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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218105(P2019-218105A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】パウチおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   B65D75/62 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-117372(P2018-117372)
(22)【出願日】2018年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(72)【発明者】
【氏名】中田 清
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067AB81
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB18A
3E067BB25A
3E067BB26A
3E067CA04
3E067CA16
3E067CA24
3E067EA08
3E067EA09
3E067EA23
3E067EB07
3E067EB17
3E067EE02
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】手前側に開封した際に、おもて面および裏面をそれぞれ摘みやすいパウチを提供する。
【解決手段】
おもて面11および裏面12を有し、かつ少なくとも基材層31とシーラント層32を含む包装材料30を用いて形成されたパウチ10−1であって、おもて面11または裏面12に形成され、少なくとも一部が開封開始手段21、22間に連続して延びる波線状の開封誘導線23を備え、開封誘導線23が、少なくとも端部シール19の内縁19Aから端部シール部20の内縁20Aまで達しており、開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILから開封誘導線23における第2端部14側の極小点P1までの距離をD1とし、開封誘導線23の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たす、パウチ10−1が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おもて面および裏面を有し、かつ少なくとも基材層とシーラント層を含む包装材料を用いて形成されたパウチであって、
第1端部と、
前記第1端部とは反対側の第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間にそれぞれ延びる第3端部および第4端部と、
前記第3端部および前記第4端部にそれぞれ形成された端部シール部と、
前記端部シール部のそれぞれに形成され、かつ切込みまたは切欠きからなる開封開始手段と、
前記おもて面または前記裏面に形成され、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない連続して延びる波線状の開封誘導線と、を備え、
前記開封誘導線が、少なくとも一方の前記端部シールの内縁から他方の前記端部シール部の内縁まで達しており、
前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たす、パウチ。
【請求項2】
前記開封誘導線が、前記おもて面のみまたは前記裏面のみに形成されている、請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
再封性手段をさらに備え、前記開封開始手段および前記開封誘導線がそれぞれ前記再封性手段よりも前記第1端部側に位置している、請求項1または2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記第1端部に形成された端部シール部をさらに備え、前記第1端部に形成された前記端部シール部の内縁と前記再封性手段の前記第1端部側の縁の間の距離をD2としたとき、D2>hを満たす、請求項3に記載のパウチ。
【請求項5】
前記おもて面および前記裏面のうち前記開封誘導線が形成されていない面において、前記仮想線と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さい、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項6】
内容物が収容されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項7】
少なくとも基材層とシーラント層を含むとともに、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない長さ方向に連続して延びる波線状の開封誘導線を有する包装材料を巻いた原反ロールを用意する工程と、
前記原反ロールから前記包装材料を巻き出して、前記包装材料の長さ方向に沿って前記包装材料を半切または半折する工程と、
半切または半折した前記包装材料同士を前記シーラント層が対向するように重ね合わせた状態で、前記包装材料を熱融着して、前記長さ方向に延びる第1シール部と、所定間隔で前記包装材料の幅方向に延びる複数の第2シール部を形成して、密封された複数の袋体を連続的に得る工程と、
前記袋体を得る工程中に、前記包装材料間に内容物を充填する工程と、
それぞれの前記第2シール部の所定位置に切込みまたは切欠きからなる開封開始手段を形成する工程と、
前記袋体を個片化する工程と、を備え、
前記原反ロールの前記包装材料において、前記長さ方向に沿って延びる第1端部を含む前記包装材料の幅方向の半分の領域を第1領域とし、かつ前記長さ方向に沿って延びる第2端部を含む前記包装材料の幅方向の残り半分の領域を第2領域としたとき、前記開封誘導線は、前記第1領域内に形成されており、かつ前記開封誘導線は、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている、パウチの製造方法。
【請求項8】
前記包装材料において、前記包装材料の長さ方向と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記包装材料の第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さい、請求項7に記載のパウチの製造方法。
【請求項9】
少なくとも基材層とシーラント層を含むとともに、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない長さ方向に連続して延びる波線状の開封誘導線を有する第1包装材料を巻いた第1原反ロールを用意する工程と、
