特開2019-206005(P2019-206005A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019206005-調湿装置 図000003
  • 特開2019206005-調湿装置 図000004
  • 特開2019206005-調湿装置 図000005
  • 特開2019206005-調湿装置 図000006
  • 特開2019206005-調湿装置 図000007
  • 特開2019206005-調湿装置 図000008
  • 特開2019206005-調湿装置 図000009
  • 特開2019206005-調湿装置 図000010
  • 特開2019206005-調湿装置 図000011
  • 特開2019206005-調湿装置 図000012
  • 特開2019206005-調湿装置 図000013
  • 特開2019206005-調湿装置 図000014
  • 特開2019206005-調湿装置 図000015
  • 特開2019206005-調湿装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-206005(P2019-206005A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】調湿装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20191108BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20191108BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20191108BHJP
【FI】
   B01D53/26 300
   B01D53/26 100
   F24F3/14
   F24F11/80
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2019-159524(P2019-159524)
(22)【出願日】2019年9月2日
(62)【分割の表示】特願2018-11127(P2018-11127)の分割
【原出願日】2018年1月26日
(31)【優先権主張番号】特願2017-11852(P2017-11852)
(32)【優先日】2017年1月26日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 尚利
(72)【発明者】
【氏名】大久保 英作
(72)【発明者】
【氏名】松井 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】成川 嘉則
【テーマコード(参考)】
3L053
3L260
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC03
3L260AA01
3L260AA04
3L260AA08
3L260AB12
3L260BA05
4D052AA08
4D052BA04
4D052CF01
4D052DA03
4D052DB01
4D052FA08
4D052GA01
4D052GA03
4D052GB00
4D052GB02
4D052GB03
4D052GB06
4D052HA14
4D052HA15
4D052HA49
4D052HB01
(57)【要約】
【課題】使用する液体吸収剤の種類を問わず除湿部における気液接触部の面積を大きくせずとも十分な除湿量を確保する。
【解決手段】吸収剤回路(15)には、液式除湿モジュール(21)、再生モジュール(31)、及び液式除湿モジュール(21)で利用される前の液体吸収剤を冷媒により冷却する液冷却熱交換器(46)が接続される。冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液式除湿モジュール(21)よりも被処理空気の流れ方向上流側に位置し、当該モジュール(21)で除湿される前の被処理空気を冷媒により冷却除湿する。液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液加熱熱交換器(44)と共に1の冷媒回路(40)に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吸収剤に被処理空気中の水分を吸収させて該被処理空気を除湿する液式除湿部(21)と、上記液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて上記液体吸収剤を再生する再生部(31)と、上記液式除湿部(21)及び上記再生部(31)の間で上記液体吸収剤を循環させることが可能なポンプ(37)と、が接続された吸収剤回路(15)と、
上記吸収剤回路(15)に接続され、上記液式除湿部(21)にて除湿に利用される前の上記液体吸収剤を冷媒によって冷却する液冷却熱交換器(46)と、
上記液式除湿部(21)よりも上記被処理空気の流れ方向上流側に位置し、上記液式除湿部(21)にて除湿される前の上記被処理空気を上記冷媒により冷却して除湿する冷媒冷却式除湿部(48)と
を備え、
上記液冷却熱交換器(46)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)は、上記再生部(31)にて再生される前の上記液体吸収剤を上記冷媒によって加熱する液加熱熱交換器(44)と共に、1の冷媒回路(40)に接続されている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記冷媒冷却式除湿部(48)及び上記液式除湿部(21)において除湿された上記被処理空気は室内へ供給され、
上記冷媒回路(40)には、更に、上記冷媒冷却式除湿部(48)通過後の上記冷媒を上記室内の空気以外の放熱流体に放熱させる放熱用熱交換器(43)が接続されている
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記冷媒回路(40)における上記冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、上記放熱用熱交換器(43)への上記放熱流体の供給を停止する供給制御部(51)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つにおいて、
上記被処理空気が、上記液式除湿部(21)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第1除湿運転モード、
上記被処理空気が、上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿されず上記液式除湿部(21)によって除湿される第2除湿運転モード、及び
上記被処理空気が、上記液式除湿部(21)によって除湿されず上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第3除湿運転モード、
のいずれかで動作されるように、上記吸収剤回路(15)及び上記冷媒回路(40)を制御するモード運転制御部(52)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
上記液式除湿部(21)にて除湿される前であって且つ上記冷媒冷却式除湿部(48)から流出した後の上記被処理空気の温度が、上記液式除湿部(21)に流入する上記液体吸収剤の温度以上となるように、上記冷媒回路(40)を制御する冷媒回路制御部(50)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内の湿度を調整する装置には、特許文献1に示すように、吸湿性を有する液体を液体吸収剤として用いたタイプがある。
【0003】
特許文献1の調湿装置は、室内を除湿する除湿部(処理機)と、除湿に利用された液体吸収剤を再生する再生部(再生機)とを備える。除湿部(処理機)は、冷却された液体吸収剤に被処理空気を通すことにより該空気中の水分を吸収して該空気を除湿する。再生部は、除湿に用いられた後加熱された液体吸収剤に再生用空気を通すことにより、該液体吸収剤の水分を空気中に放出して液体吸収剤を再生する。
【0004】
更に、特許文献1の除湿部は、気液接触部(コンタクタ)と液槽とを有する。冷却された液体吸収剤は、気液接触部において被処理空気と接触し、その後液槽に蓄えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−36093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、十分な除湿量を確保する方法として、除湿部の気液接触部の面積を大きくすることが考えられる。気液接触部の面積が大きい程、液体吸収剤と被処理空気との接触面が大きくなるからである。しかし、この方法を採用した場合、調湿装置が大型化する他、液体吸収剤の使用量も増加する。それ故、除湿装置のコストは高くなってしまう。また、液体吸収剤による除湿量が大きい程、再生部にて液体吸収剤を再生するために必要なエネルギーも大きくなってしまう。
【0007】
一方、吸湿性能の比較的高い液体を液体吸収剤として使用することにより、除湿能力を向上させることも考えられる。しかし、このような性質を有する液体は、塩化リチウム及び臭化リチウム等の僅かな種類に限られる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用する液体吸収剤の種類を問わず、且つ、除湿部の気液接触部の面積を大きくせずとも十分な除湿量を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、液体吸収剤に被処理空気中の水分を吸収させて該被処理空気を除湿する液式除湿部(21)と、上記液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて上記液体吸収剤を再生する再生部(31)と、上記液式除湿部(21)及び上記再生部(31)の間で上記液体吸収剤を循環させることが可能なポンプ(37)と、が接続された吸収剤回路(15)と、上記吸収剤回路(15)に接続され、上記液式除湿部(21)にて除湿に利用される前の上記液体吸収剤を冷媒によって冷却する液冷却熱交換器(46)と、上記液式除湿部(21)よりも上記被処理空気の流れ方向上流側に位置し、上記液式除湿部(21)にて除湿される前の上記被処理空気を上記冷媒により冷却して除湿する冷媒冷却式除湿部(48)とを備え、上記液冷却熱交換器(46)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)は、上記再生部(31)にて再生される前の上記液体吸収剤を上記冷媒によって加熱する液加熱熱交換器(44)と共に、1の冷媒回路(40)に接続されていることを特徴とする調湿装置である。
【0010】
ここでは、液体吸収剤は、冷媒回路(40)の液冷却熱交換器(46)にて冷媒により冷却され、その後、液式除湿部(21)に供給される。液式除湿部(21)では、液体吸収剤を用いて被処理空気から水分を吸収して、該空気を除湿する。一方で、液体吸収剤は、冷媒回路(40)の液加熱熱交換器(44)にて冷媒により加熱され、その後、再生部(31)に供給される。再生部(31)では、液式除湿部(21)にて被処理空気から水分を吸収することにより濃度が薄められた液体吸収剤が、逆に水分を再生用空気に放出することによって再生される。
【0011】
特に、ここでは、被処理空気は、先ずは冷媒回路(40)における冷媒冷却式除湿部(48)にて冷媒により冷却除湿され、その後に液式除湿部(21)にて除湿される。これにより、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部(21)において液体吸収剤と被処理空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。
【0012】
また、冷媒冷却式除湿部(48)、液冷却熱交換器(46)及び液加熱熱交換器(44)は、1の冷媒回路(40)に接続されている。従って、例えば冷媒の循環量を変化させる等により除湿の程度を制御することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒冷却式除湿部(48)及び上記液式除湿部(21)において除湿された上記被処理空気は室内へ供給され、上記冷媒回路(40)には、更に、上記冷媒冷却式除湿部(48)通過後の上記冷媒を上記室内の空気以外の放熱流体に放熱させる放熱用熱交換器(43)が接続されていることを特徴とする調湿装置である。
【0014】
吸収剤回路(15)では、再生部(31)は、液式除湿部(21)の除湿性能と釣り合う再生能力を有するものが使用される。一方で、被処理空気は、冷媒冷却式除湿部(48)及び液式除湿部(21)により2段階に分けて除湿される。そのため、冷媒冷却式除湿部(48)が被処理空気の冷却除湿の際に発熱した熱量(凝縮熱量)分の放熱手段が別途必要となる。ここでは、その放熱手段として、放熱用熱交換器(43)が更に備えられている。放熱用熱交換器(43)は、冷媒冷却式除湿部(48)通過後の冷媒を室内の空気以外に放熱させる。これにより、冷媒冷却式除湿部(48)における発熱分を放熱することができ、冷媒の凝縮温度の上昇が抑えられる。従って、冷媒の凝縮温度の上昇に伴う調湿装置(10)全体の除湿効率の悪化及び異常による除湿動作停止が生じることを回避できる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、上記冷媒回路(40)における上記冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、上記放熱用熱交換器(43)への上記放熱流体の供給を停止する供給制御部(51)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0016】
空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿部(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、冷媒冷却式除湿部(48)の発熱分を再生部(31)での再生空気への放熱分で十分に処理でき、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで、ここでは、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止することにより、放熱用熱交換器(43)における放熱流体と冷媒との熱交換動作が停止する。従って、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に放熱用熱交換器(43)にて熱交換動作が行われる場合よりも、液体吸収剤の再生温度は上昇し、液体吸収剤は十分に再生される。また、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止する分、エネルギーを削減することができる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか1つにおいて、上記被処理空気が、上記液式除湿部(21)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第1除湿運転モード、上記被処理空気が、上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿されず上記液式除湿部(21)によって除湿される第2除湿運転モード、及び上記被処理空気が、上記液式除湿部(21)によって除湿されず上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第3除湿運転モード、のいずれかで動作されるように、上記吸収剤回路(15)及び上記冷媒回路(40)を制御するモード運転制御部(52)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0018】
これにより、例えば空調負荷に応じた適切な除湿運転がなされる。
【0019】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記液式除湿部(21)にて除湿される前であって且つ上記冷媒冷却式除湿部(48)から流出した後の上記被処理空気の温度が、上記液式除湿部(21)に流入する上記液体吸収剤の温度以上となるように、上記冷媒回路(40)を制御する冷媒回路制御部(50)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0020】
これにより、冷媒冷却式除湿部(48)にて被処理空気を過度に冷却除湿してしまい、液式除湿部(21)での除湿量が非常に少なくなった結果、除湿装置(10)全体としての被処理空気の除湿効率が悪化することを回避できる。また、液式除湿部(21)での液体吸収剤による再熱ロスを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部(21)において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。また、冷媒の循環量等を変化させる等により、除湿の程度を制御することも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態1の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図2図2は、液式除湿モジュールにおける液体吸収剤の流れ方向と該液体吸収剤に接触する空気の流れ方向とが直交する関係にある、実施形態1の場合を示す図である。
図3図3は、液式除湿モジュールにおける液体吸収剤の流れ方向と該液体吸収剤に接触する空気の流れ方向とが対向する関係にある、従来技術の場合を示す図である。
図4図4は、実施形態2の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図5図5は、実施形態2の調湿装置が行う各運転モード1〜5における、除湿動作の有無、液体吸収剤の循環の有無、運転条件を表す表である。
図6図6は、実施形態2の調湿装置が運転モード1にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図7図7は、実施形態2の調湿装置が運転モード2にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図8図8は、実施形態2の調湿装置が運転モード3にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図9図9は、実施形態2の調湿装置が運転モード4にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図10図10は、実施形態2の調湿装置が運転モード5にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図11図11は、実施形態3における説明図であって、実施形態2の調湿装置の構成において温度検知センサ等が設けられた状態を示す図である。
図12図12は、実施形態3における説明図であって、実施形態1の調湿装置の構成において温度検知センサ等が設けられた状態を示す図である。
図13図13は、その他の実施形態に係る調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図14図14は、図13とは別の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0024】
≪実施形態1≫
<概要>
本実施形態1に係る調湿装置(10)は、オフィスビルや住宅などの内部空間(以下、室内)を、主に液体吸収剤を用いて除湿する装置である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態1に係る調湿装置(10)は、空気を除湿する除湿モジュール(20)を備える。除湿モジュール(20)は、液体吸収剤を用いて除湿する液式除湿モジュール(21)(液式除湿部に相当)と、冷媒を用いて除湿する冷媒冷却式除湿モジュール(48)(冷媒冷却式除湿部に相当)とを含む。
【0026】
このような調湿装置(10)は、液体吸収剤が循環する吸収剤回路(15)と、冷媒が循環する冷媒回路(40)とを備える。上記液式除湿モジュール(21)は、吸収剤回路(15)を構成する機器に含まれる。吸収剤回路(15)を構成する機器全ては、室内とは別の空間(例えば機械室)に設置される。冷媒回路(40)を構成する機器には、上記冷媒冷却式除湿モジュール(48)の他、圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)(放熱用熱交換器に相当)が含まれる。圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)は、室外機(41)に含まれ、屋外に設置される。冷媒回路(40)を構成する機器のうち、圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)以外の機器は、上記吸収剤回路(15)を構成する機器と同様、室内とは別の空間(例えば機械室)に設置される。
【0027】
