特開2019-55235(P2019-55235A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-55235(P2019-55235A)
(43)【公開日】2019年4月11日
(54)【発明の名称】吐水装置及び浴槽装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/20 20060101AFI20190315BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20190315BHJP
   A47K 3/12 20060101ALI20190315BHJP
【FI】
   A47K3/20
   A47K3/00 Z
   A47K3/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-223172(P2018-223172)
(22)【出願日】2018年11月29日
(62)【分割の表示】特願2014-129728(P2014-129728)の分割
【原出願日】2014年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
【住所又は居所】東京都江東区大島2丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 未華
(72)【発明者】
【氏名】川上 将
(72)【発明者】
【氏名】平岩 広充
(72)【発明者】
【氏名】市川 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】川浦 真司
【テーマコード(参考)】
2D005
2D132
【Fターム(参考)】
2D005FA00
2D005FA02
2D132FA02
2D132FA03
2D132FA09
2D132FC01
2D132FD04
2D132FE01
2D132FG01
2D132FJ05
2D132FJ15
2D132FJ24
2D132FK04
(57)【要約】
【課題】リラックス効果を与えるのに適した吐水装置を提供する。
【解決手段】浴槽内に水を吐き出すための吐水口が形成される吐水部材15と、吐水口から吐き出される吐水流を照射するための照明器17と、を有する装置本体を備え、照明器17は、光源を含む発光部材と、発光部材を収容する収容ケース49を有し、収容ケース49は、上方から加わる荷重を支持するための荷重支持部63を有し、発光部材は、荷重支持部63に取り付けられる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内に水を吐き出すための吐水口が形成される吐水部材と、前記吐水口から吐き出される吐水流を照射するための照明器と、を有する装置本体を備え、
前記照明器は、光源を収容する収容ケースを有し、
前記収容ケースは、上方から加わる荷重を支持するための荷重支持部を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記照明器は、光源を含む発光部材を更に有し、
前記発光部材は、前記荷重支持部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記収容ケースは、前記浴槽内に面する側と反対の後側にて上壁部と下壁部を接続する背壁部を有し、
前記背壁部は、前記上壁部の後端より前方にずれた位置に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記収容ケースは、長尺状のケース本体を有し、
前記ケース本体の横断面形状は、上下を反転させて用いる場合にも、前記吐水部材に対する相対的な位置関係が保たれるように定められることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記吐水部材に脱着可能に取り付けられる外装カバーを更に有し、
前記外装カバーは、前記照明器を前記浴槽内に面する側から覆うように配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記吐水部材に脱着可能に取り付けられる外装カバーを更に有し、
前記照明器は、前記吐水部材上に取り付けられ、
前記外装カバーは、前記照明器を上側から覆うように配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項7】
前記吐水部材の上面と前記外装カバーの上面は、互いに面一となるように設けられることを特徴とする請求項5または6に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記装置本体の上面には枕部材を載置可能な枕載置部が設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の吐水装置と、
