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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-157334(P2020-157334A)
(43)【公開日】2020年10月1日
(54)【発明の名称】ブランキングライン
(51)【国際特許分類】
   B21D 45/08 20060101AFI20200904BHJP
   B21D 45/00 20060101ALI20200904BHJP
   B23D 33/00 20060101ALI20200904BHJP
   B26D 1/08 20060101ALI20200904BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20200904BHJP
【FI】
   B21D45/08 Z
   B21D45/00 C
   B23D33/00 D
   B26D1/08
   B26D7/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-58975(P2019-58975)
(22)【出願日】2019年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】田村 勝巳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 肇
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】吉田 猛
(72)【発明者】
【氏名】仲 大地
(72)【発明者】
【氏名】門沢 克忠
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 敬
(72)【発明者】
【氏名】茂木 明美
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
3C051
【Fターム(参考)】
3C021FB03
3C027JJ16
3C051EE14
(57)【要約】
【課題】簡潔な構造にして、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れを回避することができるブランキングラインを提供する。
【解決手段】下型12に対して上型14を下動するとカム機構41によってベルトコンベヤ22の搬送方向入側に設けられた突き上げ部材32がベルト24の上面の下方まで下動され、上型14を上動すると突き上げ部材32がベルト24の上面の上方まで上動されるので、上カッター部18が下カッター部16に向けて下動するまでは、シート材Sの先端部をベルト24の上方に突き上げた状態に保持することができ、これにより両者の擦れを回避することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続供給されるシート材の上方に位置する上カッター部と、該上カッター部と前記シート材の下方位置で対向する下カッター部とを含み、両カッター部の協働で前記シート材を順次所定寸法のブランク材に切断する切断機構と、
前記切断機構よりも前記ブランク材の搬送方向下流側に位置し、該切断機構によって切断された前記ブランク材をベルトコンベヤのベルト上に載置して次工程に搬送する搬送機構と、を備えたブランキングラインにおいて、
前記切断機構によって切断される位置まで供給された前記シート材の少なくとも前記搬送方向先端部を前記ベルトコンベヤの入側で下方から突き上げるように案内して前記ベルトの上面よりも上方で保持する突き上げ部材を有する保持機構と、
前記両カッター部の近接・離間動作に連動するカム機構で構成され、前記近接動作時には前記突き上げ部材を前記案内動作させない方向に移動し、前記離間動作時には該突き上げ部材を前記案内動作させる方向に移動する移動機構と、を備えたことを特徴とするブランキングライン。
【請求項2】
前記両カッター部の動作に対する前記カム機構の作動タイミングを遅延方向にずらすことによって前記移動機構による前記両カッター部の動作に対する前記突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させる遅延機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のブランキングライン。
【請求項3】
前記遅延機構は、前記切断機構による前記シート材の切断後に前記突き上げ部材が前記ベルトの上面よりも下方位置に移動するように前記両カッター部の近接動作に対する突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させることを特徴とする請求項2に記載のブランキングライン。
【請求項4】
前記遅延機構は、前記突き上げ部材の位置を前記ブランク材の搬送方向後端部が通過した後に該突き上げ部材が前記ベルトの上面よりも上方位置に移動するように前記両カッター部の離間動作に対する突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させることを特徴とする請求項2に記載のブランキングライン。
【請求項5】
前記遅延機構は、前記上型と前記移動機構のカム機構との間に介在された弾性部材で構成されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のブランキングライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランキングライン、特に、連続供給されるシート材を順次所定寸法のブランク材に切断した後、該ブランク材をベルトコンベヤで次工程に搬送するブランキングラインに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に用いられる金属製板部材は、例えば、プレス型を用いたプレス工程で成形される。このような金属製板部材の素材をブランク材といい、例えば、金属板コイルから連続供給される金属シート材を順次所定寸法のブランク材に切断し、このブランク材をベルトコンベヤのベルト上に載置して次工程に搬送するラインをブランキングラインという。