−液体吸収剤−
上記液体吸収剤とは、空気中の水分(水蒸気)を吸収できる液体である。一般的に、調湿装置(10)にて用いられる液体吸収剤としては、塩化リチウム水溶液及び臭化リチウム水溶液が挙げられる。これらは、吸湿性能が優れているが、比較的高い腐食性を有する水溶液である。これらの水溶液を用いる場合、腐食防止のための対策を調湿装置(10)に別途講じる必要が生じるため、これらの水溶液を安全に使用することは困難である。
【0028】
これに対し、本実施形態1では、上記水溶液よりも吸湿性能は劣るものの腐食性が低い性質の液体を液体吸収剤として用いることができる。当該液体は、腐食性が低いため安全に使用することができる。このような液体としては、イオン液体が挙げられる。イオン液体とは、イオンで構成される塩であって、摂氏100度以下にて液体の状態である性質を有する。
【0029】
<調湿装置の構成>
調湿装置(10)は、上記吸収剤回路(15)と、上記冷媒回路(40)と、各回路(15,40)における各種制御を行うためのコントローラ(50)とを備える。
【0030】
−吸収剤回路−
吸収剤回路(15)は、液体吸収剤と空気との間における水分の授受を行うためのモジュールとして、上記液式除湿モジュール(21)、再生モジュール(31)(再生部に相当)を有する。更に、吸収剤回路(15)は、ポンプ(37)、流量調整弁(39)、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)を有する。吸収剤回路(15)は、各モジュール(21,31)及びポンプ(37)等が接続配管(15a〜15e)によって接続されることで構成されている。
【0031】
−液式除湿モジュール−
液式除湿モジュール(21)は、液体吸収剤に被処理空気中の水分を吸収させて該被処理空気を除湿する。具体的に、液式除湿モジュール(21)は、除湿側液体供給部(22)と、除湿側気液接触部(23)と、液槽(24)とを有する。
【0032】
除湿側液体供給部(22)は、例えば、接続配管(15a)の一端に接続された配管部分に、液体吸収剤を滴下するための滴下口が該配管部分の延設方向に並んで複数形成された構成を有する。
【0033】
除湿側気液接触部(23)は、親水性の充填材で構成されており、除湿側液体供給部(22)の下方に位置する。除湿側気液接触部(23)は、被処理空気である外気(OA)が供給されると、この外気(OA)を、除湿側液体供給部(22)から滴下された液体吸収剤と接触させる。これにより、除湿側気液接触部(23)を通過した外気(OA)に含まれる水分量は、通過前よりも少なくなっており、除湿された状態となっている。つまり、除湿側気液接触部(23)に滴下され外気(OA)と接触した後の液体吸収剤の濃度は、除湿側気液接触部(23)に滴下される前よりも薄くなっている。
【0034】
液槽(24)は、再生モジュール(31)よりも液式除湿モジュール(21)寄りであって、具体的には除湿側気液接触部(23)の下方に位置する。液槽(24)は、除湿側気液接触部(23)において外気(OA)と接触した後の液体吸収剤を受けるための除湿側液受部としての機能を兼ねており、除湿利用後の液体吸収剤を貯留する。即ち、本実施形態1に係る液式除湿モジュール(21)では、除湿側液受部と液槽とが併設されていない。これにより、除湿側液受部と液槽とを併設する場合に比して、調湿装置(10)のコスト上昇は抑えられる。
【0035】
−再生モジュール−
再生モジュール(31)は、液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて液体吸収剤を再生する。具体的に、再生モジュール(31)は、再生側液体供給部(32)と、再生側気液接触部(33)と、再生側液受部(34)とを有する。
【0036】
再生側液体供給部(32)は、例えば、接続配管(15b)の一端に接続された配管部分に、液体吸収剤を滴下するための滴下口が該配管部分の延設方向に並んで複数形成された構成を有する。
【0037】
再生側気液接触部(33)は、親水性の充填材で構成されており、再生側液体供給部(32)の下方に位置する。再生側気液接触部(33)は、再生用空気である室内空気(RA)が供給されると、この室内空気(RA)を、再生側液体供給部(32)から滴下された液体吸収剤と接触させる。これにより、滴下された液体吸収剤に含まれる水分量は、再生用空気に放出され、再生側気液接触部(33)を通過した液体吸収剤の濃度は、再生側気液接触部(33)に滴下される前よりも濃くなっている。
【0038】
再生側液受部(34)は、液式除湿モジュール(21)よりも再生モジュール(31)寄りであって、具体的には再生側気液接触部(33)の下方に位置する。再生側液受部(34)は、再生側気液接触部(33)において室内空気(RA)と接触し再生された液体吸収剤を受ける。再生側液受部(34)と液槽(24)とは、接続配管(15c)によって接続されており、再生側液受部(34)が受けた液体吸収剤(即ち、再生された液体吸収剤)は、接続配管(15c)を介して1つの液槽(24)に送られる。
【0039】
即ち、本実施形態1に係る液槽(24)には、液式除湿モジュール(21)の除湿側気液接触部(23)にて被処理空気(外気(OA))の除湿に利用された液体吸収剤と、再生モジュール(31)の再生側気液接触部(33)にて再生された液体吸収剤とが、混合されて貯留される。除湿に利用された液体吸収剤の濃度は、再生された液体吸収剤の濃度よりも薄い。従って、除湿に利用された濃度の薄い液体吸収剤と、再生された濃度の薄い液体吸収剤とが、1つの液槽(24)を共通のタンクとして貯留される。
【0040】
特に、接続配管(15c)は、再生側液受部(34)の底部を液入口とし、液槽(24)の側部を液出口として、再生側液受部(34)及び液槽(24)を繋いでいる。液出口は、液入口よりも下方にある。そのため、再生側液受部(34)から液槽(24)へは、重力(液体吸収剤の自重)を利用して流れ込むようになっている。従って、接続配管(15c)の間に、液体吸収剤を再生側液受部(34)から液槽(24)へと積極的に送るポンプ等の動力を設けずとも、再生された液体吸収剤と除湿に利用された液体吸収剤とを1つの液槽(24)に集めることができる。
【0041】
なお、液槽(24)自体が再生側液受部(34)よりも低い位置に設置されていることがより好ましい。これにより、液体吸収剤は、再生側液受部(34)から液槽(24)へと、重力によってより移動し易くなるためである。
【0042】
−ポンプ−
ポンプ(37)は、接続配管(15d)及び接続配管(15e)に接続されている。ポンプ(37)は、液槽(24)に貯留された液体吸収剤を、再び液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)それぞれに送る。即ち、ポンプ(37)は、液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)の間で液体吸収剤を循環させるためのものであると言える。
【0043】
ここで、接続配管(15d)は、一端が液槽(24)に接続され、他端がポンプ(37)の入力側に接続されている。接続配管(15e)は、一端がポンプ(37)の出力側に接続されている。接続配管(15e)の他端は、2経路に分岐し、一方の経路は液冷却熱交換器(46)に接続され、他方の経路は流量調整弁(39)を介して液加熱熱交換器(44)に接続されている。
【0044】
−流量調整弁−
流量調整弁(39)は、電磁比例弁で構成されており、開度を調節することで液体吸収剤の流量を調整する。液槽(24)に貯留された液体吸収剤は、ポンプ(37)から出た後、液冷却熱交換器(46)へのみならず、液加熱熱交換器(44)へと分岐して流れることができる。流量調整弁(39)の開度を調節することで、液冷却熱交換器(46)への液体吸収剤の供給量と液加熱熱交換器(44)への液体吸収剤の供給量とが所定の比率に調整される。
【0045】
−液加熱熱交換器−
液加熱熱交換器(44)は、例えばプレート式であって、図示していないが、液体吸収剤が通過する吸収剤通路と、冷媒が通過する冷媒通路とを有する。吸収剤通路の入口側は接続配管(15e)に接続され、吸収剤通路の出口側は接続配管(15b)を介して再生モジュール(31)の再生側液体供給部(32)に接続される。冷媒通路の入口側は、接続配管(40c)を介して放熱用凝縮器(43)に接続され、冷媒通路の出口側は、接続配管(40d)を介して膨張弁(45)に接続される。液加熱熱交換器(44)は、冷媒の凝縮器として機能し、吸収剤通路を通過する液体吸収剤と冷媒通路を通過する冷媒とを熱交換することにより、再生モジュール(31)にて再生される前の液体吸収剤を冷媒によって加熱する。液加熱熱交換器(44)を通過した後の液体吸収剤は、再生モジュール(31)に送られ、再生される。
【0046】
−液冷却熱交換器−
液冷却熱交換器(46)は、例えばプレート式であって、図示していないが、上記液加熱熱交換器(44)と同様、液体吸収剤が通過する吸収剤通路と、冷媒が通過する冷媒通路とを有する。吸収剤通路の入口側は接続配管(15e)に接続され、吸収剤通路の出口側は接続配管(15a)を介して液式除湿モジュール(21)の除湿側液体供給部(22)に接続される。冷媒通路の入口側は、接続配管(40e)を介して膨張弁(45)に接続され、冷媒通路の出口側は、接続配管(40f)を介して冷媒冷却式除湿モジュール(48)に接続される。液冷却熱交換器(46)は、冷媒の蒸発器として機能し、吸収剤通路を通過する液体吸収剤と冷媒通路を通過する冷媒とを熱交換する。具体的に、液冷却熱交換器(46)では、液式除湿モジュール(21)にて除湿に利用される前の液体吸収剤が、冷媒によって冷却される。液冷却熱交換器(46)を通過後の液体吸収剤は、液式除湿モジュール(21)に送られ、除湿に利用される。
【0047】
−冷媒回路−
冷媒回路(40)は、圧縮機(42)、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)、膨張弁(45)、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)が、接続配管(40a〜40f)によってこの順で直列に接続されることで構成されている。以下では、上述した液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)以外の冷媒回路(40)の構成機器について説明する。
【0048】
−圧縮機−
圧縮機(42)は、接続配管(40a)を介して冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒流れ方向下流側に位置し、冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機(42)は、容量可変式であって、図示しないインバータ回路によって回転数(運転周波数)が変更される。
【0049】
−放熱用凝縮器−
放熱用凝縮器(43)は、例えばフィンアンドチューブ式であって、冷媒の入口は接続配管(40b)を介して圧縮機(42)の吐出側に接続され、冷媒の出口は接続配管(40c)を介して液加熱熱交換器(44)における冷媒通路の入口と接続されている。即ち、放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒流れ方向下流側に位置する。放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過し圧縮機(42)から吐出された冷媒の熱を放熱流体に放出させて、該冷媒を凝縮する。放熱後の冷媒は、液加熱熱交換器(44)にて、更に液体吸収剤に放熱して凝縮する。
【0050】
ここで、上記放熱流体とは、室内の空気(RA)以外であって、例えば外気(OA)、水などが挙げられる。本実施形態1では、放熱流体が外気(OA)であって、放熱用凝縮器(43)は、外気(OA)と冷媒とを熱交換する空気−冷媒熱交換器である場合を例に取る。
【0051】
また、放熱用凝縮器(43)付近には、放熱用凝縮器(43)に放熱流体である外気(OA)を供給するためのファン(43a)が設置されている。ファン(43a)は、放熱用凝縮器(43)にて冷媒の放熱が必要な場合に運転するが、これについては、“−供給制御部−”にて説明する。
【0052】
−膨張弁−
膨張弁(45)は、電子膨張弁で構成されている。膨張弁(45)は、接続配管(40d)を介して液加熱熱交換器(44)における冷媒通路の出口側と接続され、接続配管(40e)を介して液冷却熱交換器(46)における冷媒通路の入口側と接続されている。膨張弁(45)は、開度を変更することで、冷媒回路(40)内を循環する冷媒を減圧する。
【0053】
−冷媒冷却式除湿モジュール−
冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、例えばフィンアンドチューブ式であって、被処理空気(外気(OA))を冷媒により冷却して除湿する。特に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液式除湿モジュール(21)よりも外気(OA)の流れ方向上流側に位置する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前の被処理空気(外気(OA))を冷却除湿する。即ち、本実施形態1では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の双方にて除湿され、その後供給空気(SA)として室内に供給される。
【0054】
冷媒冷却式除湿モジュール(48)の下方には、ドレンパン(48a)が設置されている。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、被処理空気(外気(OA))を冷却除湿した際に該空気から吸収した水分が冷媒冷却式除湿モジュール(48)の表面で結露して、下方に落下する。ドレンパン(48a)は、この結露水を回収するための受け皿である。ドレンパン(48a)は、ドレン排出配管(48b)と接続されており、当該ドレン排出配管(48b)を通じて結露水を調湿装置(10)の外部に排出する。
【0055】
このように、ドレンパン(48a)は、液式除湿モジュール(21)における液槽(24)とは別途設けられている。仮に、液槽(24)に結露水が混入すると、液槽(24)における液体吸収剤の濃度が混入しない場合に比べて低下し、液体吸収剤を再生モジュール(31)にて再生するのに必要なエネルギーが増大してしまう。しかし、ここでは、ドレンパン(48a)と液槽(24)とが別途設けられているため、上述したような問題が発生する可能性は低くなる。
【0056】
更に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)の間には、フィルタ(49)が位置している。フィルタ(49)は、液体吸収剤が液式除湿モジュール(21)側から冷媒冷却式除湿モジュール(48)側に飛散することを防止するとともに、結露水が冷媒冷却式除湿モジュール(48)側から液式除湿モジュール(21)側に飛散することを防止する。このフィルタ(49)により、液体吸収剤と結露水とが混ざる可能性は、確実に低くなっている。
【0057】
ところで、上記結露水は、ドレンパン(48a)及びドレン排出配管(48b)を介して屋外に排出される。そのため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が外気(OA)を冷却除湿した際の凝縮熱の放出手段が別途必要となる。本実施形態1では、当該凝縮熱の放出手段として、上述した放熱用凝縮器(43)が存在する。特に、放熱用凝縮器(43)は、屋外に排出された結露水に相当する気化熱分を回収するべく、上述のように、室内空気(RA)以外の放熱流体に放熱を行う。従って、冷媒の凝縮温度(凝縮圧力)の過度な上昇は抑えられ、凝縮温度(凝縮圧力)の過度な上昇を異常と判断して調湿装置(10)が運転を停止する事態を回避できる。
【0058】
このように、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液加熱熱交換器(44)と共に1の冷媒回路(40)に接続されている。本実施形態1では、ヒートポンプ熱源とも言える冷媒回路(40)を複数の回路の組合せで複雑に設けてはおらず、冷媒回路(40)の構成が簡略化されている。
【0059】
そして、本実施形態1に係る調湿装置(10)の除湿モジュール(20)は、上述の通り、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とを有する。それ故、イオン液体のように吸湿性能が比較的低い液体を液体吸収剤として用いても、更に、空調負荷が比較的高いとしても、被処理空気は2つのモジュール(48,21)により十分に除湿された状態にて室内に供給される。また、被処理空気の除湿を行うモジュール(48,21)が2つあるため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における除湿量と液式除湿モジュール(21)における除湿量の比を、設計段階や制御段階にて調整することも可能であり、設計の自由度が大きいと言える。
【0060】
一方で、調湿装置(10)の再生側は、液体吸収剤の再生モジュール(31)のみであり、冷媒冷却式除湿モジュールのような液体吸収剤以外を使用したモジュールは存在しない。つまり、再生側の構成は、除湿側に比べて簡略化されていると言える。
【0061】
−液式除湿モジュール(21)での空気流れ方向と液流れ方向との関係―
上述のように、液式除湿モジュール(21)の除湿側気液接触部(23)では、液体吸収剤と冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過後の被処理空気(外気(OA))とが接触して、外気(OA)は更に除湿される。図2に示すように、除湿側気液接触部(23)において液体吸収剤の流れ方向は上方から下方(即ち滴下方向)であるのに対し、この液体吸収剤に接触する外気(OA)の流れ方向は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)側から液式除湿モジュール(21)側(図1の右側から左側)である。つまり、除湿側気液接触部(23)では、液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とが交差(具体的には直交)している。
【0062】
図3は、従来例における液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とを表す。図3に示すように、従来例では、除湿側気液接触部(23)における液体吸収剤の流れ方向は、上方から下方(滴下方向)であって、本実施形態1の図2と同様である。しかしながら、この液体吸収剤に接触する外気(OA)の流れ方向は、液体吸収剤の流れ方向とは真逆であり、下方から上方である。つまり、図3では、液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とが対向流の関係にある。
【0063】
図2及び図3において、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過する外気(OA)の風量が同量であると仮定する。除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の圧力損失を抑えるためには、除湿側気液接触部(23)が受ける外気(OA)の風速を抑えることが考えられる。その一手法として、外気(OA)を受ける除湿側気液接触部(23)の面の面積を大きくすることが考えられる。
【0064】
対向流である図3(従来例)では、除湿側気液接触部(23)の外気(OA)を受ける面の面積を確保するために、液式除湿式モジュール(21)の設置面積を狭めることは困難である。従って、図3の従来例では、除湿モジュール(20)の小型化は望めない。
【0065】
しかし、直交流である図2(本実施形態)では、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(上下方向)の幅を短くすれば、液式除湿式モジュール(21)の設置面積を狭めることができ、除湿モジュール(20)の小型化が可能となる。
【0066】
また、対向流(従来例)において、図3に示すように、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(上下方向)の幅のみを狭めて除湿側気液接触部(23)の小型化を試みたとしても、液体吸収剤の拡散に必要な液流速を確保するために、液体吸収剤の流量はさほど変わらない。
【0067】
これに対し、直交流(本実施形態)では、図2に示すように、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(左右方向)の幅を狭めることで、液体吸収剤の流路幅が狭くなり、液流速は増加する。従って、液体吸収剤の必要流量を少なくしつつ、除湿側気液接触部(23)の小型化も図ることができる。
【0068】
以上より、本実施形態では、除湿モジュール(20)のサイズを従来例に比して小型にすることができる。更に、液体吸収剤の流量を減少させることも可能であるため、図1のポンプ(37)の動力を図3に比して小さくすることもできる。
【0069】
−コントローラ−
