特開2019-205020(P2019-205020A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-205020(P2019-205020A)
(43)【公開日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】電子機器およびアドレス設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20191101BHJP
【FI】
   H04L12/28 200A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-97680(P2018-97680)
(22)【出願日】2018年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】相川 大亮
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA04
5K033BA03
5K033EC03
(57)【要約】
【課題】電子機器のアドレス設定作業に関する作業負担および作業コストを低減する。
【解決手段】ロータリーエンコーダ12の回転軸と機械的に連結されて、ロータリーエンコーダ12での回転操作に応じて発電する静電誘導型発電素子13を設け、静電誘導型発電素子13からの発電電圧Vgを整流回路DBで整流し動作電源として電源ラインPLへ供給して蓄電回路Cで蓄電し、制御回路18が、電源ラインPLに供給された動作電源で動作し、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2に基づいてアドレスの値を設定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されているアドレスを用いることにより、通信回線を介してデータ通信を行う電子機器であって、
回転操作を検出して出力するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダの回転軸と機械的に連結されて、前記ロータリーエンコーダでの回転操作に応じて発電する静電誘導型発電素子と、
前記静電誘導型発電素子からの発電電圧を整流し動作電源として電源ラインへ供給する整流回路と、
前記電源ラインに供給された前記動作電源を蓄電する蓄電回路と、
前記電源ラインに供給された前記動作電源で動作し、前記ロータリーエンコーダの検出出力に基づいて前記アドレスの値を設定する制御回路と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記制御回路は、プッシュスイッチの押下に応じて、前記ロータリーエンコーダの検出出力から計算した入力値を対象桁の桁値として確定するとともに前記対象桁を順にシフトし、すべての対象桁の桁値が確定した場合、これら桁値を連結して前記アドレスに設定する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記制御回路は、前記回転操作に応じて前記ロータリーエンコーダから出力される検出出力ごとに、前記検出出力が示す回転方向に応じて、前記入力値を初期値から増減するとともに、前記入力値を所定の範囲内で循環させることにより入力値を計算することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電子機器において、
前記制御回路は、前記ロータリーエンコーダの検出出力から計算した入力値を表示器で表示することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
通電時には商用電源から直流電圧を生成し前記動作電源として前記電源ラインへ供給する電源回路をさらに備えることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
予め設定されているアドレスを用いることにより、通信回線を介してデータ通信を行う電子機器で用いられるアドレス設定方法であって、
ロータリーエンコーダが、回転操作を検出して出力する検出ステップと、
静電誘導型発電素子が、前記ロータリーエンコーダの回転軸と機械的に連結されて、前記ロータリーエンコーダでの回転操作に応じて発電する発電ステップと、
整流回路が、前記静電誘導型発電素子からの発電電圧を整流し動作電源として電源ラインへ供給する整流ステップと、
蓄電回路が、前記電源ラインに供給された前記動作電源を蓄電する蓄電ステップと、
制御回路が、前記電源ラインに供給された前記動作電源で動作し、前記ロータリーエンコーダの検出出力に基づいて前記アドレスの値を設定する設定ステップと
を備えることを特徴とするアドレス設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信用のアドレスを電子機器に設定するためのアドレス設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空調制御システムや産業用制御システムなどの機器管理システムでは、これら端末機器やコントローラなどの電子機器に対して、それぞれの階層において識別可能なアドレスを予め設定し、このアドレスに基づいて電子機器間で通信回線を介したデータ通信が行われる。
