特開2019-198840(P2019-198840A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-198840(P2019-198840A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】水切り場
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/02 20060101AFI20191025BHJP
   B01D 21/24 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   B01D21/02 J
   B01D21/24 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-95620(P2018-95620)
(22)【出願日】2018年5月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】村上 俊之
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遊水池への汚泥流入量を低減可能な水切り場の提供。
【解決手段】スラリーが流入される流入部と、流入された前記スラリーの流れの下流側に隣接された遊水池2との間に配置され、上部に排出口24が設けられた隔離壁20と、隔離壁20の排出口24が設けられた部分の上流側に配置された衝突板31と、を備える水切り場1。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリーが流入される流入部と、
流入された前記スラリーの流れの下流側に隣接された遊水池との間に配置され、上部に排出口が設けられた隔離壁と、
前記隔離壁の前記排出口が設けられた部分の上流側に配置された衝突板と、
を備える水切り場。
【請求項2】
前記衝突板と、
前記衝突板の側辺から下流側に延びる一対の側板と、
を備え、
前記側板は、前記隔離壁における、前記排出口を挟んだ水平方向の一方と他方とに連結され、
前記衝突板と一対の前記側板と前記隔離壁とが筒状に構成されている、
請求項1に記載の水切り場。
【請求項3】
前記衝突板の上流側の面と前記水切り場の液面との間の角度は90度以下である、
請求項1または2に記載の水切り場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水切り場に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭式火力発電所における石炭燃焼に伴い、多量の灰が発生する。灰は、ボイラの下部に設けられたホッパに堆積される。ホッパに堆積された灰は、スラリーの状態で水切り場に運ばれ、水切り場において水と汚泥状の灰とに分離され、上澄水は遊水池に流入されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−174995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水切り場で沈降しなかった汚泥が遊水池へ流入し、灰処理水循環ポンプ等の吸込み配管に詰まるトラブル等が発生する場合があった。
【0005】
本発明は、遊水池への汚泥流入量を低減可能な水切り場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下のものを提供する。
(1)スラリーが流入される流入部と、流入された前記スラリーの流れの下流側に隣接された遊水池との間に配置され、上部に排出口が設けられた隔離壁と、前記隔離壁の前記排出口が設けられた部分の上流側に配置された衝突板と、を備える水切り場。
【0007】
(2)前記衝突板と、前記衝突板の側辺から下流側に延びる一対の側板と、を備え、前記側板が、前記隔離壁における、前記排出口を挟んだ水平方向の一方と他方とに連結され、前記衝突板と一対の前記側板と前記隔離壁とが筒状に構成されていてもよい。
【0008】
(3)前記衝突板の上流側の面と前記水切り場の液面との間の角度は90度以下であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊水池への汚泥流入量を低減可能な水切り場を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の水切り場の模式的上面図である。
図2】実施形態の水切り場の模式的断面図である。
図3図1及び図2のA部分の拡大図斜視図である。
図4図1及び図2のA部分の拡大断面図である。
図5】比較形態の水切り場であり、実施形態の図3に対応する部分の拡大図斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態の水切り場1の模式的上面図である。図2は、実施形態の水切り場1の模式的断面図である。
【0012】
水切り場1は、沈殿槽11を備える。
沈殿槽11の上流側には、スラリーが流入される流入部13が設けられている流入部13から沈殿槽11の上流側に注がれたスラリーは、下流側の遊水池2に向かって流れる。
【0013】
図3は、図1及び図2のA部分の拡大図斜視図であり、図4は、図1及び図2のA部分の拡大断面図である。
水切り場1には遊水池2が隣接されている。水切り場1の遊水池2側には、隔離壁20が設けられている。
隔離壁20は、互いに平行かつ互いに重ならないように交互に配置された略同形の前壁21と後壁22と、前壁21及び後壁22と同じ大きさで、前壁21及び後壁22と直交し、且つ前壁21と後壁22とを連結するように配置された側壁23と、を備える。
