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特開2019-207152三次元計測装置、三次元計測装置の位置表示方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-207152(P2019-207152A)
(43)【公開日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】三次元計測装置、三次元計測装置の位置表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20191108BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20191108BHJP
   G06T 7/50 20170101ALI20191108BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20191108BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   G01B11/25 H
   G06T7/50
   G06T7/70 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-102410(P2018-102410)
(22)【出願日】2018年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 豊男
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA37
2F065AA53
2F065BB05
2F065DD06
2F065FF07
2F065FF61
2F065HH06
2F065HH07
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ13
2F065QQ31
2F065QQ42
2F065SS12
2F065SS13
2F065TT02
5L096CA02
5L096DA05
5L096FA06
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA32
(57)【要約】
【課題】設置する際に容易に調整が可能な三次元計測装置を提供する。
【解決手段】三次元計測装置100は、センサ筐体2と、センサ筐体2内に配置され、撮像視野6内の画像を取得するカメラ3と、カメラ3により取得される画像に基づいて、撮像視野6に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得する形状測定部10と、形状測定部10により取得される距離情報に基づいて算出される、被写体表面と三次元計測装置100における基準点との間の位置関係を示す、センサ筐体2に露出して配置されたインジケータ5とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元計測装置であって、
センサ筐体と、
前記センサ筐体内に配置され、撮像視野内の画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により取得される画像に基づいて、前記撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得する距離情報取得部と、
前記距離情報取得部により取得される前記距離情報に基づいて算出される、前記被写体表面と前記三次元計測装置における基準点との間の位置関係を示す、前記センサ筐体に露出して配置されたインジケータとを備える、三次元計測装置。
【請求項2】
前記距離情報取得部は、
前記位置関係を定めるための、少なくとも1つの軸の周りの前記センサ筐体の回転角度を計測して、前記回転角度の計測値と前記回転角度の指定値との間の差分を算出し、
前記インジケータは、前記回転角度の計測値と前記回転角度の前記指定値との間の前記差分を示すように構成される、請求項1に記載の三次元計測装置。
【請求項3】
前記距離情報取得部は、前記距離情報に関して、計測値と指定値との間の差分を算出し、
前記インジケータは、前記距離情報に関する前記計測値と前記指定値との間の前記差分を示すように構成される、請求項1または請求項2に記載の三次元計測装置。
【請求項4】
前記インジケータは、
回転角度に関する前記差分、または、前記距離情報に関する前記差分を示す複数の発光素子を含む、請求項2または請求項3に記載の三次元計測装置。
【請求項5】
前記複数の発光素子は、
前記差分が第1の範囲内であるときに、第1の色の光を発する第1の発光素子と、
前記差分が前記第1の範囲よりも広い第2の範囲内であるときに、第2の色の光を発する第2の発光素子と、
前記差分が前記第2の範囲を超える場合に、第3の色の光を発する第3の発光素子とを含む、請求項4に記載の三次元計測装置。
【請求項6】
前記複数の発光素子は、前記第1の発光素子、前記第2の発光素子および前記第3の発光素子を各々含む複数の発光素子グループに分けられ、
前記複数の発光素子グループは、前記センサ筐体の複数の面に分配して配置される、請求項5に記載の三次元計測装置。
【請求項7】
前記距離情報を表示する表示部をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元計測装置。
【請求項8】
前記撮像部は、前記センサ筐体から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面の画像を取得し、
前記距離情報取得部は、前記基準面の前記画像上で指定された少なくとも3つの基準領域の平均高さおよび重心座標を算出し、前記平均高さおよび前記重心座標に基づいて少なくとも2つのベクトルを決定し、前記少なくとも2つのベクトルの外積を算出することにより前記基準面の法線ベクトルを算出し、
前記基準面上で互いに直交するX軸およびY軸とし、前記基準面に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部は、前記法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、前記X軸についての前記回転角度および前記Y軸についての前記回転角度を計測する、請求項2に記載の三次元計測装置。
【請求項9】
前記撮像部は、前記センサ筐体から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面の画像を取得し、
前記基準面上で互いに直交するX軸およびY軸とし、前記基準面に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部は、前記基準面の前記画像上で指定された少なくとも3つの基準領域の平均高さおよび重心座標を算出し、前記平均高さおよび前記重心座標を、ax+by+cz+dと表される平面の式に代入し、最小二乗法により係数a,b,cを計算して、法線ベクトル(a,b,c)を決定し、前記法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、前記X軸についての前記回転角度および前記Y軸についての前記回転角度を計測する、請求項2に記載の三次元計測装置。