少なくとも基材層とシーラント層を含む第2包装材料を巻いた第2原反ロールを用意する工程と、
前記第1原反ロールから前記第1包装材料を巻き出し、かつ前記2原反ロールから前記第2包装材料を巻き出して、前記シーラント層同士が対向するように前記第1包装材料と前記第2包装材料を重ね合わせた状態で、前記第1包装材料と前記第2包装材料を熱融着して、前記長さ方向に延びる第1シール部と、前記包装材料の幅方向に延びる複数の第2シール部を形成して、密封された複数の袋体を連続的に得る工程と、
前記袋体を得る工程中に、前記第1包装材料と前記第2包装材料との間に内容物を充填する工程と、
それぞれの前記第2シール部に切込みまたは切欠きからなる開封開始手段を形成する工程と、
前記袋体を個片化する工程と、を備え、
前記原反ロールにおける前記第1包装材料は、前記長さ方向に沿って延びる第1端部と、前記長さ方向に沿って延びる前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、
前記第1原反ロールにおいて、前記第1包装材料の前記開封誘導線は、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている、パウチの製造方法。
【請求項10】
前記第2包装材料において、前記第2包装材料の長さ方向と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記第2包装材料の第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さい、請求項9に記載のパウチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、外用鎮痛消炎剤等の経皮浸透性薬剤を含有する貼付薬、健康食品等の食品等を密封するパウチには、パウチを容易に開封するための切込みや切欠きが形成されている。このようなパウチを切り込みや切欠きから開封した場合、おもて面の破断線と裏面の破断線が重なってしまうことがある。内容物を取り出す際には、一方の手でおもて面を摘むとともに他方の手で裏面を摘んでパウチを開けるので、おもて面の破断線と裏面の破断線が重なっていると、おもて面および裏面をそれぞれ摘みにくいことがある。
【0003】
このようなことから、おもて面と裏面にそれぞれに開封誘導線を設けて、開封したときにおもて面の破断線と裏面の破断線に段差を形成して、おもて面および裏面をそれぞれ摘みやすくするという技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−51311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような開封誘導線を設けたとしても、開封によっておもて面に形成された破断線と裏面に形成された破断線とによって形成される段差が小さすぎてしまい、おもて面と裏面をそれぞれ摘みにくいことがある。特に、パウチにチャックテープが設けられている場合には、パウチの上縁とチャックテープとの間という狭い領域に開封誘導線を形成する必要があり、上記段差が小さくなりやすい。また、通常、パウチを開封する際には、奥側ではなく、手前側に向けて開封することが多い。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、パウチを手前側に開封した際に、おもて面および裏面をそれぞれ摘みやすいパウチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様によれば、おもて面および裏面を有し、かつ少なくとも基材層とシーラント層を含む包装材料を用いて形成されたパウチであって、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間にそれぞれ延びる第3端部および第4端部と、前記第3端部および前記第4端部にそれぞれ形成された端部シール部と、前記端部シール部のそれぞれに形成され、かつ切込みまたは切欠きからなる開封開始手段と、前記おもて面または前記裏面に形成され、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない連続して延びる波線状の開封誘導線と、を備え、前記開封誘導線が、少なくとも一方の前記端部シールの内縁から他方の前記端部シール部の内縁まで達しており、前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たす、パウチが提供される。
【0008】
上記パウチにおいて、前記開封誘導線が、前記おもて面のみまたは前記裏面のみに形成されていてもよい。
【0009】
上記パウチにおいて、再封性手段をさらに備え、前記開封開始手段および前記開封誘導線がそれぞれ前記再封性手段よりも前記第1端部側に位置していてもよい。
【0010】
上記パウチにおいて、前記第1端部に形成された端部シール部をさらに備え、前記第1端部に形成された前記端部シール部の内縁と前記再封性手段の前記第1端部側の縁の間の距離をD2としたとき、D2>hを満たしていてもよい。
【0011】
上記パウチにおいて、前記おもて面および前記裏面のうち前記開封誘導線が形成されていない面において、前記仮想線と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さくてもよい。
【0012】
上記パウチにおいて、内容物が収容されていてもよい。
【0013】
本発明の他の態様によれば、少なくとも基材層とシーラント層を含むとともに、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない長さ方向に連続して延びる波線状の開封誘導線を有する包装材料を巻いた原反ロールを用意する工程と、前記原反ロールから前記包装材料を巻き出して、前記包装材料の長さ方向に沿って前記包装材料を半切または半折する工程と、半切または半折した前記包装材料同士を前記シーラント層が対向するように重ね合わせた状態で、前記包装材料を熱融着して、前記長さ方向に延びる第1シール部と、所定間隔で前記包装材料の幅方向に延びる複数の第2シール部を形成して、密封された複数の袋体を連続的に得る工程と、前記袋体を得る工程中に、前記包装材料間に内容物を充填する工程と、それぞれの前記第2シール部の所定位置に切込みまたは切欠きからなる開封開始手段を形成する工程と、前記袋体を個片化する工程と、を備え、前記原反ロールの前記包装材料において、前記長さ方向に沿って延びる第1端部を含む前記包装材料の幅方向の半分の領域を第1領域とし、かつ前記長さ方向に沿って延びる第2端部を含む前記包装材料の幅方向の残り半分の領域を第2領域としたとき、前記開封誘導線は、前記第1領域内に形成されており、かつ前記開封誘導線は、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている、パウチの製造方法が提供される。
