出部の基端部分も凹ませて前記筐体の前記内部に連通する切り欠き部が形成されることを特徴とする。
【0011】
このような請求項3の特徴を有する本発明によれば、上記傷付き等の防止をしつつ排水機能を導出部に持たせることができる。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項1、2又は3に記載の電気接続箱において、前記導出部は、前記フレーム側の第一導出部と、前記ロアカバー側の第二導出部とを有して前記筒状に形成され、前記第一導出部には、前記ワイヤハーネスを前記内周面に固定するためのバンド部材が組み付けられるバンド組み付け部と、前記導出部から前記ワイヤハーネスにかけて巻き付けられるテープに対するテープ巻き部とが形成され、該テープ巻き部は、前記第一導出部の外周面が前記バンド組み付け部のある部分に比べて外側に膨出する部分に形成されることを特徴とする。
【0013】
このような請求項4の特徴を有する本発明によれば、導出部からワイヤハーネスにかけてのテープの巻き付けを作業性よく行うことができる。尚、請求項4に係る作用については、実施例の欄で詳細に説明するものとする。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の本発明のワイヤハーネスは、端末に請求項1、2、3又は4に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索されることを特徴とする。
【0015】
このような請求項5の特徴を有する本発明によれば、ロアカバー組み付けの際の傷付き等を防止することが可能な電気接続箱を備えることから、より良いワイヤハーネスを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電気接続箱によれば、ロアカバー組み付けの際の傷付き等を防止することができるという効果を奏する。また、本発明のワイヤハーネスによれば、より良いものを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の電気接続箱の一実施形態を示す斜視図である(実施例1)。
図2】電気接続箱の側面図である。
図3】導出部の斜視図(第二導出部を内側から見た斜視図)である。
図4】導出部の斜視図(第一導出部を内側から見た斜視図)である。
図5】導出部の斜視図(第一導出部を外側から見た斜視図)である。
図6】ロアカバー組み付け直前の状態を示す斜視図である。
図7図6の要部拡大図である。
図8】ロアカバー組み付け後のワイヤハーネスの断面図である。
図9】ワイヤハーネスの出口構造を示す斜視図である。
図10図9の要部拡大図である。
図11】ワイヤハーネスの径が小さい場合の出口構造を示す図であり、(a)はワイヤハーネスの断面図、(b)は出口構造の斜視図、(c)は導出部の斜視図である(実施例2)。
図12図11に対する比較例の図であり、(a)及び(b)はワイヤハーネスの断面図、(c)は出口構造の斜視図、(c)は導出部の斜視図である。
図13図11に対する比較例の図であり、(a)及び(b)はワイヤハーネスの断面図、(c)は出口構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
自動車に配索されるワイヤハーネスは、この端末に電気接続箱を備える。電気接続箱は、複数の電子部品が組み付けられる電子部品ブロックと、こ電子部品ブロックの組み付け先になる筐体とを備えて構成される。筐体は、フレームと、フレームの下部開口部を覆うロアカバーとを備えて構成される。筐体の底には、ワイヤハーネスの引き出し部分としての導出部が形成される。この導出部は、筐体の底から下方に真っ直ぐのびるような筒状の形状に形成される。導出部は二分割に形成され、一方はフレームからのびるように、他方はロアカバーからのびるように形成される。導出部の内周面には、ワイヤハーネスに対する接触部分としてのハーネス接触部が形成される。このハーネス接触部は、ロアカバーの嵌合方向に沿ってのびるように形成される。また、導出部の周方向に複数存在するように形成される。一方、導出部の外周面には、バンド組み付け部と、テープ巻き部とが形成される。テープ巻き部は、導出部の外周面が外側に膨出するような部分に形成される。
【実施例1】
【0019】
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明の電気接続箱の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は電気接続箱の側面図、図3図5は導出部の斜視図、図6はロアカバー組み付け直前の状態を示す斜視図、図7図6の要部拡大図、図8はロアカバー組み付け後のワイヤハーネスの断面図、図9はワイヤハーネスの出口構造を示す斜視図、図10図9の要部拡大図である。尚、図中の矢印Pは上下方向、矢印Qは左右方向、矢印Rは前後方向を示すものとする。
