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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-201107(P2019-201107A)
(43)【公開日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】現像処理装置および現像処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20191025BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20191025BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20191025BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20191025BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20191025BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20191025BHJP
【FI】
   H01L21/30 569F
   H01L21/30 569C
   B05C11/08
   B05C11/10
   B05C11/00
   H01L21/68 N
   H01L21/304 643A
   H01L21/304 648G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-94810(P2018-94810)
(22)【出願日】2018年5月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】平井 義和
(72)【発明者】
【氏名】矢野 和利
【テーマコード(参考)】
4F042
5F131
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
4F042AA07
4F042BA10
4F042CC04
4F042CC10
4F042DH02
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB18
4F042EB27
5F131AA02
5F131BA12
5F131BA13
5F131BA14
5F131BA37
5F131BB02
5F131CA54
5F131CA56
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB54
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131DD03
5F131DD33
5F131DD94
5F131EA06
5F131EA24
5F131EB81
5F131EB82
5F131GA03
5F131HA42
5F131HA43
5F131KA22
5F131KB32
5F146LA03
5F146LA04
5F146LA08
5F146LA14
5F146LA19
5F157AA91
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5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB24
5F157CD29
5F157CE10
5F157CE24
5F157CF44
5F157CF50
5F157DA71
5F157DA81
(57)【要約】
【課題】現像処理工程中に異常が発生した場合に現像処理の進行を速やかに停止させる。
【解決手段】基板の現像を行う現像処理装置であって、前記基板を載置する載置部と、通常の洗浄ノズルとは別に設けられた、前記載置部上の基板へ向けて洗浄液を噴射する1以上の非常用洗浄液ノズルと、を有し、前記非常用洗浄液ノズルは、前記現像処理装置の異常発生時に作動して基板へ向けて洗浄液の噴射を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の現像を行う現像処理装置であって、
前記基板を載置する載置部と、
通常の洗浄ノズルとは別に設けられた、前記載置部上の基板へ向けて洗浄液を噴射する1以上の非常用洗浄液ノズルと、を有し、
前記非常用洗浄液ノズルは、前記現像処理装置の異常発生時に作動して基板へ向けて洗浄液の噴射を行うことを特徴とする、現像処理装置。
【請求項2】
前記現像処理装置の異常発生時にアラームを発報するアラーム発報部を有し、
前記非常用洗浄液ノズルは、当該アラーム発報部からのアラーム発報に基づいて、前記載置部に載置された基板へ向けて洗浄液の噴射を開始することを特徴とする、請求項1に記載の現像処理装置。
【請求項3】
前記載置部に基板が載置されていない場合には、前記現像処理装置の非常時であっても前記非常用洗浄液ノズルは作動しないことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の現像処理装置。
【請求項4】
前記非常用洗浄液ノズルは、前記載置部の上方であって、当該載置部に載置された基板と平面視において重ならない位置に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像処理装置。
【請求項5】
前記非常用洗浄液ノズルは、前記洗浄液を噴霧するスプレーノズルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像処理装置。
【請求項6】
前記載置部は回転自在に構成され、前記非常用洗浄液ノズルから洗浄液を噴射する際には前記載置部は回転することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像処理装置。
【請求項7】
前記非常用洗浄液ノズルを2以上有し、
前記各非常用洗浄液ノズルから噴射される洗浄液の前記基板上での被噴射領域が相互に干渉しないように、前記各非常用洗浄液ノズルが配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像処理装置。
【請求項8】
