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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-212549(P2019-212549A)
(43)【公開日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】端子、およびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/04 20060101AFI20191115BHJP
   H01R 13/42 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   H01R13/04 Z
   H01R13/42 F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-109341(P2018-109341)
(22)【出願日】2018年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 大成
(72)【発明者】
【氏名】長坂 尚一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 淳仁
(72)【発明者】
【氏名】千葉 真吾
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF05
5E087FF13
5E087GG15
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087HH04
5E087MM06
5E087RR06
5E087RR26
(57)【要約】
【課題】端子強度を向上することができる端子を提供することを目的とする。
【解決手段】電線と接続された端子4の箱部41は、天井板46と内板45を有している。天井板46は、切欠き部463により成形された前方天井板461と後方天井板462からなっている。後方天井板462は、切欠き部463が成形されることより凸部係合面462Aを有している。内板45は凸部45Aを有している。天井板46と内板45が重ねられた状態で、凸部45Aと凸部係合面462Aが係合している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線、および、前記電線と接続された端子を備え、
前記端子は、箱部と電線接続部を有しており、
前記箱部は、前後方向と直交する方向における断面が矩形状であり、
前記箱部は、底板と、第1側板と、第2側板と、内板、および、天井板を有しており、
前記第1側板と前記第2側板は、幅方向において対向しており、
前記底板と前記内板は、高さ方向において対向しており、
前記天井板は、
前記内板のうち、前記底板と対向する側とは反対側で前記内板と重ねられており、かつ、
前後方向において、中間に切欠き部が成形されており、前方向側の前方天井板と、後方向側の後方天井板からなっており、
前記前方天井板は、後方向側に第1被係止部を有しており、
前記後方天井板は、前方向側に凸部係合面と、後方向側に第2被係止部を有しており、
前記内板は、前記天井板側に突出する凸部を有しており、
前記凸部は、前後方向において前記凸部係合面と係合している
ことを特徴とする端子。
【請求項2】
請求項1に記載の端子と、ハウジング、および、リテーナを備え、
前記ハウジングは、ハウジング本体を有しており、
前記ハウジング本体には、前後方向において、前記ハウジング本体を貫通する端子収容室が成形されており、かつ、
前記端子収容室の後方向側に開口部を有しており、
前記端子収容室は、前後方向と直交する方向における断面が矩形状であり、
前記ハウジング本体は、
前記端子収容室内に第1係止部が突出する弾性変形可能なランスと、
前記ハウジング本体の下方向側の面である本体下表面と、
前後方向において、前記ランスの後方向側に位置して、前記端子収容室を分離するリテーナ挿入空間と、
前記リテーナ挿入空間の下方向側に形成される挿入空間開口部と、
を有しており、
前記端子は、前記ハウジング本体の後方向側の前記開口部から前記端子収容室に挿入されるものであり、
前記リテーナは、
前記ハウジング本体の下方向側の前記挿入空間開口部から上方向に向けて前記リテーナ挿入空間に挿入されるものであり、かつ、
突条部と、
第2係止部と、
前記リテーナの下方向側の面であるリテーナ下表面と、
を有しており、
