【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、特筆しない限り、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及びメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種」を意味する。「(メタ)アクリル酸」や「(メタ)アクリロイル」等の表記も、同様の意味を有する。「CH
2=C(CH
3)−CO−」又は「CH
2=CH−CO−」を有する構造単位が例示されている場合には、双方の基を有する構造単位が同様に例示されているものとする。「組み合わせた基」とは、例示した基を2種以上結合させた基を意味し、それら基の価数は結合形態によって適宜変更してもよい。また、立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
【0008】
〔式(IA)及び式(IB)で表される化合物〕
本発明の化合物は、式(IA)で表される化合物(以下「化合物(IA)」という場合がある)及び式(IB)で表される化合物(以下「化合物(IB)」という場合がある)に関する。
式(IA)及び式(IB)において、X
1及びX
2は、式(X
1−1)〜式(X
1−7)のいずれかで表される基である。なかでも、X
1は、式(X
1−1)、式(X
1−3)又は式(X
1−4)のいずれかで表される基であることが好ましく、式(X
1−1)又は式(X
1−4)のいずれかで表される基であることがより好ましい。
L
1の炭素数1〜48の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルカンテトライル基、アルケンテトライル基、アルキンテトライル基等の鎖式炭化水素基及び単環式又は多環式の脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた4価の炭化水素基(例えば、4価の脂肪族炭化水素基と2価の脂環式炭化水素基を組み合わせた4価の炭化水素基、4価の脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と1以上の2価の脂肪族炭化水素基とを組み合わせた4価の炭化水素基、3価又は4価の脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた4価の炭化水素基等)であってもよい。
【0009】
アルカンテトライル基としては、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ウンデカンテトライル基、ドデカンテトライル基等の直鎖状又は分岐状アルカンテトライル基が挙げられる。
アルケンテトライル基としては、エテンテトライル基、プロペンテトライル基、イソプロペンテトライル基、ブテンテトライル基、イソブテンテトライル基、tert−ブテンテトライル基、ペンテンテトライル基、ヘキセンテトライル基、ヘプテンテトライル基、オクチンテトライル基、イソオクチンテトライル基、ノネンテトライル基が挙げられる。
アルキンテトライル基としては、プロピンテトライル基、イソプロピンテトライル基、ブチンテトライル基、イソブチンテトライル基、tert−ブチンテトライル基、ペンチンテトライル基、ヘキシンテトライル基、オクチンテトライル基、ノニンテトライル基等が挙げられる。
単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘキセンテトライル基、シクロオクタンテトライル基等の単環式シクロアルカンテトライル基が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナンテトライル基、ノルボルナンテトライル基、5−ノルボルネンテトライル基、アダマンタンテトライル基、アダマンタンテトライル基等の多環式シクロアルカンテトライル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基、アントラセンテトライル基等が挙げられる。
2種以上を組み合わせた炭化水素基としては、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられ、具体的には、アルカンテトライル基と1価の脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、アルカンテトライル基に含まれるメチレン基が2価の脂環式炭化水素基及び/又は2価の芳香族炭化水素基に置き換わった基、3価又は4価の脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基が挙げられる。
【0010】
L
1の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる−CH
2−が、−O−に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる−CH
2−CH
2−が、−O−CO−に置き換わった基)、炭素数1〜12のアルコキシ基(炭素数2〜13のアルキル基中に含まれる−CH
2−が、−O−に置き換わった基)、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基(炭素数4〜15のアルキル基中に含まれる−CH
2−CH
2−が、−O−CO−に置き換わった基)、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基(炭素数3〜14のアルキル基中に含まれる−CH
2−が、−CO−に置き換わった基)、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基(炭素数4〜15のアルキル基中に含まれる−CH
2−CH
2−が、−CO−O−に置き換わった基)は、炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−O−又は−CO−に置き換わった基とする。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基及び炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。
炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられ、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
L
1で表される炭素数1〜48の4価の炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0011】
L
1の炭素数1〜48の炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい。
L
1の炭素数1〜48の炭化水素基が置換基を有する場合又は該炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数とする。
【0012】
L
1は、式(L
1A)又は式(L
1B)で表される基であることが好ましい。
[式(IIA)及び式(IIB)中、
L
4及びL
4'は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい。
L
2及びL
3は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基を表す。
L
3'は、炭素数1〜4のアルカントリイル基を表す。
*aはX
1との結合部位を表し、*bは酸素原子又はX
2との結合部位を表し、*cは−OR
3における酸素原子との結合部位を表し、*dは−OR
4における酸素原子との結合部位を表す。]
【0013】
L
4及びL
4'の炭素数1〜24の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルカンジイル基、アルケンジイル基、アルキンジイル基等の鎖式炭化水素基及び単環式又は多環式の2価の脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた2価の炭化水素基であってもよい。
【0014】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
アルケンジイル基としては、エテンジイル基、プロペンジイル基、イソプロペンジイル基、ブテンジイル基、イソブテンジイル基、tert−ブテンジイル基、ペンテンジイル基、ヘキセンジイル基、ヘプテンジイル基、オクチンジイル基、イソオクチンジイル基、ノネンジイル基が挙げられる。
アルキンジイル基としては、エチンジイル基、プロピンジイル基、イソプロピンジイル基、ブチンジイル基、イソブチンジイル基、tert−ブチンジイル基、ペンチンジイル基、ヘキシンジイル基、オクチンジイル基、ノニンジイル基等が挙げられる。
単環式の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘキセン−3,6−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基が挙げられる。
多環式の2価の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。
2種以上を組み合わせた炭化水素基としては、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられ、具体的には、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられ、−シクロアルカンジイル基−アルカンジイル基−、−アルカンジイル基−シクロアルカンジイル基−、−アルカンジイル基−シクロアルカンジイル基−アルカンジイル基−、−アルカンジイル基−芳香族炭化水素基−、−芳香族炭化水素基−アルカンジイル基−等が挙げられる。
【0015】
L
4及びL
4'の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、L
1の炭化水素基が有する置換基と同様のものが挙げられる。また、炭化水素基における−CH
2−の置き換わりによって包含される基も、L
1の炭化水素基と同様である。
L
4及びL
4'で表される炭素数1〜24の2価の炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0016】
L
4及びL
4'の炭素数1〜24の炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい。
L
4及びL
4'の炭素数1〜24の炭化水素基が置換基を有する場合又は該炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数とする。
【0017】
L
4及びL
4'は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は炭素数1〜6のアルカンジイル基と炭素数3〜18の脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(前記アルカンジイル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、前記脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)であることが好ましく、
単結合、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は*−炭素数3〜18の脂環式炭化水素基−炭素数1〜6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい)−であることがより好ましく、
単結合、炭素数1〜4のアルカンジイル基又は*−アダマンタンジイル基−炭素数1〜4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい)−であることがさらに好ましい(*はX
1又はX
2との結合部位を表す。)。L
4及びLL
4'は、互いに異なる基であってもよいが、同じ基であることが好ましい。
【0018】
L
2及びL
3のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
L
3'のアルカントリイル基としては、メチン基、エチン基、プロパントリイル基、ブタントリイル基等が挙げられる。
L
2及びL
3は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基であることが好ましく、単結合又はメチレン基であることがより好ましい。L
2及びL
3は、互いに異なる基であってもよいが、同じ基であることが好ましい。
L
3'は、炭素数1〜4のアルカントリイル基であることが好ましく、メチン基又はエチン基であることがより好ましい。
【0019】
R
3、R
4及びR
5における式(IC)で表される基を有する炭化水素基とは、炭化水素基に、1以上の式(IC)で表される基が置換基として置換されているものを意味する。ここでの炭化水素基は、該炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよいし、式(IC)で表される基以外の1又は複数の置換基を有していてもよい。
R
3、R
4及びR
5における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜9であり、より好ましくは1〜4である。
アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、イソオクチニル基、ノネニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、イソプロピニル基、ブチニル基、イソブチニル基、tert−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、ノニニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式、多環式及びスピロ環のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。
R
3、R
4及びR
5で表される脂環式炭化水素基としては、式(Y1)〜(Y41)で表される基(*は結合部位を表す。)が好ましく、式(Y1)〜式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)〜式(Y41)のいずれかで表される基であることがより好ましく、式(Y3)、(Y4)、式(Y9)、式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y20)、式(Y30)で表される基であることがさらに好ましい。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜18であり、より好ましくは3〜16である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜14であり、より好ましくは6〜10である。芳香族炭化水素基は、後述の組み合わせた基のように、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基等)等が挙げられる。
組み合わせた基とは、
脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及び/又はアルキニル基)とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基)及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
鎖式炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及び/又はアルキニル基)と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及び/又はアルキニル基)に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、及び
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基(該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)を表す。なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、鎖式炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル)基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。
具体的には、組み合わせた基としては、
アダマンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等の脂環式炭化水素基−鎖式炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
メチルアダマンチル基等の鎖式炭化水素基−脂環式炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
トリル基、キシリル基等の鎖式炭化水素基−芳香族炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
シクロヘキシルフェニル基等の脂環式炭化水素基−芳香族炭化水素基−*(該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
メチルシクロヘキシルメチル基等の鎖式炭化水素基−脂環式炭化水素基−鎖式炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
ベンジル基等の芳香族炭化水素基−鎖式炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)、
トリルメチル基等の鎖式炭化水素基−芳香族炭化水素基−鎖式炭化水素基−*(該鎖式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい)
等が挙げられる。ここで、*は酸素原子との結合部位を表す。
【0020】
R
3で表される炭化水素基としては、好ましくは、置換基を有してもよい炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基(但し、該脂肪族炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)であり、
より好ましくは、アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)又は脂環式炭化水素基とアルキル基とを組み合わせた基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)であり、
さらに好ましくは、*−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。*は酸素原子との結合部位を表す。)又は*−アルキル基−脂環式炭化水素基−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。*は酸素原子との結合部位を表す。)である。
【0021】
R
4及びR
5で表される炭化水素基としては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基(但し、該脂肪族炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されていてもよい。)であり、
より好ましくは、水素原子、アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)又は脂環式炭化水素基とアルキル基とを組み合わせた基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されていてもよい。)であり、
さらに好ましくは、水素原子、*−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。*は酸素原子との結合部位を表す。)又は*−アルキル基−脂環式炭化水素基−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されていてもよい。*は酸素原子との結合部位を表す。)であり、
より一層好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基(但し、該脂肪族炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)であり、
