特開2020-12351(P2020-12351A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-12351(P2020-12351A)
(43)【公開日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】ユニット建物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20191220BHJP
【FI】
   E04B1/348 S
   E04B1/348 T
   E04B1/348 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-137187(P2018-137187)
(22)【出願日】2018年7月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藍川 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】永井 高太郎
(57)【要約】
【課題】隣接する建物ユニット同士を連結した際に、簡単に連結を解除することが可能なユニット建物を提供する。
【解決手段】梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニット1,・・・を連結させたユニット建物10である。
そして、建物ユニット1は、柱11並びに柱の上端間及び下端間に架け渡される床梁12及び天井梁13によって直方体状に組み立てられた骨組構造体と、柱、床梁及び天井梁によって形成される長方形の開口を塞ぐ壁パネル2とを備え、隣接する建物ユニット同士は、隣接して露出する骨組構造体の側面11,11間に架け渡された連結プレート3を介して連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニットを連結させたユニット建物であって、
前記建物ユニットの少なくとも1面には壁部が設けられるものであって、
前記壁部が設けられる面は、その面の周縁を囲繞する梁材及び柱材の側面によって形成される枠面部と、前記枠面部の少なくとも一部を露出させた状態で前記建物ユニットに形成される壁面部とによって構成されており、
隣接する前記建物ユニット同士は、隣接して露出する前記枠面部間に架け渡された連結プレートを介して連結されていることを特徴とするユニット建物。
【請求項2】
梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニットを連結させたユニット建物であって、
前記建物ユニットは、柱並びに前記柱の上端間及び下端間に架け渡される床梁及び天井梁によって直方体状に組み立てられた骨組構造体と、前記柱、床梁及び天井梁によって形成される長方形の開口を塞ぐ壁パネルとを備え、
隣接する前記建物ユニット同士は、隣接して露出する前記骨組構造体の側面間に架け渡された連結プレートを介して連結されていることを特徴とするユニット建物。
【請求項3】
前記骨組構造体の対向する前記床梁間には、前記床梁の上面より低い位置に上面が形成される床小梁が架け渡され、前記壁パネルは前記床小梁の上面に載置されることを特徴とする請求項2に記載のユニット建物。
【請求項4】
前記骨組構造体の対向する前記天井梁間には、前記天井梁の下面より高い位置に下面が形成される天井小梁が差し渡され、前記壁パネルは前記天井小梁の下面に接触させることを特徴とする請求項2又は3に記載のユニット建物。
【請求項5】
前記連結プレートは、ボルトによって前記枠面部又は前記骨組構造体の側面に接合されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユニット建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニットを連結させたユニット建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場で製作された複数の建物ユニットを、水平方向及び垂直方向に連結して構築するユニット建物が知られている(特許文献1など参照)。ここで、建物ユニットは、四隅にそれぞれ1本ずつ配置された角形鋼管製の柱同士を、溝形鋼によって形成される梁によって接続することで、ボックス形の骨組構造体に形成される。
【0003】
そして、建物ユニットを上下に連結するに際しては、下階の建物ユニットの柱の上端面から上方に向けて突出させたジョイントピンを、吊り降ろした上階の建物ユニットの柱の下端面の嵌入孔に挿し込み、ボルトとナットで上下の柱を接合させる。
【0004】
この特許文献1では、ボルト及びナットの装着は、柱の上端及び下端の隅角部に設けられた切欠部を介して行われるが、上下の柱をボルト接合させた後には、切欠部は外壁や内装などによって覆われることになって、外部に露出することはない。
【0005】