【請求項10】
前記撮像部は、前記センサ筐体から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面上かつ、前記撮像部の視野内に配置された基準対象物を撮像し、
前記基準面に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部は、前記撮像部によって取得された前記基準対象物の画像の対向する2つの端面のそれぞれのエッジを結ぶ直線と、前記基準面上の基準直線とが成す角度を算出することにより、前記Z軸についての前記回転角度の計測値を取得する、請求項2に記載の三次元計測装置。
【請求項11】
前記撮像部は、前記センサ筐体から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面上かつ、前記撮像部の視野内に配置された基準対象物を撮像し、
前記基準面に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部は、前記基準対象物の認識用モデル画像を回転させ、前記認識用モデル画像が、前記基準対象物の画像に重なるときの前記認識用モデル画像の回転角度を、前記Z軸についての前記回転角度の計測値として取得する、請求項2に記載の三次元計測装置。
【請求項12】
三次元計測装置のセンサ筐体内に配置された撮像部によって、撮像視野内の画像を取得するステップと、
前記撮像部により取得される画像に基づいて、前記撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップと、
前記距離情報に基づいて、前記被写体表面と前記三次元計測装置における基準点との間の位置関係を決定するステップと、
前記センサ筐体に露出して配置されたインジケータにより前記位置関係を表示するステップとを備える、三次元計測装置の位置表示方法。
【請求項13】
コンピュータに、
三次元計測装置のセンサ筐体内に配置された撮像部が撮像視野内の画像を取得するように撮像部を制御するステップと、
前記撮像部により取得される画像に基づいて、前記撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップと、
前記距離情報に基づいて、前記被写体表面と前記三次元計測装置における基準点との間の位置関係を決定するステップと、
前記センサ筐体に露出して配置されたインジケータが前記位置関係を表示するように前記インジケータを制御するステップとを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は三次元計測装置、三次元計測装置の位置表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特開2015−78935号公報(特許文献1)は、投光手段と、撮像手段とを備えた三次元画像処理装置を開示する。投光手段は、入射光を所定の縞状の投影パタンの構造化照明として投光する。撮像手段は、投光手段で投光され、検査対象物で反射された反射光を取得して複数のパタン投影画像を撮像する。
【0003】
たとえば特開2012−79294号公報(特許文献2)に開示された画像情報処理装置は、複数種類の符号が二次元に並ぶ投影符号列の各符号に、符号の種類ごとに異なる所定のシンボルを割り当てることで得られた二次元シンボル列を含む投影パタン画像を被写体に投影する。画像情報処理装置は、その投影パタン画像が投影された被写体を撮像することにより得られた撮像画像を用いて被写体の三次元計測を行う。
【0004】
対象物の形状の正確な計測のためには、計測装置の設置時の調整、特に角度(傾き)の調整が重要である。特開平9−178418号公報(特許文献3)は、三次元位置検出装置の傾きを検出するための構成を開示する。三次元位置検出装置は、1つの位置検出センサと、3つの距離センサとを有する。各距離検出センサは、基準面までの距離を測定する。制御装置は3つの距離検出センサによりそれぞれ測定された距離に基づいて基準面の傾きを求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−78935号公報
【特許文献2】特開2012−79294号公報
【特許文献3】特開平9−178418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
たとえば、特許文献1に開示された三次元計測装置の場合、三次元計測装置の位置および傾きを調整するためには、投影および撮像を複数回実行する必要がある。すなわち、三次元計測装置の位置あるいは傾きを調整するたびに投影および撮像を実行しなければならない。したがって、三次元計測装置の位置および角度の調整は容易ではない。
【0007】
しかし、特許文献2は、三次元計測装置の位置および角度の調整を容易にするための構成について教示していない。また、特許文献3に開示された三次元位置検出装置の場合、3個の距離センサの位置が固定されている。したがって、たとえば基準面に穴や突起がある場合には、所望の角度計算ができない。
【0008】
本発明の目的は、設置する際に容易に調整が可能な三次元計測装置、三次元計測装置の位置表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一例によれば、三次元計測装置は、センサ筐体と、センサ筐体内に配置され、撮像視野内の画像を取得する撮像部と、撮像部により取得される画像に基づいて、撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得する距離情報取得部と、距離情報取得部により取得される距離情報に基づいて算出される、被写体表面と三次元計測装置における基準点との間の位置関係を示す、センサ筐体に露出して配置されたインジケータとを備える。
【0010】
この開示によれば、設置する際に容易に調整が可能な三次元計測装置を提供することができる。距離情報取得部による計測はリアルタイムで実行されるため、ユーザはインジケータを見ることによって、その計測の結果を直ちに知ることができる。ユーザは、センサ筐体を設置する際に、センサ筐体の位置あるいは傾きを容易に調整することができる。なお、「三次元計測装置における基準点」とは、任意に定義可能であり、たとえばセンサ筐体上の点、撮像部の任意点(一般には撮像部の中央だが、任意に指定してもよい)あるいは光学系の主点とすることができる。
【0011】
上述の開示において、距離情報取得部は、位置関係を定めるための、少なくとも1つの軸の周りのセンサ筐体の回転角度を計測して、回転角度の計測値と回転角度の指定値との間の差分を算出する。インジケータは、回転角度の計測値と回転角度の指定値との間の差分を示すように構成される。
【0012】