前記突条部は、上方向側に突出しており、かつ、高さ方向から見た場合において、前記切欠き部に侵入可能な寸法であり、
前記端子が前記端子収容室に中途挿入された状態である途中挿入状態において、前記リテーナが上方向に向けて前記リテーナ挿入空間に挿入された場合に、前記突条部が前記凸部と当接し、
前記リテーナ下表面は、前記ハウジング本体の前記本体下表面より所定の突出量に対して前記凸部の突出量分だけ増えて下方向に突出する
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジング本体と前記リテーナは、仮係止手段と本係止手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに収容される端子、およびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタにおいては、リテーナがハウジングの仮係止位置に予め保持された状態で、電線と接続された端子が、キャビティに挿入され、キャビティ(端子収容室)の底壁に設けられている撓み変形するランスと端子の被係止部とが係合する。その後、リテーナを仮係止位置から本係止位置に押し込む(挿入)ことにより、リテーナの抜け止め部と端子のアゴ部(リテーナ係止部)とが係合するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−243079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコネクタは、端子の接続部は、底板と、一対の対向する側板と、内板、および、天井板を有している。天井板は、凹部が成形されており、凹部に隣接するようにして突出している被係止部を有している。ここで、端子の天井板は、凹部によって強度が弱くなっている。電線と接続された端子を取り扱っている最中に、端子のアゴ部が周辺に引っ掛った状態で電線に引っ張り力が加わると、天井板の後方側を起点として端子が変形する虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、端子強度を向上することができる端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る端子は、電線、および前記電線と接続された端子を備え、前記端子は、箱部と電線接続部を有しており、前記箱部は、前後方向と直交する方向における断面が矩形状であり、前記箱部は、底板と、第1側板と、第2側板と、内板、および、天井板を有しており、前記第1側板と前記第2側板は、幅方向において対向しており、前記底板と前記内板は、高さ方向において対向しており、前記天井板は、前記内板のうち、前記底板と対向する側とは反対側で前記内板と重ねられており、かつ、前後方向において、中間に切欠き部が成形されており、前方向側の前方天井板と、後方向側の後方天井板からなっており、前記前方天井板は、後方向側に第1被係止部を有しており、前記後方天井板は、前方向側に凸部係合面と、後方向側に第2被係止部を有しており、前記内板は、前記天井板側に突出する凸部を有しており、前記凸部は、前後方向において前記凸部係合面と係合していることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るコネクタは、端子と、ハウジング、および、リテーナを備え、前記ハウジングは、ハウジング本体を有しており、前記ハウジング本体には、前後方向において、前記ハウジング本体を貫通する端子収容室が成形されており、かつ、前記端子収容室の後方向側に開口部を有しており、前記端子収容室は、前後方向と直交する方向における断面が矩形状であり、前記ハウジング本体は、前記端子収容室内に第1係止部が突出する弾性変形可能なランスと、前記ハウジング本体の下方向側の面である本体下表面と、前後方向において、前記ランスの後方向側に位置して、前記端子収容室を分離するリテーナ挿入空間と、前記リテーナ挿入空間の下方向側に形成される挿入空間開口部と、を有しており、前記端子は、前記ハウジング本体の後方向側の前記開口部から前記端子収容室に挿入されるものであり、前記リテーナは、前記ハウジング本体の下方向側の前記挿入空間開口部から上方向に向けて前記リテーナ挿入空間に挿入されるものであり、かつ、突条部と、第2係止部と、前記リテーナの下方向側の面であるリテーナ下表面と、を有しており、前記突条部は、上方向側に突出しており、かつ、高さ方向から見た場合において、前記切欠き部に侵入可能な寸法であり、前記端子が前記端子収容室に中途挿入された状態である途中挿入状態において、前記リテーナが上方向に向けて前記リテーナ挿入空間に挿入された場合に、前記突条部が前記凸部と当接し、前記リテーナ下表面は、前記ハウジング本体の前記本体下表面より所定の突出量に対して前記凸部の突出量分だけ増えて下方向に突出することを特徴とするコネクタ。
