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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-212531(P2019-212531A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】保護装置及び電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20191115BHJP
   G01K 1/14 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   G01K1/14 L
   H01M2/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-108815(P2018-108815)
(22)【出願日】2018年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 慎輔
(72)【発明者】
【氏名】川崎 直哉
(72)【発明者】
【氏名】川地 貴大
(72)【発明者】
【氏名】義村 克也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 彬宜
(72)【発明者】
【氏名】小林 武徳
【テーマコード(参考)】
2F056
5H040
【Fターム(参考)】
2F056CL07
2F056CL11
5H040AA03
5H040AA27
5H040AA33
5H040AY08
5H040DD26
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】同一の温度センサを用いること。
【解決手段】同一の温度センサ131を各々異なる取付形態で保持及び保護する第1保護具10及び第2保護具20を備え、第1保護具は、第1挿入方向D1に沿って挿入された温度センサを保持及び保護する第1センサ保持構造体11を有し、第2保護具は、第2挿入方向D2で挿入された温度センサを保持及び保護する第2センサ保持構造体21を有し、第1センサ保持構造体は、温度センサの被係止部131eに対して第1挿入方向とは逆側で対向配置される係止部12を設け、第2センサ保持構造体は、温度センサを収容するセンサ収容体23とカバー体24とを備え、センサ収容体とカバー体は、温度センサを挟持する第1当接部25と第2当接部26を有し、第1当接部と第2当接部の内の少なくとも一方は、被係止部に当接させるように形成すること。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測温体と基体と被保持体とがその順番で直線上に配列された同一の温度センサを保護する保護具であり、第1取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第1保護具並びに第2取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第2保護具を備え、
前記第1保護具は、前記配列方向に直交する第1挿入方向に沿って挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを電池モジュールの電池セルに関わる第1測温位置に配置する第1センサ保持構造体を有し、
前記第2保護具は、前記配列方向に沿う第2挿入方向で挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第2測温位置に配置する第2センサ保持構造体を有し、
前記第1センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入完了後に前記被保持体の被係止部に対して前記第1挿入方向とは逆側で対向配置される係止部を、前記温度センサの複数の前記被係止部毎に設け、
前記第2センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入口を有し、前記挿入口から挿入された前記温度センサを収容するセンサ収容体と、前記挿入口を塞ぐカバー体と、を備え、
前記センサ収容体は、前記カバー体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第1当接部を有し、
前記カバー体は、前記センサ収容体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第2当接部を有し、
前記第1当接部と前記第2当接部の内の少なくとも一方は、前記被係止部に当接させるように形成することを特徴とした保護装置。
【請求項2】
前記第1保護具は、前記電池セルから排出されたガスの第1流路上に前記温度センサを配置させるべく前記第1センサ保持構造体を設け、
前記第2保護具は、前記電池セルから排出されたガスの第2流路上に前記温度センサを配置させるべく前記第2センサ保持構造体を設けることを特徴とした請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
前記第1保護具は、前記第1センサ保持構造体で保持及び保護された前記温度センサから前記配列方向に沿って引き出された電線を保持及び保護する第1電線保持構造体を有し、
前記第2保護具は、前記第2センサ保持構造体で保持及び保護された前記温度センサから前記配列方向に対する直交方向に引き出された電線を保持及び保護する第2電線保持構造体を有することを特徴とした請求項1又は2に記載の保護装置。