さらに一層好ましくは、水素原子、アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)又は脂環式炭化水素基とアルキル基とを組み合わせた基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。)であり、
特に好ましくは、水素原子、*−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。*は酸素原子との結合部位を表す。)又は*−アルキル基−脂環式炭化水素基−アルキル基(該アルキル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、式(IC)で表される基で置換されている。*は酸素原子との結合部位を表す。)である。
【0022】
式(IC)で表される基は、以下のとおりである。
[式(IC)中、
R
Aは、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
u1は、0〜2のいずれかの整数を表し、u1が2である場合、複数のR
Aは同一であるか、相異なる。
s1は、1又は2を表す。
t1は、0又は1を表す。但し、s1とt1との和は、1又は2である。
*は、結合部位を表す。]
【0023】
s1は1であることが好ましく、t1は1であることが好ましく、s1とt1との和は1又は2であることが好ましく、s1とt1との和が2であることがより好ましい。
式(IC)で表される基としては、以下で表される基であることが好ましい。
【0024】
式(IC)で表される基において、u1が1である場合、下記式で表される基も式(IC)に含まれる。
R
Aの飽和炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらの組み合わせが挙げられる。
R
Aのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜9であり、より好ましくは1〜4である。
脂環式炭化水素基は、単環式、多環式及びスピロ環のいずれでもよい。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。
【0025】
R
3、R
4及びR
5で表される炭化水素基における式(IC)で表される基以外の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、L
1で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、炭化水素基における−CH
2−の置き換わりによって包含される基、つまり、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基についてもL
1と同様である。
R
3、R
4及びR
5で表される炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、R
3、R
4及びR
5で表される炭化水素基に、式(IC)等の置換基が結合する場合、置換する前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。
【0026】
化合物(IA)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0029】
式(IA−1)〜式(IA−10)、式(IA−12)、式(IA−14)、式(IA−16)〜式(IA−32)で表される化合物において、式(IA)のR
1に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物並びに式(IA−11)、式(IA−13)、式(IA−15)で表される化合物において、式(IA)のR
1に相当する水素原子がメチル基に置き換わった化合物も、化合物(IA)の具体例として挙げることができる。なかでも、式(IA−1)〜式(IA−12)、式(IA−17)〜式(IA−18)、式(IA−23)〜式(IA−26)で表される化合物が好ましい。
【0030】
化合物(IB)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0033】
式(IB−1)〜式(IB−10)、式(IB−12)、式(IB−14)、式(IB−16)〜式(IB−26)で表される化合物において、式(IB)のR
1及びR
2に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物並びに式(IB−11)、式(IB−13)、式(IB−15)で表される化合物において、式(IB)のR
1及びR
2に相当する水素原子がメチル基に置き換わった化合物も、化合物(IB)の具体例として挙げることができる。なかでも、式(IB−1)〜式(IB−12)、式(IB−17)〜式(IB−18)、式(IB−23)〜式(IB−26)で表される化合物が好ましい。
【0034】
<化合物(IA)又は化合物(IB)の製造方法>
化合物(IA)において、
R
3、R
4及びR
5が、それぞれ独立に、式(ICI)で表される基である化合物(式(IA1)で表される化合物)、
R
5が水素原子であり、R
3及びR
4が、それぞれ独立に、式(ICI)で表される基である化合物(式(IA2)で表される化合物)、
R
4及びR
5が水素原子であり、R
3が、式(ICI)で表される基である化合物(式(IA3)で表される化合物)は、例えば、式(I−b)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶媒中で反応させた後、さらに、式(IA−a)で表される塩と反応させることにより製造することができる。
化合物(IB)において、
R
3及びR
4が、それぞれ独立に、式(ICI)で表される基である化合物(式(IB1)で表される化合物)、
R
4が水素原子であり、R
3が、式(ICI)で表される基である化合物(式(IB2)で表される化合物)は、例えば、式(I−b)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶媒中で反応させた後、さらに、式(IB−a)で表される塩と反応させることにより製造することができる。
(式(ICI)中、s1、t1、u1及びR
Aは、それぞれ前記と同じ意味を表す。L
2Iは、置換基を有していてもよい炭素数1〜34の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−、−CO−又は−SO
2−に置き換わっていてもよい。nnは0又は1を表す。*は、酸素原子との結合部位を表す。)
【0035】
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられる。
式(IA−a)で表される化合物1モルに対して、式(I−b)で表される化合物を2.6モル以上(好ましくは、3.0モル以上)反応させると式(IA1)で表される化合物が主生成物として得られる。式(IA−a)で表される化合物1モルに対して、式(I−b)で表される化合物を1.6〜2.4モル(好ましくは、1.8〜2.2モル)反応させると式(IA2)で表される化合物が主生成物として得られる。式(IA−a)で表される化合物1モルに対して、式(I−b)で表される化合物を0.6〜1.4モル(好ましくは、0.8〜1.1モル)反応させると式(IA3)で表される化合物が主生成物として得られる。
式(IB−a)で表される化合物1モルに対して、式(I−b)で表される化合物を1.6モル以上(好ましくは、2.0モル以上)反応させると式(IB1)で表される化合物が主生成物として得られる。式(IB−a)で表される化合物1モルに対して、式(I−b)で表される化合物を0.6モル〜1.4モル(好ましくは、0.8〜1.1モル)反応させると式(IB2)で表される化合物が主生成物として得られる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I−b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
【0036】
式(IA−a)で表される化合物において、X
1が、式(X
1−1)、式(X
1−3)又は式(X
1−4)のいずれかで表される基である化合物(式(I1A−a)で表される化合物)は、式(I1−c1)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶媒中で反応させた後、さらに、式(I−d)で表される化合物と反応させ、酸で処理することにより製造することができる。
式(IB−a)で表される化合物において、X
1及びX
2が、それぞれ独立に、式(X
1−1)、式(X
1−3)又は式(X
1−4)のいずれかで表される基である化合物(式(I1B−a)で表される化合物)は、式(I1−c1)で表される化合物と式(I1−c2)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶媒中で反応させた後、さらに、式(I−d)で表される化合物と反応させ、酸で処理することにより製造することができる。
(式中、R
1、L
1、及びR
2は、それぞれ前記と同じ意味を表す。X
1A及びX
2Aは、単結合1,4−フェニレン基、又は−CO−O−Ar
1−*を表し、Ar
1は1,4−フェニレン基を表す。*はカルボニル基の炭素原子との結合部位を表す。)
溶媒としては、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
酸としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
反応温度は通常0℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I1−c1)及び式(I1−c2)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
式(I−d)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手でき、また、公知の合成方法により容易に製造できる。
【0037】
式(IA−a)で表される化合物において、X
1が、式(X
1−2)又は式(X
1−5)で表される基である化合物(式(I2A−a)で表される化合物)は、式(I2−c1)で表される化合物と式(I−d)で表される化合物とを、塩基存在下、溶媒中で反応させた後、酸で処理することにより製造することができる。
式(IB−a)で表される化合物において、X
1及びX
2が、それぞれ独立に、式(X
1−2)又は式(X
1−5)で表される基である化合物(式(I2B−a)で表される化合物)は、式(I2−c1)で表される化合物と式(I2−c2)で表される化合物と式(I−d)で表される化合物とを、塩基存在下、溶媒中で反応させた後、酸で処理することにより製造することができる。
(式中、R
1、L
1及びR
2は、それぞれ前記と同じ意味を表す。X
1B及びX
2Bは、−Ar
1−*又は−CO−O−Ar
1−*を表す。Arは1,4−フェニレン基を表す。*は酸素原子との結合部位を表す。)
溶媒としては、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
塩基としては、水酸化カリウムなどが挙げられる。
酸としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
反応温度は通常0℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I2−c1)及び式(I2−c2)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
【0038】
X
1が、式(X
1−6)又は式(X
1−7)で表される基である式(I3A−a)で表される化合物は、式(I2−c1)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶剤中で反応させた後、さらに、式(I−d)で表される化合物と反応させた後、酸で処理することにより製造することができる。
X
1及びX
2が、それぞれ独立に、式(X
1−6)又は式(X
1−7)で表される基である式(I3B−a)で表される化合物は、式(I2−c1)で表される化合物と式(I2−c2)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶剤中で反応させた後、さらに、式(I−d)で表される化合物と反応させた後、酸で処理することにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
溶媒としては、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
酸としては、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
反応温度は通常0℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
【0039】
〔樹脂〕
本発明の樹脂は、化合物(IA)又は化合物(IB)に由来する構造単位(以下「構造単位(I)」という場合がある。)を含む樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある。)である。樹脂(A)は、構造単位(I)のホモポリマーであってもよいし、構造単位(I)のみからなるコポリマーであってもよいし、構造単位(I)以外の構造単位を1以上含むポリマーであってもよい。
構造単位(I)以外の構造単位としては、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)、酸不安定基を有する構造単位以外の構造単位であってハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)」という場合がある)、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)等が挙げられる。ここで、酸不安定基とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
【0040】
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
[式(1)中、R
a1、R
a2及びR
a3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、R
a1及びR
a2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方は1を表す。
*は結合部位を表す。]
[式(2)中、R
a1'及びR
a2'は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
a3'は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、R
a2'及びR
a3'は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3〜20の複素環を形成し、該炭化水素基及び該複素環に含まれる−CH
2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
【0041】
R
a1、R
a2及びR
a3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
R
a1、R
a2及びR
a3における脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。R
a1、R
a2及びR
a3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
R
a1及びR
a2が互いに結合して脂環式炭化水素基を形成する場合の−C(R
a1)(R
a2)(R
a3)としては、下記の基が挙げられる。脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。*は−O−との結合部位を表す。
【0042】
R
a1'、R
a2'及びR
a3'における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、R
a1、R
a2及びR
a3で挙げた基と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えばシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p−シクロヘキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基等)、アリール−シクロアルキル基(フェニルシクロヘキシル基等)等が挙げられる。
R
a2'及びR
a3'が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素環を形成する形成する場合、−C(R
a1')(R
a3')−X−R
a2'としては、下記の基が挙げられる。*は、結合部位を表す。
R
a1'及びR
a2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
【0043】
基(1)としては、以下の基が挙げられる。
式(1)においてR
a1、R
a2及びR
a3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。当該基としては、tert−ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(1)において、R
a1、R
a2が、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマンチル基を形成し、R
a3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。
式(1)において、R
a1及びR
a2がそれぞれ独立してアルキル基であり、R
a3がアダマンチル基であり、ma=0であり、na=1である基。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0044】
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0045】
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0046】
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
【0047】
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは、式(a1−0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−0)という場合がある。)、式(a1−1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−1)という場合がある。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−2)という場合がある。)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a1−0)、式(a1−1)及び式(a1−2)中、
L
a01、L
a1及びL
a2は、それぞれ独立に、−O−又は
*−O−(CH
2)
k1−CO−O−を表し、k1は1〜7のいずれかの整数を表し、*は−CO−との結合部位を表す。
R
a01、R
a4及びR
a5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a02、R
a03及びR
a04は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
R
a6及びR
a7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は0〜14のいずれかの整数を表す。
n1は0〜10のいずれかの整数を表す。
n1’は0〜3のいずれかの整数を表す。]
【0048】
R
a01、R
a4及びR
a5は、好ましくはメチル基である。
L
a01、L
a1及びL
a2は、好ましくは酸素原子又は*−O−(CH
2)
k01−CO−O−であり(但し、k01は、好ましくは1〜4のいずれかの整数、より好ましくは1である。)、より好ましくは酸素原子である。
R
a02、R
a03、R
a04、R
a6及びR
a7におけるアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、式(1)のR
