特開2019-37999(P2019-37999A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-37999レーザ加工前に光学系の汚染検出を行うレーザ加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-37999(P2019-37999A)
(43)【公開日】2019年3月14日
(54)【発明の名称】レーザ加工前に光学系の汚染検出を行うレーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20190215BHJP
   B23K 26/046 20140101ALI20190215BHJP
   B23K 26/042 20140101ALI20190215BHJP
【FI】
   B23K26/00 M
   B23K26/00 Q
   B23K26/046
   B23K26/042
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-160441(P2017-160441)
(22)【出願日】2017年8月23日
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
【住所又は居所】山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番地
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】和泉 貴士
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168CA01
4E168CB11
4E168EA19
4E168EA24
4E168EA25
4E168KA15
4E168KA17
(57)【要約】
【課題】既存のレーザ加工装置に対して後付けできる構成によってレーザ加工前に外部光学系の汚染を自動的に検出する。
【解決手段】レーザ加工装置10は、レーザ加工前に外部光学系12の汚染を判定する汚染判定部21を備えており、汚染判定部21は、外部光学系12が温められていない状態でエネルギ量測定部16によって測定された第一測定値と、外部光学系12が温められた状態でエネルギ量測定部16によって測定された第二測定値との比較に基づいて、外部光学系におけるレンズ1の汚染を判定するレンズ汚染判定部33を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の汚染を検出した上で、ワークをレーザ加工するレーザ加工装置であって、
レーザ発振器と、
前記レーザ発振器からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系と、
前記外部光学系から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部と、
前記外部光学系の冷却を制御する冷却制御部と、
小径穴を有し且つレーザ光を吸収可能な板と、
前記板に吸収されたレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部と、
前記小径穴を通過したレーザ光を除去可能なレーザ光除去部と、
レーザ加工前に前記外部光学系の汚染を判定する汚染判定部と、
を備え、
前記汚染判定部は、
前記外部光学系の冷却を停止する指令を前記冷却制御部に対して行う冷却停止指令部と、
前記板の表面に焦点位置を合わせる指令及び前記小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を前記駆動制御部に対して行う駆動指令部と、
前記板を溶融又は変形させない程度に低い出力でレーザ光を出射する指令を前記レーザ発振器に対して行う低出力指令部と、
前記外部光学系が温められていないレーザ出射開始期間内に前記エネルギ量測定部によって測定された第一測定値と、前記外部光学系が温められた一定時間経過期間内に前記エネルギ量測定部によって測定された第二測定値との比較に基づいて、前記外部光学系におけるレンズの汚染を判定するレンズ汚染判定部と、
を有することを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
さらに、前記板と前記レーザ光除去部との間に配設されていて前記レーザ光除去部からの反射光又は放射熱を遮蔽する遮蔽部を備える、請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
光学系の汚染を検出した上で、ワークをレーザ加工するレーザ加工装置であって、
レーザ発振器と、
前記レーザ発振器からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系と、
前記外部光学系から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部と、
小径穴を有する板と、
前記小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部と、
前記板とは異なる場所に配置されていてレーザ光を除去可能なレーザ光除去部と、
レーザ加工前に前記外部光学系の汚染を判定する汚染判定部と、
を備え、
前記汚染判定部は、
