特開2020-12348(P2020-12348A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-12348推定装置、学習モデル、コンピュータプログラム、仮設トイレ、及びサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-12348(P2020-12348A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】推定装置、学習モデル、コンピュータプログラム、仮設トイレ、及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20191220BHJP
   A47K 11/00 20060101ALI20191220BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   E03D9/00 Z
   A47K11/00 113
   A47K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-137146(P2018-137146)
(22)【出願日】2018年7月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】森川 岳生
【テーマコード(参考)】
2D036
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D036AA02
2D036BA31
2D036CA05
2D036DA00
2D037EA00
2D038KA21
2D038ZA00
(57)【要約】
【課題】推定装置、学習モデル、コンピュータプログラム、仮設トイレ、及びサーバ装置の提供。
【解決手段】仮設トイレに設けられた貯留槽内の排泄物の量を推定する推定装置であって、貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データが入力される入力部と、入力部を通じて入力される前記検知センサからの出力データに基づき、貯留槽内の排泄物の量を推定する推定部と、推定部により推定された排泄物の量が設定値以上である場合、排泄物の回収要求を出力する出力部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設トイレに設けられた貯留槽内の排泄物の量を推定する推定装置であって、
前記貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データが入力される入力部と、
該入力部を通じて入力される前記検知センサからの出力データに基づき、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定部と、
該推定部により推定された排泄物の量が設定値以上である場合、前記排泄物の回収要求を出力する出力部と
を備える推定装置。
【請求項2】
前記検知センサは、前記貯留槽内を撮像する撮像センサであり、
前記出力データは、前記撮像センサが出力する画像データを含む
請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記検知センサは、前記貯留槽内の臭気を検知する臭気センサであり、
前記出力データは、前記臭気センサが出力する臭気の量又は成分に係るデータを含む
請求項1又は請求項2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記検知センサからの出力データと、前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データを用いて、前記出力データと前記貯留槽内の排泄物の量との関係を学習した学習モデル
を備え、
前記推定部は、前記出力データを前記学習モデルへ入力して前記貯留槽内の排泄物の量を推定する
請求項1から請求項3の何れか1つに記載の推定装置。
【請求項5】
前記設定値の変更を受付ける受付部
を備え、
前記受付部にて前記設定値の変更を受付けた場合、前記出力部は、前記推定部により推定された排泄物の量が変更後の設定値以上である場合に、前記排泄物の回収要求を出力する
請求項1から請求項4の何れか1つに記載の推定装置。
【請求項6】
前記推定部により推定した排泄物の量が満杯である場合、満杯である旨を報知する報知部
を備える請求項1から請求項5の何れか1つに記載の推定装置。
【請求項7】
太陽電池を備え、
該太陽電池から供給される電力によって作動するように構成してある請求項1から請求項6の何れか1つに記載の推定装置。
【請求項8】
仮設トイレが備える貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データが入力される入力層、
前記出力データと前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した中間層、及び
前記貯留槽内の排泄物の量を示す推定結果を出力する出力層
を備え、
前記入力層に入力される前記検知センサからの出力データに基づき、前記中間層で演算し、前記排泄物の量を示す推定結果を前記出力層から出力する処理に用いられる学習モデル。
【請求項9】
コンピュータに、
仮設トイレの貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データと、前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した学習モデルへ、新たに取得した前記検知センサからの出力データを入力し、
前記学習モデルから前記貯留槽内の排泄物の量に係る推定結果を取得する
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
排泄物を貯留する貯留槽を備えた仮設トイレであって、
前記貯留槽内の状態を検知する検知センサと、
該検知センサからの出力データと、前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した学習モデルと、
前記検知センサからの出力データを前記学習モデルに入力し、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定部と、
該推定部による推定結果を外部装置へ送信する送信部と
を備える仮設トイレ。
【請求項11】
分散配置された複数の仮設トイレの夫々に設置されており、仮設トイレが備える貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データに基づいて、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定装置と通信可能であり、
前記排泄物の量が設定値以上である場合に前記推定装置から出力される前記排泄物の回収要求と、前記推定装置が設置されている仮設トイレを特定する情報とを、前記推定装置との通信により取得する取得部と、