前記吐水装置が取り付けられる浴槽と、を備えることを特徴とする浴槽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を吐き出すための吐水装置とこれを備える浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽内に水を吐き出す吐水部材とともに、吐水流を照射する照明器を備えた吐水装置が知られている(特許文献1参照)。この吐水装置では、入浴者の肩や首に吐水流をかけてマッサージ効果を与えつつ、吐水流がかかる箇所を光らせることで独特の視覚効果を与えることができ、入浴者にリラックス効果を与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−275625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の吐水装置は、浴槽のリム部よりも比較的に高位置に吐水口が設けられている。このため、そこから前方に吐き出される吐水流を肩や首に浴びるためには、浴槽の内側面から離れた位置にて胴体を立てた姿勢をとることになる。この場合、その姿勢を維持できるように意識することで精神的な負担がかかるうえ、腰にも肉体的な負担がかかる。本発明者は、さらなるリラックス効果を与えるうえで、従来の吐水装置の構造に関して、改善の余地があると認識するに至った。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、リラックス効果を与えるのに適した吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の吐水装置は、浴槽内に水を吐き出すための吐水口が形成される吐水部材と、吐水口から吐き出される吐水流を照射するための照明器と、を有する装置本体を備え、照明器は、光源を収容する収容ケースを有し、収容ケースは、上方から加わる荷重を支持するための荷重支持部を有する。
この態様によると、収容ケースに上方から加わる荷重に対して荷重支持部により抵抗できる。よって、装置本体上に入浴者の頭部を載せて用いる場合のように、リラックス効果を得やすい姿勢で用いる場合でも、収容ケースに加わる荷重に対する強度、耐久性を荷重支持部により確保し易くなる。このため、リラックス効果を与えるのに適した吐水装置を提供できる。
【0007】
照明器は、光源を含む発光部材を更に有し、発光部材は、荷重支持部に取り付けられてもよい。
この態様によると、収容ケースで変形し難い荷重支持部に発光部材が取り付けられるため、発光部材に負荷が加わり難くなる。
【0008】
収容ケースは、浴槽内に面する側と反対の後側にて上壁部と下壁部を接続する背壁部を有し、背壁部は、上壁部の後端より前方にずれた位置に接続されてもよい。
この態様によると、収容ケースの全体サイズはそのままにしつつ、上壁部と他の壁部との接続部間の距離を小さくでき、上壁部の撓み変形を抑え易くなる。
【0009】
収容ケースは、長尺状のケース本体を有し、ケース本体の横断面形状は、上下を反転させて用いる場合にも、吐水部材に対する相対的な位置関係が保たれるように定められてもよい。
この態様によると、ケース本体を反転させて用いる場合でも、吐水部材に対するケース本体の相対的な位置関係を同じにでき、その位置関係の変化による性能の変化を抑えられる。
【0010】
装置本体は、吐水部材に脱着可能に取り付けられる外装カバーを更に有し、外装カバーは、照明器を浴槽内に面する側から覆うように配置されてもよい。
この態様によれば、装置本体上に入浴者の頭部が載る場合でも、装置本体に浴槽内に面する側から加わる荷重を外装カバーにより受けられ、照明器に直接に負荷が加わり難くなる。
【0011】
装置本体は、吐水部材に脱着可能に取り付けられる外装カバーを更に有し、照明器は、吐水部材上に取り付けられ、外装カバーは、照明器を上側から覆うように配置されてもよい。
この態様によれば、装置本体上に入浴者の頭部が載る場合でも、装置本体に上側から加わる荷重を外装カバーにより受けられ、照明器に直接に負荷が加わり難くなる。
【0012】
吐水部材の上面と外装カバーの上面は、互いに面一となるように設けられてもよい。
この態様によれば、これらの表面をタオル等で拭くとき、それらの境界に突っかかりがなくなるため、清掃時の作業性が良好になる。
【0013】
装置本体の上面には枕部材を載置可能な枕載置部が設けられてもよい。