コントローラ(50)は、メモリ及びCPU等で構成されるマイクロコンピュータであって、調湿装置(10)を構成する各種機器(圧縮機(42)、ポンプ(37)、流量調整弁(39)、ファン(43a)、膨張弁(45))と電気的に接続されている。メモリ内に格納されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、コントローラ(50)は、接続された各種機器の動作を制御する。
【0070】
具体的に、本実施形態1に係るコントローラ(50)は、冷媒の凝縮温度に基づくファン(43a)の運転制御、空調負荷に基づく各弁(39,45)の開度制御及びポンプ(37)の運転制御等を行う。以下では、コントローラ(50)が有する機能部のうち、ファン(43a)の運転制御を行う機能部である供給制御部(51)について説明する。
【0071】
−供給制御部−
供給制御部(51)は、冷媒回路(40)における冷媒の凝縮温度が所定値を超える場合、ファン(43a)を運転させて放熱流体である外気(OA)を放熱用凝縮器(43)に供給させる。この場合、放熱用凝縮器(43)は、供給された外気(OA)に冷媒の熱を放出する。
【0072】
一方、供給制御部(51)は、冷媒回路(40)における冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、ファン(43a)の運転を停止させて放熱用凝縮器(43)への外気(OA)の供給を停止させる。この場合、放熱用凝縮器(43)において、冷媒の熱は外気(OA)には放出されない。
【0073】
冷媒の凝縮温度が所定値以下である場合にファン(43a)を運転させると、放熱用凝縮器(43)では、冷媒の凝縮温度が比較的低い状態であるにも拘わらず、冷媒は外気(OA)に放熱することとなる。すると、液加熱熱交換器(44)での液体吸収剤の加熱度合いは小さくなり、液体吸収剤は十分に再生できなくなってしまう。それ故、供給制御部(51)は、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、放熱用凝縮器(43)に外気(OA)を供給させないように制御する。この制御により、液体吸収剤の再生不足を回避できるため、調湿装置(10)の除湿能力の低下を抑制することができる。
【0074】
また、空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、除湿モジュール(20)側の発熱分を再生モジュール(31)での再生用空気への放熱分で十分に処理でき、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで冷媒の凝縮温度が所定値以下である場合、調湿装置(10)では、ファン(43a)を停止し、ファン(43a)での消費電力分を削減する。
【0075】
<調湿装置の動作>
ここでは、本実施形態1に係る調湿装置(10)の除湿動作について説明する。
【0076】
冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は冷媒の蒸発器として機能する。
【0077】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、膨張弁(45)で減圧され、液冷却熱交換器(46)に流入する。
【0078】
液冷却熱交換器(46)において、冷媒は、液体吸収剤から吸熱し、液体吸収剤を冷却する。その後、冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)に流入し、該モジュール(48)を通過する被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して蒸発し、当該空気を冷却除湿する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過後の冷媒は、圧縮機(42)に吸入される。
【0079】
吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動し、流量調整弁(39)は所定の開度に調節される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤は、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。除湿側気液接触部(23)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷房除湿された被処理空気(外気(OA))が供給され、滴下された液体吸収剤は、当該空気から水分を吸収して当該空気を除湿する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)の両方にて除湿された後の空気は、供給空気(SA)として室内に供給される。
【0080】
被処理空気(外気(OA))から水分を吸収した液体吸収剤は、濃度が薄まったものとなっており、除湿側気液接触部(23)の下部にある液槽(24)に貯留される。液槽(24)内の液体吸収剤は、接続配管(15d)を通過後、接続配管(15e)において液加熱熱交換器(44)側及び液冷却熱交換器(46)側それぞれに分岐して流れる。
【0081】
液加熱熱交換器(44)側に流れた液体吸収剤は、当該熱交換器(44)にて冷媒によって加熱され、その後再生モジュール(31)に流入する。再生モジュール(31)に流入した液体吸収剤は、再生側液体供給部(32)から再生側気液接触部(33)へと滴下される。再生側気液接触部(33)には、再生用空気(室内空気(RA))が供給され、滴下された液体吸収剤は、当該空気に水分を放出する。これにより、液体吸収剤は、濃度が高い状態となり、再生される。再生された液体吸収剤は、再生側気液接触部(33)の下部にある再生側液受部(34)にて一旦受け止められた後、接続配管(15c)を介して液槽(24)に貯留される。即ち、液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが入れられて混合される。
【0082】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0083】
液冷却熱交換器(46)側に流れた液体吸収剤は、当該熱交換器(46)にて冷媒によって冷却され、その後液式除湿モジュール(21)に流入する。液式除湿モジュール(21)に流入した液体吸収剤は、再び除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。
【0084】
<液槽における液体吸収剤について>
上述の通り、液槽(24)には、再生されて濃度が濃くなった液体吸収剤と、除湿に利用されて濃度が薄まった液体吸収剤とが入れられて、混合される。混合された液体吸収剤は上述の通り吸収剤回路(15)内を循環するが、本実施形態1では、この混合に伴って除湿能力の低下等が引き起こされるおそれは低い。これは、以下の理由による。
【0085】
除湿モジュール(20)では、上述したように、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の2つのモジュールにて2段階に亘って被処理空気(外気(OA))を除湿する構成となっている。特に、液式除湿モジュール(21)は、被処理空気の流れ方向下流側に位置するため、先に冷媒冷却式除湿モジュール(48)で冷却除湿された後の外気(OA)を、更に除湿する。それ故、液式除湿モジュール(21)の除湿量は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が設けられていない場合に比して低く、液式除湿モジュール(21)における液体吸収剤の濃度は、滴下前と滴下後とで約1%以下の程度しか変わらない。
【0086】
また、2段階に亘って被処理空気(外気(OA))を除湿する構成であるため、液式除湿モジュール(21)が除湿動作で使用する液体吸収剤の量は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が設けられておらず液式除湿モジュールのみで除湿を行う場合に比して少ない。それ故、液式除湿モジュール(21)において上記の程度濃度が変化した液体吸収剤が液槽(24)に入る量も、当然少なくなる。
【0087】
以上に鑑みると、液槽(24)において、再生されて濃度が濃くなった液体吸収剤と、除湿に利用されて濃度が薄まった液体吸収剤とが混合されても、当該混合による濃度変化の度合いは非常に小さいと言える。混合された液体吸収剤を液式除湿モジュール(21)の除湿に利用する本実施形態1での除湿能力は、仮に再生モジュール(31)で再生された直後の液体吸収剤を液式除湿モジュール(21)の除湿に直接使用したとした場合の除湿能力と比較しても、同程度である。
【0088】
従って、液式除湿モジュール(21)側及び再生モジュール(31)側それぞれに専用の液槽を設けるのではなく、本実施形態1のように、液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)の共通となる液槽(24)を、サイズを大型化させることなく設けることができる。サイズが大型化していない液槽(24)を1つ設けることから、調湿装置(10)のサイズを小さくすることができ、調湿装置(10)の製造コストも液槽(24)が1つで済むため削減することができる。
【0089】
<効果>
本実施形態1では、液体吸収剤は、液冷却熱交換器(46)にて冷媒により冷却され、その後、液式除湿モジュール(21)に供給される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤を用いて被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して、該空気を除湿する。一方で、液体吸収剤は、液加熱熱交換器(44)にて冷媒により加熱され、その後、再生モジュール(31)に供給される。再生モジュール(31)では、液式除湿モジュール(21)にて被処理空気から水分を吸収することにより濃度が薄められた液体吸収剤が、逆に水分を再生用空気に放出することによって再生される。
【0090】
特に、本実施形態1に係る上記被処理空気(外気(OA))は、先ずは冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷媒により冷却除湿され、その後に液式除湿モジュール(21)にて除湿され、室内に供給される。これにより、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿モジュール(21)において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。即ち、本実施形態1によれば、利用できる液体吸収剤の種類が増加する。
【0091】
また、除湿を、前段の冷媒冷却式除湿モジュール(48)と後段の液式除湿モジュール(21)とを用いて行うため、液体吸収剤の量は、液体吸収剤のみを用いて除湿を行う場合よりも少なくて済み、更にはその分液槽(24)の大きさを大きくする必要がないため、調湿装置(10)の小型化及びコストダウンを図ることができる。また、前段の冷媒冷却式除湿モジュール(48)の蒸発温度を、冷媒冷却式除湿モジュールのみで除湿する場合よりも高くすることができるため、除湿効率は良好となる。2段階で除湿を行うため、液式除湿モジュール(21)での除湿量が液式除湿モジュールのみで除湿を行う場合よりも抑えられ、再生のためのエネルギーを削減することもできる。
【0092】
更に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)、液冷却熱交換器(46)及び液加熱熱交換器(44)は、1の冷媒回路(40)に接続されている。従って、例えば冷媒の循環量を変化させる等により除湿の程度を制御することができる。
【0093】
また、本実施形態1では、放熱用凝縮器(43)が備えられている。放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)通過後の冷媒を室内の空気以外に放熱させるものである。これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における発熱分を放熱することができ、冷媒の凝縮温度の上昇が抑えられる。従って、冷媒の凝縮温度の上昇に伴う調湿装置(10)全体の除湿効率の悪化及び異常による除湿動作停止が生じることを回避できる。
【0094】
また、本実施形態1では、空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の発熱(吸着熱)分を再生モジュール(31)での再生用空気への放熱分で十分にまかなえ、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで本実施形態1では、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、ファン(43a)を停止して、放熱用凝縮器(43)への外気(OA)の供給を停止する。従って、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に放熱用凝縮器(43)にて熱交換動作が行われる場合よりも、液体吸収剤の再生温度は上昇し、液体吸収剤は十分に再生される。また、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止する分、ファン(43a)での消費電力分が削減される。
【0095】
≪実施形態2≫
<構成>
本実施形態2の調湿装置(10)の構成を図4に示す。図4では、吸収剤回路(15)の構成は図1と同様であるが、冷媒回路(40)の構成が図1とは若干異なる。なお、図4では、図1と対応する構成に、図1と同様の符合を付している。以下では、構成の異なる部分についてのみ説明する。
【0096】
液体吸収剤は、上記実施形態1と同様である。
【0097】
−冷媒回路−
冷媒回路(40)は、圧縮機(42)、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)、第1膨張弁(45a)、第2膨張弁(45b)、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)が、接続配線(40a〜40h)を介して接続されることで構成されている。放熱用凝縮器(43)付近には、ファン(43a)が配置されている。
【0098】
本実施形態2では、冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の接続構成が図1とは異なるが、それ以外の構成は図1で示した上記実施形態1と同様である。
【0099】
−第1膨張弁及び第2膨張弁−
液加熱熱交換器(44)の冷媒出口には、接続配管(40d)の一端が接続されている。接続配管(40d)の他端は、接続配管(40e)及び接続配管(40g)の一端それぞれと接続されている。つまり、冷媒の流れる経路は、接続配管(40d)の他端から2つに分岐されている。うち1経路である接続配管(40e)上には、第1膨張弁(45a)が接続され、他経路である接続配管(40g)上には、第2膨張弁(45b)が接続されている。
【0100】
第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は、電子膨張弁で構成されている。第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は、開度を変更することで、冷媒回路(40)を循環する冷媒を減圧し、また、接続配管(40e,40f)及び接続配管(40g,40h)それぞれを流れる冷媒の流量を調整する。
【0101】
接続配管(40e)の他端は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒の入口と接続され、接続配管(40g)の他端は、液冷却熱交換器(46)の冷媒通路の入口と接続されている。第1膨張弁(45a)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、第2膨張弁(45b)及び液冷却熱交換器(46)と並列に接続されている。従って、冷媒冷却式除湿モジュール(48)には、第1膨張弁(45a)にて減圧され流入量が調節された冷媒が流入し、液冷却熱交換器(46)には、第2膨張弁(45b)にて減圧され流入量が調節された冷媒が流入する。
【0102】
−コントローラ−
本実施形態2に係る調湿装置(10)は、コントローラ(50)を備える。コントローラ(50)は、ファン(43a)の運転を制御する供給制御部(51)としての機能の他、以下に述べるモード運転制御部(52)としての機能も有する。
【0103】
−モード運転制御部−
空調負荷の程度によっては、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は必要とせず、液式除湿モジュール(21)のみによって被処理空気の除湿を行えばよい場合や、その逆の場合もあり得る。例えば、顕熱負荷の処理のみを必要とする場合であっても、上記実施形態1に示すように、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の双方を用いて除湿を行うとなれば、顕熱負荷の処理のみならず潜熱負荷の処理にもエネルギーが費やされることになる。上記実施形態1の構成では、潜熱負荷の処理に費やされるエネルギーと顕熱負荷の処理に費やされるエネルギーとの比率を調整することは困難である。
【0104】
そこで、図5に示すように、モード運転制御部(52)は、主に空調負荷の状態に応じて、調湿装置(10)の運転モードを以下の5つのいずれかに切り換えるように、吸収剤回路(15)及び冷媒回路(40)を制御する。これにより、ポンプ(37)や圧縮機(42)を不要な場合は停止させることができ、これらの機器(37,42)の消費電力量を削減することができる。
(運転モード1)液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の両方によって被処理空気が除湿され、且つ、冷媒が冷媒回路(40)内を循環するモード
(運転モード2)被処理空気は液式除湿モジュール(21)のみで除湿され、且つ、冷媒が冷媒回路(40)内を循環するモード
(運転モード3)被処理空気は液式除湿モジュール(21)のみで除湿され、且つ、冷媒は循環せずに液体吸収剤が吸収剤回路(15)内を循環するモード
(運転モード4)被処理空気は冷媒冷却式除湿モジュール(48)のみで除湿され、液体吸収剤は吸収剤回路(15)内を循環しないモード
(運転モード5)被処理空気は冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)で除湿されるが、液体吸収剤の加熱及び冷却は行われず、液体吸収剤は吸収剤回路(15)内を循環するモード
上記運転モード1及び上記運転モード5は、第1除湿運転モードに相当する。上記運転モード2及び上記運転モード3は、第2除湿運転モードに相当する。上記運転モード4は、第3除湿運転モードに相当する。
【0105】
図5に示すように、上記運転モード1は、空調負荷が第1所定負荷以上である高負荷時に選択される。運転モード1では、外気(OA)は双方の除湿モジュール(21,48)で除湿されるため、潜熱負荷及び顕熱負荷が共に高い場合に好適である。
【0106】
上記運転モード2は、空調負荷が、第1所定負荷を下回っており、且つ、第1所定負荷よりも低い第2所定負荷以上である中負荷時に選択される。また、運転モード2では、外気(OA)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)では冷却除湿されずに液式除湿モジュール(21)にて除湿されるため、空調負荷が、顕熱負荷はさほど高くはないが潜熱負荷が高いような場合にも好適である。
【0107】
上記運転モード3は、空調負荷が第2所定負荷を下回る時に低負荷時に選択される。
【0108】
上記運転モード4では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)では除湿されず冷媒冷却式除湿モジュール(48)でのみ冷却除湿される。そのため、上記運転モード4は、空調負荷が、顕熱負荷は高いものの潜熱負荷はさほど高くないような場合、即ち、積極的に顕熱負荷を処理するべき時に選択される。また、運転モード4は、例えば調湿装置(10)の立ち上げ時にも好適である。
【0109】
上記運転モード5は、除湿モジュール(20)で除湿に利用される直前の液体吸収剤の濃度が既に比較的高く、除湿直前にあえて液冷却熱交換器(46)で冷却せずとも良い場合に選択される。
【0110】
なお、空調負荷は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における温度及び湿度、室内の目標温度及び目標湿度に基づいて算出することができる。一例としては、目標温度と流入口における外気(OA)の温度との差から顕熱負荷が算出され、目標湿度と流入口における外気(OA)の湿度との差から潜熱負荷が算出されてもよい。
【0111】
このように、主に空調負荷に応じて運転モードを切り換えることにより、潜熱処理及び顕熱処理の優先度合いを適宜変化させることができる。
【0112】
<調湿装置の動作>
各運転モード1〜5での調湿装置(10)の動作について、図6図10を用いて説明する。
【0113】
−運転モード1−
冷媒回路(40)では、冷媒が液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)に分岐されて流れる。