a1、R
a2及びR
a3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
R
a02、R
a03、及びR
a04におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
R
a6及びR
a7におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチル基又はイソプロピル基である。
R
a02、R
a03及びR
a04の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは5〜12であり、より好ましくは5〜10である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
R
a02及びR
a03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
R
a04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
R
a6及びR
a7は、好ましくは1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチル基又はイソプロピル基である。
m1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
【0049】
構造単位(a1−0)としては、例えば、式(a1−0−1)〜式(a1−0−12)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1−0)におけるR
a01に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−0−1)〜式(a1−0−10)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
【0050】
構造単位(a1−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1−1)におけるR
a4に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
【0051】
構造単位(a1−2)としては、式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1−2)におけるR
a5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−2−2)、式(a1−2−5)及び式(a1−2−6)で表される構造単位が好ましい。
【0052】
樹脂(A)が構造単位(a1−0)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜50モル%であり、好ましくは3〜40モル%であり、より好ましくは5〜30モル%である。
樹脂(A)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、
通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜80モル%であり、より好ましくは15〜75モル%であり、さらに好ましくは20〜70モル%であり、さらにより好ましくは20〜65モル%である。
【0053】
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1−4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1−4)中、
R
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0〜4のいずれかの整数を表す。laが2以上である場合、複数のR
a33は互いに同一であっても異なってもよい。
R
a34及びR
a35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
a36は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、R
a35及びR
a36は互いに結合してそれらが結合する−C−O−とともに炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。]
【0054】
R
a32及びR
a33におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
R
a32及びR
a33におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
R
a34、R
a35及びR
a36における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基が挙げられ、アルキル基及び脂環式炭化水素基としては、R
a02、R
a03、R
a04、R
a6及びR
a7におけるアルキル基及び脂環式炭化水素基と同様の基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p−シクロヘキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基等)、アリール−シクロアルキル基(フェニルシクロヘキシル基等)等が挙げられる。特に、R
a36としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
【0055】
式(a1−4)において、R
a32としては、水素原子が好ましい。
R
a33としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
R
a34は、好ましくは、水素原子である。
R
a35は、好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基又は脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
R
a36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基であり、より好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。R
a36におけるアルキル基及び脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。R
a36における芳香族炭化水素基は、炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
構造単位(a1−4)における−OC(R
a34)(R
a35)−O−R
a36は、酸(例えばp−トルエンスルホン酸)と接触して脱離し、ヒドロキシ基を形成する。
【0056】
構造単位(a1−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1−4−1)〜式(a1−4−12)でそれぞれ表される構造単位及び構造単位(a1−4)におけるR
a32に相当する水素原子がメチル基に置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)、式(a1−4−10)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
【0057】
樹脂(A)が、構造単位(a1−4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位の合計に対して、5〜60モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。
【0058】
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)も挙げられる。
式(a1−5)中、
R
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Z
a1は、単結合又は*−(CH
2)
h3−CO−L
54−を表し、h3は1〜4のいずれかの整数を表し、*は、L
51との結合部位を表す。
L
51、L
52、L
53及びL
54は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0〜3のいずれかの整数を表す。
【0059】
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1−5)においては、R
a8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
L
51は、酸素原子が好ましい。
L
52及びL
53のうち、一方が−O−であり、他方が−S−であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2のいずれかの整数が好ましい。
Z
a1は、単結合又は*−CH
2−CO−O−が好ましい。
【0060】
構造単位(a1−5)としては、例えば、特開2010−61117号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1−5−1)〜式(a1−5−4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1−5−1)又は式(a1−5−2)で表される構造単位がより好ましい。
【0061】
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜50モル%が好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましく、5〜30モル%がさらにより好ましい。
【0062】
構造単位(a1)としては、例えば、式(a1−0X)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−0X)という場合がある。)も挙げられる。
[式(a1−0X)中、
R
X1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
x2及びR
x3は、それぞれ独立に、炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表す。
Ar
X1は、炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表す。]
【0063】
R
x2及びR
x3の飽和炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらの組合せることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Ar
X1の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜36のアリール基が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6〜24であり、より好ましくは炭素数6〜18であり、さらに好ましくは、フェニル基である。
Ar
X1は、好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはフェニル基又はナフチル基であり、さらに好ましくは、フェニル基である。
R
X1、R
x2及びR
x3は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
【0064】
構造単位(a1−0X)としては、以下に記載の構造単位及び構造単位(a1−0X)におけるR
X1に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物が挙げられる。構造単位(a1−0X)は、構造単位(a1−0X−1)〜構造単位(a1−0X−3)であることが好ましい。
【0065】
樹脂(A)が、構造単位(a1−0X)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)における全モノマーに対して、5〜60モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a1−0X)を2種以上含有していてもよい。
【0066】
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
【0067】
樹脂(A)が上記構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましい。
【0068】
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
【0069】
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を用いることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する構造単位(a2−1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
【0070】
構造単位(a2)においてフェノール性ヒドロキシ基有する構造単位としては式(a2−A)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−A)」という場合がある)が挙げられる。
[式(a2−A)中、
R
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
A
a50は、単結合又は
*−X
a51−(A
a52−X
a52)
nb−を表し、*は−R
a50が結合する炭素原子との結合部位を表す。
A
a52は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
X
a51及びX
a52は、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0〜4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複数のR
a51は互いに同一であっても異なってもよい。]
【0071】
R
a50におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
R
a50におけるハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
R
a50は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
R
a51におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
R
a51におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
R
a51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
R
a51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。
R
a51は、メチル基が好ましい。
【0072】
*−X
a51−(A
a52−X
a52)
nb−としては、
*−O−、
*−CO−O−、
*−O−CO−、
*−CO−O−A
a52−CO−O−、
*−O−CO−A
a52−O−、
*−O−A
a52−CO−O−、
*−CO−O−A
a52−O−CO−、
*−O−CO−A
a52−O−CO−、が挙げられる。なかでも、
*−CO−O−、
*−CO−O−A
a52−CO−O−又は
*−O−A
a52−CO−O−が好ましい。
【0073】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
A
a52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
【0074】
A
a50は、単結合、
*−CO−O−又は
*−CO−O−A
a52−CO−O−であることが好ましく、単結合、
*−CO−O−又は
*−CO−O−CH
2−CO−O−であることがより好ましく、単結合又は
*−CO−O−であることがさらに好ましい。
【0075】
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ヒドロキシ基は、ベンゼン環のo−位又はp−位に結合することが好ましく、p−位に結合することがより好ましい。
【0076】
構造単位(a2−A)としては、特開2010−204634号公報、特開2012−12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
【0077】
構造単位(a2−A)としては、式(a2−2−1)〜式(a2−2−6)で表される構造単位及び、式(a2−2−1)〜式(a2−2−6)で表される構造単位において構造単位(a2−A)におけるR
a50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。構造単位(a2−A)は、式(a2−2−1)で表される構造単位、式(a2−2−3)で表される構造単位、式(a2−2−6)で表される構造単位及び式(a2−2−1)で表される構造単位、式(a2−2−3)で表される構造単位又は式(a2−2−6)で表される構造単位において、構造単位(a2−A)におけるR
a50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましい。
【0078】
樹脂(A)中に構造単位(a2−A)が含まれる場合の構造単位(a2−A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5〜80モル%であり、より好ましくは10〜70モル%であり、さらに好ましくは15〜65モル%であり、さらにより好ましくは20〜65モル%である。
構造単位(a2−A)は、例えば構造単位(a1−4)を含む樹脂を、p−トルエンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂(A)に含ませることができる。また、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリで処理することにより、構造単位(a2−A)を樹脂(A)に含ませることができる。
【0079】
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a2−1)中、
L
a3は、−O−又は
*−O−(CH
2)
k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7のいずれかの整数を表す。*は−CO−との結合部位を表す。
R
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a15及びR
a16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10のいずれかの整数を表す。
【0080】
式(a2−1)では、L
a3は、好ましくは、−O−、−O−(CH
2)
f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは−O−である。
R
a14は、好ましくはメチル基である。
R
a15は、好ましくは水素原子である。
R
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
【0081】
構造単位(a2−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0082】
樹脂(A)が構造単位(a2−1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは1〜20モル%であり、さらにより好ましくは1〜10モル%である。
【0083】
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ−ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3−2)で表される構造単位)が挙げられる。
【0084】
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)又は式(a3−4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)及び式(a3−4)中、
L
a4、L
a5及びL
a6は、それぞれ独立に、−O−又は
*−O−(CH
2)
k3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
L
a7は、−O−、
*−O−L
a8−O−、