該取得部にて取得した回収要求を、前記仮設トイレを特定する情報と共に出力する出力部と
を備えるサーバ装置。
【請求項12】
前記取得部は、各仮設トイレが備える貯留槽内の排泄物の量に係る推定結果を、前記推定装置との通信により取得し、
前記出力部は、仮設トイレ毎の推定結果を一覧にて出力する
請求項11に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記複数の仮設トイレは、イベントに応じて所定エリア内に分散して配置されており、
前記仮設トイレが配置されている場所の位置情報に基づき、各仮設トイレにおける排泄物の量に係る推定結果を前記所定エリアの地図上に重畳した地図データを生成する地図データ生成部
を備える請求項12に記載のサーバ装置。
【請求項14】
イベント毎に、各仮設トイレにおける排泄物の量に係る推定結果の履歴を記憶する記憶部
を備える請求項12に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記推定結果の履歴、又は仮設トイレ毎の回収要求の回数に基づき、推奨する仮設トイレの増設場所に係る情報を生成する第1情報生成部
を備え、
前記出力部は、前記第1情報生成部によって生成された増設場所に係る情報を出力する
請求項14に記載のサーバ装置。
【請求項16】
前記推定結果の履歴、又は仮設トイレ毎の回収要求の回数に基づき、各仮設トイレにおける混雑度合いに係る情報を生成する第2情報生成部
を備え、
前記出力部は、前記第2情報生成部によって生成された混雑度合いに係る情報を出力する
請求項14に記載のサーバ装置。
【請求項17】
各仮設トイレが備える貯留槽内の排泄物を回収するための回収経路を設定する経路設定部
を備える請求項11から請求項16の何れか1つに記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、学習モデル、コンピュータプログラム、仮設トイレ、及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベント会場、マラソンコース、工事現場、災害避難所などにおいて、トイレが常設されていない場所に、一時的に設置される仮設トイレが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−317106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の仮設トイレにおいて、貯留槽に貯留されている排泄物の量を把握することは困難であり、効率良く排泄物を回収することは困難であった。
【0005】
本発明は、仮設トイレが備える貯留槽内の排泄物の量を推定し、推定した排泄物の量が設定値以上の場合に回収を促すことができる推定装置、学習モデル、コンピュータプログラム、仮設トイレ、及びサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る推定装置は、仮設トイレに設けられた貯留槽内の排泄物の量を推定する推定装置であって、前記貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データが入力される入力部と、該入力部を通じて入力される前記検知センサからの出力データに基づき、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定部と、該推定部により推定された排泄物の量が設定値以上である場合、前記排泄物の回収要求を出力する出力部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る学習モデルは、仮設トイレが備える貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データが入力される入力層、前記出力データと前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した中間層、及び前記貯留槽内の排泄物の量を示す推定結果を出力する出力層を備え、前記入力層に入力される前記検知センサからの出力データに基づき、前記中間層で演算し、前記排泄物の量を示す推定結果を前記出力層から出力する処理に用いられる。
【0008】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、仮設トイレの貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データと、前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した学習モデルへ、新たに取得した前記検知センサからの出力データを入力し、前記学習モデルから前記貯留槽内の排泄物の量に係る推定結果を取得する処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係る仮設トイレは、排泄物を貯留する貯留槽を備えた仮設トイレであって、前記貯留槽内の状態を検知する検知センサと、該検知センサからの出力データと、前記貯留槽内の排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データに基づき、前記出力データと前記排泄物の量との関係を学習した学習モデルと、前記検知センサからの出力データを前記学習モデルに入力し、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定部と、該推定部による推定結果を外部装置へ送信する送信部とを備える。
【0010】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、分散配置された複数の仮設トイレの夫々に設置されており、仮設トイレが備える貯留槽内の状態を検知する検知センサからの出力データに基づいて、前記貯留槽内の排泄物の量を推定する推定装置と通信可能であり、前記排泄物の量が設定値以上である場合に前記推定装置から出力される前記排泄物の回収要求と、前記推定装置が設置されている仮設トイレを特定する情報とを、前記推定装置との通信により取得する取得部と、該取得部にて取得した回収要求を、前記仮設トイレを特定する情報と共に出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本願によれば、仮設トイレが備える貯留槽内の排泄物の量を推定し、推定した排泄物の量が設定値以上の場合に回収を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る推定装置を説明する模式的説明図である。
図2】実施の形態1に係る推定装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1における学習モデルの構成例を示す模式図である。