【0014】
上記パウチの製造方法の前記包装材料において、前記包装材料の長さ方向と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記包装材料の第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さくてもよい。
【0015】
本発明の他の態様によれば、少なくとも基材層とシーラント層を含むとともに、前記基材層を貫通し、かつ前記シーラント層を貫通しない長さ方向に連続して延びる波線状の開封誘導線を有する第1包装材料を巻いた第1原反ロールを用意する工程と、少なくとも基材層とシーラント層を含む第2包装材料を巻いた第2原反ロールを用意する工程と、前記第1原反ロールから前記第1包装材料を巻き出し、かつ前記2原反ロールから前記第2包装材料を巻き出して、前記シーラント層同士が対向するように前記第1包装材料と前記第2包装材料を重ね合わせた状態で、前記第1包装材料と前記第2包装材料を熱融着して、前記長さ方向に延びる第1シール部と、前記包装材料の幅方向に延びる複数の第2シール部を形成して、密封された複数の袋体を連続的に得る工程と、前記袋体を得る工程中に、前記第1包装材料と前記第2包装材料との間に内容物を充填する工程と、それぞれの前記第2シール部に切込みまたは切欠きからなる開封開始手段を形成する工程と、前記袋体を個片化する工程と、を備え、前記原反ロールにおける前記第1包装材料は、前記長さ方向に沿って延びる第1端部と、前記長さ方向に沿って延びる前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、前記第1原反ロールにおいて、前記第1包装材料の前記開封誘導線は、少なくとも一部が前記開封開始手段間に存在し、前記開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線から前記開封誘導線における前記第2端部側に位置する極小点までの距離をD1とし、前記開封誘導線の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている、パウチの製造方法が提供される。
【0016】
上記パウチの製造方法の前記第2包装材料において、前記第2包装材料の長さ方向と平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、前記第2包装材料の第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さくてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一の態様および他の態様のパウチならびに他の態様のパウチの製造方法によれば、パウチを手前側に開封した際に、おもて面および裏面をそれぞれ摘みやすいパウチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るパウチの正面図である。
図2図1に示されるパウチの背面図である。
図3図1に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための正面図である。
図4】実施形態に係る他の開封開始手段を示す図である。
図5】実施形態に係るパウチに用いられる包装材料の断面図である。
図6】実施形態に係る他のパウチの正面図である。
図7図6に示されるパウチの背面図である。
図8】実施形態に係る他のパウチの正面図である。
図9】実施形態に係る他のパウチの正面図である。
図10図9に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための正面図である。
図11】実施形態に係る他のパウチの正面図である。
図12図1に示されるパウチを開封したときの様子を表す模式図である。
図13図1に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図14図1に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図15図1に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図16図1に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図17図6に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図18図6に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図19図8に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
図20図8に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るパウチについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係るパウチの正面図であり、図2図1に示されるパウチの背面図であり、図3図1に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための正面図である。図4は実施形態に係る他の開封開始手段を示す図であり、図5は本実施形態に係るパウチに用いられる包装材料の断面図である。図6図8図9図11は本実施形態に係る他のパウチの正面図であり、図7図6に示されるパウチの背面図であり、図10図9に示されるパウチの各構成要素の寸法を説明するための正面図である。図12は実施形態に係るパウチを開封したときの様子を表す模式図である。図13図16図1に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図であり、図17および図18図6に示されるパウチの製造工程を模式的に示した図であり、図19および図20は、図8に示されるパウチの製造工程を模式的に示す図である。
【0020】
<<<パウチ>>>
図1および図2に示されるパウチ10−1は、内容物Cを収容する収容空間を有している。内容物Cとしては、特に限定されないが、例えば、外用鎮痛消炎剤等の経皮浸透性薬剤を含有する貼付薬、虫用忌避剤パッチ、健康食品等の食品、緑茶等のティーバック等が挙げられる。
【0021】
パウチ10−1は、おもて面11と裏面12を備えている。パウチ10−1の長さL(図3参照)は、特に限定されないが、例えば、80mm以上200mm以下となっていてもよい。パウチ10−1の幅W1(図3参照)は、特に限定されないが、例えば、100mm以上300mm以下となっていてもよい。
【0022】