【0020】
<電気接続箱1の構成について>
図1及び図2において、電気接続箱1は、外部に露出した状態でトラックに搭載される(一例であるものとする)。具体的には、トラックにおけるキャビンと荷台との間に搭載される(一例であるものとする)。このような電気接続箱1は、電子部品ブロック2と、この電子部品ブロック2を収容するための筐体3とを備えて構成される。また、電気接続箱1は、筐体3の内部にワイヤハーネス4の端末が配設され、下部からワイヤハーネス4が引き出されるように構成される。尚、ワイヤハーネス4は、この端末等の所定位置に電気接続箱1を備えて自動車に配索されるものである。
【0021】
電気接続箱1は、以下の説明で分かるようになるが、ワイヤハーネス4に対する出口部分の傷付き等を防止するための構造を有し、この構造に特徴を有する。
【0022】
<電子部品ブロック2について>
図9において、電子部品ブロック2は、複数の電子部品が組み付けられる部材として備えられる。また、電子部品ブロック2は、上記電子部品が所定回路に接続される部材として備えられる。具体的には、リレーが樹脂製のリレー組み付け部(符号省略)に組み付けられるとともに、ヒューズが樹脂製のヒューズ組み付け部(符号省略)に組み付けられるような部材として備えられる(電子部品ブロック2の構成は一例であるものとする)。
【0023】
以上のような電子部品ブロック2は、カセット式のものであり、後述するフレーム5に対して着脱自在に組み付けられる。電子部品ブロック2に関しては、この名称をカセットブロック2と読み替えてもよいものとする。
【0024】
<筐体3の構成について>
図1及び図2において、筐体3は、絶縁性を有する樹脂製の部材の組み合わせであって、具体的には、電気ブロック2(図9参照)が着脱自在に組み付けられるフレーム5と、このフレーム5の上部開口部6(図9参照)を覆うアッパーカバー7と、フレーム5の下部開口部8(図6参照)を覆うロアカバー9とを備えて構成される。このような筐体3には、一対の固定脚部10と、単独の固定脚部10とが設けられる。また、筐体3には、ワイヤハーネス4が引き出される導出部12が設けられる。
【0025】
<フレーム5について>
図1ないし図3において、フレーム5は、樹脂成形品であって、内部に電気ブロック2(図9参照)が組み付けられるフレーム周壁13を有する。このフレーム周壁13の後壁には、上記一対の固定脚部10と、アッパーカバー7の回転移動の際の係合部分(符号省略)とが形成される。また、フレーム周壁13の前壁には、アッパーカバー7のカバー側ロック部11に対するフレーム側ロック部14が形成される。また、フレーム周壁13の前壁及び後壁には、ロアカバー9のカバー側ロック部15に対するフレーム側ロック部16が形成される。また、フレーム周壁13の右壁には、上記導出部12を構成する第一導出部17が形成される。尚、この第一導出部17に関しては後述するものとする。
【0026】
<ロアカバー9について>
図1図2、及び図6において、ロアカバー9は、上記の如くフレーム5の下部開口部8を覆うための樹脂成形品であって、底壁18と、カバー周壁19とを有する。底壁18には、上記単独の固定脚部10と、上記導出部12を構成する第二導出部20とが形成される。また、カバー周壁19には、上記カバー側ロック部15が形成される。尚、第二導出部20に関しては後述するものとする。
【0027】
<導出部12について>
図1ないし図8において、導出部12は、上記の如くワイヤハーネス4が引き出される部分であって、フレーム5側の第一導出部17と、ロアカバー9側の第二導出部20とを有する。導出部12は、フレーム5及びロアカバー9に跨っての構成であることから、二分割になるような構造部分に形成される。導出部12は、フレーム5に対するロアカバー9の嵌合方向(矢印S参照)に沿って下向きに突出形成される。また、導出部12は、筒状の形状に形成される。導出部12は、本実施例において、電気接続箱1の右下位置に配置形成される。
【0028】
導出部12は、ワイヤハーネス4の最大径に合わせて形成される。これは最大径に合わせることで、後述する実施例2のようにワイヤハーネス4の径が小さくなっても対応できるようにするためである。
【0029】
<第一導出部17について>
図3ないし図5において、第一導出部17は、略1/3の円弧状でフレーム周壁13の右壁から下方にのびる略片状の壁部分に形成される。第一導出部17の内周面21の側には、複数のハーネス接触部22と、複数の凹部23とが形成される。また、第一導出部17の外周面24の側には、バンド組み付け部25と、テープ巻き部26と、一対の補強リブ27とが形成される。
【0030】
<第一導出部17のハーネス接触部22について>