【請求項4】
複数の電池セルを内在させた複数の電池モジュールと、
前記電池セルに関わる測温対象の温度検出用の温度センサを保護する保護装置と、
を備え、
前記保護装置は、測温体と基体と被保持体とがその順番で直線上に配列された同一の前記温度センサを保護する保護具であり、第1取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第1保護具並びに第2取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第2保護具を備え、
前記第1保護具は、前記配列方向に直交する第1挿入方向に沿って挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第1測温位置に配置する第1センサ保持構造体を有し、
前記第2保護具は、前記配列方向に沿う第2挿入方向で挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第2測温位置に配置する第2センサ保持構造体を有し、
前記第1センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入完了後に前記被保持体の被係止部に対して前記第1挿入方向とは逆側で対向配置される係止部を、前記温度センサの複数の前記被係止部毎に設け、
前記第2センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入口を有し、前記挿入口から挿入された前記温度センサを収容するセンサ収容体と、前記挿入口を塞ぐカバー体と、を備え、
前記センサ収容体は、前記カバー体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第1当接部を有し、
前記カバー体は、前記センサ収容体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第2当接部を有し、
前記第1当接部と前記第2当接部の内の少なくとも一方は、前記被係止部に当接させるように形成することを特徴とした電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護装置及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やハイブリッド車等の車両には、その駆動源となる回転機に対して給電を行ったり、その回転機で生成された回生電力を充電したりするための電池パックが搭載されている。その電池パックは、複数の電池セルが配列され且つ導電部材を介して電気的に接続された電池モジュールを備える。この種の車両では、電池モジュールの安定した充放電制御を行うべく、電池セルの電池状態(温度や電圧等)を監視している。保護装置とは、電池状態検出センサを保護及び保持するものである。下記の特許文献1には、温度センサの取付構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−44850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、温度センサは、電池パックにおいて、電池セルに関わる所定の複数箇所の測温位置に取り付ける。そして、電池パックにおいては、測温位置の場所や温度センサの取付作業性等に応じて、温度センサの取り付けの向きを変えざるを得ない場合がある。そのような場合には、例えば、1つの電池パックで複数種類の温度センサが用意される。
【0005】
そこで、本発明は、取付形態が異なる場合でも同一の温度センサを用いることが可能な保護装置及び電池パックを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明に係る保護装置は、測温体と基体と被保持体とがその順番で直線上に配列された同一の温度センサを保護する保護具であり、第1取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第1保護具並びに第2取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第2保護具を備え、前記第1保護具は、前記配列方向に直交する第1挿入方向に沿って挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを電池モジュールの電池セルに関わる第1測温位置に配置する第1センサ保持構造体を有し、前記第2保護具は、前記配列方向に沿う第2挿入方向で挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第2測温位置に配置する第2センサ保持構造体を有し、前記第1センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入完了後に前記被保持体の被係止部に対して前記第1挿入方向とは逆側で対向配置される係止部を、前記温度センサの複数の前記被係止部毎に設け、前記第2センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入口を有し、前記挿入口から挿入された前記温度センサを収容するセンサ収容体と、前記挿入口を塞ぐカバー体と、を備え、前記センサ収容体は、前記カバー体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第1当接部を有し、前記カバー体は、前記センサ収容体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第2当接部を有し、前記第1当接部と前記第2当接部の内の少なくとも一方は、前記被係止部に当接させるように形成することを特徴としている。