パウチ10−1は、第1端部13と、第1端部13とは反対側の第2端部14と、第1端部13と第2端部14の間で延びる第3端部15と、第1端部13と第2端部14の間で延び、かつ第3端部15とは反対側の第4端部16とを有している。
【0023】
パウチ10−1は、第1端部13に形成された端部シール部17と、第2端部14に形成された端部シール部18と、第3端部15に形成された端部シール部19と、第4端部16に形成された端部シール部20とを備えている。また、パウチ10−1は、開封開始手段21、22および開封誘導線23を備えている。
【0024】
<<端部シール部>>
端部シール部17〜20は、おもて面11を構成する包装材料30の一部と裏面12を構成する包装材料30の一部を互いに接合した部分である。端部シール部17〜20は、包装材料30同士を熱融着することによって形成されている。
【0025】
端部シール部17〜20の幅W2(図3参照)は、例えば、それぞれ5mm以上15mm以下となっていることが好ましい。これらのシール部の幅がそれぞれ5mm以上であれば、確実にシールすることができ、また15mm以下であれば、収容空間が狭くなることを抑制できる。本明細書において、各シール部における「幅」とは、シール部の延びる方向に直交する方向の長さを意味する。なお、シール部の幅が一定でない場合には、シール部の幅は、シール部の延びる方向に直交する方向の長さのうち最も短い値とする。
【0026】
<<開封開始手段>>
開封開始手段21、22は、開封の際の起点として機能するものである。開封開始手段21は端部シール部19に形成され、開封開始手段22は端部シール部20に形成されている。端部シール部19、20に開封開始手段21、22を形成することにより、端部シール部19側および端部シール部20側のいずれの側からパウチ10−1を容易に開封することができる。開封開始手段21の内縁21Aと開封開始手段21の内縁22Aの間を繋ぐ仮想線ILは、パウチ10−1の幅方向DR1に沿っている。
【0027】
開封開始手段21、22は、切欠きとしてのV字型ノッチとなっている。開封開始手段21、22は、切込み(図4(A)参照)であってもよく、またU字型ノッチ(図4(B)参照)等の他の形状の切欠きであってもよい。
【0028】
<<開封誘導線>>
開封誘導線23は、おもて面11に形成されている。図1においては、開封誘導線23は、おもて面11に形成されているが、おもて面の代わりに、裏面に形成されていてもよい。すなわち、開封誘導線は、おもて面または裏面に形成されていればよい。
【0029】
開封誘導線23は、連続して延びる波線状となっている。本明細書における「連続して延びる」とは、破線を含まない概念である。開封誘導線が破線である場合には、開封の際に開封誘導線の線間で破断線が開封誘導線から外れてしまうおそれがあるが、開封誘導線23が連続線であるので、開封の際に破断線が開封誘導線23から外れにくい。波線としては、正弦波状の波線であることが好ましい。また、必ずしも波線の波長は、均一でなくともよい。開封誘導線23は、波線状となっているので、山部23Aおよび谷部23Bを有している。
【0030】
開封誘導線23は、後述する基材層31を貫通し、かつシーラント層32を貫通しない線である。後述する包装材料30が基材層31とシーラント層32の間に金属箔層35をさらに備える場合、金属箔層35は収容空間のバリア性を保つものであるので、開封誘導線23は金属箔層35を貫通していないことが必要である。開封誘導線23はレーザーで形成することが可能である。
【0031】
開封誘導線23は、少なくとも一部が開封開始手段21、22間に存在しているとともに、パウチ10−1の幅方向DR1に延びている。すなわち、開封誘導線23は、仮想線ILと交点を有している。
【0032】
開封誘導線23は、仮想線ILから開封誘導線23における第2端部14側に位置する極小点P1までの距離をD1(図3参照)とし、開封誘導線23の高さをh(図3参照)としたとき、D1>1/2hを満たしている。本明細書における「開封誘導線の高さ」とは、仮想線に直交する方向における開封誘導線の極大値から極小値までの長さを意味するものとする(図3参照)。また、極小点P1が複数存在し、仮想線ILから開封誘導線23の極小点P1までの距離が一定でない場合には、距離D1は仮想線ILから開封誘導線23の極小点P1までの距離のうち最大となる距離とする。さらに、開封誘導線の高さが一定でない場合には、高さhは、開封誘導線の高さのうち最大となる高さとする。
【0033】
開封誘導線23は、より大きな摘み部を形成する観点から、D1>2/3hを満たしていることが好ましい。また、開封誘導線23は、D1<4/5hを満たしていてもよい。このような関係を満たすことにより、後述するように開封開始手段21から奥側に向けてパウチ10−1を引き裂いて開封した場合であっても、おもて面11の破断線と裏面12の破断線で形成される段差が小さくなりすぎることを抑制することができる。
【0034】
また、開封誘導線23は、端部シール部17の内縁17Aと内容物Cとの間の領域に形成されていることが好ましい。端部シール部は硬く、破断しにくく、また開封したときに破断線が内容物に衝突すると、内容物で破断が止まってしまうおそれがあるが、端部シール部17の内縁17Aと内容物Cとの間の領域は未シール部であるとともに破断線が内容物に衝突することを抑制できるので、開封しにくくなることを抑制できる。
【0035】
パウチ10−1においては、端部シール部19の内縁19Aと端部シール部20の内縁20Aの間において、開封誘導線23の極小点P1および極大点P2およびの合計数が3以上となっている。開封誘導線の極小点および極大点の合計数が3以上とは、開封誘導線において、極小点が1以上あり、かつ極大点が2以上あってもよく、または極小点が2以上あり、かつ極大点が1以上あってもよい。開封誘導線23の極小点P1および極大点P2の合計数は、摘み部の幅が小さくなりすぎることを抑制する観点から、10以下となっていてもよい。
【0036】
パウチ10−1においては、開封誘導線23と仮想線ILの交点における開封誘導線23の接線TLは、仮想線ILに対し1°以上45°以下の角度αを有している。仮想線ILに対するこの接線TLの角度αが1°以上であれば、開封した際に、おもて面11側の破断線と裏面12の破断線で有効な段差を形成することができる。また、仮想線ILに対するこの接線TLの角度が45°以下であれば、開封したときに、開封方向にかかる力よりも垂直方向に逃げる方向にかかる力の方が大きくなることを抑制できるので、開封誘導線に沿って引き裂くことができる。また、開封後に、裏面12に形成される摘み部の幅が小さすぎず、摘み易い。角度αは、開封誘導線と仮想線で形成される角度のうち小さい方の角度を意味するものとする。角度αの下限は、より高い段差を形成する観点から、15°以上であることが好ましい。
【0037】
図2に示される裏面12には、開封誘導線が形成されていないが、開封誘導線が形成されていてもよい。例えば、裏面12には、仮想線ILに重なる開封誘導線が形成されていてもよい。