図4において、ハーネス接触部22は、ワイヤハーネス4(図6参照)に対する接触部分として形成される。ハーネス接触部22は、フレーム5に対するロアカバー9の嵌合方向(図6の矢印S参照)に沿ってのびるように形成される。具体的には、第一導出部17の開口縁28から基端部分29の近傍まで真っ直ぐのびるように形成される。ハーネス接触部22は、図示のようなリブ形状に形成される。ハーネス接触部22は、ワイヤハーネス4に対し接触する部分(リブ形状の突出先端の部分)が内周面21の位置に配置形成される。尚、ハーネス接触部22の幅(リブ幅)は適宜設定されるものとする。ハーネス接触部22は、第一導出部17におけるワイヤハーネス4の接触箇所(接触面積)を少なくする部分に形成される。ハーネス接触部22は、第一導出部17の周方向に複数存在するように形成される(1つでも可能であるが、2つや3つの方がワイヤハーネス4の保持面で有効である)。複数のハーネス接触部22は、ワイヤハーネス4の傷付き等を防止するための構造の1つである。
【0031】
<第一導出部17の凹部23について>
図4において、凹部23は、第一導出部17の開口縁28から基端部分29の近傍までの範囲で(開口縁28から中間部分の範囲で)内周面21を凹ませて形成される。別な言い方をすれば、凹部23は、内周面21の側から第一導出部17を若干薄肉にした凹状部分に形成される。このような凹部23は、周方向に複数形成される。凹部23は、第一導出部17においてハーネス接触部22を存在させるために形成される。凹部23は、ハーネス接触部22の隣に配置形成される。
【0032】
<内周面21側の他の部分について>
図4において、引用符号30は上記嵌合方向(図6の矢印S参照)に沿ってのびる一対のスリットを示す。この一対のスリット30は、後述するバンド部材31(図2参照)を通す部分として、また、後述する一対のバンド挿通穴32を金型で成形するための部分として形成される。
【0033】
<バンド組み付け部25について>
図3及び図5において、バンド組み付け部25は、公知の結束バンド等のバンド部材31(図2参照)を組み付けるための部分として形成される。バンド組み付け部25には、一対のバンド挿通穴32が形成される。この一対のバンド挿通穴32は、バンド部材31を通すための部分であって、一対の補強リブ27の基端部分を一部貫通するように形成される。また、一対のバンド挿通穴32は、内周面21側の一対のスリット30まで貫通するように形成される。一対のバンド挿通穴32は、本実施例において、バンド組み付け部25及びテープ巻き部26の連続部分に配置形成される。
【0034】
<テープ巻き部26について>
図3及び図5において、テープ巻き部26は、導出部12からワイヤハーネス4にかけて巻き付けられるテープ33(図1及び図2参照)の巻き付け部分として形成される。テープ巻き部26は、この後の説明や実施例2の説明から分かるようになるが、テープ33の単なる巻き付け部分ではなく、第一導出部17の外周面24がバンド組み付け部25に比べて外側に膨出するような巻き付け部分に形成される。尚、外側に膨出するテープ巻き部26を形成するため、第一導出部17には、成形直後の形状を安定させる部分として肉盗み部34(図4参照)が形成される。
【0035】
<第二導出部20について>
図3ないし図5において、第二導出部20は、略2/3の円弧状(略C字状)でロアカバー9の底壁18の右端から下方にのびる壁部分に形成される。第二導出部20の内周面35の側には、複数のハーネス接触部36と、複数の凹部37とが形成される。また、第二導出部20の外周面38の側には、テープ巻き部39が形成される。
【0036】
<第二導出部20のハーネス接触部36について>
図3において、ハーネス接触部36は、ワイヤハーネス4(図6参照)に対する接触部分として形成される。ハーネス接触部36は、フレーム5に対するロアカバー9の嵌合方向(図6の矢印S参照)に沿ってのびるように形成される。具体的には、第二導出部20の開口縁40から基端部分41の近傍まで真っ直ぐのびるように形成される。ハーネス接触部36は、図示のようなリブ形状に形成される。ハーネス接触部36は、ワイヤハーネス4に対し接触する部分(リブ形状の突出先端の部分)が内周面35の位置に配置形成される。尚、ハーネス接触部36の幅(リブ幅)は適宜設定されるものとする。ハーネス接触部36は、第二導出部20におけるワイヤハーネス4の接触箇所(接触面積)を少なくする部分に形成される。ハーネス接触部36は、第二導出部20の周方向に複数存在するように形成される。複数のハーネス接触部36は、ワイヤハーネス4の傷付き等を防止するための構造の1つである。
【0037】
<第二導出部20の凹部37について>