【0114】
具体的には、図6に示すように、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は冷媒の蒸発器として機能する。第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は共に所定の開度を有する。
【0115】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱用流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、接続配管(40d)から接続配管(40e)及び接続配管(40g)に分岐して流れる。各接続配管(40e,40g)に流れる冷媒は、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)それぞれにて減圧される。
【0116】
第1膨張弁(45a)にて減圧された冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において、該モジュール(48)を通過する被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して蒸発し、外当該空気を冷却除湿する。第2膨張弁(45b)にて減圧された冷媒は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤から吸熱して蒸発する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した冷媒と、液冷却熱交換器(46)から流出した冷媒は、接続配管(40h,40f,,40a)の合流点にて合流し、圧縮機(42)に吸入される。
【0117】
吸収剤回路(15)では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の加熱及び冷却が行われる。具体的な吸収剤回路(15)の動作は、上記実施形態1に係る吸収剤回路(15)の動作と同様であるため、説明は省略する。
【0118】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とで順に除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0119】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0120】
−運転モード2−
冷媒回路(40)においては、図7に示すように、接続配管(40e,40f)を冷媒が流れないため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)では被処理空気(外気(OA))の冷却除湿が行われず、ドレンパン(48a)に結露水は貯留されないが、それ以外は図6と同様である。
【0121】
具体的に、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)は冷媒の蒸発器として機能する。第1膨張弁(45a)は全閉の状態であって、第2膨張弁(45b)は所定の開度を有する。
【0122】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱用流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、接続配管(40e)へは流れず、全て接続配管(40g)に流れ、第2膨張弁(45b)にて減圧される。減圧された冷媒は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後圧縮機(42)に吸入される。
【0123】
吸収剤回路(15)では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の加熱及び冷却が行われる。具体的な吸収剤回路(15)の動作は、上記実施形態1に係る吸収剤回路(15)の動作と同様であるため、説明は省略する。
【0124】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)のみにて除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0125】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0126】
−運転モード3−
図8に示すように、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転を停止し、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は共に全閉の状態である。従って、運転モード3では、冷媒は、冷媒回路(40)内を循環せず、冷媒回路(40)は、吸収剤回路(15)のヒートポンプ熱源としては機能しない。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、被処理空気(外気(OA))の冷却除湿は行われず、ドレンパン(48a)に結露水は貯留されない。
【0127】
吸収剤回路(15)では、液体吸収剤は循環するが、液体吸収剤は冷媒との間での熱交換を行わない。即ち、液体吸収剤の加熱及び冷却は行われない。液式除湿モジュール(21)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)で冷房除湿されていない被処理空気(外気(OA))が通過する。
【0128】
具体的に、吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動し、流量調整弁(39)は所定の開度に調節される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤は、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。除湿側気液接触部(23)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)で調湿されてない被処理空気(外気(OA))が通過し、滴下された液体吸収剤は、当該空気から水分を吸収して該空気を除湿する。液式除湿モジュール(21)にて除湿された後の空気は、供給空気(SA)として室内に供給される。
【0129】
被処理空気(外気(OA))から水分を吸収し濃度が薄まった液体吸収剤は、液槽(24)に一旦貯留され、その後液加熱熱交換器(44)側及び液冷却熱交換器(46)側それぞれに流れる。
【0130】
液加熱熱交換器(44)側に流れた液体吸収剤は、冷媒と熱交換することなく当該熱交換器(44)を通過して再生モジュール(31)に流入する。再生モジュール(31)に流入した液体吸収剤は、再生側液体供給部(32)から再生側気液接触部(33)へと滴下される。再生側気液接触部(33)に滴下された液体吸収剤は、供給された再生用空気(室内空気(RA))に水分を放出して濃度が高い状態となり、再生される。当該液体吸収剤は、その後再生側液受部(34)にて一旦受け止められ、接続配管(15c)を介して液槽(24)に貯留される。
【0131】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0132】
液冷却熱交換器(46)側に流れた液体吸収剤は、冷媒と熱交換することなく当該熱交換器(46)を通過して液式除湿モジュール(21)に流入する。液式除湿モジュール(21)に流入した液体吸収剤は、再び除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。
【0133】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)のみにて除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0134】
特に、運転モード3では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)にて液体吸収剤が冷媒によって加熱及び冷却がなされない。従って、運転モード3における被処理空気(外気(OA))の除湿の程度は、上記運転モード2よりも低くなる。
【0135】
−運転モード4−
図9に示すように、吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動せず、吸収剤回路(15)内を液体吸収剤は循環しない。従って、吸収剤回路(15)では、液式除湿モジュール(21)での除湿動作、再生モジュール(31)の再生動作、各熱交換器(44,46)での液体吸収剤と冷媒との熱交換動作(即ち、液体吸収剤の加熱及び冷却)は行われない。
【0136】
冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、第1膨張弁(45a)は所定の開度を有し、第2膨張弁(45b)は全閉の状態である。冷媒は、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の間を循環するが、液冷却熱交換器(46)には流れない。
【0137】
具体的に、圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて被処理空気(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)に流入する。当該冷媒は、液体吸収剤と熱交換することなく液加熱熱交換器(44)を通過すると、接続配管(40d)から接続配管(40g)へは流れずに、接続配管(40d)から接続配管(40e)に全て流れ、第1膨張弁(45a)にて減圧される。減圧された冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において被処理空気(外気(OA))を冷却除湿して蒸発し、その後圧縮機(42)に吸入される。
【0138】
これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において冷却除湿された被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)で更に除湿されることなく、供給空気(SA)として室内に供給される。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、ドレンパン(48a)に結露水が貯留され、当該結露水は、ドレン排出配管(48b)を介して排出される。
【0139】
また、吸収剤回路(15)内を液体吸収剤は循環しないため、各モジュール(21,31)からの液体吸収剤が液槽(24)に流入することはない。
【0140】
−運転モード5−
図10に示すように、冷媒回路(40)では、図9に係る上記運転モード4と同様の動作が行われる。吸収剤回路(15)では、上記運転モード4とは異なり、比較的濃い濃度の液体吸収剤が循環する。この運転モード5では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において、液体吸収剤が冷媒によって加熱及び冷却がなされない。しかしながら、液体吸収剤の濃度が比較的濃いため、液式除湿モジュール(21)において除湿動作が行われる。
【0141】
これにより、除湿モジュール(20)では、外気(OA)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とにおいて順に除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、循環し続ける比較的濃い液体吸収剤が貯留される。
【0142】
−運転モードの選択について−
上記動作をまとめると、上記運転モード2,3は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を使用しないモードと言うことができる。上記運転モード3,4,5は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の冷却がなされないモードと言うことができる。
【0143】
冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における温度が比較的高い場合に用いられると良い。液冷却熱交換器(46)は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における湿度が比較的高く、液体吸収剤を用いた除湿動作が必要な場合に用いられると良い。
【0144】
従って、室内の温度及び湿度の双方が高い場合は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)での被処理空気(外気(OA))の冷却除湿のみならず、液式除湿モジュール(21)で除湿に利用される前の液体吸収剤を液冷却熱交換器(46)にて除湿する動作も行われる、上記運転モード1が望ましいと言える。
【0145】
<効果>
本実施形態2に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1に係る効果に加え、以下の効果を奏する。
【0146】
本実施形態2では、上述した運転モード1〜5いずれかで動作されるように、モード運転制御部(52)は、吸収剤回路(15)及び冷媒回路(40)を制御する。これにより、例えば空調負荷に応じた適切な除湿運転がなされる。
【0147】
≪実施形態3≫
上記実施形態1,2それぞれにおいて、更に、液体吸収剤の温度及び被処理空気(外気(OA))の温度が“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”の条件を満たすように、コントローラ(50)(冷媒回路制御部に相当)が冷媒回路(40)を制御してもよい。即ち、本実施形態に係るコントローラ(50)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の被処理空気(外気(OA))の温度が、液式除湿モジュール(21)に流入する液体吸収剤の温度以上となるように、冷媒回路(40)を制御する。
【0148】
図11を用いて、液体吸収剤の温度及び外気(OA)の温度それぞれの測定手法と、冷媒回路(40)の制御手法とについて、一例を説明する。図11は、上記実施形態2において、本実施形態の上記制御が行われる場合の調湿装置(10)の構成を図示している。
【0149】
図11に示すように、調湿装置(10)には、外気(OA)の温度を測定する空気温度センサ(T1)、液体吸収剤の温度を測定する液温度センサ(T2)が設けられている。空気温度センサ(T1)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の外気(OA)の出口付近に設けられ、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の外気(OA)の温度を検知する。液温度センサ(T2)は、除湿側液体供給部(22)における液体吸収剤の滴下口付近に設けられ、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される液体吸収剤の温度を検知する。
【0150】
また、調湿装置(10)には、2つの温湿度センサ(T3,T4)が更に設けられている。温湿度センサ(T3)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の外気(OA)の入口付近に設けられ、冷媒冷却式除湿モジュール(48)に供給される外気(OA)(即ち除湿前の外気(OA))の温度及び湿度を検知する。温湿度センサ(T4)は、再生モジュール(31)の室内空気(RA)の入口付近に設けられ、再生モジュール(31)に供給される室内空気(RA)(即ち液体吸収剤の再生に利用される前の室内空気)の温度及び湿度を検知する。
【0151】
コントローラ(50)は、温湿度センサ(T4)によって検知された室内空気(RA)の湿度または室内への供給空気(SA)の設定温度と、温湿度センサ(T3)によって検知された外気(OA)の温度および湿度とに応じて、液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度の各目標値を決定する。各目標値は、“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”を満たす演算式等を用いて、決定されることが好ましい。
【0152】
なお、上記演算式は、机上計算または実験式等によって定められる。
【0153】
次いで、コントローラ(50)は、空気温度センサ(T1)の実際の検出値が冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度の目標値に達し、且つ、液温度センサ(T2)の実際の検出値が液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度の目標値に達するように、圧縮機(42)の出力である回転数(運転周波数)、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)それぞれの開度を調節する。
【0154】
図12は、上記実施形態1において、本実施形態の上記制御が行われる場合の調湿装置(10)の構成を図示している。図12においても、上述した説明と同様に、“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”の条件を満たすように冷媒回路(40)を制御する手法を採用できる。
【0155】
<効果>
本実施形態では、上記実施形態1,2に係る効果に加えて以下の効果を奏する。
【0156】
本実施形態に係るコントローラ(50)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の外気(OA)の温度が、液式除湿モジュール(21)に流入する液体吸収剤の温度以上となるように、冷媒回路(40)を制御する。これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて外気(OA)を過度に冷却除湿してしまい、液式除湿モジュール(21)での除湿量が非常に少なくなった結果、除湿装置(10)全体としての外気(OA)の除湿効率が悪化することを回避できる。また、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷却除湿した外気(OA)を液式除湿モジュール(21)にて液体吸収剤で再熱するような、いわゆる再熱ロスの発生を防ぐことができる。
【0157】
≪その他の実施形態≫
図13に示すように、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は複数設けられていても良い。図13では、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が第1モジュール(48c)と第2モジュール(48d)とを有する場合を例示している。
【0158】
第1モジュール(48c)及び第2モジュール(48d)は、被処理空気である外気(OA)の流れ方向に対し、第2モジュール(48d)が第1モジュール(48c)よりも空気の流れ方向上流側に位置するように配置されている。第1モジュール(48c)は、冷媒回路(40)(例えば、図1の液冷却熱交換器(46)及び圧縮機(42))に接続されており、第2モジュール(48d)は、冷媒回路(40)及び吸収剤回路(15)のいずれにも接続されていない。これにより、被処理空気である外気(OA)は、先ずは第2モジュール(48d)にて顕熱処理がなされ、その後第1モジュール(48c)にて冷却除湿される。冷却除湿された後の被処理空気は、更に、液式除湿モジュール(21)にて液体吸収剤により除湿される。即ち、図13では、外気(OA)は3段階にて調湿される。これにより、図1及び図4に比して、顕熱負荷と潜熱負荷をより適した温度で処理することができ、除湿効率は良好となる。
【0159】
特に、図13では、第2モジュール(48d)が、例えば地中熱交や冷却塔等に接続された場合を例示している。これにより、第2モジュール(48d)では、異熱源を有効利用することができる。更に、第2モジュール(48d)と第1モジュール(48c)とで熱源が異なるため、第2モジュール(48d)における被処理空気の調湿度合と第1モジュール(48c)における被処理空気の調湿度合とを、確実に分けることができる。
【0160】
放熱用凝縮器(43)が放熱する放熱流体は、室内の空気(RA)以外であればよく、水であってもよい。この場合、放熱用凝縮器(43)は冷媒と水との熱交換器で構成される。室外機(41)には、図1及び図4のファン(43a)が設けられない代わりに、図14に示すように、水を放熱用凝縮器(43)に供給するためのポンプ(62)を有する水循環回路(61)が設けられるとよい。これにより、放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における冷媒の凝縮熱を水に放出することができる。
【0161】
放熱用凝縮器(43)及びファン(43a)は必須ではなく、設けられていなくても良い。
【0162】