図4】実施の形態1に係る推定装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図5】推定装置及びサーバ装置を含むネットワーク構成を示す模式図である。
図6】サーバ装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図7】実施の形態2に係る推定装置及びサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図8】管理テーブルの一例を示す概念図である。
図9】サーバ装置が生成する地図データの一例を示す模式図である。
図10】学習モデルの生成手順を説明するフローチャートである。
図11】サーバ装置にて生成される一覧表の一例を示す模式図である。
図12】実施の形態5に係るサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図13】実施の形態6に係るサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る推定装置1を説明する模式的説明図である。実施の形態1に係る推定装置1は、例えば、イベント会場、マラソンコース、工事現場、災害避難所などに設置される仮設トイレ2に対して設けられる。推定装置1は、仮設トイレ2が備える貯留槽23内に貯留されている排泄物の量を推定し、推定した排泄物の量が設定値以上である場合、排泄物の回収要求を出力する機能を有する。
【0014】
仮設トイレ2は、トイレ室を形成する仮設ブース21と、トイレ室内に設置される便器22と、便器22の下方に設けられ、排泄物を貯留する貯留槽23とを備える。仮設ブース21の正面には、使用者が出入りするための開閉ドア24が設けられている。なお、図1に示す便器22は、洋式トイレの便器を示しているが、和式トイレの便器であってもよく、男性用トイレの便器であってもよい。
【0015】
貯留槽23には、槽内の状態を検知するためのセンサユニット110が設けられている。センサユニット110が備える検知センサの一例は、貯留槽23の内部空間を上方から撮像する撮像センサ111(図2を参照)である。センサユニット110は、有線又は無線により推定装置1に接続されており、検知センサからの出力データを推定装置1へ出力する。
【0016】
推定装置1は、仮設ブース21の内側又は外側の適宜箇所に設置される。図1では、仮設ブース21の上面に推定装置1を設置した例を示している。推定装置1は、センサユニット110からの出力データに基づき、貯留槽23内に貯留されている排泄物の量を推定し、推定した排泄物の量が設定値以上である場合、排泄物の回収要求を出力する。
【0017】
推定装置1には、有線又は無線により表示装置140が接続されている。表示装置140は、例えば開閉ドア24の外向きの面に設置される。推定装置1は、排泄物の回収要求を表示装置140に表示させることが可能である。また、推定装置1は、排泄物の量に係る推定結果を表示装置140に表示させてもよく、貯留槽23が排泄物で満杯となった場合に、その旨を表示装置140に表示させてもよい。また、表示装置140に表示させる構成に代えて、音声にて報知する構成であってもよい。
【0018】
推定装置1は、排泄物の回収要求及び推定結果等の情報を外部へ送信するために、通信部15(図2を参照)を備える。推定装置1は、仮設トイレ2の状態を管理しているサーバ装置3(図5を参照)を宛先として、通信部15より情報を送信することができる。また、推定装置1は、仮設トイレ2を管理している管理会社の作業員、排泄物を回収する回収業者の作業員等(以下、作業員等と記載)が利用している端末装置を宛先として、情報を送信することにより、排泄物の回収要求及び推定結果を作業員等に通知してもよい。
【0019】
また、仮設トイレ2は、推定装置1、センサユニット110、及び表示装置140を駆動するための電力を供給する電源である太陽電池5を備える。太陽電池5は、例えば、フィルム状の基板に光電変換層を形成した構造を有するフレキシブル太陽電池である。フレキシブル太陽電池の一例は、色素増感太陽電池である。色素増感太陽電池は、低照度の環境であっても高出力が得られ、意匠性に優れるといった特徴を有する。このような太陽電池5は、例えば、仮設ブース21の上面及び背面に跨がるように折り曲げて配置され得る。
【0020】
なお、色素増感太陽電池に限らず、ペロブスカイト型、CIGS型(CIGS : Cu-In-Ga-Se型)、アモルファスシリコン型の太陽電池を用いてもよい。また、電源は太陽電池5に限定されず、リチウムイオン電池などの二次電池を単独又は太陽電池5と組み合わせて使用する構成であってもよい。
【0021】
図2は実施の形態1に係る推定装置1の制御系の構成を示すブロック図である。推定装置1は、汎用又は専用のコンピュータにより構成されており、入力部11、制御部12、記憶部13、出力部14、通信部15、及び操作部16を備える。
【0022】
入力部11は、センサユニット110を接続する入力インタフェースを備える。入力部11とセンサユニット110との間の接続は有線であってもよく、無線であってもよい。入力部11には、センサユニット110から出力される出力データが入力される。センサユニット110は、例えば、貯留槽23の内部に設けられ、貯留槽23の内部空間を上方から撮像する撮像センサ111を備える。撮像センサ111は、複数の画素から構成され、各画素がRGB各色の階調値によって表されるフレーム単位のデータ(画像データ)を出力する。入力部11は、撮像センサ111から出力される画像データが入力された場合、入力された画像データを制御部12へ出力する。
【0023】
センサユニット110は、撮像センサ111に加え、臭気センサ112、重量センサ113、測距センサ114、赤外線センサ115、静電容量センサ116等を備えてもよい。臭気センサ112は、貯留槽23内の臭気の量又は成分を検知するためのセンサであり、検知した臭気の量又は成分に関するデータを推定装置1へ出力する。重量センサ113は、貯留槽23の底面に掛かる荷重を検知するためのセンサであり、検知した荷重の値を示すデータを推定装置1へ出力する。測距センサ114は、貯留槽23の上面に取り付けられ、センサから貯留槽23に貯留されている排泄物までの距離を計測することによって、貯留槽23に貯留されている排泄物の高さを計測する超音波センサなどのセンサである。測距センサ114は、計測した測距データを推定装置1へ出力する。赤外線センサ115は、赤外線を用いて貯留槽23の内部空間を上方から撮像する撮像センサの一種であり、得られた画像データを推定装置1へ出力する。静電容量センサ116は、貯留槽23の内面に複数設置され、排泄物との接触状態を検知するためのセンサである。静電容量センサ116は、検知結果を示すデータを推定装置1へ出力する。
【0024】
本実施の形態では、センサユニット110が各種センサ111〜116を備える構成としたが、これら全てのセンサを備えている必要はなく、選択した何れか1つのセンサ若しくは複数のセンサを備える構成であればよい。また、センサユニット110が備えるセンサは、上記のセンサに限定されるものではなく、貯留槽23の内部状態を検知できるのであれば、温度センサ、湿度センサ等の任意のセンサを単独で使用してもよく、上述のセンサ111〜116と組み合わせて使用してもよい。