【0003】
シート材の切断には、切断機構が用いられる。この切断機構は、上下動可能な上型に設けられた上カッター部と下型に設けられた下カッター部とでシート材を挟むようにして剪断加工する。剪断加工によって切断されたシート材の切断端部には、切粉やバリが付着しており、これらが回転するベルトコンベヤのベルトで擦られて付着し、後続のブランク材に付着するという問題がある。また、ベルトコンベヤのベルトは、一般に常時回転し続けているので、シート材の切断端部に付着している切粉やバリによってベルトが損耗したり、それらによって削り取られたベルト材の切片などが次のブランク材に付着したりするといった問題もある。
【0004】
そこで、下記特許文献1に記載されるブランキングラインでは、ベルトコンベヤに設けられたシリンダ装置を伸長することによって、ブランク材の搬送方向に回転可能なローラ群をベルトコンベヤのベルトの上面よりも上方に上昇させておき、このローラ群で切断機構から送出されるシート材の下面を支持する。そして、ブランク材の切断後、上記シリンダ装置を収縮することによって上記ローラ群をベルトコンベヤのベルトの上面よりも下方に降下させ、これによりブランク材をベルトコンベヤのベルトの上面に移載する。このブランキングラインによれば、シート材の切断端部はベルトの上面と擦れないので、シート材切断端部の切粉やバリによる上記の問題が解決される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3617919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されるブランキングラインでは、ローラ群を昇降するためのシリンダ装置を個別の駆動装置としてベルトコンベヤに配設する必要があると共に、一連のローラ群を昇降する複雑な構造を必要とする。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡潔な構造にして、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れを回避することができるブランキングラインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためのブランキングラインは、
連続供給されるシート材の上方に位置する上カッター部と、該上カッター部と前記シート材の下方位置で対向する下カッター部とを含み、両カッター部の協働で前記シート材を順次所定寸法のブランク材に切断する切断機構と、 前記切断機構よりも前記ブランク材の搬送方向下流側に位置し、該切断機構によって切断された前記ブランク材をベルトコンベヤのベルト上に載置して次工程に搬送する搬送機構と、を備えたブランキングラインにおいて、
前記切断機構によって切断される位置まで供給された前記シート材の少なくとも前記搬送方向先端部を前記ベルトコンベヤの入側で下方から突き上げるように案内して前記ベルトの上面よりも上方で保持する突き上げ部材を有する保持機構と、前記両カッター部の近接・離間動作に連動するカム機構で構成され、前記近接動作時には前記突き上げ部材を前記案内動作させない方向に移動し、前記離間動作時には該突き上げ部材を前記案内動作させる方向に移動する移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構造では、上カッター部と下カッター部とが近接されるまで、すなわち、シート材が切断される以前には、シート材の搬送方向先端部、すなわち切断端部を突き上げ部材によってベルトコンベヤのベルトの上面よりも上方で保持することができる。したがって、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れを回避することができることから、個別の駆動装置を用いることなく、簡潔な構造にして、両者の擦れによる諸問題を回避することができる。
【0010】
また、本発明の他の構成は、前記両カッター部の動作に対する前記カム機構の作動タイミングを遅延方向にずらすことによって前記移動機構による前記両カッター部の動作に対する前記突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させる遅延機構を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構造では、遅延機構によって両カッター部の近接動作に対する突き上げ部材の非案内方向への移動のタイミングが遅延されるので、例えば、シート材が切断完了されるまでは、シート材の先端部を突き上げ部材によってベルトコンベヤのベルトの上面よりも上方で保持することができる。これにより、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れをより一層確実に回避することができる。また、遅延機構によって両カッター部の離間動作に対する突き上げ部材の案内方向への移動のタイミングが遅延されるので、例えば、切断されたブランク材の搬送方向後端部が通過するまで、突き上げ部材をベルトの上面よりも下方に位置させることができ、これによりブランク材の搬送妨害を回避することができる。
【0012】
本発明の更に他の構成は、前記遅延機構は、前記切断機構による前記シート材の切断後に前記突き上げ部材が前記ベルトの上面よりも下方位置に移動するように前記両カッター部の近接動作に対する突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させることを特徴とする。
【0013】
この構造では、シート材が切断完了されるまで、シート材の搬送方向先端部を突き上げ部材によってベルトコンベヤのベルトの上面よりも上方で保持することができるので、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れをより一層確実に回避することができる。
【0014】
