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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-209633(P2019-209633A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】印刷ヘッド、および、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/275 20060101AFI20191115BHJP
   B41J 31/10 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   B41J2/275
   B41J31/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-109226(P2018-109226)
(22)【出願日】2018年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100194102
【弁理士】
【氏名又は名称】磯部 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼瀬 明日香
【テーマコード(参考)】
2C063
2C068
【Fターム(参考)】
2C063AF01
2C063AF08
2C063AF10
2C063AF11
2C063AF17
2C063AF24
2C063AF27
2C063AF39
2C068AA01
2C068AA04
2C068BD01
(57)【要約】
【課題】ワイヤーを磁力により駆動するドットインパクト方式の印刷ヘッドにおいて、磁気干渉の影響を抑制する。
【解決手段】ワイヤーと、ワイヤーに連結されたレバーと、レバーを駆動する複数のソレノイドが配置され、ソレノイドに対応する位置にレバーを配置可能なベース部と、を備え、ベース部は、ソレノイドより少ない数のレバーが、少なくとも1のソレノイドに対応する位置を空けるように配置された印刷ヘッド。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーと、
前記ワイヤーに連結されたレバーと、
前記レバーを駆動する複数のソレノイドが配置され、前記ソレノイドに対応する位置に前記レバーを配置可能なベース部と、を備え、
前記ベース部は、前記ソレノイドより少ない数の前記レバーが、少なくとも1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように配置された、印刷ヘッド。
【請求項2】
前記ベース部に、前記レバーが1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように並べて配置された、請求項1記載の印刷ヘッド。
【請求項3】
前記ベース部に、複数の前記ソレノイドが放射状に並べて設けられた、請求項2記載の印刷ヘッド。
【請求項4】
前記ベース部に形成された全ての前記ソレノイドの位置に対応して配置され、前記レバーの移動を規制する規制部材を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項5】
前記レバーは前記ソレノイドにより駆動されて前記ワイヤーを第1方向に移動させ、前記レバーの基端部は前記第1方向と反対の第2方向に移動し、
前記規制部材は前記レバーの基端部の前記第2方向への移動を規制する、請求項4記載の印刷ヘッド。
【請求項6】
前記ワイヤーを突出させるワイヤー突出面を有し、
前記ベース部及び前記規制部材を覆う合成樹脂製のカバーを備え、
前記カバーは、前記ワイヤー突出面に対向する位置にインクリボンを案内するインクリボンガイドを装着可能である、請求項4または5記載の印刷ヘッド。
【請求項7】
前記ソレノイドが前記レバーを駆動した場合に前記ワイヤーを突出させるワイヤー突出面を有し、
前記ワイヤー突出面には、前記ワイヤーを貫通させる穴であって前記ワイヤーと同数のガイド穴が等間隔に設けられた、請求項2から6のいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項8】
印刷ヘッドと、