*−O−L
a8−CO−O−、
*−O−L
a8−CO−O−L
a9−CO−O−又は
*−O−L
a8−O−CO−L
a9−O−を表す。
L
a8及びL
a9は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
R
a18、R
a19及びR
a20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a24は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
X
a3は、−CH
2−又は酸素原子を表す。
R
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
R
a22、R
a23及びR
a25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5のいずれかの整数を表す。
q1は、0〜3のいずれかの整数を表す。
r1は、0〜3のいずれかの整数を表す。
w1は、0〜8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のR
a21、R
a22、R
a23及び/又はR
a25は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。]
【0085】
R
a21、R
a22、R
a23及びR
a25における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
R
a24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
R
a24におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
R
a24におけるハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
【0086】
L
a8及びL
a9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
【0087】
式(a3−1)〜式(a3−3)において、L
a4〜L
a6は、それぞれ独立に、好ましくは−O−又は、*−O−(CH
2)
k3−CO−O−において、k3が1〜4のいずれかの整数である基、より好ましくは−O−及び、*−O−CH
2−CO−O−、さらに好ましくは酸素原子である。
R
a18〜R
a21は、好ましくはメチル基である。
R
a22及びR
a23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
【0088】
式(a3−4)において、R
a24は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
R
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
L
a7は、好ましくは−O−又は
*−O−L
a8−CO−O−であり、より好ましくは−O−、−O−CH
2−CO−O−又は−O−C
2H
4−CO−O−である。
w1は、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3−4)は、式(a3−4)’が好ましい。
(式中、R
a24、L
a7は、上記と同じ意味を表す。)
【0089】
構造単位(a3)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー、特開2000−122294号公報に記載されたモノマー、特開2012−41274号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−2−1)、式(a3−2−2)、式(a3−3−1)、式(a3−3−2)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3−1)〜式(a3−4)におけるR
a18、R
a19、R
a20及びR
a24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
【0090】
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
また、構造単位(a3−1)、構造単位(a3−2)、構造単位(a3−3)又は構造単位(a3−4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。
【0091】
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
[式(a4)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
R
42は、炭素数1〜24のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−COに置き換わっていてもよい。]
R
42で表される飽和炭化水素基は、鎖式炭化水素基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0092】
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、−アルカンジイル基−脂環式炭化水素基、−脂環式炭化水素基−アルキル基、−アルカンジイル基−脂環式炭化水素基−アルキル基等が挙げられる。
【0093】
構造単位(a4)としては、式(a4−0)、式(a4−1)、式(a4−2)、式(a4−3)及び式(a4−4)からなる群から選択される少なくとも1つで表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−0)中、
R
5aは、水素原子又はメチル基を表す。
L
4aは、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基を表す。
L
3aは、炭素数1〜8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3〜12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
R
6aは、水素原子又はフッ素原子を表す。]
【0094】
L
4aにおけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
【0095】
L
3aにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパン−1,1−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,2−ジイル基、ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,4−ジイル基、ペルフルオロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロペンタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−1,7−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−3,4−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−4,4−ジイル基、ペルフルオロオクタン−1,8−ジイル基、ペルフルオロオクタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロオクタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロオクタン−4,4−ジイル基等が挙げられる。
L
3aにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0096】
L
4aは、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基である。
L
3aは、好ましくは炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルカンジイル基である。
【0097】
構造単位(a4−0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a4−0)におけるR
5aに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0098】
[式(a4−1)中、
R
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
A
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)で表される基を表す。ただし、A
a41及びR
a42のうち少なくとも1つは、置換基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
〔式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
A
a42及びA
a44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の飽和炭化水素基を表す。
A
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
X
a41及びX
a42は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、A
a42、A
a43、A
a44、X
a41及びX
a42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合部位を表し、右側の*が−O−CO−R
a42との結合部位を表す。]
【0099】
R
a42における飽和炭化水素基としては、鎖式飽和炭化水素基及び単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0100】
鎖式飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式飽和炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、−アルカンジイル基−脂環式飽和炭化水素基、−脂環式飽和炭化水素基−アルキル基、−アルカンジイル基−脂環式飽和炭化水素基−アルキル基等が挙げられる。
【0101】
R
a42が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子及び式(a−g3)で表される基からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[式(a−g3)中、
X
a43は、酸素原子、カルボニル基、*−O−CO−又は*−CO−O−を表す(*はR
a42との結合部位を表す。)。
A
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
*は結合部位を表す。]
ただし、R
a42−X
a43−A
a45において、R
a42がハロゲン原子を有しない場合は、A
a45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
【0102】
A
a45における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式の脂環式炭化水素基;並びにデカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、−アルカンジイル基−脂環式炭化水素基、−脂環式炭化水素基−アルキル基、−アルカンジイル基−脂環式炭化水素基−アルキル基等が挙げられる。
【0103】
R
a42は、ハロゲン原子を有していてもよい飽和炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a−g3)で表される基を有する飽和炭化水素基がより好ましい。
R
a42がハロゲン原子を有する飽和炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
R
a42が、式(a−g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、R
a42の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
【0104】
R
a42が式(a−g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、R
a42は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
[式(a−g2)中、
A
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表す。
X
a44は、*−O−CO−又は*−CO−O−を表す(*はA
a46との結合部位を表す。)。
A
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、A
a46、A
a47及びX
a44の炭素数の合計は18以下であり、A
a46及びA
a47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合部位を表す。]
【0105】
A
a46の飽和炭化水素基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
A
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましく、A
a47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
【0106】
式(a−g2)で表される基の好ましい構造は、以下の構造である(*はカルボニル基との結合部位を表す)。
【0107】
A
a41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
A
a41の表すアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
A
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
【0108】
式(a−g1)で表される基におけるA
a42、A
a43及びA
a44の表す2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環又は多環の2価の脂環式炭化水素基、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
A
a42、A
a43及びA
a44の表す2価の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
【0109】
式(a−g1)で表される基において、X
a42が−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−である基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合部位を表わし、**が−O−CO−R
a42との結合部位を表す。
【0110】
式(a4−1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の式(a4−1)で表される構造単位におけるR
a41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0112】
式(a4−1)で表される構造単位としては、式(a4−2)で表される構造単位が好ましい。
[式(a4−2)中、
R
f5は、水素原子又はメチル基を表す。
L
44は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
R
f6は、炭素数1〜20のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
44及びR
f6の合計炭素数の上限は21である。]
【0113】
L
44のアルカンジイル基は、L
4aで例示したものと同様の基が挙げられる。
R
f6の飽和炭化水素基は、R
a42で例示したものと同様の基が挙げられる。
L
44におけるアルカンジイル基としては、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0114】
式(a4−2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4−1−1)〜式(a4−1−11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4−2)におけるR
f5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4−2)で表される構造単位として挙げられる。
【0115】
[式(a4−3)中、
R
f7は、水素原子又はメチル基を表す。
L
5は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
A
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
X
f12は、*−O−CO−又は*−CO−O−を表す(*はA
f13との結合部位を表す。)。
A
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表す。
但し、A
f13及びA
f14の少なくとも1つは、フッ素原子を有し、L
5、A
f13及びA
f14の合計炭素数の上限は20である。]
【0116】
L
5におけるアルカンジイル基としては、L
4aのアルカンジイル基で例示したものと同様の基が挙げられる。
【0117】
A
f13におけるフッ素原子を有していてもよい2価の飽和炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。多環式の基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0118】
A
f14の飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい飽和炭化水素基は、R
a42で例示したものと同様の基が挙げられる。なかでも、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等が好ましい。
【0119】
式(a4−3)において、L
5は、エチレン基が好ましい。
A
f13の2価の飽和炭化水素基は、炭素数1〜6の2価の鎖式炭化水素基及び炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数2〜3の2価の鎖式炭化水素基がさらに好ましい。
A
f14の飽和炭化水素基は、炭素数3〜12の鎖式炭化水素基及び炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3〜10の鎖式炭化水素基及び炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を含む基がさらに好ましい。なかでも、A
f14は、好ましくは炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
【0120】
式(a4−3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4−3)におけるR
f7に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4−3)で表される構造単位として挙げられる。
【0121】
構造単位(a4)としては、式(a4−4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4−4)中、
R
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
A
f21は、−(CH
2)
j1−、−(CH
2)
j2−O−(CH
2)
j3−又は−(CH
2)
j4−CO−O−(CH
2)
j5−を表す。
j1〜j5は、それぞれ独立に、1〜6のいずれかの整数を表す。
R
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の飽和炭化水素基を表す。]
【0122】
R
f22の飽和炭化水素基は、R
a42で表される飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。R