この開示によれば、インジケータは、少なくとも1つの軸の周りの回転角度について、計測値と指定値との間の差分を示す。したがって、その軸に関するセンサ筐体の回転角度を容易に調整することができる。
【0013】
上述の開示において、距離情報取得部は、さらに、距離情報に関して、計測値と指定値との間の差分を算出し、インジケータは、距離情報に関する計測値と指定値との間の差分を示すように構成される。
【0014】
この開示によれば、インジケータは、さらに、距離情報に関して、計測値と指定値との間の差分を示すことができる。したがってセンサ筐体の高さを容易に調整することができる。
【0015】
上述の開示において、インジケータは、回転角度に関する差分、または距離情報に関する差分を示す複数の発光素子を含む。
【0016】
この開示によれば、インジケータは、ユーザが容易に把握することが可能な態様で、回転角度または距離情報に関する、指定値と計測値との間の差分を示すことができる。
【0017】
上述の開示において、複数の発光素子は、差分が第1の範囲内であるときに、第1の色の光を発する第1の発光素子と、差分が第1の範囲よりも広い第2の範囲内であるときに、第2の色の光を発する第2の発光素子と、差分が第2の範囲を超える場合に、第3の色の光を発する第3の発光素子とを含む。
【0018】
この開示によれば、インジケータが、異なる色を発する第1から第3の発光素子を含む。インジケータは、計測値と指定値との間の差分の大きさに応じて、光の色を変化させることができる。
【0019】
上述の開示において、複数の発光素子は、第1の発光素子、第2の発光素子および第3の発光素子を各々含む複数の発光素子グループに分けられる。複数の発光素子グループは、センサ筐体の複数の面に分配して配置される。
【0020】
この開示によれば、ユーザから各発光素子グループへの視線の方向を、軸(たとえばX軸)の方向に対応させることができる。したがって、インジケータは、どの軸に関する位置関係の表示であるかをユーザに分かりやすく示すことができる。
【0021】
上述の開示において、三次元計測装置は、距離情報を表示する表示部をさらに備える。
この開示によれば、距離情報をユーザに分かりやすく示すことができる。
【0022】
上述の開示において、撮像部は、センサ筐体から被写体表面までの距離の基準となる基準面の画像を取得する。距離情報取得部は、基準面の画像上で指定された少なくとも3つの基準領域の平均高さおよび重心座標を算出し、平均高さおよび重心座標に基づいて少なくとも2つのベクトルを決定し、少なくとも2つのベクトルの外積を算出することにより基準面の法線ベクトルを算出する。基準面上で互いに直交するX軸およびY軸とし、基準面に垂直な軸をZ軸として、距離情報取得部は、法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、X軸についての回転角度およびY軸についての回転角度を計測する。
【0023】
この開示によれば、X軸についての回転角度およびY軸についての回転角度を求めることができる。
【0024】
上述の開示において、撮像部は、センサ筐体から被写体表面までの距離の基準となる基準面の画像を取得する。基準面上で互いに直交するX軸およびY軸とし、基準面に垂直な軸をZ軸として、距離情報取得部は、基準面の画像上で指定された少なくとも3つの基準領域の平均高さおよび重心座標を算出し、平均高さおよび重心座標を、ax+by+cz+dと表される平面の式に代入し、最小二乗法により係数a,b,cを計算して、法線ベクトル(a,b,c)を決定し、法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、X軸についての回転角度およびY軸についての回転角度を計測する。
【0025】
この開示によれば、X軸についての回転角度およびY軸についての回転角度を求めることができる。
【0026】
上述の開示において、撮像部は、センサ筐体から被写体表面までの距離の基準となる基準面上かつ、前記撮像部の視野内に配置された基準対象物を撮像する。基準面に垂直な軸をZ軸として、距離情報取得部は、撮像部によって取得された基準対象物の画像の対向する2つの端面のそれぞれのエッジを結ぶ直線と、基準面上の基準直線とが成す角度を算出することにより、Z軸についての回転角度の計測値を取得する。
【0027】
この開示によれば、Z軸についての回転角度を求めることができる。
上述の開示において、撮像部は、センサ筐体から被写体表面までの距離の基準となる基準面上かつ、撮像部の視野内に配置された基準対象物を撮像する。基準面に垂直な軸をZ軸として、距離情報取得部は、基準対象物の認識用モデル画像を回転させ、認識用モデル画像が、基準対象物の画像に重なるときの認識用モデル画像の回転角度を、Z軸についての回転角度の計測値として取得する。
【0028】
この開示によれば、Z軸についての回転角度を求めることができる。
本開示の一例によれば、三次元計測装置の位置表示方法は、三次元計測装置のセンサ筐体内に配置された撮像部によって、撮像視野内の画像を取得するステップと、撮像部により取得される画像に基づいて、撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップと、距離情報に基づいて、被写体表面と三次元計測装置における基準点との間の位置関係を決定するステップと、センサ筐体に露出して配置されたインジケータにより位置関係を表示するステップとを備える。
【0029】
この開示によれば、三次元計測装置を設置する際に三次元計測装置の位置あるいは傾きを容易に調整できる。
【0030】
本開示の一例によれば、プログラムは、コンピュータに、三次元計測装置のセンサ筐体内に配置された撮像部が撮像視野内の画像を取得するように撮像部を制御するステップと、撮像部により取得される画像に基づいて、撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップと、距離情報に基づいて、被写体表面と三次元計測装置における基準点との間の位置関係を決定するステップと、センサ筐体に露出して配置されたインジケータが位置関係を表示するようにインジケータを制御するステップとを実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、設置する際に容易に調整が可能な三次元計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施の形態に係る三次元計測装置の概要を示す模式図である。
図2】本実施の形態に係る三次元計測装置の調整を説明した模式図である。
図3】本実施の形態に係る三次元計測装置の機能ブロック図である。
図4】一例に係る濃淡パタンの一部分を示した部分図である。
図5図4に示す濃淡パタンの一部分を拡大した部分拡大図である。
図6】基準面に対する三次元センサの傾きを算出する処理のフローを示したフローチャートである。
図7】基準面の法線ベクトルの第1の算出方法を説明するための模式図である。
図8】基準面の法線ベクトルの第2の算出方法を説明するための模式図である。
図9】三次元センサのZ軸周りの回転角度の第1の算出方法を説明するための模式図である。