印刷媒体を搬送する搬送部と、を備え、
前記搬送部により前記印刷媒体を搬送し、前記印刷ヘッドにより前記印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
前記印刷ヘッドは、
ワイヤーと、
前記ワイヤーに連結されたレバーと、
前記レバーを駆動する複数のソレノイドが配置され、前記ソレノイドに対応する位置に前記レバーを配置可能なベース部と、を備え、
前記ベース部は、前記ソレノイドより少ない数の前記レバーが、少なくとも1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように配置された、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ヘッド、および、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドからワイヤーを打ち出して印刷を行うドットインパクトプリンターが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、コイルとヨークを備えたヘッドが、ワイヤーに連結されたレバーを磁力で駆動し、ワイヤーを打ち出す構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−281964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ドットインパクト方式のヘッドは、複数のワイヤーを備える。例えば、特許文献1に開示されたヘッドは、コイルが巻かれたボビン及びレバーを放射状に並べて配置した構成を有する。また、印刷解像度を高めること、及び、ヘッドの小型化を図ることが要求されるため、多くのドットインパクト方式のヘッドではコイルとレバーは密に配置される。
しかしながら、コイル及びレバーを密に配置することで、隣り合うコイルに電流が流れたときに磁気干渉が発生し、レバーの動作に影響を与える可能性があった。
本発明は、ワイヤーを磁力により駆動するドットインパクト方式の印刷ヘッドにおいて、磁気干渉の影響を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の印刷ヘッドは、ワイヤーと、前記ワイヤーに連結されたレバーと、前記レバーを駆動する複数のソレノイドが配置され、前記ソレノイドに対応する位置に前記レバーを配置可能なベース部と、を備え、前記ベース部は、前記ソレノイドより少ない数の前記レバーが、少なくとも1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように配置される。
【0006】
また、本発明は、前記ベース部に、前記レバーが1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように並べて配置される構成であっても良い。
【0007】
また、本発明は、前記ベース部に、複数の前記ソレノイドが放射状に並べて設けられる構成であっても良い。
【0008】
また、本発明は、前記ベース部に形成された全ての前記ソレノイドの位置に対応して配置され、前記レバーの移動を規制する規制部材を備える構成であっても良い。
【0009】
また、本発明は、前記レバーは前記ソレノイドにより駆動されて前記ワイヤーを第1方向に移動させ、前記レバーの基端部は前記第1方向と反対の第2方向に移動し、前記規制部材は前記レバーの基端部の前記第2方向への移動を規制する構成であっても良い。
【0010】
また、本発明は、前記ワイヤーを突出させるワイヤー突出面を有し、前記ベース部及び前記規制部材を覆う合成樹脂製のカバーを備え、前記カバーは、前記ワイヤー突出面に対向する位置にインクリボンを案内するインクリボンガイドを装着可能である構成であっても良い。
【0011】
また、本発明は、前記ソレノイドが前記レバーを駆動した場合に前記ワイヤーを突出させるワイヤー突出面を有し、前記ワイヤー突出面には、前記ワイヤーを貫通させる穴であって前記ワイヤーと同数のガイド穴が等間隔に設けられた構成であっても良い。
【0012】