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1〜10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
【0123】
式(a4−4)においては、A
f21としては、−(CH
2)
j1−が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
【0124】
式(a4−4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で表される構造単位において、構造単位(a4−4)におけるR
f21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0125】
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
【0126】
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a5−1)中、
R
51は、水素原子又はメチル基を表す。
R
52は、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
L
55は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。]
【0127】
R
52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3−メチルアダマンチル基などが挙げられる。
R
52は、好ましくは、無置換の炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
【0128】
L
55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0129】
L
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(L1−1)〜式(L1−4)で表される基が挙げられる。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
式(L1−1)中、
X
x1は、*−O−CO−又は*−CO−O−を表す(*はL
x1との結合部位を表す。)。
L
x1は、炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x1及びL
x2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1−2)中、
L
x3は、炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x4は、単結合又は炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x3及びL
x4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1−3)中、
L
x5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x6及びL
x7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x5、L
x6及びL
x7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1−4)中、
L
x8及びL
x9は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
W
x1は、炭素数3〜15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x8、L
x9及びW
x1の合計炭素数は、15以下である。
【0130】
L
x1は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
L
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
L
x3は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
L
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
L
x5は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
L
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
L
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
L
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
L
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
W
x1は、好ましくは、炭素数3〜10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
【0131】
式(L1−1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0132】
式(L1−2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0133】
式(L1−3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0134】
式(L1−4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0135】
L
55は、好ましくは、単結合又は式(L1−1)で表される基である。
【0136】
構造単位(a5−1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a5−1)におけるR
51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0137】
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
【0138】
<構造単位(II)>
樹脂(A)は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位(II)という場合がある)を含有してもよい。構造単位(II)としては、具体的には特開2016−79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
【0139】
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位は、式(II−2−A’)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II−2−A’)中、
X
III3は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキシ基で置き換わっていてもよい。
A
x1は、炭素数1〜8のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基で置換されていてもよい。
RA
−は、スルホナート基又はカルボキシレート基を表す。
R
III3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
ZA
+は、有機カチオンを表す。]
【0140】
R
III3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R
III3で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、R
a8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられる。
A
x1で表される炭素数1〜8のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
A
x1に置換されていてもよい炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
X
III3で表される炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これらの組み合わせであってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基;ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−O−、−S−又は−CO−で置き換わったものとしては、例えば式(X1)〜式(X53)で表される2価の基が挙げられる。ただし、飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−O−、−S−又は−CO−で置き換わる前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、*はA
X1との結合部位を表す。
【0141】
X
3は、2価の炭素数1〜16の飽和炭化水素基を表す。
X
4は、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
X
5は、2価の炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
X
6は、2価の炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
X
7は、3価の炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
X
8は、2価の炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
【0142】
ZA
+で表される有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、有機ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられ、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
式(II−2−A’)中のZA
+は、後述の酸発生剤(B1)における有機カチオンZ
+と同様のものが挙げられる。
【0143】
式(II−2−A’)で表される構造単位は、式(II−2−A)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II−2−A)中、R
III3、X
III3及びZA
+は、上記と同じ意味を表す。
z2Aは、0〜6のいずれかの整数を表す。
R
III2及びR
III4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表し、zが2以上のとき、複数のR
III2及びR
III4は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Q
a及びQ
bは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。]
R
III2、R
III4、Q
a及びQ
bで表される炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基としては、後述のQ
b1で表される炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基と同じものが挙げられる。
【0144】
式(II−2−A)で表される構造単位は、式(II−2−A−1)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II−2−A−1)中、
R
III2、R
III3、R
III4、Q
a、Q
b及びZA
+は、上記と同じ意味を表す。
R
III5は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
z2A1は、0〜6のいずれかの整数を表す。
X
I2は、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
R
III5で表される炭素数1〜12の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
X
I2で表される2価の飽和炭化水素基としては、X
III3で表される2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
【0145】
式(II−2−A−1)で表される構造単位としては、式(II−2−A−2)で表される構造単位がさらに好ましい。
[式(II−2−A−2)中、R
III3、R
III5及びZA
+は、上記と同じ意味を表す。
m及びnは、互いに独立に、1又は2を表す。]
【0146】
式(II−2−A’)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が挙げられる。ZA
+は、有機カチオンを表す。
【0148】
側鎖にスルホニオ基を有するカチオンと有機アニオンとを有する構造単位は、式(II−1−1)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II−1−1)中、
A
II1は、単結合又は2価の連結基を表す。
R
II1は、炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
R
II2及びR
II3は、それぞれ独立して、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、R
II2及びR
II3は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成していてもよい。
R
II4は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A
−は、有機アニオンを表す。]
R
II1で表される炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられる。
R
II2及びR
II3で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。具体的には、R
a1’、R
a2’及びR
a3’における炭化水素基と同じものが挙げられる。
R
II4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R
II4で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、R
a8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられる。
A
II1で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−で置き換わっていてもよい。具体的には、X
III3で表される炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
【0149】
式(II−1−1)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位及びR
II4のメチル基に相当する基が、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル等に置き換わった構造単位などが挙げられる。
【0150】
A
−で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。A
−で表される有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオンとしては、後述する式(B1)で表される塩に含まれるアニオンであることがより好ましい。
【0151】
A
−で表されるスルホニルイミドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0152】
スルホニルメチドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0153】
カルボン酸アニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0154】
式(II−1−1)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げられる。
【0155】
樹脂(A)中に、構造単位(II)を含有する場合の構造単位(II)の含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1〜20モル%であり、より好ましくは2〜15モル%であり、さらに好ましくは3〜10モル%である。
【0156】
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
【0157】
樹脂(A)は、好ましくは構造単位(I)と酸不安定基とからなる樹脂、さらに構造単位(I)と構造単位(a1)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a1)と構造単位(s)と構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)とからなる樹脂、構造単位(I)のみからなる樹脂、あるいは、構造単位(I)と構造単位(a4)のみからなる樹脂であり、より好ましくは、構造単位(I)と構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(s)とからなる樹脂、あるいは、構造単位(I)と構造単位(a4)と構造単位(a5)とのみからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a4)とのみからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a4)と構造単位(a1)とのみからなる樹脂である。
構造単位(I)の含有率は、樹脂(A)における全モノマーに対して、通常1〜20モル%であり、好ましくは2〜10モル%であり、より好ましくは2〜6モル%である。
樹脂(A)が式(a4)及び/又は(a5)で表される構造単位を含む場合(以下「樹脂(AX)」という場合がある。)、本発明の樹脂(AX)における構造単位(I)の含有率は、本発明の樹脂(AX)の全構造単位の合計に対して、好ましくは2〜10モル%であり、より好ましくは2〜6モル%である。
【0158】
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1−0)、構造単位(a1−0X)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、及びシクロペンチル基を有する該構造単位)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは構造単位(a1−0)、構造単位(a1−0X)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、又はシクロペンチル基を有する該構造単位)からなる群から選ばれる少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)からなる群から選ばれる少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−A)で表される構造単位である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1)で表される構造単位、式(a3−2)で表される構造単位及び式(a3−4)で表される構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
【0159】
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーは、実施例に記載の分析条件により測定することができる。
【0160】
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)と、レジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、さらに、樹脂(A)以外の樹脂を含有していることが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩等のクエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