この態様によると、入浴者は、枕部材に頭を載せてくつろいだ姿勢をとれる。この姿勢で首や肩に吐水流があたり、その吐水流により心地よい刺激が得られる。また、吐水流が照射されるため、独特の視覚効果を楽しめる。これらが相まって、入浴者にさらなるリラックス効果を与えることが可能となる。
【0014】
本発明の別の態様は浴槽装置である。この浴槽装置は、前述の吐水装置と、吐水装置が取り付けられる浴槽と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リラックス効果を与えるのに適した吐水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る吐水装置の使用状態を概略的に示す側面断面図である。
図2】実施形態に係る吐水装置の使用状態を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る装置本体から枕部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図4図4(a)は実施形態に係る装置本体に枕部材を組み合わせた状態を示す正面図であり、図4(b)はその分解図である。
図5】実施形態に係る装置本体の側面断面図である。
図6】実施形態に係る装置本体の分解斜視図である。
図7図7(a)は実施形態に係る吐水部材の平面図であり、図7(b)はその正面図である。
図8】実施形態に係る照明器の側面断面図である。
図9】実施形態に係る照明器を吐水部材に取り付けた状態を示す部分省略平面図である。
図10】実施形態に係る装置本体の斜視図である。
図11】実施形態に係る装置本体の正面図である。
図12図12(a)は実施形態に係る突辺部とカバー側部の構成を示す平面断面図であり、図12(b)はこれらを組み合わせた状態を示す図である。
図13】実施形態に係る照明器の電気ケーブルとケーブル孔を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本実施形態に係る吐水装置10の使用状態を概略的に示す側面断面図である。以下の説明ではXYZ直交座標系をもとに説明する。方向X〜Zのそれぞれは、後述する吐出口31の横幅方向と平行な左右方向、これに直交する水平な前後方向、鉛直な上下方向に対応する。
吐水装置10は浴槽装置200に用いられる。浴槽装置200は、吐水装置10の他に、浴槽210を備える。浴槽210の内側面には槽底面211に対して傾斜する背側面213が設けられ、背側面213の上側のリム部215には取付面217が設けられる。
【0018】
吐水装置10は、取付面217に取り付けられる装置本体11と、装置本体11の枕載置部13(後述する)に載置される枕部材101と、を備える。枕部材101は、浴槽210に入る入浴者の頭部を受けて、これを支えるために用いられる。枕部材101は、装置本体11に対する専用品として用いられるが、汎用品が用いられてもよい。枕部材101は、耐水性とともに弾力性のある素材を主体として構成される。この素材は、塩化ビニール、発泡ウレタン等の軟質合成樹脂であるが、これに限られない。枕部材101は、入浴者の頭部を受けるうえで適度な厚みをもち、装置本体11とともに取付面217に段積みされるように取り付けられる。
【0019】
図2は吐水装置10の使用状態を示す斜視図であり、図3は装置本体11から枕部材101を取り外した状態を示す斜視図である。
装置本体11は横長扁平に形成され、前側の浴槽210内に向けて、吐出口31から膜状の横長な吐水流Wが吐き出される。枕部材101の下部には上側に窪む嵌合凹部103が設けられる。嵌合凹部103は枕部材101の前面に開口する開放口105が設けられ、その開放口105を通して吐水流Wや照明器17(後述する)の光が導出される。
【0020】
図4(a)は装置本体11に枕部材101を組み合わせた状態を示す正面図であり、図4(b)はその分解図である。
嵌合凹部103の左右方向Xに対向する凹側面107は、いわゆる蟻溝状に形成される。つまり、上底面109に近づくにつれて間隔が広がるように形成される。装置本体11の左右方向Xの横側面11aは、その上面11bに近づくにつれて装置本体11の横幅寸法が大きくなるように形成される。嵌合凹部103と装置本体11は合致するような形状を有し、装置本体11は嵌合凹部103内に嵌め込まれる。枕部材101は、装置本体11を左右方向X両側と後側の三方から囲むとともに、その上側を覆うように設けられる。
【0021】
図5は装置本体11の側面断面図である。
装置本体11の上面には枕載置部13が設けられる。枕載置部13は、装置本体11の上面において、前後方向の全範囲にかけて設けられるが、浴槽210内に面する前側の前端から後側にかけての一部範囲にかけて設けてもよい。枕載置部13は、入浴者の頭部や枕部材101を安定して支持できるように、たとえば、水平面に対して0°〜30°の範囲の角度に設定される。また、枕載置部13は、その角度範囲で段差無く前後方向Yに滑らかに連なるように形成される。