したがって、新たな電子機器を設置する場合には、その電子機器に対してアドレスを設定する作業が必要となる。
【0003】
新たな電子機器を設置してアドレスを設定する際、電子機器が接続される盤に電源が供給されていない場合、盤から電子機器に対しても電源を供給できないため、結果として電子機器を起動できない。このため、電子機器に対してアドレスを設定できず、電源が供給されるまで電子機器に関する調整作業ができず作業効率が低下する原因となる。また、ロータリースイッチなどのメカニカルスイッチを電子機器に搭載することでアドレス設定自体は可能であるが、アドレスの桁数に合わせて複数のメカニカルスイッチを搭載する必要があり、電子機器の大型化やコストアップの要因にもなる。
【0004】
従来、このような電子機器のアドレスを設定する技術として、近距離無線通信(Near field radio communication;NFC)を用いて、電源給電がなされていない状態であっても、アドレス設定ツールから対象となる電子機器に対して、アドレス設定動作に必要な動作電源を無線給電した状態で、アドレスを設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。これにより、電子機器に対して電源が供給されていなくても、アドレスを設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−143327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、電子機器に対してアドレスを設定する際、電子機器に動作電源を無線給電する専用のアドレス設定ツールを用意して、電子機器が設置される現場まで持ち歩く必要がある。このため、電子機器のアドレス設定作業に関する、作業負担および作業コストが増大するという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、電子機器のアドレス設定作業に関する作業負担および作業コストを低減できるアドレス設定技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電子機器は、予め設定されているアドレスを用いることにより、通信回線を介してデータ通信を行う電子機器であって、回転操作を検出して出力するロータリーエンコーダと、前記ロータリーエンコーダの回転軸と機械的に連結されて、前記ロータリーエンコーダでの回転操作に応じて発電する静電誘導型発電素子と、前記静電誘導型発電素子からの発電電圧を整流し動作電源として電源ラインへ供給する整流回路と、前記電源ラインに供給された前記動作電源を蓄電する蓄電回路と、前記電源ラインに供給された前記動作電源で動作し、前記ロータリーエンコーダの検出出力に基づいて前記アドレスの値を設定する制御回路とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記電子機器の一構成例は、前記制御回路が、プッシュスイッチの押下に応じて、前記ロータリーエンコーダの検出出力から計算した入力値を対象桁の桁値として確定するとともに前記対象桁を順にシフトし、すべての対象桁の桁値が確定した場合、これら桁値を連結して前記アドレスに設定するようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記電子機器の一構成例は、前記制御回路が、前記回転操作に応じて前記ロータリーエンコーダから出力される検出出力ごとに、前記検出出力が示す回転方向に応じて、前記入力値を初期値から増減するとともに、前記入力値を所定の範囲内で循環させることにより入力値を計算するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記電子機器の一構成例は、前記制御回路が、前記ロータリーエンコーダの検出出力から計算した入力値を表示器で表示するようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかる上記電子機器の一構成例は、通電時には商用電源から直流電圧を生成し前記動作電源として前記電源ラインへ供給する電源回路をさらに備えている。
【0013】
また、本発明にかかるアドレス設定方法は、予め設定されているアドレスを用いることにより、通信回線を介してデータ通信を行う電子機器で用いられるアドレス設定方法であって、ロータリーエンコーダが、回転操作を検出して出力する検出ステップと、静電誘導型発電素子が、前記ロータリーエンコーダの回転軸と機械的に連結されて、前記ロータリーエンコーダでの回転操作に応じて発電する発電ステップと、整流回路が、前記静電誘導型発電素子からの発電電圧を整流し動作電源として電源ラインへ供給する整流ステップと、蓄電回路が、前記電源ラインに供給された前記動作電源を蓄電する蓄電ステップと、制御回路が、前記電源ラインに供給された前記動作電源で動作し、前記ロータリーエンコーダの検出出力に基づいて前記アドレスの値を設定する設定ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロータリーエンコーダでの回転操作に応じて静電誘導型発電素子で発電された動作電源により制御回路が動作して、アドレスが設定されることになる。このため、従来のように、電子機器に動作電源を無線給電する専用のアドレス設定ツールを用意して、電子機器が設置される現場まで持ち歩く、という必要がなくなる。したがって、電子機器のアドレス設定作業に関する作業負担および作業コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電子機器の構成を示すブロック図である。
