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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-11424(P2020-11424A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/47 20060101AFI20191220BHJP
   G02B 26/12 20060101ALI20191220BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20191220BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   B41J2/47 101M
   G02B26/12
   G03G15/04
   G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-134288(P2018-134288)
(22)【出願日】2018年7月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊作
【テーマコード(参考)】
2C362
2H045
2H076
2H270
【Fターム(参考)】
2C362AA55
2C362AA57
2C362AA64
2C362AA70
2C362BA04
2H045AA01
2H045BA02
2H045CA88
2H045CB35
2H045CB42
2H076AB05
2H076DA06
2H076DA07
2H076DA17
2H076DA32
2H270MA07
2H270MA08
2H270MB33
2H270MB36
2H270MB43
2H270MB45
2H270MB53
2H270PA11
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】 従来、光走査装置の個体差に拘わらず光学シェーディング補正に割り当てる光量レンジが固定されていた。そのため、ドラムシェーディング補正に割り当てる光量レンジも必然的に限定されていた。
【解決手段】 光学シェーディング補正データによって規定される補正光量レンジに応じてドラムシェーディング補正データによる補正光量レンジを切り替えることを可能とすることによって、ドラムシェーディング補正における補正光量レンジを拡張可能とした画像形成装置。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される感光ドラムと、
前記感光ドラムに静電潜像を形成するためのレーザ光を出射する半導体レーザと、前記レーザ光が前記感光ドラムを走査するように前記レーザ光を偏向する偏向手段と、前記偏向手段によって偏向されたレーザ光を前記感光ドラム上に導く光学部材と、前記レーザ光の光量を補正するためのデータであって、前記レーザ光の走査方向における複数の領域にそれぞれ対応付けられた複数のデータを含む第1の補正データを記憶する、不揮発性メモリである第1のメモリと、を備える光走査装置と、
前記レーザ光の光量を補正するためのデータであって、前記レーザ光の走査方向における前記感光ドラム上の複数の領域と前記感光ドラムの回転方向における前記感光ドラム上の複数の領域との両方に対応付けられた複数のデータを含む第2の補正データを記憶し、前記第2の補正データを書き換え可能な第2のメモリと、
前記第1の補正データと前記第2の補正データとに基づいて第3の補正データを生成し、前記第3の補正データに基づいて前記レーザ光を露光位置に応じた光量に補正する制御手段と、を備え、
前記半導体レーザの定格光量に対して割り当てられる量子化ビット数が固定されているとともに、前記半導体レーザの定格光量に対して割り当てられた量子化ビット数の範囲内で前記第3の補正データに対して割り当てられる量子化ビット数は固定されており、
前記制御手段は、前記第1の補正データによって規定される補正光量レンジに基づいて、前記第2の補正データによって補正可能な補正光量レンジを切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の補正データに含まれるデータによって規定される補正光量の最大値と最小値との差分に基づいて前記第2の補正データによって補正可能な補正光量レンジを決定する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の補正データに含まれるデータによって規定される補正光量の最大値と最小値との差分が所定値以下の光走査装置が取り付けられた場合に、前記第2の補正データによって補正可能な補正光量レンジを拡張する処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は記録媒体上にトナーパターンを形成する画像形成装置であって、
オペレータからの前記トナーパターンの濃度に基づく入力を受け付ける操作部を備え、