現像処理装置を用いて基板の現像を行う現像処理方法であって、
現像処理装置内の載置部に基板が載置された後に、当該現像処理装置または当該現像処理装置を備えるシステムにおいて異常が発生した場合に、通常の洗浄ノズルとは別に前記現像処理装置に設けられた、1以上の非常用洗浄液ノズルから、前記載置部上の基板へ向けて洗浄液を噴射する非常時洗浄工程、を有することを特徴とする現像処理方法。
【請求項9】
前記非常時洗浄工程は、前記現像処理装置または当該現像処理装置を備えるシステムにおいて異常が発生した場合に、当該異常を発報するアラームに基づいて開始されることを特徴とする、請求項8に記載の現像処理方法。
【請求項10】
前記非常時洗浄工程は、前記載置部に基板が載置されていない場合には実行されないことを特徴とする、請求項8〜9のいずれか一項に記載の現像処理方法。
【請求項11】
前記非常時洗浄工程においては、前記基板を載置した前記載置部が回転することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の現像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像処理装置および現像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、基板としての半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光後にレジスト膜内の化学反応を促進させる加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング)、露光されたレジスト膜を現像液で現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
上述の現像処理では、例えばスピンチャックに保持されたウェハ上に現像液供給ノズルから現像液が供給され、ウェハ表面上に現像液の液膜が形成されることで、ウェハの現像が進行する。現像処理が終了すると、洗浄液供給ノズルによりウェハ上に純水等の洗浄液が供給され、スピンチャックによりウェハが高速回転されることで当該洗浄液および現像液が振り切られてウェハ表面が洗浄、乾燥されて、現像処理が終了する。
【0004】
かかる現像処理は、通常、現像を進行させるために必要な所定の時間をかけて行われるが、例えば不具合や誤操作等により、現像液がウェハ上に供給された状態で装置の作動が停止すると、前記所定の時間を超えて現像処理が行われてしまう。このように現像処理が所定の時間を超えて行われてしまうと、ウェハ上のレジストパターンが崩れたり、レジストがはがれてしまう等の不具合が生じてしまう場合がある。このような装置の停止による現像時間の超過に起因するウェハ不具合の発生を防止するためには、例えば装置の作動が停止した際に、ウェハ上における現像処理を一時停止させる必要がある。
【0005】
この点に関し特許文献1には、基板処理装置内において何らかの不具合が発生して塗布現像処理装置が停止した場合に、当該塗布現像処理装置の再起動の際に基板上の現像液を振り切るとともに、通常の現像処理の際に用いるリンスノズルからリンス液を供給してウェハ基板上を洗浄する(以下、「リキッドエンド処理」という。)ことが開示されている。このようなリキッドエンド処理によりウェハ上を洗浄することで、当該ウェハ上での現像の進行を阻止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002―260995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、現像処理装置の動作が停止した際に、ウェハ上の現像の進行を阻止することは重要である。本開示は、現像処理工程中に不具合が発生した場合に速やかに現像処理の進行を阻止することができる、現像処理装置及び現像処理方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本開示にかかる技術の一態様は、基板の現像を行う現像処理装置であって、前記基板を載置する載置部と、通常の洗浄ノズルとは別に設けられた、前記載置部上の基板へ向けて洗浄液を噴射する1以上の非常用洗浄液ノズルと、を有し、前記非常用洗浄液ノズルは、前記現像処理装置の異常発生時に作動して基板へ向けて洗浄液の噴射を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる技術によれば、現像処理工程中に不具合が発生した場合に速やかに現像処理の進行を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる現像処理装置を搭載した基板処理システムの構成の概略を示す平面図である。
図2図1の基板処理システムの構成の概略を模式的に示す正面図である。
図3図1の基板処理システムの構成の概略を模式的に示す背面図である。
図4】実施の形態にかかる現像処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
図5】実施の形態にかかる現像処理装置の構成の概略を模式的に示す横断面図である。
図6】現像処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態にかかる非常時動作の一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態にかかる現像処理装置の非常時動作における非常用洗浄液ノズルの被噴射領域を示す説明図である。
図9】実施の形態にかかる現像処理装置の非常時動作を模式的に示す縦断面図である。
図10】2つの非常用洗浄液ノズルからの被噴射領域が相互に干渉しない他の非常用洗浄液ノズルの配置例を示す説明図である。
図11】3つの非常用洗浄液ノズルからの被噴射領域が相互に干渉しない他の配置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る現像処理装置を備えた基板処理システム1の構成の概略を模式的に示した平面説明図である。図2及び図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。
【0013】
基板処理システム1は、図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