【0008】
また、上記コネクタにおいて、前記ハウジング本体と前記リテーナは、仮係止手段と本係止手段を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる端子、およびコネクタは、端子強度が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に関わるコネクタを示す断面図である。
図2図2は、ハウジングの斜視図である。
図3図3は、ハウジングの断面図である。
図4図4は、リテーナの斜視図である。
図5図5は、端子の斜視図である。
図6図6は、端子の中途挿入状態を表すコネクタの断面図である。
図7図7は、図6の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
[実施形態]
図1〜7を参照して本発明の一実施形態に係るコネクタの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に関わるコネクタ1を示す断面である。図2は、ハウジング2の斜視図である。図3は、ハウジング2の断面図である。図4は、リテーナ3の斜視図である。図5は、端子4の斜視図である。図6は、端子4の中途挿入状態を表すコネクタ1の断面図である。図7は、図6の部分断面図である。なお、図1図6において、上下方向Zにおける2段の端子収容室211内、上方向Z1側の端子収容室211に対してのみ、電線Wと接続された端子4を表している。
【0013】
図中で、Xはコネクタ1の前後方向を示しており、X1は前方向であり、ハウジング2に対する端子4の挿入方向でもあり、X2は後方向であり、ハウジング2に対する端子4の離脱方向でもある。Yはコネクタ1の幅方向を示しており、Y1は左方向であり、Y2は右方向である。Zは高さ方向を示しており、Z1は上方向であり、Z2は下方向である。なお、X、Y、Zはお互いに直交する方向である。
【0014】
コネクタ1は、図1に示すように、ハウジング2と、端子4と、リテーナ3を備えており、端子4は、電線Wと接続されている。なお、本実施形態におけるコネクタ1は、雄型の端子4が収容される雄型のコネクタである。
【0015】
ハウジング2は、図2図3に示すように、フード部22とハウジング本体21を有しており、絶縁性の合成樹脂により金型で射出成形されている。フード部22は、ハウジング2の前方向X1側に位置している。ハウジング本体21は、ハウジング2の後方向X2側に位置している。
【0016】
フード部22は、前後方向Xと直交する断面が矩形状の筒状である。フード部22は、その内側に嵌合空間222が成形されており、前方向X1側に嵌合空間222に突出するロック突起221を有している。フード部22の嵌合空間222には、不図示の相手コネクタが挿入され、ロック突起221が相手コネクタのロックと係合することで、相手コネクタがコネクタ1と嵌合される。
【0017】
ハウジング本体21は、前後方向Xと直交する断面が矩形状の直方体状に形成されている。ハウジング本体21の下方向Z2側の面が、下表面21Aである。ハウジング本体21には、複数の端子収容室211とリテーナ挿入空間218が成形されている。ハウジング本体21は、端子収容室211の後方向X2側に開口部216を有しており、リテーナ挿入空間218の下方向Z2側に挿入開口空間218Aを有している。本実施形態における各端子収容室211は、それぞれが同形状である。ハウジング本体21は、複数の端子収容室211のうち上方向Z1側に向かって突出する第1係止部217Aを有するハウジング本体21に対して弾性変形可能なランス217をそれぞれ有している。ここで、ハウジング本体21は、ランスの後方向X2側に位置してリテーナ挿入空間218が成形されている。本実施形態におけるハウジング本体21は、高さ方向Zに2段であり、かつ幅方向Yに13列の端子収容室211が成形されている。
【0018】
端子収容室211は、前後方向Xにおいて、ハウジング本体21を貫通するように成形された空間である。端子収容室211は、ハウジング本体21の前方向X1側の前壁212と、高さ方向Zおいて対向する上壁213と下壁214、および、幅方向Yにおいて対向する側璧215により区画されている。端子収容室211は、前後方向Xと直交する断面が矩形状の直方体状である。なお、図3に示すように、上方向Z1側の端子収容室211の下壁214は、下方向Z2側の端子収容室211の上壁213を兼ねている。端子収容室211は、前方向X1側において、前壁212の貫通孔212Aを介してフード部22の嵌合空間222と連通しており、また、後方向X2側において、開口部216を介して外部と連通している。