図3において、凹部37は、第二導出部20の開口縁40から基端部分41の近傍までの範囲で(開口縁40から中間部分の範囲で)内周面35を凹ませて形成される。別な言い方をすれば、凹部37は、内周面35の側から第二導出部20を若干薄肉にした凹状部分に形成される。このような凹部37は、周方向に複数形成される。凹部37は、第二導出部20においてハーネス接触部36を存在させるために形成される。凹部37は、ハーネス接触部36の隣に配置形成される。尚、複数の凹部37のうち1つには、切り欠き部42が形成される。
【0038】
<切り欠き部42について>
図3において、切り欠き部42は、第二導出部20の基端部分41も凹ませた部分に形成される。切り欠き部42は、筐体3の内部(ロアカバー9の内側)に連通する部分に形成される。また、切り欠き部42は、ロアカバー9の内部に極少量溜まった水分を排水することができる程度の部分に形成される。切り欠き部42は、本実施例において、第二導出部20における真ん中の凹部37に配置形成される(配置は一例であるものとする。排水し易い位置に合わせればよい)。
【0039】
<内周面35側の他の部分について>
図3において、第二導出部20の基端部分41には、曲面43が形成される。この曲面43は、ロアカバー9の組み付けの際にワイヤハーネス4(図6参照)の外面に接触可能となる面に形成される。
【0040】
<テープ巻き部39について>
図4及び図5において、テープ巻き部39は、導出部12からワイヤハーネス4にかけて巻き付けられるテープ33(図1及び図2参照)の巻き付け部分として形成される。
【0041】
<ロアカバー9の組み付け等について>
図6において、組み付けは先ずフレーム5から下方に向けてワイヤハーネス4を引き出すことが行われる。この時、第一導出部17の内周面21に対しワイヤハーネス4は接触する部分が少ないことから、また、ここでは擦るようなことがなされないことから、ワイヤハーネス4の外面は傷付くことがないのは勿論である。ワイヤハーネス4を引き出した状態にした後には、バンド部材31によりワイヤハーネス4を第一導出部17に固定することが行われる。
【0042】
次に、ロアカバー9を上方に向けて移動させ、そして、このロアカバー9をフレーム5に嵌合させるような組み付けが行われる。この時、ロアカバー9側の第二導出部20の内周面35がワイヤハーネス4の外面に接するようになるが、図7及び図8に示す如く、第二導出部20の内周面35はワイヤハーネス4に対し接触する部分が少ないことから、ワイヤハーネス4の外面は傷付くような擦れが生じ難くなるのは勿論である。導出部12の構造により、ワイヤハーネス4に対する出口部分の傷付き等が防止される。
【0043】
図9及び図10において、ロアカバー9を組み付けた後には、ワイヤハーネス4の外面に帯状のゴム発泡体44を巻き付けるような組み付けが行われる。ゴム発泡体44は、例えばEPDMゴムを主成分としてこれを発泡させ、シール材として用いることができるように加工したもので、ワイヤハーネス4の引き出し部分における導出部12とワイヤハーネス4との隙間を隠すように巻き付けられる。尚、ゴム発泡体44は、ワイヤハーネス4の径方向に潰れ可能なものである。
【0044】
図1及び図2において、最後に、導出部12からワイヤハーネス4にかけてテープ33を巻き付けると(所謂テープ巻きが施されると)、下部側の一連の組み付けが完了する。
【0045】
<電気接続箱1及びワイヤハーネス4の効果について>
以上、図1ないし図10を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である電気接続箱1によれば、ワイヤハーネス4に対する接触部分が導出部12の内周面全体ではなく、内周面21、35に形成された複数のハーネス接触部22、36になることから、接触する部分が格段に少なくなり、結果、ロアカバー9の組み付けの際の傷付き等を防止することができるという効果を奏する。
【0046】
また、電気接続箱1によれば、ハーネス接触部22、36が複数の凹部23、37により形成できることから、上記傷付き等の防止を簡単な構造にて図ることができるという効果も奏する。また、電気接続箱1によれば、導出部12が切り欠き部42を有することから、上記傷付き等の防止をしつつ排水機能を導出部12に持たせることができるという効果も奏する。
【0047】
尚、排水に関して簡単に説明すると、水分は切り欠き部42を介してテープ33を巻き付けた部分まで到達し、そして、巻き付け部分の微小な隙間から、しみ出すような状態で排水される(一例であるものとする)。
【0048】
この他、ワイヤハーネス4によれば、ロアカバー9の組み付けの際の傷付き等を防止することが可能な電気接続箱1を備えることから、より良いものを提供することができるという効果を奏する。
【実施例2】
【0049】