【0025】
以下では、説明を簡略化するために、撮像センサ111から出力される画像データに基づき、貯留槽23内の排泄物の量を推定する構成について説明するが、他のセンサ112〜116から選択した1つの出力データ、又はセンサ111〜116から選択した複数の出力データの組み合わせを用いて、貯留槽23内の排泄物の量を推定する構成であってもよい。
【0026】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部12が備えるROMには、推定装置1が備えるハードウェア各部の動作を制御するためのコンピュータプログラム等が記憶される。制御部12内のCPUは、ROM又は記憶部13に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、ハードウェア各部の動作を制御することによって、貯留槽23内の排泄物の量を推定する処理を実現する。制御部12が備えるRAMには、演算の実行中に利用されるデータが一時的に記憶される。
【0027】
制御部12は、CPU、ROMおよびRAMを備える構成としたが、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、量子プロセッサ、揮発性または不揮発性のメモリ等を備える1又は複数の演算回路であってもよい。また、制御部12は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0028】
記憶部13は、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などのメモリを備える。記憶部13には、制御部12によって実行されるコンピュータプログラム、及び学習モデル130が記憶される。
【0029】
記憶部13に記憶されるコンピュータプログラムは、撮像センサ111が出力するデータを取得し、学習モデル130を用いて、貯留槽23内の排泄物の量を推定する処理を推定装置1に実行させるための推定処理プログラムを含む。この推定処理プログラムを制御部12が実行することによって、推定装置1を本願の推定装置として機能させる。
【0030】
記憶部13に記憶されるコンピュータプログラムは、このコンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体M1により提供されてもよい。記録媒体M1は、例えば、CD−ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。制御部12は、不図示の読取装置を用いて記録媒体M1から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部13にインストールする。
【0031】
記憶部13に記憶される学習モデル130は、センサユニット110からの出力データに基づき、貯留槽23内の排泄物の量を推定する処理に用いられる学習モデルである。学習モデル130は、その定義情報によって記述される。学習モデル130の定義情報は、学習モデル130の構造情報、学習モデル130で用いられるノード間の重み及びバイアスなどの各種パラメータ等を含む。本実施形態では、センサユニット110が出力する出力データと、貯留槽23内の排泄物の量を示すラベルデータとを教師データとして、所定の学習アルゴリズムによって予め学習された学習モデル130が記憶部13に記憶される。
【0032】
制御部12は、記憶部13に記憶されている推定処理プログラムを実行し、入力部11を通じて入力される撮像センサ111からの出力データ(本実施の形態では、画像データ)を学習モデル130に与えることによって、学習モデル130から排泄物の量に関する推定結果を取得する。
【0033】
出力部14は、学習モデル130による推定結果を出力する出力インタフェースを備える。出力部14には液晶パネル又は有機EL(Electro-Luminescence)パネル等を備えた表示装置140が接続される。推定結果の出力形式は任意であり、学習モデル130による推定結果をそのまま出力部14から出力してもよく、推定結果を基に制御部12によって生成されたデータを出力部14から出力してもよい。例えば、出力部14は、排泄物の量を数値情報として表示させるための表示データを表示装置140へ出力することができる。ここで、排泄物の量を表す数値情報は、貯留槽23の容量に対して排泄物が占める割合であってもよく、重量又は体積に換算した値であってもよい。また、出力部14は、排泄物の量を文字情報として表示させるための表示データを表示装置140へ出力してもよい。排泄物の量を表す文字情報は、貯留槽23における排泄物の収用状態を表す語句(例えば、「満杯」、「余裕あり」などの語句)であってもよく、貯留槽23内の排泄物の多寡を表す語句(例えば、「多い」、「少ない」などの語句)であってもよい。更に、出力部14は、推定した排泄物の量が予め設定した設定値を超える場合にのみ、排泄物の回収を要求する旨の警告情報を出力する構成としてもよい。更に、出力部14は、排泄物の量をアイコンなどの図柄によって表示させるための表示データを表示装置140へ出力してもよい。
【0034】
本実施の形態では、推定装置1の出力部14に表示装置140を接続する構成としたが、推定装置1と表示装置140とが一体の構成であってもよい。また、出力部14に表示装置140を接続する構成に代えて、LED(Light Emitting Diode)により構成されるレベルメータを接続する構成としてもよい。出力部14にレベルメータが接続されている場合、出力部14は、貯留槽23の容量に対して排泄物が占める割合をN段階(N≧2)でレベルメータに表示させるための表示データを出力してもよい。
【0035】
通信部15は、各種データを送受信する通信インタフェースを備える。通信部15が備える通信インタフェースは、例えば、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、その他の無線LAN(Local Area Network)、並びに、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に準じた無線通信インタフェースである。また、通信部15は、RS−232C、USB(Universal Serial Bus)等の有線の通信インタフェースを備えていてもよい。通信部15から外部へ送信するデータは、学習モデル130による推定結果、回収要求等を含む。通信部15は、学習モデル130による推定結果、回収要求等をサーバ装置3又は作業員等の携帯端末へ送信することによって、仮設トイレ2の使用状況を作業員等に通知することができる。
【0036】
