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特開2019-218137コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、コーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋
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  • 特開2019218137-コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、コーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-218137(P2019-218137A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、コーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/40 20060101AFI20191129BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20191129BHJP
   B01J 20/04 20060101ALI20191129BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20191129BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20191129BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20191129BHJP
   A23L 3/3427 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B65D65/40 D
   B65D81/26 K
   B65D81/26 T
   B01J20/04 A
   B01J20/28 Z
   B32B27/00 H
   B32B27/18 F
   A23L3/3427
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-119294(P2018-119294)
(22)【出願日】2018年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 昌平
(72)【発明者】
【氏名】林 佳恵子
【テーマコード(参考)】
3E067
3E086
4B021
4F100
4G066
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB24
3E067AC03
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067CA24
3E067EA06
3E067FA01
3E067FC01
3E067GB14
3E067GD07
3E086AA23
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB03
3E086CA15
3E086DA08
4B021LA15
4B021LW10
4B021MC05
4B021MK08
4B021MP10
4F100AA18A
4F100AB10
4F100AB33
4F100AK00A
4F100AK00B
4F100AK42
4F100AK63
4F100AL05A
4F100AR00C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100EH20A
4F100EH20B
4F100GB16
4F100GB23
4F100JD02C
4F100JD14A
4F100JL12B
4G066AA17B
4G066AA20C
4G066AC11D
4G066AC13D
4G066AC23C
4G066BA03
4G066BA05
4G066CA35
4G066DA01
(57)【要約】
【課題】高い炭酸ガス吸収能力を有しつつシール強度に優れたコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、それを有するコーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋を低コストで提供する。
【解決手段】少なくとも、アルカリ土類金属水酸化物を含む樹脂組成物からなる炭酸ガス吸収層11とヒートシール層12とを有するコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10であって、多層共押出しフィルムであることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、アルカリ土類金属水酸化物を含む樹脂組成物からなる炭酸ガス吸収層とヒートシール層とを有するコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムであって、多層共押出しフィルムであることを特徴とするコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム。
【請求項2】
前記アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムである請求項1に記載のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム。
【請求項3】
請求項1または2のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムからなる炭酸ガス吸収シーラントフィルム層とともにガスバリア層を有することを特徴とするコーヒー用積層体。