一方、特許文献2には、スケルトン・インフィル型のユニット建物である集合住宅が開示されている。この集合住宅は、柱、梁、床などの構造躯体によって骨組状に形成される構造体と、その構造体の内部に収容される複数の箱体(住宅ユニット)とによって構成されている。
【0006】
このような集合住宅では、耐力の大部分を負担する構造体の居室空間に対して、各住宅ユニットが着脱可能に取り付けられる。このため、住宅ユニットが老朽化したりリフォームが必要になったりしたときに、部分的に住宅ユニットを取り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−184184号公報
【特許文献2】特開2018−3259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のようにそれぞれの建物ユニットが骨組構造体を備える場合は、隣接させた建物ユニット同士を強固に連結させることになる。柱の上端面と下端面を柱内部でボルト接合させた場合、このボルト接合を解除するためには、外壁や内装を撤去して行わなければならない。
【0009】
そこで、本発明は、隣接する建物ユニット同士を連結した際に、簡単に連結を解除することが可能なユニット建物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明のユニット建物は、梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニットを連結させたユニット建物であって、前記建物ユニットの少なくとも1面には壁部が設けられるものであって、前記壁部が設けられる面は、その面の周縁を囲繞する梁材及び柱材の側面によって形成される枠面部と、前記枠面部の少なくとも一部を露出させた状態で前記建物ユニットに形成される壁面部とによって構成されており、隣接する前記建物ユニット同士は、隣接して露出する前記枠面部間に架け渡された連結プレートを介して連結されていることを特徴とする。
【0011】
例えば梁材と柱材とによって骨組みが形成された複数の建物ユニットを連結させたユニット建物であって、前記建物ユニットは、柱並びに前記柱の上端間及び下端間に架け渡される床梁及び天井梁によって直方体状に組み立てられた骨組構造体と、前記柱、床梁及び天井梁によって形成される長方形の開口を塞ぐ壁パネルとを備え、隣接する前記建物ユニット同士は、隣接して露出する前記骨組構造体の側面間に架け渡された連結プレートを介して連結されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記骨組構造体の対向する前記床梁間には、前記床梁の上面より低い位置に上面が形成される床小梁が架け渡され、前記壁パネルは前記床小梁の上面に載置される構成とすることができる。
【0013】
また、前記骨組構造体の対向する前記天井梁間には、前記天井梁の下面より高い位置に下面が形成される天井小梁が差し渡され、前記壁パネルは前記天井小梁の下面に接触させる構成とすることができる。
そして、前記連結プレートは、ボルトによって前記枠面部又は前記骨組構造体の側面に接合させることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成された本発明のユニット建物は、建物ユニットの壁部が設けられる面が、その周縁を囲繞する梁材及び柱材の側面によって形成される枠面部と、その枠面部の少なくとも一部を露出させた状態で建物ユニットに形成される壁面部とによって構成されている。
【0015】
そして、隣接する建物ユニット同士は、隣接して露出する枠面部間に架け渡された連結プレートを介して連結される。
このように外部に露出する枠面部間を連結プレートによって連結するため、簡単に連結を解除することができる。
【0016】
例えば、直方体状に組み立てられた骨組構造体の開口を壁パネルで塞ぐ構造において、外部に露出する骨組構造体の側面間を連結プレートによって連結するのであれば、簡単に連結を解除することもできるようになる。
【0017】
また、床梁間に架け渡される床小梁の上面が床梁の上面より低い位置に設けられたり、天井梁間に差し渡される天井小梁の下面が天井梁の下面より高い位置に設けられたりしていれば、壁パネルを簡単に取り付けることができる。また、連結プレートをボルトによって接合させるのであれば、解除も迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態のユニット建物の概略構成と連結プレート周辺を拡大して示した説明図である。
図2】ユニット建物の一例として集合住宅を示した斜視図である。
図3】集合住宅から一つの建物ユニットを撤去する工程を模式的に示した説明図である。
図4図1のA−A矢視方向で見た断面図である。
図5】連結プレートに水平力が作用した状態を説明する図であって、(a)は全体を模式的に示した平面図、(b)は連結プレート周辺を拡大して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施の形態のユニット建物10の全体の概略構成を模式的に示している。