放熱用凝縮器(43)が設けられているとしても、放熱用凝縮器(43)への放熱流体の供給が停止される条件は、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に限定されない。例えば、供給制御部(51)は、潜熱負荷が所定負荷以下である場合に、放熱用凝縮器(43)にて処理するべき冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量は存在しないと判断して、ファン(43a)の運転を停止してもよい。この場合、供給制御部(51)は、潜熱負荷が所定負荷を超える場合、放熱用凝縮器(43)にて処理するべき冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量が存在すると判断して、ファン(43a)を運転させる。潜熱負荷が所定負荷を超えるか否かは、外気(OA)の露点温度が冷媒の蒸発温度よりも高いか否かによって判断されてもよい。即ち、再生モジュール(31)の放熱分のみでは2つの除湿モジュール(21,48)の発熱量を処理することができない程に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がある場合に、ファン(43a)が運転して放熱用凝縮器(43)での放熱が行われる。
【0163】
上記実施形態2に係る複数の運転モード1〜5は、上記実施形態2で記載した条件以外で切り換えられても良い。
【0164】
上記実施形態3において、液体吸収剤の温度は、液温度センサ(T2)を用いて直接的に検知する代わりに、例えば液冷却熱交換器(46)に連結された配管内の温度等を用いて推定されてもよい。また、被処理空気(外気(OA))の温度は、空気温度センサ(T1)を用いて直接的に検知する代わりに、例えば温湿度センサ(T3)の検知結果等を用いて推定されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0165】
以上説明したように、本発明は、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。そのため、本発明は、サイズの大きい調湿装置が設置困難な場所にも設置することができる調湿装置として有用である。
【符号の説明】
【0166】
10 調湿装置
15 吸収剤回路
21 液式除湿モジュール(液式除湿部)
31 再生部
37 ポンプ
40 冷媒回路
43 放熱用凝縮器(放熱用熱交換器)
46 液冷却熱交換器
48 冷媒冷却式除湿モジュール(冷媒冷却式除湿部)
50 コントローラ(冷媒回路制御部)
51 供給制御部
52 モード運転制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2019年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内の湿度を調整する装置には、特許文献1に示すように、吸湿性を有する液体を液体吸収剤として用いたタイプがある。
【0003】
特許文献1の調湿装置は、室内を除湿する除湿部(処理機)と、除湿に利用された液体吸収剤を再生する再生部(再生機)とを備える。除湿部(処理機)は、冷却された液体吸収剤に被処理空気を通すことにより該空気中の水分を吸収して該空気を除湿する。再生部は、除湿に用いられた後加熱された液体吸収剤に再生用空気を通すことにより、該液体吸収剤の水分を空気中に放出して液体吸収剤を再生する。
【0004】
更に、特許文献1の除湿部は、気液接触部(コンタクタ)と液槽とを有する。冷却された液体吸収剤は、気液接触部において被処理空気と接触し、その後液槽に蓄えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−36093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、十分な除湿量を確保する方法として、除湿部の気液接触部の面積を大きくすることが考えられる。気液接触部の面積が大きい程、液体吸収剤と被処理空気との接触面が大きくなるからである。しかし、この方法を採用した場合、調湿装置が大型化する他、液体吸収剤の使用量も増加する。それ故、除湿装置のコストは高くなってしまう。また、液体吸収剤による除湿量が大きい程、再生部にて液体吸収剤を再生するために必要なエネルギーも大きくなってしまう。
【0007】
一方、吸湿性能の比較的高い液体を液体吸収剤として使用することにより、除湿能力を向上させることも考えられる。しかし、このような性質を有する液体は、塩化リチウム及び臭化リチウム等の僅かな種類に限られる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用する液体吸収剤の種類を問わず、且つ、除湿部の気液接触部の面積を大きくせずとも十分な除湿量を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、調湿装置(10)であって、液体吸収剤に外気中の水分を吸収させて該外気を除湿する液式除湿部(21)と、上記液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて上記液体吸収剤を再生する再生部(31)と、上記液式除湿部(21)及び上記再生部(31)の間で上記液体吸収剤を循環させることが可能なポンプ(37)と、が接続された吸収剤回路(15)と、上記吸収剤回路(15)に接続され、上記液式除湿部(21)にて除湿に利用される前の上記液体吸収剤を冷媒によって冷却する液冷却熱交換器(46)と、上記液式除湿部(21)よりも上記外気の流れ方向上流側に位置し、上記液式除湿部(21)にて除湿される前の上記外気を上記冷媒により冷却して除湿する冷媒冷却式除湿部(48)とを備え、上記液冷却熱交換器(46)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)は、上記再生部(31)にて再生される前の上記液体吸収剤を上記冷媒によって加熱する液加熱熱交換器(44)と共に、1の冷媒回路(40)に接続され、上記冷媒冷却式除湿部(48)及び上記液式除湿部(21)において除湿された上記外気は室内へ供給され、上記冷媒回路(40)には、更に、上記冷媒冷却式除湿部(48)通過後の上記冷媒を上記室内の空気以外の放熱流体に放熱させる放熱用熱交換器(43)が接続され、上記再生部(31)が上記液体吸収剤の再生に用いる上記再生用空気は、上記室内の空気であって、上記放熱用熱交換器(43)が放熱する上記放熱流体とは異なり、かつ上記液体吸収剤の再生に用いられた後に屋外へ排出され、上記液式除湿部(21)は、上記ポンプ(37)に接続され、上記外気と接触した後の上記液体吸収剤を受ける液槽(24)を有し、上記液槽(24)とは別途設けられ、上記冷媒冷却式除湿部(48)で生じる結露水を受けて上記調湿装置(10)の外部に排出するドレンパン(48a)を備えることを特徴とする調湿装置である。
【0010】
ここでは、液体吸収剤は、冷媒回路(40)の液冷却熱交換器(46)にて冷媒により冷却され、その後、液式除湿部(21)に供給される。液式除湿部(21)では、液体吸収剤を用いて外気から水分を吸収して、該空気を除湿する。一方で、液体吸収剤は、冷媒回路(40)の液加熱熱交換器(44)にて冷媒により加熱され、その後、再生部(31)に供給される。再生部(31)では、液式除湿部(21)にて外気から水分を吸収することにより濃度が薄められた液体吸収剤が、逆に水分を再生用空気に放出することによって再生される。
【0011】
特に、ここでは、外気は、先ずは冷媒回路(40)における冷媒冷却式除湿部(48)にて冷媒により冷却除湿され、その後に液式除湿部(21)にて除湿される。これにより、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部(21)において液体吸収剤と外気との接触面積をあえて大きくせずとも、外気を十分に除湿することができる。
【0012】
また、冷媒冷却式除湿部(48)、液冷却熱交換器(46)及び液加熱熱交換器(44)は、1の冷媒回路(40)に接続されている。従って、例えば冷媒の循環量を変化させる等により除湿の程度を制御することができる。
【0013】
さらに、吸収剤回路(15)では、再生部(31)は、液式除湿部(21)の除湿性能と釣り合う再生能力を有するものが使用される。一方で、外気は、冷媒冷却式除湿部(48)及び液式除湿部(21)により2段階に分けて除湿される。そのため、冷媒冷却式除湿部(48)が外気の冷却除湿の際に発熱した熱量(凝縮熱量)分の放熱手段が別途必要となる。ここでは、その放熱手段として、放熱用熱交換器(43)が更に備えられている。放熱用熱交換器(43)は、冷媒冷却式除湿部(48)通過後の冷媒を室内の空気以外に放熱させる。これにより、冷媒冷却式除湿部(48)における発熱分を放熱することができ、冷媒の凝縮温度の上昇が抑えられる。従って、冷媒の凝縮温度の上昇に伴う調湿装置(10)全体の除湿効率の悪化及び異常による除湿動作停止が生じることを回避できる。
【0014】
の発明は、第の発明において、上記冷媒回路(40)における上記冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、上記放熱用熱交換器(43)への上記放熱流体の供給を停止する供給制御部(51)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0015】
空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿部(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、冷媒冷却式除湿部(48)の発熱分を再生部(31)での再生空気への放熱分で十分に処理でき、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで、ここでは、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止することにより、放熱用熱交換器(43)における放熱流体と冷媒との熱交換動作が停止する。従って、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に放熱用熱交換器(43)にて熱交換動作が行われる場合よりも、液体吸収剤の再生温度は上昇し、液体吸収剤は十分に再生される。また、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止する分、エネルギーを削減することができる。
【0016】
の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記外気が、上記液式除湿部(21)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第1除湿運転モード、上記外気が、上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿されず上記液式除湿部(21)によって除湿される第2除湿運転モード、及び上記外気が、上記液式除湿部(21)によって除湿されず上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第3除湿運転モード、のいずれかで動作されるように、上記吸収剤回路(15)及び上記冷媒回路(40)を制御するモード運転制御部(52)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0017】
これにより、例えば空調負荷に応じた適切な除湿運転がなされる。
【0018】
の発明は、第1の発明から第の発明のいずれか1つにおいて、上記液式除湿部(21)にて除湿される前であって且つ上記冷媒冷却式除湿部(48)から流出した後の上記外気の温度が、上記液式除湿部(21)に流入する上記液体吸収剤の温度以上となるように、上記冷媒回路(40)を制御する冷媒回路制御部(50)、を更に備えることを特徴とする調湿装置である。
【0019】
これにより、冷媒冷却式除湿部(48)にて外気を過度に冷却除湿してしまい、液式除湿部(21)での除湿量が非常に少なくなった結果、除湿装置(10)全体としての外気の除湿効率が悪化することを回避できる。また、液式除湿部(21)での液体吸収剤による再熱ロスを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部(21)において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、外気を十分に除湿することができる。また、冷媒の循環量等を変化させる等により、除湿の程度を制御することも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施形態1の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図2図2は、液式除湿モジュールにおける液体吸収剤の流れ方向と該液体吸収剤に接触する空気の流れ方向とが直交する関係にある、実施形態1の場合を示す図である。
図3図3は、液式除湿モジュールにおける液体吸収剤の流れ方向と該液体吸収剤に接触する空気の流れ方向とが対向する関係にある、従来技術の場合を示す図である。
図4図4は、実施形態2の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図5図5は、実施形態2の調湿装置が行う各運転モード1〜5における、除湿動作の有無、液体吸収剤の循環の有無、運転条件を表す表である。
図6図6は、実施形態2の調湿装置が運転モード1にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図7図7は、実施形態2の調湿装置が運転モード2にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図8図8は、実施形態2の調湿装置が運転モード3にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図9図9は、実施形態2の調湿装置が運転モード4にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図10図10は、実施形態2の調湿装置が運転モード5にて運転する場合の、液体吸収剤の流れ及び冷媒の流れを示す図である。
図11図11は、実施形態3における説明図であって、実施形態2の調湿装置の構成において温度検知センサ等が設けられた状態を示す図である。
図12図12は、実施形態3における説明図であって、実施形態1の調湿装置の構成において温度検知センサ等が設けられた状態を示す図である。
図13図13は、その他の実施形態に係る調湿装置の構成を概略的に示す図である。
図14図14は、図13とは別の調湿装置の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0023】
≪実施形態1≫
<概要>
本実施形態1に係る調湿装置(10)は、オフィスビルや住宅などの内部空間(以下、室内)を、主に液体吸収剤を用いて除湿する装置である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態1に係る調湿装置(10)は、空気を除湿する除湿モジュール(20)を備える。除湿モジュール(20)は、液体吸収剤を用いて除湿する液式除湿モジュール(21)(液式除湿部に相当)と、冷媒を用いて除湿する冷媒冷却式除湿モジュール(48)(冷媒冷却式除湿部に相当)とを含む。
【0025】
このような調湿装置(10)は、液体吸収剤が循環する吸収剤回路(15)と、冷媒が循環する冷媒回路(40)とを備える。上記液式除湿モジュール(21)は、吸収剤回路(15)を構成する機器に含まれる。吸収剤回路(15)を構成する機器全ては、室内とは別の空間(例えば機械室)に設置される。冷媒回路(40)を構成する機器には、上記冷媒冷却式除湿モジュール(48)の他、圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)(放熱用熱交換器に相当)が含まれる。圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)は、室外機(41)に含まれ、屋外に設置される。冷媒回路(40)を構成する機器のうち、圧縮機(42)及び放熱用凝縮器(43)以外の機器は、上記吸収剤回路(15)を構成する機器と同様、室内とは別の空間(例えば機械室)に設置される。
【0026】
−液体吸収剤−
上記液体吸収剤とは、空気中の水分(水蒸気)を吸収できる液体である。一般的に、調湿装置(10)にて用いられる液体吸収剤としては、塩化リチウム水溶液及び臭化リチウム水溶液が挙げられる。これらは、吸湿性能が優れているが、比較的高い腐食性を有する水溶液である。これらの水溶液を用いる場合、腐食防止のための対策を調湿装置(10)に別途講じる必要が生じるため、これらの水溶液を安全に使用することは困難である。
【0027】
これに対し、本実施形態1では、上記水溶液よりも吸湿性能は劣るものの腐食性が低い性質の液体を液体吸収剤として用いることができる。当該液体は、腐食性が低いため安全に使用することができる。このような液体としては、イオン液体が挙げられる。イオン液体とは、イオンで構成される塩であって、摂氏100度以下にて液体の状態である性質を有する。
【0028】
<調湿装置の構成>
調湿装置(10)は、上記吸収剤回路(15)と、上記冷媒回路(40)と、各回路(15,40)における各種制御を行うためのコントローラ(50)とを備える。
【0029】
−吸収剤回路−
吸収剤回路(15)は、液体吸収剤と空気との間における水分の授受を行うためのモジュールとして、上記液式除湿モジュール(21)、再生モジュール(31)(再生部に相当)を有する。更に、吸収剤回路(15)は、ポンプ(37)、流量調整弁(39)、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)を有する。吸収剤回路(15)は、各モジュール(21,31)及びポンプ(37)等が接続配管(15a〜15e)によって接続されることで構成されている。
【0030】
−液式除湿モジュール−
液式除湿モジュール(21)は、液体吸収剤に被処理空気中の水分を吸収させて該被処理空気を除湿する。具体的に、液式除湿モジュール(21)は、除湿側液体供給部(22)と、除湿側気液接触部(23)と、液槽(24)とを有する。
【0031】
除湿側液体供給部(22)は、例えば、接続配管(15a)の一端に接続された配管部分に、液体吸収剤を滴下するための滴下口が該配管部分の延設方向に並んで複数形成された構成を有する。
【0032】
除湿側気液接触部(23)は、親水性の充填材で構成されており、除湿側液体供給部(22)の下方に位置する。除湿側気液接触部(23)は、被処理空気である外気(OA)が供給されると、この外気(OA)を、除湿側液体供給部(22)から滴下された液体吸収剤と接触させる。これにより、除湿側気液接触部(23)を通過した外気(OA)に含まれる水分量は、通過前よりも少なくなっており、除湿された状態となっている。つまり、除湿側気液接触部(23)に滴下され外気(OA)と接触した後の液体吸収剤の濃度は、除湿側気液接触部(23)に滴下される前よりも薄くなっている。
【0033】
液槽(24)は、再生モジュール(31)よりも液式除湿モジュール(21)寄りであって、具体的には除湿側気液接触部(23)の下方に位置する。液槽(24)は、除湿側気液接触部(23)において外気(OA)と接触した後の液体吸収剤を受けるための除湿側液受部としての機能を兼ねており、除湿利用後の液体吸収剤を貯留する。即ち、本実施形態1に係る液式除湿モジュール(21)では、除湿側液受部と液槽とが併設されていない。これにより、除湿側液受部と液槽とを併設する場合に比して、調湿装置(10)のコスト上昇は抑えられる。
【0034】
−再生モジュール−
再生モジュール(31)は、液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて液体吸収剤を再生する。具体的に、再生モジュール(31)は、再生側液体供給部(32)と、再生側気液接触部(33)と、再生側液受部(34)とを有する。
【0035】
再生側液体供給部(32)は、例えば、接続配管(15b)の一端に接続された配管部分に、液体吸収剤を滴下するための滴下口が該配管部分の延設方向に並んで複数形成された構成を有する。
【0036】
再生側気液接触部(33)は、親水性の充填材で構成されており、再生側液体供給部(32)の下方に位置する。再生側気液接触部(33)は、再生用空気である室内空気(RA)が供給されると、この室内空気(RA)を、再生側液体供給部(32)から滴下された液体吸収剤と接触させる。これにより、滴下された液体吸収剤に含まれる水分量は、再生用空気に放出され、再生側気液接触部(33)を通過した液体吸収剤の濃度は、再生側気液接触部(33)に滴下される前よりも濃くなっている。
【0037】
再生側液受部(34)は、液式除湿モジュール(21)よりも再生モジュール(31)寄りであって、具体的には再生側気液接触部(33)の下方に位置する。再生側液受部(34)は、再生側気液接触部(33)において室内空気(RA)と接触し再生された液体吸収剤を受ける。再生側液受部(34)と液槽(24)とは、接続配管(15c)によって接続されており、再生側液受部(34)が受けた液体吸収剤(即ち、再生された液体吸収剤)は、接続配管(15c)を介して1つの液槽(24)に送られる。
【0038】