【請求項4】
請求項3のコーヒー用積層体を含むことを特徴とするコーヒー用包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、それを有するコーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
焙煎したコーヒー豆等は、一般的に真空包装されて販売されるが、焙煎したコーヒー豆等は保存中に炭酸ガスを主成分とするガスを発生するため、真空包装体の形状が崩れてしまい、それによって内容物の品質は低下しないにもかかわらず、商品体の商品価値が低下したり、失われたりすることがある。
【0003】
そして、この炭酸ガスを除去するために特別のガス抜き栓を設けた袋に入れて流通および一時保管する場合には、袋のコストが高くなるといった問題や、ガス抜きのための一時放置により保管作業効率の低下を招くといった問題があった。このため炭酸ガスを効率よく安価に除去可能な包装袋の開発が待たれていた。
【0004】
特許文献1には、極細糸を1ミクロンの空隙を形成させて束ねた解繊糸をポリエチレンによって成形された筒体の中央部にインサート成形して一体構造としたエチレンガスおよびガスを発生する収容物用の袋または容器に備えるガス抜きテープであって、袋または容器に挿入することで、容器の内部より発生するガスを外部に放出するとともに、外部の空気は侵入しないとの逆止弁効果を発揮するガス抜きテープが開示されている。
【0005】
また特許文献2には、熱可塑性樹脂に水酸化カルシウムをブレンドしたものをシート状に成型してなるシート状物を主体とすることを特徴とする炭酸ガス吸収シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−308341号公報
【特許文献2】特開昭55−59825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のガス抜きテープでは、包装材と別にガス抜きテープを用意する必要があり、製造工程が煩雑となるといった問題があった。
【0008】
さらにまた特許文献2の炭酸ガス吸収シートを用いた包装袋では、特許文献1の、包装材と別にガス抜きテープを用意する必要があり、製造工程が煩雑となるといった問題はないものの、シール強度が不十分との問題があった。シール強度が不十分な場合、包装袋として内容物を包装体に充填した場合に、内容物が二酸化炭素吸収剤を含む樹脂フィルムと直接接触する構造となってしまう可能性があり、外観上の観点はもとより、安全面や衛生面の観点から問題である。
【0009】
そこで本発明の目的は、高い炭酸ガス吸収能力を有しつつシール強度に優れたコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、それを有するコーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋を低コストで提供するものである。当該コーヒー用包装袋は、炭酸ガスを発生する内容物を封入した場合でも外部からの空気や水分の侵入を防ぐことができ、かつ包装材以外の部材を使用することがないとの特徴も併せて有する。なお、本発明において「コーヒー用」とは、「焙煎したコーヒー豆用」とともに、それを挽いたコーヒー粉等の「焙煎したコーヒー豆の加工品用」も含むものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも、アルカリ土類金属水酸化物を含む樹脂組成物を、ヒートシール性を持つ樹脂と多層共押出ししてフィルム化した炭酸ガス吸収多層押出しフィルムが、高い炭酸ガス吸収能力を有しつつシール強度にも優れ、かつ低コストであることを見出した。すなわち、本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムは、少なくとも、アルカリ土類金属水酸化物を含む樹脂組成物からなる炭酸ガス吸収層とヒートシール層とを有するコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムであって、多層共押出しフィルムであることを特徴とする。
【0011】
本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムにおいては、アルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムであることが好ましい。
【0012】
本発明のコーヒー用積層体は、本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムからなる炭酸ガス吸収シーラントフィルム層とともにガスバリア層を有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明のコーヒー用包装袋は、本発明のコーヒー用積層体を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高い炭酸ガス吸収能力を有しつつシール強度に優れたコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、それを有するコーヒー用積層体およびコーヒー用包装袋を低コストで得ることができる。当該コーヒー用包装袋は、炭酸ガスを発生する内容物を封入した場合でも外部からの空気や水分の侵入を防ぐことができ、かつ包装材以外の部材を使用することがないとの特徴も併せて有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムの一例の模式的な断面図である。
図2】本発明のコーヒー用積層体の一例の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の包装材の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。
(コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム)
図1に、本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルムの一例の模式的な断面図を示す。コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10は多層共押出しフィルムであって、図1においては、少なくとも、アルカリ土類金属水酸化物を含む樹脂組成物からなる一層の炭酸ガス吸収層11と二層のヒートシール層12とが、一層の炭酸ガス吸収層11が二層のヒートシール層12で挟持されるように備えられている。コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10には少なくとも一層の炭酸ガス吸収層11と一層のヒートシール層12とが備えられている。
【0017】
前述の通り、本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10は、多層共押出しフィルムであることから高い炭酸ガス吸収能力とともに優れたシール強度を有すうえ、低コストで製造することができる。共押出しには、Tダイ法、インフレーション法などの公知の手法を用いることができる。
【0018】
以下、コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10の各層について具体的に説明する。
[炭酸ガス吸収層]
本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10に用いられる炭酸ガス吸収層11は、熱可塑性樹脂にアルカリ土類金属水酸化物をブレンドした樹脂組成物をシート状に成型してなるものであり、高い炭酸ガス吸収能力を有する。ブレンドおよびシート状への成型には公知の手法、例えば、二軸押し出し機を用いたブレンドや、単軸の押出し機を用いたシート状への成型といった手法を用いることができる。
【0019】
熱可塑性樹脂にブレンドするアルカリ土類金属水酸化物としては水酸化カルシウムが好ましい。他のアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化マグネシウムも炭酸ガス吸収能力を有するが、化学的に安定で取り扱いが安全であり、人体への影響が少ないとの観点から水酸化カルシウム好ましい。
【0020】
炭酸ガス吸収層11に用いられる熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンといった各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリアクリロニトリル(PAN)等があり、それらの1種又は2種以上からなる樹脂を使用することができる。このうち、製膜性、シール強度の観点からポリエチレンが好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0021】
炭酸ガス吸収層11中のアルカリ土類金属水酸化物のブレンド比率は15〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。この比率が15質量%以上あれば炭酸ガス吸収能力を十分に発揮することができる。また、この比率が70質量%以下であれば、成膜性、シート押出し特性にすぐれ、さらにシートがもろくなることがない。
【0022】
炭酸ガス吸収層11の厚さは特に限定はないが、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μmである。厚みが5μm以上であれば十分な製膜性、炭酸ガス吸収能力が得られ、厚みが100μm以下であれば、コストが高くなりすぎることもない。
【0023】
[ヒートシール層]
本発明のコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10は、炭酸ガス吸収層11の一方、または両方の表面側にヒートシール層12をさらに備えている。このヒートシール層12は包装袋にした時に最内層となる層であり、一枚の、ヒートシール層12を有する包装材(例えば後述のコーヒー用積層体30)を、ヒートシール層12を内側にして折り畳んで対向させたうえで、または二枚の包装材のヒートシール層12を対向させたうえで、ヒートシール層12同士を、縁部で加熱押圧してシールすることで三方袋、スタンド袋等の各種の包装袋を作製することができる。
【0024】
ヒートシール層12は、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂層である。ヒートシール層12に用いられる樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンといった各種ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリアクリロニトリル(PAN)等があり、それらの1種又は2種以上からなる樹脂を使用することができる。このうち、製膜性、シール強度の観点からポリエチレンが好ましく、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0025】
ヒートシール層12の厚さは特に限定はないが、好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜30μmである。厚みが5μm以上であれば十分な押出し安定性、シール強度が得られ、厚みが50μm以下であれば、コストが高くなりすぎることもない。
【0026】
(コーヒー用積層体)
図2に、本発明のコーヒー用積層体の一例の模式的な断面図を示す。図2において、コーヒー用積層体30は、コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10からなる炭酸ガス吸収シーラントフィルム層20とともに、基材層21、印刷層22、強度層23、ガスバリア層24を備える。