前記制御手段は、操作部への入力に基づいて前記トナーパターンの濃度に応じて前記第2の補正データを変更することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式で画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転する感光ドラムを帯電装置により帯電し、帯電された感光体を光走査装置により露光することで感光ドラムに静電潜像を形成し、静電潜像をトナーで現像したトナー画像を記録材に転写することで画像形成を行う電子写真方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1は、光走査装置の光学部材に起因する画像の濃度ムラを補正するためにレーザ光の光量をレーザ光の走査方向における露光位置に応じて補正する光学シェーディングと、感光ドラムの光に対する感度ムラに起因する画像の濃度ムラを補正するためにレーザ光の光量を感光ドラム表面の位置に応じて補正するドラムシェーディングと、を実行する画像形成装置を開示している。特許文献1の画像形成装置は、光学シェーディングを実行するための補正データとドラムシェーディングを実行するための補正データを合算してレーザ光の露光位置に応じた光量補正を実行する。光学シェーディングを実行するための補正データは、レーザ光の走査方向における光量変動を示す光量変動データに基づいて生成される。光量変動データは光走査装置組立時に各光走査装置毎に生成され、補正データは当該生成された光量変動データに基づいて光走査装置の不揮発性メモリ(EEPROM)に記憶されている。
【0004】
特許文献2は、光源が出射可能な光量レンジに対して8ビットの量子化データを割り当て、割り当てられた量子化データの範囲内でレーザ光の光量を定格光量の範囲内で可変制御する画像形成装置を開示している。
【0005】
従来、半導体レーザの定格光量に対して画像形成に必要な基準光量のレンジが設定されている。つまり、環境状態、および感光ドラム、帯電装置、現像装置などのプロセスユニット(画像形成部)の状態の経時変化に対して出力画像に濃度変動が生じないように画像形成時のレーザ光の基準光量を調整するが、想定される環境状態の変化量やプロセスユニットの状態の経時変化量を光量して基準光量の調整レンジが設定される。そして、定格光量と基準光量の調整レンジの差分が光学シェーディング補正およびドラムシェーディング補正のシェーディング補正に用いることができる光量レンジとして割り当てられている。シェーディング補正に用いることができる光量レンジには定格光量に対して割り当てられた量子化ビット数の一部が割り当てられており、従来その量子化ビット数は固定であった。画像形成装置のコントローラは、光学シェーディング補正用の補正データとドラムシェーディング補正用の補正データとを演算処理によって合算してシェーディング補正データを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−262485号公報
【特許文献2】特開2008−152091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来、コントローラの演算処理の設計を簡易にするために、光学シェーディング補正に割り当てる光量レンジと、ドラムシェーディング補正に割り当てる光量レンジを固定にしていたため、次のような課題が生じていた。光走査装置の中には光量変動が小さい個体があり、その個体に対しては光学シェーディング補正に割り当てる光量レンジは小さくて良いが、従来、光走査装置の個体差に拘わらず光学シェーディング補正に割り当てる光量レンジが固定されていた。そのため、ドラムシェーディング補正に割り当てる光量レンジも必然的に限定されていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、回転駆動される感光ドラムと、前記感光ドラムに静電潜像を形成するためのレーザ光を出射する半導体レーザと、前記レーザ光が前記感光ドラムを走査するように前記レーザ光を偏向する偏向手段と、前記偏向手段によって偏向されたレーザ光を前記感光ドラム上に導く光学部材と、前記レーザ光の光量を補正するためのデータであって、前記レーザ光の走査方向における複数の領域にそれぞれ対応付けられた複数のデータを含む第1の補正データを記憶する、不揮発性メモリである第1のメモリと、を備える光走査装置と、前記レーザ光の光量を補正するためのデータであって、前記レーザ光の走査方向における前記感光ドラム上の複数の領域と前記感光ドラムの回転方向における前記感光ドラム上の複数の領域との両方に対応付けられた複数のデータを含む第2の補正データを記憶し、前記第2の補正データを書き換え可能な第2のメモリと、前記第1の補正データと前記第2の補正データとに基づいて第3の補正データを生成し、前記第3の補正データに基づいて前記レーザ光を露光位置に応じた光量に補正する制御手段と、を備え、前記半導体