即ち、本実施形態1に係る液槽(24)には、液式除湿モジュール(21)の除湿側気液接触部(23)にて被処理空気(外気(OA))の除湿に利用された液体吸収剤と、再生モジュール(31)の再生側気液接触部(33)にて再生された液体吸収剤とが、混合されて貯留される。除湿に利用された液体吸収剤の濃度は、再生された液体吸収剤の濃度よりも薄い。従って、除湿に利用された濃度の薄い液体吸収剤と、再生された濃度の薄い液体吸収剤とが、1つの液槽(24)を共通のタンクとして貯留される。
【0039】
特に、接続配管(15c)は、再生側液受部(34)の底部を液入口とし、液槽(24)の側部を液出口として、再生側液受部(34)及び液槽(24)を繋いでいる。液出口は、液入口よりも下方にある。そのため、再生側液受部(34)から液槽(24)へは、重力(液体吸収剤の自重)を利用して流れ込むようになっている。従って、接続配管(15c)の間に、液体吸収剤を再生側液受部(34)から液槽(24)へと積極的に送るポンプ等の動力を設けずとも、再生された液体吸収剤と除湿に利用された液体吸収剤とを1つの液槽(24)に集めることができる。
【0040】
なお、液槽(24)自体が再生側液受部(34)よりも低い位置に設置されていることがより好ましい。これにより、液体吸収剤は、再生側液受部(34)から液槽(24)へと、重力によってより移動し易くなるためである。
【0041】
−ポンプ−
ポンプ(37)は、接続配管(15d)及び接続配管(15e)に接続されている。ポンプ(37)は、液槽(24)に貯留された液体吸収剤を、再び液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)それぞれに送る。即ち、ポンプ(37)は、液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)の間で液体吸収剤を循環させるためのものであると言える。
【0042】
ここで、接続配管(15d)は、一端が液槽(24)に接続され、他端がポンプ(37)の入力側に接続されている。接続配管(15e)は、一端がポンプ(37)の出力側に接続されている。接続配管(15e)の他端は、2経路に分岐し、一方の経路は液冷却熱交換器(46)に接続され、他方の経路は流量調整弁(39)を介して液加熱熱交換器(44)に接続されている。
【0043】
−流量調整弁−
流量調整弁(39)は、電磁比例弁で構成されており、開度を調節することで液体吸収剤の流量を調整する。液槽(24)に貯留された液体吸収剤は、ポンプ(37)から出た後、液冷却熱交換器(46)へのみならず、液加熱熱交換器(44)へと分岐して流れることができる。流量調整弁(39)の開度を調節することで、液冷却熱交換器(46)への液体吸収剤の供給量と液加熱熱交換器(44)への液体吸収剤の供給量とが所定の比率に調整される。
【0044】
−液加熱熱交換器−
液加熱熱交換器(44)は、例えばプレート式であって、図示していないが、液体吸収剤が通過する吸収剤通路と、冷媒が通過する冷媒通路とを有する。吸収剤通路の入口側は接続配管(15e)に接続され、吸収剤通路の出口側は接続配管(15b)を介して再生モジュール(31)の再生側液体供給部(32)に接続される。冷媒通路の入口側は、接続配管(40c)を介して放熱用凝縮器(43)に接続され、冷媒通路の出口側は、接続配管(40d)を介して膨張弁(45)に接続される。液加熱熱交換器(44)は、冷媒の凝縮器として機能し、吸収剤通路を通過する液体吸収剤と冷媒通路を通過する冷媒とを熱交換することにより、再生モジュール(31)にて再生される前の液体吸収剤を冷媒によって加熱する。液加熱熱交換器(44)を通過した後の液体吸収剤は、再生モジュール(31)に送られ、再生される。
【0045】
−液冷却熱交換器−
液冷却熱交換器(46)は、例えばプレート式であって、図示していないが、上記液加熱熱交換器(44)と同様、液体吸収剤が通過する吸収剤通路と、冷媒が通過する冷媒通路とを有する。吸収剤通路の入口側は接続配管(15e)に接続され、吸収剤通路の出口側は接続配管(15a)を介して液式除湿モジュール(21)の除湿側液体供給部(22)に接続される。冷媒通路の入口側は、接続配管(40e)を介して膨張弁(45)に接続され、冷媒通路の出口側は、接続配管(40f)を介して冷媒冷却式除湿モジュール(48)に接続される。液冷却熱交換器(46)は、冷媒の蒸発器として機能し、吸収剤通路を通過する液体吸収剤と冷媒通路を通過する冷媒とを熱交換する。具体的に、液冷却熱交換器(46)では、液式除湿モジュール(21)にて除湿に利用される前の液体吸収剤が、冷媒によって冷却される。液冷却熱交換器(46)を通過後の液体吸収剤は、液式除湿モジュール(21)に送られ、除湿に利用される。
【0046】
−冷媒回路−
冷媒回路(40)は、圧縮機(42)、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)、膨張弁(45)、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)が、接続配管(40a〜40f)によってこの順で直列に接続されることで構成されている。以下では、上述した液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)以外の冷媒回路(40)の構成機器について説明する。
【0047】
−圧縮機−
圧縮機(42)は、接続配管(40a)を介して冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒流れ方向下流側に位置し、冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機(42)は、容量可変式であって、図示しないインバータ回路によって回転数(運転周波数)が変更される。
【0048】
−放熱用凝縮器−
放熱用凝縮器(43)は、例えばフィンアンドチューブ式であって、冷媒の入口は接続配管(40b)を介して圧縮機(42)の吐出側に接続され、冷媒の出口は接続配管(40c)を介して液加熱熱交換器(44)における冷媒通路の入口と接続されている。即ち、放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒流れ方向下流側に位置する。放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過し圧縮機(42)から吐出された冷媒の熱を放熱流体に放出させて、該冷媒を凝縮する。放熱後の冷媒は、液加熱熱交換器(44)にて、更に液体吸収剤に放熱して凝縮する。
【0049】
ここで、上記放熱流体とは、室内の空気(RA)以外であって、例えば外気(OA)、水などが挙げられる。本実施形態1では、放熱流体が外気(OA)であって、放熱用凝縮器(43)は、外気(OA)と冷媒とを熱交換する空気−冷媒熱交換器である場合を例に取る。
【0050】
また、放熱用凝縮器(43)付近には、放熱用凝縮器(43)に放熱流体である外気(OA)を供給するためのファン(43a)が設置されている。ファン(43a)は、放熱用凝縮器(43)にて冷媒の放熱が必要な場合に運転するが、これについては、“−供給制御部−”にて説明する。
【0051】
−膨張弁−
膨張弁(45)は、電子膨張弁で構成されている。膨張弁(45)は、接続配管(40d)を介して液加熱熱交換器(44)における冷媒通路の出口側と接続され、接続配管(40e)を介して液冷却熱交換器(46)における冷媒通路の入口側と接続されている。膨張弁(45)は、開度を変更することで、冷媒回路(40)内を循環する冷媒を減圧する。
【0052】
−冷媒冷却式除湿モジュール−
冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、例えばフィンアンドチューブ式であって、被処理空気(外気(OA))を冷媒により冷却して除湿する。特に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液式除湿モジュール(21)よりも外気(OA)の流れ方向上流側に位置する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前の被処理空気(外気(OA))を冷却除湿する。即ち、本実施形態1では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の双方にて除湿され、その後供給空気(SA)として室内に供給される。
【0053】
冷媒冷却式除湿モジュール(48)の下方には、ドレンパン(48a)が設置されている。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、被処理空気(外気(OA))を冷却除湿した際に該空気から吸収した水分が冷媒冷却式除湿モジュール(48)の表面で結露して、下方に落下する。ドレンパン(48a)は、この結露水を回収するための受け皿である。ドレンパン(48a)は、ドレン排出配管(48b)と接続されており、当該ドレン排出配管(48b)を通じて結露水を調湿装置(10)の外部に排出する。
【0054】
このように、ドレンパン(48a)は、液式除湿モジュール(21)における液槽(24)とは別途設けられている。仮に、液槽(24)に結露水が混入すると、液槽(24)における液体吸収剤の濃度が混入しない場合に比べて低下し、液体吸収剤を再生モジュール(31)にて再生するのに必要なエネルギーが増大してしまう。しかし、ここでは、ドレンパン(48a)と液槽(24)とが別途設けられているため、上述したような問題が発生する可能性は低くなる。
【0055】
更に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)の間には、フィルタ(49)が位置している。フィルタ(49)は、液体吸収剤が液式除湿モジュール(21)側から冷媒冷却式除湿モジュール(48)側に飛散することを防止するとともに、結露水が冷媒冷却式除湿モジュール(48)側から液式除湿モジュール(21)側に飛散することを防止する。このフィルタ(49)により、液体吸収剤と結露水とが混ざる可能性は、確実に低くなっている。
【0056】
ところで、上記結露水は、ドレンパン(48a)及びドレン排出配管(48b)を介して屋外に排出される。そのため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が外気(OA)を冷却除湿した際の凝縮熱の放出手段が別途必要となる。本実施形態1では、当該凝縮熱の放出手段として、上述した放熱用凝縮器(43)が存在する。特に、放熱用凝縮器(43)は、屋外に排出された結露水に相当する気化熱分を回収するべく、上述のように、室内空気(RA)以外の放熱流体に放熱を行う。従って、冷媒の凝縮温度(凝縮圧力)の過度な上昇は抑えられ、凝縮温度(凝縮圧力)の過度な上昇を異常と判断して調湿装置(10)が運転を停止する事態を回避できる。
【0057】
このように、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、液加熱熱交換器(44)と共に1の冷媒回路(40)に接続されている。本実施形態1では、ヒートポンプ熱源とも言える冷媒回路(40)を複数の回路の組合せで複雑に設けてはおらず、冷媒回路(40)の構成が簡略化されている。
【0058】
そして、本実施形態1に係る調湿装置(10)の除湿モジュール(20)は、上述の通り、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とを有する。それ故、イオン液体のように吸湿性能が比較的低い液体を液体吸収剤として用いても、更に、空調負荷が比較的高いとしても、被処理空気は2つのモジュール(48,21)により十分に除湿された状態にて室内に供給される。また、被処理空気の除湿を行うモジュール(48,21)が2つあるため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における除湿量と液式除湿モジュール(21)における除湿量の比を、設計段階や制御段階にて調整することも可能であり、設計の自由度が大きいと言える。
【0059】
一方で、調湿装置(10)の再生側は、液体吸収剤の再生モジュール(31)のみであり、冷媒冷却式除湿モジュールのような液体吸収剤以外を使用したモジュールは存在しない。つまり、再生側の構成は、除湿側に比べて簡略化されていると言える。
【0060】
−液式除湿モジュール(21)での空気流れ方向と液流れ方向との関係―
上述のように、液式除湿モジュール(21)の除湿側気液接触部(23)では、液体吸収剤と冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過後の被処理空気(外気(OA))とが接触して、外気(OA)は更に除湿される。図2に示すように、除湿側気液接触部(23)において液体吸収剤の流れ方向は上方から下方(即ち滴下方向)であるのに対し、この液体吸収剤に接触する外気(OA)の流れ方向は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)側から液式除湿モジュール(21)側(図1の右側から左側)である。つまり、除湿側気液接触部(23)では、液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とが交差(具体的には直交)している。
【0061】
図3は、従来例における液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とを表す。図3に示すように、従来例では、除湿側気液接触部(23)における液体吸収剤の流れ方向は、上方から下方(滴下方向)であって、本実施形態1の図2と同様である。しかしながら、この液体吸収剤に接触する外気(OA)の流れ方向は、液体吸収剤の流れ方向とは真逆であり、下方から上方である。つまり、図3では、液体吸収剤の流れ方向と外気(OA)の流れ方向とが対向流の関係にある。
【0062】
図2及び図3において、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過する外気(OA)の風量が同量であると仮定する。除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の圧力損失を抑えるためには、除湿側気液接触部(23)が受ける外気(OA)の風速を抑えることが考えられる。その一手法として、外気(OA)を受ける除湿側気液接触部(23)の面の面積を大きくすることが考えられる。
【0063】
対向流である図3(従来例)では、除湿側気液接触部(23)の外気(OA)を受ける面の面積を確保するために、液式除湿式モジュール(21)の設置面積を狭めることは困難である。従って、図3の従来例では、除湿モジュール(20)の小型化は望めない。
【0064】
しかし、直交流である図2(本実施形態)では、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(上下方向)の幅を短くすれば、液式除湿式モジュール(21)の設置面積を狭めることができ、除湿モジュール(20)の小型化が可能となる。
【0065】
また、対向流(従来例)において、図3に示すように、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(上下方向)の幅のみを狭めて除湿側気液接触部(23)の小型化を試みたとしても、液体吸収剤の拡散に必要な液流速を確保するために、液体吸収剤の流量はさほど変わらない。
【0066】
これに対し、直交流(本実施形態)では、図2に示すように、除湿側気液接触部(23)における外気(OA)の通過方向(左右方向)の幅を狭めることで、液体吸収剤の流路幅が狭くなり、液流速は増加する。従って、液体吸収剤の必要流量を少なくしつつ、除湿側気液接触部(23)の小型化も図ることができる。
【0067】
以上より、本実施形態では、除湿モジュール(20)のサイズを従来例に比して小型にすることができる。更に、液体吸収剤の流量を減少させることも可能であるため、図1のポンプ(37)の動力を図3に比して小さくすることもできる。
【0068】
−コントローラ−
コントローラ(50)は、メモリ及びCPU等で構成されるマイクロコンピュータであって、調湿装置(10)を構成する各種機器(圧縮機(42)、ポンプ(37)、流量調整弁(39)、ファン(43a)、膨張弁(45))と電気的に接続されている。メモリ内に格納されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、コントローラ(50)は、接続された各種機器の動作を制御する。
【0069】
具体的に、本実施形態1に係るコントローラ(50)は、冷媒の凝縮温度に基づくファン(43a)の運転制御、空調負荷に基づく各弁(39,45)の開度制御及びポンプ(37)の運転制御等を行う。以下では、コントローラ(50)が有する機能部のうち、ファン(43a)の運転制御を行う機能部である供給制御部(51)について説明する。
【0070】
−供給制御部−
供給制御部(51)は、冷媒回路(40)における冷媒の凝縮温度が所定値を超える場合、ファン(43a)を運転させて放熱流体である外気(OA)を放熱用凝縮器(43)に供給させる。この場合、放熱用凝縮器(43)は、供給された外気(OA)に冷媒の熱を放出する。
【0071】
一方、供給制御部(51)は、冷媒回路(40)における冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、ファン(43a)の運転を停止させて放熱用凝縮器(43)への外気(OA)の供給を停止させる。この場合、放熱用凝縮器(43)において、冷媒の熱は外気(OA)には放出されない。
【0072】
冷媒の凝縮温度が所定値以下である場合にファン(43a)を運転させると、放熱用凝縮器(43)では、冷媒の凝縮温度が比較的低い状態であるにも拘わらず、冷媒は外気(OA)に放熱することとなる。すると、液加熱熱交換器(44)での液体吸収剤の加熱度合いは小さくなり、液体吸収剤は十分に再生できなくなってしまう。それ故、供給制御部(51)は、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、放熱用凝縮器(43)に外気(OA)を供給させないように制御する。この制御により、液体吸収剤の再生不足を回避できるため、調湿装置(10)の除湿能力の低下を抑制することができる。
【0073】
また、空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、除湿モジュール(20)側の発熱分を再生モジュール(31)での再生用空気への放熱分で十分に処理でき、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで冷媒の凝縮温度が所定値以下である場合、調湿装置(10)では、ファン(43a)を停止し、ファン(43a)での消費電力分を削減する。
【0074】
<調湿装置の動作>
ここでは、本実施形態1に係る調湿装置(10)の除湿動作について説明する。
【0075】
冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は冷媒の蒸発器として機能する。
【0076】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、膨張弁(45)で減圧され、液冷却熱交換器(46)に流入する。
【0077】
液冷却熱交換器(46)において、冷媒は、液体吸収剤から吸熱し、液体吸収剤を冷却する。その後、冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)に流入し、該モジュール(48)を通過する被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して蒸発し、当該空気を冷却除湿する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)を通過後の冷媒は、圧縮機(42)に吸入される。
【0078】
吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動し、流量調整弁(39)は所定の開度に調節される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤は、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。除湿側気液接触部(23)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷房除湿された被処理空気(外気(OA))が供給され、滴下された液体吸収剤は、当該空気から水分を吸収して当該空気を除湿する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)の両方にて除湿された後の空気は、供給空気(SA)として室内に供給される。
【0079】
被処理空気(外気(OA))から水分を吸収した液体吸収剤は、濃度が薄まったものとなっており、除湿側気液接触部(23)の下部にある液槽(24)に貯留される。液槽(24)内の液体吸収剤は、接続配管(15d)を通過後、接続配管(15e)において液加熱熱交換器(44)側及び液冷却熱交換器(46)側それぞれに分岐して流れる。
【0080】
