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特開2019-219447カラーフィルタ基板、液晶表示装置および積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219447(P2019-219447A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】カラーフィルタ基板、液晶表示装置および積層体
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20191129BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20191129BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20191129BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20191129BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20191129BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20191129BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20191129BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20191129BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G02F1/1335 505
   G02B5/20 101
   G02B5/30
   G02F1/13363
   G02F1/1333
   G06F3/041 412
   G06F3/041 490
   G06F3/044 120
   B32B7/02 103
   B32B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-114804(P2018-114804)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】中澤 伸介
(72)【発明者】
【氏名】戸田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】加賀 康正
【テーマコード(参考)】
2H148
2H149
2H189
2H291
4F100
【Fターム(参考)】
2H148BD18
2H148BD22
2H148BG02
2H148BH01
2H149AA02
2H149AB01
2H149DA02
2H149DA12
2H149FC04
2H149FC08
2H189AA16
2H189LA07
2H189LA14
2H189LA16
2H189LA17
2H189LA28
2H189LA30
2H291FA02Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA30X
2H291FA30Y
2H291FA40X
2H291FB05
2H291FC10
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2H291FC33
2H291FD35
2H291GA08
2H291GA22
2H291GA23
2H291LA22
2H291PA44
2H291PA84
4F100AA28E
4F100AG00B
4F100AK25A
4F100AK25C
4F100AK25D
4F100AR00A
4F100AR00C
4F100AT00B
4F100BA05
4F100BA07
4F100CA13D
4F100EH46A
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4F100EH66E
4F100GB41
4F100JB14A
4F100JB14C
4F100JB14D
4F100JG01E
4F100JL10D
4F100JN02
4F100JN06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タッチパネルを有する液晶表示装置の明環境における表示視認性を良好にすることが可能なカラーフィルタ基板、これを用いた液晶表示装置、および液晶表示装置に用いられる積層体を提供する。
【解決手段】二つの光学機能部材11A,1Bと、二つの光学機能部材の間に配置された支持部材2と、二つの光学機能部材の間に配置されたカラーフィルタ部材3と、を備え、光学機能部材が液晶材料を含有する位相差層を有するカラーフィルタ基板10であって、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネル部材4をさらに有し、タッチパネル部材が、二つの光学機能部材の間に配置されている、カラーフィルタ基板。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの光学機能部材と、
前記二つの光学機能部材の間に配置された支持部材と、
前記二つの光学機能部材の間に配置されたカラーフィルタ部材と、
を備え、前記光学機能部材が液晶材料を含有する位相差層を有するカラーフィルタ基板であって、
パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネル部材をさらに有し、
前記タッチパネル部材が、前記二つの光学機能部材の間に配置されている、カラーフィルタ基板。
【請求項2】
前記二つの光学機能部材の前記位相差層は、波長分散性および位相差値の熱変化特性が同一である、請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項3】
前記二つの光学機能部材の前記位相差層は、前記液晶材料が同一である、請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項4】
前記二つの光学機能部材の両方が、前記支持部材、前記カラーフィルタ部材または前記タッチパネル部材に直接配置された固定層および前記位相差層の積層体であり、前記固定層が、配向層または接着層である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項5】
前記タッチパネル部材が、静電容量方式のタッチパネル部材である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ基板と、対向基板と、前記カラーフィルタ基板および前記対向基板の間に配置された液晶層とを有する、液晶パネルを少なくとも備える、液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液晶表示装置に用いられる積層体であって、
前記支持部材、前記カラーフィルタ部材、およびパターン状に配置された前記センサ電極層を有する前記タッチパネル部材を有する積層部材と、
前記積層部材の一方の面側に配置された前記光学機能部材とを備える、積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カラーフィルタ基板、液晶表示装置および積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピューター、特に携帯用のパーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶表示装置の需要が増している。また、最近では、家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、スマートフォン、タブレット端末も広く普及しつつあることから、益々液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。
また、液晶表示装置と組み合わせて用いられる入力手段として、タッチパネルが広く用いられている。
【0003】
最近では、スマートフォン等の普及により液晶表示装置は、屋内だけではなく、屋外においても頻繁に使用されるようになってきている。ところが、液晶表示装置は、装置内部で外光が反射することにより、明環境における表示視認性が低下しやすい。また、タッチパネルは、例えば、透明導電材料、金属材料等の比較的反射率の高い材料を含むセンサ電極層を有するため、外光を反射しやすく、液晶表示装置と組み合わせた場合に、表示視認性が低下しやすい。
【0004】
液晶表示装置の外光反射を抑制する技術として、例えば、特許文献1には、液晶表示素子の前面に保護板を備えた液晶ディスプレイにおいて、上記液晶表示素子が、第一の硝子板と、該第一の硝子板の内側裏面に形成された開口部分を有する制光子と、少なくとも外側表面に偏光子を固着された第二の硝子板と、上記第一の硝子板の内側と上記第二の硝子板の内側との間に封止された液晶と、該液晶と上記制光子との間に挿置されかつその光学主軸が上記偏光子の光学主軸に対し略45°傾けられた1/4波長板と、を備えて構成され、かつ、上記保護板が、偏光子と、該偏光子の裏面側に固着されその光学主軸が該偏光子の光学主軸に対し略45°傾けられた1/4波長板とを備えて構成されている、液晶ディスプレイが開示されている。
【0005】
また、タッチパネルの外光反射を抑制する技術として、特許文献2、3には、液晶ディスプレイに外付けされて用いられるタッチパネルに関し、液晶ディスプレイ側から順に第1の1/4波長板、スペーサーを介して対向する2層の透明導電膜、第2の1/4波長板、偏光板を少なくとも配置してなる、円偏光タイプの反射防止フィルターを有するタッチパネルが開示されている。特許文献2、3は、タッチパネルと液晶ディスプレイとの間に空気層を設けた際、タッチパネルの最下面と空気層との界面での反射を抑制すること目的としている。また、特許文献4、5には、タッチパネルを低反射化するため、タッチパネルの両面にそれぞれ円偏光板と、λ/4板とを配置する技術が開示されている。
【0006】
また、タッチパネルを有する液晶表示装置について、特許文献6〜9には、2枚の円偏光板の間に、液晶セルおよびタッチパネルが挟まれた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平3−156420号公報
【特許文献2】特許第3313337号
【特許文献3】特開2012−214056号公報
【特許文献4】特開2007−25800号公報
【特許文献5】国際公開2011/105221号公報
【特許文献6】特開2004−45987号公報
【特許文献7】特開2004−291500号公報
【特許文献8】特許第6048984号公報
【特許文献9】特開2017−54140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、例えば、静電容量方式のように、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネルが広く用いられるようになってきている。上記タッチパネルは、表示装置と組み合わせた場合に、表示面側からセンサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下が生じる場合がある。特に、上記タッチパネルと液晶表示装置とを組み合わせた場合、センサ電極層の影響と、液晶表示装置内部における外光反射とによって、著しく表示視認性が低下してしまう場合がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされた発明であり、タッチパネルを有する液晶表示装置の明環境における表示視認性を良好にすることが可能なカラーフィルタ基板、これを用いた液晶表示装置、および上記液晶表示装置に用いられる積層体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示は、二つの光学機能部材と、上記二つの光学機能部材の間に配置された支持部材と、上記二つの光学機能部材の間に配置されたカラーフィルタ部材と、を備え、上記光学機能部材が液晶材料を含有する位相差層を有するカラーフィルタ基板であって、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネル部材をさらに有し、上記タッチパネル部材が、上記二つの光学機能部材の間に配置されている、カラーフィルタ基板を提供する。
【0010】