【0038】
裏面12は、仮想線ILと平行の第1方向の引裂伝播抵抗が、第1方向と直交する第2方向の引裂伝播抵抗よりも小さくなっていることが好ましい。このような引裂伝播抵抗の関係を有することにより、裏面12において、開封誘導線を形成しなくとも、仮想線ILに沿って引き裂くことができるので、破断が成り行きとなることを抑制できる。このような裏面12は、直進カット性フィルムで構成することが可能である。直進カット性フィルムは、一方の方向に直線状に引き裂くことが可能なフィルムである。直進カット性フィルムは、MD方向(フィルムの流れ方向)における引裂伝播抵抗がTD方向(MD方向と直交する方向)における引裂伝播抵抗より小さくなっている。引裂伝播抵抗は、軽荷重引裂試験機(株式会社東洋精機製作所)を用いて、JIS K7128−2:1998に従って測定することができる。具体的には、引裂伝播抵抗は、まず、測定対象となる面(例えば裏面)の包装材料から開封開始手段の内縁間を繋ぐ仮想線に沿った第1方向および第1方向と直交する第2方向にそれぞれ長さ75mm×幅63mmの長方形状のサンプルを採取し、幅方向中央部に端から20mmの切れ込みを入れ、軽荷重引裂試験機で残り43mmを引裂いたときの指示値を読み取る。引裂伝播抵抗の値としては、指示値より求めた引裂力(N)を包装材料の厚み(mm)で除した値とする。なお、測定は各方向10回ずつ行い、その平均値を採用する。裏面12を直進カット性フィルムで構成する場合には、基材層およびシーラント層の少なくともいずれかに直進カット性フィルムを用いる。基材層に直進カット性フィルムを用いる場合、基材層として、例えば、ユニチカ株式会社製のエンブレット(登録商標)PCを用いることができる。なお、エンブレット(登録商標)PCのMD方向における引裂伝播抵抗は20mNであり、TD方向における引裂伝播抵抗は30mNである。
【0039】
パウチ10−1は、包装材料30から構成されている。包装材料30は、図5に示されるように、少なくとも基材層31、およびシーラント層32を備えている。包装材料30は、基材層31およびシーラント層32の他、基材層31とシーラント層32との間に、所望の機能を発揮する機能層をさらに備えていてもよい。具体的には、基材層31とシーラント層32との間に、インキ層33、接合層34、金属箔層35、および接合層36を基材層31からこの順で備えていてもよい。
【0040】
<基材層>
基材層31は、特に限定されず、例えば、延伸プラスチックフィルムやセロファン等のプラスチックフィルムまたは紙等が挙げられる。延伸プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体(Ny)等のポリアミド、またはポリプロピレン(PP)等からなるフィルムが挙げられる。また、基材層は、単層構造であってもよいが、2層以上の多層構造であってもよい。基材層が多層構造の場合、基材層間には接合層が介在していてもよい。
【0041】
延伸プラスチックフィルムは、二軸延伸処理されることが好ましい。これにより、プラスチックフィルムを構成する分子が、延伸処理によって延伸方向に並ぶので、プラスチックフィルムが優れた寸法安定性を発揮するようになる。また、二軸延伸処理によって、プラスチックフィルムに易開封性を付与することができる。
【0042】
基材層31の厚みは6μm以上40μm以下であることが好ましい。基材層31の厚みが6μm以上であれば、金属箔層35を保護するとともに印刷することができ、また40μm以下であれば、製袋時の加工が容易となる。基材層31の厚みの下限は12μm以上であることがより好ましく、また基材層31の厚みの上限は30μm以下であることがより好ましい。基材層の厚みは、光学顕微鏡を用いて撮影された基材層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された厚みの算術平均値として求めるものとする。
【0043】
<シーラント層>
シーラント層32は、端部シール部17〜20を形成するためのものである。シーラント層32は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステルエーテル等のシール性を有する樹脂から構成することができる。シーラント層32は無延伸であることが好ましい。シーラント層32は、単層構造であってもよく、または多層構造であってもよい。
【0044】
シーラント層32の厚みは10μm以上60μm以下であることが好ましい。シーラント層32の厚みが10μm以上であれば、内容物を保存するために必要なシール強度を維持することができ、また60μm以下であれば、製袋時の加工が容易となるとともに良好な開封性を実現できる。シーラント層32の厚みの下限は20μm以上であることがより好ましく、またシーラント層32の厚みの上限は40μm以下であることがより好ましい。シーラント層32の厚みは、基材層31の厚みと同様の方法によって測定できる。
【0045】
<インキ層>
インキ層33は、色材およびバインダ樹脂を含む層である。インキ層33を形成することにより、パウチ10−1に絵柄を形成することができる。本明細書における「絵柄」とは、特に限定されず、例えば、図、文字、模様、パターン、記号、柄、マーク等を広く含む。
【0046】
インキ層33は、その他、任意の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、充填剤、硬化剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、特に印刷適正、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。インキ層33は、基材層31にグラビア印刷等の印刷法により形成することができる。
【0047】
(色材)
色材は、特に限定されず、公知の顔料や染料を用いることができ、所望の色に合わせて適宜選択する。
【0048】
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、(メタ)アクリレート化合物の重合体、または、これらの混合物が挙げられる。
【0049】
<金属箔層>
金属箔層35は、パウチ10−1にガスバリア性を付与するためのものである。金属箔層35を構成する金属として、酸素および水蒸気等の透過を抑制するガスバリア性や可視光および紫外線等の透過を抑制する遮光性の点から、アルミニウム、鉄、銅、錫、またはこれらの合金等を使用できる。
【0050】
金属箔層35の厚みは6μm以上40μm以下であることが好ましい。金属箔層35の厚みが6μm以上であれば、ガスバリア性を担保することができ、また40μm以下であれば、高速シール性と良好な開封性を実現できる。金属箔層35の厚みの下限は7μm以上であることがより好ましく、また金属箔層35の厚みの上限は15μm以下であることがより好ましい。金属箔層の厚みは、基材層の厚みと同様の方法によって測定できる。