また、本発明は、印刷ヘッドと、印刷媒体を搬送する搬送部と、を備え、前記搬送部により前記印刷媒体を搬送し、前記印刷ヘッドにより前記印刷媒体に印刷する印刷装置であって、前記印刷ヘッドは、ワイヤーと、前記ワイヤーに連結されたレバーと、前記レバーを駆動する複数のソレノイドが配置され、前記ソレノイドに対応する位置に前記レバーを配置可能なベース部と、を備え、前記ベース部は、前記ソレノイドより少ない数の前記レバーが、少なくとも1の前記ソレノイドに対応する位置を空けるように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】印刷装置の内部構造を示す斜視図。
図2】印刷ヘッドの側面図。
図3】印刷ヘッドの正面図。
図4】ワイヤー突出面の拡大図。
図5】印刷ヘッドのカバーの構成を示す斜視図。
図6】印刷ヘッドの縦断面図。
図7】印刷ヘッドの内部構成を示す斜視図。
図8】レバー配置部の構成を示す模式図。
図9】印刷ヘッドのカバーの平面図。
図10】印刷ヘッドとインクリボンガイドの組立工程の説明図。
図11】印刷ヘッドの他の構成のカバーの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[1.印刷装置の構成]
印刷装置1の全体構成について説明する。
図1は、本発明を適用した印刷装置1の内部構造を示す斜視図である。
【0015】
印刷装置1は、印刷ヘッド5により、インクリボン2を介して後述するワイヤー3を印刷媒体4に打ち付けて印刷を行うドットインパクトプリンターである。印刷装置1は、印刷ヘッド5と、印刷媒体4を挟んで印刷ヘッド5に対向配置されるプラテン6とを備える。プラテン6は、図示しない搬送モーターの駆動力によって回転するプラテンローラーであり、印刷媒体4を搬送する搬送部として機能する。
印刷装置1は、インクリボンを格納し、印刷ヘッド5とプラテン6との間にインクリボン2を供給するリボンカートリッジ7が装着される。
【0016】
印刷装置1は、印刷装置1の本体右側に配置される右フレーム11aと本体左側に配置される左フレーム11bとから構成される本体フレーム11を備える。右フレーム11aと左フレーム11bとの間には、ガイド軸10が架け渡される。ガイド軸10は、印刷ヘッド5を搭載するキャリッジ9を支持する。なお、印刷装置1の設置状態における上下方向を、以下の説明における上方および下方とする。図1に、上方を符号∪で示す。
【0017】
キャリッジ9は、印刷媒体4の幅方向へ延びるガイド軸10に沿って往復移動可能に取り付けられ、印刷ヘッド5を印刷媒体4の紙幅方向に走査させる。印刷ヘッド5の走査方向を、図1に符号Sで示す。
【0018】
[2.印刷ヘッドの構成]
図2は印刷ヘッド5の側面図である。なお、図2においては、説明の便宜のため、後述するカバー27およびインクリボンガイド26を省略する。
印刷ヘッド5は、プラテン6に対向する側にノーズ21を備える。ノーズ21の内部には、後述するようにワイヤー3が配置され、ワイヤー3はノーズ21からプラテン6に向けて突出し、インクリボン2を印刷媒体4に打ち付ける。また、印刷ヘッド5には、プラテン6に対向する側とは反対側から蓋体19が装着される。蓋体19は、板バネ23によって印刷ヘッド5に固定される。
【0019】
図3は、印刷ヘッド5の正面図であり、ワイヤー3が突出するワイヤー突出面21bから印刷ヘッド5を見た図である。図4はワイヤー突出面21bの拡大図である。図5は印刷ヘッド5のカバー27の構成を示す斜視図である。図6は、印刷ヘッド5の縦断面図である。図7は、印刷ヘッド5の内部構成を示す斜視図である。図7においては、説明の便宜のため、ワイヤー3および、蓋体19の図示を省略する。
【0020】
図3および図5に示すように、印刷ヘッド5には、カバー27が装着されており、カバー27はノーズ21の外周部に設けた係合部21eと係合する。ノーズ21はカバー27が装着された側とは反対側に延出され、ノーズ先端のノーズガイド22には、ワイヤー突出面21bが設けられる。ワイヤー突出面21bには、複数のガイド穴21cが設けられており、ワイヤー3は、ガイド穴21cを貫通して、ノーズ21から突出する。
【0021】
ワイヤー突出面21bにおいて、図4に示すように、ガイド穴21cは、上下方向に並んで設けられ、印刷ヘッド5の走査方向に並ぶ2つの列21j、21kを構成する。ガイド穴21cは、後述するレバー配置部17bと同じ数だけワイヤー突出面21bに設けられる。本実施形態では、図7を参照して後述するように、24個のレバー配置部17bを備える例を説明する。この構成では、最大で24個のレバー18、及び、24本のワイヤー3を配置でき、ワイヤー突出面21bには24個のガイド穴21cが設けられる。列21j、21kはそれぞれ12個のガイド穴21cで構成される。