図10】三次元センサのZ軸周りの回転角度の第2の算出方法を説明するための模式図である。
図11】本実施の形態に係るインジケータの1つの構成例を示した図である。
図12】本実施の形態に係るインジケータの別の構成例を示した図である。
図13】本実施の形態に係るインジケータのさらに別の構成例を示した図である。
図14】本実施の形態に係るインジケータのさらに別の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0034】
<適用例>
図1は、本実施の形態に係る三次元計測装置100の概要を示す模式図である。図1を参照して、三次元計測装置100は、工業製品の生産ラインなどにおいて、ワークWを照明しながら撮影し、得られた撮影画像を用いてワークWの三次元形状を測定する。図1に示すように、三次元計測装置100は、三次元センサ1と、形状測定部10とを備える。
【0035】
三次元センサ1は、センサ筐体2と、カメラ3と、プロジェクタ4と、インジケータ5とを備える。センサ筐体2は、カメラ3およびプロジェクタ4を収容する。インジケータ5は、センサ筐体2の表面に露出するようにセンサ筐体2に設置される。
【0036】
カメラ3は、センサ筐体2の内部に配置されて、撮像視野6内の画像を取得する。具体的には、カメラ3は、ワークWを撮像して、撮影画像である画像を生成する。プロジェクタ4は、センサ筐体2の内部に配置されて、撮像視野6と重なる範囲に光8を照射する。プロジェクタ4による投射については後に詳細に説明する。
【0037】
形状測定部10は、三次元センサ1のカメラ3から画像データを取得する。その画像に基づいて、形状測定部10は、ワークWの三次元形状を測定する。なお、形状測定部10は、カメラ3により取得される画像に基づいて、カメラ3の撮像視野に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得する距離情報取得部である。
【0038】
三次元計測装置100の設置時において、カメラ3は、ワークWが設置されるべき面である基準面50を撮影して、基準面50の画像を取得する。形状測定部10は、その画像に基づいて、カメラ3の撮像視野6内に存在する基準面50上の各点までの距離を算出して、その距離の値を、距離情報として取得する。形状測定部10は、取得された距離に基づいて、被写体である基準面50と、三次元計測装置100における基準点との間の位置関係を算出する。すなわち、形状測定部10は、距離情報取得部として機能する。「位置関係」とは、基準面50と、センサ筐体2との間の距離、および基準面50に対するセンサ筐体2の相対的な角度(傾き)の少なくとも一方を含むが、これらに限定されない。なお、「距離」は、カメラ3からの距離と定義してもよい。また、三次元計測装置100における基準点は、センサ筐体2上の点に限定されず、カメラ3の受光素子の中央、あるいは光学系の主点であってもよい。
【0039】
インジケータ5は、形状測定部10によって算出された、基準面50とセンサ筐体2との間の位置関係を示す。たとえばインジケータ5は、基準面50に対するセンサ筐体2の位置、および基準面50に対するセンサ筐体2の傾きを示す。
【0040】
本実施の形態によれば、三次元センサ1を設置する際に、設置者はインジケータ5の表示に基づいて基準面50に対する、センサ筐体2の位置関係を調整することができる。たとえば設置者は、基準面50に対するセンサ筐体2の傾きを、インジケータ5の表示を見ながら調整することができる。したがって、本実施の形態によれば、三次元センサ1の設置時に、基準面50に対する三次元センサ1の位置関係を容易に調整することができる。
【0041】
<三次元センサの調整の一例>
図2は、本実施の形態に係る三次元計測装置100の調整を説明した模式図である。図2に示すように、三次元センサ1は、基準面50を撮影して画像を取得する。三次元センサ1により取得された画像は、形状測定部10に転送される。形状測定部10は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等を含むコントローラによって実現可能である。
【0042】
ディスプレイ60は形状測定部10に接続されて、各種の情報を表示することによりユーザインタフェースを提供する。三次元計測装置100の設置時には、ディスプレイ60の画面に、基準面50の画像である画像70が表示される。
【0043】
たとえば設置者は、ディスプレイ60の画面上で、基準面50上の少なくとも3つの点を指定する。形状測定部10は、3点を指定するためのユーザの入力を受け付けて、その指定された各点を含む領域をディスプレイ60の画面上に設定する。図2に示す例では、画像70内に、領域71,72,73が設定される。領域71,72,73は、基準面50上の領域51,52,53にそれぞれ対応した領域である。
【0044】
形状測定部10は、センサ筐体2から領域51,52,53の各々までの距離および、位置を測定して、基準面50に対するカメラ3(図2に示さず)の光軸の角度を算出する。
【0045】
図2において、X軸およびY軸は、基準面50上で互いに直交する軸である。角度θXは、センサ筐体2のX軸周りの回転角度であり、カメラ3の光軸がY軸に対してなす角度である。角度θYは、センサ筐体2のY軸周りの回転角度であり、カメラ3の光軸がY軸に対してなす角度である。
【0046】
形状測定部10は、回転角度(θX,θY)の計測値および指定値をディスプレイ60の画面に表示する。さらに形状測定部10は、回転角度の計測値と指定値との間の差分を算出する。インジケータ5がその差分を示すように、形状測定部10は、インジケータ5を制御する。
【0047】
一実施形態では、インジケータ5は、複数のLEDを含む。図2に示した例では、インジケータは10個のLEDを含む。10個のLEDは、シンボル「X」に対応づけられた5個のLEDと、シンボル「Y」に対応づけられた5個のLEDとからなる。シンボル「X」に対応づけられた5個のLEDは、角度θXについて、計測値と指定値との差分を示す第1のグループを構成する。シンボル「Y」に対応づけられた5個のLEDは、角度θYについて、計測値と指定値との差分を示す第2のグループを構成する。
【0048】
シンボル「X」に対応づけられた5個のLEDは、緑色LED21と、黄色LED22,23および赤色LED24,25である。角度θXについて、計測値と指定値との差に応じて、形状測定部10は、緑色LED21、黄色LED22,23および赤色LED24,25のいずれかを点灯させる。たとえば計測値と指定値との差が第1の範囲内(たとえば±0.5°以下)の場合、形状測定部10は、緑色LED21を点灯させる。計測値と指定値との差分が第1の範囲外かつ第2の範囲内(たとえば差分の絶対値が0.5°以上1°以内)の場合、形状測定部10は、黄色LED22または黄色LED23を点灯させる。計測値と指定値との差分の絶対値が第2の範囲を超える場合(たとえば差分の絶対値が3°以上の場合)、形状測定部10は、赤色LED24または赤色LED25を点灯させる。
【0049】