【0051】
<接合層>
本明細書における「接合層」とは、接着層のみならず、アンカーコート層を含む概念である。接合層34、36としては、押出ラミネート法(サンドイッチラミネート法)で用いられるアンカーコート層やドライラミネート法に用いられる接着層が挙げられる。
【0052】
アンカーコート層としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)等の熱可塑性樹脂等を含む層が挙げられるが、樹脂を含まない層であってもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。
【0053】
接着層としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。ポリウレタン系接着剤とは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化物を意味する。
【0054】
<<<他のパウチ>>>
図1に示されるパウチ10−1は、後述するように1枚の包装材料30を半切ことにより製造されているが、図6および図7に示されるパウチ10−2のように2枚の包装材料から構成されていてもよい。パウチ10−2は、第1包装材料41と第2包装材料42から構成されていること以外は、パウチ10−1と同様である。
【0055】
第1包装材料41および第2包装材料42の層構成は、包装材料30と同様の層構成となっている。ただし、第2包装材料42は、開封誘導線を有していない。第1包装材料41および第2包装材料42の層構成は、互いに同じであってもよいが、互いに異なっていてもよく、例えば、第2包装材料42は裏面12の破断線が成り行きで進むのを抑制するために直進カット性フィルムから構成されていることが好ましいが、第1包装材料41は直進カット性フィルムから構成されていなくともよい。
【0056】
図1に示されるパウチ10−1は、四方シール型のパウチであるが、図8に示されるパウチ10−3のように三方シール型のパウチであってもよい。パウチ10−3は、第2端部14側に端部シール部を有していないこと以外は、パウチ10−1と同様である。
【0057】
図1に示されるパウチ10−1は、再封性手段を備えていないが、図9に示されるパウチ10−4のように再封性手段51を備えていてもよい。
【0058】
再封性手段51は、開封後に開口部を開閉自在に封止するためのものである。再封性手段51を備えることにより、開封後における内容物の乾燥等を抑制することができる。再封性手段51は、仮想線ILと略平行となるように設けられている。再封性手段51としては、例えば、チャックテープが挙げられる。
【0059】
チャックテープは、雄型テープ部材と、雄型テープ部材と嵌合可能な雌型テープ部材とを備えている。再封性手段51として、チャックテープを用いる場合には、雄型テープ部材および雌型テープ部材の一方をおもて面の内面に取り付け、また雄型テープ部材および雌型テープ部材の他方を裏面の内面に取り付ける。
【0060】
再封性手段51および端部シール部17が形成されている場合、端部シール部17は硬く、破断しにくいので、端部シール部17の内縁17Aと再封性手段51の第1端部13側の縁の間の距離をD2とし、開封誘導線23の高さhとしたとき、D2>hを満たしていることが好ましい(図10参照)。
【0061】
図1に示されるパウチ10−1は、ガゼット折込部を備えていないが、図11に示されるパウチ10−5のようにガセット折込部61を備えていてもよい。図11に示されるパウチ10−5においては、第2端部14に設けられている。第2端部14にガセット折込部を設けることにより、より多くの内容物を収容することができるとともに、自立させることができる。
【0062】
本実施形態のパウチ10−1においては、開封開始手段21から手前側に向けてパウチ10−1を引き裂いて開封すると、おもて面11側の破断線は、開封誘導線23に突き当たるまでは開封方向DR2に進む。そして、おもて面11側の破断線が、開封誘導線23の谷部23Bに突き当たると、谷部23Bに沿って進むが、その後山部23Aに突き当たると、山部23Aに沿って進まずに山部23Aを横切る。一方、開封開始手段21から奥側に向けてパウチ10−1を引き裂いて開封すると、おもて面11側の破断線は、開封誘導線23に突き当たるまでは開封方向DR2に進む。そして、おもて面11側の破断線が、谷部に開封誘導線23の谷部23Bに突き当たると、谷部23Bに沿って進まずに谷部23Bを横切り、その後山部23Aに突き当たると、山部23Aに沿って進む。なお、開封誘導線が、複数の山部および谷部を有する場合には、おもて面11側の破断線は、これらを繰り返して、進む。裏面12に関しては、裏面12には開封誘導線が形成されていないので、裏面12の破断線は、成り行きで進む。したがって、本実施形態のパウチ10−1においては、開封開始手段21から手前側に向けてパウチ10−1を開封すると、おもて面11側の破断線は、裏面12側の破断線よりも低くなる部分が形成されるので、おもて面11には凹部11Aが形成され(図12参照)、また開封開始手段21から奥側に向けてパウチ10−1を開封すると、おもて面11側の破断線は、裏面12側の破断線よりも高くなる部分が形成されるので、おもて面11には凸部が形成される。このため、開封開始手段21から手前側および奥側のいずれの方向にパウチ10−1を開封した場合であっても、段差が形成される。なお、開封開始手段22から手前側および奥側のいずれの方向にパウチ10−1を開封した場合であっても、同様に段差が形成される。また、パウチ10−2〜10−5も、パウチ10−1と同様な段差が形成される。
【0063】
本実施形態によれば、仮想線ILから開封誘導線23における第2端部14側の極小点P1までの距離をD1とし、開封誘導線23の高さをhとしたとき、開封誘導線23は、D1>1/2hを満たしているので、開封開始手段21、22から手前側に向けてパウチ10−1を引き裂いて開封すると、仮想線ILから開封誘導線23における極小点P1までの距離が大きくなるので、おもて面11側の破断線と裏面12側の破断線で形成される段差が高くなる。これにより、大きな摘み部を形成でき、開封しやすくなる。また、パウチ10−2〜10−5も、パウチ10−1と同様に、高い段差を得ることができるので、これにより、大きな摘み部を形成でき、開封しやすくなる。
【0064】