前記外部光学系を温める前に、前記板の表面に焦点位置を合わせる指令及び前記小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を前記駆動制御部に対して行う第一駆動指令部と、
前記板を溶融又は変形させない程度に低い出力でレーザ光を出射する指令を前記レーザ発振器に対して行う第一低出力指令部と、
前記外部光学系を温めるべく、レーザ加工に使用する程度に高い出力でレーザ光を前記レーザ光除去部に向けて出射する指令を前記レーザ発振器に対して行う高出力指令部と、
前記外部光学系を温めた後、前記板の表面に焦点位置を合わせる指令及び前記小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を前記駆動制御部に対して行う第二駆動指令部と、
前記外部光学系が温められた状態で、前記板を溶融又は変形させない程度に低い出力のレーザ光を出射する指令を前記レーザ発振器に対して行う第二低出力指令部と、
前記外部光学系が温められていない状態で前記エネルギ量測定部によって測定された第一測定値と、前記外部光学系が温められた状態で前記エネルギ量測定部によって測定された第二測定値との比較に基づいて、前記外部光学系におけるレンズの汚染を判定するレンズ汚染判定部と、
を有することを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項4】
さらに、前記第一測定値に関して予め定めた基準値を記憶する記憶部を備え、
前記汚染判定部は、さらに、前記第一測定値と前記基準値とに基づいて、前記外部光学系におけるウインドの汚染を判定するウインド汚染判定部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
さらに、前記外部光学系が汚染していると判定した場合に警告を行う警告部を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記小径穴の径がレーザ光の集光径の2倍以上30倍以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
前記板の厚さがレーザ光の集光径の10倍以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記小径穴の径が前記板の上面から下面へ向かって又は下面から上面に向かって大きくなる、請求項1から7のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置に関し、特にレーザ加工前に光学系の汚染検出を行うレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を被加工物に照射して被加工物のレーザ加工を行うレーザ加工装置は、レーザ光をレンズで所定の焦点位置に集光し、集光したレーザ光を被加工物に照射する。斯かるレーザ加工装置では、レーザ発振器からレーザ光を導光してワーク表面に集光する外部光学系が汚染してレーザ光を吸収すると、いわゆる熱レンズ効果によって曲率を変えて焦点位置を移動させる。また、汚れ方によっては、外部光学系の透過率も変化させる。焦点位置の変化及び透過率の変化が発生すると、加工不具合が発生するため、外部光学系が汚染されていないかを確認する必要がある。このことが自動運転の妨げになっている。
【0003】
斯かる課題を解決するため、外部光学系に温度センサや散乱光センサを取付けることで外部光学系の汚染を検出するものが公知である。特許文献1には、外部光学系ではないものの、レーザ発振器の出射ミラーのコーティング層の劣化等を判定可能なレーザ加工装置が開示されている。出射ミラーは、劣化によってレーザビームを吸収し、熱負荷状態になって曲率を変化させ、いわゆる熱レンズ効果によって平行光を集光する傾向になる。レーザ加工装置は、出射ミラーの後方に配置されたアパーチャと、アパーチャの後方に配置されたビームパワー測定センサとを備えることにより、ビームパワーが基準値より大きい場合に出射ミラーの劣化を判定する。
【0004】
特許文献2には、レーザ加工前ではないものの、加工後に外部光学系の熱レンズ効果による焦点ずれを検出可能なレーザ加工装置が開示されている。熱レンズ効果により焦点ずれが生じると、レーザ照射径が大きくなるため、レーザ加工装置は、小開口を有する測定基準面を備えることにより、小開口の周囲から放射される放射光のレベルに基づいて焦点ずれを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2009/066370(A1)号パンフレット
【特許文献2】特開2016−2580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外部光学系は時間と共に劣化する。その結果、集光点でレーザパワーの損失が発生する。軽度の汚染であっても、焦点位置が移動するため、レーザ加工の品質に著しい劣化を招く。この場合、速やかに光学部品を交換するか又はクリーニングする必要がある。しかしながら、加工不具合が発生した後に光学部品のメンテナンスを行うのでは、自動運転時に大量の不良部品が発生するという問題がある。他方、外部光学系に温度センサや散乱光センサを取付ける方式では、後付けができないという問題がある。さらに、全ての外部光学系が汚染を検知できるセンサに対応している訳ではないため、ユーザの選択の自由を狭めている。
【0007】