【0022】
図6は装置本体11の分解斜視図である。
装置本体11は、吐水部材15と、照明器17と、隙間埋め部材19と、外装カバー21を備える。
【0023】
図5に戻り、吐水部材15は樹脂成形品であり、下側分割部材23と上側分割部材25をねじ等の固定具(図示せず)により組み付けて構成される。吐水部材15の下部には、図5図6に示すように、下方に突き出る導水部27が左右方向Xに間隔を空けて複数設けられる。導水部27は、浴槽210を挿通され、その先端部には導管223が接続される。導水部27には導水路29が内部に形成され、ポンプ(図示せず)から導管223を通して浴槽水が圧送される。導水部27にはナット等の固定部材231がねじ込まれ、装置本体11が浴槽210に固定される。
【0024】
吐水部材15は、横長なスリット状の吐出口31が前部に形成され、その内部に導水路29と吐出口31を連通する吐出通路33が形成される。吐出通路33は、その横断面(図示しない)が通路高さより通路幅が大きくなるように横長に形成される。吐出通路33は、貯溜室35と絞り流路37により形成される。貯溜室35には導水路29から流入する水が貯溜水として一時的に溜められる。絞り流路37は、吐出通路33の通路高さが貯溜室35より小さくなるように形成される。貯溜水は絞り流路37を通るときに絞られることで流速が高まり、吐出口31から勢いよく吐水流Wが吐き出される。
【0025】
図7(a)は吐水部材15の平面図であり、図7(b)はその正面図である。
吐水部材15は、図5図7(a)に示すように、吐出口31が形成される前側部分39と、前側部分39より後側に設けられる後側部分41とにより構成される。前側部分39は後側部分41より上下方向Zの高さ寸法が小さく、かつ、後側部分41より左右方向Xの横幅寸法が僅かに小さくなる。前側部分39上には照明載せ部43が設けられ、その照明載せ部43に照明器17が取り付けられる。
【0026】
図8は照明器17の側面断面図である。
照明器17は、光源45を含む発光部材47と、発光部材47を収容する収容ケース49を有する。発光部材47は、光源45の他に、光源45が実装される左右方向Xに横長な回路基板51を含んで構成される。光源45はLED(light-emitting diodes)等の点光源であり、回路基板51に左右方向Xに間隔を空けて複数実装される。光源45は白色光を発するが、白色光以外の有色光を発してもよい。発光部材47には異なる色の有色光や白色光を発する複数の光源45が含まれてもよい。
【0027】
収容ケース49は長尺状のケース本体53を有する。ケース本体53は、下壁部55及び上壁部57と、前壁部59及び背壁部61とにより構成される。各壁部55、57、59、61は左右方向Xに延在する。各壁部55、57、59、61は一体成形され、透明樹脂等の透光性材料により構成される。
【0028】
下壁部55及び上壁部57は発光部材47の上下に配置される。下壁部55は吐水部材15の照明載せ部43に載せられる。前壁部59は浴槽210内に面する前側にて下壁部55と上壁部57を接続し、背壁部61は前側と反対の後側にて下壁部55と上壁部57を接続する。前壁部59及び背壁部61は発光部材47の前後に配置され、収容ケース49に上方から加わる荷重を支持する荷重支持部63を構成する。
【0029】
背壁部61は、上壁部57及び下壁部55の後端65より前方にずれた位置にてこれらに接続される。上壁部57及び下壁部55の間には背壁部61の後方にて放熱空間67が形成される。背壁部61の内側部分には上下に間隔を空けて一対の溝部71が設けられる。各溝部71は、他の溝部71から離れる方向に窪み、左右方向Xに延びるように形成される。各溝部71内には回路基板51の側辺部51aが配置され、その溝部71と側辺部51aの係合により、発光部材47が背壁部61に取り付けられる。
【0030】
上壁部57は、浴槽210に装置本体11が取り付けられたとき、前側に向けて下り勾配となるように傾斜する。照明載せ部43も同様に、前側に向けて下り勾配となるように僅かに傾斜する。これにより、上壁部57上や照明載せ部43に水が付着しても、その勾配に沿って水が自重により流れ、浴槽210の取付面217まで排水できる。
【0031】
ケース本体53の長手方向に直交する断面形状、つまり、ケース本体53の横断面形状は、前壁部59及び背壁部61の中点P1を通る中心線L1に対して線対称となるように形成される。ここでの中点P1とは、前壁部59及び背壁部61の下壁部55や上壁部57との接続部の間の中点をいう。言い換えると、ケース本体53の横断面形状は、浴槽210内に面する前部を前側に向けた状態のまま、ケース本体53の上下を反転させて用いる場合にも、吐水部材15に対する相対的な位置関係が保たれるように定められる。