レーザの定格光量に対して割り当てられる量子化ビット数が固定されているとともに、前記半導体レーザの定格光量に対して割り当てられた量子化ビット数の範囲内で前記第3の補正データに対して割り当てられる量子化ビット数は固定されており、前記制御手段は、前記第1の補正データによって規定される補正光量レンジに基づいて、前記第2の補正データによって補正可能な補正光量レンジを切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1の補正データ(光学シェーディング補正データ)によって規定される補正光量レンジに応じて第2の補正データ(ドラムシェーディング補正データ)による補正光量レンジを切り替えることを可能とすることによって、ドラムシェーディング補正における補正光量レンジを拡張可能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例における画像形成装置を示す図
図2】本実施例における光走査装置を示す図
図3】本実施例における光走査装置の制御ブロック図
図4】本実施例における1走査周期中中光量制御のタイムチャート
図5】本実施例における光学シェーディング補正の一例を示す図
図6】本実施例におけるドラムシェーディング補正の一例を示す図
図7】本実施例におけるドラムシェーディング設定の操作部画面一例を示す図
図8】本実施例におけるシェーディング補正値の一例を示す図
図9】本実施例における光源の光量割り当て量を示す図
図10】本実施例におけるドラムシェーディング補正光量の割当決定フロー
図11】本実施例における光量補正データの一例
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
(装置全体の構成)
図1は、複数色のトナーを用いて画像形成するデジタルフルカラープリンター(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図2は、図1に示すデジタルフルカラー複写機に備えられるレーザ光出射装置であるところの光走査装置の斜視図である。
【0012】
まず、図1を用いて本実施例の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bkが備えられている。ここでのY、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表している。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。
【0013】
画像形成部101Y、101M、101C、101Bkは、感光体であるところの感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkが備えている。感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkにはそれぞれ不図示のホームポジションマークが設けられている。また、画像形成部101Y、101M、101C、101Bkは、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周りに、帯電装置103Y、103M、103C、103Bk、光走査装置104Y、104M、104C、104Bk、現像装置105Y、105M、105C、105Bkを備えている。また、画像形成部101Y、101M、101C、101Bkは、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周りに、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkを備えている。
【0014】
感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト(以降ITB)107は、駆動ローラ108と従動ローラ109及び110とに張架され、画像形成中は図中の矢印B方向に回転する。また、ITB107を介して、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkに対向する位置には一次転写装置111Y、111M、111C、111Bkが設けられている。また、本実施形態の画像形成装置100は、ITB107上のトナー像を記録媒体Sに転写するための2次転写装置112、記録媒体S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。なお、上記転写装置を画像形成部と区別して記載しているが、転写装置が画像形成装置の一部を構成すると考えても良い。
【0015】
ここで、かかる構成を有する画像形成装置100の帯電工程から現像工程までの画像形成プロセスを説明する。各画像形成部における当該画像形成プロセスは同一であるため、画像形成プロセスについて画像形成部101Yを例にして説明し、画像形成部101M、101C、101Bkにおける画像形成プロセスについては説明を省略する。