【0027】
以下、コーヒー用積層体30の各層について具体的に説明する。
[基材層]
基材層21として、通常の包装材を構成する樹脂フィルムを適宜使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリブテン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、MXD6等からなるフィルムを使用することができる。これらの樹脂フィルムのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも言う。)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリへキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が好ましい。特に、PETフィルムは、透明性が高く、寸法安定性、耐熱性に優れていること等からより好ましい。また、ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂は,それらの混合物であってもよい。
【0028】
基材層21は、樹脂フィルムを2層以上積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムである場合、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。 また、基材層21は、透明性又は透光性を有することが好ましい。
【0029】
これらの樹脂フィルムは無延伸フィルムでもよいが、透明性等の観点から好ましくは一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムが用いられる。フィルムの厚さは特に限定はないが、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜20μmである。厚みが10μm以上であれば十分な強度が得られ、厚みが50μm以下であれば、フィルムが固くなりすぎたりコストが高くなりすぎたりすることもない。
【0030】
基材層21は、上記の樹脂フィルム層に、バリア層を積層させた積層構造でもよい。バリア層を積層させることで、ガスの透過を防止して、内容物の重量減少や内容物の劣化を、効果的に抑制できる。もっとも、図2に示したコーヒー用積層体30では、基材層21とは別にガスバリア層24が備えられており、基材層21にはバリア層は備えられていない。
【0031】
基材層21の表面は、接着性の向上のために、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を向上させる表面処理を施してもよい。かかる表面処理は、少なくとも基材層21の表面のうち、印刷層22が形成される面に施すことが好ましい。また、基材層21が前述したバリア層を有する場合には、基材層21のバリア層の表面に表面処理をすることができる。
【0032】
[印刷層]
印刷層22は、包装材及び包装材を用いた包装袋の意匠性を高めるためのものであり、所定の文字、図形、模様、又は色分け等の絵柄が、インキにより形成された層である。インキは、有機顔料及び無機顔料のうちの少なくとも一方の顔料と、バインダ樹脂とを含み、必要に応じて各種の添加剤を含む公知のインキを用いることができる。印刷層22は、公知の印刷法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等によって基材層21(バリア層を含む)の一方の表面上に形成させることができる。
【0033】
[強度層]
本発明のコーヒー用積層体30は、所望により、強度層23を備えていてもよい。コーヒー用積層体30が強度層23を備えることにより、このコーヒー用積層体30を用いて作製したコーヒー用包装袋の、耐ピンホール性といった観点からの強度を向上させることができると共に、コーヒー用包装袋に自立性を付与することができる。
【0034】
強度層23としては、樹脂フィルムを使用することができ、より具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂等の樹脂からなる未延伸または延伸フィルムを使用することができる。
【0035】
強度層23の厚さは特に限定はないが、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。厚みが10μm以上であれば十分な強度が得られ、厚みが50μm以下であれば、フィルムが固くなりすぎたりコストが高くなりすぎたりすることもない。
【0036】
[ガスバリア層]
ガスバリア層24を積層させることで、ガスの透過を防止して、内容物の重量減少や内容物の劣化を、効果的に抑制できる。
【0037】
ガスバリア層24は、例えば、アルミニウム箔等の無機物、無機物または無機酸化物の蒸着膜、樹脂フィルム上に該蒸着膜を有する蒸着フィルム、または、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等のガスバリア性樹脂からなる層、あるいはこれらの組み合わせであってよい。
【0038】
ガスバリア層24の厚さは特に限定はないが、好ましくは5〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。厚みが5μm以上であれば十分な強度が得られ、かつピンホールが生じにくく、厚みが30μm以下であれば、フィルムが固くなりすぎたりコストが高くなりすぎたりすることもない。
【0039】
[コーヒー用積層体の製造方法]