本開示によれば、二つの光学機能部材の間に、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材が配置されていることにより、タッチパネルを有する液晶表示装置としたときの、明環境における表示視認性を良好にすることが可能なカラーフィルタ基板とすることができる。
【0011】
上記開示においては、上記二つの光学機能部材の上記位相差層は、波長分散性および位相差値の熱変化特性が同一であることが好ましい。液晶表示装置におけるコントラストの低下を抑制することができるカラーフィルタ基板とすることができるからである。
【0012】
上記開示においては、上記二つの光学機能部材の上記位相差層は、上記液晶材料が同一であることが好ましい。二つの光学機能部材の上記位相差層の波長分散性および位相差値の熱による変化特性の同一性を高くすることができるため、二つの光学機能部材の光学補償状態を良好にすることができるからである。
【0013】
上記開示においては、上記二つの光学機能部材の両方が、上記支持部材、上記カラーフィルタ部材または上記タッチパネル部材に直接配置された固定層および上記位相差層の積層体であり、上記固定層が、配向層または接着層であることが好ましい。二つの光学機能部材の位相差層の光軸、厚み等を高い精度で合わせることができるため、二つの光学機能部材の光学補償状態を良好にすることができるからである。
【0014】
上記開示においては、上記タッチパネル部材が、静電容量方式のタッチパネル部材であることが好ましい。静電容量方式のタッチパネル部材は、センサ電極層の骨見えが生じやすい傾向があることから、本開示のカラーフィルタ基板に適用することにより、センサ電極層の骨見えの抑制効果を高く発揮することができるからである。
【0015】
本開示は、上述したカラーフィルタ基板と、対向基板と、上記カラーフィルタ基板および上記対向基板の間に配置された液晶層とを有する、液晶パネルを少なくとも備える、液晶表示装置を提供する。
【0016】
本開示によれば、上述したカラーフィルタ基板を有することにより、明環境における表示視認性が良好な液晶表示装置とすることができる。
【0017】
本開示は、上述した液晶表示装置に用いられる積層体であって、上記支持部材、上記カラーフィルタ部材、およびパターン状に配置された上記センサ電極層を有する上記タッチパネル部材を有する積層部材と、上記積層部材の一方の面側に配置された上記光学機能部材とを備える、積層体を提供する。
【0018】
本開示によれば、上述した積層構造を有することにより、積層部材を基準として、光学機能部材が配置された面とは反対側の面に、もう一つの光学機能部材を配置することにより、上述した液晶表示装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示のカラーフィルタ基板は、タッチパネルを有する液晶表示装置の明環境での表示視認性を良好にすることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示のカラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。
図2】本開示における光学機能部材の光学補償状態を説明する説明図である。
図3】本開示の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
図4】本開示の液晶表示装置における光源光および外光の挙動を説明する説明図である。
図5】本開示のカラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。
図6】位相差層の液晶材料の配向状態を説明する説明図である。
図7】位相差層の液晶材料の配向状態を説明する説明図である。
図8】位相差層の波長分散性について説明する説明図である。
図9】本開示における位相差層の形成方法の一例を示す工程図である。
図10】本開示のカラーフィルタ基板の製造方法の一例を示す工程図である。
図11】アニール処理の条件の決定方法の一例を示すグラフである。
図12】本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0022】
本開示は、カラーフィルタ基板、液晶表示装置および液晶表示装置に用いられる積層体に関する技術である。
【0023】
上述したように、例えば、屋外等の明るい環境下において、液晶表示装置の表示をより見やすくすることが求められている。明環境において表示視認性が低い理由の一つとしては、液晶パネルの内部における外光の反射光が観察者から観察されることが挙げられる。
また、上述したように、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネルは、表示装置と組み合わせた場合に、表示面側からセンサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下が生じる場合がある。一例として、表示面側からセンサ電極層の平面視外形形状が観察される、いわゆるセンサ電極層の骨見えが生じる場合がある。センサ電極層の骨見えは、特にセンサ電極層として透明導電層を用いた際に生じやすい。また、他の一例として、センサ電極層における外光の反射光が観察者から観察される場合がある。また、この場合、センサ電極層が配置されている部分およびその近傍が白く反射して観察される場合がある。センサ電極層による外光反射は、特にセンサ電極層としてメッシュ電極を用いた場合に生じやすい。
【0024】
上述のパターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネルは、特に液晶表示装置と組み合わせた場合、センサ電極層の影響と、液晶表示装置内部における外光反射とによって、著しく表示視認性が低下してしまう場合がある。
この問題に対し、本開示の発明者らが鋭意研究を行った結果、二つの光学機能部材の間に上記タッチパネル部材を配置することにより、センサ電極層の骨見えを抑制することができることを知見した。さらにまた、本開示の発明者らは、反射特性の違いを有する部材を二つの光学機能部材の間に配置することで、各部材における反射特性の違いによる影響をうけずに、反射光が観察されることを抑制することができることを知見した。
【0025】
以上から、本開示の発明者らは、タッチパネルを有する液晶表示装置の明環境での表示視認性を良好にすることができるカラーフィルタ基板、これを用いた液晶表示装置、およびこれに用いられる積層体を完成させた。以下、詳細を説明する。
【0026】
A.カラーフィルタ基板
本開示のカラーフィルタ基板は、二つの光学機能部材と、上記二つの光学機能部材の間に配置された支持部材と、上記二つの光学機能部材の間に配置されたカラーフィルタ部材と、を備え、上記光学機能部材が液晶材料を含有する位相差層を有するカラーフィルタ基板であって、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネル部材をさらに有し、上記タッチパネル部材が、上記二つの光学機能部材の間に配置されている構造を有する。
【0027】
本開示のカラーフィルタ基板について、図を用いて説明する。図1は本開示のカラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。図1に示されるカラーフィルタ基板10は、二つの光学機能部材1(1Aおよび1B)と、二つの光学機能部材1の間に配置された支持部材2と、二つの光学機能部材1の間に配置されたカラーフィルタ部材3とを備え、光学機能部材1が位相差層11を有する。また、カラーフィルタ基板10は、パターン状に配置されたセンサ電極層41を有するタッチパネル部材4をさらに有し、タッチパネル部材4が、二つの光学機能部材1の間に配置されている構造を有する。図1においては、カラーフィルタ基板10における各部材が、光学機能部材1A、カラーフィルタ部材3、支持部材2、タッチパネル部材4、および光学機能部材1Bの順に積層されている例を示している。
【0028】
本開示においては、図1に示すように、二つの光学機能部材1Aおよび光学機能部材1Bの両方が、カラーフィルタ部材3またはタッチパネル部材4に直接配置された配向層12(12Aおよび12B)および位相差層11(11Aおよび11B)との積層体であってもよい。また、光学機能部材1は、位相差層11を基準として、配向層12側とは反対側の面に保護層13(13Aおよび13B)を有していてもよい。
図1に示すように、カラーフィルタ部材3は、通常、支持部材2の一方の面に配置された複数の着色層32とを少なくとも有する。図1においては、複数の着色層32として、赤色着色層32R、緑色着色層32Gおよび青色着色層32Bを有する例を示している。また、カラーフィルタ部材3は、着色層32の境界領域と平面視上重なる領域に遮光層31を有していてもよい。また、カラーフィルタ部材3は着色層32を基準として、支持部材2側とは反対側の面に保護層33が配置されていてもよい。
なお、本開示のカラーフィルタ基板10は、通常、液晶表示装置としたとき、支持部材2を基準としてカラーフィルタ部材3が配置された面側が液晶層と対向するように配置される。すなわち、カラーフィルタ基板10は、液晶表示装置としたとき、光学機能部材1Aが液晶層と対向するように配置され、光学機能部材1Bが液晶表示装置の外部側に配置される。
【0029】
次に、二つの光学機能部材の配置について図を用いて説明する。図2(a)〜図2(c)は本開示における二つの光学機能部材の配置を説明する説明図である。本開示においては、図2(a)に示すように、二つの光学機能部材1Aおよび1Bは、互いの位相差層の位相差を相殺し合う(打ち消し合う)光学補償状態を有するように配置される。ここでは、二つの光学機能部材1Aおよび1Bがλ/4部材として機能する場合を挙げて説明する。二つの光学機能部材1Aおよび1Bは、その位相差層の光軸x1およびx2が直交するように配置される。
【0030】
光学補償状態について、図2(a)においては、二つの光学機能部材1Aおよび1Bにおいて、一方の光学機能部材1A側から直線偏光Lline(0)が入射した場合の具体例を挙げて説明する。まず、直線偏光Lline(0)は、光学機能部材1Aに入射することで、その振動方向には、光学機能部材1Aの光軸方向に位相差が−λ/4生じる。その結果、直線偏光Lline(0)は円偏光Lに変換される。次に円偏光Lは、光学機能部材1Bに入射することで、その振動方向には、光学機能部材1Bの光軸方向に位相差が−λ/4生じる。その結果、円偏光Lは、再度、偏光方向Dline(0)である直線偏光Lline(0)に変換される。このように、直線偏光Lline(0)に対し、二つの光学機能部材1Aおよび1Bは、互いに位相差が打ち消し合うため、実効的に作用していない。そのため、図2(b)に示すように、二つの直線偏光板40Aおよび40Bの間に、二つの光学機能部材1Aおよび1Bを配置した場合は、図2(c)に示すように、二つの直線偏光板40Aおよび40Bの間に二つの光学機能部材を配置しない場合と同様に、直線偏光Lline(0)を進行させることができる。例えば、直線偏光板40Aおよび40Bの偏光方向が直交する場合、直線偏光Lline(0)は直線偏光板40Bによって吸収される。なお、図2(c)においては、説明の容易のため、存在しない二つの光学機能部材を破線で示している。
【0031】
図3は本開示のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図3に示すように、本開示の液晶表示装置100は、カラーフィルタ基板10と、対向基板20と、カラーフィルタ基板10および対向基板20の間に配置された液晶層30とを有する、液晶パネル100Aを少なくとも備える。液晶表示装置100は、例えば、バックライト50、第一の直線偏光板40A、第二の直線偏光板40Bをさらに有していてもよい。第一の直線偏光板40A、第二の直線偏光板40Bは、例えば、偏光方向が直交するように配置される。
【0032】
図4は、図3に示す液晶表示装置における光源光(透過光)および外光(反射光)の挙動について説明する説明図である。なお、説明の容易のため、図4においては対向基板を省略して示している。
まず、光源光Tの挙動について説明について説明する。