【0032】
図9は照明器17を吐水部材15に取り付けた状態を示す部分省略平面図である。
ケース本体53の左右方向Xの両端部には挿入口73が形成される。照明器17の組み立て時、挿入口73を通して一対の溝部71(図8参照)内に回路基板51が差し込まれる。ケース本体53の端部には挿入口73を塞ぐ蓋部75が設けられる。蓋部75はケース本体53とは別体に構成される。蓋部75によりケース本体53の内部空間が密閉される。
【0033】
蓋部75には、その後端縁からケース本体53の長手方向外側に突き出る照明固定部77が設けられる。照明固定部77はケース本体53の長手方向両側に設けられる。照明固定部77の背面側には、図7(b)、図9に示すように、吐水部材15の照明載せ部43から上方に延びる背面部79が設けられ、背面部79にはねじ孔である被固定部81が形成される。照明固定部77にはねじ等の固定具83が挿通され、固定具83の先端部は被固定部81に螺合等により留められる。照明器17は固定具83により吐水部材15に固定される。
【0034】
以上の照明器17では、図5に示すように、光源45が光を発すると、その光が前壁部59を透過し、その前面が発光する発光面85となる。照明器17は、発光面85の発光により、吐出口31から吐き出される吐水流Wを照射する。照明器17の照射範囲S1は、予め定めた範囲を含むように調整される。照射範囲S1は、本例では、図1に示すように、放物線を描くように吐き出される吐水流Wの頂点P2を上端とし、吐水流Wの浴槽水への着水位置P3を下端として、これらの範囲を含むように調整される。ここでの着水位置P3とは、浴槽210内の浴槽水が予め定めた水位にあるときの吐水流Wの着水位置をいう。照射範囲S1の調整は、外装カバー21の導出口97(後述する)の寸法、ケース本体53に対する発光部材47の相対位置、吐水部材15に対する照明器17の相対位置等の調整により実現される。
【0035】
なお、吐水部材15の後側部分41には、図5図6に示すように、前側部分39と後側部分41の境界位置にて浴槽210内に面する縁端面87が設けられる。縁端面87は後側部分41の左右方向X両側と上側とに設けられる。上側の縁端面87には、図8に示すように、前側に突き出るひさし部89が設けられる。ひさし部89は、ケース本体53の上壁部57の後端65から前側にかけての一部を覆うように設けられる。また、ひさし部89は、図9に示すように、ケース本体53の左右方向両端にある挿入口73より外側にはみ出るように設けられる。
【0036】
図10は装置本体11の斜視図である。
外装カバー21は、装置本体11の前面を構成するカバー前部91と、その側面の一部を構成するカバー側部93と、装置本体11の上面の一部を構成するカバー上部95と、を有する。
【0037】
図11は装置本体11の正面図である。
カバー前部91には導出口97が形成される。導出口97は、吐水部材15の吐出口31や照明器17の発光面85の前方に配置される。導出口97は、吐出口31から吐き出される吐水流Wと干渉しないように、吐出口31より左右方向X両側に広がるように形成される。カバー前部91は、照明器17の一部とともに、吐水部材15の左右方向X両端部15aを、浴槽210内に面する前側から覆うように配置される。
【0038】
カバー上部95は、図5に示すように、吐水部材15の前側部分39とともに、照明器17全体を上側から覆うように配置される。吐水部材15の後側部分41の上面41aとカバー上部95の上面95aとは互いに面一となるように設けられる。カバー側部93は、図示しないが、吐水部材15の前側部分39とともに、照明器17全体を横側から覆うように配置される。
【0039】
外装カバー21と吐水部材15には、図6図8に示すように、それぞれ前後方向Yに対向する合わせ面111、113が設けられる。外装カバー21の合わせ面111(以下、第1合わせ面111という)はカバー側部93やカバー上部95の後端面により構成される。吐水部材15の合わせ面113(以下、第2合わせ面113という)は、吐水部材15の後側部分41の縁端面87により構成される。外装カバー21と吐水部材15は、各合わせ面111、113を突き合わせた状態で組み付けられる。
【0040】
図8に示すように、カバー上部95の第1合わせ面111を含む後端部115には前方に凹む固定溝部117が形成される。固定溝部117には吐水部材15のひさし部89が差し込まれる。固定溝部117へのひさし部89の差し込みにより、これらの間での固定度が高くなる。
【0041】