【0007】
ここで、前記第1保護具は、前記電池セルから排出されたガスの第1流路上に前記温度センサを配置させるべく前記第1センサ保持構造体を設け、前記第2保護具は、前記電池セルから排出されたガスの第2流路上に前記温度センサを配置させるべく前記第2センサ保持構造体を設けることが望ましい。
【0008】
また、前記第1保護具は、前記第1センサ保持構造体で保持及び保護された前記温度センサから前記配列方向に沿って引き出された電線を保持及び保護する第1電線保持構造体を有し、前記第2保護具は、前記第2センサ保持構造体で保持及び保護された前記温度センサから前記配列方向に対する直交方向に引き出された電線を保持及び保護する第2電線保持構造体を有することが望ましい。
【0009】
また、上記目的を達成する為、本発明に係る電池パックは、複数の電池セルを内在させた複数の電池モジュールと、前記電池セルに関わる測温対象の温度検出用の温度センサを保護する保護装置と、を備え、前記保護装置は、測温体と基体と被保持体とがその順番で直線上に配列された同一の前記温度センサを保護する保護具であり、第1取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第1保護具並びに第2取付形態で前記温度センサを保持及び保護する第2保護具を備え、前記第1保護具は、前記配列方向に直交する第1挿入方向に沿って挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第1測温位置に配置する第1センサ保持構造体を有し、前記第2保護具は、前記配列方向に沿う第2挿入方向で挿入された前記温度センサを保持及び保護して、前記温度センサを前記電池モジュールの前記電池セルに関わる第2測温位置に配置する第2センサ保持構造体を有し、前記第1センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入完了後に前記被保持体の被係止部に対して前記第1挿入方向とは逆側で対向配置される係止部を、前記温度センサの複数の前記被係止部毎に設け、前記第2センサ保持構造体は、前記温度センサの挿入口を有し、前記挿入口から挿入された前記温度センサを収容するセンサ収容体と、前記挿入口を塞ぐカバー体と、を備え、前記センサ収容体は、前記カバー体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第1当接部を有し、前記カバー体は、前記センサ収容体との間で前記温度センサを前記配列方向で挟持するべく前記温度センサに当接させる第2当接部を有し、前記第1当接部と前記第2当接部の内の少なくとも一方は、前記被係止部に当接させるように形成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る保護装置及び電池パックは、第1保護具と第2保護具とで温度センサの取付形態を異にするが、その第1保護具と第2保護具とで同一の温度センサを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態の保護装置及び電池パックを示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の保護装置及び電池パックを別角度から見た斜視図である。
図3図3は、温度検出具を示す斜視図である。
図4図4は、第1保護具の分解斜視図である。
図5図5は、第1保護具の第1センサ保持構造体を挿入口側から見た斜視図である。
図6図6は、温度検出具が取り付けられた第1保護具の第1センサ保持構造体を挿入口側から見た斜視図である。
図7図7は、温度検出具が取り付けられた第1保護具の第1センサ保持構造体を突出口側から見た斜視図である。
図8図8は、カバー部材について説明する分解斜視図である。
図9図9は、第2保護具の分解斜視図である。
図10図10は、第2保護具の第2センサ保持構造体とカバー体とを挿入口側から見た分解斜視図である。
図11図11は、温度検出具とカバー部材とが取り付けられた第2保護具の第2センサ保持構造体を突出口側から見た斜視図である。
図12図12は、温度検出具とカバー部材とが取り付けられた第2保護具の第2センサ保持構造体を示す平面図である。
図13図13は、図12のX1−X1線断面図である。
図14図14は、図12のX2−X2線断面図である。
図15図15は、カバー部材を内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る保護装置及び電池パックの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
本発明に係る保護装置及び電池パックの実施形態の1つを図1から図15に基づいて説明する。
【0014】
図1及び図2の符号1は、本実施形態の保護装置を示す。図1及び図2の符号100は、本実施形態の電池パックを示す。
【0015】
電池パック100は、複数の電池モジュール110を備える(図1及び図2)。そして、電池モジュール110は、少なくとも1組の電池セル群(図示略)と、この電池セル群を収容して内在させる筐体120と、を備える(図1及び図2)。