そこで、既存のレーザ加工装置に対して後付けできる構成によってレーザ加工前に外部光学系の汚染を自動的に検出可能な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、光学系の汚染を検出した上で、ワークをレーザ加工するレーザ加工装置であって、レーザ発振器と、レーザ発振器からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系と、外部光学系から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部と、外部光学系の冷却を制御する冷却制御部と、小径穴を有し且つレーザ光を吸収可能な板と、板に吸収されたレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部と、小径穴を通過したレーザ光を除去可能なレーザ光除去部と、レーザ加工前に外部光学系の汚染を判定する汚染判定部と、を備え、汚染判定部は、外部光学系の冷却を停止する指令を冷却制御部に対して行う冷却停止指令部と、板の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部に対して行う駆動指令部と、板を溶融又は変形させない程度に低い出力でレーザ光を出射する指令をレーザ発振器に対して行う低出力指令部と、外部光学系が温められていないレーザ出射開始期間内にエネルギ量測定部によって測定された第一測定値と、外部光学系が温められた一定時間経過期間内にエネルギ量測定部によって測定された第二測定値との比較に基づいて、外部光学系におけるレンズの汚染を判定するレンズ汚染判定部と、を有する、レーザ加工装置を提供する。
本開示の他の態様は、光学系の汚染を検出した上で、ワークをレーザ加工するレーザ加工装置であって、レーザ発振器と、レーザ発振器からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系と、外部光学系から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部と、小径穴を有する板と、小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部と、板とは異なる場所に配置されていてレーザ光を除去可能なレーザ光除去部と、レーザ加工前に外部光学系の汚染を判定する汚染判定部と、を備え、汚染判定部は、外部光学系を温める前に、板の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部に対して行う第一駆動指令部と、板を溶融又は変形させない程度に低い出力でレーザ光を出射する指令をレーザ発振器に対して行う第一低出力指令部と、外部光学系を温めるべく、レーザ加工に使用する程度に高い出力でレーザ光をレーザ光除去部に向けて出射する指令をレーザ発振器に対して行う高出力指令部と、外部光学系を温めた後、板の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部に対して行う第二駆動指令部と、外部光学系が温められた状態で、板を溶融又は変形させない程度に低い出力のレーザ光を出射する指令をレーザ発振器に対して行う第二低出力指令部と、外部光学系が温められていない状態でエネルギ量測定部によって測定された第一測定値と、外部光学系が温められた状態でエネルギ量測定部によって測定された第二測定値との比較に基づいて、外部光学系におけるレンズの汚染を判定するレンズ汚染判定部と、を有する、レーザ加工装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様及び他の態様によれば、既存のレーザ加工装置に対して後付けできる構成によってレーザ加工前に外部光学系の汚染を自動的に検出できる。ひいては、大量の加工不良を発生させることなく外部光学系のメンテナンスを実施することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】外部光学系の汚染レベルを説明するための模式図である。
図2】汚染レベルに応じた焦点移動量と小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量との関係を示すグラフである。
図3】一実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す概略図である。
図4】一実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
図5】一実施形態に係るレーザ加工装置の動作を示すフローチャートである。
図6】他の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す概略図である。
図7】他の実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
図8】他の実施形態に係るレーザ加工装置の動作を示すフローチャートである。
図9】一実施形態に係る小径穴の径を示す板の斜視図である。
図10】一実施形態に係る板の厚さを示す板の斜視図である。
図11】別の実施形態に係るテーパ形状の小径穴を示す板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではない。
【0012】