液晶表示装置100においてバックライト50から照射された光源光Tは、あらゆる振動方向の光を含む自然光Lomである。液晶表示装置100においては、光源光Tにおける自然光Lomの中から一方向の振動方向を有する直線偏光Lline(0)が第一の直線偏光板40Aから出射され、液晶層30へ入射される。直線偏光Lline(0)は、液晶層30における液晶材料によって、例えば、位相差が+λ/2生じることで、直線偏光Lline(90)に変換される。次に、直線偏光Lline(90)は、光学機能部材1Aに入射されることで円偏光Lに変換される。円偏光Lは、カラーフィルタ部材3、支持部材2、およびタッチパネル部材4に入射され、さらに光学機能部材1Bに入射されることで円偏光Lから直線偏光Lline(90)に変換される。直線偏光Lline(90)は、第二の直線偏光板40Bの偏光方向と平行な振動方向を有する。そのため、直線偏光Lline(90)は、第二の直線偏光板40Bを透過して、観察者に観察される。
【0033】
次に外光Rについて説明する。
液晶表示装置100においては、外光Rは全方位光Lomである。外光Rは第二の直線偏光板40Bに入射されることで、全方位光Lomの中から一方向の振動方向を有する直線偏光Lline(90)が選択される。直線偏光Lline(90)は、光学機能部材1Bに入射されることで円偏光Lに変換される。次に円偏光Lがカラーフィルタ部材3の構成により反射されることで、位相がλ/2分変化する。例えば、反射前の円偏光Lが右回りの円偏光である場合、反射後の円偏光Lc(Rev)は左回りの円偏光となる。反射された円偏光Lc(Rev)は、再度、光学機能部材1Bに入射されることで直線偏光Lline(0)に変換される。直線偏光Lline(0)は、第二の直線偏光板40Bの偏光方向に対して振動方向が直交するため、第二の直線偏光板40Bを透過することができない。そのため、観察者からは直線偏光Lline(0)は、観察されない。よって、外光反射による視認性の低下を抑制することができる。
【0034】
上述したように、本開示のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置においては、二つの光学機能部材の位相差層が互いに位相差を相殺し合う光学補償状態を取るようにすることで、明表示では、光源光の透過を阻害しないようにすることができる。また、図示しないが、暗表示では、光源光が透過しないようにすることができる。そのため、二つの光学機能部材の位相差層の位相差値が同じであることが好ましい。
【0035】
本開示によれば、二つの光学機能部材の間に、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材が配置されていることにより、タッチパネルを有する液晶表示装置としたときの、明環境における表示視認性を良好にすることが可能なカラーフィルタ基板とすることができる。
【0036】
上述したように、パターン状に配置されたセンサ電極層を有するタッチパネルは、表示装置と組み合わせた場合に、表示面側からセンサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下が生じる場合がある。この問題に対し、本開示の発明者らが鋭意研究を行った結果、二つの光学機能部材の間に上記タッチパネル部材を配置することにより、センサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下を抑制することができることを知見した。
ここで、センサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下が生じる理由の一つは、タッチパネル部材において、センサ電極層が配置された領域と、センサ電極層が配置されていない領域との反射特性に差があることから、外光の反射光の強度の差が観察者に観察されてしまうことであると推測される。これに対し、本開示においては、光学機能部材を用いて外光及びその反射光の偏光状態を変化させることで、液晶表示装置の外部に反射光が出射されることを抑制することができる。そのため、外光の反射光の強度によらず、反射光が観察されることを抑制することができることから、センサ電極層が視認されることによる表示視認性の低下を抑制することができると推測される。
【0037】
上記知見を得た本開示の発明者らは、外光反射による表示視認性が問題とされるカラーフィルタ部材とともにタッチパネル部材を、二つの光学機能部材の間に挟み込むことにより、タッチパネルを有する液晶表示装置としたときの、明環境における表示視認性を良好にすることが可能なカラーフィルタ基板を完成させた。
【0038】
ところで、従来、タッチパネル部材におけるセンサ電極層の骨見えに対しては、例えば、センサ電極層が配置される基材上に、高屈折率層および低屈折率層の積層体で構成されるインデックスマッチング層(不可視化層)を形成するといった対策が講じられている。しかしながら、不可視化層を用いた場合、液晶表示装置の内部、すなわちカラーフィルタ部材からの外光反射を抑制することは困難である。これに対し、本開示においては二つの光学機能部材の間にカラーフィルタ部材およびタッチパネル部材を配置することにより、タッチパネル部材のセンサ電極層による表示視認性の低下と、カラーフィルタ部材の外光反射による表示視認性の低下との両方を抑制することができる。また、不可視化層は、例えば、スパッタリング法により無機材料膜を複数回形成する必要がある等、その形成方法が煩雑であり、特殊な設備を必要とする場合がある。これに対し、本開示においては、二つの光学機能部材の間にセンサ電極層を配置するといった比較的簡便な方法で、センサ電極層による表示視認性の低下を抑制することができる。
【0039】
また、タッチパネルを有する液晶表示装置について、特許文献6〜9には、バックライト側から順に、2枚の円偏光板の間に、液晶セルおよびタッチパネルが挟まれた構成が開示されている。しかしながら、上記構成を有する液晶表示装置は、液晶層の駆動モードを従来使用されている駆動モード(例えば、直線偏光を90°回転させるといった駆動モード)から、円偏光モードに変えなくてはならず、液晶パネルの設計、製造難易度が上がるといった問題がある。これに対し、本開示においては、二つの光学機能部材の間に液晶層が配置されない構成とすることができるため、従来使用されている駆動モードで液晶層を駆動させることができる。
【0040】
以下、本開示のカラーフィルタ基板の詳細を説明する。
【0041】
1.積層構造
本開示のカラーフィルタ基板は、二つの光学機能部材の間に、支持部材、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材が配置されていればよく、二つの光学機能部材の間における各部材の積層順については特に限定されない。例えば、図1に示すように、光学機能部材1A、カラーフィルタ部材3、支持部材2、タッチパネル部材4、および光学機能部材1Bがこの順に積層されていてもよい。また、例えば、図5(a)に示すように、光学機能部材1A、カラーフィルタ部材3、タッチパネル部材4、支持部材2、および光学機能部材1Bがこの順に積層されていてもよい。また、例えば、図5(b)に示すように、光学機能部材1A、タッチパネル部材4、カラーフィルタ部材3、支持部材2、および光学機能部材1Bがこの順に積層されていてもよい。
カラーフィルタ基板における各部材の積層順については、各部材の構成に応じて適宜選択することができる。
【0042】
次に、本開示のカラーフィルタ基板における各構成の詳細を説明する。
【0043】
2.光学機能部材
カラーフィルタ基板において、二つの光学機能部材は、支持部材、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材を挟んで配置される部材である。なお、支持部材、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材の積層体を「積層部材」と称して説明する場合がある。以下、積層部材の一方の面側に配置される光学機能部材を第一の光学機能部材と称し、積層部材の他方の面側に配置される光学機能部材を第二の光学機能部材と称して説明する場合がある。また、第一の光学機能部材を構成する層については、「第一の」層と称し、第二の光学機能部材の構成する層については、「第二の」層と称して説明する。
【0044】
本開示における二つの光学機能部材は、互いの位相差層の位相差を相殺し合う(打ち消し合う)機能を有する。光学機能部材は、例えば、λ/4部材として機能することが好ましい。
本開示において、二つの光学機能部材は、互いの位相差層の位相差を相殺し合う(打ち消し合う)光学補償状態を有するように配置される。
【0045】
(1)位相差層
本開示における位相差層は、液晶材料を含有する層である。位相差層は光学機能部材に対し、光学補償状態が得られるような所定の位相差値を有する層である。位相差層は、例えば、λ/4部材としての機能を有する位相差値を有する層であることが好ましく、より具体的には、λ/4分に相当する位相差値を有することが好ましい。
【0046】
本明細書において、位相差値とは、面内レタデーション値を示す。
面内レターデーション値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標であり、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚みをdとした場合に、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。面内レターデーション値(Re値)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。また、微小領域の面内レターデーション値はAXOMETRICS社(米国)製のAxoScanでミューラーマトリクスを使って測定することもできる。また、本願明細書においては特に別段の記載をしない限り、面内レターデーション値は波長550nmにおける値を意味するものとする。
【0047】
(i)位相差層の構成
本開示における位相差層は、液晶材料を含有する層である。位相差層においては、通常、位相差層の長さ方向に液晶材料が配向された状態で固定されている。位相差層は、光学機能部材にλ/4部材としての機能を付与する層であることが好ましい。
【0048】
(液晶材料)
位相差層に含まれる液晶材料は、位相差層に所望の光学機能性を付与することができる材料であればよく、特に限定されない。中でも、感光性を示す液晶材料であることが好ましく、特に、ネマチック相を示す液晶材料が好適に用いられる。ネマチック液晶は、他の液晶相を示す液晶材料と比較して規則的に配列させることが容易だからである。
【0049】
また、本開示における液晶材料には、重合性官能基を有する重合性液晶材料を用いることが好ましい。重合性液晶材料は重合性官能基を介して互いに重合することができるため、位相差層の機械強度を向上することができるからである。
【0050】
このような重合性官能基としては、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合する各種重合性官能基が挙げられる。重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、またはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和三重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
【0051】
なお、重合性液晶材料は、重合性官能基を複数有していてもよく、または1つのみを有していてもよい。また、重合性官能基を複数有するものと、1つのみを有するものとを混合して用いてもよい。
また、重合性液晶材料の具体例としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報、特開2003−287623号公報に記載されているような化合物が挙げられる。
【0052】
上述のような液晶材料は、1種類でもよく、または2種類以上を混合して用いてもよい。本開示において2種類以上の液晶材料を混合して用いる場合は、重合性液晶材料と、重合性官能基を有さない液晶材料とを混合して用いてもよい。
【0053】
本開示においては、二つの光学機能部材における位相差層の液晶材料が同一であることが好ましい。二つの光学機能部材における位相差層の波長分散性および位相差値の熱変化特性の同一性を高くすることができるため、光学補償状態をより良好にすることができるからである。
【0054】
ここで、「二つの光学機能部材における位相差層の液晶材料が同一である」とは、二つの位相差層に含有される液晶材料が同種で組成が同じ場合だけでなく、波長分散性が等しく熱的変化が同等のものも含む。
【0055】
(その他)