図6図7に示すように、前側部分39の側部には左右方向X外側に突き出る突辺部119が設けられる。図12(a)は突辺部119とカバー側部93の構成を示す平面断面図であり、図12(b)はこれらを組み合わせた状態を示す図である。突辺部119の前後方向Yの途中位置には被係合部121が設けられる。被係合部121は凹部により構成される。外装カバー21のカバー側部93の内部には、突辺部119と対向する位置に嵌合溝部123が設けられ、被係合部121と対向する位置に係合部125が設けられる。係合部125は凸部により構成される。嵌合溝部123内には突辺部119が嵌め合わされ、被係合部121内には係合部125が嵌め合わされ、これらの係合により外装カバー21が吐水部材15に固定される。
【0042】
外装カバー21の組み付け時、カバー側部93の係合部125は吐水部材15の被係合部121と係合する係合位置にスナップフィットにより配置される。つまり、この組み付け時、突辺部119と係合部125の係合により一対のカバー側部93が押し広げられるように弾性変形し、カバー側部93の係合部125が係合位置まで達すると、復元力により係合部125が被係合部121内に収まるように変位する。外装カバー21は吐水部材15に脱着可能に取り付けられることになる。
【0043】
なお、本図では図示しないが、隙間埋め部材19(図6参照)は、吐水部材15の照明載せ部43と外装カバー21との間の隙間127を埋めるために設けられる。これにより、照明載せ部43と外装カバー21の間に水が溜まり難くなり、そこを衛生的に保てる。
【0044】
図9に示すように、ケース本体53の背壁部61からは、その長手方向の一端寄りの箇所から、発光部材47に給電等するための電気ケーブル129が引き出される。吐水部材15の後側部分41には電気ケーブル129を通すためのケーブル孔131が形成される。ケーブル孔131は、図7に示すように、吐水部材15の左右方向Xの両側に形成される。
【0045】
図13は電気ケーブル129とケーブル孔131を概略的に示す図である。
ケーブル孔131は吐水部材15の下面に開口し、浴槽210の取付面217にはケーブル孔131の開口位置と対向する箇所に引出孔133が形成される。吐水部材15のケーブル孔131と浴槽210の引出孔133内には筒状のケーブルブッシュ135が挿通される。ケース本体53から引き出される電気ケーブル129はケーブルブッシュ135を通して引出孔133から浴槽210の裏面に引き出される。電気ケーブル129は制御装置(図示せず)に接続され、発光部材47は制御装置により制御される。
【0046】
以上の実施形態に係る吐水装置10の動作及び作用効果を説明する。
吐水部材15では、図5に示すように、予め定めた流量の水がポンプから圧送され、その水が吐出口31に送り出され、吐出口31から膜状の吐水流Wとして吐き出される。この吐水流Wには照明器17から照明光が照射される。
【0047】
このとき、入浴者は、図1に示すように、その背中を浴槽210の背側面213に当ててもたれた状態で、枕部材101に頭部を載せてくつろいだ姿勢をとれる。この姿勢で肩や首に吐水流Wがあたり、その吐水流Wにより打たせ湯に似た心地よい刺激が得られる。また、吐水流Wが照射されるため、吐水流Wのかかる手等の身体の一部や着水箇所等が光り、独特の視覚効果を楽しめる。よって、これらが相まって、入浴者にさらなるリラックス効果を与えることが可能となる。特に、入浴者は、頭部の重みを枕部材101にゆだねることができるため、頭部を含めた全身の力を抜いた状態で入浴でき、精神的、肉体的な負担が抑えられ、効果的にリラックス効果を与えられる。また、吐出口31からは美観に優れた膜状の吐水流Wが吐き出されるため、視覚効果を通じてさらなるリラックス効果を与えられる。
【0048】
また、収容ケース49には、図8に示すように、上方から加わる荷重を支持する荷重支持部63として前壁部59や背壁部61が設けられ、収容ケース49に上方から加わる荷重に対して荷重支持部63により効果的に抵抗できる。よって、装置本体11上に枕部材101を挟んで入浴者の頭部を載せて用いる場合のように、リラックス効果を得やすい姿勢で用いる場合でも、収容ケース49に加わる荷重に対する強度、耐久性を荷重支持部63により確保し易くなる。このため、さらなるリラックス効果を与えるのに適した吐水装置10を提供できる。
【0049】
また、発光部材47は、収容ケース49の変形し難い荷重支持部63としての背壁部61に取り付けられる。よって、他の部位に取り付けるよりも発光部材47に負荷が加わり難くなり、照明器17を長寿命化できる。
【0050】