本明細書における用語の定義について説明する。本明細書における用語「レンズ」とは、曲率を有する表面を備えた光学部品のことをいう。換言すれば、本明細書で使用するレンズは、汚染によってレーザ光を吸収した場合に、いわゆる熱レンズ効果による曲率の変化が大きい光学部品である。また、本明細書における用語「ウインド」とは、概ね平面から成る光学部品のことをいう。換言すれば、本明細書で使用するウインドは、汚染によってレーザ光を吸収した場合であっても、曲率の変化が小さい光学部品である。さらに、本明細書における用語「汚染」とは、単に塵埃が堆積した状態だけではなく、堆積した塵埃がレーザ光によって点々と焼付いた状態、又はミラー等に設けられている薄膜が剥がれ落ちて劣化した状態等も含む。
【0013】
図1は、外部光学系の汚染の種類を説明するための模式図である。外部光学系は、限定されないが、レーザ光をワーク表面に集光するためのレンズ1と、外部光学系の最も外側に配置されたウインド2と、を備えている。小径穴Sを有する板15の表面に焦点位置を合わせ且つ小径穴Sの中心にレーザ光の光軸を合わせた状態で外部光学系からレーザ光を出射した場合、レンズ1もウインド2も汚染されていない正常時には、レーザ光が小径穴Sの周囲の板15に遮られることなく小径穴を通過する。このため、板15の下方に配置されたエネルギ量測定部16によって測定されるレーザ光のエネルギ量は最大になる。これに対して、レンズ1のみが汚染しているレンズ汚染時には、レンズ1の熱レンズ効果により焦点位置が上方(又は下方)へ移動してレーザ光が小径穴の周囲の板15に遮られるため、エネルギ量測定部16によって測定されるレーザ光のエネルギ量は若干低下する。さらに、ウインド2のみが汚染しているウインド汚染時には、熱レンズ効果が発生せず焦点位置が移動しないため、レーザ光が小径穴の周囲の板15に遮られることはない。しかし、ウインド2の表面に塵埃が薄く堆積している場合には、ウインド2がレーザ光を吸収するため、エネルギ量測定部16によって測定されるレーザ光のエネルギ量は低下する。ウインド2の表面に塵埃が点々と焼付いている場合には、ウインド2がレーザ光を散乱するため、エネルギ量測定部16によって測定されるレーザ光のエネルギ量はやはり低下する。加えて、レンズ1及びウインド2の双方が汚染している場合には、レンズ1の熱レンズ効果によって焦点位置が移動してレーザ光が小径穴Sの周囲の板15に遮られると共に、ウインド2によってレーザ光が吸収又は散乱されるため、エネルギ量測定部16によって測定されるレーザ光のエネルギ量は最小となる。
【0014】
図2は、汚染の種類に応じた焦点移動量と小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量との関係を示すグラフである。前述した通り、実線で示す正常時と比べ、破線で示すレンズ汚染時には、焦点位置が移動し且つエネルギ量が若干低下する。また、一点鎖線で示すウインド汚染時には、焦点位置が移動しないもののエネルギ量が低下する。さらに、二点鎖線で示すレンズ及びウインド汚染時には、焦点位置が移動すると共にエネルギ量が最小となる。このようにレーザ加工に使用する程度に高い出力のレーザ光によって外部光学系が温められた状態では、熱レンズ効果が発生して焦点位置が移動するものの、外部光学系が温められていない状態では、レンズが汚染していたとしても熱レンズ効果が発生せず焦点位置が移動しないため、これら二つの状態におけるレーザ光のエネルギ量を比較することにより、レーザ加工前にレンズの汚染を検出できる。本実施形態に係るレーザ加工装置は、斯かる物理現象を利用して外部光学系の汚染を検出する。
【0015】
図3は、本実施形態に係るレーザ加工装置10の概略構成を示す概略図である。レーザ加工装置10は、レーザ発振器11と、レーザ発振器11からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系12と、水冷式又は空冷式で外部光学系12の冷却を制御する冷却制御部13と、レーザ加工装置10の全体を制御する数値制御装置14と、を備えている。レーザ加工装置10は、さらに、加工テーブルの外側に配置されていて、例えば0.5mmの小径穴Sを有し且つレーザ光を吸収するようにアルマイト処理されたアルミ製の板15と、板15の下面において小径穴Sの周囲に配置されていて板15に吸収されたレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部16と、小径穴を通過したレーザ光の反射光又は放射熱が板15に戻らないように小径穴Sを通過したレーザ光を除去可能なレーザ光除去部17と、を備えている。エネルギ量測定部16は、板15に吸収されたレーザ光の熱量を測定する円環状の熱電対でもよく、又は、板15に吸収されたレーザ光のパワーを測定するパワーセンサでもよい。レーザ光除去部17は、アルマイト処理されたアルミ板でもよく、又は、小径穴を通過したレーザ光が板15へ戻らないように別の場所へレーザ光を反射するミラー等の光学系でもよい。レーザ加工装置10は、さらに、板15とレーザ光除去部17との間に配設されていてレーザ光除去部17からの反射光又は放射熱を遮蔽する遮蔽部18を備えることが好ましい。
【0016】