図2】ロータリーエンコーダの検出出力を示すタイミングチャートである。
図3】アドレス設定処理を示すフローチャートである。
図4】3桁目の桁値設定例である。
図5】12桁目(最終桁)の桁値設定例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[電子機器]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる電子機器10について説明する。図1は、電子機器の構成を示すブロック図である。
この電子機器10は、予め設定されているアドレスを用いることにより、通信回線Lを介してデータ通信を行う電子機器であり、具体例としては、空調制御システムや産業用制御システムなどの機器管理システムで用いられる端末機器やコントローラがある。
【0017】
図1に示すように、電子機器10は、主な回路部として、電源回路11、電源ラインPL、ロータリーエンコーダ12、静電誘導型発電素子13、整流回路DB、蓄電回路C、プッシュスイッチ14、表示器15、記憶回路16、通信回路17、および制御回路18を備えている。
【0018】
電源回路11は、通電時、商用電源ACから直流電圧Vcを生成し、出力端子V+,V−から一対の電源ラインPLへ出力する機能を有している。
ロータリーエンコーダ12は、回転操作を検出して出力する機能を有している。
静電誘導型発電素子13は、エレクトレット(electret)の静電誘導を利用して発電する素子からなり、シャフトSを介してロータリーエンコーダ12の回転軸と機械的に連結されて、ロータリーエンコーダ12での回転操作に応じて発電する機能を有している。
【0019】
図2は、ロータリーエンコーダの検出出力を示すタイミングチャートである。ロータリーエンコーダ12は、2つの検出出力D1,D2を有しており、一定角度分だけ回転操作されるごとにD1,D2から1パルス分を出力する。この際、D1,D2は、回転方向に応じて出力されるタイミングが前後する。
【0020】
図2の例では、例えば時刻T1にD1がHレベルからLレベルに立下がった後、続く時刻T2にD2がHレベルからLレベルに立下がっている。これは、ロータリーエンコーダ12が左回転(時計と逆回転)に操作されたことを示している。
一方、例えば時刻T3にD2がHレベルからLレベルに立下がった後、続く時刻T4にD1がHレベルからLレベルに立下がっている。これは、ロータリーエンコーダ12が右回転(時計と同回転)に操作されたことを示している。
【0021】
ここで、アドレスADRの任意の対象桁の入力値を選択する場合、ロータリーエンコーダ12を右回転させた場合には入力値Nを1だけ増加させ、左回転させた場合には入力値Nを1だけ減少させるものと定義する。したがって、時刻T1,T2のケースでは、N=N−1を計算することにより入力値Nをデクリメントし、時刻T3,T4のケースでは、N=N+1を計算することにより入力値Nをインクリメントすればよい。なお、右回転でNデクリメントし左回転でNをインクリメントしてもよい。
【0022】
整流回路DBは、ダイオードブリッジなどの一般的な整流素子を有し、静電誘導型発電素子13からの発電電圧Vgを整流し動作電源として一対の電源ラインPLへ供給する機能を有している。
蓄電回路Cは、コンデンサなどの一般的な蓄電素子を有し、電源ラインPLに供給された動作電源を蓄電する機能を有している。
【0023】
プッシュスイッチ14は、一般的なスイッチからなり、押下操作を検出する機能を備えている。
表示器15は、例えば7セグメントLED(LCD)表示器などのセグメント表示器を有し、制御回路18から出力された値を表示する機能を有している。
記憶回路16は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、データ通信に用いるアドレスADRどの各種処理データを記憶する機能を有している。
通信回路17は、通信回線Lを介して他の機器との間でデータ通信を行う機能を有している。
【0024】
制御回路18は、電源ラインPLを介して電源端子Vcc,GNDに供給された動作電源に応じて起動する機能と、電子機器10全体の動作を制御する機能と、電源ラインPLに供給された動作電源で動作し、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2に基づいてアドレスの値を設定する機能とを有している。なお、制御回路18は、論理回路や順序回路の組み合わせで構成してもよく、CPUとプログラムとを協働させる構成してもよい。
【0025】