【0014】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
【0015】
カセットステーション10には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸回り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0016】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数、例えば4つのブロック、すなわち第1のブロックG1〜第4のブロックG4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(図1のX方向正方向側、図面の上側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(図1のY方向負方向側)には、既述の第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0017】
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33、が下からこの順に配置されている。
【0018】
例えば現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像処理装置30、下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。
【0019】
これら下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33では、例えばウェハW上に所定の処理液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に塗布液を吐出するとともに、ウェハWを回転させて、塗布液をウェハWの表面に拡散させる。なお、本開示の対象となる現像処理装置30の構成については後述する。
【0020】
例えば第2のブロックG2には、図3に示すように疎水化処理装置40、周辺露光装置41、ウェハWの冷却処理、加熱処理を行う熱処理装置42、43が設けられている。なおこれらの各装置の配置、数は任意である。
【0021】
例えば第3のブロックG3には、図2図3に示すように、複数の受け渡し装置50〜56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、図3に示すように、複数の受け渡し装置60〜62が下から順に設けられている。
【0022】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム70aを有する、ウェハ搬送装置70が複数配置されている。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲に位置する第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置との間でウェハWを搬送できる。
【0023】
また、ウェハ搬送領域Dには、図3に示すように、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0024】
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0025】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置81が設けられている。ウェハ搬送装置81は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム81aを有している。ウェハ搬送装置81は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0026】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置90と受け渡し装置91が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム90aを有している。ウェハ搬送装置90は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置91及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0027】
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御部100が設けられている。制御部100は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作、さらには後述の現像処理装置の動作を制御するためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部100にインストールされたものであってもよい。
【0028】
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
【0029】
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、基板処理システム1のカセットステーション10に搬入され、カセット載置板21に載置される。次に、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置53に搬送される。
【0030】
受け渡し装置53に搬送されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の加熱処理装置40に搬送され温度調節処理される。続いてウェハWは、ウェハ搬送装置70によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置42に搬送され、加熱処理が行われた後、第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。
【0031】
受け渡し装置53に戻されたウェハWは、ウェハ搬送装置81によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。続いてウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の疎水化処理装置41に搬送され、疎水化処理が行われる。