【0016】
まず画像形成部101Yの帯電装置103Yにより回転駆動される感光ドラム102Yを帯電する。帯電された感光ドラム102Yは、光走査装置104Yから出射されるレーザ光によって露光される。これにより、回転する感光体102Y上に静電潜像が形成される。その後、該静電潜像は現像装置105Yによってイエローのトナー像が形成される。
【0017】
以下、転写工程以降の画像形成プロセスについて説明をする。一次転写装置111Y、111M、111C、111BkがITB107に転写バイアスを印加することによって各画像形成部の感光ドラム102Y、102M、102C、102Bk上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はそれぞれITB107に転写される。これによってITB107上で各色のトナー像が重ね合わされる。
【0018】
ITB107に4色のトナー像が転写されると、ITB107上に転写された4色トナー像は2次転写装置112にて、手差し給送カセット114または給紙カセット115から搬送されてきた記録媒体S上に再び転写(2次転写)される。そして、記録媒体S上のトナー像は定着装置113で加熱定着され、排紙部116に排紙され、記録媒体S上にフルカラー画像が得られる。
【0019】
なお、転写が終了したそれぞれの感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkは、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkによって残留トナーを除去され、その後、上記の画像形成プロセスが引き続き行われる。
【0020】
(光走査装置)
次に、図2を用いて光走査装置104Y、104M、104C、104Bkの構成を説明する。なお、各光走査装置の構成は同一であるので、以下の説明では色を示す添え字Y、M、C、Bkを省略する。光走査装置104内部には以下で説明する構成による露光制御を行う。
【0021】
まず、レーザ光を発生するレーザ光源201と、レーザ光を平行光に整形するコリメータレンズ202と、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向(感光体の回転方向に対応する方向)へ集光するシリンドリカルレンズ203と、ポリゴンミラー(回転多面鏡)204を備える。また、光走査装置104は、ポリゴンモータ208によって回転駆動されるポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射する走査レンズA205と、走査レンズB206を備える。さらに、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光を検知し、レーザ光の検知に応じて水平同期信号(以下、BD信号)を出力する信号生成手段であるところの光検出センサ(以下、BDセンサ)207を備える。また、ポリゴンモータ208は回転に伴って出力されるFGパルスがPLL回路209に入力され、不図示のCPUから入力される基準クロックと比較した結果を、ポリゴンモータ208を駆動するモータ駆動回路210へ伝達し、モータ駆動回路210はポリゴンモータ208へ駆動電流を供給し、ポリゴンモータ208は一定の速度に回転駆動される。レーザ光は、ポリゴンミラー202によって偏向され、走査レンズを通過することによって感光ドラム上に導かれ、感光ドラム上を感光ドラムの回転軸線方向に略沿った方向に走査する。
【0022】
レーザ光源201は定格光量が規定されている。本実施例のレーザ光源201の定格光量を30mWとする。即ち、本実施例のレーザ光源201は30mWを超えない範囲(0mW〜30mW)で制御される必要がある。
【0023】
(制御ブロック図)
次に、光走査装置による画像形成及び光量制御について説明する。図3は、光走査装置104及び制御部300の構成を示した制御ブロック図である。制御部300は、CPU301、画像処理部302、ROM303、RAM304、操作部305、メモリ306から構成される。ROM303は、CPU301で使用する、画像形成装置100の画像形成動作に関する制御プログラムが格納されている。RAM304は、CPU301の動作に必要な一時データを格納する。画像処理部302は、外部I/Fを経由してコンピュータ等から入力された画像データを変換してラスターデータに変換し、画像信号を生成する。メモリ306は、後述する光量補正で使用するドラムシェーディング補正データが格納されており、ドラムシェーディング補正データは書き換え可能である。
【0024】