【0161】
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。樹脂(A)以外の樹脂とは、構造単位(I)を含まない樹脂であり、このような樹脂としては、例えば、酸不安定基を有する構造単位を有し、かつ構造単位(I)を含まない樹脂(以下「樹脂(A2)」という場合がある)、構造単位(a4)のみからなる樹脂、及び構造単位(a4)と構造単位(a5)とからなる樹脂(以下、構造単位(a4)のみからなる樹脂、及び構造単位(a4)と構造単位(a5)とからなる樹脂を合わせて樹脂(X)という場合がある)等が挙げられる。
【0162】
樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、45モル%以上であることがさらに好ましい。
【0163】
樹脂(X)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A2)及び樹脂(X)の重量平均分子量は、それぞれ独立して、好ましくは6,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。樹脂(A2)及び樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
本発明のレジスト組成物が、樹脂(A2)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常、1〜2500質量部(より好ましくは10〜1000質量部)である。
また、レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは1〜50質量部であり、さらに好ましくは1〜40質量部であり、特に好ましくは1〜30質量部であり、特に好ましくは1〜8質量部である。
【0164】
レジスト組成物における樹脂(A)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90〜99質量%がより好ましい。また、樹脂(A)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90〜99質量%がより好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0165】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
【0166】
酸発生剤(B)としては、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0167】
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある。)である。
[式(B1)中、
Q
b1及びQ
b2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L
b1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S(O)
2−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
Z
+は、有機カチオンを表す。]
【0168】
Q
b1及びQ
b2の表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
Q
b1及びQ
b2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
【0169】
L
b1における2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
【0170】
L
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基及びそれらの具体例である式(b1−4)〜式(b1−11)で表される基において、*及び**は結合部位を表し、*は−Yとの結合部位を表す。
【0171】
[式(b1−1)中、
L
b2は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b3は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b2とL
b3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−2)中、
L
b4は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b5は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b4とL
b5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−3)中、
L
b6は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
L
b7は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b6とL
b7との炭素数合計は、23以下である。]
【0172】
式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−又は−CO−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、L
b1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
L
b2は、好ましくは単結合である。
L
b3は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
L
b4は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
L
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
L
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
L
1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、式(b1−1)又は式(b1−3)で表される基が好ましい。
【0173】
式(b1−1)で表される基としては、式(b1−4)〜式(b1−8)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1−4)中、
L
b8は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1−5)中、
L
b9は、炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
L
b10は、単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b9及びL
b10の合計炭素数は20以下である。
式(b1−6)中、
L
b11は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b12は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b11及びL
b12の合計炭素数は21以下である。
式(b1−7)中、
L
b13は、炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b14は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
L
b15は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b13〜L
b15の合計炭素数は19以下である。
式(b1−8)中、
L
b16は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
L
b17は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b18は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b16〜L
b18の合計炭素数は19以下である。]
L
b8は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
L
b9は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b11は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b13は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
L
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
L
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
L
b16は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
L
b17は、好ましくは炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
L
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
【0174】
式(b1−3)で表される基としては、式(b1−9)〜式(b1−11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
式(b1−9)中、
L
b19は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b20は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b19及びL
b20の合計炭素数は23以下である。
式(b1−10)中、
L
b21は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b22は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b23は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b21、L
b22及びL
b23の合計炭素数は21以下である。
式(b1−11)中、
L
b24は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b25は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b26は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH
2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b24、L
b25及びL
b26の合計炭素数は21以下である。
【0175】
なお、式(b1−9)で表される基から式(b1−11)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
【0176】
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0177】
式(b1−4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0178】
式(b1−5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0179】
式(b1−6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0180】
式(b1−7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0181】
式(b1−8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0182】
式(b1−2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0183】
式(b1−9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0184】
式(b1−10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0185】
式(b1−11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0186】
Yで表される脂環式炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y11)、式(Y36)〜式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−が−O−、−S(O)
2−又は−CO−で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。そのような基としては、式(Y12)〜式(Y35)、式(Y39)〜式(Y41)で表される基が挙げられる。
【0187】
Yで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは式(Y1)〜式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)〜式(Y41)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y20)、式(Y30)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基である。
Yで表される脂環式炭化水素基が式(Y28)〜式(Y35)、式(Y39)〜式(Y40)等のスピロ環である場合には、2つの酸素原子間のアルカンジイル基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていないのが好ましい。
【0188】
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基、−(CH
2)
ja−CO−O−R
b1基又は−(CH
2)
ja−O−CO−R
b1基(式中、R
b1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0〜4のいずれかの整数を表す。炭素数1〜16のアルキル基、及び炭素数3〜16の脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S(O)
2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、グリシジルオキシ基、−(CH
2)
ja−CO−O−R
b1基又は−(CH
2)
ja−O−CO−R
b1基(式中、R
b1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。jaは、0〜4のいずれかの整数を表す。炭素数1〜16のアルキル基、及び炭素数3〜16の脂環式炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−S(O)
2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
【0189】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等)及び脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基等)等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
【0190】
Yとしては、以下のものが挙げられる。
【0192】
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましく置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、該脂環式炭化水素基又はアダマンチル基を構成する−CH
2−は−CO−、−S(O)
2−又は−CO−に置き換わっていてもよい。Yは、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、オキソアダマンチル基又は下記で表される基である。
【0193】
式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、式(B1−A−1)〜式(B1−A−55)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1−A−1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1−A−1)〜式(B1−A−4)、式(B1−A−9)、式(B1−A−10)、式(B1−A−24)〜式(B1−A−33)、式(B1−A−36)〜式(B1−A−40)、式(B1−A−47)〜式(B1−A−55)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
【0198】
ここでR
i2〜R
i7は、互いに独立に、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。R
i8は、例えば、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。L
A41は、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基である。
Q
b1及びQ
b2は、上記と同じ意味を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
【0199】
好ましい式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、式(B1a−1)〜式(B1a−34)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
【0201】
なかでも、式(B1a−1)〜式(B1a−3)及び式(B1a−7)〜式(B1a−16)、式(B1a−18)、式(B1a−19)、式(B1a−22)〜式(B1a−34)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
【0202】
Z
+の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。具体的には、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2−1)」等という場合がある。)が挙げられる。
【0203】
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
R
b4〜R
b6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の鎖式炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
R
b4とR
b5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
R
b7及びR
b8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のR
b7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のR
b8は同一でも異なってもよい。
R
b9及びR
b10は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の鎖式炭化水素基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
R
b9とR
b10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
R
b11は、水素原子、炭素数1〜36の鎖式炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
R
b12は、炭素数1〜12の鎖式炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
R
b11とR
b12とは、互いに結合してそれらが結合する−CH−CO−を含めて環を形成していてもよく、該環に含まれる−CH