操作部16は、各種操作ボタン、スイッチ、タッチパネル等の入力インタフェースを備えており、各種の操作情報及び設定情報を受付ける。制御部12は、操作部16から入力される操作情報に基づき適宜の制御を行い、必要に応じて設定情報を記憶部13に記憶させる。
【0037】
図3は実施の形態1における学習モデル130の構成例を示す模式図である。学習モデル130は、深層学習を含む機械学習の学習モデルであり、例えばニューラルネットワークにより構成されている。学習モデル130は、入力層130A、中間層130B、及び出力層130Cを備える。なお、図3の例では、中間層130Bを2つ記載しているが、中間層130Bの数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0038】
入力層130A、中間層130B、及び出力層130Cには、1つ又は複数のノードが存在し、各層のノードは、前後の層に存在するノードと一方向に所望の重み及びバイアスで結合されている。入力層130Aのノードの数と同数の成分を有するベクトルが、学習モデル130の入力データとして与えられる。例えば、撮像センサ111から出力される画像データを入力とする場合、画像データを構成する各画素の画素値が入力層130Aのノードに与えられる。また、入力層130Aにデータを与える前に、畳み込みフィルタを含む適宜のフィルタを画像データに適用し、フィルタを適した後に得られる各画素の画素値を入力層130Aに与えてもよい。
【0039】
入力層130Aの各ノードに与えられたデータは、最初の中間層130Bに与えられる。その中間層130Bにおいて重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出され、算出された値が次の中間層130Bに与えられ、以下同様にして出力層130Cの出力が求められるまで次々と後の層に伝達される。なお、ノード間を結合する重み、バイアス等の各種パラメータは、所定の学習アルゴリズムによって学習される。各種パラメータを学習する学習アルゴリズムには、例えば深層学習の学習アルゴリズムが用いられる。入力データとして、撮像センサ111から出力される画像データを用いる場合、撮像センサ111からの画像データと、排泄物の量を示すラベルデータとを含む教師データを用いて学習が行われる。
【0040】
出力層130Cは、貯留槽23内の排泄物の量を示す推定結果を出力する。出力層130Cによる推定結果の出力形態は任意である。例えば、出力層130Cを第0ノードから第10ノードまでの11個のノードで構成し、貯留槽23の容量に対して排泄物の占める割合が0%である確率を第0ノードから出力し、同様に10%である確率、20%である確率、…、100%である確率を、それぞれ第1ノード、第2ノード、…、第10ノードから出力する。出力層130Cを構成するノードの数、及び各ノードから出力する内容は、上記に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
【0041】
図4は実施の形態1に係る推定装置1が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。推定装置1の制御部12は、記憶部13に記憶されている推定処理プログラムを実行することにより、以下の推定処理を実行する。推定処理の実行タイミングは、例えば定期的なタイミングであってもよく、センサユニット110が備える各種センサによって排泄物の増加が検知されたタイミングであってもよい。
【0042】
制御部12は、まず、撮像センサ111から出力される画像データを、入力部11を通じて取得する(ステップS101)。
【0043】
次いで、制御部12は、取得した画像データを学習モデル130の入力層130Aに与えることによって、画像データから排泄物の量を推定する推定処理を実行する(ステップS102)。入力層130Aの各ノードには、例えば画像データを構成する各画素の画素値のデータが与えられる。入力層130Aの各ノードに与えられたデータは、隣接する中間層130Bのノードへ出力される。中間層130Bではノード間の重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算が行われ、中間層130Bによる演算結果は出力層130Cの各ノードへ出力される。このようにして、学習モデル130では、排泄物の量に関する推定結果が得られる。
【0044】
次いで、制御部12は、学習モデル130の出力層130Cから推定結果を取得し(ステップS103)、推定結果を表示させるための表示データを出力部14から表示装置140へ出力する(ステップS104)。制御部12は、排泄物の量を示す数値、文字、図柄等を含んだ表示データを表示装置140へ出力することによって、数値、文字、図柄等の表示態様にて推定結果を表示装置140に表示させることができる。
【0045】
また、制御部12は、学習モデル130によって推定された排泄物の量と、予め設定されている設定値(例えば、貯留槽23の容量に対して70%)との大小関係を判断し、推定された排泄物の量が設定値以上であるか否かを判断する(ステップS105)。本実施の形態では、学習モデル130によって推定された排泄物の量と、予め設定されている設定値とを比較する構成としたが、操作部16を通じて設定値の変更を受け付けてもよい。操作部16を通じて変更された設定値は、記憶部13に記憶される。設定値が変更された場合、制御部12は、学習モデル130によって推定された排泄物の量と、変更後の設定値とを比較し、推定された排泄物の量が設定値以上であるか否かを判断する。推定された排泄物の量が設定値未満であると判断した場合(S105:NO)、制御部12は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0046】
推定された排泄物の量が設定値以上であると判断した場合(S105:YES)、制御部12は、サーバ装置3又は作業員等の携帯端末を宛先として、警告情報を通信部15から送信する(ステップS106)。警告情報には、例えば、排泄物の量が貯留槽23の容量に近くなっている旨の情報、排泄物の回収を要求する旨の情報等が含まれる。本実施の形態では、推定された排泄物の量が設定値以上である場合に、警告情報を通信部15から送信する構成としたが、推定された排泄物の多少に依らず、推定された排泄物の量を通知するための情報を通信部15から送信してもよい。
【0047】
以上のように、本実施の形態では、深層学習を含む機械学習の学習モデル130によって貯留槽23に収容されている排泄物の量を推定できるので、正確に排泄物の量を推定できる。また、排泄物の量に係る推定結果、及び排泄物の量が設定値以上である場合の警告情報を表示装置140に表示させたり、外部のサーバ装置3へ送信したりすることによって、必要に応じて排泄物の回収を作業員に促すことができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、撮像センサ111からの画像データを学習モデル130に入力し、排泄物の量に係る推定結果を取得する構成としたが、撮像センサ111からの画像データ及びそのラベルデータに基づき学習した学習モデル130とは別に、例えば臭気センサ112などの別のセンサからの出力データとそのラベルデータとに基づいて学習した他の学習モデルを用意してもよい。この場合、制御部12は、学習モデル130からの推定結果と、他の学習モデルからの推定結果とを組み合わせ、例えば推定結果の加重平均を求めることによって、最終的な推定結果を導出してもよい。