【0022】
印刷ヘッド5は、ガイド穴21cと同数のワイヤー3を備えていない構成とすることができる。例えば、24個のガイド穴21cを有する印刷ヘッド5に、24本より少ないワイヤー3が配置された構成とすることができる。この場合、レバー18は、ワイヤー3と同数とされる。この構成では、ノーズ21に設けられたガイド穴21cの一部からワイヤー3が突出し、他のガイド穴21cは使用されない。
以下の説明では、24個のガイド穴21cを有する印刷ヘッド5に、12本のワイヤー3、及び、12個のレバー18を配置した構成を説明する。この例では、12個のガイド穴21cからワイヤー3が突出する。ワイヤー3が突出するガイド穴21cの配置は任意であり、例えば、列21j、21kのいずれか一列のガイド穴21cを使用してもよいし、列21j、21kのそれぞれに、使用するガイド穴21cが配置されてもよい。
【0023】
図6に示すように、印刷ヘッド5は、磁性材料からなるフレーム17、バネホルダー20、ノーズ21、及び、基板24を備える。基板24はフレーム17に固定され、基板24とともにノーズ21がフレーム17に固定される。また、フレーム17には、板バネ23により蓋体19が固定される。板バネ23は、ノーズ21に係合され、弾力によって蓋体19の端面をバネホルダー20とともに押圧する。フレーム17は、ベース部に相当する。
【0024】
フレーム17の中央部には開口が形成され、フレーム17は全体として肉厚のリング形状を有する。フレーム17の中央部の開口には、筒状のバネホルダー20が挿入される。筒状のバネホルダー20の内部空間はノーズ21の内部に連通し、バネホルダー20及びノーズ21の内部にワイヤー3が収容される。ノーズ21の内部には、ワイヤー3を支持するノーズガイド22が配置される。
【0025】
フレーム17には、ヨーク13、サイドヨーク14、押えバネ32およびバネホルダー20が、蓋体19により固定される。押えバネ32は、SUSバネ材等の弾性材料で構成される弾性部材であり、本実施形態では板バネである。押えバネ32は、その弾性力によりレバー18の基端部18cの移動を規制する。押えバネ32は規制部材として機能する。
【0026】
印刷ヘッド5は、複数本のワイヤー3を備える。それぞれのワイヤー3は、レバー18の先端部18aに接続される。ワイヤー3は開口したバネホルダー20の中央部を通り、ノーズ21に形成されたノーズガイド21aに挿入される。さらに、ワイヤー3は、ガイド穴21cを通り、ワイヤー突出面21bより突出可能に構成される。
【0027】
印刷ヘッド5は、複数本のワイヤー3を個別に駆動する複数個のソレノイド16を備える。ソレノイド16によりレバー18を介してワイヤー3を駆動する。ソレノイド16はコイル15とコア17aにより構成され、コイル15はボビン15aを介してコア17aに装着される。コア17aは、磁性材料からなるフレーム17と一体的に設けられる。フレーム17は、肉厚のドーナツ型に形成されており、フレーム17の幅方向の中央部にコア17aが配置される。フレーム17の円周方向に沿って複数のコア17aが所定の間隔で配置される。ソレノイド16はレバー18を駆動する駆動部として機能する。
【0028】
図7に示すように、フレーム17には、フレーム17の周方向に沿って、レバー配置部17bが等間隔に、放射状に複数箇所設けられる。
本実施形態では、24箇所のレバー配置部17bが配置される。以下、フレーム17の周方向に沿って、24箇所のレバー配置部17bを、符号17b1、17b2、・・・17b23、17b24を付して区別する。
【0029】
印刷ヘッド5には、レバー配置部17bよりも少ない数のレバー18が、少なくとも1のレバー配置部17bを空けるように配置される。本実施形態では、24個のレバー配置部17bのうち、12個のレバー配置部17bに、12個のレバー18が配置される。より具体的には、24個のレバー配置部17b1〜17b24に、1つおきにレバー18が配置される。例えば、レバー配置部17b1、17b3、17b5、…17b21、17b23にレバー18が配置され、レバー配置部17b2、17b4、17b6、…17b22、17b24には、レバー18が配置されない。