黄色LED22および赤色LED24は、指定値に対する計測値の差((計測値)−(指定値))の符号が正である場合に点灯する。黄色LED23および赤色LED25は、指定値に対する算出値の差((計測値)−(指定値))の符号が負である場合に点灯する。
【0050】
シンボル「Y」に対応づけられた5個のLEDは、緑色LED26と、黄色LED27,28および赤色LED29,30である。角度θYについての計測値と指定値との差分に基づいて、形状測定部10は、上記のLEDを制御する。シンボル「X」に対応づけられた5個のLEDの点灯と同じく、たとえば計測値と指定値との差が±0.5°以下の場合、形状測定部10は、緑色LED26を点灯させる。計測値と指定値との差分の絶対値が1°以内の場合、形状測定部10は、黄色LED27または黄色LED28を点灯させる。計測値と指定値との差分の絶対値が3°以上の場合、形状測定部10は、赤色LED29または赤色LED30を点灯させる。黄色LED27および赤色LED29は、指定値に対する計測値の差((計測値)−(指定値))の符号が正である場合に点灯する。黄色LED28および赤色LED30は、指定値に対する計測値の差((計測値)−(指定値))の符号が負である場合に点灯する。
【0051】
ディスプレイ60は、基準面50の画像(画像70)および指定された領域71〜73に加えて、距離情報である、三次元センサ1と基準面50との間の距離(WD)を表示する。さらにディスプレイ60は、角度θX,θYの各々の指定値、および角度θX,θYの各々の計測値を表示する。図2に示された例によれば、WDは800であり、角度θXの指定値および角度θYの指定値は、ともに90°である。一方、角度θXの計測値は89°であり、角度θYの計測値は75°である。この場合には、角度θXについて、指定値に対する計測値の差分が−1°であり、角度θYについて、指定値に対する計測値の差分が−15°である。したがって、形状測定部10は、黄色LED23および赤色LED30が点灯するように、形状測定部10は、インジケータ5を制御する。
【0052】
ユーザは、インジケータ5の複数のLEDの点灯を確認することにより、三次元センサ1の傾きを調整することができる。三次元センサ1による計測はリアルタイムで実行されるため、ユーザはインジケータ5を見ることによって、その計測の結果を直ちに知ることができる。したがってユーザは、三次元センサ1を設置する際に、三次元センサ1の位置あるいは傾きを容易に調整することができる。
【0053】
<三次元計測装置の構成例>
図3は、本実施の形態に係る三次元計測装置の機能ブロック図である。図3に示すように、三次元センサ1は、カメラ3と、プロジェクタ4と、インジケータ5とを含む。形状測定部10は、パタン生成部11と、パタン検出部12と、三次元形状取得部13と、傾斜演算部14と、角度範囲指定部15と、基準領域設定部16とを含む。ディスプレイ60は、形状測定部10に接続され、各種の情報を表示する。
【0054】
パタン生成部11は、特定の濃淡パタンを生成する。たとえばこの濃淡パタンは、M系列、あるいはdeBruijn系列に従うものであってもよい。プロジェクタ4は、パタン生成部11により生成された濃淡パタンを投射する。カメラ3は、撮像視野内の画像を取得する。パタン検出部12は、カメラ3により取得された、その画像から、濃淡パタンを読み取る。
【0055】
三次元形状取得部13は、パタン生成部11に濃淡パタンを生成するよう指示する。さらに、三次元形状取得部13は、さらにパタン検出部12によって読み取られた濃淡パタンに基づいて、ワークの三次元形状に関する情報を取得する。
【0056】
カメラ3によるワークの撮影に先立って、カメラ3とプロジェクタ4とのキャリブレーションが実行される。さらに基準面50に対する三次元センサ1の傾きが計測される。三次元形状取得部13は、基準面50上に指定された複数の領域と三次元センサ1との間の距離の情報、および、その複数の領域の位置に関する情報を取得する。傾斜演算部14は、三次元形状取得部13によって取得された情報に基づいて、基準面50に対する三次元センサ1の傾きの角度を演算する。さらに、傾斜演算部14は、算出された三次元センサ1の傾斜角度に基づいてインジケータ5を制御する。
【0057】
角度範囲指定部15は、設定角度の範囲をユーザから受け付けて、その設定角度の範囲を傾斜演算部14に指定する。基準領域設定部16は、ユーザによる、基準面50上の複数の領域に関する入力を受け付ける。基準領域設定部16は、ユーザが指定した複数の領域を、基準面50の画像上に設定する。複数の領域は、高さを取得するための領域である。なお、指定される領域の数は3以上であってもよい。ディスプレイ60は、基準面の画像、すなわち濃淡画像を表示する(図2に示す画像70を参照)。
【0058】
図4は、一例に係る濃淡パタンの一部分を示した部分図である。図5は、図4に示す濃淡パタンの一部分を拡大した部分拡大図である。三次元計測装置100は、図4に示した濃淡パタンをワークに投影する。ワークの表面に投影されたパタンには、ワークの高さに応じた歪みが生じる。三次元計測装置100は、パタンが投影されたワークの画像を撮像する。カメラ3とプロジェクタ4との間でキャリブレーションが完了していれば、エピポーラ線上でコードが一意に決まる。これにより、三次元計測装置100は、ワークの三次元形状を計測する。この方法によれば、誤対応が少なく、かつ、高速に三次元再構成(対応位置特定と三角測量)が可能である。
【0059】
図6は、基準面に対する三次元センサ1の傾きを算出する処理のフローを示したフローチャートである。この処理は、三次元計測装置100によって実行される。図3および図6を参照して、ステップS10において、パタン生成部11が投影パタンを生成する。プロジェクタ4は、そのパタンを基準面50に投影する。
【0060】
ステップS11において、カメラ3は、パタン撮像を行う。ステップS12において、三次元形状取得部13は、カメラ3が取得した画像から、対応コードの探索および三角測量により、三次元形状を復元する。これにより距離情報が取得される。
【0061】
ステップS13〜S17の処理により、被写体表面と三次元計測装置100における基準点との間の位置関係が決定される。ステップS13において、傾斜演算部14は、基準面の3か所以上の領域の高さ方向の外れ値を除去する。ステップS14において、傾斜演算部14は、外れ値を除いた基準領域の高さ方向の平均値を算出する。これにより傾斜演算部14は、基準領域の平均高さZを求める。さらに、ステップS14において、傾斜演算部14は、各基準領域の重心の座標を計算する。なお、重心座標はXY座標である。
【0062】
ステップS15において、傾斜演算部14は、ステップS14において算出された平均高さZおよび重心座標XYに基づいて、指定した領域に当てはまる平面を求める。後に詳細に説明するように、この平面は、たとえばax+by+cz+d=0の関係を満たすように定められる。
【0063】