【0049】
また、撮像センサ111に異物が付着した場合、推定精度が劣化する虞があるため、制御部12は、撮像センサ111からの出力データに基づき、撮像センサ111に異物が付着しているか否かを判断し、異物が付着していると判断した場合、学習モデル130による推定から、他のセンサを用いた、学習モデル130に依らない推定に切り替える構成としてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、学習モデル130を用いて排泄物の量を推定する構成としたが、学習モデル130を用いずに排泄物の量を推定する構成としてもよい。例えば、センサユニット110の出力データと、推定結果とを関連付けるテーブル又は関数を用意しておき、このテーブル又は関数を参照することによって、推定結果を取得する構成としてもよい。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態2では、仮設トイレ2の使用状況をサーバ装置3にて管理する構成について説明する。
【0052】
図5は推定装置1及びサーバ装置3を含むネットワーク構成を示す模式図である。推定装置1は、仮設トイレ2,2,…,2のそれぞれに搭載され、通信ネットワークNを介してサーバ装置3に接続される。通信ネットワークNは、例えば、3G、4G、5G、LTE等の通信規格に準拠したデータ通信網である。推定装置1は、通信ネットワークNを介して、サーバ装置3と直接的に各種情報の送受信を行う。また、複数の推定装置1,1,…,1によって狭域無線網を形成し、狭域無線網内に設置される中継装置(不図示)を通じて通信ネットワークNに接続する構成としてもよい。この場合、推定装置1は、中継装置を介してサーバ装置3と各種情報の送受信を行う。
【0053】
図6はサーバ装置3の制御系の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部31、記憶部32、入力部33、通信部34、操作部35、及び表示部36を備える。
【0054】
制御部31は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備える。制御部31が備えるROMには、サーバ装置3が備えるハードウェア各部の動作を制御するための制御プログラム等が記憶される。制御部31内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラム、および、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行し、ハードウェア各部の動作を制御する。
【0055】
制御部31は上述の構成に限定されない。制御部31は、CPU、ROM及びRAMを備えた構成に限定されない。制御部31は、例えば、GPU、FPGA、DSP、揮発性または不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の制御回路または演算回路であってもよい。また、制御部31は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0056】
記憶部32は、ハードディスクドライブなどの記憶装置を備える。記憶部32には、制御部31によって実行される各種コンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムによって生成される各種データ、外部から取得したデータ等が記憶される。記憶部32は、推定装置1から取得した推定結果と、この推定装置1が搭載されている仮設トイレ2の識別IDとを関連付けて記憶する管理テーブル320を備える。
【0057】
入力部33は、各種データ又はプログラムを記録した記録媒体から、データ及びプログラムを取得するための入力インタフェースを備える。入力部33を通じて入力された各種データ及びプログラムは、記憶部32に記憶される。
【0058】
通信部34は、通信ネットワークNに接続する通信インタフェースを備える。通信部34は、推定装置1へ通知すべき情報を、通信ネットワークNを介して推定装置1へ送信する。また、通信部34は、サーバ装置3を宛先として推定装置1から送信される情報を、通信ネットワークNを介して受信する。
【0059】
操作部35は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースを備えており、各種の操作情報や設定情報を受付ける。制御部31は、操作部35から入力される操作情報に基づき適宜の制御を行い、必要に応じて設定情報を記憶部32に記憶させる。
【0060】
表示部36は、液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の表示デバイスを備えており、制御部31から出力される制御信号に基づいて、サーバ装置3の管理者等に通知すべき情報を表示する。
【0061】
なお、本実施の形態では、サーバ装置3が操作部35及び表示部36を備える構成としたが、操作部35及び表示部36は必須ではなく、外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受付け、通知すべき情報を外部のコンピュータへ出力する構成であってもよい。
【0062】
図7は実施の形態2に係る推定装置1及びサーバ装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。推定装置1の制御部12は、撮像センサ111からの画像データを取得し、取得した画像データを学習モデル130に与えることによって、排泄物の量に係る推定結果を取得する(ステップS201)。推定結果を取得した場合、制御部12は、通信部15からサーバ装置3へ推定結果を送信する(ステップS202)。このとき、推定装置1は、仮設トイレ2を識別するための識別ID、仮設トイレ2が設置されている場所の位置情報等を推定結果と共に送信してもよい。特に、仮設トイレ2がイベント会場等において一時的に設置されるものである場合、仮設トイレ2の識別ID及び位置情報を併せて送信することが好ましい。このため、推定装置1は、自身の位置を測位するためのGPS(Global Positioning System)受信機を備えていてもよい。
【0063】
サーバ装置3の制御部31は、推定装置1から送信される推定結果を通信部34にて受信した場合(ステップS203)、受信した推定結果を送信元の推定装置1が設置されている仮設トイレ2の識別IDに関連付けて、管理テーブル320に記憶させる(ステップS204)。
【0064】