【0019】
ランス217は、基部217Bと、連結アーム217C、および、第1係止部217Aを有しており、基部217Bは、ランス217の後方向X2側に位置して下壁214と連結しており、また、連結アーム217Cは、第1係止部217Aの前方向X1側より前方向X1に向けて延出されており、前壁212と連結している。第1係止部217Aは、連結アーム217Cと基部217Bとの間に位置している。ランス217は、両持梁状となっており、ランス217の下方向Z2側に成形されている撓み空間217Dに向かって弾性変形が可能である。ここで、電線Wと接続された端子4がハウジング本体21の後方向X2側の開口部216より端子収容室211に挿入されと、端子収容室211内に突出するランス217に対して端子4が摺動を開始し、また、ランス217が下方向Z2側の撓み空間217Dに向かって弾性変形する。端子4が端子収容室211の所定位置に収容される、すなわち挿入完了状態においては、ランス217に対する端子4の摺動がなくなり、また、ランス217が弾性変形から復帰して、ランス217の第1係止部217Aと、後述する端子4の第1被係止部461Aとが前後方向Xにおいて対向し、係合する(図1参照)。
【0020】
リテーナ挿入空間218は、図3に示すように、ハウジング本体21における下方向Z2側の挿入空間開口部218Aより上方向Z1に窪むように成形された空間である。リテーナ挿入空間218は、幅方向Yにおいて、ハウジング本体21の対向する空間側壁21Bにより区画されており、上方向Z1側は上壁213により区画されており、また、下方向Z2側は挿入空間開口部218Aを介して外部と連通している。リテーナ挿入空間218は、前後方向Xと直交する方向における断面が矩形状の直方体状である。リテーナ挿入空間218は、前後方向Xにおいて、ランス17の後方向X2側であるハウジング本体21の中間に位置して、複数の端子収容室211を分離している。リテーナ挿入空間218には、挿入空間開口部218Aより上方向Z1に向けて、リテーナ3が挿入される。対向する空間側壁21Bのそれぞれは、幅方向Yにおいて、挿入空間218側に突出する仮係止突部21Cと本係止突部21Dを有している。
【0021】
端子4は、図5に示すように、銅または銅合金等の金属材料からなる導電性の金属板を打ち抜き加工や折り曲げ加工を行うことにより成形されている。端子4は、タブ48と、箱部41、および、電線接続部47を有している。なお、本実施形態における端子4は、タブ48を有する雄型の端子である。端子4は、電線Wと接続されてから、ハウジング本体21の複数の端子収容室211のそれぞれに挿入される。
【0022】
タブ48は、箱部41の前方向X1側に連設されており、前後方向Xと直交する方向における断面が矩形状の直方体状である。タブ48は、挿入完了状態において、貫通孔212Aを挿通し、嵌合空間222に突出する。
【0023】
箱部41は、底板42と、第1側板43と、第2側板44と、内板45、および、天井板46を有している。箱部41は、前後方向Xと直交する方向における断面が矩形状の筒状である。箱部41は、第1側板43と第2側板44が幅方向Yにおいて対向し、底板42と内板45が高さ方向Zにおいて対向している。底板42は、幅方向における両端部うち、左方向Y1側の端部において第1側板43連結し、右方向Y2側の端部において第2側板44が連結している。第1側板43は、上方向Z1側の端部において天井板46と連結している。第2側板44は、上方向Z1側の端部において内板45と連結している。天井板46は、高さ方向Zにおいて、内板45の下方向Z2側に重ねられている。すなわち、天井板46は、高さ方向Zにおいて、内板45のうち、底板42と対向する側とは反対側で、内板45と重ねられている。なお、箱部41の後方向X2側には、第1側板43より下方向Z2に延出して折り返されたスタビライザ43Aが設けられている。
【0024】
天井板46は、前後方向Xにおいて、中間に切欠き部463が成形されている。天井板46は、切欠き部463を挟んで、前方向X1側の前方天井板461と後方向X2側の後方天井板462からなっている。切欠き部463は、幅方向Yにおいて、第1側板43の左方向Y1側の面から2側板44の右方向Y2側の面に渡って成形されている。