【0030】
各々のレバー18にはワイヤー3が接続されるので、印刷ヘッド5では、12本のワイヤー3が、図4に示したガイド穴21cより突出する。ワイヤー3が突出するガイド穴21cの位置は、上述したように任意である。
【0031】
このように、印刷ヘッド5は、24ピン印刷ヘッドと共通の部品を用いて構成された、12ピン印刷ヘッドである。24ピン印刷ヘッドと部品を共用することで、低いコストで印刷ヘッド5を構成可能となる。また、熱容量の大きい24ピン印刷ヘッド用のフレーム17を利用するので、作動時の印刷ヘッド5における温度上昇が抑制される。
なお、印刷ヘッド5が備えるレバー18の数は任意に変更でき、例えば、印刷ヘッド5を、8本のレバー18を備える8ピンの印刷ヘッドとしてもよい。この場合、レバー配置部17b1〜17b24のうち、8箇所のレバー配置部17bにレバー18が配置される。この場合、レバー配置部17b1〜17b24において2つおきにレバー18が配置されることになる。
【0032】
レバー配置部17bとレバー配置部17bの間には、ヨーク13のヨーク本体部13aおよびサイドヨーク14のサイドヨーク本体部14aが配置される。ヨーク本体部13aはフレーム17の周縁部に、フレーム17の周方向に等間隔で並べて配置される。サイドヨーク本体部14aは、ヨーク本体部13aに接して配置される。レバー配置部17bにレバー18を設置した場合、レバー18の側方にヨーク本体部13aおよびサイドヨーク本体部14aが位置する。ヨーク本体部13a及びサイドヨーク本体部14aは、例えば、同数である。
【0033】
ヨーク13は、複数のヨーク本体部13aと、ヨーク本体部13a間を接続するブリッジ部13bとにより構成される。サイドヨーク14は、複数のサイドヨーク本体部14aと、サイドヨーク本体部14a間を接続する接続部14bと、により構成される。
【0034】
レバー18の基端部18cは、フレーム17の周縁部に位置し、ヨーク本体部13aおよびサイドヨーク本体部14a間のレバー配置部17bにおいて、押えバネ32によりフレーム17側に付勢される。
【0035】
押えバネ32は、レバー18に重なるように配置される。押えバネ32は、中央に開口を有する円板状の基部32aと、基部32aから広がる板体である規制部32bとを有する。規制部32bは、基部32aからフレーム17の外周に向けて、放射状に拡がるように設けられる。規制部32bは、サイドヨーク本体部14aとサイドヨーク本体部14aの間に延び、レバー18の浮き上がり、及び、フレーム17の外への移動を規制する。
押えバネ32は、バネホルダー20に対して位置決めされ、蓋体19とともに、板バネ23によって支持される。
【0036】
レバー18は、図6に示すように、先端部18a、アーマチュア部18b、基端部18cを有する。
【0037】
基端部18cは、ヨーク本体部13aおよびサイドヨーク本体部14a間のレバー配置部17bにおいて、押えバネ32によりフレーム17側に付勢される。
また、レバー18が配置されないレバー配置部17bにおいては、押えバネ32は他の部材を付勢することなく、ヨーク本体部13aおよびサイドヨーク本体部14a間に配置される。
【0038】
先端部18aは、ワイヤー3の基端部に固定される。レバー18の中央部分であるアーマチュア部18bは、コア17aに対向する。基端部18cは、レバー18が駆動される場合の回動中心となる。基端部18cは、フレーム17の周縁部上に配置される耐摩耗部材12、ヨーク13、および押えバネ32により、レバー18が回動可能なように支持される。レバー18には、バネホルダー20に保持されたコイルバネ20aが当接する。
【0039】
上述のように、レバー18はソレノイド16により駆動され、ワイヤー3を、ノーズ21より突出させる方向に移動させる。ワイヤー3がノーズ21から突出する場合のワイヤー3及びレバー18の移動方向を、第1方向A1とする。ワイヤー3が第1方向A1に移動するとき、コイルバネ20aは圧縮される。
【0040】