本発明のコーヒー用積層体30は、例えば次のようにして製造することができる。基材層21の一表面上に、印刷層22を印刷により形成する。次いで、印刷層22の一表面上に、強度層23、ガスバリア層24をドライラミネートする。さらに、炭酸ガス吸収層11とヒートシール層12とを有するコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10からなる炭酸ガス吸収シーラントフィルム層20をガスバリア層24上に重ね、押出ラミネート法により積層することでヒートシール層12を表面に有するコーヒー用積層体30を得ることができる。また、炭酸ガス吸収層11とヒートシール層12とを有するコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム10からなる炭酸ガス吸収シーラントフィルム層20上の一表面上に、印刷層22を印刷により形成した基材層21、強度層23、ガスバリア層24をドライラミネートすることでコーヒー用積層体30を得てもよい。
【0040】
[コーヒー用包装袋の製造方法]
本発明のコーヒー用積層体30を用いたコーヒー用包装袋は、例えば次のようにして製造することができる。
例えば前記の方法で得たヒートシール層12を表面に有するコーヒー用積層体30を、ヒートシール層12を内側にして折り畳んで対向させたうえで、または二つのコーヒー用積層体30を、ヒートシール層12を対向させたうえで、ヒートシール層12同士を、縁部で加熱押圧してシールすることで、三方袋、スタンド袋等の各種のコーヒー用包装袋を作製することができる。ヒートシールの方法については特に限定されず、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シールおよび超音波シール等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0042】
[実施例1]
水酸化カルシウムと直鎖状低密度ポリエチレン(株式会社プライムポリマー製SP2020、以下LLDPEと略す)を、二軸押出し機(株式会社日本製鋼所製TEX30αx)を用いて温度200℃の条件で混錬し、水酸化カルシウムを60質量%含む炭酸ガス吸収樹脂組成物を作製した。
得られた樹脂組成物と、LLDPE(株式会社プライムポリマー製SP2020)とを温度180℃の条件で多層共押出しして、LLDPE(10μm)/炭酸ガス吸収樹脂組成物(60μm)/LLDPE(10μm)の多層共押出しフィルムを作製した。
この多層共押出しフィルムに、PET(基材層、東洋紡株式会社製E5100)、アルミニウム箔(ガスバリア層、東洋アルミニウム株式会社製1N30、以下ALと略す)およびドライラミネート用接着剤(ロックペイント株式会社製RU−77T、以下DLと略す)を重ね、ドライラミネート法により積層し、PET(12μm)/DL/AL(7μm)/DL/LLDPE(10μm)/炭酸ガス吸収樹脂組成物(60μm)/LLDPE(10μm)の実施例1の積層体を得た。
【0043】
[比較例1]
炭酸ガス吸収樹脂組成物をLLDPEとした以外は、実施例1と同じ原材料、機器、製造条件を用いて比較例1の積層体を得た。
【0044】
[比較例2]
炭酸ガス吸収樹脂組成物(水酸化カルシウム45質量%)のみを押出して80μm厚のフィルムを作製し、実施例1と同様にドライラミネートでPET(12μm)/DL/AL(7μm)/DL/炭酸ガス吸収樹脂組成物(80μm)の積層体を得た。
【0045】
[比較例3]
炭酸ガス吸収樹脂組成物のみを押出して60μm厚のフィルムを作製し、PET(12μm)/DL/AL(7μm)とLLDPE樹脂によるサンドラミネートで貼り合わせPET(12μm)/DL/AL(7μm)/LLDPE(10μm)/炭酸ガス吸収樹脂組成物(60μm)を作製した後、LLDPEの押出しラミネートによりPET(12μm)/DL/AL(7μm)/LLDPE(10μm)/炭酸ガス吸収樹脂組成物(60μm)/LLDPE(10μm)の積層体を得た。
【0046】
[評価方法・結果]
(炭酸ガス吸収能力試験)
実施例1、比較例1〜3で得た積層体からシール巾10mmで180℃、0.1MPaの条件で四方シールして135mm×205mmサイズのパウチを作製し、焙煎したコーヒー豆50gを封入し脱気した。45℃の条件で3日間保存後のパウチ内の炭酸ガス量を測定した。結果を表1に示す。実施例1、比較例2および3の積層体を用いたパウチ内の炭酸ガス量は、いずれも70ccだったのに対し、比較例1の積層体を用いたパウチ内の炭酸ガス量は150ccであった。また、実施例1、比較例2および3については、4日目以降は炭酸ガス量の増加は見られなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
(シール強度試験)
実施例1、比較例1〜3で得た積層体を15mm巾にカットし、引張試験機(引張速度300mm/min)を用いてシール強度を測定した。結果を表2に示す。実施例1、比較例1および3の積層体のシール強度に対し、比較例2の積層体のシール強度は低い結果となった。
【0049】
【表2】
【0050】
炭酸ガス吸収能力、シール強度、コストについて評価し、総合的に判定した結果を表3に示す。比較例2は炭酸ガス吸収樹脂組成物の使用量が増加するため、また、比較例3は工程数が増加するため、実施例1に比べてコストは高くなる。
【0051】
【表3】
【0052】
以上のように、本発明によれば、高い炭酸ガス吸収能力を有しつつシール強度に優れたコーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム、それを有するコーヒー用積層体、およびそれらを含むコーヒー用包装袋を低コストで得ることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 コーヒー用炭酸ガス吸収シーラントフィルム
11 炭酸ガス吸収層
12 ヒートシール層
20 炭酸ガス吸収シーラントフィルム層
21 基材層
22 印刷層
23 強度層
24 ガスバリア層
30 コーヒー用積層体
図1
図2