図4は、本実施形態に係るレーザ加工装置10の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置10は、さらに、外部光学系12から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部20と、ASIC、FPGA等の半導体集積回路又はコンピュータによって実行可能なプログラムで構成されていてレーザ加工前に外部光学系12の汚染を判定する汚染判定部21と、種々のデータを記憶する記憶部22と、備えている。汚染判定部21は、外部光学系12の冷却を停止する指令を冷却制御部13に対して行う冷却停止指令部30と、板15の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴Sの中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う駆動指令部31と、板15を溶融又は変形させない程度に低い出力(例えば50W)でレーザ光を出射する指令をレーザ発振器11に対して行う低出力指令部32と、を備えている。汚染判定部21は、さらに、外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内(例えばレーザ出射開始から5秒後)にエネルギ量測定部16によって測定された第一測定値と、外部光学系12が温められた一定時間経過期間内(例えばレーザ出射開始から120秒後)にエネルギ量測定部16によって測定された第二測定値との比較に基づいて、外部光学系12におけるレンズ1の汚染を判定するレンズ汚染判定部33を備えている。汚染判定部21は、さらに、必須の構成ではないが、第一測定値と、第一測定値に関して予め定めた基準値とに基づいて、外部光学系12におけるウインド2の汚染を判定するウインド汚染判定部34を備えていてもよい。第一測定値、第二測定値、及び基準値は、記憶部22に格納される。レーザ加工装置10は、さらに、レンズ汚染判定部33又はウインド汚染判定部34によって外部光学系12が汚染していると判定された場合に警告を行う警告部35を有する。警告部35は、警告ランプでもよく、又は、操作盤上で警告を表示するモニタでもよい。
【0017】
図5は、本実施形態に係るレーザ加工装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図4及び図5を参照して外部光学系の汚染判定処理について説明する。レーザ加工前に汚染判定部21が汚染判定を開始すると、ステップS10では、低出力のレーザ光であっても比較的長時間出射することによって外部光学系12が温められるように、冷却停止指令部30が外部光学系12の冷却を停止する指令を冷却制御部13に対して行う。ステップS11では、駆動指令部31が板15の表面に焦点を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う。ステップS12では、低出力指令部32が低出力でレーザ光を出射する指令(例えば50W5秒間)をレーザ発振器11に対して行う。ステップS13では、エネルギ量測定部16が板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量を第一測定値(例えば5W)として測定する。ステップS14では、記憶部22が第一測定値を格納する。ステップS15では、ウインド汚染判定部34がウインド2の汚染判定を開始する。ステップS16において、ウインド汚染判定部34が第一測定値と、第一測定値に関して予め定めた基準値(例えば5W)とを比較する。外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内に測定された第一測定値が基準値より大きい場合には(ステップS16のYES)、板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量が正常時より大きいため、ウインド汚染判定部34は、ウインド2の汚染によりレーザ光が散乱して板15に吸収されていると判定する。このため、ステップS17では、警告部35がウインドによるレーザ光の散乱を警告し、オペレータに対してウインドの交換を促す。ステップS16において、外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内に測定された第一測定値が基準値以下である場合には(ステップS16のNO)、レーザ光が板15で吸収されていないため、ウインド汚染判定部34は、ウインド2の汚染が無いと判定する。なお、ウインドの汚染を判定するステップS15〜S17は必須の処理ではない。
【0018】
ステップS18では、低出力指令部32が低出力でレーザ光を出射する指令(例えば50W120秒間)をレーザ発振器11に対して行う。但し、ステップS12からステップS18まで(すなわち外部光学系12が温まるまで)、低出力指令部32が低出力でレーザ光を出射し続ける指令を行ってもよい。ステップS19では、エネルギ量測定部16が板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量を第二測定値(例えば7W)として測定する。ステップS20では、記憶部22が第二測定値を格納する。ステップS21では、レンズ汚染判定部33がレンズ1の汚染判定を開始して、外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内に測定された第一測定値と、外部光学系12が温められた一定時間経過期間内に測定された第二測定値とを比較する。