ソレノイド16による駆動が解除されると、コイルバネ20aの付勢力により、ワイヤー3が第1方向A1と反対方向に移動する。このときの移動方向を、第2方向A2とする。ワイヤー3が第2方向A2に一定量移動すると、ワイヤー3がノーズ21内に収納される。
【0041】
コイル15に電流が供給されると、コイル15が励磁されて磁束が発生する。この磁束は、コア17a及びフレーム17の外周部を通り、ヨーク本体部13aに伝わる。ヨーク本体部13aに伝わった磁束は、レバー18の基端部18cおよびサイドヨーク本体部14aを介してレバー18のサイドヨーク本体部14aと対向する面、すなわちレバー18の側面に伝わる。
【0042】
レバー18においては、基端部18cからの磁束と側面からの磁束がアーマチュア部18bよりフレーム17のコア17aに流れ込み、効率の良い磁気回路が形成される。これにより、レバー18のアーマチュア部18bおよび基端部18cがフレーム17側に吸引され、レバー18が回動し、ワイヤー3を第1方向A1に移動させる。
【0043】
コイル15への通電が停止されると、レバー18は、コイルバネ20aの付勢力によって回動し、ワイヤー3とともに先端部18aを第2方向A2に移動させる。このレバー18の回動に伴い、ワイヤー3の先端側がノーズ21の中へ戻る。
【0044】
ここで、レバー18がワイヤー3を第1方向A1に移動させる際に、基端部18cが第1方向A1と反対の第2方向A2に移動するが、押えバネ32が基端部18cの第2方向A2への移動を規制するので、レバー18の挙動を安定化できる。
【0045】
図8は、印刷ヘッド5が備えるレバー配置部17b構成を示す模式図であり、一例として、レバー配置部17b4、17b5、17b6の配置を示す。この例では、レバー配置部17b5にレバー18が配置され、レバー配置部17b4、17b6にはレバー18が配置されていない。
【0046】
レバー配置部17b5において、レバー18は、コア17aに対応する位置に配置される。レバー配置部17b5のコア17aは、両隣を、レバー18を配置していないコア17aにより挟まれる。
【0047】
レバー配置部17b4、17b5、17b6のコア17aは、いずれも同様に構成され、ボビン15aを介してコイル15が装着される。また、フレーム17において、すべてのコア17aの高さは均一である。
【0048】
このため、レバー配置部17b5のコア17aにおいてコイル15に通電されると、コイル15に発生する磁束Bが、両隣のコア17aに誘導される。また、レバー配置部17b4、17b6にはレバー18が配置されていないため、これらレバー配置部17b4、17b6ではコイル15に通電されることがない。
【0049】
仮に、図8に示すレバー配置部17b5、及び、レバー配置部17b4、17b6のいずれかで、同時にコイル15に電流が流れると、複数のコイル15に発生する磁束が重なりあい、磁気干渉を生じる。磁気干渉が生じた場合、レバー18の動作に影響を生じる。例えば、レバー配置部17b5に位置するレバー18の、第1方向A1または第2方向A2への移動のタイミングが、コイル15への通電のタイミングから遅れる可能性がある。
【0050】
本実施形態では、印刷ヘッド5が備えるレバー配置部17b1〜17b24のうち少なくとも1のレバー配置部17bにレバー18を配置しない。このため、レバー18が配置されないレバー配置部17bに隣接するレバー配置部17bでは、磁気干渉が抑制される。さらに、複数のレバー配置部17bに1つおきにレバー18を配置した構成では、隣接するレバー配置部17bのコイル15が通電される期間が重複しない。このため、全てのレバー18について磁気干渉の影響をほぼ完全に排除できる。磁気干渉を抑制することで、レバー18の挙動が安定する。これにより、レバー18の駆動速度を高速化でき、印刷スループットを向上できる。
【0051】
[3.カバーの構成]
図9は、印刷ヘッド5が有するカバー27の平面図である。図10は印刷ヘッド5とインクリボンガイド26の組立工程の説明図である。
カバー27は合成樹脂製であり、図5に示すようにノーズ21に装着され、フレーム17、蓋体19および板バネ23を外側より覆う。
【0052】
カバー27の上部27c、後面部27dおよび下部27eには開口が設けられる。これらの開口は、カバー27を印刷ヘッド5に装着した状態で自然対流を発生させ、印刷ヘッド5を冷却する。例えば、印刷ヘッド5に発生した熱により温められた空気がカバー27の上部27cおよび後面部27dよりカバー27の外に排出され、下部27eおよび後面部27dから外気が取り込まれ、印刷ヘッド5を冷却する。