位相差層の面内レターデーション値は、光学補償状態が得られるような範囲であればよく、例えば、λ/4分に相当する範囲内であることが好ましい。位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当する場合、例えば、100nm以上160nm以下であることが好ましく、110nm以上150nm以下であることがより好ましく、120nm以上140nm以下であることがさらに好ましい。位相差層の厚みを位相差層の面内レターデーション値がλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、後述する位相差層に含まれる液晶材料の種類に応じて適宜決定することができる。例えば、一般的な液晶材料を用いる場合には、位相差層の厚みは0.5μm以上5μm以下とすることができる。
【0056】
位相差層は、本開示のカラーフィルタ基板を、例えば液晶表示装置に用いた際に、バックライトから照射された光を透過する部材となる。したがって、本開示における位相差層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、バックライトから照射された光を透過する程度に透明であることをいう。なお、位相差層の具体的な透過率については、一般的な光学機能部材に用いられる位相差層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0057】
(ii)位相差層の性質
本開示においては、二つの光学機能部材の位相差層は、波長分散性および位相差値の熱変化特性が同一であることが好ましい。すなわち、第1の光学機能部材の第1の位相差層と、第2の光学機能部材の第2の位相差層とは、波長分散性および位相差値の熱変化特性が同一であることが好ましい。
【0058】
ここで、本開示の発明者らは、二つの光学機能部材の間にカラーフィルタ部材が配置された液晶表示装置において、コントラストが低下する理由について、更に検討を重ね、液晶材料を含有する位相差層は、熱により位相差値が変化することを知見した。
【0059】
光学機能部材において、液晶材料を含有する位相差層は、カラーフィルタ部材に積層されて配置される。また、光学機能部材は、液晶パネルを作製する前にカラーフィルタ部材に配置される。そのため、液晶パネルを作製する工程において、カラーフィルタ部材および光学機能部材に対し熱処理がされると、二つの光学機能部材の位相差量に差異が生じ、光学補償状態が崩れるため、コントラストが低下してしまうことを知見した。
【0060】
上記知見を得た本開示の発明者らは、第1の光学機能部材の第1の位相差層と、第2の光学機能部材の第2の位相差層との位相差値の熱変化特性を同一とすることにより、コントラストの低下を抑制できることを見出した。液晶表示装置を組み立てたときに、第1位相差層と第2位相差層の位相差量が同程度であっても、位相差値の熱変化特性が異なる場合には、製造後の使用環境等の温度により、第1の位相差層と第2の位相差層との位相差量に差異が生じて、光学補償状態が崩れ、コントラストの低下が生じてしまう。一方、第1の位相差層と第2の位相差層との位相差値の熱変化特性が同一である場合には、製造後の使用環境の温度による、第1の位相差層の位相差値の熱変化と第2の位相差層の位相差値の熱変化とが同一であるため、光学補償状態を維持することができ、コントラストの低下を抑制することができる。
【0061】
また、二つの光学機能部材における位相差層の波長分散性が異なる場合、加熱による位相差値の変化により、可視光領域の短波長側または長波長側における位相差値の差が大きくなり、コントラストの低下がより顕著になることが懸念される。これに対し、本開示においては、第1の位相差層と第2の位相差層との位相差値の熱変化特性を同一とすることに加え、位相差値の波長分散性を同一とすることにより、コントラストの低下をより低減することができる。
【0062】
したがって、本開示において、第1の光学機能部材の第1の位相差層および第2の光学機能部材の第2の位相差層の両方が、液晶材料を含有しており、波長分散性および位相差値の熱変化特性が同一であることにより、液晶表示装置におけるコントラストの低下を抑制することができるカラーフィルタ基板とすることができる。具体的には、第1の光学機能部材の第1の位相差層および第2の光学機能部材の第2の位相差層における位相差値の熱変化特性が同一であることにより、カラーフィルタ基板に熱処理がされた場合、第1の光学機能部材の第1の位相差層および第2の光学機能部材の第2の位相差層の位相差値は同じように変化するため、光学補償状態を維持することができる。さらに、第1の光学機能部材の第1の位相差層および第2の光学機能部材の第2の位相差層は波長分散性が同一であることにより、可視光領域の広い範囲にわたって、光学補償状態を良好にすることができる。よって、可視光領域の短波長側または長波長側における光漏れによるコントラストの低下を抑制することができる。
【0063】
また、本開示の発明者らは、液晶材料を含有する位相差層は、一旦、高温で熱処理した後は、その後の熱処理による位相差層の位相差量の変化が抑制され小さくなることを知見した。上記知見を得た発明者らは、第1の位相差層および第2の位相差層の両方が液晶材料を含有していることから、カラーフィルタ基板の製造時においてアニール処理を行うことで、位相差値の熱による変化を抑制することができることを見出した。すなわち、第1の位相差層および第2の位相差層の両方が液晶材料を含有していることにより、アニール処理後における第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値に基づいて第1の光学機能部材および第2の光学機能部材の光学補償状態を設計することができる。よって、液晶表示装置におけるコントラストの低下を抑制可能なカラーフィルタ基板とすることができる。
【0064】
ここで、位相差層の位相差値が熱により変化する理由については以下のように推測される。すなわち、図6(a)に示すように、位相差層11においては液晶材料11aが特定の方向Dorに配列された配向状態で固定されている。位相差層に熱が加わることにより、図6(b)、(c)に示すように、液晶材料11aの一部において配向状態に乱れが生じることで位相差値が減少すると推測される。また、図6(b)、(c)に示すように、位相差層に加わる熱量(加熱温度)により、配向状態の乱れが異なると推測される。
【0065】
一方、位相差層を高温でアニール処理した後は、その後の熱処理による位相差層の変化が抑制される理由については以下のように推測される。すなわち、位相差層が高温でアニール処理されることにより、図7(a)に示すように、配向状態の乱れが生じた液晶材料11aが位相差層11中で再度固定され、安定状態を取るためと推測される。そのため、アニール処理後に、位相差層11に熱が加わった場合も、図7(b)に示すように、位相差層11中の液晶材料11aの配向状態は変化しにくくなると推測される。
【0066】
なお、本開示において、上述したように、例えば、第1の位相差層および第2の位相差層の液晶材料が同一である場合、第1の位相差層および第2の位相差層の熱履歴を同程度とすることにより、第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化量を同程度とすることができる。この場合は後述するアニール処理を不要とすることもできる。製造工程の一例としては、スペーサ部材、透明電極の形成の際に、第1の光学機能部材および第2の光学機能部材に同じ熱処理をすることにより、第1の位相差層および第2の位相差層の熱履歴を同程度とすることができる。この場合、上記熱処理による第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化量を等しくすることができる。また、第1の位相差層および第2の位相差層は製造工程で同じ加熱を受けていることから、信頼性試験等の加熱を受けても、第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化量を等しくすることができる。そのため、光学補償状態を維持することができる。さらに、第1の位相差層および第2の位相差層にアニール処理することにより、製造工程上の位相差量の変化量を小さくしておくことができる。
【0067】
(波長分散性)
本開示において、二つの光学機能部材の位相差層は、波長分散性が同一であることが好ましい。すなわち、第1の位相差層と第2の位相差層とは波長分散性が同一であることが好ましい。
【0068】
「位相差層の波長分散性」について説明する。
ここで、第1の位相差層および第2の位相差層は、液晶材料の種類等によっては、可視光領域の全体で同じ位相差値を示さず、短波長側における位相差値と、長波長側における位相差値とが異なる場合がある。具体的には、第1の位相差層および第2の位相差層に用いられる材料によっては、可視光領域における短波長側の位相差値が長波長側における位相差値よりも大きい場合や、短波長側の位相差値が長波長側における位相差値よりも小さい場合がある。
このように、可視光領域の波長により位相差値が変化する性質を波長分散性とする。
【0069】
本開示における「位相差層の波長分散性」を以下のように定量する。
第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値Reについて、可視光領域(例えば、400nm以上700nm以下)における第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値Reを測定する。測定値から、波長550nmにおける位相差値Re(550)に対する、波長xnm(xは、400≦x≦700を満たす)における位相差値Re(x)の比率Re(x)/Re(550)を算出する。可視光領域の波長を横軸、Re(x)/Re(550)を縦軸にとったグラフの傾きを波長分散性とする。例えば、図8に示す実線グラフの傾きを波長分散性とする。
【0070】
また、「二つの位相差層の波長分散性が同一である」とは、上述したグラフにおいて、波長400nm以上700nm以下において、第1の位相差層のRe(x)/Re(550)の値と、第2の位相差層のRe(x)/Re(550)の値との差が±5%の範囲内であることをいい、好ましくは±2%の範囲内である。
【0071】
「二つの位相差層の波長分散性が同一である」とは、具体的には、図8に示す実線グラフを第1の位相差層のグラフとしたとき、第2の位相差層のグラフの値の全てがハッチングの領域内に存在することを指す。
【0072】
(位相差値の熱変化特性)
本開示において、二つの光学機能部材の位相差層は、位相差値の熱変化特性が同一であることが好ましい。すなわち、第1の位相差層と第2の位相差層とは位相差値の熱変化特性が同一であることが好ましい。
【0073】
「二つの位相差層の位相差値の熱変化特性が同一である」とは、本開示のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の製造工程における温度で、カラーフィルタに熱処理をした場合、第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化分がそれぞれ±5%の範囲内であることをいい、好ましくは±2%の範囲内であることをいう。本開示においては、波長400nm以上700nm以下の全ての範囲における第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化量が上述した範囲内であることが好ましい。
【0074】
(2)固定層
本開示においては、上記二つの光学機能部材の両方が、上記支持部材、上記カラーフィルタ部材または上記タッチパネル部材に直接配置された固定層および上記位相差層の積層体であり、上記固定層が、配向層または接着層であることが好ましい。カラーフィルタ部材の両面に配置される二つの光学機能部材の位相差層の光軸、厚み等を高い精度で合わせることができるため、二つの光学機能部材の光学補償状態を良好にすることができるからである。また、二つの光学機能部材の位相差層の光軸、厚み等をより高い精度で合わせる観点からは、光学機能部材の両方が、配向層および位相差層の積層体であることが好ましい。塗布法によって、カラーフィルタ部材に、直接、配向層および位相差層を形成することができるため、特に、二つの位相差層の光軸を高い精度で合わせることができる。
ここで、「固定層がカラーフィルタ部材に直接配置されている」とは、固定層と、カラーフィルタ部材を構成する層とが直接接触して配置されていることをいう。「固定層がカラーフィルタ部材に直接配置されている」とは、典型的には、固定層とカラーフィルタ部材における透明基材層とが直接接触して配置されていることをいう。また、固定層と、カラーフィルタ部材における着色層側の最外層とが直接接触して配置されていることをいう。固定層としては、例えば、配向層、接着層が挙げられる。