具体的には、制御回路18は、プッシュスイッチ14の押下に応じて、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から計算した入力値Nを対象桁Kの桁値A(K)として確定するとともに対象桁Kを順にシフトし、すべての対象桁Kの桁値Aが確定した場合、これら桁値を連結してアドレスADRに設定する機能を有している。
【0026】
また、制御回路18は、回転操作に応じてロータリーエンコーダ12から出力される検出出力D1,D2ごとに、検出出力D1,D2が示す回転方向に応じて、入力値Nを初期値から増減するとともに、入力値Nを所定の範囲内で循環させることにより入力値Nを計算する機能を有している。
【0027】
[本実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる電子機器10のアドレス設定動作について説明する。図3は、アドレス設定処理を示すフローチャートである。
停電時、アドレス設定時、任意の桁値を設定するため、ロータリーエンコーダ12が回転操作されることにより、静電誘導型発電素子13からの発電電圧Vgが整流回路DBで整流され、電源ラインPLを介して蓄電回路Cに蓄電され、制御回路18が起動される。これにより、制御回路18は、アドレス設定時、図3のアドレス設定処理を実行する。なお、通電時には、電源回路11からの直流電圧Vcが、整流回路DBからの出力電圧より高く設定されているため、Vcが電源ラインPLを介して制御回路18に供給される。
【0028】
ここでは、アドレスADRがIPアドレスであって、0〜9の数値(10進数)をとる12桁の桁値から構成されているものとする。なお、ADRはこれに限定されるものではなく、例えば0〜9,A,B,C,D,E,Fの数値(16進数)をとる12桁の桁値から構成されているMACアドレスを設定する場合にも同様にして適用可能である。
【0029】
まず、制御回路18は、ADRの各桁K(K=0〜11の整数)の桁値A(K)、入力値N、対象桁Kをゼロクリアする(ステップS100)。
次に、制御回路18は、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2を監視し(ステップS101)、D1,D2の立下がりを検出した場合(ステップS101:YES)、D1とD2の立下がりタイミングの前後関係を確認する(ステップS102)。
【0030】
ここで、D1よりD2の立下がりが後である場合(ステップS102:YES)、制御回路18は、前述した図2の例から、ロータリーエンコーダ12が左回りに操作されたと判定し、現在の入力値Nをデクリメント(N=N−1)する(ステップS103)。
一方、D1よりD2の立下がりが前である場合(ステップS102:NO)、制御回路18は、前述した図2の例から、ロータリーエンコーダ12が右回りに操作されたと判定し、現在の入力値Nをインクリメント(N=N+1)する(ステップS104)。
【0031】
この後、制御回路18は、入力値Nが値範囲0〜9を超えたかどうかチェックし、Nが0を下回った場合はNを9に循環させ、Nが9を上回った場合にはNを0に循環させる(ステップS105)。
続いて、制御回路18は、新たに計算したNを表示器15で表示した後、(ステップS106)、ステップS101へ戻る。
【0032】
一方、ステップS101において、D1,D2の立下がりが検出されなかった場合(ステップS101:NO)、制御回路18は、プッシュスイッチ14の押下を確認する(ステップS110)。
ここで、プッシュスイッチ14の押下を確認した場合(ステップS110:YES)、制御回路18は、対象桁Kの桁値A(K)に入力値Nを設定し(ステップS111)、入力値Nをゼロクリアする(ステップS112)。
この後、制御回路18は、全桁値の設定が完了したか確認し(ステップS113)、未設定の桁値が存在する場合(ステップS113:NO)、対象桁Kをシフト(K=K+1)させた後(ステップS114)、ステップS101へ戻る。
【0033】
一方、全桁値の設定が完了した場合(ステップS113:YES)、制御回路18は、全桁値A(0)〜A(9)を連結した値を記憶回路16のアドレスADRに設定し(ステップS115)、一連のアドレス設定処理を終了する。
【0034】
[動作例]
次に、図4および図5を参照して、アドレス設定動作の動作例について説明する。
図4は、3桁目の桁値設定例である。図5は、12桁目(最終桁)の桁値設定例である。
【0035】
まず、図4に示すように、時刻T10に、対象桁K=2となった場合、3桁目の桁値A(3)が設定対象桁として選択され、入力値Nおよび桁値A(2)はともにゼロクリアされている。なお、時刻T10より前の操作で、先頭桁から2桁目までの桁値が「19」に設定されているものとする。
【0036】
次の時刻T11に、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から右回りが検出された場合、Nがインクリメントされて「1」となる。
同じく次の時刻T12に、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から右回りが検出された場合、Nがインクリメントされて「2」となる。
【0037】
この後、時刻T13に、プッシュスイッチ14が押下された場合、その時点におけるNが桁値A(2)に設定される。