すなわち隔離壁20は、図3に示すように、水平断面において矩形の凹凸を形状を有する。ただし、隔離壁20の形状は、このような凹凸を形状に限定されず、例えば、単に平面な板状であってもよい。
【0014】
実施形態では、隔離壁20における1枚の後壁22の上部に排出口24が設けられている。排出口24は、水切り場1が満水になったときに、スラリーの上澄水が遊水池2ヘと流出する出口である。
【0015】
排出口24の上流側には、衝突部材30が取り付けられている。衝突部材30は、上流側に配置された衝突板31と、衝突板31の側辺より下流側に延びる一対の側板33とを備える。
一対の側板33は、隔離壁20における、排出口24が設けられた後壁22を挟んだ水平方向の一方の前壁21と他方の前壁21とにそれぞれに連結され、衝突板31と一対の側板33と隔離壁20とで、上下が開口した筒状部が構成されている、
ただし、このような形状に限らず、少なくとも、排出口24の上流側に衝突板31が設けられていればよい。
【0016】
衝突板31は、実施形態では、鉛直方向に延びる板部材で、5角形のベース型形状を有し、下方の幅が狭くなるように配置されている。
なお、実施形態で衝突板31は鉛直方向に延びる板部材であるので、衝突板31の前面と水面との間の図4に示す角度θが90度であるが、これに限らず、90度以下の他の角度であってもよい。
【0017】
一対の側板33は、上述のように、隔離壁20における、排出口24が設けられた後壁22を挟んだ水平方向の一方の前壁21と他方の前壁21とにそれぞれに連結されている。衝突板31はベース型であるので、側板33の鉛直断面は「く」の字型である。
【0018】
水切り場1の流入部13より、図示しない石炭火力発電所から排出されたスラリーが沈殿槽11に注がれる。そうすると、スラリーは下流側に向かって流れ、重力によって汚泥(固体成分)は下方に移動し、上澄液と分離して沈殿槽11内に沈降していく。
【0019】
しかし、汚泥は完全には上澄液と分離せず、その一部は上澄液とともに水平方向に流れ、衝突部材30の衝突板31に衝突する。上澄液が衝突板31に衝突すると、下降流が生じる。この下降流により、上澄液に含まれていた汚泥は、下降流に沿って下方へ流れる。
【0020】
ここで、汚泥を含まない、又は汚泥の含有量が少なくなった上澄液は、衝突部材30の下方から、衝突板31と一対の側板33と隔離壁20と構成された筒状部の内部に流入し、隔離壁20の後壁22に設けられた排出口24を通って遊水池2へと流出する。
しかし、下向きの速度成分を有する汚泥は、遊水池2へ流れる上澄液の流れに沿わずに、下方へと落下していく。これにより、汚泥の遊水池2への流出が防止される。
【0021】
なお、実施形態では、衝突板31の前面と水面との間の図4に示す角度θが90度であるが、90度以下であれば、上澄液が衝突板31に衝突したときに下降流が生じるので、例えば45度等であってもよい。
【0022】
図5は、実施形態に対する比較形態の水切り場1Aであり、実施形態の図3に対応する部分の拡大図斜視図である。比較形態の水切り場1Aには、衝突部材30が配置されていない。
比較形態の場合も、上流側で上澄液と分離して沈殿槽11内に沈降しなかった汚泥は、上澄液とともに水平方向に流れてくる。
しかし、比較形態では衝突部材30が設けられていないため、汚泥の流れ方向は下方に変更されず上澄液と同様に水平方向に流れ、排出口24から遊水池2へと流出する。
そうすると水切り場1での汚泥が遊水池2に流れ、灰処理水循環ポンプ等の配管に詰りを生じさせる等のトラブルを発生させる。また、遊水池2において汚泥が堆積するため、遊水池2の掘削作業が頻繁に必要となる。
【0023】
これに対して本実施形態によると、汚泥の遊水池2への流入量が低減されるので、遊水池2で堆積して灰処理水循環ポンプ等の配管に詰りを生じさせる等のトラブルが発生せず、また、遊水池2における掘削作業の頻度が低減される。
【0024】
以下に示す表1は、実施形態の水切り場1を通過した場合、及び比較形態の水切り場1Aを通過した場合での、遊水池2における浮遊物質(汚泥成分)の1リットル当たりの含有量の推移を調査した結果である。
また、表2は、実施形態の水切り場1を通過した場合、及び比較形態の水切り場1Aを通過した場合での、遊水池2への浮遊物質の流入量の推移を調査した結果である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
表1で示すように、実施形態では、いずれの週においても、遊水池2における浮遊物質の1リットル当たりの含有量が比較形態よりも低かった。
表2に示すように、実施形態では、いずれの週においても、浮遊物質の遊水池2への流入量が比較形態よりも低かった。
【0028】
ここで、浚渫工事目安を10,000m、汚泥係数1.10t/mより、浚渫工事時の汚泥量を11,000とする。そうすると、比較形態での流入量の平均は1日7.5tで浚渫工事は4年に1度必要である。実施形態での流入量の平均は1日3t、浚渫工事は10年に1度となる。
以上より、実施形態のように衝突板31を設けることで、遊水池2への汚泥流入量の減少が確認できた。また、遊水池2への汚泥堆積が低減されることから、浚渫工事周期延長によるコスト低減や灰処理水循環ポンプ他の詰りトラブル減少による修繕費の低減が可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 水切り場
2 遊水池
11 沈殿槽
13 流入部
20 隔離壁
21 前壁
22 後壁
23 側壁
24 排出口
30 衝突部材
31 衝突板
32a 開口部
33 側板
図1
図2
図3
図4
図5