外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内に板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量である第一測定値(例えば5W)と、外部光学系12が温められた一定時間経過期間内に板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量である第二測定値(例えば7W)との比(又は差分)が、予め定めた許容変化率α(又は許容変化量、例えば0.8)より大きい場合には(ステップS21のYES)、板15で吸収されたエネルギ量が正常時より増加しているため、レンズ汚染判定部33は、レンズ1の汚染により熱レンズ効果が発生して焦点位置が上方又は下方へ変位していると判定する。このため、ステップS22では、警告部35がレンズ1の汚染を警告し、オペレータに対してレンズ1のメンテナンスを促す。ステップS21において、外部光学系12が温められていないレーザ出射開始期間内に板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量である第一測定値と、外部光学系12が温められた一定時間経過期間内に板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量である第二測定値との比(又は差分)が予め定めた許容変化率α(又は許容変化量)以下である場合には(ステップS21のNO)、板15で吸収されたエネルギ量が正常時と比べて概ね変化していないため、レンズ汚染判定部33は、レンズ1の汚染が無いと判定する。このため、ステップS23において、レーザ加工装置10がレーザ加工を開始する。斯かるレーザ加工装置10によれば、既存のレーザ加工装置に対して後付けできる構成によってレーザ加工前に外部光学系12の汚染を自動的に検出できることとなる。ひいては、大量の加工不良を発生させることなく外部光学系12のメンテナンスを実施することが可能になる。
【0019】
図6は、他の実施形態に係るレーザ加工装置40の概略構成を示す概略図である。レーザ加工装置40は、外部光学系を温める構成と、レーザ光のエネルギ量を測定する場所との点で、レーザ加工装置10とは異なる。すなわち、レーザ加工装置10は、外部光学系12の冷却を停止して低出力のレーザ光を一定時間出射することにより外部光学系を温めるのに対し、レーザ加工装置40は、板15とは異なる場所にレーザ光を除去可能なレーザ光除去部41を備えていて、レーザ光除去部41に向かって高出力でレーザ光を出射することにより外部光学系を温める。また、レーザ加工装置10は、小径穴Sを有する板15に吸収されたレーザ光のエネルギ量を測定しているのに対し、レーザ加工装置40は、板15で吸収されたレーザ光のエネルギ量を測定するのではなく、小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量を測定する。
【0020】
レーザ加工装置40は、レーザ発振器11と、レーザ発振器11からレーザ光を導光してワークの表面に集光するための外部光学系12と、レーザ加工装置10の全体を制御する数値制御装置14と、を備えている。レーザ加工装置40は、さらに、加工テーブルの外側に配置されていて、例えば0.5mmの小径穴Sを有する板15と、小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量を測定するエネルギ量測定部42と、板15とは異なる場所に配置されていてレーザ光を除去可能なレーザ光除去部41と、を備えている。エネルギ量測定部42は、小径穴Sを通過したレーザ光の熱量を測定する熱電対でもよく、又は、小径穴Sを通過したレーザ光のパワーを測定するパワーセンサでもよい。レーザ光除去部41は、アルマイト処理されたアルミ板でもよく、又は、レーザ光を別の場所へ反射するミラー等の光学系でもよい。
【0021】
図7は、他の実施形態に係るレーザ加工装置40の構成を示すブロック図である。レーザ加工装置40は、さらに、外部光学系12から出射するレーザ光の焦点位置及び光軸を移動させるための駆動制御部20と、ASIC、FPGA等の半導体集積回路又はコンピュータによって実行可能なプログラムで構成されていてレーザ加工前に外部光学系12の汚染を判定する汚染判定部43と、種々のデータを記憶する記憶部22と、備えている。汚染判定部43は、外部光学系12を温める前に、板15の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴Sの中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う第一駆動指令部50と、外部光学系12が温められていない状態で且つ板15を溶融又は変形させない程度に低い出力(例えば50W)でレーザ光を出射する指令をレーザ発振器11に対して行う第一低出力指令部51と、を備えている。汚染判定部43は、さらに、外部光学系12を温めるべく、レーザ加工に使用する程度に高い出力(例えば3500W)でレーザ光をレーザ光除去部41に向けて出射する指令をレーザ発振器11に対して行う高出力指令部52と、外部光学系12を温めた後、板15の表面に焦点位置を合わせる指令及び小径穴Sの中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う第二駆動指令部53と、外部光学系12が温められた状態で、板15を溶融又は変形させない程度に低い出力のレーザ光を出射する指令をレーザ発振器11に対して行う第二低出力指令部54と、を備えている。