画像形成装置100は、ホームポジションセンサ307(HPセンサ)、濃度センサ308、環境センサ309、読取装置310を備える。HPセンサ307は、複数の感光ドラム102それぞれに対して設けられている。HPセンサ307は、感光ドラム102の回転中においてHPマークを検出したことに応じてHP信号を生成し、CPU301に出力する。濃度センサ308は、感光ドラム102表面に対向する位置またはITB107表面に対向する位置に配置されている。濃度センサ308は、画像の濃度を補正するためのトナーパターンを検出し、トナーパターンの濃度に応じた濃度信号をCPU301に出力する。CPU301は、濃度信号に応じて出力画像の濃度を調整すべくレーザ光の光量を制御する。環境センサ309は、少なくとも画像形成装置内部の温度を検出し、検出結果をCPU301に出力する。CPU301は、温度検知結果に応じて出力画像の濃度を調整すべくレーザ光の光量を制御する。環境センサ309は、湿度を検出可能な構成としても良い。読取装置302は、原稿画像を読み取るリーダスキャナである。読取装置302は記録媒体上に形成されたトナーパターンを読み取り可能であり、トナーパターンの濃度に応じた信号をCPU301に出力する。
【0025】
(レーザ光量制御)
次に、レーザ光量制御について説明する。レーザ光源201から出力されたレーザ光の一部が受光素子211に入射する。受光素子211には逆バイアス電圧が印加され、レーザ光の入射光量に応じた電流Ipdが出力される。電流Ipdは電流電圧変換回路212で電圧Vpdに変換され、比較器213に入力される。比較器213は入力された電圧Vpdと目標光量を示す基準電圧Vref1と比較し、比較結果に基づく制御電圧Vapcをサンプル/ホールド(以降S/H)回路214に入力する。S/H回路214はCPU301からのS/H信号に応じて制御電圧Vapcのサンプル動作及びホールド動作を行う。S/H回路214の出力であるVapc’はD/Aコンバータ215(Degital/Analogコンバータ、以降DACとする。)の基準電圧入力端子Vrefに入力される。DAC215はRAM217で決定される設定値に応じて基準電圧Vrefを減じさせた電圧Vdacを生成し、出力する。
【0026】
ここで、濃度センサ308、環境センサ309の出力結果に基づいてレーザ光の目標光量が制御される。本実施例の画像形成装置では、濃度センサ308、環境センサ309の出力結果によって目標光量を示す基準電圧が制御されるものとする。
【0027】
DAC215の出力電圧Vdacに基づき、電圧電流変換回路216はレーザ駆動電流Iを出力する。レーザ駆動電流Iはスイッチング素子218を通してレーザ光源201へ供給される。CPU301からの発光信号もしくは画像処理部302からの画像信号がORゲート220へ入り、ORゲート220の出力信号によりスイッチング素子218がON/OFFされ、レーザ光源201を発光および消灯させる。
【0028】
上記の光量制御を図4のタイムチャートで説明する。図中の制御モード「1.APC」はCPU301が光量を決定する動作である。CPU301は発光信号「ON」、S/H信号「SAMPLE」を出力する。CPU301はRAM217を通じてDAC215をVdac=Vapc’となる光量補正値をRAM217に出力する。以上の制御信号により、レーザ光源201は点灯し、Vrefで決定される光量に制御される。また、その時の制御電圧VapcがS/H回路でサンプルされる。
【0029】
以上の状態において、ポリゴンミラーの回転によりレーザ光がBDセンサに入射すると、RAM217はBD信号が入力されることにより読出しアドレスがリセットされる。BD信号がCPUに入力され、CPUは制御モード「2.露光」に移行する。CPU301は発光信号「OFF」、S/H信号「HOLD」を出力する。これによりS/H回路214は前述の制御モード「1.APC」で決定したVapc’を保持し、DAC215に入力する。一方、RAM217にはCPU301が供給する光量補正データが格納されている。RAM217はBD信号により読出しアドレスがリセットされ、その後クロックにより順次読出しアドレスがインクリメントされることにより、図10のレーザ光走査位置に応じた光量補正データが読み出され、DAC215に入力される。DAC215は、図4の「A.光量補正電圧」で示される電圧波形を生成し、V/I変換回路216に供給する。V/I変換回路216にはDAC216の出力Vdac=Vapc’が入力され、画像処理部からの画像信号がORゲート220を通してスイッチング素子218に入力され、画像信号に応じてスイッチング素子がON/OFFされ、レーザ光源201を発光/消灯する。「B.補正光量」で示される走査位置に応じた光量となる。
【0030】
以上のように制御モード「1.APC」で所望の光量となるVapcを決定し、制御モード「2.露光」で保持されたVapcを光量補正データに基づき、走査位置に応じてVapcを減衰させた信号で駆動電流Iを制御することにより、画像処理部からの画像信号に応じスイッチング駆動するレーザ光源201の光量は走査位置に応じた光量に制御され、感光ドラム102を露光することが可能となる。そして、CPU301はBD信号を基準としたクロック数をカウント後、再度制御モード「1.APC」に移行する。
【0031】
(シェーディング補正)