【0075】
(i)配向層
本開示においては、光学機能部材が、カラーフィルタ部材の面に直接配置された配向層と、位相差層との積層体であることが好ましい。この場合、通常、位相差層は配向層のカラーフィルタ部材側とは反対側の面に直接配置される。光学機能部材が配向層および位相差層の積層体である場合、例えば、カラーフィルタ部材に直接、配向層を形成し、配向層に液晶材料を塗布することで光学機能部材を配置することができるため、カラーフィルタ部材の各面に配置される位相差層の配向方向を精度よく配置することができる。また、位相差層の膜厚プロファイル(面内分布)を表裏で一致させるように形成することができるため、例えば、位相差層の位相差値が設定値から装置による公差でずれがあっても、公差分の位相差を表裏で打ち消し合う効果を発揮することができる。
具体的には、個々のスリットノズルに由来する塗布量の差分、個々のスリットコーターによる塗布量の差分があっても、表裏に配置される位相差層の厚みを各場所で一致させることで、上記効果を発揮することができる。
【0076】
配向層は、上述した液晶材料を配列させる相互作用を発現することができればよいが、光配向材料を含む部材であることが好ましい。
【0077】
ここで、配向層に含まれる「光配向材料」は、光配向法により配向規制力を発現できる材料を指す。また、「光配向法」とは、任意の偏光状態を有する光(偏光)を配向層に照射することにより配向層の配向規制力(異方性)を発現させる方法である。したがって、本開示における光配向材料は、偏光を照射することにより配向規制力を発現できる材料ということができる。さらに、「配向規制力」とは、位相差層に含まれる液晶材料を配列させる相互作用を意味する。
【0078】
本開示における配向層は、構成材料に応じて厚みを調整することができる。本開示における配向層の厚みは、例えば、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、中でも0.02μm以上1.0μm以下であることが好ましく、特に0.03μm以上0.2μm以下であることが好ましい。本開示における配向層の厚みが上記範囲内であることにより、位相差層に含まれる液晶材料に対して所望の配向規制力を発現することができる。
なお、本開示における配向層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
【0079】
配向層は、本開示のカラーフィルタ基板を、液晶表示装置に用いた際に、バックライトから照射された光を透過する部材となる。したがって、本開示における配向層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、バックライトから照射された光を透過する程度に透明であることをいう。なお、配向層の具体的な透過率については、一般的な光学機能部材に用いられる配向層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0080】
配向層に含まれる配向材料は、偏光を照射することにより配向規制力を発現することができる材料であれば特に限定されない。このような光配向材料は、シス−トランス変化によって分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより、分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。本開示においては、光異性化材料および光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光反応材料を用いることがより好ましい。
光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になる。したがって、光反応材料の方が配向規制力に経時安定性があり優れている。
【0081】
光反応材料は、偏光照射によって生じる反応の種類によってさらに分別することができる。具体的には、光二量化反応を生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応を生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、および光分解反応と光結合反応とを生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。本開示においては、上述した光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、中でも安定性および反応性(感度)等の観点から光二量化型材料を用いることが好ましい。
【0082】
光二量化型材料は、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されない。本開示においては、中でも光二量化反応を生じる光の波長が、280nm以上であることが好ましく、特に280nm以上400nm以下であることが好ましく、さらには300nm以上380nm以下であることが好ましい。
【0083】
このような光二量化型材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等が挙げられる。本開示においては、中でも、シンナメートおよびクマリンの少なくとも一方を有するポリマー、シンナメートおよびクマリンを有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表10−506420号公報、および特表2003−505561号公報に記載された化合物が挙げられる。
【0084】
本開示において用いられる光配向材料は、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。また、本開示において用いられる光配向材料は、耐熱性が高いことが好ましい。
【0085】
(ii)接着層
本開示においては、光学機能部材が、カラーフィルタ部材の面に直接配置された接着層と、位相差層との積層体であることが好ましい。この場合、通常、位相差層は接着層のカラーフィルタ部材側とは反対側の面に直接配置される。このとき、光学機能部材を転写法を用いて形成することができるため、カラーフィルタ基板の製造コストを安くすることができる。また、例えば、カラーフィルタ基板を多面付けして製造する場合、二つの光学機能部材の光軸を精度よく合わせて配置することができる。
【0086】
接着層としては位相差層およびカラーフィルタ部材を接着させることができれば特に限定されないが、紫外線硬化型接着層であることが好ましい。紫外線硬化型接着層は、接着層の厚みを薄くすることができるため、カラーフィルタ基板の厚みを薄くすることができる。また、カラーフィルタ部材および光学機能部材の間の距離を小さくすることにより、バックライトからの光をより効率的に進行させることができるからである。
【0087】
本開示における紫外線硬化型接着層は、紫外線を照射することにより硬化して接着性を示す部材を指す。また、紫外線硬化型接着層は、通常、紫外線を照射する前に所定の粘着性を有する。ここで、所定の粘着性とは、例えば、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する紫外線硬化型接着層の剥離強度が、10N/25mm幅以上であることが好ましく、中でも、15N/25mm幅以上であることが好ましく、特に、20N/25mm幅以上であることが好ましい。また、本開示においては、紫外線硬化型接着層の剥離強度が、例えば、50N/25mm幅以下であることが好ましく、中でも、45N/25mm幅以下であることが好ましく、特に、40N/25mm幅以下であることが好ましい。
【0088】
本開示における紫外線硬化型接着層の厚みは、例えば、10μm以下であることが好ましく、中でも5μm以下であることが好ましく、特に2μm以下であることが好ましい。
また、本開示における紫外線硬化型接着層の厚みは、例えば、0.1μm以上であることが好ましい。
なお、本開示における紫外線硬化型接着層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
【0089】
本開示における紫外線硬化型接着層は、本開示のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いた際に、バックライトから照射された光を透過する部材となる。したがって、本開示における紫外線硬化型接着層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、バックライトから照射された光を透過する程度に透明であることをいう。例えば、紫外線硬化型接着層の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。
なお、紫外線硬化型接着層の全光線透過率は、JIS K7375:2008(プラスチック−全光線透過率および全光線透過率の求め方)に準拠した方法により測定することができる。
【0090】
本開示における紫外線硬化型接着層は、紫外線硬化型樹脂により構成され、紫外線の照射により硬化された層であればよい。紫外線硬化型接着層に用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えば波長100nm以上450nm以下の紫外線を照射することにより硬化させることが可能な材料であれば特に限定されない。例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコール(メタ)ジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン誘導体、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する表記である。
本開示においては、これらの紫外線硬化型樹脂を1種類のみ用いてもよく、または、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0091】
(3)保護層(光学機能部材用保護層)
本開示においては、光学機能部材を基準として、積層部材側の面とは反対側の面に保護層が配置されていることが好ましい。保護層が配置されていることにより、カラーフィルタ基板の運搬時等における位相差層の損傷等を抑制することができるからである。保護層は、光学機能部材の表面を覆うオーバーコート層としても用いることができる。
保護層の材料としては、光学機能部材を保護することができれば特に限定されず、一般的なカラーフィルタ基板の保護層として用いられる材料と同様とすることができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂等の光硬化型樹脂または熱硬化型樹脂、および無機材料等が挙げられる。また、その他の材料として、重合開始剤や各種添加剤等が挙げられる。保護層の厚みについては、カラーフィルタ基板の用途に応じて適宜選択することができる。また、保護層の形成方法については、一般的なカラーフィルタにおける保護層の形成方法と同様とすることができ、例えば、スピンコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法を挙げることができる。
【0092】
(4)光学機能部材の形成方法
本開示における光学機能部材の形成方法は、所望の光学補償状態を有する二つの光学機能部材を得ることができる方法であれば特に限定されない。本開示における光学機能部材の形成方法の一例について図を用いて説明する。図9は、本開示における光学機能部材の形成方法の一例を示す工程図である。本開示においては、例えば、図9(a)に示すように、積層部材61を準備する。積層部材61に対し、必要に応じて、洗浄処理を行ってもよい。次に、図9(b)に示すように、配向材料を含有する配向層用組成物を用いて塗膜12cを形成し、上記塗膜を偏光露光した後、熱処理をすることにより、図9(c)に示すように、配向層12を形成する。得られた配向層12に対し、洗浄処理を行ってもよい。次に、図9(d)に示すように、配向層12上に、液晶材料を含有する位相差層用組成物を用いて塗膜11cを形成する。この際、必要に応じて、塗膜11cに対し乾燥処理を行ってもよい。次に、液晶材料を熱処理することで液晶材料を配向させ、さらに塗膜11cを露光することにより、図9(e)に示すように、位相差層11を形成する。以上の工程により、光学機能部材1を得ることができる。