【0053】
カバー27による冷却効果は、例えば、印刷ヘッド5にアルミダイキャスト製の放熱器を設置する場合よりも小さいが、印刷ヘッド5の発熱量に応じて採用可能である。すなわち、本実施形態では、印刷ヘッド5に設置するレバー18及びワイヤー3の数が、印刷ヘッド5に設置可能な最大数よりも少ない。従って、印刷ヘッド5に流れる駆動電流が低減されるので、印刷ヘッド5の発熱量は、印刷ヘッド5の最大の発熱量よりも小さい。この構成では、印刷ヘッド5の放熱器を排して、カバー27を印刷ヘッド5に取り付けた構成を採用できる。この構成によれば、印刷ヘッド5を軽量化でき、部品点数の低減による低コスト化、及び製造工数の削減を実現できる。
【0054】
カバー27は、放熱器が取り付けられていない印刷ヘッド5において、蓋体19やフレーム17の露出を防ぐ効果がある。また、カバー27の上部27cに形成された開口は、異物の侵入を防ぐためスリット状である。後面部27dの開口は放熱効果を優先して大きな開口とすることができる。
【0055】
また、カバー27は、インクリボン2をガイドするインクリボンガイド26を支持する。
カバー27の左右側部には、第1ガイド部27aが設けられる。第1ガイド部27aは、図5に示すように、その上面および外側面に、上下方向に延びる溝部27bが形成される。また、第1ガイド部27aの上面は平坦に構成される。
【0056】
図10に示すように、カバー27には、インクリボンガイド26が装着される。インクリボンガイド26は、ワイヤー突出面21bに対向する位置にインクリボン2を案内する。
インクリボンガイド26には、カバー27の溝部27bに係合する突起部26aが設けられる。インクリボンガイド26を上方よりカバー27に装着すると、突起部26aと溝部27bが係合して、インクリボンガイド26がカバー27により保持される。
このように、印刷ヘッド5において、印刷ヘッド5の発熱量に応じてカバー27を設け、カバー27にインクリボンガイド26を固定できる。
【0057】
[4.カバーの変形例]
上述したカバー27を、インクリボンガイド26の装着性を高めた構成とすることも可能である。
図11は、カバー27の変形例としてカバー127を示す平面図である。
【0058】
カバー127の左右側部には、第2ガイド部127fが設けられる。第2ガイド部127fの上部には、溝部127bに向けて下方に傾斜した傾斜面127gが、第2ガイド部127fの前後に設けられる。
【0059】
傾斜面127gは、インクリボンガイド26を印刷ヘッド5に装着する際に、インクリボンガイド26の突起部26aを、溝部127b内に導入する。これにより、第2ガイド部127fにおいて、インクリボンガイド26用の挿入口を広くし、インクリボンガイド26を印刷ヘッド5に容易に装着可能となる。
【0060】
以上説明したように、実施形態に係る印刷ヘッド5は、ワイヤー3と、ワイヤー3に連結されたレバー18と、レバー18を駆動する複数のソレノイド16が配置され、ソレノイド16に対応する位置にレバー18を配置可能なフレーム17と、を備える。印刷ヘッド5では、フレーム17は、ソレノイド16より少ない数のレバー18が、少なくとも1のソレノイド16に対応する位置を空けるように配置される。
本発明を適用した印刷ヘッド5、及び、印刷ヘッド5を備える印刷装置1によれば、近接するソレノイド16との磁気干渉を抑制できる。すなわち、印刷ヘッド5では、複数のソレノイド16によりレバー18を駆動する構成において、少なくとも一部のソレノイド16に対応する位置にレバー18を配置しないので、近接するソレノイド16が同時に通電されて磁気干渉を生じる事態を抑制できる。これにより、レバー18の動作に対する磁気干渉の影響を抑制し、印刷ヘッド5の動作を安定化できる。さらに、レバー18の安定性を高めるができるので、レバー18の動作を高速化し、印刷スループットの向上を図ることができる。
【0061】
また、印刷ヘッド5に配置されるレバー18の数を、印刷ヘッド5に設けられたソレノイド16に対応する位置よりも少なくすることで、印刷ヘッド5の発熱量を、印刷ヘッド5を構成する部材の熱容量より低発熱とすることができる。このため、例えば、印刷ヘッド5から放熱するための放熱板等の部材を省略でき、合成樹脂製のカバーを採用できる。従って、印刷ヘッド5の軽量化、及び構成の簡易化を図ることができる。