次に、シェーディング補正について説明する。ここでいうシェーディングとは記録媒体Sに形成される画像の主走査方向の濃度ムラであり、本実施例では光学シェーディングとドラムシェーディングの2つに分ける。
【0032】
光学シェーディングは、光走査装置104の光学特性に起因する画像の濃度ムラである。光走査装置104は、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光を感光ドラム102上に導くレンズやミラーなどの光学部材を備える。レンズの光透過率、走査角、ミラーの反射率がレーザ光の走査方向において完全に一定ではない。そのため、レーザ光源201を一定光量で点灯させた場合、上記光学部材を通過して感光ドラム102の表面上に到達するレーザ光の光量は走査位置に応じて変動する。感光ドラム面上における光量を略均一にするために、レーザ光の走査位置に応じて光量を補正する制御が光学シェーディング補正である。
【0033】
一方、ドラムシェーディングは少なくとも感光ドラム102の表面の位置毎の光に対する感度を示す特性を含む。表面の位置毎の光に対する感度ムラは、感光ドラムの製造時における感光層の厚みムラに起因する。このような感度ムラに起因して画像に濃度ムラが生じる。レーザ光源201を一定光量で点灯させた場合、感度ムラによって帯電装置による帯電部電位と露光部電位とのコントラストが感光ドラム表面の位置毎に異なってしまう。これらの感光ドラム102の感度ムラに起因する濃度ムラの発生を補正するために、感光ドラム102上におけるレーザ光の走査位置(露光位置)に応じて光量を補正する制御がドラムシェーディング補正である。感度ムラを測定したデータは、ドラムカートリッジ(あるいはドラムユニット)に設けられたメモリ(タグ)に記憶されており、CPU301はドラムカートリッジのメモリから感度ムラデータを読み出し、読み出したデータをドラムシェーディング補正データを作成するためのパラメータとする。なお、感度ムラの定義には、帯電装置103の帯電に対する感光ドラム102の表面の感度ムラ、現像装置105の現像ムラ、一次転写装置111と2次転写装置112の転写ムラのパラメータが含まれても良い。
【0034】
以下、光学シェーディング補正とドラムシェーディング補正について詳しく説明する。
【0035】
(光学シェーディング補正)
光学シェーディング分布の一例を図5(a)に示す。横軸は主走査方向の走査位置を表し、縦軸は光走査装置14が感光ドラム面上における光量ムラを表す。中央の走査位置である走査位置0[mm]を光量100[%]とした場合、そこから離れるに従い光量が低下し、走査位置−150[mm]の光量は96%となり、光量低下は最大4[%]である。光学シェーディング補正を実行しない場合、この光学シェーディング特性を有する光走査装置により露光された感光ドラム上には図5(b)で表される電位の潜像が形成される。表面電位が低いほど、現像時にトナーが感光ドラムに多く付着する。この潜像を現像・転写することにより、記録媒体Sに形成される画像の濃度分布は、図5(c)のようになる。
【0036】
次に、この光量ムラ特性を有する光走査装置において、光学シェーディング補正を行う方法を以下に述べる。本実施例においては光量補正データに基づき光量を減衰させる補正を行うため、光量低下が最大となる走査位置を光量の基準として、各走査位置の光量を一定となる様に補正する。具体的な方法を以下に説明する。
【0037】
あらかじめ、光走査装置の組み立て時に図5(a)の光学シェーディング特性を不図示の測定装置によって測定する。測定装置は、例えば、レーザ光の走査方向の複数の領域に光学部材によって導かれたレーザ光を受光する受光センサを備えており、受光センサの結果に基づいて図5(a)のような光学シェーディング特性を得る。そして、測定装置は、図5(a)の光学シェーディング特性に基づいて図5(d)の光量補正データを生成し、不揮発性メモリ219に格納しておく。画像形成時は、CPU301が図3の光走査装置104に搭載される不揮発性メモリ219に格納されている走査位置ごとあるいは走査領域ごとに対応付けられた光学補正データをRAM217に格納し、1走査周期内においてBD信号を起点としてクロックごとに走査位置に対応した光学補正データをDAC217に供給することで、走査位置に応じてレーザ光源201の光量を図5(e)のように減衰させる(光学シェーディング補正)。この結果、感光ドラムを照射する光量のムラは図5(f)のように補正され、感光ドラム上には理想的には図5(g)で表されるフラットな電位の潜像が形成される。この潜像を現像・転写することにより、図5(h)のように濃度ムラを抑えた画像形成が可能となる。
【0038】
図5(d)の光量補正データについて更に詳しく説明する。図5(d)に示される「走査位置」は主走査方向の位置を示している。上記複数の領域は「走査位置」の間の領域を指す。つまり、図5(d)において「走査位置」を11ポイント設けているため、「走査領域」は10領域に分割されていることになる。各走査領域における補正データは、それを挟む走査位置の補正データから線形補間することによって生成される。具体的には、CPU301がBD信号を起点に内部カウンタを動作させる。CPU301は、カウンタ値に応じて線形補間の重みづけを変更する。