本発明の更に他の構成は、前記遅延機構は、前記突き上げ部材の位置を前記ブランク材の搬送方向後端部が通過した後に該突き上げ部材が前記ベルトの上面よりも上方位置に移動するように前記両カッター部の離間動作に対する突き上げ部材の移動のタイミングを遅延させることを特徴とする。
【0015】
この構造では、切断されたブランク材の搬送方向後端部が通過するまで、突き上げ部材をベルトの上面よりも下方に位置させることができ、これによりブランク材の搬送妨害を確実に回避することができる。
【0016】
本発明の更に他の構成は、前記遅延機構は、前記上型と前記移動機構のカム機構との間に介在された弾性部材で構成されることを特徴とする。
【0017】
この構成では、カム構造を複雑化することなく、突き上げ部材の動作を簡易に遅延させることができ、上記ブランク材切断完了までのシート材切断端部と回転するベルトの擦れ回避や、上記ブランク材の搬送妨害回避を、極めて簡潔な構造で達成することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、シート材が切断されるまでは、上カッター部及び下カッター部の動作と連動する突き上げ部材によってシート材の搬送方向先端部をベルトコンベヤのベルトの上面よりも上方で保持することができることから、簡潔な構造にして、シート材の切断端部と回転するベルトの擦れを回避することができる。これにより、ベルトコンベヤのベルトの損耗などを防止することができ、ベルトの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のブランクラインの一実施の形態を示す概略構成図である。
図2図1の移動機構の一部及び遅延機構の斜視図である。
図3図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図4図3の移動機構及び遅延機構によるシート材(ブランク材)の状態の説明図である。
図5図3の移動機構及び遅延機構によるシート材の状態の説明図である。
図6図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図7図6の移動機構及び遅延機構によるシート材の状態の説明図である。
図8図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図9図8の移動機構及び遅延機構によるシート材(ブランク材)の状態の説明図である。
図10図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図11図10の移動機構及び遅延機構によるシート材(ブランク材)の状態の説明図である。
図12図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図13図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図14図2の移動機構及び遅延機構の作用の説明図である。
図15図12図14の移動機構及び遅延機構によるシート材(ブランク材)の状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明のブランキングラインの一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態のブランキングラインの主要部の概略構成を示す正面図である。この実施の形態では、図示しない金属板コイルからシート材Sが、図の左方から右方に向けて連続供給される。この連続供給されるシート材Sを順次所定寸法に切断してブランク材Bとするのが切断機構10である。この切断機構10は、固定型である下型12に設けられた下カッター部16と、上下動可能な可動型である上型14に設けられた上カッター部18とで構成される。上カッター部18はシート材Sよりも上方に位置し、下カッター部16はシート材Sよりも下方に位置し、両者は互いに対向する。移動しない下カッター部16に対して上カッター部18を上型14と共に下動し、両者でシート材Sを挟むことによりシート材Sが剪断加工されてブランク材Bが切り出される。切断後、上型14は上動する。上型14の上動端を上死点、下動端を下死点ともいう。
【0021】
切り出されたブランク材Bを次工程に搬送するのが搬送機構20であり、ベルトコンベヤ22で構成される。ベルトコンベヤ22では、搬送方向に回転するベルト24の上面にブランク材Bを載置して次工程に移動する。ベルト24は図示しない駆動ローラ及び従動ローラで回転され、駆動ローラは図示しない駆動源で駆動される。ベルト24は、例えば、比較的幅の狭いものをブランク材Bの搬送直交方向に複数条並べて配置され、原則的に回転され続けている。これは、それらの隙間を通じて、後述する突き上げ部材を上下動することを目的としている。なお、この実施の形態では、更なる搬送機構20として、ベルトコンベヤ22と切断機構10の間にローラコンベヤ26が配設されている。ローラコンベヤ26は、周知のように、搬送方向に回転可能な複数のローラ28を搬送方向に並べて構成され、実際のローラコンベヤ26は、シート材Sやブランク材Bが自重でベルトコンベヤ22側に移動するように、ローラコンベヤ26のベルトコンベヤ22側を低く設定している。
【0022】
この実施の形態では、ベルトコンベヤ22の搬送方向入側に突き上げ部材32を保持機構30として配設し、この突き上げ部材32をベルト24の上面に対して上下の位置に上下動する移動機構を設けた。まず、突き上げ部材32について説明すると、後述するように、この突き上げ部材32は、接断されるシート材Sの搬送方向先端部のみを支持するものであり、ベルトコンベヤ22の搬送方向入側において、上記複数条のベルト24の隙間部分に複数配設される。この突き上げ部材32は、上下方向に伸長する軸部34と、この軸部34の上端に取付けられ、シート材Sの下面を案内する案内部35とで構成される。このうち、案内部35は、比較的細長いばね板材を中央部でV字状に折曲した支持部36と、この支持部36の一方の端部に回転自在に設けられたローラ37とで構成され、ローラ37のない方の端部を略水平な状態で上記軸部34の上端に固定し、ローラ37の回転方向はシート材Sの搬送方向に一致させる。したがって、この突き上げ部材32の案内部35がベルトコンベヤ22のベルト24の上面より少し上方に配置されていると、シート材Sの搬送方向先端部、すなわち切断端部が支持部36からローラ37に乗り上げ、ベルト24の上面から突き上げられるようにして上方に移動される。その状態でシート材Sが停止すれば、シート材Sの搬送方向先端部は、ベルト24の上面よりも上方に保持される。