【0032】
疎水化処理が行われたウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって加熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理され、第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
【0033】
受け渡し装置55に搬送されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置42に搬送されて、加熱により、温度調節される。温度調節後、ウェハWは周辺露光装置41に搬送され、周辺露光処理される。
【0034】
周辺露光処理されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。
【0035】
受け渡し装置56に搬送されたウェハWは、ウェハ搬送装置81によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。受け渡し装置62に搬送されたウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置90によって露光装置12に搬送され、所定のパターンで露光処理される。
【0036】
露光処理されたウェハWは、ウェハ搬送装置90によって第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置43に搬送され、露光後ベーク処理される。
【0037】
露光後ベーク処理されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像処理装置30に搬送され、現像される。現像終了後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置43に搬送され、ポストベーク処理される。
【0038】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0039】
次に、実施の形態にかかる現像処理装置30の構成について図4及び図5を参照して説明する。
【0040】
現像処理装置30は、図4に示すように内部を密閉可能な処理容器110を有している。処理容器110の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成されている。
【0041】
処理容器110は基板を載置する載置部120を備えている。載置部120は、例えば真空吸着などによりウェハWを水平に載置するスピンチャック121により構成され、モータなどのチャック駆動部122により所定の速度で回転自在に構成されている。また、チャック駆動部122には、不図示のシリンダなどの昇降駆動機構が設けられており、スピンチャック121は昇降駆動機構により昇降自在に構成されている。
【0042】
スピンチャック121の周囲には、ウェハWから飛散または落下する現像液や洗浄液等の液体を受け止め、回収するカップ体123が設けられている。カップ体123は、鉛直方向に延伸する壁面部123a、壁面部123aの上端に設けられ、カップ体123の内周方向へ傾斜してなる傾斜部123b、壁面部123aの下端に設けられる底面部123cから構成されている。カップ体123の底面部123cには、回収した液体を排出する排出管124と、カップ体123内の雰囲気を排気する排気管125が接続されている。
【0043】
なお、カップ体123は図示しないカップ体昇降機構により昇降自在に構成されている。当該カップ体昇降機構は、ウェハWを現像処理装置30内へ搬入出する際にはカップ体123を下降させ、ウェハWの搬入出の妨げにならないように退避させる。また、ウェハWがスピンチャック121上に載置され、現像処理を行う際にはカップ体123は上昇し、ウェハW上に供給された現像液や洗浄液が周囲に飛散することを防止する。
【0044】
図5に示すように、カップ体123のX方向負方向側(図5の下方向)には、Y方向(図5の左右方向)に沿って延伸するレール130が形成されている。レール130は、例えばカップ体123のY方向負方向側(図5の左方向)の外方からY方向正方向側(図5の右方向)の外方まで形成されている。レール130には、例えば2本のアーム131、132が取り付けられている。
【0045】
第1のアーム131には、現像液を供給する現像液供給ノズル133が支持されている。第1のアーム131は、ノズル駆動部134によってレール130上を移動自在になっている。これにより、現像液供給ノズル133は、カップ体123のY方向負方向側の外側に設けられた待機部135から、カップ体123内のウェハWの中央部上方まで移動できる。また、ノズル駆動部134によって、第1のアーム131は昇降自在であり、現像液供給ノズル133の高さを調節できる。現像液としては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が用いられる。
【0046】
第2のアーム132には、リンス液を供給するリンス液供給ノズル136および、溶剤を供給する溶剤供給ノズル137が支持されている。第2のアーム132は、ノズル駆動部138によってレール130上を移動自在となっている。これにより、リンス液供給ノズル136および溶剤供給ノズル137は、カップ体123のY方向正方向側の外側に設けられた待機部139から、カップ体123内のウェハWの中央部上方まで移動できる。また、ノズル駆動部138によって、第2のアーム132は昇降自在であり、リンス液供給ノズル136および溶剤供給ノズル137の高さを調節できる。リンス液としては、例えば界面活性剤溶液と純水が混合された界面活性剤入りリンス液や、「水系洗浄液」の一例であるDIW(Deionized Water)、純水などが用いられる。また、溶剤としては、例えば水溶性ポリマーの水溶液が用いられる。
【0047】
図4に示すように、処理容器110内の上部には、当該処理容器110内に清浄なダウンフローを形成するフィルタユニット140が設けられている。フィルタユニット140は、基板処理ステム1の天井部に設けられたファンフィルタユニットからの清浄なエアを、さらに清浄化して処理容器110内に供給する。