まず、ユニット建物10の構成から説明すると、このようなユニット建物10は、工場で製作される複数の建物ユニット1,・・・を建築現場に搬送し、基礎18の上に横方向に並べて1階部を構築するとともに、それらの(下階)建物ユニット1,・・・の上に別の(上階)建物ユニット1,・・・を積み上げることで上層階を構築していく。
【0020】
一方、ユニット建物10を構成する建物ユニット1は、梁材と柱材とによって骨組みが形成される。まず建物ユニット1について、図1図5を参照しながら説明する。なお、図2は、ユニット建物10の一例を集合住宅10Aとして示している。
【0021】
建物ユニット1は、四隅に配置される柱材としての柱11,・・・と、その柱11,・・・の下端間に差し渡される梁材としての床梁12,・・・と、柱11,・・・の上端間に架け渡される梁材としての天井梁13,・・・とによってボックス形の骨組構造体に形成される。
【0022】
例えば、柱11は角形鋼管、床梁12及び天井梁13は断面視略コ字形の溝形鋼材によって形成される。また、柱11と床梁12及び天井梁13は、接合枠材14を介して溶接接合される。要するに建物ユニット1は、すべての隅角部が溶接接合されたラーメン構造体となっている。
【0023】
さらに、天井梁13,13間には、平行に複数の天井小梁17が架け渡され、図4に示すように、天井小梁17の下面171には天井板172が張り付けられる。また、床梁12,12間には、平行に複数の床小梁16が差し渡され、床小梁16の上面161には床板162が張り付けられる。
【0024】
ここで、床小梁16は、床梁12の上面となる上フランジ121より低い位置に上面161が形成される。すなわち、床小梁16の端部は、床梁12のウェブ122に押し当てられた状態で取り付けられる。
【0025】
一方、天井小梁17は、天井梁13の下面となる下フランジ131より高い位置に下面171が形成される。すなわち、天井小梁17の端部は、天井梁13のウェブ132に押し当てられた状態で取り付けられる。
【0026】
そして、壁面部を形成する壁パネル2は、下縁21が床小梁16の上面161に載せられ、上縁22を天井小梁17の下面171に接触させる。壁パネル2は、面状の壁材と、その周囲などに取り付けられる枠材とによって主に構成される。
【0027】
面状の壁材は、外壁となるサイディングボードやタイルなどが貼られた板材が使用できる。壁材には、必要な箇所に窓や扉のための開口が設けられる。枠材は、壁材の剛性を保つために取り付けられるもので、下縁21などの外周縁を鋼製枠材や角材などで縁取るように設けられる。
【0028】
また、壁パネル2の上縁22には、天井梁13との間に角材などをスペーサ221として介在させる。すなわち、天井梁13のウェブ132の内側面と壁パネル2の外側面との間にスペーサ221を介在させることで、壁パネル2を傾かせることなく鉛直に立たせることができる。
【0029】
ここで、図4に示した壁パネル2は、完全に建物ユニット1の内部側に形成され、直方体状に組み立てられた骨組構造体の開口を内側から塞ぐ構造となっている。一方、図3に示すバルコニー19側の壁パネル2も同様な構成とすることができるが、例えば外壁面を形成する壁材の側縁を、柱11の側面111の外側に張り出させて重ねる構成とすることもできる。要するに、枠面部15に対して連結プレート3を取り付ける箇所が露出していればよい。
【0030】
ユニット建物10には、床の防振性能を高めるために防振ジョイント4が設けられることがある。防振ジョイント4は、図4に示すように、床梁12,12間の隙間に配置される。
【0031】
防振ジョイント4は、隙間を挟んだ両側の床梁12,12の上フランジ121,121間に架け渡される上面部41と、下階の天井梁13,13の下フランジ131,131間に差し渡される下面部(図示省略)と、上面部41と下面部とを隙間において接続させる接続棒部42とによって主に構成される。
【0032】
一般的には、防振ジョイント4を上から覆うように床が設けられることになるが、壁パネル2,2間の隙間に防振ジョイント4を配置するのであれば隠す必要がなく、床小梁16を下げて床板162の位置が低くなったとしても問題はない。
【0033】
また、床小梁16の端部が、直接、床梁12のウェブ122に取り付けられることで、床梁12の上フランジ121に床小梁16の取付け金具などが突出することがなくなるため、制限を受けることなく防振ジョイント4の上面部41を設置することができる。
【0034】
さらに、床小梁16の端部が、直接、床梁12のウェブ122に取り付けられて床梁12,12間を突っ張った状態で接続させると、床の剛性は上がるので、床の振動性能を向上させることができる。
【0035】