配向層用組成物および位相差層用組成物の塗布方法、配向層を得るための偏光露光方法および熱処理方法、位相差層を得るための露光方法、洗浄処理方法、乾燥処理方法等の条件については、一般的な配向層および位相差層の形成方法において用いられる条件と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本開示における光学機能部材は、例えば、転写法を用いて形成することもできる。
【0093】
3.タッチパネル部材
本開示におけるタッチパネル部材は、二つの光学機能部材の間に配置される部材である。タッチパネル部材は、少なくとも、センサ電極層を有する。また、タッチパネル部材は、センサ電極層を覆うように配置された絶縁層を有することが好ましい。
【0094】
(1)センサ電極層
本開示におけるセンサ電極層は、タッチパネル部材の位置検知を行うために用いられる部材である。
【0095】
本開示におけるセンサ電極層は、透明性を有する透明導電層であってもよく、細線によるメッシュ状のメッシュ電極であってもよい。センサ電極層が細線によるメッシュ状のメッシュ電極である場合、センサ電極層に用いられる材料が不透明な金属材料であったとしても、見かけ上透明なセンサ電極とすることが可能である。
【0096】
センサ電極層が透明導電層である場合、センサ電極層の厚み等については、本開示のカラーフィルタ基板が用いられる液晶表示装置の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、センサ電極層がメッシュ電極である場合、センサ電極層の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本開示のカラーフィルタ基板が用いられる液晶表示装置の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0097】
本開示におけるセンサ電極層の構成材料は、センサ電極層が透明導電層である場合、例えば、酸化スズ、ITOと称される酸化インジウムスズ、IZOと称される酸化インジウム亜鉛等の透明導電材料等を用いることができる。
また、本開示におけるセンサ電極が不透明な金属材料により構成されたメッシュ電極である場合、金属材料には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金等を用いることができる。さらに、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。
【0098】
センサ電極層の平面視外形形状は、一般的なタッチパネル部材におけるセンサ電極層の平面視外形形状と同様とすることができ、例えば、特開2011−210176号公報、特開2010−238052号公報等に例示される形状を上げることができる。
【0099】
(2)絶縁層
本開示におけるタッチパネル部材は、センサ電極層を覆うように配置された絶縁層を有することが好ましい。
【0100】
本開示における絶縁層の構成材料は、所望の絶縁性を有する材料であることが好ましく、タッチパネルに一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、カルド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の絶縁性樹脂材料等や、ガラス等の無機材料等が挙げられる。なお、絶縁層に用いられる構成材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、絶縁層の層構造は、1層であってもよく、2層以上を含む多層であってもよい。
【0101】
絶縁層の厚みは、センサ電極を絶縁して短絡を防止することができる程度の厚みであることが好ましく、センサ電極の設計に応じて適宜調整することができる。例えば、絶縁層の厚みは、0.5μm以上、3μm以下とすることができる。
【0102】
(3)保護層(タッチパネル部材用保護層)
本開示におけるタッチパネル部材は、保護層をさらに有していてもよい。保護層は、センサ電極層および絶縁層を覆うように配置されていることが好ましい。センサ電極層および絶縁層を保護するとともに、タッチパネル部材の表面を平坦化することができるからである。保護層は、タッチパネル部材のオーバーコート層として用いることができる。保護層については、上述した「2.光学機能部材 (3)保護層」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。なお、本開示においては、上述した絶縁層が保護層を兼ねていてもよい。
【0103】
(4)タッチパネル部材
本開示におけるタッチパネル部材の駆動方式としては、特に限定されないが、静電容量方式であることが好ましい。静電容量方式のタッチパネル部材は、センサ電極層の骨見えが特に生じやすい傾向にあるためである。
【0104】
タッチパネル部材の形成方法としては、特に限定されず、一般的なタッチパネルの形成方法と同様とすることができる。
【0105】
4.カラーフィルタ部材
本開示におけるカラーフィルタ部材は、二つの光学機能部材の間に配置される部材である。本開示におけるカラーフィルタ部材は、通常、後述する支持部材の一方の面に配置され、着色層を少なくとも備える。
【0106】
(1)着色層
本開示における着色層は、遮光層の開口部に配置される層である。
【0107】
本開示における着色層の厚みとしては、一般的なカラーフィルタに用いられる着色層の厚みと同様とすることができ、例えば1μm以上5μm以下で設定することができる。
【0108】
本開示においては、例えば赤、緑、青の3色の着色層を有する。着色層の色としては、赤、緑、青の3色を少なくとも含むものであればよく、例えば、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、または、赤、緑、青、黄、シアンの5色等とすることもできる。
【0109】
着色層としては、例えば色材をバインダ樹脂中に分散させたものを用いることができる。着色層に用いられる色材としては、各色の顔料や染料等が挙げられる。例えば、赤色着色部に用いられる色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。また、緑色着色層に用いられる色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。さらに、青色着色層に用いられる色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。着色層に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が挙げられる。
【0110】
着色層には、上述した材料の他にも、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させることができる。
【0111】
また、着色層が形成されている同一平面上には、上述した色材を含有せず、バインダ樹脂を含有する白色層が形成されていてもよい。
着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタにおいて用いられる方法と同様とすることができる。着色層の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、インクジェット法等を挙げることができる。
【0112】
(2)遮光層
本開示におけるカラーフィルタ部材は、遮光層をさらに有していてもよい。
本開示における遮光層は、透明基材の一方の面に配置され複数の開口部を有する部材である。遮光層は、着色層の境界領域と平面視上重なる領域に配置される。また、遮光層は、例えば、透明基板の着色層側の面に配置される。カラーフィルタ部材においては、透明基材層、遮光層および着色層の順に積層されていることが好ましい。
【0113】
遮光層は、第1の方向および第1の方向に交差する第2の方向に延伸するように並列に配置され、開口部を画定する。開口部の形状としては、特に限定されず、例えば、矩形形状、ストライプ状、ドット状等が挙げられる。
また、遮光層における開口部の幅としては、一般的なカラーフィルタ基板における遮光層の開口部の幅と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0114】
本開示における遮光層の線幅としては、本開示のカラーフィルタ基板の用途等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましく、中でも1.5μm以上28μm以下、特に2μm以上25μm以下であることが好ましい。遮光層の線幅が上記範囲よりも小さい場合には、十分に開口部を画定することができないおそれがある。また、遮光層の線幅が上記範囲よりも大きい場合には、高精細なカラーフィルタを得ることができないおそれがある。なお、遮光層の線幅が一定でない場合には、遮光層の線幅が、全て上記範囲内であることが好ましい。
【0115】
本開示における遮光層の厚みとしては、所望の遮光性を示すことができる程度の厚みであれば特に限定されず、遮光層に用いられる材料に応じて適宜調整される。本開示における遮光層の具体的な厚みとしては、例えば、0.5μm以上3.0μm以下とすることができる。
【0116】
本開示における遮光層の構成材料は、所望の遮光性を発揮することができるような材料であればよく、特に限定されない。具体的には、遮光層は、通常、バインダ樹脂に黒色色材を含有した硬化物であるが、黒色色材の他にも必要に応じて有色色材を含有していてもよい。遮光層の構成材料については、一般的なカラーフィルタ基板に用いられる材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
遮光層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタにおける遮光層の形成方法と同様とすることができ、例えば、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
【0117】
(3)保護層(カラーフィルタ部材用保護層)
本開示におけるカラーフィルタ部材は、保護層をさらに有していてもよい。
保護層は、透明基材層の着色層側の面に配置される層である。また、保護層は着色層および遮光層を覆うように配置されていることが好ましい。着色層および遮光層を保護するとともにカラーフィルタ部材の表面を平坦化することができるからである。保護層は、カラーフィルタ部材のオーバーコート層として用いることができる。
保護層については、上述した「2.光学機能部材 (3)保護層」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0118】
5.支持部材
本開示における支持部材は、カラーフィルタ部材およびタッチパネル部材を支持するために用いられる部材である。
本開示のカラーフィルタ基板は、通常、少なくとも一つの支持部材を有する。
【0119】
支持部材としては、例えば、透明基材を用いることができる。
ここで、「透明」という場合には、特段の断りがない限り、本開示のカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の観察者の、観察面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。
したがって、「透明」は、無色透明、および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で定義されず、本開示のカラーフィルタ基板の用途等に応じて透過性の度合いを決定することができる。
【0120】
本開示における透明基材の厚みとしては、各部材を支持できる程度の厚みであれば特に限定されず、本開示のカラーフィルタ基板の用途等に応じて適宜設計が可能である。透明基材の具体的な厚みは、一般的なカラーフィルタ基板に用いられる透明基材の厚みと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0121】
本開示における透明基材の材料は、一般的なカラーフィルタ基板に用いられる材料であれば特に限定されないが、耐熱性を有することが好ましい。
透明基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等が挙げられる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、例えば、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板に好適であるからである。