そして当該フィルタユニット140の外縁部近傍のダウンフローの形成を阻害しない位置であって、平面視においてスピンチャック121に載置されているウェハWと重ならない位置には、非常用洗浄液ノズル141が、例えば2つ、処理容器110内の上方に設けられている。
【0048】
非常用洗浄液ノズル141は、現像処理装置30の異常発生時であって、当該異常を報知するためのアラーム発報部142からのアラームに基づいて、非常用の洗浄液をウェハWに向けて噴射するように構成されている。非常用洗浄液ノズル141は、噴射した洗浄液がウェハWの裏面に回り込むことを抑制するため、例えばスプレーノズルにより構成されている。なお、アラーム発報部142としては、例えば警告を画面に表示するディスプレイや、警告音を発報するブザーなどが考えられる。非常用の洗浄液としては、例えばDIWなどが用いられる。
【0049】
非常用洗浄液ノズル141は、前述のように例えば現像処理装置30の緊急停止時などの異常発生時に洗浄液をウェハWに向けて噴射するものである。すなわち、異常発生時に洗浄液の噴出動作を現像処理装置30の停止とは独立して行うことができるように構成されることが望ましい。そのため、例えば、非常用洗浄液ノズル141に接続される非常用洗浄液供給源150は、前記したリンス液供給ノズル136に接続されるリンス液供給源151とは別に設けられる。また非常用洗浄液供給源150は、現像液供給源152および溶剤供給源153とも独立して設けられている。
【0050】
なお非常用洗浄液ノズル141には、当該非常用洗浄液ノズル141から噴射される洗浄液の噴射方向および噴射角度θを調節するための角度調節機構(図示せず)が設けられている。
【0051】
ここで、現像処理装置30における現像処理方法について、図6を用いて説明する。図6は現像処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、たとえばウェハWの表面にはSiARC(Silicon-containing Anti-Reflective Coating)等の下層膜が形成されており、該下層膜の上にはレジスト膜が形成され、当該レジスト膜は露光処理、その後の加熱処理が完了しているものとする。
【0052】
スピンチャック121上に載置されたウェハWの現像処理を行うに際し、先ず、現像液供給ノズル133をウェハWの中央部上方へ移動させる。次に、ウェハWを回転させながら、現像液供給ノズル133からウェハW上に現像液を吐出し、ウェハWの全面に現像液パドルを形成する(図6のS1)。
【0053】
現像液パドルの形成後、現像液供給ノズル133からの現像液の供給を停止し、例えばウェハWを所定時間静止させることによる静止現像を行い、ウェハW上のレジスト膜の現像を進行させる(図6のS2)。この間、現像液供給ノズル133はカップ体123の外へ退避させ、リンス液供給ノズル136および溶剤供給ノズル137をウェハWの中央部上方へ移動させる。
【0054】
現像を進行させるための前記所定時間が経過し、ウェハW上にレジストパターンが形成されると、前記溶剤供給ノズル137からウェハWに対して溶剤が供給され、当該溶剤による液膜が形成される(図6のS3)。なお、この時ウェハWは、スピンチャック121により例えば100〜1500rpmで回転されている。
【0055】
溶剤の塗布後、ウェハWに対してリンス液供給ノズル136からリンス液が供給され、ウェハW上の洗浄が行われる(図6のS4)。具体的には、ウェハWを例えば100〜500rpmで回転させながらリンス液をウェハWに供給して、ウェハW上の溶剤による液膜をリンス液に置換する。その後、ウェハWの回転数を上昇させて、リンス液をウェハW上の全面に拡散させるとともに該リンス液を振り切って、ウェハWを乾燥させる(図6のS5)。この際ウェハWは、例えば最初に300〜1000rpmで5〜15秒間回転され、次いで、1000〜3000rpmで10〜20秒間回転される。これにより一連の現像処理が終了し、ウェハW上にレジストパターンが形成される。
【0056】
このように現像処理は、通常、現像を進行させるために必要な所定時間をかけて行われるが、例えば装置不具合やオペレーターの誤操作等により現像処理の途中で装置の動作が停止すると、前記所定時間を超えてウェハW上に現像液が残留し、所定時間を超えて現像処理が行われてしまう。このように現像処理が所定の時間を超えて行われると、ウェハW上のレジストパターンが崩れたり、レジストが剥がれてしまう等の不具合が生じるおそれがある。
【0057】
かかる不具合等による装置の停止が、例えば半導体製造の前工程(ダイシング前のウェハ製造工程)の現像処理中に発生した場合は、ウェハW上に形成されたレジスト膜を例えばSPM(硫酸+過酸化水素水)等の強い処理液により剥離(以下、「リワーク」という。)して、再度ウェハW上にレジスト液の塗布をすることで対処することができる。
しかしながら、半導体製造の後工程(ダイシング後のパッケージ工程)において装置が停止した場合、既にチップがデバイス上にボンディングされ、回路が形成されている場合があるため、前記リワークを行った場合、デバイスに損傷を与えてしまう。すなわち、特に後工程において現像処理装置の動作が停止した場合にはリワークを行うことが困難であるため、直ちにウェハW上における現像処理の進行を阻止する必要がある。
【0058】
ウェハW上における現像処理進行の阻止方法としては、例えば先述のリキッドエンド処理が挙げられる。リキッドエンド処理では、現像処理装置の再起動の際にウェハW上の現像液を振り切るとともに、現像後に通常の洗浄処理を行うリンスノズルを用いてリンス液を供給してウェハW上を洗浄することで、現像処理進行の阻止を図っている。
【0059】
しかしながら、このリキッドエンド処理では、現像処理装置の再起動に伴ってウェハWの洗浄を行うため、例えば装置の再起動に時間を要した場合には、前記所定時間を超過してしまう場合がある。また例えば、装置不具合が現像処理装置の回転駆動系や供給系において発生していた場合、現像処理進行の阻止に必要なスピンチャックの回転やリンス液の吐出を適切に行うことができない。このように現像処理の阻止動作までに時間を要したり、阻止動作を適切に行うことができなかったりすると、当該ウェハWやチップ、またはデバイスが無駄になってしまうことがある。