2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
R
b13〜R
b18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
L
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のR
b13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のR
b14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のR
b15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のR
b16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のR
b17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のR
b18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、R
b9〜R
b12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、R
b9〜R
b12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
【0204】
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−イソプロピルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
【0205】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、炭素数1〜18の鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等)及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p−アダマンチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基等)が好ましい。 水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
【0206】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0207】
R
b4とR
b5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3〜18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環であり、例えば下記の環が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0208】
R
b9とR
b10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
R
b11とR
b12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
【0209】
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)である。
カチオン(b2−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0211】
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオン等が挙げられる。
【0212】
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオン等が挙げられる。
【0213】
カチオン(b2−4)としては、以下のカチオン等が挙げられる。
【0214】
酸発生剤(B)は、上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1a−1)〜式(B1a−3)及び式(B1a−7)〜式(B1a−16)、式(B1a−18)、式(B1a−19)、式(B1a−22)〜式(B1a−34)のいずれかで表されるアニオンと、カチオン(b2−1)又はカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
【0215】
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1−1)〜式(B1−48)でそれぞれ表されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)〜式(B1−3)、式(B1−5)〜式(B1−7)、式(B1−11)〜式(B1−14)、式(B1−20)〜式(B1−26)、式(B1−29)、式(B1−31)〜式(B1−48)で表されるものがとりわけ好ましい。
【0221】
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤の含有率は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上40質量部以下、より好ましくは3質量部以上35質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上35質量部以下である。本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(B)の1種を単独で含有してもよく、複数種を含有してもよい。
【0222】
<酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩>
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、特開2015−147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「弱酸分子内塩(D)」という場合がある。)、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩として好ましくは、弱酸分子内塩(D)である。
【0223】
弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
【0224】
レジスト組成物に含有する酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩の含有率は、レジスト組成物の固形分中、通常、0.01〜5質量%であり、好ましくは0.01〜3質量%である。
【0225】
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下であり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
【0226】
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)としては、前述の、酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩以外に、塩基性の含窒素有機化合物が挙げられる。クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜5質量%程度であることが好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、2,2’−メチレンビスアニリン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリン等の芳香族アミンが挙げられ、より好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
【0227】
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
【0228】
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、本発明の樹脂(A)、酸発生剤(B)及び酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩、並びに、必要に応じて、樹脂(A2)、樹脂(X)、クエンチャー(C)、溶剤(E)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0229】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50〜200℃であることが好ましく、加熱時間は、10〜180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1〜1.0×10
5Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F
2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5〜60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5〜300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0230】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物としてより好適であり、半導体の微細加工に有用である。
【実施例】
【0231】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore H
XL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
【0232】
実施例1:式(IB−1)で表される化合物の合成
式(I−1−a)で表される化合物20部、式(I−1−b)で表される化合物140部及び硫酸0.74部を混合し、70℃で10時間撹拌した後、23℃まで冷却した。得られた混合物に、クロロホルム300部及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液130部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水100部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮残渣をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:酢酸エチル)を用いて分取することにより、式(I−1−c)で表される化合物10.22部を得た。
式(I−1−d)で表される化合物0.65部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物0.66部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−1−f)で表される化合物0.52部を得た。得られた式(IB−1−f)で表される化合物0.52部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IB−1−g)で表される化合物0.41部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.29部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.39部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IB−1−g)で表される化合物0.33部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−1)で表される化合物0.35部を得た。
MASS:557.3[M+H]
+
【0233】
実施例2:式(IA−1)で表される化合物の合成
式(I−1−d)で表される化合物0.65部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物1.32部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2)を用いて分取することにより、式(IA−1−f)で表される化合物0.68部を得た。得られた式(IA−1−f)で表される化合物0.68部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IA−1−g)で表される化合物0.52部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.44部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.59部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IA−1−g)で表される化合物0.25部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IA−1)で表される化合物0.42部を得た。
MASS:631.3[M+H]
+
【0234】
実施例3:式(IB−6)で表される化合物の合成
式(I−6−d)で表される化合物1.79部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物1.24部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−6−f)で表される化合物1.09部を得た。得られた式(IB−6−f)で表される化合物1.05部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IB−6−g)で表される化合物0.92部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.29部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.39部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IB−6−g)で表される化合物0.80部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−6)で表される化合物0.65部を得た。
MASS:945.4[M+H]
+
【0235】
実施例4:式(IA−6)で表される化合物の合成
式(I−6−d)で表される化合物1.79部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物2.48部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2)を用いて分取することにより、式(IA−6−f)で表される化合物2.21部を得た。得られた式(IA−6−f)で表される化合物1.50部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IA−6−g)で表される化合物1.22部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.44部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.59部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IA−6−g)で表される化合物0.49部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IA−6)で表される化合物0.62部を得た。
MASS:825.4[M+H]
+
【0236】
実施例5:式(IB−12)で表される化合物の合成
式(I−12−d)で表される化合物1.56部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物0.35部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−12−f)で表される化合物0.28部を得た。得られた式(IB−12−f)で表される化合物0.27部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IB−12−g)で表される化合物0.24部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.10部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.13部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IB−12−g)で表される化合物0.21部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−12)で表される化合物0.24部を得た。
MASS:797.3[M+H]
+
【0237】
実施例6:式(IA−12)で表される化合物の合成
式(I−12−d)で表される化合物1.56部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−c)で表される化合物0.70部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2)を用いて分取することにより、式(IA−12−f)で表される化合物0.39部を得た。得られた式(IA−12−f)で表される化合物0.27部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IA−12−g)で表される化合物0.28部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.22部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.30部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IA−12−g)で表される化合物0.20部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IA−12)で表される化合物0.22部を得た。
MASS:751.3[M+H]
+
【0238】
実施例7:式(IB−17)で表される化合物の合成
式(I−1−d)で表される化合物0.65部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−17−c)で表される化合物0.61部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−17−f)で表される化合物0.48部を得た。得られた式(IB−17−f)で表される化合物0.48部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IB−17−g)で表される化合物0.39部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.29部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.39部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IB−17−g)で表される化合物0.31部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IB−17)で表される化合物0.29部を得た。
MASS:543.2[M+H]
+
【0239】
実施例8:式(IA−17)で表される化合物の合成
式(I−1−d)で表される化合物0.65部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、式(I−1−e)で表される化合物1.34部を添加し、50℃に昇温後、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−17−c)で表される化合物1.22部を添加し、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム50部及びイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層に、イオン交換水20部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2)を用いて分取することにより、式(IA−17―f)で表される化合物0.57部を得た。得られた式(IA−17―f)で表される化合物0.57部、硫酸0.01部及びアセトニトリル20部を混合し、23℃で6時間攪拌した。得られた混合物を濃縮することにより、式(IA−17−g)で表される化合物0.46部を得た。