【0122】
本開示においては、通常、少なくとも一つの支持部材を有していればよい。また、例えば、カラーフィルタ部材を支持する支持部材と、タッチパネル部材を支持する支持部材との二つの支持部材を有していてもよい。この場合、カラーフィルタ部材とタッチパネル部材とは、接着層を介して積層される。
【0123】
6.その他の構成
本開示のカラーフィルタ基板は、上述した光学機能部材と、カラーフィルタ部材とを有していればよく、必要な構成を適宜選択して追加することができる。その他の構成としては、例えば、図5(b)に示すように、スペーサ部材5を挙げることができる。スペーサ部材は、通常、液晶表示装置としたとき、液晶層と対向する側の光学機能部材上に形成される。また、その他の構成としては、例えば、直線偏光板、前面板等を挙げることができる。なお、これらの構成については、一般的な液晶表示装置において用いられる構成と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0124】
7.製造方法
本開示のカラーフィルタ基板の製造方法は、上述した構成を有するカラーフィルタ基板を得ることができれば特に限定されない。本開示のカラーフィルタ基板の形成方法の一例について、図を用いて説明する。図10(a)〜(h)は、本開示のカラーフィルタ基板の製造方法の一例を示す工程図である。本開示においては、例えば、図10(a)に示すように、支持基材2の一方の面にカラーフィルタ部材3を形成する。次に図10(b)に示すように、支持基材2を基準として、カラーフィルタ部材3側とは反対側の面にタッチパネル部材4を形成する。次に、図10(c)〜(e)に示すように、タッチパネル部材4上に、配向層12B、位相差層11B、および保護層13Bを形成することにより、光学機能部材1Bを形成する。次に、図10(f)〜(h)に示すように、カラーフィルタ部材3上に、配向層12A、位相差層11A、保護層13Aを形成することにより、光学機能部材1Aを形成する。以上の工程により、カラーフィルタ基板10を得ることができる。
カラーフィルタ部材、タッチパネル部材および光学機能部材の形成方法については、上述した各項目で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0125】
本開示のカラーフィルタ基板の製造方法においては、上記第1の光学機能部材配置工程および上記第2の光学機能部材配置工程の後、上記カラーフィルタ基板にアニール処理をするアニール処理工程を有することが好ましい。また、上記アニール処理の温度が、上記カラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の製造工程における、熱処理の最高温度と同等以上の温度であることが好ましい。
【0126】
本開示において、アニール処理工程を行うことにより、得られたカラーフィルタ基板における第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値が、その後の液晶表示装置の製造工程の熱処理により変化されることを抑制することができる。よって、アニール処理後における第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値に基づいて第1の光学機能部材および第2の光学機能部材の光学補償状態を設計することで、液晶表示装置とした際にコントラストを良好にすることが可能なカラーフィルタ基板を得ることができる。
【0127】
本開示におけるアニール処理は、カラーフィルタ基板にアニール処理をする工程であり、より具体的には、カラーフィルタ基板に配置された第1の光学機能部材および第2の光学機能部材にアニール処理をする工程である。また、アニール処理においては、上記アニール処理の温度が、上記カラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の製造工程における、熱処理の最高温度と同等以上の温度とする。
【0128】
ここで、「カラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置の製造工程における、熱処理の最高温度」とは、本開示により得られたカラーフィルタ基板を用いて、液晶表示装置を製造する際に、カラーフィルタ基板に配置された第1の光学機能部材および第2の光学機能部材に加わる熱処理温度のうち、最も高い温度をいう。以下、単に、「最高温度」と称して説明する場合がある。
【0129】
アニール処理の温度は、得られたカラーフィルタ基板とともに液晶表示装置に用いられる基板、材料等の種類、液晶表示装置の製造条件に応じて適宜選択され、限定されない。アニール処理の温度は、例えば、150℃以上250℃以下であってもよく、200℃以上230℃以下であってもよい。アニール処理の時間、雰囲気等の条件については、材料の種類、液晶表示装置の製造条件に応じて適宜選択される。
【0130】
本開示においては、アニール処理の条件を以下の方法により決定してもよい。
例えば、ガラス基板上に、第1の位相差層および第2の位相差層と同様の材料、厚みを有する評価用のサンプルを作製する。評価用サンプルをアニール処理の温度を加え、時間ごとの位相差値の変化を測定し、位相差値に変化が見られなくなる時間を求める(例えば、図11のグラフにおけるX時間)。また、X時間アニール処理した評価サンプルに対し、例えば、信頼性評価のための加熱を行った場合に第1の位相差層および第2の位相差層の位相差値の変化分が、上述した「2.光学機能部材」の項に記載した値となることを確認する。
【0131】
8.カラーフィルタ基板
本開示のカラーフィルタ基板は、液晶表示装置に用いられる。本開示のカラーフィルタ基板は、例えば、透過型液晶表示装置に用いられることが好ましい。
【0132】
B.液晶表示装置
本開示の液晶表示装置は、上述した「A.カラーフィルタ基板」の項で説明したカラーフィルタ基板と、対向基板と、上記カラーフィルタ基板および上記対向基板の間に配置された液晶層とを有する、液晶パネルを少なくとも備える。
本開示の液晶表示装置の一例としては、上述した「A.カラーフィルタ基板」の項に記載した図3に示す液晶表示装置100が挙げられる。
【0133】
本開示によれば、上述したカラーフィルタ基板を有することにより、明環境における表示視認性が良好な液晶表示装置とすることができる。
【0134】
本開示の液晶表示装置における液晶パネルに用いられるカラーフィルタ基板については、上述した「A.カラーフィルタ基板」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、本開示における対向基板および液晶層については、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0135】
液晶表示装置は、上述した液晶パネル以外にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。その他の構成としては、例えば、直線偏光板、バックライト、前面板等を挙げることができる。本開示の液晶表示装置は、透過型液晶表示装置であることが好ましい。
本開示の液晶表示装置は、例えば、テレビ、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等に適用することができる。
【0136】
C.積層体
本開示の積層体は、上述した「B.液晶表示装置」の項で説明した液晶表示装置に用いられる積層体であって、上記支持部材、上記カラーフィルタ部材、およびパターン状に配置された上記センサ電極層を有する上記タッチパネル部材を有する積層部材と、上記積層部材の一方の面側に配置された上記光学機能部材とを備える。
【0137】
図12は、本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。図12に示すように、本開示の積層体60は、支持部材2、カラーフィルタ部材3、およびパターン状に配置されたセンサ電極層41を有するタッチパネル部材4を有する積層部材61と、積層部材61の一方の面側に配置され、位相差層11を有する光学機能部材1とを備える。
【0138】
本開示によれば、上述した積層構造を有することにより、積層部材を基準として、光学機能部材が配置された面とは反対側の面に、もう一つの光学機能部材を配置することにより、上述した液晶表示装置を得ることができる。
【0139】
本開示の積層体に用いられる積層部材を構成するカラーフィルタ部材およびタッチパネル部材、光学機能部材については、上述した「A.カラーフィルタ基板」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0140】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0141】
以下に実施例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
【0142】
[実施例1]
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、およびハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
【0143】
(硬化性樹脂組成物の合成)
下記の材料を室温で攪拌及び混合して硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%)…16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名:SR399、サートマー社製)
…24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピコート180S70、油化シェルエポキシ社製)…4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン (商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)…4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル(純正化学社製)…52質量部
【0144】
(遮光層用組成物の調製)
まず、下記の分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料…23質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン(株)Disperbyk111)…2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)…75質量部
【0145】
次に、下記の分量の成分を十分に混合し、遮光層用組成物を得た。
<遮光層用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液…61質量部
・上記硬化性樹脂組成物…20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル…30質量部
【0146】
(着色層用組成物の調製)
赤色、緑色、および青色のそれぞれの着色層用組成物は、まず顔料と分散剤を下記の分量で混合し、サンドミルにて十分に分散し、着色顔料分散液を調製した。次に、着色顔料分散液と上記硬化性樹脂組成物、溶剤をそれぞれの分量で混合して着色層形成用組成物を得た。
【0147】
<赤色着色層用組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド254…7質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物…23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
【0148】
<緑色着色層用組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58…7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138…1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物…22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
【0149】
<青色着色層用組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー1…5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤…3質量部