【0060】
そこで、本開示に関連する現像処理装置30は、現像後に通常の洗浄処理を行うリンス液供給ノズル136とは別に、異常発生時にウェハW上に洗浄液を噴射する1以上の非常用洗浄液ノズル141と、現像処理装置30の異常発生に伴ってアラームを発報するアラーム発報部142と、を備えている。そして、非常用洗浄液ノズル141は、現像処理装置30の異常発生時に、前記アラーム発報部142によるアラームに基づいて、スピンチャック121に載置されたウェハWへ向けて洗浄液の噴射を開始する。これによって、極めて迅速に現像処理進行を停止させることができる。
【0061】
以下、現像処理装置30の異常発生に際しての動作(非常時動作)の一例について説明する。図7は、現像処理装置30において、アラーム発報部142によるアラームの発報を検知してから、ウェハW上の現像液の洗浄が完了するまでの動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
現像処理装置30や、当該現像処理装置30を備える装置系、すなわち基板処理システム1における不具合、オペレーターの誤操作等により、現像処理装置30の動作の非常停止を検知(非常停止検知工程)すると、アラーム発報部142により装置の異常発生等、非常時である旨を警告するアラームが発報される(図7のS11:アラーム発報工程)。
【0063】
装置の異常としては、例えばアーム131、132の動作不良、スピンチャック121の回転駆動系の不良などの装置の動作不良や、作業員が基板処理システム1の動作中に、誤ってシステムの保守点検用のドアを開けてしまう等の人為的なインシデント等が挙げられる。
【0064】
かかる発報が現像処理の途中で検知された場合、現像処理装置30の動作不良や停止によってウェハWの現像処理が所定時間を超えて進行することを阻止するため、前記非常用洗浄液ノズル141から、スピンチャック121に載置されたウェハWに向けて洗浄液が噴射される(図7のS12:非常時洗浄工程)。
【0065】
当該非常時洗浄工程においては、スピンチャック121を例えば、500rpm〜100rpm、例えば200rpmで回転させることにより、ウェハW上に噴射された洗浄液を、遠心力によりウェハWの全面に拡散させることで、当該ウェハWの全面を適切に洗浄することができる。しかしながら、例えば現像処理装置30の異常がスピンチャックの回転駆動系に起因する場合、すなわち、スピンチャック121に不具合によるものであった場合、スピンチャック121を回転させることができず、洗浄液の拡散を行うことができない。
【0066】
そこで、例えば本実施例のように非常用洗浄液ノズル141が2つ設けられている場合、ウェハW上における非常用洗浄液ノズル141、141からのそれぞれの被噴射領域A、Bが、図8に示すように設定されていることがよい。より詳述すると非常用洗浄液ノズル141、141のウェハW上の噴射中心位置は、ウエハWの中心からずれた位置となるように噴射される。そしてウェハW上に噴射された洗浄液は、ウェハW上に滞留している現像液やリンス液を、被噴射領域A、Bからさらに外側に押し出すように設定されており、結果的にウェハWの全面において、洗浄液の液流によってウェハW上に滞留している現像液やリンス液がすべて押し流されるように設定されている。これにより、例えばスピンチャック121に不具合が生じ、回転ができない場合であっても、ウェハWの全面の洗浄を適切に行うことができる。
【0067】
なお、本実施例において非常用洗浄液ノズル141は2つ設けられているが、非常用洗浄液ノズルから噴射される洗浄液の被噴射領域がウェハWの全面を適切に覆ったり、噴射された洗浄液の液流によってウェハW上に滞留している現像液やリンス液がすべて押し流すことができれば、その数は2つに限定されない。例えば、ウェハWの径が小さい場合には、非常用洗浄液ノズル141の設置数を1つにしてもよいし、逆に2つでは適切にウェハWの全面を覆うことができなかったり、ウェハW上に噴射された洗浄液の液流が届かない空白領域が出る場合には、非常用洗浄液ノズル141を3つ以上設置してもよい。
【0068】
なお、非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の噴射は、上述のようにウェハWをスピンチャック121により回転することができない場合、ウェハWの全面において、洗浄液が外側へと流れ出るような角度、方向、または流量で噴射される必要がある。すなわち、ウェハWを回転させることができない場合に、当該ウェハW上に洗浄液による液だまりが形成されないように非常用洗浄液ノズル141から洗浄液が噴射する必要がある。
【0069】
なお、非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の吐出時間および、スピンチャック121の回転数は任意に設定できる。例えば、ウェハWが現像処理装置30に搬入された直後にアラームの発報が検知され、ウェハW上に現像液が供給されていないことが明らかである場合には、非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の吐出やスピンチャック121の回転を省略してもよい。また非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の吐出時間や回転数は、予め前記制御部100に格納された処理レシピにしたがって行われるようにしてもよいし、またアラームの発報を確認したオペレーターが操作画面上で任意に設定するようにしてもよい。
【0070】
処理レシピ等によって設定された非常用洗浄液ノズル141から洗浄液の吐出時間が経過し、ウェハW上の現像液が十分に希釈され、ウェハW上からすべて洗い流されると、非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の噴射が終了する(図7のS13)。
【0071】
洗浄液の噴射の終了を確認したオペレーターは、アラーム発報部142により発報されているアラームの解除(アラームクリア)を行う(図7のS14)。そして、ウェハW上に洗浄液等が残留している場合には、スピンチャック121によりウェハWを回転させ、ウェハW上に残留した液の振り切り処理を行い(図7のS15)、当該振り切り処理が完了することで、一連の非常時動作が終了する。なお、スピンチャック121によるウェハWの回転ができない場合には、当該振り切り処理を省略することもできる。