【0016】
電池セル群は、正負それぞれの電極端子を有する電池セル(図示略)の集合体であり、配列された複数の電池セルが導電部材(図示略)を介して電気的に接続されている。電池セルは、例えば、直方体状又は円柱状に形成されたセル本体を有する。直方体状の電池セルにおいては、例えば、セル本体の1つの壁面に正負それぞれの電極端子が配置されたり、セル本体の対向配置された2つの壁面に正負それぞれの電極端子が各々配置されたりしている。また、円柱状の電池セルにおいては、軸線方向における両端に正負それぞれの電極端子が各々配置されている。筐体120は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
【0017】
この電池モジュール110を備える電池パック100は、電池セルの状態(所謂電池状態)を検出するための電池状態検出具を備える。電池状態検出具は、電池状態を検出するセンサ(以下、「電池状態検出センサ」という。)と、この電池状態検出センサに対して電気的に接続された電線と、を備える。この電池状態検出具においては、検出対象となる電池状態に応じた電池状態検出センサが設けられている。この例示の電池パック100は、電池状態検出具として、電池セルに関わる測温対象の温度を検出するための温度検出具130(図1から図3)を複数箇所に備える。ここでは、2箇所に温度検出具130を備えている。それぞれの温度検出具130は、電池セルの電池状態を監視する電池監視ユニット(図示略)に接続され、この電池監視ユニットに検出情報を送信する。
【0018】
温度検出具130は、電池状態検出センサとして、電池セルに関わる測温対象の温度検出用の温度センサ131を備える(図3)。その温度センサ131は、測温対象の温度を検出する測温体131aと、この測温体131aを支持する基体131bと、保護装置1に保持させるための被保持体131cと、を有する。この温度センサ131においては、その測温体131aと基体131bと被保持体131cとがその順番で直線上に配列されている。ここでは、温度の変化を抵抗値の変化に基づき検出するサーミスタを温度センサ131として利用する。この例示の温度センサ131は、電池セルから排出されたガスの温度を検出し、そのガスの温度に基づいて電池セルの電池状態を監視させる。
【0019】
ここで、基体131bは、方体状に形成されている。被保持体131cは、連接された3つの矩形の平板状の壁部131d,131d,131dと、複数の被係止部131eと、を有する(図3)。それぞれの壁部131d,131d,131dは、測温体131aと基体131bと被保持体131cの配列方向(以下、単に「配列方向」という。)に沿って、基体131bにおける測温体131aとは逆側の外壁面131bの3つの辺部から各々同一方向に突出させている。この被保持体131cにおいては、配列方向に対する直交方向で対向配置された2つの壁部131d,131dに、被係止部131eが各々1つずつ設けられている。被係止部131eは、その直交方向に沿って、それぞれの壁部131d,131dから外方に向けて突出させる。この例示の被係止部131eは、その直交方向と配列方向とに直交する方向で相手方に係止されることが可能な爪状に形成している。
【0020】
更に、この温度検出具130は、その温度センサ131から引き出された2本の電線132を備える(図3)。それぞれの電線132は、基体131bの外壁面131bから引き出された後、被保持体131cの空洞部131fを介して温度センサ131の外方に引き出される。空洞部131fとは、それぞれの壁部131d,131d,131dにより形成される内方側の空間部のことである。
【0021】
2箇所のそれぞれの温度検出具130には、各々、同一のものを用いる。但し、それぞれの温度検出具130においては、温度センサ131が同一である一方、配索経路如何で電線132の長さに違いが生じている場合もある。ここでは、その電線132の長さの違いに拘わらず、温度センサ131が同一であれば、温度検出具130も同一のものとして考える。
【0022】
それぞれの温度検出具130は、保護装置1で保護する(図1及び図2)。その保護装置1は、同一の温度センサ131を保護する保護具であり、第1取付形態で温度センサ131を保持及び保護する第1保護具10(図1及び図4から図8)と、第2取付形態で温度センサ131を保持及び保護する第2保護具20(図1図2及び図9から図14)と、を備える。第1保護具10とは、具体的に、2箇所のそれぞれの温度検出具130の内の一方を保護するためのものである。第2保護具20とは、具体的に、2箇所のそれぞれの温度検出具130の内の他方を保護するためのものである。尚、図示しないが、第1保護具10と第2保護具20は、各々、電池モジュール110の所定位置(例えば、エンドプレート)に取り付けられる。
【0023】
先ずは第1保護具10について説明する。
【0024】
第1保護具10は、配列方向に直交する第1挿入方向D1に沿って挿入された温度センサ131を保持及び保護して、この温度センサ131を電池モジュール110の電池セルに関わる第1測温位置に配置する第1センサ保持構造体11を有している(図4から図7)。第1挿入方向D1とは、先に示した直交方向と配列方向とに直交する方向に沿うものである。電池パック100においては、電池セルから排出されたガスの第1流路上に第1測温位置が設定されている。第1保護具10は、その第1流路上に温度センサ131を配置させるべく第1センサ保持構造体11を設ける。