図8は管理テーブル320の一例を示す概念図である。管理テーブル320は、仮設トイレ2毎のレコードによって構成される。図8に示す例は、識別ID(仮設トイレID)が「001」及び「002」の仮設トイレ2における推定結果を時系列的に記録したレコードの一部を示している。各レコードは、推定結果の受信日時、推定結果、フラグ、回収回数、設置場所の情報(緯度及び経度の情報)を含む。ここで、回収要求フラグは、回収要求を行うか否かを示すフラグであり、「0」は回収要求が不要であること、「1」は回収要求が必要であることを示している。制御部31は、推定結果として与えられる排泄物の量が設定値(例えば70%)を超える場合、回収要求フラグを「0」から「1」に切り替える。また、制御部31は、仮設トイレ2の内部の排泄物が回収されたことを示す情報が入力された場合、回収フラグを「1」から「0」に切り替え、回収回数を1だけ増加させる。なお、排泄物が回収されたことを示す情報は、作業員等が携帯する携帯端末から送信される情報であってもよい。
【0065】
また、サーバ装置3は、イベントを特定するイベントIDと、このイベントにおいて設置された仮設トイレ2の識別IDとを関連付けて記憶するレコードを有していてもよい。このようなレコードは、管理テーブル320内に記述されていてもよく、管理テーブル320とは別のテーブル内に記述されていてもよい。
【0066】
サーバ装置3の制御部31は、管理テーブル320の各レコードを参照して、回収タイミングであるか否かを判断する(ステップS205)。例えば、管理テーブル320に登録される仮設トイレ2のうち、推定結果として与えられる排泄物の量が設定値(例えば70%)を超えるものが存在する場合、制御部31は、回収タイミングであると判断してもよい。また、制御部31は、排泄物の量が設定値を超える仮設トイレ2の数が設定数(例えば10個)を超える場合に回収タイミングであると判断し、設定数以下の場合には回収タイミングでないと判断してもよい。更に、推定装置1から送信される回収要求を受信した場合、制御部31は、管理テーブル320での記録内容に依らずに、回収タイミングであると判断してもよい。回収タイミングでないと判断した場合(S205:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0067】
一方、回収タイミングと判断した場合(S205:YES)、制御部31は、回収要求を送信する(ステップS206)。このとき、制御部31は、排泄物を回収する回収業者の端末、又は回収業者の作業員が携帯する携帯端末宛に、回収要求を送信すればよい。また、制御部31は、仮設トイレ2について推定した排泄物の量の情報を地図上に重畳した地図データを生成し、生成した地図データを回収業者の端末、又は回収業者の作業員が携帯する携帯端末へ送信してもよい。更に、排泄物を回収すべき仮設トイレ2が地図上に複数存在する場合、制御部31は、効率良く排泄物を回収できる経路を設定し、経路情報を併せて送信してもよい。地図上の複数の地点を通る適宜の経路は既存の手法を用いて設定することができる。例えば、グーグルマップのAPI(Application Programming Interface)を利用し、出発地、目的地、及び回収すべき仮設トイレ2が存在する1又は複数の経由地を入力することにより、適宜の経路を設定することができる。
【0068】
図9はサーバ装置3が生成する地図データの一例を示す模式図である。図9に示した例では、地図上に6つの仮設トイレ2の位置及び各仮設トイレ2における排泄物の量をアイコン及び数値により示している。また、効率良く排泄物を回収できる経路として、「D」により示される仮設トイレ2、「B」により示される仮設トイレ2、「C」により示される仮設トイレ2の順に排泄物を回収する経路情報を示している。また、サーバ装置3は、通信部34又は操作部35を通じて、イベントを特定するイベントIDの指定を受付け、このイベントIDにより特定されるイベントにおいて設置されている仮設トイレ2のみを含む地図データを生成してもよい。
【0069】
以上のように、実施の形態2では、各仮設トイレ2における排泄物の量をサーバ装置3にて管理することができるので、回収業者への回収指示を的確に与えることができる。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3では、推定装置1にて用いられる学習モデル130をサーバ装置3にて生成する構成について説明する。
【0071】
図10は学習モデル130の生成手順を説明するフローチャートである。サーバ装置3の制御部31は、入力部33又は通信部34を通じて、学習モデル130を生成するための教師データを取得する(ステップS301)。教師データは、例えば、仮設トイレ2の内部を撮像する撮像センサ111からの画像データと、撮像した際に仮設トイレ2の内部に収容されていた排泄物の量を示すラベルデータとを含む。このような教師データをサーバ装置3の管理者等によって予め用意しておき、入力部33を通じて取得する構成であってもよい。また、仮設トイレ2に搭載されている推定装置1と通信を行い、画像データ及び排泄物の量を示すラベルデータを通信部34を通じて取得する構成であってもよい。なお、ラベルデータは、管理者等によって手入力される構成であってもよく、臭気センサ112、重量センサ113、測距センサ114、赤外線センサ115、及び静電容量センサ116等の各種センサの出力に基づき、自動的に設定されるものであってもよい。
【0072】
次いで、制御部31は、教師データとして含まれる画像データを学習モデル130へ入力し(ステップS302)、学習モデル130から推定結果を取得する(ステップS303)。学習が開始される前の段階では、学習モデル130を記述する定義情報には、初期設定値が与えられているものとする。学習モデル130の入力層130Aを構成する各ノードには、例えば各画素の画素値のデータが与えられる。入力層130Aの各ノードに与えられたデータは、隣接する中間層130Bのノードへ出力される。中間層130Bではノード間の重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算が行われ、中間層130Bによる演算結果(排泄物の量の推定結果)が出力層130Cの各ノードへ出力される。このようにして、学習モデル130では、排泄物の量に関する推定結果が得られる。
【0073】
次いで、制御部31は、ステップS303で得られた推定結果を評価し(ステップS304)、学習モデル130の学習が完了したか否かを判断する(ステップS305)。具体的には、制御部31は、ステップS303で得られる推定結果と、教師データとに基づく誤差関数(目的関数、損失関数、コスト関数ともいう)を用いて、推定結果を評価することができる。制御部31は、最急降下法などの勾配降下法により誤差関数を最適化(最小化又は最大化)する課程で、誤差関数が閾値以下(又は閾値以上)となった場合、学習モデル130の学習が完了したと判断する。なお、過学習の問題を避けるために、交差検定、早期打ち切りなどの手法を取り入れ、適切なタイミングにて学習を終了させてもよい。