【0039】
(ドラムシェーディング補正)
次にドラムシェーディングの一例を図6(i)に示す。光学シェーディング補正を行った状態で濃度が一様の画像データで画像形成し、記録媒体Sに形成される画像の濃度分布が図6(i)のようになる場合、レーザ露光以外の画像形成プロセスによる濃度ムラが発生している。この記録媒体Sの濃度分布を図6(a)で示す。走査位置−150[mm]を光量100[%]とした場合、そこから離れるに従い濃度が低下し、走査位置+150[mm]の濃度は96[%]となり、4[%]の濃度低下を表している。このドラムシェーディング特性を有する画像形成プロセスにより、感光ドラム上には図6(b)で表される電位の潜像が形成される。
【0040】
次に、この濃度ムラ特性を有する画像形成プロセスにおいて、ドラムシェーディング補正を行う方法を以下に述べる。あらかじめ、ドラムシェーディング特性より光量補正データを生成し、不揮発性メモリ306に格納しておく。この光量補正データの生成方法を以下に説明する。
【0041】
前述の光学シェーディング補正を適用した状態で、図6(c)のような濃度ムラ測定のための濃度が一様な画像(トナーパターン)を記録媒体Sに画像形成する。画像形成した記録媒体Sは図6(d)のような濃度分布になる。オペレータは、これを不図示の濃度計等で測定するか、目視などによって濃度ムラを把握する。そして、オペレータは、図3の操作部305に不図示のテンキー等で図7のように測定結果を入力する。CPU301が図6(e)のように走査領域ごとの光量補正データを生成し、不揮発性メモリ306に格納する。画像形成時、CPUはメモリ306のデータをRAM217に格納し、BD信号を起点としてクロックごとにDAC217に供給することで、走査位置に応じてレーザ光源201の光量を図6(f)のように減衰させ、ドラムシェーディング補正を行う。この結果、感光ドラム上には図6(h)で表されるフラットな電位の潜像が形成される。この潜像を現像・転写することにより、図6(j)のように濃度ムラを抑えた画像形成が可能となる。なお、トナーパターンをリーダスキャナ(読取装置)によって読み取り、読取結果に基づいてCPU301がドラムシェーディング特性を取得するようにしても良い。
【0042】
図6(f)の光量補正データについて更に詳しく説明する。図6(f)に示される「走査位置」は主走査方向の位置を示している。上記複数の領域は「走査位置」の間の領域を指す。つまり、図6(f)において「走査位置」を11ポイント設けているため、「走査領域」は10領域に分割されていることになる。各走査領域における補正データは、それを挟む走査位置の補正データから線形補間することによって生成される。具体的には、CPU301がBD信号を起点に内部カウンタ(主走査カウンタ)を動作させる。CPU301は、主走査カウンタのカウンタ値に応じて線形補間の重みづけを変更する。
【0043】
感光ドラム102上の表面は主走査方向だけでなく、感光ドラムの回転方向(副走査方向)にも複数の領域に分割されている。本実施例では、副走査方向において感光ドラムの表面が10の領域に分割されているものとする。したがって、ドラムシェーディング補正データはマトリックス状の100領域(10領域×10領域)のそれぞれに対して補正データが設定されている。CPU301は、ホームポジション信号を起点に内部カウンタ(副走査カウンタ)を動作させる。CPU301は、主走査カウンタと副走査カウンタのカウント値に基づいて、それぞれのカウント値によって規定される領域の補正データを読み出す。
【0044】
本実施例では、図5(d)と図6(f)に示す走査位置が一致している装置を例示したが、補正精度を光量して走査位置はそれぞれ任意に設定して良い。
【0045】
ここで、本実施例の画像形成装置において、レーザ光源201の定格光量30mWに対して10bitのメモリ容量(量子化ビット数)が割り当てられている。即ち、10bitのメモリ容量を割り当てることによって1024段階の光量制御が可能となり、1段階あたりの光量制御量(補正量)は0.0293mWとなる。なお、定格光量に対して割り当てられるメモリ容量は、10bitに限定されるものではなく、8bit以上であれば良い。
【0046】
図9に示すように、本実施例において基準光量には定格光量の90%が割り当てられる。即ち、基準光量を1024段階のうち922段階に制御することができる。図3に示すVrefは、922段階で制御される。そして、残りの10%の光量(102段階)がシェーディング補正に割り当てられる。
【0047】