【0025】
第1センサ保持構造体11は、温度センサ131の挿入完了後に被保持体131cの被係止部131eに対して第1挿入方向D1とは逆側で対向配置される係止部12を有する(図4から図7)。この第1センサ保持構造体11は、その係止部12を温度センサ131の複数の被係止部131e毎に設けている。
【0026】
更に、第1保護具10は、第1センサ保持構造体11で保持及び保護された温度センサ131から配列方向に沿って引き出された電線132を保持及び保護する第1電線保持構造体13を有する(図4から図7)。その第1電線保持構造体13は、基体131bから引き出された後、被保持体131cの空洞部131fを介して配列方向に沿って引き出された電線132を保持及び保護するように形成する。この第1電線保持構造体13は、その電線132の配索経路に沿って形成されている。
【0027】
具体的に、この例示の第1保護具10は、温度センサ131及び電線132を収容し且つ保持する収容部材30と、この収容部材30に取り付けるカバー部材40と、を備えている(図4)。収容部材30とカバー部材40は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この第1保護具10においては、第1センサ保持構造体11を収容部材30に設け、第1電線保持構造体13を収容部材30とカバー部材40とで構成する。よって、収容部材30は、第1センサ保持構造体11を成すセンサ収容体31と、第1電線保持構造体13を成す電線収容体32と、を有している(図4から図7)。そのセンサ収容体31と電線収容体32は、一体となって成形されている。
【0028】
センサ収容体31は、収容部材30において、温度センサ131を収容し且つ保持する部位である。センサ収容体31は、矩形の主壁31aと、この主壁31aにおける対向配置された2つの辺部から同一方向に突出させた側壁31bと、を有する(図5及び図7)。このセンサ収容体31においては、その主壁31aと2つの側壁31bとが成す内方の空間部を温度センサ131の収容室31cとして利用する(図5)。また、このセンサ収容体31においては、その主壁31aに対向配置されている開口を温度センサ131の収容室31cへの挿入口31cとして利用する(図5)。更に、このセンサ収容体31には、主壁31aと2つの側壁31bの連接するそれぞれの端部が成す2つの開口が形成される。それぞれの開口は、配列方向で間隔を空けて対向配置させるものであり、一方を測温体131aの突出口31cとして利用し、他方を電線132の引出口31cとして利用する(図5及び図6)。つまり、このセンサ収容体31においては、突出口31cから測温体131aを外方に飛び出させた状態で収容室31cに温度センサ131が収容される。また、電線132は、引出口31cからセンサ収容体31の外方に引き出されて、電線収容体32へと案内される。
【0029】
ここで、このセンサ収容体31においては、収容室31cと外方とを連通させる切欠き部31dが2箇所に形成されている(図5から図7)。一方の切欠き部31dは、主壁31aと一方の側壁31bとの間の隅部の一部を切り欠いたものである。他方の切欠き部31dは、主壁31aと他方の側壁31bとの間の隅部の一部を切り欠いたものである。それぞれの切欠き部31dには、温度センサ131の収容室31cへの収容が完了した際に、この温度センサ131の被係止部131eが挿入される。このセンサ収容体31においては、その挿入状態で、それぞれの側壁31bにおける切欠き部31dの端面を被係止部131eに対して第1挿入方向D1とは逆側で対向配置させる。つまり、このセンサ収容体31においては、その切欠き部31dの端面を係止部12として利用し、この切欠き部31dに挿入された被係止部131eに係止部12を対向配置させることで、温度センサ131を保持する。
【0030】
係止部12と被係止部131eは、少なくともその内の一方が撓むように形成して、温度センサ131を収容室31cへと収容する際に、爪状の被係止部131eが係止部12を乗り越えることができるようにしている。例えば、被係止部131eは、可撓性を持たせた壁部131d,131dを撓ませることで、この壁部131d,131dと共に変位させる。また、係止部12は、自らが可撓性を持つものであればよい。
【0031】
電線収容体32は、収容部材30において、電線132を収容し且つ保持する部位である。電線収容体32は、2本の電線132の配索経路に沿うように形成した主壁32aと、この主壁32aの延在方向に沿うように主壁32aの両端から各々突出させた側壁32bと、を有する(図5から図7)。更に、この電線収容体32は、2つの側壁32bの間をこれらの延在方向に沿って間仕切りする仕切り壁32cを複数箇所に有する(図5及び図6)。電線収容体32においては、主壁32aに対向配置されている開口を2本の電線132の電線挿入口32dとして利用する(図5及び図6)。仕切り壁32cが存在する部分では、一方の側壁32bと仕切り壁32cとにおける突出方向側の端部の間の開口と、他方の側壁32bと仕切り壁32cとにおける突出方向側の端部の間の開口と、に電線挿入口32dが分けられており、そのそれぞれの開口から電線132が挿入される。
【0032】