【0025】
前方天井板461は、第1被係止部461Aを有している。第1被係止部461Aは、前方天井板461の後方向X2側に位置し、打ち出し加工により略三角錐状に成形されている。第1被係止部461Aは、挿入完了状態において、ランス17の第1係止部217Aと係合する(図1参照)。具体的には、第1係止部217Aの前方向X1側の面が、略三角錐状の第1被係止部461Aにおける後方向X2側の面と係合する。
【0026】
後方天井板462は、前方向X1側に凸部係合面462Aを有し、後方向X2側に第2被係止部462Bを有している。凸部係合面462Aは、天井板46の切欠き部463により成形された、後方天井板462の前方向X1側の面である。第2被係止部462Bは、後方天井板462の後方向X2側の面である。
【0027】
内板45は、天井板46側である下方向Z2に突出する凸部45Aを有している。凸部45Aは、前後方向Xにおいて、内板45の中間を切起こすことにより成形された板45Bであり、板45Bは、前方向X1側が内板45と連結しており、後方向X2側が下方向Z2側に突出し、前方向X1側から後方向X2側にかけて、下方向Z2側に傾斜しており、後方向X2側に縁部45Cを有している。
【0028】
凸部45Aは、端子4が折り曲げ加工されることで、天井板46と内板45とが重ねられると、前後方向Xにおいて後方天井板462の凸部係合面462Aと係合する。具体的には、凸部45Aは、縁部45Cが凸部係合面462Aと係合する。ここで、本実施形態における凸部45Aが凸部係合面462Aと係合するとは、端子4を折り曲げ加工することを考慮して、前後方向Xにおいて、凸部45Aの縁部45Cと凸部係合面462Aの間に隙間がある場合、およびない場合が含まれる。
【0029】
後方天井板462は、後方向X2側に後方切欠き部462Cを有している。後方切欠き部462Cは、幅方向Yにおいて、端子4の幅寸法内でスタビライザ43Aを下方向Z2に突出させている。後方天井板462は、凸部45Aにおける後方向X2側の縁部45Cとスタビライザ43Aの前方向X1側に向いた面で挟まれるように位置している。
【0030】
電線接続部47は、箱部41の後方向X2側に連設されており、芯線加締め片47Aと被覆加締め片47Bを有している。電線接続部47は、前後方向Xに直交する断面視でU次状である。電線接続部47は、図1に示すように、芯線WAに対して芯線加締め片47Aが加締められ、また、被覆WBに対して被覆加締め片47Bが加締められる。これにより、端子4に対して電線Wが接続される。なお、芯線WAは、銅または銅合金や、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属材料より成形されている。
【0031】
リテーナ3は、図4に示すように、前後方向Xと直交する方向における断面が矩形状の直方体状であり、絶縁性の合成樹脂により金型で射出成形されている。リテーナ3には、複数の端子挿通孔31が成形されている。本実施形態におけるリテーナ3は、高さ方向Zに2段であり、かつ幅方向Yに13列の端子挿通孔31が成形されている。なお、各端子挿通孔31は、それぞれが同形状である。
【0032】
下方向Z2側の端子挿通孔31は、高さ方向Zにおいて対向する上板33と下板34、および、幅方向Yにおいて対向する側板35により区画されている。上方向Z1側の端子挿通孔31は、高さ方向Zにおける下方向Z2側の下板34、および、幅方向Yにおいて対向する側板35により区画されており、上方向Z1側は区画されていない。ここで、幅方向Yの両端部にそれぞれ位置する端子挿通孔31は、外側板32と側板35が対向することにより区画されている。なお、上方向Z1側の端子挿通孔31に対応する下板34は、下方向Z2側の端子挿通孔31の上板33を兼ねている。また、下方向Z2側の端子挿通孔31に対応する下板34は、表面板34Aを兼ねており、表面板34Aにおける下方向Z2側の面が、リテーナ下表面3Aである。
【0033】
左方向Y1側の外側板32は、左方向Y1に突出する係止突部32Aを有しており、また、右方向Y2側の外側板32は、右方向Y2に突出する係止突部32Aを有している。
【0034】
リテーナ3は、ハウジング本体21の下方向Z2側の挿入空間開口部218Aより上方向Z1に向けてリテーナ挿入空間218に挿入される。ここで、係止突部32Aは、リテーナ挿入空間218にリテーナ3が挿入された状態において、仮係止突部21C、または、本係止突部21Dと係合し、仮係止突部21Cと係合した状態におけるハウジング本体21に対するリテーナ3の位置を仮係止位置とし、本係止突部21Dと係合した状態におけるハウジング本体21に対するリテーナ3の位置を本係止位置とする。