【0072】
ここで、例えばスピンチャック121にウェハWが載置されていない状態でアラームが発報され、非常用洗浄液ノズル141から洗浄液が噴射された場合、スピンチャック121の内部に洗浄液が侵入することで、現像処理装置30に不具合を発生させてしまうことが考えられる。
【0073】
そのため現像処理装置30は、載置部120としてのスピンチャック121上のウェハWの有無を判定するための基板検知部(図示せず)を更に有していることが好ましい。基板検知部による基板の検知方法としては、例えばウェハWのスピンチャック121上への真空吸着のために駆動する真空ポンプの作動状態を検知することによって行ってもよいし、または、例えばレーザー変位計や重量計などによる検知方法を用いてもよい。
【0074】
このように、現像処理装置30に基板検知部を設けることにより、スピンチャック121上のウェハWの有無によって、非常用洗浄液ノズル141を作動させるか否かを決定することができる(基板検知工程)。すなわち、スピンチャック121にウェハWが載置されている場合のみ、前記非常用洗浄液ノズル141を作動させ、スピンチャック121にウェハWが載置されていない場合には、たとえ前記アラーム発報部142からのアラームの発報を検知しても、前記非常用洗浄液ノズル141を作動させないようにすることができる。
【0075】
なお、かかる基板検知工程は、少なくとも前記非常用洗浄液ノズル141による洗浄液の噴射(非常時洗浄工程)よりも前に行われていればよく、例えば、アラームの発報後、洗浄液の噴射前までの間に検知してもよいし、現像処理装置30へウェハWを搬入してスピンチャック121にウェハWが載置されると同時に検知するようにしてもよい。また、上述のように例えば真空ポンプの作動状態を検知する場合には、常時基板の有無を判定するようにしてもよい。
【0076】
また、例えば現像処理装置30の非常停止が、現像処理装置30からの液漏れが検知された場合、ここで更に非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液を噴射してしまうと、液漏れが更に進行してしまう場合が考えられる。このため、例えば現像処理装置30の非常停止が液漏れに起因する場合には、たとえ前記アラーム発報部142からのアラームの発報を検知しても、前記非常用洗浄液ノズル141を作動させないようにしてもよい。
【0077】
なお、現像処理装置30による現像処理を繰り返し行うと、カップ体123には、現像液や溶剤などから発生する昇華物が堆積し、かかる昇華物によりリンス液供給ノズル136や非常用洗浄液ノズル141の供給ラインが汚染されてしまう場合がある。かかる供給ラインの汚染を防止するため、カップ体123の定期洗浄を行う必要がある。
【0078】
カップ体123の定期洗浄は、例えばスピンチャック121上にCWD(Cup Wash Disk)等のダミー基板を載置した状態でカップ体123をカップ体昇降機構により上昇させ、当該CWDの表面に洗浄液を噴射することによって行われる。これによりカップ体123に堆積した昇華物を洗浄し、すなわち、リンス液、洗浄液の供給ラインの汚染を防止することができる。
【0079】
かかるカップ体123の定期洗浄は、例えば予め設定したカップ洗浄レシピにしたがって行われるものであり、例えば一定の期間毎(現像処理の規定回数毎、規定時間の経過毎、等)、またはオペレーターによりカップ洗浄の必要があると判断された場合等に行われる。
【0080】
また、非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の噴射は、噴射された洗浄液が、スピンチャック121の周辺部材に飛散することにより、周辺部材に不具合を発生させることがないようにする必要がある。すなわち、洗浄液の被噴射領域がカップ体123の内周よりも内側に収まるように、前記角度調節機構(図示せず)により非常用洗浄液ノズル141からの洗浄液の噴射方向、噴射角度θが調整される必要がある。これにより、非常用洗浄液ノズル141から噴射された洗浄液が直接周辺部材に飛散することなく、また、ウェハW上で跳ね返った洗浄液もカップ体123に受け止められ、周辺部材に飛散することがない。
【0081】
ここで、洗浄液の被噴射領域がカップ体123の内周よりも内側に収まるように、とは、例えば図9に示すように、非常用洗浄液ノズル141からの側面視における洗浄液の拡散領域A′、B′が、カップ体123の傾斜部123bの内周面よりも内側に収まる状態のことを言う。
なお、洗浄液の噴射角度θは、図8に示すように被噴射領域A、BがウェハWの全面をカバーするか、あるいは噴射後の洗浄液の液流がウェハWの全面で確認でき、ウェハW上の液がすべて洗い流されるときの噴射角度である。本実施の形態においては噴射角度θは例えば50°に設定されている。
また必要に応じて、カップ体123の外周に外カップ170を設け、非常用洗浄液ノズル141から噴射された洗浄液が、周囲の部材に飛散することを防止するように構成してもよい。
【0082】
また非常用洗浄液ノズル141は、上述のようにスピンチャック121の上方であって、当該スピンチャック121に載置されたウェハWと平面視において重ならない位置に配置して設けられる。かかる非常用洗浄液ノズル141の配置は、図8に示すように、カップ体123の傾斜部123bに形成された切欠き部123d(平面視において、傾斜部123bが形成されていない部分)の上方であることが好ましい。このような配置とすることで、例えば非常用洗浄液ノズル141の非作動時に、噴射孔から洗浄液の液滴が落下したとしても、ウェハW上に当該洗浄液の液滴を付着させることなく、カップ体123の内部へと導くことができる。
【0083】
また、かかる非常用洗浄液ノズル141の非作動時の、噴射孔からの洗浄液の液滴の落下を抑制するため、図9に示すように、非常用洗浄液ノズル141は、洗浄液供給ラインに残留した洗浄液を除去するためのエア供給ライン160をさらに備えていてもよい。これにより、たとえ洗浄液供給ライン内に洗浄液が残留していたとしても、エア供給ライン160からのエアの噴射により、当該残留した洗浄液を押し出し、非常用洗浄液ノズル141の外部へと排出することができる(エア吐出工程)。すなわち、非常用洗浄液ノズル141の噴射孔からの液滴の落下を防止することができる。かかるエアの噴射は、例えば前記非常時洗浄工程の後や、非常用洗浄液ノズル141の目詰まりを回避するための定期ダミーディスペンスの後、前記定期カップ洗浄の際に行われる。