開封開始手段から手前側に向けてパウチを引き裂いて開封する場合において、所望の段差を得るためには、おもて面の破断線が谷部に存在する谷底である極小点を通過する必要があるので、開封誘導線には1以上の極小点が存在することが必要である。また、開封開始手段から奥側に向けてパウチを引き裂いて開封する場合において、所望の高さの段差を得るためには、おもて面の破断線が山部に存在する山頂である極大点を通過する必要があるので、開封誘導線には1以上の極大点が存在することが必要である。したがって、開封開始手段から手前側および奥側のいずれの方向に向けてパウチを引き裂いて開封する場合においても、所望の高さの段差を得るためには、開封誘導線は1以上の極大点および1以上の極小点を有しなければならない。ただし、開封開始手段側の最初の極大点や極小点は、おもて面側の破断線が突き当たらない限り、破断には影響しない。このため、開封開始手段から手前側および奥側のいずれの方向に向けてパウチを引き裂いて開封する場合において、確実に所望の高さの段差を得るためには、極大点および極小点の合計数が3以上あることが必要である。本実施形態によれば、端部シール部19、20の内縁19A、20A間に、極大点および極小点の合計数が3以上となる連続して延びる波線状の開封誘導線23が形成されているので、開封開始手段21、22から手前側および奥側のいずれの方向にパウチ10−1を引き裂いて開封した場合であっても、所望の高さの段差を得ることができる。これにより、所望の高さの摘み部を形成することできるので、開封しやすくなる。また、パウチ10−2〜10−5も、パウチ10−1と同様に、所望の高さの段差を得ることができるので、これにより、所望の高さの摘み部を形成でき、開封しやすくなる。
【0065】
<<パウチの製造方法>>
このようなパウチ10−1は、以下のようにして製造することができる。以下、パウチ10−1を横型四方シール包装機で製造する例を示す。
【0066】
まず、包装材料30を巻いた原反ロール71を用意する(図13(A)参照)。包装材料30には、予め、レーザーによって長さ方向DR3に延びた開封誘導線23が形成されているが、開封誘導線23は、長さ方向DR3に延びる第1端部30Aを含む包装材料30の幅方向DR4の半分の領域である第1領域R1内のみに形成されており、長さ方向に延びる第2端部30Bを含む包装材料30の幅方向DR4の残り半分の領域である第2領域R2内には形成されていない。第1領域R1はおもて面11となる領域であり、第2領域R2は裏面12となる領域であるが、第1領域R1は裏面となる領域であり、第2領域R2はおもて面となる領域であってもよい。
【0067】
原反ロール71の包装材料30においては、開封誘導線23は、少なくとも一部が開封開始手段21、22間に存在し、開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILから開封誘導線23における第2端部30B側の極小点P1までの距離をD1とし、開封誘導線23の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている。
【0068】
また、開封誘導線23は、後述する第2シール部73の内縁73A間に極大点および極小点の合計数が3以上となるように形成されている。開封誘導線23は、摘み部の幅が小さくなりずぎることを抑制する観点から、開封誘導線23の極小点P1および極大点P2の合計数が、第2シール部73の内縁73A間において10以下となるように形成されていてもよい。
【0069】
また、開封誘導線23は、開封誘導線23と後に形成される開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILの交点における開封誘導線23の接線TLが、仮想線ILに対して1°以上45°以下の角度αを有するように形成されている。角度αの下限は、より大きな段差を形成する観点から、15°以上であることが好ましい。
【0070】
開封誘導線23を形成するためのレーザーとしては、特に限定されないが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、アルゴンイオンレーザー等を用いることができる。
【0071】
原反ロール71を用意した後、原反ロール71から包装材料30を巻き出して、切断装置81で包装材料30の長さ方向DR3に沿って包装材料30を半切する(図13(B)参照)。
【0072】
包装材料30を半切した後、シーラント層32同士が対向するように包装材料30を重ね合わせる。その後、包装材料30間に内容物Cを充填する(図14(A)参照)。次いで、包装材料30を重ね合わせた状態で、第1シール用ロール82を用いて、包装材料30の長さ方向DR3に延びる第1端部30Aおよび第2端部30Bを熱融着し、かつ半切によって形成された第3端部30Cおよび第4端部30Dを熱融着して、長さ方向DR3に延びる所定幅の第1シール部72を形成する(図14(B)参照)。第1シール部72は、後述する袋体74を個片化した後に、パウチ10−1の端部シール部17、18となる部分である。
【0073】
また、第2シール用ロール83を用いて、所定間隔で包装材料30を包装材料30の幅方向DR4に熱融着して、幅方向DR4に延びる所定幅の複数の第2シール部73を形成して、密封された複数の袋体74を連続的に得る(図15(A)参照)。第2シール部73は、袋体74を個片化した後に、パウチ10−1の端部シール部19、20となる部分である。
【0074】
袋体74を得た後、袋体74における第2シール部73にそれぞれ貫通孔75を形成する(図15(B)参照)。貫通孔に代えて、切込みを形成してもよい。貫通孔75は、袋体74を個片化した後に、パウチ10−1の開封開始手段21、22となる部分である。
【0075】
最後に、切断装置84によって第2シール部73の貫通孔75を2つに分断する位置で幅方向DR4に沿って袋体74を切断して、個片化する(図16参照)。これにより、端部シール部17〜20および開封開始手段21、22が形成され、図1に示されるパウチ10−1が得られる。
【0076】
<<他のパウチの製造方法>>
パウチ10−1は、1枚の包装材料30を半切して、パウチ10−1を形成しているが、2枚の第1包装材料41および第2包装材料42を用いて形成されたパウチ10−2は、以下の方法によって製造することが可能である。
【0077】
まず、第1包装材料41を巻いた第1原反ロール91および第2包装材料42を巻いた第2原反ロール92を用意する(図17(A)および図17(B)参照)。第1包装材料41には、予め、レーザーによって長さ方向DR3に延びた開封誘導線23が形成されているが、第2包装材料42には、開封誘導線は形成されていない。
【0078】
原反ロール91の第1包装材料41においては、開封誘導線23は、少なくとも一部が開封開始手段21、22間に存在し、開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILから開封誘導線23における第2端部41B側の極小点P1までの距離をD1とし、開封誘導線23の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成されている。
【0079】