汚染判定部43は、さらに、外部光学系12が温められていない状態でエネルギ量測定部42によって測定された第一測定値と、外部光学系12が温められた状態でエネルギ量測定部42によって測定された第二測定値との比較に基づいて、外部光学系12におけるレンズ1の汚染を判定するレンズ汚染判定部55を備えている。汚染判定部43は、さらに、必須の構成ではないが、第一測定値と、第一測定値に関して予め定めた基準値とに基づいて、外部光学系12におけるウインド2の汚染を判定するウインド汚染判定部56を備えていてもよい。第一測定値、第二測定値、及び基準値は、記憶部22に格納される。レーザ加工装置40は、さらに、レンズ汚染判定部55又はウインド汚染判定部56によって外部光学系12が汚染していると判定された場合に警告を行う警告部35を有する。警告部35は、警告ランプでよく、又は、操作盤上で警告を表示するモニタでもよい。
【0022】
図8は、他の実施形態に係るレーザ加工装置40の動作を示すフローチャートである。以下、図7及び図8を参照して外部光学系の汚染判定処理について説明する。汚染判定部43がレーザ加工前に汚染判定を開始すると、ステップS20では、外部光学系12を温める前に、第一駆動指令部50が、15の表面に焦点を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う。ステップS21では、第一低出力指令部51が低出力でレーザ光を出射する指令(例えば50W)をレーザ発振器11に対して行う。ステップS22では、エネルギ量測定部42が小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量を第一測定値(例えば40W)として測定する。ステップS23では、記憶部22が第一測定値を格納する。ステップS24では、ウインド汚染判定部56が、ウインド2の汚染判定を開始する。ステップS25では、ウインド汚染判定部56が第一測定値と、第一測定値に関して予め定めた基準値(例えば45W)とを比較する。外部光学系12が温められていない状態で測定された第一測定値が基準値より小さい場合には(ステップS25のYES)、小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量が正常時より小さいため、ウインド汚染判定部56は、ウインド2の汚染によりレーザ光が吸収又は散乱されていると判定する。このため、ステップS26では、警告部35がウインド2の汚染を警告し、オペレータに対してウインド2のクリーニングを促す。オペレータがウインド2のクリーニングを行い、汚れが除去できた場合には、汚染判定部43が汚染判定を再び開始する。オペレータがウインド2のクリーニングを行っても汚れが除去できない場合には、ウインド2の交換を行う。ステップS25において、外部光学系12が温められていない状態で測定された第一測定値が基準値以上である場合には(ステップS25のNO)、小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量が減少していないため、ウインド汚染判定部56は、ウインド2の汚染が無いと判定する。なお、ウインドの汚染を判定するステップS24〜S26は必須の処理ではない。
【0023】
ステップS27では、高出力指令部52が、外部光学系12を温めるべく、レーザ光除去部41に向けて高出力(例えば3500W)でレーザ光を出射する指令をレーザ発振器11に対して行う。ステップS28では、外部光学系12を温めた後に、第二駆動指令部53が板15の表面に焦点を合わせる指令及び小径穴の中心にレーザ光の光軸を合わせる指令を駆動制御部20に対して行う。ステップS29では、第二低出力指令部54が、外部光学系12が温められた状態で、板15を溶融又は変形させない程度に低い出力(例えば50W)のレーザ光を出射する指令をレーザ発振器11に対して行う。ステップS30では、エネルギ量測定部42が小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量を第二測定値(例えば30W)として測定する。ステップS31では、記憶部22が第二測定値を格納する。ステップS32では、レンズ汚染判定部55がレンズ1の汚染判定を開始して、外部光学系12が温められていない状態で測定された第一測定値と、外部光学系12が温められた状態で測定された第二測定値とを比較する。外部光学系12が温められていない状態で小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量である第一測定値(例えば40W)と、外部光学系12が温められた状態で小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量である第二測定値(例えば30W)との比(又は差分)が、予め定めた許容変化率α(又は許容変化量、例えば1.2)より大きい場合には(ステップS31のYES)、小径穴を通過したエネルギ量が正常時より減少しているため、レンズ汚染判定部55は、レンズ1の汚染により熱レンズ効果が発生して焦点位置が上方又は下方へ変位していると判定する。このため、ステップS33では、警告部35がレンズ1の汚染を警告し、オペレータに対してレンズ1のメンテナンスを促す。