液加熱熱交換器(44)側に流れた液体吸収剤は、当該熱交換器(44)にて冷媒によって加熱され、その後再生モジュール(31)に流入する。再生モジュール(31)に流入した液体吸収剤は、再生側液体供給部(32)から再生側気液接触部(33)へと滴下される。再生側気液接触部(33)には、再生用空気(室内空気(RA))が供給され、滴下された液体吸収剤は、当該空気に水分を放出する。これにより、液体吸収剤は、濃度が高い状態となり、再生される。再生された液体吸収剤は、再生側気液接触部(33)の下部にある再生側液受部(34)にて一旦受け止められた後、接続配管(15c)を介して液槽(24)に貯留される。即ち、液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが入れられて混合される。
【0081】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0082】
液冷却熱交換器(46)側に流れた液体吸収剤は、当該熱交換器(46)にて冷媒によって冷却され、その後液式除湿モジュール(21)に流入する。液式除湿モジュール(21)に流入した液体吸収剤は、再び除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。
【0083】
<液槽における液体吸収剤について>
上述の通り、液槽(24)には、再生されて濃度が濃くなった液体吸収剤と、除湿に利用されて濃度が薄まった液体吸収剤とが入れられて、混合される。混合された液体吸収剤は上述の通り吸収剤回路(15)内を循環するが、本実施形態1では、この混合に伴って除湿能力の低下等が引き起こされるおそれは低い。これは、以下の理由による。
【0084】
除湿モジュール(20)では、上述したように、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の2つのモジュールにて2段階に亘って被処理空気(外気(OA))を除湿する構成となっている。特に、液式除湿モジュール(21)は、被処理空気の流れ方向下流側に位置するため、先に冷媒冷却式除湿モジュール(48)で冷却除湿された後の外気(OA)を、更に除湿する。それ故、液式除湿モジュール(21)の除湿量は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が設けられていない場合に比して低く、液式除湿モジュール(21)における液体吸収剤の濃度は、滴下前と滴下後とで約1%以下の程度しか変わらない。
【0085】
また、2段階に亘って被処理空気(外気(OA))を除湿する構成であるため、液式除湿モジュール(21)が除湿動作で使用する液体吸収剤の量は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が設けられておらず液式除湿モジュールのみで除湿を行う場合に比して少ない。それ故、液式除湿モジュール(21)において上記の程度濃度が変化した液体吸収剤が液槽(24)に入る量も、当然少なくなる。
【0086】
以上に鑑みると、液槽(24)において、再生されて濃度が濃くなった液体吸収剤と、除湿に利用されて濃度が薄まった液体吸収剤とが混合されても、当該混合による濃度変化の度合いは非常に小さいと言える。混合された液体吸収剤を液式除湿モジュール(21)の除湿に利用する本実施形態1での除湿能力は、仮に再生モジュール(31)で再生された直後の液体吸収剤を液式除湿モジュール(21)の除湿に直接使用したとした場合の除湿能力と比較しても、同程度である。
【0087】
従って、液式除湿モジュール(21)側及び再生モジュール(31)側それぞれに専用の液槽を設けるのではなく、本実施形態1のように、液式除湿モジュール(21)及び再生モジュール(31)の共通となる液槽(24)を、サイズを大型化させることなく設けることができる。サイズが大型化していない液槽(24)を1つ設けることから、調湿装置(10)のサイズを小さくすることができ、調湿装置(10)の製造コストも液槽(24)が1つで済むため削減することができる。
【0088】
<効果>
本実施形態1では、液体吸収剤は、液冷却熱交換器(46)にて冷媒により冷却され、その後、液式除湿モジュール(21)に供給される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤を用いて被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して、該空気を除湿する。一方で、液体吸収剤は、液加熱熱交換器(44)にて冷媒により加熱され、その後、再生モジュール(31)に供給される。再生モジュール(31)では、液式除湿モジュール(21)にて被処理空気から水分を吸収することにより濃度が薄められた液体吸収剤が、逆に水分を再生用空気に放出することによって再生される。
【0089】
特に、本実施形態1に係る上記被処理空気(外気(OA))は、先ずは冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷媒により冷却除湿され、その後に液式除湿モジュール(21)にて除湿され、室内に供給される。これにより、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿モジュール(21)において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。即ち、本実施形態1によれば、利用できる液体吸収剤の種類が増加する。
【0090】
また、除湿を、前段の冷媒冷却式除湿モジュール(48)と後段の液式除湿モジュール(21)とを用いて行うため、液体吸収剤の量は、液体吸収剤のみを用いて除湿を行う場合よりも少なくて済み、更にはその分液槽(24)の大きさを大きくする必要がないため、調湿装置(10)の小型化及びコストダウンを図ることができる。また、前段の冷媒冷却式除湿モジュール(48)の蒸発温度を、冷媒冷却式除湿モジュールのみで除湿する場合よりも高くすることができるため、除湿効率は良好となる。2段階で除湿を行うため、液式除湿モジュール(21)での除湿量が液式除湿モジュールのみで除湿を行う場合よりも抑えられ、再生のためのエネルギーを削減することもできる。
【0091】
更に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)、液冷却熱交換器(46)及び液加熱熱交換器(44)は、1の冷媒回路(40)に接続されている。従って、例えば冷媒の循環量を変化させる等により除湿の程度を制御することができる。
【0092】
また、本実施形態1では、放熱用凝縮器(43)が備えられている。放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)通過後の冷媒を室内の空気以外に放熱させるものである。これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における発熱分を放熱することができ、冷媒の凝縮温度の上昇が抑えられる。従って、冷媒の凝縮温度の上昇に伴う調湿装置(10)全体の除湿効率の悪化及び異常による除湿動作停止が生じることを回避できる。
【0093】
また、本実施形態1では、空調負荷が比較的小さく冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がさほどない場合、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の発熱(吸着熱)分を再生モジュール(31)での再生用空気への放熱分で十分にまかなえ、冷媒の凝縮温度は比較的低くなる。そこで本実施形態1では、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、ファン(43a)を停止して、放熱用凝縮器(43)への外気(OA)の供給を停止する。従って、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に放熱用凝縮器(43)にて熱交換動作が行われる場合よりも、液体吸収剤の再生温度は上昇し、液体吸収剤は十分に再生される。また、放熱用熱交換器(43)への放熱流体の供給を停止する分、ファン(43a)での消費電力分が削減される。
【0094】
≪実施形態2≫
<構成>
本実施形態2の調湿装置(10)の構成を図4に示す。図4では、吸収剤回路(15)の構成は図1と同様であるが、冷媒回路(40)の構成が図1とは若干異なる。なお、図4では、図1と対応する構成に、図1と同様の符合を付している。以下では、構成の異なる部分についてのみ説明する。
【0095】
液体吸収剤は、上記実施形態1と同様である。
【0096】
−冷媒回路−
冷媒回路(40)は、圧縮機(42)、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)、第1膨張弁(45a)、第2膨張弁(45b)、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)が、接続配線(40a〜40h)を介して接続されることで構成されている。放熱用凝縮器(43)付近には、ファン(43a)が配置されている。
【0097】
本実施形態2では、冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の接続構成が図1とは異なるが、それ以外の構成は図1で示した上記実施形態1と同様である。
【0098】
−第1膨張弁及び第2膨張弁−
液加熱熱交換器(44)の冷媒出口には、接続配管(40d)の一端が接続されている。接続配管(40d)の他端は、接続配管(40e)及び接続配管(40g)の一端それぞれと接続されている。つまり、冷媒の流れる経路は、接続配管(40d)の他端から2つに分岐されている。うち1経路である接続配管(40e)上には、第1膨張弁(45a)が接続され、他経路である接続配管(40g)上には、第2膨張弁(45b)が接続されている。
【0099】
第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は、電子膨張弁で構成されている。第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は、開度を変更することで、冷媒回路(40)を循環する冷媒を減圧し、また、接続配管(40e,40f)及び接続配管(40g,40h)それぞれを流れる冷媒の流量を調整する。
【0100】
接続配管(40e)の他端は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の冷媒の入口と接続され、接続配管(40g)の他端は、液冷却熱交換器(46)の冷媒通路の入口と接続されている。第1膨張弁(45a)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、第2膨張弁(45b)及び液冷却熱交換器(46)と並列に接続されている。従って、冷媒冷却式除湿モジュール(48)には、第1膨張弁(45a)にて減圧され流入量が調節された冷媒が流入し、液冷却熱交換器(46)には、第2膨張弁(45b)にて減圧され流入量が調節された冷媒が流入する。
【0101】
−コントローラ−
本実施形態2に係る調湿装置(10)は、コントローラ(50)を備える。コントローラ(50)は、ファン(43a)の運転を制御する供給制御部(51)としての機能の他、以下に述べるモード運転制御部(52)としての機能も有する。
【0102】
−モード運転制御部−
空調負荷の程度によっては、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は必要とせず、液式除湿モジュール(21)のみによって被処理空気の除湿を行えばよい場合や、その逆の場合もあり得る。例えば、顕熱負荷の処理のみを必要とする場合であっても、上記実施形態1に示すように、液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の双方を用いて除湿を行うとなれば、顕熱負荷の処理のみならず潜熱負荷の処理にもエネルギーが費やされることになる。上記実施形態1の構成では、潜熱負荷の処理に費やされるエネルギーと顕熱負荷の処理に費やされるエネルギーとの比率を調整することは困難である。
【0103】
そこで、図5に示すように、モード運転制御部(52)は、主に空調負荷の状態に応じて、調湿装置(10)の運転モードを以下の5つのいずれかに切り換えるように、吸収剤回路(15)及び冷媒回路(40)を制御する。これにより、ポンプ(37)や圧縮機(42)を不要な場合は停止させることができ、これらの機器(37,42)の消費電力量を削減することができる。
(運転モード1)液式除湿モジュール(21)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の両方によって被処理空気が除湿され、且つ、冷媒が冷媒回路(40)内を循環するモード
(運転モード2)被処理空気は液式除湿モジュール(21)のみで除湿され、且つ、冷媒が冷媒回路(40)内を循環するモード
(運転モード3)被処理空気は液式除湿モジュール(21)のみで除湿され、且つ、冷媒は循環せずに液体吸収剤が吸収剤回路(15)内を循環するモード
(運転モード4)被処理空気は冷媒冷却式除湿モジュール(48)のみで除湿され、液体吸収剤は吸収剤回路(15)内を循環しないモード
(運転モード5)被処理空気は冷媒冷却式除湿モジュール(48)及び液式除湿モジュール(21)で除湿されるが、液体吸収剤の加熱及び冷却は行われず、液体吸収剤は吸収剤回路(15)内を循環するモード
上記運転モード1及び上記運転モード5は、第1除湿運転モードに相当する。上記運転モード2及び上記運転モード3は、第2除湿運転モードに相当する。上記運転モード4は、第3除湿運転モードに相当する。
【0104】
図5に示すように、上記運転モード1は、空調負荷が第1所定負荷以上である高負荷時に選択される。運転モード1では、外気(OA)は双方の除湿モジュール(21,48)で除湿されるため、潜熱負荷及び顕熱負荷が共に高い場合に好適である。
【0105】
上記運転モード2は、空調負荷が、第1所定負荷を下回っており、且つ、第1所定負荷よりも低い第2所定負荷以上である中負荷時に選択される。また、運転モード2では、外気(OA)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)では冷却除湿されずに液式除湿モジュール(21)にて除湿されるため、空調負荷が、顕熱負荷はさほど高くはないが潜熱負荷が高いような場合にも好適である。
【0106】
上記運転モード3は、空調負荷が第2所定負荷を下回る時に低負荷時に選択される。
【0107】
上記運転モード4では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)では除湿されず冷媒冷却式除湿モジュール(48)でのみ冷却除湿される。そのため、上記運転モード4は、空調負荷が、顕熱負荷は高いものの潜熱負荷はさほど高くないような場合、即ち、積極的に顕熱負荷を処理するべき時に選択される。また、運転モード4は、例えば調湿装置(10)の立ち上げ時にも好適である。
【0108】
上記運転モード5は、除湿モジュール(20)で除湿に利用される直前の液体吸収剤の濃度が既に比較的高く、除湿直前にあえて液冷却熱交換器(46)で冷却せずとも良い場合に選択される。
【0109】
なお、空調負荷は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における温度及び湿度、室内の目標温度及び目標湿度に基づいて算出することができる。一例としては、目標温度と流入口における外気(OA)の温度との差から顕熱負荷が算出され、目標湿度と流入口における外気(OA)の湿度との差から潜熱負荷が算出されてもよい。
【0110】
このように、主に空調負荷に応じて運転モードを切り換えることにより、潜熱処理及び顕熱処理の優先度合いを適宜変化させることができる。
【0111】
<調湿装置の動作>
各運転モード1〜5での調湿装置(10)の動作について、図6図10を用いて説明する。
【0112】
−運転モード1−
冷媒回路(40)では、冷媒が液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)に分岐されて流れる。
【0113】
具体的には、図6に示すように、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)は冷媒の蒸発器として機能する。第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は共に所定の開度を有する。
【0114】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱用流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、接続配管(40d)から接続配管(40e)及び接続配管(40g)に分岐して流れる。各接続配管(40e,40g)に流れる冷媒は、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)それぞれにて減圧される。
【0115】
第1膨張弁(45a)にて減圧された冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において、該モジュール(48)を通過する被処理空気(外気(OA))から水分を吸収して蒸発し、外当該空気を冷却除湿する。第2膨張弁(45b)にて減圧された冷媒は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤から吸熱して蒸発する。冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した冷媒と、液冷却熱交換器(46)から流出した冷媒は、接続配管(40h,40f,,40a)の合流点にて合流し、圧縮機(42)に吸入される。
【0116】
吸収剤回路(15)では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の加熱及び冷却が行われる。具体的な吸収剤回路(15)の動作は、上記実施形態1に係る吸収剤回路(15)の動作と同様であるため、説明は省略する。
【0117】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とで順に除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0118】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0119】
−運転モード2−
冷媒回路(40)においては、図7に示すように、接続配管(40e,40f)を冷媒が流れないため、冷媒冷却式除湿モジュール(48)では被処理空気(外気(OA))の冷却除湿が行われず、ドレンパン(48a)に結露水は貯留されないが、それ以外は図6と同様である。
【0120】
具体的に、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、放熱用凝縮器(43)及び液加熱熱交換器(44)は冷媒の凝縮器として機能し、液冷却熱交換器(46)は冷媒の蒸発器として機能する。第1膨張弁(45a)は全閉の状態であって、第2膨張弁(45b)は所定の開度を有する。
【0121】
圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて放熱用流体(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)にて液体吸収剤に放熱して更に凝縮する。液加熱熱交換器(44)を流出した冷媒は、接続配管(40e)へは流れず、全て接続配管(40g)に流れ、第2膨張弁(45b)にて減圧される。減圧された冷媒は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後圧縮機(42)に吸入される。
【0122】
吸収剤回路(15)では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の加熱及び冷却が行われる。具体的な吸収剤回路(15)の動作は、上記実施形態1に係る吸収剤回路(15)の動作と同様であるため、説明は省略する。
【0123】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)のみにて除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0124】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0125】
−運転モード3−
図8に示すように、冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転を停止し、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)は共に全閉の状態である。従って、運転モード3では、冷媒は、冷媒回路(40)内を循環せず、冷媒回路(40)は、吸収剤回路(15)のヒートポンプ熱源としては機能しない。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、被処理空気(外気(OA))の冷却除湿は行われず、ドレンパン(48a)に結露水は貯留されない。
【0126】