これにより、先頭桁から3桁目までの桁値が「192」に設定されたことになる。
【0038】
次に、図5に示すように、時刻T20に、対象桁K=11(最終桁)となった場合、12桁目の桁値A(11)が設定対象桁として選択され、入力値Nおよび桁値A(11)はともにゼロクリアされている。なお、時刻T20より前の操作で、先頭桁から10桁目までの桁値が「19216800110」に設定されているものとする。
【0039】
次の時刻T21に、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から左回りが検出された場合、Nがデクリメントされて「9」となる。
同じく次の時刻T22に、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から左回りが検出された場合、Nがデクリメントされて「8」となる。
同じく次の時刻T23に、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から左回りが検出された場合、Nがデクリメントされて「7」となる。
【0040】
この後、時刻T24に、プッシュスイッチ14が押下された場合、その時点におけるNが桁値A(11)に設定される。
これにより、先頭桁から最終桁までの桁値が「192168001107」に設定されたことになる。ここで、全桁値の設定が完了したことから、これら全桁値が連結された値「192168001107」がアドレスADRに設定されることになる。
【0041】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ロータリーエンコーダ12の回転軸と機械的に連結されて、ロータリーエンコーダ12での回転操作に応じて発電する静電誘導型発電素子13を設け、静電誘導型発電素子13からの発電電圧Vgを整流回路DBで整流し動作電源として電源ラインPLへ供給して蓄電回路Cで蓄電し、制御回路18が、電源ラインPLに供給された動作電源で動作し、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2に基づいてアドレスの値を設定するようにしたものである。
【0042】
これにより、ロータリーエンコーダ12での回転操作に応じて静電誘導型発電素子13で発電された動作電源により制御回路18が動作して、アドレスが設定されることになる。このため、従来のように、電子機器に動作電源を無線給電する専用のアドレス設定ツールを用意して、電子機器が設置される現場まで持ち歩く、という必要がなくなる。したがって、電子機器10のアドレス設定作業に関する作業負担および作業コストを低減することが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態において、制御回路18が、プッシュスイッチ14の押下に応じて、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から計算した入力値Nを対象桁Kの桁値A(K)として確定するとともに対象桁Kを順にシフトし、すべての対象桁の桁値が確定した場合、これら桁値を連結してアドレスADRに設定するようにしてもよい。
これにより、1つのロータリーエンコーダ12と1つのプッシュスイッチ14を設けるだけで複数桁のアドレスADRを容易に設定することが可能となる。
【0044】
また、本実施の形態において、制御回路18が、回転操作に応じてロータリーエンコーダ12から出力される検出出力D1,D2ごとに、検出出力D1,D2が示す回転方向に応じて、入力値Nを初期値から増減するとともに、入力値Nを所定の範囲内で循環させることにより入力値Nを計算するようにしてもよい。
これにより、ロータリーエンコーダ12の回転操作に応じて、いずれか一方向に増加または減少させる場合と比較して、少ない回転操作で所望の入力値Nを選択することができる。
【0045】
また、本実施の形態において、制御回路18が、ロータリーエンコーダ12の検出出力D1,D2から計算した入力値Nを表示器15で表示するようにしてもよい。これにより、ロータリーエンコーダ12の回転操作中、現在の入力値Nを目視で確認することが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態において、電源回路11が、通電時には商用電源ACから直流電圧Vcを生成し動作電源として電源ラインPLへ供給するようにしてもよい。これにより、制御回路18は、通電時と停電時の両方で、同様のアドレス設定動作を行うことができ、アドレス設定に必要となる構成の規模を削減できる。
【0047】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…電子機器、11…電源回路、12…ロータリーエンコーダ、13…静電誘導型発電素子、14…プッシュスイッチ、15…表示器、16…記憶回路、17…通信回路、18…制御回路、PL…電源ライン、DB…整流回路、C…蓄電回路、Vg…発電電圧、Vc…直流電圧、AC…商用電源、L…通信回線、S…シャフト、D1,D2…検出出力、K…対象桁、N…入力値、A(K)…桁値、ADR…アドレス。
図1
図2
図3
図4
図5