ステップS32において、外部光学系12が温められていない状態で小径穴Sを通過したレーザ光のエネルギ量である第一測定値(例えば40W)と、外部光学系12が温められた状態で小径穴を通過したレーザ光のエネルギ量である第二測定値(例えば30W)との比(又は差分)が、予め定めた許容変化率α(又は許容変化量、例えば1.2)以下である場合には(ステップS32のNO)、小径穴を通過したエネルギ量が正常時と比べて概ね変化していないため、レンズ汚染判定部55は、レンズ1の汚染が無いと判定する。このため、ステップS33において、レーザ加工装置40がレーザ加工を開始する。斯かるレーザ加工装置40によれば、既存のレーザ加工装置に対して後付けできる構成によってレーザ加工前に外部光学系12の汚染を自動的に検出できることとなる。ひいては、大量の加工不良を発生させることなく外部光学系12のメンテナンスを実施することが可能である。
【0024】
図9は、本実施形態に係る小径穴Sの径Pを示す板の斜視図である。図9に示すように、小径穴Sの径Pはレーザ光の集光径Lの2倍以上30倍以下であることが好ましい。一般的にレーザ光の集光径Lは、ピーク強度から1/e2(13.5%)の強度まで落ちたときの幅として定義されるため、すそ野は比較的広い。このため、小径穴Sの径Pがレーザ光の集光径Lの2倍以上であることにより、レーザ光が板15に概ね当たらなくなる。また、本実施形態に係るレーザ発振器11は、レーザの種類を限定するものではないため、種々の集光角を有するレーザを含む。例えば、ファイバレーザの場合、レーザ光が比較的小さな集光角を有するものの、集光径Lが100μm、集光角が2.4°であるとき、熱レンズ効果によって焦点位置が10mmずれると、集光径Lが約820μmになる。このとき、小径穴の径Pがレーザ光の集光径Lの30倍の3000μmであるとすると、板15の表面に当たらなくなってしまい、汚染判定部21が外部光学系12の汚染を判定できなくなってしまう。しかし、CO2レーザの場合、レーザ光がさらに大きな集光角を有するため、経験則上、小径穴の径Pがレーザ光の集光径Lの30倍以下であれば、焦点位置が変化した場合であっても、板15の表面に概ね当たることとなる。従って、小径穴Sの径Pはレーザ光の集光径Lの2倍以上30倍以下であることが好ましい。なお、小径穴Sの径Pに関する規定は、図6図8で説明した他の実施形態における小径穴Sにも適用できる。
【0025】
図10は、本実施形態に係る板15の厚さQを示す板15の斜視図である。図10に示すように、板15の厚さQはレーザ光の集光径の10倍以下であることが好ましい。例えば、集光角が比較的小さいファイバレーザの場合、小径穴の径Pが200μm、集光径Lが100μm、板15の厚さQが集光径Lの10倍の1mmであるとき、板15の上面に焦点位置を合わせると、1mm移動した板15の下面におけるレーザ光の径が184μmになり、レーザ光の裾の部分が板15の下面で当たらなくなるため、汚染判定部21が外部光学系12の汚染を正確に判定できることとなる。逆に、板15の厚さQがレーザ光の集光径の10倍を超えていると、板15の上面に焦点位置を合わせた場合に、レーザ光が板15の下面で当たってしまい、汚染判定部21が外部光学系12の汚染を正確に判定できなくなってしまう。従って、板15の厚さQはレーザ光の集光径の10倍以下であることが好ましい。なお、板15の厚さQに関する規定は、図6図8で説明した他の実施形態における板15の厚さにも適用できる。
【0026】
図11は、別の実施形態に係るテーパ形状の小径穴S’を示す板60の断面図である。小径穴S’の径が板60の上面から下面へ向かって大きくなる(P→P’)ように、小径穴S’はテーパ形状であることが好ましい。これにより、板60の上面に焦点位置を合わせた場合に、板60の下面においてレーザ光の裾が板60に当たらなくなって、汚染判定部21が外部光学系12の汚染を正確に判定できることとなる。また、板の下面に焦点位置を合わせる実施形態では、小径穴の径が板の下面から上面へ向かって大きくなるように、小径穴がテーパ形状であることが好ましい。なお、テーパ形状の小径穴に関する規定は、図3図8で説明した総ての実施形態における小径穴に適用できる。
【0027】
前述した実施形態におけるコンピュータによって実行可能なプログラムは、コンピュータ読取り可能な非一時的記録媒体、CD−ROM等に記録して提供できる。本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述した種々の実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
【符号の説明】
【0028】
1 レンズ
2 ウインド
5 エネルギ量測定部
10 レーザ加工装置
11 レーザ発振器
12 外部光学系
13 冷却制御部
14 数値制御装置
15 板
16 エネルギ量測定部
17 レーザ光除去部
18 遮蔽部
20 駆動制御部
21 汚染判定部
22 記憶部
30 冷却停止指令部
31 駆動指令部
32 低出力指令部
33 レンズ汚染判定部
34 ウインド汚染判定部
35 警告部
40 レーザ加工装置
41 レーザ光除去部
42 エネルギ量測定部
43 汚染判定部
50 第一駆動指令部
51 第一低出力指令部
52 高出力指令部
53 第二駆動指令部
54 第二低出力指令部
55 レンズ汚染判定部
56 ウインド汚染判定部
60 板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11