・上記硬化性樹脂組成物…25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル…67質量部
【0150】
(カラーフィルタ部材の作製)
以下の手順により、支持部材の一方の面に、カラーフィルタ部材を作製した。
【0151】
(遮光層の形成)
支持部材として、厚み0.7mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)を準備した。支持部材上に上述の遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、厚み約1μmの遮光層を形成した。当該遮光層を、超高圧水銀ランプで遮光パターン(RGBの繰り返しが75μmピッチのストライプ状)に露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して複数の開口部を有する遮光層を形成した。
【0152】
(赤色着色層の形成)
上記のようにして遮光層を形成した指示基材に対して、低圧水銀UVランプを遮光層形成側から照射して第1領域とした後、上述の赤色着色層用組成物を、スピンコーティング法により上記第1領域に塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色着色層用組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色部の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色着色層用組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に25分間放置することにより、加熱処理を施して遮光層の開口部に赤色のレリーフパターン(赤色着色層)を形成した。
【0153】
(緑色着色層の形成)
次に、上述した光照射工程と同様にして第2領域を形成し、上述の組成の緑色着色層用組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程により、第2領域に緑色のレリーフパターン(緑色着色層)を形成した。
【0154】
(青色着色層の形成)
さらに、上述した光照射工程と同様にして第3領域を形成し上述の組成の青色着色層用組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程により、第3領域に青色のレリーフパターン(青色着色層)を形成した。
【0155】
(保護層の形成)
その後、保護層として上述の硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した(塗布厚み2.0μm)。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて保護膜の形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して保護層を形成した。
【0156】
以上の工程により、カラーフィルタ部材を作製した。
【0157】
(タッチパネル部材の形成)
以下の手順により、支持部材のカラーフィルタ部材側とは反対側の面に、タッチパネル部材を形成した。
【0158】
(第1電極の形成)
支持部材のカラーフィルタ部材側とは反対側の面に、スパッタリング法を用いて厚み0.14μmの透明導電体膜を形成し、その後、レジストパターンをマスクとして透明導電体膜をエッチングし、所定のパターンを有する第1電極を形成した。透明導電体膜として、ITO(IndiumTinOxide;インジウム錫酸化物)を用いた。
【0159】
(第1絶縁層の形成)
得られた第1電極を覆うように、支持部材上に上述した硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した(塗布厚み2.0μm)。詳細な条件はカラーフィルタの保護層の形成条件と同じである。
【0160】
(第2電極の形成)
次いで、得られた第1絶縁層上に、スパッタリング法を用いて厚み0.14μmの透明導電体膜を形成し、その後、レジストパターンをマスクとして透明導電体膜をエッチングした。これにより、所定のパターンを有する第2電極を形成した。
【0161】
(第2絶縁層の形成)
その後、得られた第2電極を覆うように、上述した硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した(塗布厚み2.0μm)。詳細な条件はカラーフィルタの保護層の形成条件と同じである。
【0162】
以上の手順により、タッチパネル部材を得た。
【0163】
(第1の光学機能部材の作製)
以下の手順により、カラーフィルタ部材の支持部材側とは反対側の面に、配向層および位相差層(液晶層)がこの順に積層された第1の光学機能部材を作製した。
【0164】
(配向層の形成)
配向層は、JSR株式会社製の光配向膜材料(固形分4.5%)を、膜厚0.2μmになるように塗工し、120℃で1分乾燥後、偏光露光装置にて30mJ/cmの偏光紫外線を照射して作製した。偏光露光装置の角度は、液晶パネルに設置される偏光板の光軸と、位相差層の光軸のなす角度が45度となるように調整した。
【0165】
(位相差層の形成)
位相差層には、重合性棒状液晶材料を適用し、下記の化学式(1)及び化学式(2)の棒状化合物を混合比1:1で混合した化合物と、開始剤であるBASFジャパン株式会社イルガキュア907と、DIC株式会社製メガファック(F477)とを、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンの1:1の混合溶剤に溶解して25質量%の溶液を作製して適用した。上記溶液を、スピンコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥させた後、露光量500mJ/cm、露光波長365nmで露光し、位相差層を形成した。正面位相差Re(nm)は、位相差層形成後に行うプロセスの影響、特に加熱などで変化するためすべての工程が終了した後に、波長550nmでλ/4となるよう、位相差層形成後の正面位相差値を調整した。具体的には、位相差層形成後の位相差変化量を予め測定しておき、位相差層形成後の正面位相差値は変化量を見込んだ値とした。
【0166】
【化1】
【0167】
(保護層の形成)
その後、保護層として上述の硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した(塗布厚み2.0μm)。詳細条件は前述したカラーフィルタ保護層と同じである。
【0168】
(第2の光学機能部材の作製)
以下の手順により、タッチパネル部材の支持部材側とは反対側の面に、配向層および位相差層(液晶層)がこの順に積層された第2の光学機能部材を作製した。
【0169】
(配向層の形成)
配向層は、JSR株式会社製の光配向膜材料(固形分4.5%)を、膜厚0.2μmになるように塗工し、120℃で1分乾燥後、偏光露光装置にて30mJ/cmの偏光紫外線を照射して作製した。偏光露光装置の角度は、カラーフィルタ面側の位相差層の光軸との成す角度が90度となるように調整した。
【0170】
(位相差層の形成)
位相差層には、重合性棒状液晶材料を適用し、上述の化学式(1)及び化学式(2)の棒状化合物を混合比1:1で混合した化合物と、開始剤であるBASFジャパン株式会社イルガキュア907と、DIC株式会社製メガファック(F477)とを、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンの1:1の混合溶剤に溶解して25質量%の溶液を作製して適用した。上記溶液を、スピンコーターで塗布し、90℃で1分間乾燥させた後、露光量500mJ/cm、露光波長365nmで露光し、位相差層を形成した。正面位相差Re(nm)は、位相差層形成後に行うプロセスの影響、特に加熱などで変化するためすべての工程が終了した後に、波長550nmでλ/4となるよう、位相差層形成後の正面位相差値を調整した。具体的には、位相差層形成後の位相差変化量を予め測定しておき、位相差層形成後の正面位相差値は変化量を見込んだ値とした。
【0171】
(保護層の形成)
その後、保護層として上述の硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した(塗布厚み2.0μm)。詳細条件は前述したカラーフィルタ保護層と同じである。以上の手順により、カラーフィルタ基板を得た。
【0172】
[比較例1]
第1の光学機能部材および第2の光学機能部材を形成しなかった点以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタ部材、支持部材およびタッチパネル部材がこの順に積層されたカラーフィルタ基板を得た。
【0173】
[実施例2]
タッチパネル部材の形成位置を、支持部材とカラーフィルタ部材との間の位置とした点以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を得た。
【0174】
[比較例2]
第1の光学機能部材および第2の光学機能部材を形成しなかった点以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板を得た。
【0175】
[実施例3]
タッチパネル部材の形成位置を、カラーフィルタ部材の着色層側の面とした点以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板を得た。
【0176】
[比較例3]
第1の光学機能部材および第2の光学機能部材を形成しなかった点以外は、実施例3と同様にしてカラーフィルタ基板を得た。
【0177】
[評価]
(評価用液晶パネルの作製)
得られたカラーフィルタ基板の第1の光学機能部材側の面に、下記の手順で柱状スペーサ(スペーサ―部材)を形成した。遮光層上に上述した硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離に フォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて柱状スペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して所定の個数密度となるように柱状スペーサを形成した。
【0178】
次に、対向基板としてTFT基板を準備した。柱状スペーサが形成されたカラーフィルタ基板と、TFT基板とに、駆動液晶を配向させるため、配向層を形成した。TFT基板とカラーフィルタ基板とを貼り合せた後、駆動液晶をカラーフィルタ基板とTFT基板の間に注入し、パネルの表裏に偏光板をクロスニコルの関係で貼り合わせた。偏光板の光軸とカラーフィルタ基板の位相差層との光軸は45度となるようにした。液晶パネルのマンサイド側最表面には、低反射フィルムを貼合した。以上により評価用液晶パネルを得た。
【0179】
(反射率測定)
作製した液晶パネルのマンサイド側における反射率を測定した。測定装置として、コニカミノルタ社のCM−2500dを使用した。測定結果を表1に示す。
【0180】
(目視評価)
また、作製した液晶パネルに画像、文字情報等を表示させ、屋外の明環境(約20000ルクス)状態で観察したところ、実施例1、2、3では、表示内容をはっきりと視認することができた。一方、比較例1、2、3では外光がパネルによって反射され表示面が明るく見えるため、表示内容を視認することが困難であった。結果を表1に示す。なお、表1では、表示内容をはっきり視認できたことを「○」、表示内容を視認することが困難であったことを「×」で示している。
また、比較例1、2においては、部分的にセンサ電極層の平面視外形形状が確認された。一方、実施例1、2においては、センサ電極層の平面視外形形状は確認されなかった。
また、比較例3においては、部分的に表示面が反射することが確認された。これに対し、実施例3においては、部分的な表示面の反射は確認されなかった。
【0181】
【表1】
【符号の説明】
【0182】
11A,1B … 光学機能部材
11,11A,11B … 位相差層
12,12A,12B … 配向層
2 … 支持部材
3 … カラーフィルタ部材
4 … タッチパネル部材
10 … カラーフィルタ基板
20 … 対向基板
30 … 液晶層
60 … 積層体
61 … 積層部材
100A … 液晶パネル
100 … 液晶表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12