ステップS16において、傾斜演算部14は、基準面の法線ベクトルを求める。さらに、傾斜演算部14は、その法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面の各々に射影する。これにより、傾斜演算部14は、法線ベクトルのX−Z平面内の傾き、および法線ベクトルのY−Z平面内の傾きを算出する。なお、法線ベクトルのX−Z平面内の傾きは角度θXと表される。法線ベクトルのY−Z平面内の傾きは角度θYと表される。
【0064】
ステップS17において、傾斜演算部14は、角度θX,θYの各々の指定値と、ステップS16において算出された値との差分を計算する。ステップS18において、傾斜演算部14は、ディスプレイ60に、角度θX,θYの各々の指定値および算出値を表示する。
【0065】
ステップS19において、傾斜演算部14は、差分に対応するLEDを点灯するようインジケータ5に指示する。インジケータ5は、この指示に従い、対応のLEDを点灯させる(図2を参照)。
【0066】
ステップS20において、傾斜演算部14は、終了指示の有無を判定する。終了指示があった場合、全体の処理は終了する。終了指示が無い場合には、処理はステップS10に戻される。
【0067】
上述の通り、角度θX,θYを求めるために、本実施の形態では基準面50の法線ベクトル(垂線)が求められる。以下に、基準面50の法線ベクトルを算出することが可能な2つの方法を例示する。なお、法線ベクトルを算出する際、ユーザは基準面50の画像(図2に示す画像70)内の領域を指定する。説明を分かりやすくするために、以下では、基準面50の画像(図2に示す画像70)を、単に「基準面50」と表記する。
【0068】
図7は、基準面の法線ベクトルの第1の算出方法を説明するための模式図である。図7を参照して、まず、基準面50上の3つの領域(P,Q,R)が基準領域として指定される。ユーザがディスプレイ60の画面を見ながら、基準面50上の少なくとも3つの点を三次元計測装置100に対して指定する。三次元計測装置100の基準領域設定部16は、ユーザの入力を受け付けることにより、領域P,Q,Rの各々を設定する。
【0069】
次に、傾斜演算部14は、領域P,Q,Rの高さの平均値を計算して平均高さZを算出する。さらに、傾斜演算部14は、領域P,Q,Rの重心座標を計算する。
【0070】
続いて、傾斜演算部14は、平均高さZおよび重心座標に基づいて、ベクトルPQとベクトルPRを決定する。ベクトルPQは領域Pから領域Qへと向かうベクトルである。ベクトルPRは領域Pから領域Rへと向かうベクトルである。
【0071】
傾斜演算部14は、ベクトルPQとベクトルPRとの外積を計算する。ベクトルPQとベクトルPRとの外積は、ベクトルPQおよびベクトルPRの両方に直交するベクトルである。ベクトルPQとベクトルPRとの外積により、基準面50の法線ベクトルが求められる。
【0072】
上記の第1の方法において、3つ以上の領域を基準領域として指定してもよい。その場合には、それらの領域のうちの任意の3つの領域の組み合わせにより生成された法線ベクトルが平均される。その平均ベクトルを法線ベクトルに設定することができる。
【0073】
図8は、基準面の法線ベクトルの第2の算出方法を説明するための模式図である。図8を参照して、まず、基準面50上のn個の領域51,52,53,54,・・・,5nが基準領域として設定される。nは3以上の整数であるが、特に限定されない。これらの領域はユーザが任意に設定してもよい。あるいは、三次元計測装置100の基準領域設定部16が、基準面50内の領域をランダムに選択して、基準領域設定部16は、その選択した領域を基準領域に設定してもよい。
【0074】
次に、傾斜演算部14は、n個の領域の各々の平均高さ(Z座標)および重心座標(XY座標)を計算する。これによりn個の点の各々の座標(X,Y,Z)が求められる。傾斜演算部14は、ax+by+cz+dと表される平面の式に、上記n点の座標(X,Y,Z)を代入する。傾斜演算部14は、最小二乗法(重回帰分析)により、係数a,b,c,dを計算する。計算により求められた係数(a,b,c)が、基準面の法線ベクトルを表す。
【0075】
続いて三次元センサ1のZ軸周りの回転角度θZを求めることが可能な2通りの方法を例示する。
【0076】
図9は、三次元センサ1のZ軸周りの回転角度θZの第1の算出方法を説明するための模式図である。図9を参照して、基準面50上かつ、三次元センサ1のカメラ3の視野内に、基準対象物80を設ける。基準対象物80は、角度θZの調整に用いられる。三次元センサ1のカメラが2次元画像として取得可能であれば、基準対象物80は特に限定されない。基準対象物80は、たとえばワーク、構造物、あるいはテクスチャ(模様)である。
【0077】
次に、基準対象物80の回転傾きに基づいて、形状測定部10の画像処理により角度θZを取得する。第1の算出方法では、形状測定部10は、三次元センサ1が取得した基準対象物80の画像から、基準対象物80の対向する2つの端面のそれぞれのエッジ81,82を抽出する。形状測定部10は、その抽出されたエッジ81,82に直線のあてはめを行う。
【0078】
直線83は、エッジ81,82から求められた直線であり、ax+by+c=0と表すことができる。形状測定部10は、上記の直線の係数(a,b,c)を求める。形状測定部10は、基準面50上の基準直線84に対する直線83の傾き(=a/b)から角度θZを求める。
【0079】
図10は、三次元センサ1のZ軸周りの回転角度θZの第2の算出方法を説明するための模式図である。図10に示すように、基準面50上かつ、三次元センサ1のカメラ3の視野内に、角度θZの調整のための基準対象物80を設ける。第2の方法では、基準対象物80の認識用モデル85を用いる。形状測定部10は、基準対象物80の位置(座標(X,Y))と傾き(角度θ)とを画像認識によって求める。具体的には、形状測定部10は、三次元センサ1が取得した基準対象物80の画像に、認識用モデル85をフィットさせる。形状測定部10は、認識用モデル85の基準角度と、画像認識によって求められた認識用モデル85の角度との差から回転角θZを求める。
【0080】
本実施の形態において、インジケータ5は、種々の構成を有することができる。図11は、本実施の形態に係るインジケータ5の1つの構成例を示した図である。図11に示すように、インジケータ5の複数のLED(発光素子)は、4つの発光素子グループに分けられる。各発光素子グループがインジケータとして機能する。具体的には、X軸に平行な軸と交わるセンサ筐体2の表面2A(第1の面)にはインジケータ5Aが配置される。Y軸に平行な軸と交わるセンサ筐体2の表面2B(第2の面)にはインジケータ5B,5Dが配置される。Z軸に平行な軸と交わるセンサ筐体2の表面2C(第3の面)にはインジケータ5Cが配置される。インジケータ5Dは、センサ筐体2の表面2A(第1の面)に配置されてもよい。なお、図11では、X軸に平行な軸、Y軸に平行な軸、Z軸に平行な軸を、それぞれ「X軸」、「Y軸」、「Z軸」と表記する。
【0081】