【0074】
学習が完了していないと判断した場合(S305:NO)、制御部31は、中間層130Bで用いられるノード間の重み及びバイアスを更新し(ステップS306)、処理をステップS301へ戻す。制御部31は、出力層130Cから入力層130Aに向かって、ノード間の重み及びバイアスを順次更新する誤差逆伝搬法を用いて、各ノード間の重み及びバイアスを更新することができる。
【0075】
学習が完了したと判断した場合(S305:YES)、制御部31は、学習済みの学習モデル130として記憶部32に記憶させ(ステップS307)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0076】
また、サーバ装置3は、学習完了後の適宜のタイミングで、センサユニット110からの出力データとラベルデータとを含む教師データとを再取得し、再取得した教師データに基づき、学習モデル130を再学習させる構成としてもよい。例えば、作業員が排泄物を回収する際に、仮設トイレ2の貯留槽23に実際に収容されている排泄物の量が、推定装置1による推定結果と異なる場合、作業員により正しく設定されたラベルデータを含む教師データをサーバ装置3へ送信し、この教師データに基づき、学習モデル130を再学習させてもよい。再学習の手順は、学習モデル130の生成手順と全く同様であり、教師データに含まれる出力データを学習モデル130へ入力し、学習モデル130の出力として得られる推定結果と教師データに含まれるラベルデータとの間の誤差を評価することによって、再学習が実行される。
【0077】
サーバ装置3によって生成(再学習)された学習モデル130は、通信ネットワークNを介して各仮設トイレ2の推定装置1へ配信され、記憶部13に記憶される。また、推定装置1が記憶済みの学習モデル130を有している場合、新たに配信された学習モデル130に更新してもよい。
【0078】
(実施の形態4)
実施の形態4では、各仮設トイレ2に対する推定結果を一覧で表示する構成について説明する。
【0079】
サーバ装置3の制御部31は、通信部34又は操作部35を通じて、各仮設トイレ2に対する推定結果を一覧で表示する一覧表示要求を受付けた場合、一覧表を生成する。図11はサーバ装置3にて生成される一覧表の一例を示す模式図である。図11に示す一覧表には、例えば、同じイベント会場に設置される仮設トイレ2の仮設トイレID、推定装置1による推定結果、各仮設トイレ2における回収回数、及び仮設トイレ2の設置場所の情報が含まれている。なお、推定結果は、現在時刻に最も近い時刻の推定結果であってもよく、管理者等により指定された時刻に最も近い時刻の推定結果であってもよい。制御部31は、生成した一覧表を表示部36に表示させる。また、制御部31は、生成した一覧表を通信部34を通じて作業員等の携帯端末へ送信してもよい。
【0080】
以上のように、本実施の形態では、仮設トイレ2の使用状況を一覧で出力することができるので、作業員等は、各仮設トイレ2における使用頻度、混雑度合い等を把握することができる。
【0081】
(実施の形態5)
実施の形態5では、仮設トイレ2の増設場所に係る情報を出力する構成について説明する。
【0082】
図12は実施の形態5に係るサーバ装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。サーバ装置3の制御部31は、増設場所に係る情報の取得要求を通信部34又は操作部35にて受付けたか否かを判断する(ステップS501)。取得要求を受け付けていない場合(S501:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0083】
取得要求を受付けた場合(S501:YES)、制御部31は、管理テーブル320に記録されている情報に基づき、増設の推奨場所を特定する(ステップS502)。例えば、制御部31は、管理テーブル320を参照して、回収回数が多い仮設トイレ2、または、排泄物の量が0%から設定値(例えば70%)に達するまでの経過時間が短い仮設トイレ2を1又は複数選択し、選択した仮設トイレ2を中心として所定距離範囲内のエリアを増設の推奨場所として特定することができる。
【0084】
制御部31は、特定した推奨場所の情報を出力する(ステップS503)。このとき、制御部31は、推奨場所の情報を表示部36に表示させる。また、制御部31は、推奨場所の情報を通信部34を通じて作業員等の携帯端末へ送信してもよい。
【0085】
以上のように、本実施の形態では、履歴を参照して、仮設トイレ2を増設するのに相応しい推奨場所を特定することができるので、例えば、過去に実施したイベントと同一のイベント会場で別のイベントを実施する場合、仮設トイレ2の増設箇所を的確に決定することができる。
【0086】
(実施の形態6)
実施の形態6では、仮設トイレ2の混雑度合いに係る情報を出力する構成について説明する。
【0087】
図13は実施の形態6に係るサーバ装置3が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。サーバ装置3の制御部31は、混雑度合いに係る情報の取得要求を通信部34又は操作部35にて受付けたか否かを判断する(ステップS601)。取得要求を受け付けていない場合(S601:NO)、制御部31は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0088】
取得要求を受付けた場合(S601:YES)、制御部31は、管理テーブル320に記録されている情報に基づき、混雑度が高いエリアを特定する(ステップS602)。例えば、制御部31は、管理テーブル320を参照して、回収回数が多い仮設トイレ2、または、排泄物の量が0%から設定値(例えば70%)に達するまでの経過時間が短い仮設トイレ2を1又は複数選択し、選択した仮設トイレ2を中心として所定距離範囲内のエリアを混雑度が高いエリアとして特定することができる。
【0089】
制御部31は、特定した混雑度が高いエリアの情報を出力する(ステップS603)。このとき、制御部31は、混雑度が高いエリアの情報を表示部36に表示させる。また、制御部31は、混雑度が高いエリアの情報を通信部34を通じて、仮設トイレ2を使用する使用者等の携帯端末へ送信してもよい。
【0090】
以上のように、本実施の形態では、履歴を参照して、混雑度合いが高いエリアを特定することができるので、例えば、過去に実施したイベントと同一のイベント会場で別のイベントを実施する場合、混雑度が高いエリアの情報を使用者等の携帯端末へ送信することによって、混雑の緩和を図ることができる。
【0091】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 推定装置
11 入力部
12 制御部
13 記憶部
14 出力部
15 通信部
16 操作部
130 学習モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13