また、ケース本体53の背壁部61は上壁部57及び下壁部55の後端65より前方にずれた位置にてこれらに接続されるため、収容ケース49の全体サイズはそのままにしつつ、上壁部57の他の壁部59、61との接続部間の距離を小さくできる。よって、上壁部57の撓み変形を抑え易くなり、ケース本体53の強度、耐久性が更に向上する。また、ケース本体53の背面側の放熱空間67により放熱性が高められるため、放熱性の確保のために吐水装置10全体を大型化せずともよくなり、装置全体の小型化を図れる。また、背壁部61に発光部材47が取り付けられるため、収容ケース49の全体サイズはそのままにしつつ、光源45を発光面85に近づけることができ、より強い光を吐水流Wに照射できる。
【0051】
また、ケース本体53の横断面形状は線対称となるように形成されるため、以下の利点がある。浴室内の電気配線のレイアウトに対応し易くするうえでは、装置本体11からの電気ケーブル129の引出位置を変えられるとよい。本形態に係る吐水部材15では、左右のケーブル孔131(図7参照)の何れかに電気ケーブル129を通すことで、ケーブル引出位置を変えられる。つまり、ケーブル引出位置を左側にする左勝手の場合と、右側にする右勝手の場合の何れかを選択できる。このとき、本形態に係る照明器17では、ケース本体53を前後方向Yの方向軸周りに反転させて用いるだけで、左勝手、右勝手の何れの場合にも対応できる。また、そのように反転させて用いる場合でも、吐水部材15に対するケース本体53の相対的な位置関係を同じにでき、その位置関係の変化による性能の変化を抑えられる。ここでの性能の変化とは、照明器17による照射範囲S1や、上壁部57の勾配の変化による排水性の変化等である。
【0052】
また、外装カバー21のカバー前部91は照明器17を前側から覆うように配置される。よって、装置本体11上に枕部材101を挟んで入浴者の頭部が載る場合、前側から加わる荷重を外装カバー21のカバー前部91により受けられる。このため、照明器17に直接に負荷が加わり難くなり、照明器17を長寿命化できる。このとき、カバー前部91に前側から加わる荷重は、主として、外装カバー21の第1合わせ面111から吐水部材15の第2合わせ面113を通して、その吐水部材15の後側部分41に伝達される。
【0053】
また、外装カバー21のカバー上部95は照明器17を上方から覆うように配置される。よって、装置本体11上に枕部材101を挟んで入浴者の頭部が載る場合、上側から加わる荷重を外装カバー21のカバー上部95により受けられる。このため、照明器17に直接に負荷が加わり難くなり、照明器17を長寿命化できる。このとき、カバー上部95に加わる荷重は、主として、カバー上部95から吐水部材15のひさし部89を通して、その吐水部材15の後側部分41に伝達される。
【0054】
また、外装カバー21がない場合、照明器17と吐水部材15との境界や、これらと隙間埋め部材19との境界が露出してしまい、その意匠性に影響を及ぼす。この点、本形態では、これらの境界を外装カバー21のカバー前部91やカバー上部95により覆い隠せるため、装置本体11の外観がすっきりとしたものとなり、その意匠性が良好になる。
【0055】
また、装置本体11に衝撃荷重が加えられ、吐水部材15の吐出口31が瞬間的に変形してしまうと、吐出口31から吐き出される吐水流Wの形状が乱れてしまい、その美観を損ないかねない。この点、本形態では、吐水部材15上に照明器17が取り付けられるため、その衝撃荷重を照明器17により吸収できる。よって、そのような衝撃荷重が装置本体11に加えられても、きれいな吐水流Wを吐き出し続けられる。
【0056】
また、吐水部材15の上面と外装カバー21の上面とが互いに面一に設けられる。よって、装置本体11の表面をタオル等で拭くとき、それらの境界に突っかかりがなくなるため、清掃時の作業性が良好になる。
【0057】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0058】
枕部材101は、嵌合凹部103が形成される例を説明したが、その形状は特に限られず、嵌合凹部103がなくともよい。装置本体11は、その上部に枕載置部13が設けられる例を説明したが、その上部に枕載置部13がなくともよい。この場合、装置本体11上に入浴者の頭部を直接に載せてもよい。このときでも、入浴者は装置本体11上に頭部を載せてくつろいだ姿勢をとれ、入浴者にさらなるリラックス効果を与えることが可能となる。
【0059】
吐水部材15は、複数の分割部材により構成されずに、一体成形品により構成されてもよい。吐水部材15は樹脂成形品である例を説明したが、他の金属鋳造品等でもよい。吐出口31は横長なスリット状に形成され、吐出通路33は吐出口31の延びる方向に横長に形成された。これらの形状はこれに限られず、たとえば、円形状等に形成されてもよい。
【0060】