また、第1包装材料41においては、開封誘導線23は、第2シール部73の内縁73A間に極小点および極大点の合計数が3以上となるように形成されている。開封誘導線23は、摘み部の幅が小さくなるのを抑制する観点から、開封誘導線23の極小点P1および極大点P2の合計数が、第2シール部73の内縁73A間において10以下となるように形成されていてもよい。
【0080】
また、開封誘導線23は、開封誘導線23と開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILの交点における開封誘導線23の接線TLが、仮想線ILに対して1°以上45°以下の角度αを有するように形成されている。角度αの下限は、より大きな段差を形成する観点から、15°以上であることが好ましい。
【0081】
第1原反ロール91および第2原反ロール92を用意した後、第1原反ロール91から第1包装材料41を巻き出し、かつ第2原反ロール92から第2包装材料42を巻き出して、シーラント層同士が対向するように第1包装材料41と第2包装材料42を重ね合わせる。第1包装材料41と第2包装材料42は、長さ方向DR3が一致するように重ね合わせる。
【0082】
次いで、第1包装材料41および第2包装材料42を重ね合わせた状態で、第1包装材料41と第2包装材料42との間に内容物Cを充填する(図18(A)参照)。その後、上記と同様に、第1シール用ロール82を用いて、長さ方向DR3に延びる第1包装材料41の第1端部41Aと第2包装材料42の第1端部42Aを熱融着するとともに、第1包装材料41の第2端部41Bと第2包装材料42の第2端部42Bを熱融着して、長さ方向DR3に延びる所定幅の第1シール部72を形成する(図18(B)参照)。第1シール部72は、袋体74を個片化した後に、パウチ10−2の端部シール部17となる部分である。
【0083】
また、第2シール用ロール83を用いて、所定間隔で第1包装材料41と第2包装材料42を第1包装材料41の幅方向DR4に熱融着して、幅方向DR4に延びる所定幅の第2シール部73を形成して、密封された袋体74を得る(図18(C)参照)。第2シール部73は、袋体74を個片化した後に、パウチ10−3の端部シール部19、20となる部分である。
【0084】
その後は、上記と同様に、袋体74における第2シール部73にそれぞれ貫通孔を形成し、切断装置によって第2シール部73の貫通孔を2つに分断する位置で幅方向DR4に沿って袋体74を切断して、個片化する。これにより、端部シール部17〜20および開封開始手段21、22が形成され、図6に示されるパウチ10−2が得られる。
【0085】
パウチ10−1は、四方シール型のパウチであるので、上記製造方法によって製造されるが、三方シール型のパウチ10−3は、例えば、以下の方法によって製造することが可能である。以下、パウチ10−3を縦型三方シール包装機によって製造する例を示す。
【0086】
まず、パウチ10−1の製造工程で用いた、開封誘導線23を有する包装材料30を巻いた原反ロール71を用意する。原反ロール71を用意した後、原反ロール71から包装材料30を巻き出し、包装材料30を包装材料30の長さ方向DR3に沿ってシーラント層同士が対向するように半折する(図19(A)参照)。
【0087】
包装材料30を半折した状態で、第1シール用ロール82を用いて、包装材料30の長さ方向DR3に延びる第1端部30Aと第2端部30Bを熱融着して、長さ方向DR3に延びる所定幅の第1シール部72を形成する(図19(B)参照)。第1シール部72は、袋体76を個片化した後に、パウチ10−3の端部シール部17となる部分である。
【0088】
また、第2シール用ロール83を用いて、所定間隔で包装材料30同士を包装材料30の幅方向DR4に熱融着して、幅方向DR4に延びる所定幅の第2シール部73を形成して、密封された袋体76を得る(図20参照)。第2シール部73は、袋体76を個片化した後に、パウチ10−3の端部シール部19、20となる部分である。
【0089】
また、袋体76を得る工程中に、内容物Cを充填する。具体的には、一つの袋体76において注目したときに、第2シール部73が1つ形成された状態で、内容物Cを充填する。
【0090】
その後は、上記と同様に、袋体76における第2シール部73にそれぞれ貫通孔を形成し、切断装置によって第2シール部73の貫通孔を2つに分断する位置で幅方向DR4に沿って袋体76を切断して、個片化する。これにより、端部シール部17、19、20および開封開始手段21、22が形成され、図8に示されるパウチ10−3が得られる。
【0091】
本実施形態によれば、開封開始手段21、22の内縁21A、22A間を繋ぐ仮想線ILから開封誘導線23における第2端部30B側の極小点P1までの距離をD1とし、開封誘導線23の高さをhとしたとき、D1>1/2hを満たすように形成され、かつ長さ方向DR3に連続して延びる波線状の開封誘導線23を有する原反ロール71を用いているので、パウチ10−1を形成したときに、開封誘導線23は、D1>1/2hを満たす。これにより、大きな摘み部を形成でき、開封しやすいパウチ10−1を得ることができる。なお、同様の理由から、大きな摘み部を形成でき、開封しやすいパウチ10−2〜10−5を得ることができる。
【0092】
また、第2シール部73の内縁73A間に極小点P1および極大点P2の合計数が3以上となるように形成され、かつ長さ方向DR3に連続して延びる波線状の開封誘導線23を有する開封誘導線23を有する原反ロール71を用いているので、パウチ10−1を形成したときに、開封誘導線23は、端部シール部19、20の内縁19A、20A間に極小点P1および極大点P2の合計数が3以上となる。また、第2シール部73の内縁73A間に極小点P1および極大点P2の合計数が3以上となれば、開封誘導線23はどの位置で切断されてもよいので、インキ層33が形成されていても、インキ層33の絵柄と開封誘導線23の位置合わせをする必要がない。これにより、パウチ10−1を高速で製造することができる。なお、パウチ10−2〜10−5についても、同様の理由から、パウチ10−2〜10−5を高速で製造することができる。
【符号の説明】
【0093】
10−1、10−2、10−3、10−4、10−5…パウチ
11…おもて面
12…裏面
13…第1端部
14…第2端部
15…第3端部
16…第4端部
17〜20…端部シール部
21、22…開封開始手段
21A、22A…内縁
23…開封誘導線
23A…山部
23B…谷部
30…包装材料
31…基材層
32…シーラント層
41…第1包装材料
42…第2包装材料
51…再開封性手段
71…原反ロール
72…第1シール部
73…第2シール部
91…第1原反ロール
92…第2原反ロール
IL…仮想線
TL…接線
P1…極小点
P2…極大点

図1
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