式(I−1−h)で表される化合物0.44部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.59部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IA−17−g)で表される化合物0.23部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IA−17)で表される化合物0.34部を得た。
MASS:617.3[M+H]
+
【0240】
実施例9:式(IA−2)で表される化合物の合成
式(I−1−h)で表される化合物0.29部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、式(I−1−e)で表される化合物0.59部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物に、式(IA−1−g)で表される化合物0.25部を添加し、さらに、50℃で4時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応混合物に、クロロホルム50部及び5%シュウ酸水溶液30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100−210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)を用いて分取することにより、式(IA−2)で表される化合物0.21部を得た。
MASS:489.2[M+H]
+
【0241】
樹脂の合成
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
【0242】
以下、これらのモノマーを式番号に応じて「モノマー(a1−1−3)」等という。
【0243】
実施例10〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IB−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IB−1)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.7×10
3の樹脂A1を収率60%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
【0244】
実施例11〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IA−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IA−1)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10
3の樹脂A2を収率58%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
【0245】
実施例12〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IB−6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IB−6)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.0×10
3の樹脂A3を収率62%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
【0246】
実施例13〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IA−6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IA−6)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10
3の樹脂A4を収率62%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
【0247】
実施例14〔樹脂A5の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a1−0−1)、モノマー(a3−2−1)及びモノマー(IB−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−1):モノマー(a1−0−1):モノマー(a3−2−1):モノマー(IB−1)〕が46:11:34:9となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10
3の樹脂A5を収率85%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものである。
【0248】
実施例15〔樹脂A9の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IB−17)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IB−17)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.4×10
3の樹脂A9を収率62%で得た。この樹脂A9は、以下の構造単位を有するものである。
【0249】
実施例16〔樹脂A10の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IA−17)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IA−17)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.7×10
3の樹脂A10を収率61%で得た。この樹脂A10は、以下の構造単位を有するものである。
【0250】
実施例17〔樹脂A11の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IA−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IA−2)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10
3の樹脂A11を収率60%で得た。この樹脂A11は、以下の構造単位を有するものである。
【0251】
合成例1〔樹脂AX1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−1)、モノマー(a1−0−1)、モノマー(a3−2−1)及びモノマー(IX−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−1):モノマー(a1−0−1):モノマー(a3−2−1):モノマー(IX−1)〕が46:11:34:9となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10
3の樹脂AX1を収率85%で得た。この樹脂AX1は、以下の構造単位を有するものである。
【0252】
合成例2〔樹脂AX2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IX−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IX−1)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×10
3の樹脂AX2を収率60%で得た。この樹脂AX2は、以下の構造単位を有するものである。
【0253】
合成例3〔樹脂AX3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IX−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IX−2)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.8×10
3の樹脂AX3を収率64%で得た。この樹脂AX3は、以下の構造単位を有するものである。
【0254】
合成例4〔樹脂AX4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IX−3)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IX−3)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.0×10
3の樹脂AX4を収率60%で得た。この樹脂AX4は、以下の構造単位を有するものである。
【0255】
合成例5〔樹脂AX5の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−4−2)及びモノマー(IX−4)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−5):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2):モノマー(IX−4)〕が45:14:4:34:3となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10
3の樹脂AX5を収率55%で得た。この樹脂AX5は、以下の構造単位を有するものである。
【0256】
実施例18〔樹脂A6の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IB−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IB−12)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、12mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.6×10
3である樹脂A6を収率55%で得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
【0257】
実施例19〔樹脂A7の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IA−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IA−12)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.9×10
3である樹脂A7を収率59%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
【0258】
実施例20〔樹脂A8の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IB−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IB−1)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、12mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.9×10
3である樹脂A8を収率48%で得た。この樹脂A8は、以下の構造単位を有するものである。
【0259】
実施例21〔樹脂A12の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IA−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IA−1)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.6×10
3である樹脂A12を収率64%で得た。この樹脂A12は、以下の構造単位を有するものである。
【0260】
実施例22〔樹脂A13の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IB−17)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IB−17)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、12mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.5×10
3である樹脂A13を収率54%で得た。この樹脂A13は、以下の構造単位を有するものである。
【0261】
実施例23〔樹脂A14の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IA−17)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IA−17)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.4×10
3である樹脂A14を収率62%で得た。この樹脂A14は、以下の構造単位を有するものである。
【0262】
実施例24〔樹脂A15の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IA−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IA−2)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.5×10
3である樹脂A15を収率65%で得た。この樹脂A15は、以下の構造単位を有するものである。
【0263】
合成例6〔樹脂AX6の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IX−1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IX−1)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、12mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.7×10
3である樹脂AX6を収率50%で得た。この樹脂AX6は、以下の構造単位を有するものである。
【0264】
合成例7〔樹脂AX7の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IX−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IX−2)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、12mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.8×10
3である樹脂AX7を収率53%で得た。この樹脂AX7は、以下の構造単位を有するものである。
【0265】
合成例8〔樹脂AX8の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IX−3)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IX−3)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.7×10
3である樹脂AX8を収率50%で得た。この樹脂AX8は、以下の構造単位を有するものである。
【0266】
合成例9〔樹脂AX9の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1−4−2)、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−6)及びモノマー(IX−4)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−4−2):モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−6):モノマー(IX−4)〕が、38:29:30:3の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p−トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn−ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.9×10
3である樹脂AX9を収率55%で得た。この樹脂AX9は、以下の構造単位を有するものである。
【0267】
合成例10:樹脂X1の合成
モノマーとして、モノマー(a5−1−1)及びモノマー(a4−0−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a5−1−1):モノマー(a4−0−12)〕が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.0×10
4の樹脂X1を収率91%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
【0268】
<レジスト組成物の調製>
表1に示す各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、レジスト組成物を調製した。
【0269】
【表1】
【0270】
<樹脂>
A1〜A15、AX1〜AX9、X1:樹脂A1〜樹脂A15、樹脂AX1〜樹脂AX9、樹脂X1
<酸発生剤(B)>
B1−21:式(B1−21)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
B1−22:式(B1−22)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
B1−43:式(B1−43)で表される塩(特開2016−47815号公報の実施例に従って合成)
<クエンチャー(C)>
(酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩)
D1:特開2011−39502号公報記載の方法で合成
D2:(東京化成工業(株)製)
<溶剤:組成物1〜5、9〜11、比較組成物1〜5>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<溶剤:組成物6〜8、12〜15、比較組成物6〜9>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150部
γ−ブチロラクトン 5部
【0271】
(レジスト組成物のArF露光評価)
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が45nmとなる露光量を実効感度とした。
【0272】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径55nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径55nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求めた。
その結果を表2に示す。括弧内の数値は標準偏差(nm)を示す。
【0273】
【表2】
比較組成物1〜5と比較して、組成物1〜5、9〜11での標準偏差が小さく、CD均一性(CDU)評価が良好であった。
【0274】
(レジスト組成物の電子線露光評価)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS−F125 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン(ホールピッチ40nm/ホール径17nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が17nmとなる露光量を実効感度とした。
【0275】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径17nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径55nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求めた。
その結果を表3に示す。括弧内の数値は標準偏差(nm)を示す。
【0276】
【表3】
比較組成物6〜9と比較して、組成物6〜8、12〜15での標準偏差が小さく、CD均一性(CDU)評価が良好であった。