吸収剤回路(15)では、液体吸収剤は循環するが、液体吸収剤は冷媒との間での熱交換を行わない。即ち、液体吸収剤の加熱及び冷却は行われない。液式除湿モジュール(21)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)で冷房除湿されていない被処理空気(外気(OA))が通過する。
【0127】
具体的に、吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動し、流量調整弁(39)は所定の開度に調節される。液式除湿モジュール(21)では、液体吸収剤は、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。除湿側気液接触部(23)には、冷媒冷却式除湿モジュール(48)で調湿されてない被処理空気(外気(OA))が通過し、滴下された液体吸収剤は、当該空気から水分を吸収して該空気を除湿する。液式除湿モジュール(21)にて除湿された後の空気は、供給空気(SA)として室内に供給される。
【0128】
被処理空気(外気(OA))から水分を吸収し濃度が薄まった液体吸収剤は、液槽(24)に一旦貯留され、その後液加熱熱交換器(44)側及び液冷却熱交換器(46)側それぞれに流れる。
【0129】
液加熱熱交換器(44)側に流れた液体吸収剤は、冷媒と熱交換することなく当該熱交換器(44)を通過して再生モジュール(31)に流入する。再生モジュール(31)に流入した液体吸収剤は、再生側液体供給部(32)から再生側気液接触部(33)へと滴下される。再生側気液接触部(33)に滴下された液体吸収剤は、供給された再生用空気(室内空気(RA))に水分を放出して濃度が高い状態となり、再生される。当該液体吸収剤は、その後再生側液受部(34)にて一旦受け止められ、接続配管(15c)を介して液槽(24)に貯留される。
【0130】
なお、液体吸収剤の再生に利用された空気は、排気空気(EA)として屋外に排出される。
【0131】
液冷却熱交換器(46)側に流れた液体吸収剤は、冷媒と熱交換することなく当該熱交換器(46)を通過して液式除湿モジュール(21)に流入する。液式除湿モジュール(21)に流入した液体吸収剤は、再び除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される。
【0132】
これにより、除湿モジュール(20)では、被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)のみにて除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、再生モジュール(31)で濃度が濃くなった液体吸収剤と、液式除湿モジュール(21)で濃度が薄くなった液体吸収剤とが混合される。
【0133】
特に、運転モード3では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)にて液体吸収剤が冷媒によって加熱及び冷却がなされない。従って、運転モード3における被処理空気(外気(OA))の除湿の程度は、上記運転モード2よりも低くなる。
【0134】
−運転モード4−
図9に示すように、吸収剤回路(15)では、ポンプ(37)は作動せず、吸収剤回路(15)内を液体吸収剤は循環しない。従って、吸収剤回路(15)では、液式除湿モジュール(21)での除湿動作、再生モジュール(31)の再生動作、各熱交換器(44,46)での液体吸収剤と冷媒との熱交換動作(即ち、液体吸収剤の加熱及び冷却)は行われない。
【0135】
冷媒回路(40)では、圧縮機(42)は運転し、第1膨張弁(45a)は所定の開度を有し、第2膨張弁(45b)は全閉の状態である。冷媒は、放熱用凝縮器(43)、液加熱熱交換器(44)及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の間を循環するが、液冷却熱交換器(46)には流れない。
【0136】
具体的に、圧縮機(42)で圧縮された冷媒は、放熱用凝縮器(43)にて被処理空気(外気(OA))に放熱して凝縮された後、液加熱熱交換器(44)に流入する。当該冷媒は、液体吸収剤と熱交換することなく液加熱熱交換器(44)を通過すると、接続配管(40d)から接続配管(40g)へは流れずに、接続配管(40d)から接続配管(40e)に全て流れ、第1膨張弁(45a)にて減圧される。減圧された冷媒は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において被処理空気(外気(OA))を冷却除湿して蒸発し、その後圧縮機(42)に吸入される。
【0137】
これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)において冷却除湿された被処理空気(外気(OA))は、液式除湿モジュール(21)で更に除湿されることなく、供給空気(SA)として室内に供給される。冷媒冷却式除湿モジュール(48)では、ドレンパン(48a)に結露水が貯留され、当該結露水は、ドレン排出配管(48b)を介して排出される。
【0138】
また、吸収剤回路(15)内を液体吸収剤は循環しないため、各モジュール(21,31)からの液体吸収剤が液槽(24)に流入することはない。
【0139】
−運転モード5−
図10に示すように、冷媒回路(40)では、図9に係る上記運転モード4と同様の動作が行われる。吸収剤回路(15)では、上記運転モード4とは異なり、比較的濃い濃度の液体吸収剤が循環する。この運転モード5では、液加熱熱交換器(44)及び液冷却熱交換器(46)において、液体吸収剤が冷媒によって加熱及び冷却がなされない。しかしながら、液体吸収剤の濃度が比較的濃いため、液式除湿モジュール(21)において除湿動作が行われる。
【0140】
これにより、除湿モジュール(20)では、外気(OA)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)と液式除湿モジュール(21)とにおいて順に除湿され、供給空気(SA)として室内に供給される。液槽(24)には、循環し続ける比較的濃い液体吸収剤が貯留される。
【0141】
−運転モードの選択について−
上記動作をまとめると、上記運転モード2,3は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)を使用しないモードと言うことができる。上記運転モード3,4,5は、液冷却熱交換器(46)において液体吸収剤の冷却がなされないモードと言うことができる。
【0142】
冷媒冷却式除湿モジュール(48)は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における温度が比較的高い場合に用いられると良い。液冷却熱交換器(46)は、被処理空気(外気(OA))の除湿モジュール(20)への流入口における湿度が比較的高く、液体吸収剤を用いた除湿動作が必要な場合に用いられると良い。
【0143】
従って、室内の温度及び湿度の双方が高い場合は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)での被処理空気(外気(OA))の冷却除湿のみならず、液式除湿モジュール(21)で除湿に利用される前の液体吸収剤を液冷却熱交換器(46)にて除湿する動作も行われる、上記運転モード1が望ましいと言える。
【0144】
<効果>
本実施形態2に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1に係る効果に加え、以下の効果を奏する。
【0145】
本実施形態2では、上述した運転モード1〜5いずれかで動作されるように、モード運転制御部(52)は、吸収剤回路(15)及び冷媒回路(40)を制御する。これにより、例えば空調負荷に応じた適切な除湿運転がなされる。
【0146】
≪実施形態3≫
上記実施形態1,2それぞれにおいて、更に、液体吸収剤の温度及び被処理空気(外気(OA))の温度が“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”の条件を満たすように、コントローラ(50)(冷媒回路制御部に相当)が冷媒回路(40)を制御してもよい。即ち、本実施形態に係るコントローラ(50)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の被処理空気(外気(OA))の温度が、液式除湿モジュール(21)に流入する液体吸収剤の温度以上となるように、冷媒回路(40)を制御する。
【0147】
図11を用いて、液体吸収剤の温度及び外気(OA)の温度それぞれの測定手法と、冷媒回路(40)の制御手法とについて、一例を説明する。図11は、上記実施形態2において、本実施形態の上記制御が行われる場合の調湿装置(10)の構成を図示している。
【0148】
図11に示すように、調湿装置(10)には、外気(OA)の温度を測定する空気温度センサ(T1)、液体吸収剤の温度を測定する液温度センサ(T2)が設けられている。空気温度センサ(T1)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の外気(OA)の出口付近に設けられ、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の外気(OA)の温度を検知する。液温度センサ(T2)は、除湿側液体供給部(22)における液体吸収剤の滴下口付近に設けられ、除湿側液体供給部(22)から除湿側気液接触部(23)へと滴下される液体吸収剤の温度を検知する。
【0149】
また、調湿装置(10)には、2つの温湿度センサ(T3,T4)が更に設けられている。温湿度センサ(T3)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)の外気(OA)の入口付近に設けられ、冷媒冷却式除湿モジュール(48)に供給される外気(OA)(即ち除湿前の外気(OA))の温度及び湿度を検知する。温湿度センサ(T4)は、再生モジュール(31)の室内空気(RA)の入口付近に設けられ、再生モジュール(31)に供給される室内空気(RA)(即ち液体吸収剤の再生に利用される前の室内空気)の温度及び湿度を検知する。
【0150】
コントローラ(50)は、温湿度センサ(T4)によって検知された室内空気(RA)の湿度または室内への供給空気(SA)の設定温度と、温湿度センサ(T3)によって検知された外気(OA)の温度および湿度とに応じて、液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度及び冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度の各目標値を決定する。各目標値は、“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”を満たす演算式等を用いて、決定されることが好ましい。
【0151】
なお、上記演算式は、机上計算または実験式等によって定められる。
【0152】
次いで、コントローラ(50)は、空気温度センサ(T1)の実際の検出値が冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度の目標値に達し、且つ、液温度センサ(T2)の実際の検出値が液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度の目標値に達するように、圧縮機(42)の出力である回転数(運転周波数)、第1膨張弁(45a)及び第2膨張弁(45b)それぞれの開度を調節する。
【0153】
図12は、上記実施形態1において、本実施形態の上記制御が行われる場合の調湿装置(10)の構成を図示している。図12においても、上述した説明と同様に、“液式除湿モジュール(21)の液体吸収剤の入口温度≦冷媒冷却式除湿モジュール(48)の空気の出口温度”の条件を満たすように冷媒回路(40)を制御する手法を採用できる。
【0154】
<効果>
本実施形態では、上記実施形態1,2に係る効果に加えて以下の効果を奏する。
【0155】
本実施形態に係るコントローラ(50)は、液式除湿モジュール(21)にて除湿される前であって且つ冷媒冷却式除湿モジュール(48)から流出した後の外気(OA)の温度が、液式除湿モジュール(21)に流入する液体吸収剤の温度以上となるように、冷媒回路(40)を制御する。これにより、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて外気(OA)を過度に冷却除湿してしまい、液式除湿モジュール(21)での除湿量が非常に少なくなった結果、除湿装置(10)全体としての外気(OA)の除湿効率が悪化することを回避できる。また、冷媒冷却式除湿モジュール(48)にて冷却除湿した外気(OA)を液式除湿モジュール(21)にて液体吸収剤で再熱するような、いわゆる再熱ロスの発生を防ぐことができる。
【0156】
≪その他の実施形態≫
図13に示すように、冷媒冷却式除湿モジュール(48)は複数設けられていても良い。図13では、冷媒冷却式除湿モジュール(48)が第1モジュール(48c)と第2モジュール(48d)とを有する場合を例示している。
【0157】
第1モジュール(48c)及び第2モジュール(48d)は、被処理空気である外気(OA)の流れ方向に対し、第2モジュール(48d)が第1モジュール(48c)よりも空気の流れ方向上流側に位置するように配置されている。第1モジュール(48c)は、冷媒回路(40)(例えば、図1の液冷却熱交換器(46)及び圧縮機(42))に接続されており、第2モジュール(48d)は、冷媒回路(40)及び吸収剤回路(15)のいずれにも接続されていない。これにより、被処理空気である外気(OA)は、先ずは第2モジュール(48d)にて顕熱処理がなされ、その後第1モジュール(48c)にて冷却除湿される。冷却除湿された後の被処理空気は、更に、液式除湿モジュール(21)にて液体吸収剤により除湿される。即ち、図13では、外気(OA)は3段階にて調湿される。これにより、図1及び図4に比して、顕熱負荷と潜熱負荷をより適した温度で処理することができ、除湿効率は良好となる。
【0158】
特に、図13では、第2モジュール(48d)が、例えば地中熱交や冷却塔等に接続された場合を例示している。これにより、第2モジュール(48d)では、異熱源を有効利用することができる。更に、第2モジュール(48d)と第1モジュール(48c)とで熱源が異なるため、第2モジュール(48d)における被処理空気の調湿度合と第1モジュール(48c)における被処理空気の調湿度合とを、確実に分けることができる。
【0159】
放熱用凝縮器(43)が放熱する放熱流体は、室内の空気(RA)以外であればよく、水であってもよい。この場合、放熱用凝縮器(43)は冷媒と水との熱交換器で構成される。室外機(41)には、図1及び図4のファン(43a)が設けられない代わりに、図14に示すように、水を放熱用凝縮器(43)に供給するためのポンプ(62)を有する水循環回路(61)が設けられるとよい。これにより、放熱用凝縮器(43)は、冷媒冷却式除湿モジュール(48)における冷媒の凝縮熱を水に放出することができる。
【0160】
放熱用凝縮器(43)及びファン(43a)は必須ではなく、設けられていなくても良い。
【0161】
放熱用凝縮器(43)が設けられているとしても、放熱用凝縮器(43)への放熱流体の供給が停止される条件は、冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合に限定されない。例えば、供給制御部(51)は、潜熱負荷が所定負荷以下である場合に、放熱用凝縮器(43)にて処理するべき冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量は存在しないと判断して、ファン(43a)の運転を停止してもよい。この場合、供給制御部(51)は、潜熱負荷が所定負荷を超える場合、放熱用凝縮器(43)にて処理するべき冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量が存在すると判断して、ファン(43a)を運転させる。潜熱負荷が所定負荷を超えるか否かは、外気(OA)の露点温度が冷媒の蒸発温度よりも高いか否かによって判断されてもよい。即ち、再生モジュール(31)の放熱分のみでは2つの除湿モジュール(21,48)の発熱量を処理することができない程に、冷媒冷却式除湿モジュール(48)での発熱(凝縮熱)量がある場合に、ファン(43a)が運転して放熱用凝縮器(43)での放熱が行われる。
【0162】
上記実施形態2に係る複数の運転モード1〜5は、上記実施形態2で記載した条件以外で切り換えられても良い。
【0163】
上記実施形態3において、液体吸収剤の温度は、液温度センサ(T2)を用いて直接的に検知する代わりに、例えば液冷却熱交換器(46)に連結された配管内の温度等を用いて推定されてもよい。また、被処理空気(外気(OA))の温度は、空気温度センサ(T1)を用いて直接的に検知する代わりに、例えば温湿度センサ(T3)の検知結果等を用いて推定されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上説明したように、本発明は、液体吸収剤の吸湿性能の高低に拘わらず、且つ、液式除湿部において液体吸収剤と空気との接触面積をあえて大きくせずとも、被処理空気を十分に除湿することができる。そのため、本発明は、サイズの大きい調湿装置が設置困難な場所にも設置することができる調湿装置として有用である。
【符号の説明】
【0165】
10 調湿装置
15 吸収剤回路
21 液式除湿モジュール(液式除湿部)
31 再生部
37 ポンプ
40 冷媒回路
43 放熱用凝縮器(放熱用熱交換器)
46 液冷却熱交換器
48 冷媒冷却式除湿モジュール(冷媒冷却式除湿部)
50 コントローラ(冷媒回路制御部)
51 供給制御部
52 モード運転制御部
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調湿装置(10)であって、
液体吸収剤に外気中の水分を吸収させて該外気を除湿する液式除湿部(21)と、上記液体吸収剤の水分を再生用空気に放出させて上記液体吸収剤を再生する再生部(31)と、上記液式除湿部(21)及び上記再生部(31)の間で上記液体吸収剤を循環させることが可能なポンプ(37)と、が接続された吸収剤回路(15)と、
上記吸収剤回路(15)に接続され、上記液式除湿部(21)にて除湿に利用される前の上記液体吸収剤を冷媒によって冷却する液冷却熱交換器(46)と、
上記液式除湿部(21)よりも上記外気の流れ方向上流側に位置し、上記液式除湿部(21)にて除湿される前の上記外気を上記冷媒により冷却して除湿する冷媒冷却式除湿部(48)と
を備え、
上記液冷却熱交換器(46)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)は、上記再生部(31)にて再生される前の上記液体吸収剤を上記冷媒によって加熱する液加熱熱交換器(44)と共に、1の冷媒回路(40)に接続され
上記冷媒冷却式除湿部(48)及び上記液式除湿部(21)において除湿された上記外気は室内へ供給され、
上記冷媒回路(40)には、更に、上記冷媒冷却式除湿部(48)通過後の上記冷媒を上記室内の空気以外の放熱流体に放熱させる放熱用熱交換器(43)が接続され、
上記再生部(31)が上記液体吸収剤の再生に用いる上記再生用空気は、上記室内の空気であって、上記放熱用熱交換器(43)が放熱する上記放熱流体とは異なり、かつ上記液体吸収剤の再生に用いられた後に屋外へ排出され、
上記液式除湿部(21)は、上記ポンプ(37)に接続され、上記外気と接触した後の上記液体吸収剤を受ける液槽(24)を有し、
上記液槽(24)とは別途設けられ、上記冷媒冷却式除湿部(48)で生じる結露水を受けて上記調湿装置(10)の外部に排出するドレンパン(48a)を備える
ことを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
請求項において、
上記冷媒回路(40)における上記冷媒の凝縮温度が所定値以下の場合、上記放熱用熱交換器(43)への上記放熱流体の供給を停止する供給制御部(51)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記外気が、上記液式除湿部(21)及び上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第1除湿運転モード、
上記外気が、上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿されず上記液式除湿部(21)によって除湿される第2除湿運転モード、及び
上記外気が、上記液式除湿部(21)によって除湿されず上記冷媒冷却式除湿部(48)によって除湿される第3除湿運転モード、
のいずれかで動作されるように、上記吸収剤回路(15)及び上記冷媒回路(40)を制御するモード運転制御部(52)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1つにおいて、
上記液式除湿部(21)にて除湿される前であって且つ上記冷媒冷却式除湿部(48)から流出した後の上記外気の温度が、上記液式除湿部(21)に流入する上記液体吸収剤の温度以上となるように、上記冷媒回路(40)を制御する冷媒回路制御部(50)、
を更に備えることを特徴とする調湿装置。