インジケータ5Aは、角度θXを表示するためのインジケータである。インジケータ5Bは、角度θYを表示するためのインジケータである。インジケータ5Cは、角度θZを表示するためのインジケータである。インジケータ5Dは、基準面に対する三次元センサ1の高さ(Z軸方向の距離)を表示するためのインジケータである。
【0082】
図11に示した構成では、X軸、Y軸、Z軸の各々に対応するセンサ筐体2の表面にインジケータが配置される。ユーザから各発光素子グループへの視線の方向を、軸の方向に対応させることができる。したがってユーザは角度θX,θY,θZおよび高さZのいずれが基準からずれているかを直観的に判断することができる。
【0083】
図2に示した例と同様に、インジケータ5A,5B,5C,5Dの各々は、たとえば5つのLEDを含むことができる。5つのLEDは1つの緑色LEDと、緑色LEDの両側に配置された2つの黄色LEDと、2つの黄色LEDの各々の外側に配置された2つの赤色LEDとを含むことができる。緑色LEDは、計測値と指定値との差が第1の範囲内である場合に点灯する。黄色LEDは、計測値と指定値との差が第1の範囲より大きい第2の範囲内である場合に点灯する。赤色LEDは、計測値と指定値との差が第2の範囲を超える場合に点灯する。5つのLEDのいずれが点灯するかにより、インジケータ5A,5B,5C,5Dは、ユーザに、角度θX,θY,θZおよび高さZの基準からのずれの程度、および、ずれの範囲を表示する。
【0084】
図12は、本実施の形態に係るインジケータ5の別の構成例を示した図である。図11に示した構成と比較すると、図12に示した構成では、インジケータ5は、センサ筐体2の1つの面にのみ配置される。これにより、角度θX,θY,θZおよび高さZの各々の基準からのずれの程度をユーザが一覧できる。したがって、三次元センサ1の配置を調整する際のユーザの作業性を高めることができる。
【0085】
なお、図11に示したインジケータ5A,5B,5C,5Dあるいは図12に示したインジケータ5は、複数のLED(発光素子)により、ずれのレベルを表示する。しかし、これらのインジケータにレベルメータを用いてもよい。
【0086】
図13は、本実施の形態に係るインジケータ5のさらに別の構成例を示した図である。図13に示すように、インジケータ5は、矢印および記号「±」を表示する。矢印は、ずれの方向を示す。記号「±」は、基準に対するずれの程度が、許容される範囲内(誤差の範囲内)であることを示す。図13に示したインジケータ5によれば、簡単な表示により、X,Y,Zの各方向の基準からのずれの程度をユーザが把握することができる。
【0087】
図14は、本実施の形態に係るインジケータ5のさらに別の構成例を示した図である。図14に示すように、インジケータ5は、たとえば液晶表示器である。インジケータ5は、角度θX,θY,θZおよび高さZの各々の基準からのずれを数値により表示する。
【0088】
さらにインジケータの構成は、上記の例示された構成に限定されない。たとえばインジケータは、音響(音の高さ、繰り返しの間隔等)により、X,Y,Zの各方向の基準からのずれの程度をユーザに示してもよい。
【0089】
以上のように、本実施の形態によれば、三次元計測装置は、カメラと特定のパタンを投射するプロジェクタによって、対象物の3次元情報(高さ、形状)を取得する。ユーザは、インジケータの表示を参照することにより、三次元センサ1の光軸が所望の角度となるように、三次元センサ1の光軸をリアルタイムで調整することができる。これにより、三次元センサ1の光軸が基準面に対して鉛直となるように三次元センサ1を設置できる。したがって、計測対象のワークの高さおよび傾きを正確に計測することができる。
【0090】
ワークが置かれるコンベアあるいは移動ステージは、特定の傾斜面を有する場合がある。本実施の形態によれば、三次元センサ1が、その傾斜面に正対する(三次元センサ1の光軸が傾斜面に垂直となる)ように三次元センサ1を配置することができる。したがって、ワークが傾斜面に置かれる場合であっても、そのワークの高さを正確に計測することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る三次元センサ1は、たとえばロボットハンドに搭載することができる。本実施の形態によれば、三次元センサ1をロボットハンドに搭載した状態で基準面あるいはワークに正対するように、三次元センサ1を設置することができる。
【0092】
また、1つのセンサによりワークの形状を計測する場合、ワークの一部がセンサのカメラの視野の範囲から外れる可能性がある。このような問題を避けるために、複数のセンサを配置する場合がある。本実施の形態によれば、このような場合に、複数のセンサの間で、光軸の相対角度を確認することができる。
【0093】
なお、上述の実施形態では、3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)の各々の周りの回転角度について指定値と計測値との間の差分が求められる。しかし、本実施の形態では、1つの軸周りの回転角度(たとえば俯角あるいはX軸周りの角度)についてのみ、指定値と計測値との間の差分を求めるのでもよい。すなわち、本実施の形態では、少なくとも1つの軸の周りのセンサ筐体の回転角度を計測して、回転角度の計測値と回転角度の指定値との間の差分を算出すればよい。
【0094】
<付記>
以上説明されるように、本実施の形態は、以下の開示を含む。
【0095】
(構成1)
三次元計測装置(100)であって、
センサ筐体(2)と、
前記センサ筐体(2)内に配置され、撮像視野(6)内の画像を取得する撮像部(3)と、
前記撮像部(3)により取得される画像に基づいて、前記撮像視野(6)に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得する距離情報取得部(10)と、
前記距離情報取得部(10)により取得される前記距離情報に基づいて算出される、前記被写体表面と前記三次元計測装置(100)における基準点との位置関係を示す、前記センサ筐体(2)に露出して配置されたインジケータ(5)とを備える、三次元計測装置(100)。
【0096】
(構成2)
前記距離情報取得部(10)は、
前記位置関係を定めるための、少なくとも1つの軸(X,Y,Z)の周りの前記センサ筐体(2)の回転角度(θX,θY,θZ)を計測して、前記回転角度(θX,θY,θZ)の計測値と前記回転角度(θX,θY,θZ)の指定値との間の差分を算出し、
前記インジケータ(5)は、前記回転角度(θX,θY,θZ)の計測値と前記回転角度(θX,θY,θZ)の前記指定値との間の前記差分を示すように構成される、構成1に記載の三次元計測装置(100)。
【0097】
(構成3)
前記距離情報取得部(10)は、前記距離情報に関して、計測値と指定値との間の差分を算出し、
前記インジケータ(5)は、さらに、前記距離情報に関する前記計測値と前記指定値との間の前記差分を示すように構成される、構成1または構成2に記載の三次元計測装置(100)。
【0098】
(構成4)
前記インジケータ(5)は、
前記回転角度に関する前記差分、または、前記距離情報に関する前記差分を示す複数の発光素子を含む、構成2または構成3に記載の三次元計測装置(100)。