この電線収容体32には、その配索された電線132を保持するための保持部32eを設けている。その保持部32eは、それぞれの電線挿入口32dに設けている(図8)。一方の保持部32eは、仕切り壁32cから一方の側壁32bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。他方の保持部32eは、仕切り壁32cから他方の側壁32bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。それぞれの保持部32eは、自由端と側壁32bとの間の隙間が電線132の径方向における最小の大きさよりも狭くなるように形成する。その隙間は、電線132の電線挿入口32dからの押し込み挿入を可能にすると共に外力無しでの電線132の挿通が不能になるように設定する。保持部32eの数量は、電線収容体32の長さに応じて決める。この例示では、複数箇所に保持部32eを設けている。
【0033】
カバー部材40は、電線収容体32の電線挿入口32dの全体又は一部を塞ぐことができるように形成する。この例示のカバー部材40は、電線収容体32の直線部分における電線挿入口32dを塞ぐように直線状に形成する。このカバー部材40は、電線収容体32の複数箇所の直線部分に各々取り付ける。このカバー部材40は、第1保護具10と第2保護具20とで共用させる。
【0034】
電線収容体32とカバー部材40は、電線収容体32の側壁32bに設けた爪状の被係止部32fと、カバー部材40に設け、電線挿入口32dを閉塞させている状態で被係止部32fに引っ掛ける係止部41と、を用いた保持機構で互いに保持する(図8)。この保持機構は、複数箇所に設けている。
【0035】
次に、第2保護具20について説明する。
【0036】
第2保護具20は、配列方向に沿う第2挿入方向D2で挿入された温度センサ131を保持及び保護して、この温度センサ131を電池モジュール110の電池セルに関わる第2測温位置に配置する第2センサ保持構造体21を有している(図9から図12)。電池パック100においては、電池セルから排出されたガスの第2流路上に第2測温位置が設定されている。第2保護具20は、その第2流路上に温度センサ131を配置させるべく第2センサ保持構造体21を設ける。
【0037】
第2センサ保持構造体21は、温度センサ131の挿入口22を有し、その挿入口22から挿入された温度センサ131を収容するセンサ収容体23と、その挿入口22を塞ぐカバー体24と、を備える(図9及び図10)。
【0038】
ここで、センサ収容体23は、カバー体24との間で温度センサ131を配列方向で挟持するべく温度センサ131に当接させる第1当接部25を有する(図9図10図12及び図13)。また、カバー体24は、センサ収容体23との間で温度センサ131を配列方向で挟持するべく温度センサ131に当接させる第2当接部26を有する(図14及び図15)。つまり、第2センサ保持構造体21は、センサ収容体23の第1当接部25とカバー体24の第2当接部26とで温度センサ131を挟み込むことによって、この温度センサ131を保持する。その第1当接部25と第2当接部26の内の少なくとも一方は、温度センサ131の被係止部131eに当接させるように形成する。
【0039】
更に、第2保護具20は、第2センサ保持構造体21で保持及び保護された温度センサ131から配列方向に対する直交方向に引き出された電線132を保持及び保護する第2電線保持構造体27を有する(図9から図12)。その第2電線保持構造体27は、基体131bから引き出された後、被保持体131cの空洞部131fを介して配列方向に対する直交方向に引き出された電線132を保持及び保護するように形成する。この第2電線保持構造体27は、その電線132の配索経路に沿って形成されている。
【0040】
具体的に、この例示の第2保護具20は、温度センサ131及び電線132を収容し且つ保持する収容部材50と、この収容部材50に取り付けるカバー部材40,60と、を備えている(図9)。収容部材50とカバー部材60は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この第2保護具20においては、第2センサ保持構造体21のセンサ収容体23を収容部材50に設け、第2センサ保持構造体21のカバー体24をカバー部材60に設ける。また、第2保護具20においては、第2電線保持構造体27を収容部材50とカバー部材40,60とで構成する。よって、収容部材50は、センサ収容体23と、第2電線保持構造体27を成す電線収容体51と、を有している(図9から図12)。そのセンサ収容体23と電線収容体51は、一体となって成形されている。
【0041】
センサ収容体23は、測温体131aと基体131bを配列方向に沿って内方に収容する筒部23aを有する(図10から図14)。その筒部23aは、筒軸方向の両端を開口させており、その内の一方を測温体131aの突出口23aとして利用し(図11及び図13)、その内の他方を温度センサ131の挿入口22として利用する(図9及び図10)。
【0042】
センサ収容体23は、その筒部23aの筒軸方向における挿入口22側の端部に設けた鍔部23bを有する(図9から図13)。この例示のセンサ収容体23は、その鍔部23bの壁面を第1当接部25として利用し、温度センサ131の被係止部131eを当接させる(図10図12及び図13)。このセンサ収容体23においては、測温体131aと基体131bとが筒部23aに収容された際に、被係止部131eが第1当接部25に当接する。
【0043】