光走査装置104の不揮発性メモリ219に記憶された光学シェーディング補正データに基づく光量補正量は光走査装置の個体に応じて異なる。最も光学シェーディング補正の光量レンジを広くとる必要がある個体の光学シェーディング特性における光量差が4%であるとする。この光走査装置は1.2mWのレンジでレーザ光の走査方向において光量を変動させる必要がある。そして、1.2mWのレンジを補正するためには光学シェーディング補正データに基づく光量補正が41段階でなされる必要がある。そして、残りの61段階がドラムシェーディング補正データに基づく光量補正レンジに割り当てられる。従来、最も光学シェーディング補正の光量レンジを広くとる必要がある個体の光学シェーディング特性に合わせて、すべての個体に対する光量補正レンジに対して41段階を割り当てていた。
【0048】
しかしながら、光走査装置の個体の中には光学シェーディング特性における光量差が小さいものも含まれている。例えば、光学シェーディング特性における光量差が2%の光走査装置は0.6mWのレンジでレーザ光の走査方向において光量を変動させる必要がある。そして、0.6mWのレンジを補正するためには光学シェーディング補正データに基づく光量補正レンジは21段階設ければ十分である。光学シェーディング特性は経時変化しない前提であるため、光学シェーディング補正に割り当てられた41段階の中の20段階の光量補正レンジは従来使用されていなかった。
【0049】
そこで、本実施例の画像形成装置におけるCPU301は、光学シェーディング補正に対して不要となった残りの20段階の光量補正レンジをドラムシェーディング補正の光量補正レンジに割り当てる。具体的には、光学シェーディング特性における光量差が2%の光走査装置が取り付けられた画像形成装置のCPU301は、ドラムシェーディング補正に対して81段階での光量補正レンジを割り当てる。一方、光学シェーディング特性における光量差が4%の光走査装置が取り付けられた画像形成装置のCPU301は、ドラムシェーディング補正に対して41段階での光量補正レンジを割り当てる。そのため、光学シェーディング補正の補正光量レンジが最大値未満の光走査装置におけるドラムシェーディング補正の補正光量レンジを拡張することができ、感光ドラムを延命して使用することが可能となる。なお、光学シェーディング補正の補正光量レンジはレーザ光の走査方向における最大光量(最大値)と最小光量(最小値)との差分によって規定される。
【0050】
CPU301は、光学シェーディング補正に割り当てられる光量レンジの最大値に対して光学シェーディング補正の光量レンジの幅が50%以下(所定値以下)の光走査装置が取り付けられた画像形成装置に対して、ドラムシェーディング補正に割り当てる補正光量レンジの拡張処理を実行する。
【0051】
(光学シェーディング補正とドラムシェーディング補正)
以上のようにして得られた図5(d)の光学シェーディング補正値と図6(e)のドラムシェーディング補正値を走査位置ごとに加算した総合シェーディング補正値(図8)を生成し、RAM217に格納して光量補正を行うことで、光学シェーディングとドラムシェーディングによる濃度ムラのない画像形成が可能となる。
【0052】
図10はドラムシェーディング補正光量の割り当て決定フローである。まずCPU301が光走査装置光学104の不揮発性メモリ219に予め格納されている光学シェーディング補正に用いる補正データを読み込む(S001)。次に、光学シェーディング補正の補正光量レンジとして、レーザ光の走査方向における各位置のうち最大光量と最小光量との差分X(S002)を検出する。次に、ドラムシェーディング補正の補正光量レンジYをY=L−Xより求める(S003)。
【0053】
以上のように構成することで、シェーディング補正に割り当てられた光量と光学シェーディング補正に用いる補正光量レンジに応じてドラムシェーディング補正に割り当てる補正光量レンジを変更することが可能となり、ドラムシェーディング補正が感光ドラムの使用が進んで位置毎の光に対する感度差が増加しても、ドラムシェーディングによる濃度ムラの発生を補正することができる。
【0054】
なお、本実施例においてドラムシェーディングが6[%]を超過したとき、すなわちX+Y>10[%]となった場合はレーザ露光以外の画像形成プロセス、すなわち帯電装置103、感光ドラム102、現像装置105、一次転写装置111と2次転写装置112のうち1つ以上が寿命に達したとCPU301は判断し、操作部305の画面に交換を促す表示を行う。
【符号の説明】
【0055】
102 感光ドラム
104 光走査装置
201 レーザ光源
211 受光素子
204 ポリゴンミラー
208 ポリゴンモータ
209 PLL回路
210 モータ駆動回路
211 受光素子
212 電流電圧変換回路
213 比較器
214 サンプル/ホールド回路
215 D/Aコンバータ
216 電圧電流変換回路
217 RAM(光量補正データ)
218 スイッチング素子
219 不揮発性メモリ
301 CPU
302 画像処理部
303 ROM
304 RAM
305 操作部
306 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11