【0099】
(構成5)
前記複数の発光素子は、
前記差分が第1の範囲内であるときに、第1の色の光を発する第1の発光素子と、
前記差分が前記第1の範囲よりも広い第2の範囲内であるときに、第2の色の光を発する第2の発光素子と、
前記差分が前記第2の範囲を超える場合に、第3の色の光を発する第3の発光素子とを含む、構成4に記載の三次元計測装置(100)。
【0100】
(構成6)
前記複数の発光素子は、前記第1の発光素子、前記第2の発光素子および前記第3の発光素子を各々含む複数の発光素子グループ(5A〜5D)に分けられ、
前記複数の発光素子グループ(5A〜5D)は、前記センサ筐体(2)の複数の面(2A〜2D)に分配して配置される、構成5に記載の三次元計測装置(100)。
【0101】
(構成7)
前記距離情報を表示する表示部(60)をさらに備える、構成1から6のいずれか1項に記載の三次元計測装置(100)。
【0102】
(構成8)
前記撮像部(3)は、前記センサ筐体(2)から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面(50)の画像を取得し、
前記距離情報取得部(10)は、前記基準面(50)の前記画像上で指定された少なくとも3つの基準領域(P,Q,R)の平均高さおよび重心座標を算出し、前記平均高さおよび前記重心座標に基づいて少なくとも2つのベクトル(PQ,PR)を決定し、前記少なくとも2つのベクトル(PQ,PR)の外積を算出することにより前記基準面(50)の法線ベクトルを算出し、
前記基準面(50)上で互いに直交するX軸およびY軸とし、前記基準面(50)に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部(10)は、前記法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、前記X軸についての前記回転角度(θX)および前記Y軸についての前記回転角度(θX)を計測する、構成2に記載の三次元計測装置(100)。
【0103】
(構成9)
前記撮像部(3)は、前記センサ筐体(2)から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面(50)の画像を取得し、
前記基準面(50)上で互いに直交するX軸およびY軸とし、前記基準(50)面に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部(10)は、前記基準面(50)の前記画像上で指定された少なくとも3つの基準領域(51,52,53,54,5n)の平均高さおよび重心座標を算出し、前記平均高さおよび前記重心座標を、ax+by+cz+dと表される平面の式に代入し、最小二乗法により係数a,b,cを計算して、法線ベクトル(a,b,c)を決定し、前記法線ベクトルをX−Z平面およびY−Z平面に射影することにより、前記X軸についての前記回転角度(θX)および前記Y軸についての前記回転角度(θY)を計測する、構成2に記載の三次元計測装置(100)。
【0104】
(構成10)
前記撮像部(3)は、前記センサ筐体(2)から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面(50)上かつ、前記撮像部(3)の視野内に配置された基準対象物(80)を撮像し、
前記基準面(50)に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部(10)は、前記撮像部(3)によって取得された前記基準対象物(80)の画像の対向する2つの端面のそれぞれのエッジ(81,82)を結ぶ直線(83)と、前記基準面(50)上の基準直線(84)とが成す角度を算出することにより、前記Z軸についての前記回転角度(θZ)の計測値を取得する、構成2に記載の三次元計測装置(100)。
【0105】
(構成11)
前記撮像部(3)は、前記センサ筐体(2)から前記被写体表面までの前記距離の基準となる基準面(50)上かつ、前記撮像部(3)の視野内に配置された基準対象物(80)を撮像し、
前記基準面(50)に垂直な軸をZ軸として、前記距離情報取得部(10)は、前記基準対象物の認識用モデル画像(85)を回転させ、前記認識用モデル画像(85)が前記基準対象物(80)の画像に重なるときの前記認識用モデル画像(85)の回転角度を、前記Z軸についての前記回転角度(θZ)の計測値として取得する、構成2に記載の三次元計測装置(100)。
【0106】
(構成12)
三次元計測装置(100)のセンサ筐体(2)内に配置された撮像部(3)によって、撮像視野(6)内の画像を取得するステップ(S11)と、
前記撮像部(3)により取得される画像に基づいて、前記撮像視野(6)に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップ(S12)と、
前記距離情報に基づいて、前記被写体表面と前記三次元計測装置(100)における基準点との間の位置関係を決定するステップ(S13−S17)と、
前記センサ筐体(2)に露出して配置されたインジケータ(5)により前記位置関係を表示するステップ(S19)とを備える、三次元計測装置の位置表示方法。
【0107】
(構成13)
コンピュータ(10)に、
三次元計測装置(100)のセンサ筐体(2)内に配置された撮像部(3)が撮像視野(6)内の画像を取得するように撮像部(3)を制御するステップ(S11)と、
前記撮像部(3)により取得される画像に基づいて、前記撮像視野(6)に存在する被写体表面上の各点について距離情報を取得するステップ(S12)と、
前記距離情報に基づいて、前記被写体表面と前記三次元計測装置(100)における基準点との間の位置関係を決定するステップ(S13−S17)と、
前記センサ筐体(2)に露出して配置されたインジケータ(5)が前記位置関係を表示するように前記インジケータ(5)を制御するステップ(S19)とを実行させる、プログラム。
【0108】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組み合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0109】
1 三次元センサ、2 センサ筐体、3 カメラ、4 プロジェクタ、5,5A〜5D インジケータ、6 撮像視野、8 光、10 形状測定部、11 パタン生成部、12 パタン検出部、14 傾斜演算部、15 角度範囲指定部、16 基準領域設定部、21,26 緑色LED、22,23,27,28 黄色LED,24,25,29,30 赤色LED、50 基準面、51,52,53,54,71,72,73,P,Q,R 領域、60 ディスプレイ、70 画像、80 基準対象物、81,82 エッジ、83 直線、84 基準直線、85 認識用モデル、100 三次元計測装置、PQ,PR ベクトル、S10〜S20 ステップ、W ワーク。
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