【0035】
リテーナ3が仮係止位置においては、リテーナ3の係止突部32Aがハウジング本体21の仮係止突部21Cと係合し、リテーナ3のリテーナ下表面3Aは、ハウジング本体21の下表面21Aより下方向Z2に突出している。また、リテーナ3の端子挿通孔31が、前後方向Xにおいてハウジング本体21の端子収容室211と一致して連通している。つまり、仮係止位置においては、端子4を端子収容室211に挿入する過程において、端子挿通孔31に対して端子4を通過することができる。この状態が仮係止状態であり、リテーナ3の係止突部32Aとハウジング本体21の仮係止突部21Cは、仮係止手段を構成している。
【0036】
リテーナ3が本係止位置においては、リテーナ3の係止突部32Aがハウジング本体21の本係止突部21Dと係合し、リテーナ3のリテーナ下表面3Aは、図1に示すように、ハウジング本体21の下表面21Aと高さ方向Zにおいて略面一になる。また、リテーナ3の端子挿通孔31がハウジング本体21の端子収容室211に対して上方向Z1側にずれることにより、後述するリテーナ3の第2係止部36Aが、端子4の第2被係止部462Bと係合する(図1参照)。この状態が本係止状態であり、リテーナ3の係止突部32Aとハウジング本体21の本係止突部21Dは、本係止手段を構成している。
【0037】
リテーナ3は、第2係止部36Aと溝部38、および、突条部37を有している。
【0038】
第2係止部36Aは、リテーナ3の下板34における前方向X1側の面であり、突条部37の前方向X1側の面と同一面になっている。
【0039】
溝部38は、左方向Y1側では突条部37と隣接しており、また、右方向Y2側では側板35、または、外側板32と隣接している。溝部38は、下板34の上方向Z1側において、前後方向Xに沿って成形されている。ここで、溝部38は、仮係止状態で端子4が端子収容室211に挿入される過程において、スタビライザ43Aの通過を許容するものである。
【0040】
突条部37は、左方向Y1側の端部が側板35、または、外側板32と連結している。突条部37は、下板34における上方向Z1側の面より上方向Z1に突出している。突条部37は、前方向X1側の面が下板34の前方向X1側の面と同一面となっており、また、後方向X2側は傾斜面となっており下板34の後方向X2側の面にまで達していない。
【0041】
突条部37の寸法は、前後方向Xにおいて、端子4の切欠き部463の寸法よりも小さく設定されている。天井板46の切欠き部463は、幅方向Yにおいて第1側板43における左方向Y1側の面から第2側板44における右方向Y2側の面に渡って成形されている。つまり、突条部37は、高さ方向Zにおいて、突条部37を切欠き部463に投影した場合、切欠き部に侵入可能な寸法に設定されている。ここで、仮に内板45に凸部45Aがない場合を想定すると、端子4が端子収容室211に中途挿入された状態である途中挿入状態おいて、仮係止状態にあるリテーナ3を上方向Z1に向けて挿入すると、突条部37が、内板45に当接する。これにより、リテーナ下表面3Aは、下表面21Aより所定の突出量「T」だけ突出することになる(図6図7参照)。一方、本実施形態のように、内板45が凸部45Aを有していると、途中挿入状態において、仮係止状態にあるリテーナ3を上方向Z1に向けて挿入すると、リテーナ3の突条部37が内板45の凸部45Aに当接し、リテーナ下表面3Aは、下表面21Aより所定の突出量「T」に加えた凸部の突出量分「ΔT」だけ増えて下方向Z2に突出する。
【0042】
ここで、コネクタ1の組み立てについて説明する。リテーナ3は、予めハウジング本体21の挿入空間開口部218Aよりリテーナ挿入空間218に挿入され、ハウジング本体21に対して仮係止位置に位置しており仮係止状態になっている。仮係止状態において、電線Wと接続された端子4が、ハウジング本体21の開口部216より、複数の端子収容室211に対して挿入される。端子4が端子収容室211の所定位置に収容され、挿入完了状態となると、ランス217に対して端子4が係合する。次に、仮係止位置に位置しているリテーナ3を本係係止位置まで挿入する。リテーナ3が本係止位置に位置して本係止状態になると、リテーナ3の第2係止部36Aが、端子4の第2被係止部462Bと係合する。以上により、コネクタ1の組み立ては完了する。
【0043】