【0062】
印刷ヘッド5には、フレーム17に、レバー18が1のソレノイド16に対応する位置を空けるように並べて配置される。これにより、レバー18が配置されない位置に隣接し、或いは近接するソレノイド16における磁気干渉を抑制できる。
【0063】
また、印刷ヘッド5には、フレーム17に、複数のソレノイド16が放射状に並べて設けられる。このように、小型化のためにレバー18が密に配置された印刷ヘッド5において、磁気干渉を抑制し、レバー18の動作を安定化できる。
【0064】
また、印刷ヘッド5は、フレーム17に形成された全てのソレノイド16の位置に対応して配置され、レバー18の移動を規制する押えバネ32を備える。これにより、磁気干渉を抑制し、レバー18の動作を、より一層安定化させることができる。
【0065】
また、印刷ヘッド5において、レバー18はソレノイド16により駆動されてワイヤー3を第1方向A1に移動させる。また、レバー18の基端部18cは第1方向A1と反対の第2方向A2に移動し、押えバネ32はレバー18の基端部18cの第2方向A2への移動を規制する。これにより、レバー18の挙動を安定化できる。
【0066】
また、印刷ヘッド5は、ワイヤー3を突出させるワイヤー突出面21bを有し、フレーム17及び押えバネ32を覆う合成樹脂製のカバー27を備える。カバー27は、ワイヤー突出面21bに対向する位置にインクリボン2を案内するインクリボンガイド26を装着可能とする。このように、レバー18の数が、ソレノイド16にレバー18を配置可能な位置よりも少ない数であり、印刷ヘッド5が低発熱であることを利用して、合成樹脂製のカバー27を用い、印刷ヘッド5の軽量化を図ることができる。さらに、カバー27にインクリボンガイド26を装着することで、インクリボンガイド26を支持する構成の簡略化を実現できる。
【0067】
また、印刷ヘッド5は、ソレノイド16がレバー18を駆動した場合にワイヤー3を突出させるワイヤー突出面21bを有する。ワイヤー突出面21bには、ワイヤー3を貫通させる穴であってワイヤー3と同数のガイド穴21cが等間隔に設けられる。この構成において、印刷ヘッド5の磁気干渉を抑制することにより、ワイヤー3を突出させる動作を安定化できる。さらに、ワイヤー3及びレバー18の数を、ガイド穴21cの数と同数とすることにより、印刷ヘッド5の構成における無駄を省き、印刷ヘッド5の製造の効率向上を図ることができる。
【0068】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、印刷ヘッド5が備えるレバー配置部17bの数は限定されず、適宜に変更可能であり、ワイヤー3、レバー18及びコイルバネ20aの数についても同様である。また、上述した印刷装置1が印刷する印刷媒体4の形態についても制限はなく、連続紙、ロール紙、カット紙等を用いる構成とすることができる。また、印刷装置1は、図1に示すように独立した装置として構成されてもよいし、ATM(Automatic Teller Machine)等の装置に組み込まれる構成であってもよい。その他の印刷装置1および印刷ヘッド5の細部構成についても本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…印刷装置、2…インクリボン、3…ワイヤー、4…印刷媒体、5…印刷ヘッド、6…プラテン、7…リボンカートリッジ、12…耐摩耗部材、13…ヨーク、13a…ヨーク本体部、14…サイドヨーク、14a…サイドヨーク本体部、14b…接続部、15…コイル、15a…ボビン、16…ソレノイド(駆動部)、17…フレーム(ベース部)、17a…コア、17b、17b1〜17b24…レバー配置部、18…レバー、18a…先端部、18b…アーマチュア部、18c…基端部、20a…コイルバネ、21…ノーズ、21b…ワイヤー突出面、21c…ガイド穴、22…ノーズガイド、26…インクリボンガイド、27、127…カバー、32…押えバネ(規制部材)。
図1
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図11