電線収容体51は、2本の電線132の配索経路に沿うように形成した主壁51aと、この主壁51aの延在方向に沿うように主壁51aの両端から各々突出させた側壁51bと、を有する(図10から図12)。更に、この電線収容体51は、2つの側壁51bの間をこれらの延在方向に沿って間仕切りする仕切り壁51cを複数箇所に有する(図10)。電線収容体51においては、主壁51aに対向配置されている開口を2本の電線132の電線挿入口51dとして利用する(図10)。仕切り壁51cが存在する部分では、一方の側壁51bと仕切り壁51cとにおける突出方向側の端部の間の開口と、他方の側壁51bと仕切り壁51cとにおける突出方向側の端部の間の開口と、に電線挿入口51dが分けられており、そのそれぞれの開口から電線132が挿入される。
【0044】
この電線収容体51には、その配索された電線132を保持するための保持部51eを設けている(図10)。その保持部51eは、それぞれの電線挿入口51dに設けている。一方の保持部51eは、仕切り壁51cから一方の側壁51bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。他方の保持部51eは、仕切り壁51cから他方の側壁51bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。それぞれの保持部51eは、自由端と側壁51bとの間の隙間が電線132の径方向における最小の大きさよりも狭くなるように形成する。その隙間は、電線132の電線挿入口51dからの押し込み挿入を可能にすると共に外力無しでの電線132の挿通が不能になるように設定する。保持部51eの数量は、電線収容体51の長さに応じて決める。この例示では、複数箇所に保持部51eを設けている。
【0045】
カバー部材40は、第1保護具10で用いたものと同じである。よって、このカバー部材40は、電線収容体51の複数箇所の直線部分に各々取り付けて、その直線部分における電線挿入口51dを塞ぐ。
【0046】
一方、カバー部材60は、センサ収容体23の挿入口22側と、電線収容体51におけるセンサ収容体23側の電線挿入口51dと、を塞ぐことができるように形成する。このカバー部材60においては、そのセンサ収容体23の挿入口22側を塞ぐ部分がカバー体24となる。先に示したように、そのカバー体24には、第2当接部26が設けられている。この例示の第2当接部26は、カバー体24から温度センサ131に向けて膨出させた膨出部として形成している(図14及び図15)。このカバー部材60は、収容部材50に取り付けた際に、第2当接部26が温度センサ131に当接する。これにより、温度センサ131は、センサ収容体23の第1当接部25とカバー体24の第2当接部26とで挟持され、この第2保護具20に収容及び保持される。
【0047】
電線収容体51には、電線収容体32と同じように、側壁51bに複数の爪状の被係止部51f(図10)を設けている。よって、この電線収容体51とカバー部材40は、電線収容体51の被係止部51fとカバー部材40の係止部41とを用いた保持機構で互いに保持する。一方、センサ収容体23には、被係止部51fと同様の爪状の被係止部23cを設けている(図10から図12)。そして、カバー部材60には、係止部41と同様の係止部61を設けている(図10から図12)。よって、収容部材50とカバー部材60は、センサ収容体23の被係止部23cとカバー部材60の係止部61とを用いた保持機構、及び、電線収容体51の被係止部51fとカバー部材60の係止部61とを用いた保持機構で互いに保持する。
【0048】
以上示したように、第1保護具10においては、センサ収容体31の係止部12と温度センサ131の被係止部131eとを対向配置させることによって、温度センサ131を保持している。一方、第2保護具20においては、センサ収容体23の第1当接部25とカバー体24の第2当接部26とで温度センサ131を挟み込むことによって、温度センサ131を保持している。つまり、この保護装置1においては、第1保護具10と第2保護具20とで温度センサ131の取付形態が異なる。しかしながら、この保護装置1においては、そのような温度センサ131の保持構造を第1保護具10と第2保護具20とが各々備えているので、第1保護具10と第2保護具20とで同一の温度センサ131を用いることができる。よって、電池パック100においては、その保護装置1と同様の効果を得ることができるので、温度センサ131の取り付けの向きを変えざるを得ない場合でも、温度センサの種類を取り付けの向き毎に変える必要がない。従って、本実施形態の保護装置1及び電池パック100は、第1保護具10と第2保護具20とでの温度センサ131の共用化に伴い、部品管理費用の低減等、原価の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 保護装置
10 第1保護具
11 第1センサ保持構造体
12 係止部
13 第1電線保持構造体
20 第2保護具
21 第2センサ保持構造体
22 挿入口
23 センサ収容体
24 カバー体
25 第1当接部
26 第2当接部
27 第2電線保持構造体
100 電池パック
110 電池モジュール
130 温度検出具
131 温度センサ
131a 測温体
131b 基体
131c 被保持体
131e 被係止部
132 電線
D1 第1挿入方向
D2 第2挿入方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15