本実施形態では、図5に示すように、端子4の天井板46と内板45が重ねられており、また、前後方向Xにおいて、内板45の凸部45Aが後方天井板462の凸部係合面462Aと係合している。よって、電線Wと接続された端子4を運搬等で取り扱っている最中に、端子4における後方天井板462の後方向X2側が周辺に引っ掛った状態で電線Wに後方向X2への引っ張り力が加わっても、後方天井板462は、前後方向Xにおいて、内板45との相対的移動が防止される。したがって、後方天井板462と内板45との相対的移動による箱部41の変形を防止できる。これにより、端子4の強度を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、途中挿入状態において、仮係止状態にあるリテーナ3を上方向Z1に向けて挿入すると、リテーナ3の突条部37が内板45の凸部45Aに当接し、リテーナ下表面3Aは、下表面21Aより所定の突出量「T」に加えた凸部の突出量分「ΔT」だけ増えて下方向Z2に突出する。したがって、リテーナ3が本係止位置においてリテーナ下表面3Aが下表面21Aと高さ方向Zにおいて略面一となる場合と比較して、途中挿入状態において、リテーナ3の突条部37が内板45の凸部45Aに当接した状態における下表面21Aに対するリテーナ下表面3Aの下方向Z2の突出量が増加するため、作業員が視覚、あるいは触覚に基づいて、端子4が途中挿入状態であることを容易に把握することができる。これにより、ハウジング2に挿入する端子4の中途挿入をより確実に検知することができ、端子4の強度を向上させる凸部を利用して、検知精度を高めることができる。
【0045】
本実施例では、リテーナ3の係止突部32Aとハウジング本体21の仮係止突部21Cは、仮係止手段を構成し、また、リテーナ3の係止突部32Aとハウジング本体21の本係止突部21Dは、本係止手段を構成している。リテーナ3は、予めハウジング本体21における下方向Z2側の挿入空間開口部218Aより上方向Z1に向けてリテーナ挿入空間218に挿入されており、リテーナ3が仮係止状態になっている。リテーナ3の仮係止状態では、リテーナ3の端子挿通孔31が、前後方向Xにおいてハウジング本体21の端子収容室211と一致して連通しており、端子4を端子収容室211に挿入する過程において、端子4は、端子挿通孔31を通過することができる。従って、ハウジング2に対してリテーナ3を仮係止状態にして一体化したまま端子4の挿入工程へ、ハウジング2を供給することができる。また、ハウジング2とリテーナ3が一体化されていることにより、管理が容易となる。
【0046】
上記した実施形態では、タブ48を有する雄型の端子4が収容される雄型のコネクタ1であるが、雌型の端子を収容する雌型のコネクタであってもよい。
【0047】
上記した実施形態では、仮係止状態では、ハウジング本体21の仮係止突部21Cとリテーナ3の係止突部32Aが係合し、また、本係止状態では、ハウジング本体21の本係止突部21Dがリテーナ3の係止突部32Aと係合するようになっている。しかし、ハウジング本体21の仮係止突部21Cをなくして、仮係止状態をなくしてもよい。ただし、この場合は、リテーナの端子挿通孔を完全な筒状にしてしまうと、ハウジング本体に対しリテーナが組み付かなくなるので、端子挿通孔は半筒状にする必要がある。
【0048】
上記した実施形態では、端子4における天井板46の切欠き部463は、幅方向Yにおいて第1側板43の左方向Y1側の面から2側板44の右方向Y2側の面に渡って成形されている。しかし、天井板46の切欠き部は、幅方向Yにおいて、天井板の幅寸内に成形された孔であってもよい。この場合、突条部の幅寸法は、天井板における孔の幅寸より小さくする必要がある。
【符号の説明】
【0049】
1 コネクタ
2 ハウジング
21 ハウジング本体
21A 下表面
21C 仮係止突部(仮係止手段)
21D 本係止突部(本係止手段)
211 端子収容室
216 開口部
217 ランス
217A 第1係止部
218 挿入空間
218A 挿入空間開口部
3 リテーナ
3A リテーナ下表面
32A 係止突部(仮係止手段、本係止手段)
36A 第2係止部
37 突条部
4 端子
41 箱部
42 底板
43 第1側板
44 第2側板
45 内板
45A 凸部
46 天井板
461 前方天井板
461A 第1被係止部
462 後方天井板
462A 凸部係合面
462B 第2被係止部
463 切欠き部
47 電線接続部
W 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7