【0084】
なお、かかるエアの噴射時間についても任意に設定できるものとし、例えば、予め前記制御部100に格納された処理レシピにしたがって行われるようにしてもよいし、アラームの発報を確認したオペレーターが操作画面上で適宜設定するようにしてもよい。
【0085】
また、噴射孔からの洗浄液の液滴の落下を抑制するための別の方法として、例えばサックバックバルブを洗浄液供給ラインに設けてもよい。
【0086】
また、非常用洗浄液ノズル141への洗浄液供給ラインには、図9に示したように、流量計200が設けられていてもよい。これにより、非常用洗浄液ノズル141から噴射される洗浄液の流量監視を行い、ウェハW上へ向けての洗浄液の噴射が適切に行われているかどうかを確認することができる。かかる流量監視は、オペレーターの目視により行われていてもよいし、前記制御部100により行われていてもよい。なお、かかる流量計200による流量監視は、ウェハW上の洗浄が適切に行うことができているかどうかを確認できればよく、少なくとも洗浄液流量の下限を監視できるものであればよい。
【0087】
なお前記した実施の形態では、非常用洗浄液ノズル141、141は、図8に示したように、被噴射領域A、Bが敢えて一部重複、すなわち干渉するようにその配置、噴射角度が設定されていたが、これに代えて図10に示したように、2つの非常用洗浄液ノズル141a、141bから噴射される洗浄液のウェハW上での被噴射領域E、Fが相互に干渉しないように配置されていてもよい。なお図示の都合上、被噴射領域E、Fの間には空隙が描図されているが、実際の装置では、もちろん当該空隙が存在せず、被噴射領域E、Fが隣接しているようにするのが好ましい。
【0088】
この図10の例によれば、非常用洗浄液ノズル141a、141bからの液流によってウェハW上の現像液やリンス液をウェハW外方に押し出すようにして、ウェハW上の現像液やリンス液を除去することができる。また図10に示した例では、ウェハWを回転させることで、ウェハWの全面においてウェハW上の現像液やリンス液を除去することになる。ウェハWを回転させないで、ウェハW上の全面の現像液やリンス液を除去する場合には、2つの被噴射領域E、FでウェハW上を全てカバーするようにその配置、噴射角度を設定すればよい。あるいは、被噴射領域E、F自体はウェハW上を全てカバーしなくとも、被噴射領域E、Fからの洗浄液の液流が、結果的にウェハW上を全てカバーするように、噴射領域、噴射角度、さらには噴射量、噴射速度等を設定すればよい。たとえば非常用洗浄液ノズル141a、141bに最も近い場所のみに被噴射領域を設定しても、当該被噴射領域からの洗浄液の液流が、図10に示したような広がり、領域をカバーするようになっていればよい。被噴射領域E、Fからの各液流もウェハW上で干渉しないように設定してもよい。
【0089】
例えば1の非常用洗浄液ノズルに複数の噴射口を扇状に配置してもよく、複数の非常用洗浄液ノズルを扇状に配置してもよい。いずれにしろ被噴射領域が干渉しないように非常用洗浄液ノズルからの洗浄液の噴射を調整することで、ウェハW上の現像液やリンス液をウェハW外方に効率よくかつ速やかに押し出すことが可能である。
【0090】
図11は、3つの非常用洗浄液ノズル141c、141d、141eから噴射される洗浄液のウェハW上での被噴射領域J、K、Lが相互に干渉しないように各非常用洗浄液ノズル141c、141d、141eが扇状に配置された例を示している。この例も図示の都合上、被噴射領域J、K、Lの間には空隙が描図されているが、実際の装置では当該空隙が存在せず、被噴射領域J、K、Lが隣接しているようにするのがよい。
【0091】
この図11の例によっても、非常用洗浄液ノズル141c〜141eからの液流によってウェハW上の現像液やリンス液をウェハW外方に押し出すようにして、ウェハW上の現像液やリンス液を除去することができる。また図11に示した例でも、ウェハWを回転させることで、ウェハWの全面においてウェハW上の現像液やリンス液を除去することになる。ウェハWを回転させないで、ウェハW上の全面の現像液やリンス液を除去する場合には、3つの被噴射領域J、K、LでウェハW上を全てカバーするようにその配置、噴射角度を設定すればよい。あるいは、被噴射領域J、K、L自体はウェハW上を全てカバーしなくとも、被噴射領域J、K、Lからの洗浄液の液流が、結果的にウェハW上を全てカバーするように、被噴射領域、噴射角度、噴射量、噴射速度等を設定すればよい。
【0092】
なお、本実施の形態に係る非常時動作は、半導体製造の後工程において現像処理装置30の停止が必要となった場合、すなわち、リワークができない場合に特に有効であるが、半導体製造の前工程において装置の停止が必要となった場合にも当然に適用することができる。
また異常発生とは、現像処理装置を構成する部材、部品等に動作不良や不具合が発生した場合のみならず、現像処理装置を備えたシステム全体の一部において、そのような動作不良や不具合が発生した場合も必要に応じて含めてもよい。またその他に、作業員の操作誤りや、ドアの開放等、所定の操作マニュアルに反した人為的行動も必要に応じて異常発生に含めてもよい。またこれらの場合、非常時動作を行なうケースを予め選択して、かかる異常発生による非常時動作を、たとえば制御部100にケースごとに入力しておくようにしてもよい。
【0093】
以上、実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0094】
1 基板処理システム
30 現像処理装置
100 制御部
110 処理容器
120 載置部
121 スピンチャック
123 カップ体
133 現像液供給ノズル
136 リンス液供給ノズル
137 溶剤供給ノズル
140 フィルタユニット
141 非常用洗浄液ノズル
142 アラーム発報部
150 洗浄液供給源
151 リンス液供給源
160 エア供給ライン
200 流量計
A、B 被噴射領域
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11