照明器17は吐水部材15上に取り付けられる例を説明したが、吐水部材15の下部に取り付けられてもよい。いずれにしても、吐出口31に対して吐水部材15の上側又は下側に照明器17が取り付けられる。この他に、吐出口31に対して吐水部材15の左右方向の一方又は両方に照明器17が取り付けられてもよい。
【0061】
発光部材47は、光源45の他に回路基板51を含む例を説明したが、光源45のみにより構成されてもよい。発光部材47は、一対の溝部71と回路基板51の側辺部51aとの係合により背壁部61に取り付けられる例を説明した。発光部材47を背壁部61に取り付ける手段はこれに限られず、ねじ、接着等により取り付けられてもよい。
【0062】
ケース本体53は長尺状に形成されていればよく、その形状は特に限られない。ケース本体53は、たとえば、前壁部59を省略して三角形状に形成されてもよい。また、背壁部61は下壁部55及び上壁部57の後端65より前方にずれた位置にてこれらに接続されたが、上壁部57の後端65より前方にずれた位置に接続されつつ、下壁部55の後端65に接続されてもよい。
【0063】
外装カバー21の第1合わせ面111はカバー側部93やカバー上部95の後端面により構成される例を説明した。第1合わせ面111は、この他に、たとえば、カバー前部91の背面により構成されてもよい。この場合、第1合わせ面111と前後方向に対向する吐水部材15の第2合わせ面113は、前側部分39の前面により構成される。
【0064】
外装カバー21は、凸部により構成される係合部125と、凹部により構成される被係合部121との係合により、吐水部材15に脱着可能に取り付けられる例を説明した。係合部125と被係合部121は互いに係合できればよく、係合部125を凹部により構成して被係合部121を凸部により構成してもよいし、両者を凸部により構成してもよい。また、外装カバー21は本発明において必須の構成要件とはならない。
【符号の説明】
【0065】
10 吐水装置、 11 装置本体、 13 枕載置部、 15 吐水部材、 17 照明器、 21 外装カバー、 45 光源、 47 発光部材、 49 収容ケース、 53 ケース本体、 55 下壁部、 57 上壁部、 63 荷重支持部、 65 後端、 101 枕部材、 200 浴槽装置、 210 浴槽。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2018年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内に水を吐き出す吐水口が形成される吐水部材と、前記吐水口から吐き出される吐水流を照射する照明器と、前記吐水部材に取り付けられる外装カバーと、を有する装置本体を備え、
前記外装カバーは、正面から見て、前記照明器の発光面の一部を覆い、かつ、前記発光面の他の部位が露出するように配置されることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記外装カバーは、正面から見て、前記発光面の上端から鉛直方向の一部に亘る範囲を覆うように配置されることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記吐出口は、正面から見て、横長なスリット状に形成され、
前記発光面は、正面から見て、前記吐出口の横幅方向に延在することを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【請求項4】
請求項1〜のいずれかに記載の吐水装置と、
前記吐水装置が取り付けられる浴槽と、を備えることを特徴とする浴槽装置。
【手続補正書】
【提出日】2019年3月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内に水を吐き出す吐水口が形成される吐水部材と、前記吐水口から吐き出される吐水流を照射する照明器と、前記吐水部材に取り付けられる外装カバーと、を有する装置本体を備え、
前記外装カバーは、正面から見て、前記照明器の発光面の一部を覆い、かつ、前記発光面の他の部位が露出するように配置されることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記外装カバーは、正面から見て、前記発光面の上端から鉛直方向の一部に亘る範囲を覆うように配置されることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記吐水口は、正面から見て、横長なスリット状に形成され、
前記発光面は、正面から見て、前記吐水口の横幅方向に延在することを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の吐水装置と、
前記吐水装置が取り付けられる浴槽と、を備えることを特徴とする浴槽装置。