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図11はワイヤハーネスの径が小さい場合の出口構造を示す図である。また、図12及び図13図11に対する比較例の図である。尚、上記実施例1と基本的に同じ構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
<出口構造51について>
図11において、ワイヤハーネス4の径が実施例1よりも小さい場合の出口構造51は、次のようになる。すなわち、ワイヤハーネス4の径が例えば電気接続箱1のバリエーション等により実施例1よりも小さい場合、導出部12とワイヤハーネス4との隙間を隠すようにするためにゴム発泡体44が実施例1の時よりも多く巻き付けられる。尚、多く巻き付けられるのは、ワイヤハーネス4がバンド部材31(図6参照)により第一導出部17に固定され、この時、上記隙間が第二導出部20の側で大きくなってしまうからである。
【0051】
ゴム発泡体44の巻き付けが多くなると、図11(a)を見る限りでは、ゴム発泡体44が図の左側の外方に飛び出しているように見えるが、図11(b)及び(c)に示す如く、第一導出部17には、外側に膨出するテープ巻き部26が形成されていることから、実際には大きな飛び出しになっていないことが分かる(飛び出し量をT1とする)。そのため、この後のテープ33(図1及び図2参照)の巻き付けには何ら支障がないことが分かる。外側に膨出するテープ巻き部26は、良好な出口構造のために有効な部分であることが分かる。
【0052】
尚、図12(c)及び図13(c)に示す如く、外側に膨出する形状でないテープ巻き部52であれば、次のような不具合が生じることになる。
【0053】
<比較例としての出口構造53、54について>
図12において、ワイヤハーネス4の径が実施例1よりも小さい場合の出口構造53は、ワイヤハーネス4が第一導出部17に固定されず、導出部12のセンター位置にあるような状態になる。このような出口構造53では、導出部12とワイヤハーネス4との隙間を隠すようにするため、ゴム発泡体44が実施例1の時よりも多く巻き付けられるが、ワイヤハーネス4が上記センター位置にあることから、ゴム発泡体44は外側に大きく飛び出すことはない。しかしながら、ワイヤハーネス4は第一導出部17に固定されないことから、ワイヤハーネス4の安定性確保が不十分であり、例えば車両走行時の振動を受ければ不具合が生じてしまう可能性が高いことが分かる。
【0054】
図13において、ワイヤハーネス4の径が実施例1よりも小さい場合の出口構造54は、ワイヤハーネス4が第一導出部17に固定され、この状態でゴム発泡体44が巻き付けられると、ゴム発泡体44が図13(b)及び(c)に示す如く大きく外方に飛び出すような状態になる(飛び出し量をT2とする。T2>T1)。大きな飛び出しは、テープ巻き部52が外側に膨出する形状を持たないからである。大きな飛び出しは、ゴム発泡体44が多少潰れたとしても、この後のテープ33(図1及び図2参照)の巻き付けに支障を来し、場合によってはテープ33の巻き付けができないという不具合の可能性があることが分かる。
【0055】
<電気接続箱1の効果について>
以上、図11ないし図13を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である電気接続箱1によれば、図11に示す如くの、外側に膨出するテープ巻き部26の形成があることから、導出部12からワイヤハーネス4にかけてのテープ33(図1及び図2参照)の巻き付けを作業性よく行うことができるという効果を奏する。
【0056】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1…電気接続箱、 2…電子部品ブロック、 3…筐体、 4…ワイヤハーネス、 5…フレーム、 6…上部開口部、 7…アッパーカバー、 8…下部開口部、 9…ロアカバー、 10…固定脚部、 11…カバー側ロック部、 12…導出部、 13…フレーム周壁、 14…フレーム側ロック部、 15…カバー側ロック部、 16…フレーム側ロック部、 17…第一導出部、 18…底壁、 19…カバー周壁、 20…第二導出部、 21…内周面、 22…ハーネス接触部、 23…凹部、 24…外周面、 25…バンド組み付け部、 26…テープ巻き部、 27…補強リブ、 28…開口縁、 29…基端部分、 30…スリット、 31…バンド部材、 32…バンド挿通穴、 33…テープ、 34…肉盗み部、 35…内周面、 36…ハーネス接触部、 37…凹部、 38…外周面、 39…テープ巻き部、 40…開口縁、 41…基端部分、 42…切り欠き部、 43…曲面、 44…ゴム発泡体、 51、53、54…出口構造、 52…テープ巻き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13