そして、床板162の高さが低くなり、天井板172の高さが高くなることにより、内部空間(居室空間)の高さは、床梁12の上に床を設けて天井梁13の下に天井が設けられる従来の取付け構造と比べて高くなるため、居室空間の高天井化を図ることができる。
【0036】
上下に積み重ねられる建物ユニット1,1は、まずはジョイントピン5によって連結される(図1の拡大図参照)。ジョイントピン5は、下階の建物ユニット1の柱11の上端面から上方に向けて突出されている。そこで、上階の建物ユニット1を吊り降ろす際に、柱11の下端面の嵌入孔にジョイントピン5を挿し込むことで、上下の連結をさせることができる。
【0037】
上述してきたように、建物ユニット1の少なくとも1面に設けられる壁部は、柱11、床梁12及び天井梁13の側面によって形成される枠面部15と、壁部の周縁を囲繞する枠面部15の長方形の開口を内側から塞ぐ壁パネル2とによって、主に構成される(図3参照)。
【0038】
そこで本実施の形態のユニット建物10では、図1に示すように、隣接する建物ユニット1,・・・同士を、隣接する枠面部15,・・・間に架け渡された連結プレート3を介して連結させる。
【0039】
例えば、枠面部15の中で柱11の側面111を使用した連結を行う。詳細には、図1の下部拡大図に示すように、上階の横並びに隣り合う柱11,11下端の側面111,111間と、下階の横並びに隣り合う柱11,11上端の側面111,111間とに跨る連結プレート3を配置する。
【0040】
連結プレート3は、例えば長方形の鋼板によって形成され、複数のボルト31,・・・を通すための穴が穿孔される。例えば、各柱11の側面111に対して2箇所でボルト31,31による接合が行えるように、8つのボルト穴が穿孔される。
【0041】
本実施の形態のユニット建物10では、側面111などの枠面部15は、壁パネル2によって覆われることがなく外部に露出されているので、外側から連結プレート3を当てて、ボルト31をねじ込むことで、簡単に隣接する建物ユニット1,1,1,1同士を連結することができる。
【0042】
続いて、この連結プレート3及びボルト31に要求される性能についての検討を行う。上下の建物ユニット1,1間は、上述したようにジョイントピン5で連結されているため、これらの間のせん断力はジョイントピン5に負担させることができる。
【0043】
さらに、上下の建物ユニット1,1の連結構造には、ボルト31によって柱11の側面111に固定された連結プレート3のせん断抵抗が付加されるため、地震などによって生じる水平力Paに充分に対抗させることができる。
【0044】
続いて、図5を参照しながら、横並びに隣り合う建物ユニット1,1間の連結構造の耐力について検討する。図5(a)は、連結プレート3によって連結された建物ユニット1,1間に水平力Paが作用した状態を模式的に示した平面図である。図5(b)は、その際の連結プレート3周辺を拡大して示している。
【0045】
この図に示したように、水平力Paが作用した際にボルト31によって柱11の側面111に固定された連結プレート3は変形することになるが、設計震度内の水平力Paであれば連結プレート3が塑性変形しないように設定する必要がある。すなわち、設計水平力Paに対して、ボルト31やボルト穴の損傷及び連結プレート3の塑性変形が起きないような材質や厚さの連結プレート3及びボルト31を使用する。
【0046】
次に、本実施の形態のユニット建物10の構築方法及び解体方法について説明する。
図1の上図に示すように、基礎18の上に1階となる建物ユニット1,・・・を並べ、連結プレート3,3Aとボルト31によって、基礎18と建物ユニット1及び横並びに隣接する建物ユニット1,1同士を連結する。ユニット建物10の隅角部では、基礎18と建物ユニット1だけを連結プレート3Aとボルト31によって連結する。
【0047】
この際、基礎18がH形鋼によって形成されていると、簡単に連結プレート3,3Aとのボルト接合が行えるようになる。また、H形鋼の基礎18は、移設も容易にできる。さらに、外側からの連結作業となるため、内装材を傷つけることがない。このため、建物ユニット1の床や天井などの内装材を、工場などで予め仕上げておくことができる。
【0048】
また、枠面部15の露出した箇所への連結作業となるため、外壁面を傷つけることもない。なお、図示していないが、隣接する柱11,11間の隙間には、水切りやガスケットなどの防水材が取り付けられる。
【0049】
続いて、クレーンで吊り上げられた建物ユニット1を、1階の建物ユニット1の真上から降ろす。建物ユニット1を吊り降ろす際には、1階の柱11の上端面から上方に向けて突出しているジョイントピン5が、2階の柱11の下端面の嵌入孔に挿し込まれるようにする。この結果、1階の建物ユニット1とその真上に設置された2階の建物ユニット1とは、ジョイントピン5による連結がされたことになる。
【0050】
このようにして設置された2階の建物ユニット1の横に、同様にしてクレーンで吊り上げられた建物ユニット1を順次降ろしていく。そして、横並びの建物ユニット1,1とそれらの上下方向で隣接する建物ユニット1,1とを、連結プレート3とボルト31で連結する。
【0051】
また、ユニット建物10の隅角部では、上下の建物ユニット1,1だけを連結プレート3Aとボルト31によって連結する。さらに、ユニット建物10の上縁部では、左右の建物ユニット1,1だけを連結プレート3Bとボルト31によって連結する。これらの上階における連結作業は、バルコニー19や窓などを利用することで、足場を組まなくても実施することができる。
【0052】
こうして完成したユニット建物10は、経年劣化やリフォームの要望が出た際に、建物ユニット1単位で撤去することができる。すなわち、撤去したい建物ユニット1A(図3参照)の外部に露出した連結プレート3に対して、ボルト31を緩めて取り外すことで、隣接する建物ユニット1と枠面部15との連結を解除する。
【0053】
続いて、撤去したい建物ユニット1Aに玉掛けをし、クレーンで上方に吊り上げる。上方に建物ユニット1Aを移動させるだけで、ジョイントピン5による上下の建物ユニット1,1間の連結は解除される。
【0054】
このようにして撤去された建物ユニット1Aは、外壁面や内装材などが損傷していないので、そのまま別の場所に設置して使用することができる。例えば建物ユニット1Aが小店舗やトランクルームなどの場合、移動先でも同じ設備ですぐに活動を再開させることができる。
【0055】
また、建物ユニット1Aが撤去された空間には、別の設備や内装が設けられた建物ユニット1を、クレーンで吊り降ろして設置することができる。新しい建物ユニット1と隣接する建物ユニット1との連結も、外部に露出した枠面部15に対して連結プレート3,3A,3Bとボルト31によって行うのであれば、簡単に実施することができる。また、これらの連結作業は、バルコニー19や窓などを利用することで、足場を組まなくても実施することができる。
【0056】
次に、本実施の形態のユニット建物10の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のユニット建物10は、建物ユニット1の壁部が設けられる面が、その周縁を囲繞する梁材及び柱材の側面によって形成される枠面部15と、その枠面部15より例えば建物ユニット1の内部側に形成される壁パネル2とによって構成されているので、枠面部15の少なくとも一部が露出した状態になる。
【0057】
そして、隣接する建物ユニット1,1同士は、隣接して露出する枠面部15,15間に架け渡された連結プレート3を介して連結される。
このように外部に露出する枠面部15,15間を連結プレート3によって連結するため、簡単に連結を解除することができる。
【0058】
例えば、直方体状に組み立てられた骨組構造体の開口を内側から壁パネル2で塞ぐ構造とすることで、外部に露出する骨組構造体の側面111,111間を連結プレート3によって連結することができ、簡単に連結を解除することもできるようになる。また、連結作業や解除作業の際に、内装材や外壁などを損傷させることもない。
【0059】
また、床梁12,12間に架け渡される床小梁16の上面161が床梁12の上フランジ121より低い位置に設けられていれば、壁パネル2の下縁21を床小梁16の上面161に載置させることができる。
【0060】
さらに、天井梁13,13間に差し渡される天井小梁17の下面171が天井梁13の下フランジ131より高い位置に設けられていれば、壁パネル2の上縁22を天井小梁17の下面171に接触させて、天井梁13内に収めることができる。要するに、壁パネル2を簡単に取り付けることができるようになる。
【0061】
また、ボルト31を締め付けることによって枠面部15に連結プレート3を接合させるのであれば、簡単に接合作業が行えるうえに、外部からボルト31を緩めるだけで解除も迅速に行うことができる。
【0062】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、連結プレート3を枠面部15にボルト接合する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、連結プレート3と枠面部15とを溶接によって接合させることもできる。
【0063】
また、前記実施の形態では、柱11の側面111を使用した枠面部15,15同士の連結を例に説明したが、これに限定されるものではなく、床梁12や天井梁13の側面を枠面部15,15同士の連結に使用することもできる。
【符号の説明】
【0064】
10 :ユニット建物
10A :集合住宅(ユニット建物)
1,1A :建物ユニット
11 :柱(柱材)
111 :側面
12 :床梁(梁材)
121 :上フランジ(上面)
13 :天井梁(梁材)
131 :下フランジ(下面)
15 :枠面部
16 :床小梁
161 :上面
17 :天井小梁
171 :下面
2 :壁パネル(壁面部)
3,3A,3B:連結プレート
31 :ボルト
図1
図2
図3
図4
図5