【0023】
一方、移動機構40は、上記上型14の上下動と連動するカム機構41で構成される。このカム機構41は、上記軸部34の下端に取付けられた作動カム45と、この作動カム45のカム面に上方から接触する副動カム44と、シート材Sの搬送方向に伸長する接続軸46で上記副動カム44に接続される従動カム43と、この従動カム43のカム面に上方から接触可能な駆動カム42とを備えて構成され、駆動カム42は、後述するように、上型14の上下動と連動する。作動カム45及び副動カム44のカム面も、駆動カム42と従動カム43のカム面も、シート材Sの搬送方向先方が上向きのテーパ面であるが、例えば、この実施の形態では、駆動カム42と従動カム43のカム面はやや鉛直に近い傾斜であり、副動カム44と作動カム45のカム面はやや水平に近い傾斜である。
【0024】
したがって、上型14の下動に伴って駆動カム42が下動すると従動カム43がカム面に沿って搬送方向先方に移動され、それに伴って、接続軸46で接続された副動カム44が搬送方向先方に移動されると作動カム45がカム面に沿って下方に押し下げられる。突き上げ部材32の下降端は、上記支持部36及びローラ37がベルトコンベヤ22のベルト24の上面よりも少し下方に位置するように設定した。なお、作動カム45の下方には、作動カム45及び突き上げ部材32を上方に付勢する押し上げスプリング48が設けられ、従動カム43の搬送方向先方には、従動カム43を搬送方向後方に付勢するリターンスプリング47が設けられている。したがって、上型14が上動すると駆動カム42の上動に伴って従動カム43が搬送方向後方に戻り、それに伴って副動カム44が搬送方向後方に移動されると作動カム45及び突き上げ部材32が上昇する。突き上げ部材32の上昇端は、上記支持部36及びローラ37がベルトコンベヤ22のベルト24の上面よりも少し上方に位置するように設定した。
【0025】
上記駆動カム42は、厚板状の上型連動部材52の下面から下方に突出するようにして取付固定されており、上型連動部材52は、軸部材からなる上下動ガイド54によって上下に往復動するように上型14から吊り下げられている。上下動ガイド54の下端部には、上型連動部材52が抜け落ちないように抜け止め(例えば図2参照)56が設けられ、それより下方には上型連動部材52は移動しない。そして、この上型連動部材52と上型14の間には、上下方向に弾性力を発現する弾性部材58が介在されている。この実施の形態では、この弾性部材58として、やや上下方向に伸長するウレタン部材を用いた。この弾性部材58、上型連動部材52、上下動ガイド54、抜け止め56が、上型14の上下動に対して突き上げ部材32の上下動を遅延する遅延機構50を構成する。なお、上記駆動カム42は、上記上型14が下死点まで下動された状態で、従動カム43とのカム面接触が外れ、その従動カム43の搬送方向後方側の鉛直面に沿って上下方向に移動可能になるように設定されている。
【0026】
図2は、図1の移動装置の一部を構成する駆動カム42及び従動カム43、上型14、遅延機構50を構成する上型連動部材52、上下動ガイド54、弾性部材58の斜視図である。ここでは、主に、上記遅延機構50の作用について説明する。図3は、上型14が上死点にあるときの移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図4図5は、上型14が上死点にあるときの実施の形態のブランキングラインの概略構成図である。上型14が上死点にあるときは、前の切断サイクルが終了しており、前に切断されたブランク材Bはベルトコンベヤ22によって払い出される。この前のブランク材Bの払い出し後、後述するようにして、突き上げ部材32の上端部(すなわち図示を省略している上記支持部36及びローラ37)がベルトコンベヤ22のベルト24の上面より上方に上昇される。このとき、駆動カム42と従動カム43は離間している。
【0027】
上型14が上死点にあるとき、上カッター部18は下カッター部16から離間しているので、この隙間を通って次のシート材Sが送り出される。このシート材Sの搬送方向先端部は、前の切断で切断された切断端部である。送り出されるシート材Sはローラコンベヤ26上を通ってベルトコンベヤ22にさしかかり、次いで、前述のように、シート材Sの先端部が突き上げ部材32に乗り上げる。こうしてシート材Sの先端部、すなわち切断端部が突き上げ部材32に乗り上げ、予め設定された所定寸法だけシート材Sが送り出された時点で、必要に応じてシート材Sの送り出しを停止すれば、シート材Sの先端部がベルトコンベヤ22のベルト24の上面から上方に持ち上げられた状態で保持される。ここから、上型14が下動され始める。
【0028】
図6は、上型14が下動され始めて駆動カム42が従動カム43とカム面接触した状態の移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図7は、そのときのブランキングラインの概略構成図である。この実施の形態では、例えば、駆動カム42と従動カム43の接触開始時点を上カッター部18と下カッター部16によるシート材Sの切断開始時点とした。図8は、図6から更に上型14が下動されて上型14が上型連動部材52に当接した状態の移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図9は、そのときのブランキングラインの概略構成図である。図6から図8までの時間、上型14と上型連動部材52の間に介在された弾性部材58が下方向きに潰れ、これにより上型連動部材52は下動しないので、駆動カム42と従動カム43は相対移動しない。一方、上カッター部18は上型14と共に下動し続けるので、この間にシート材Sが切断されてブランク材Bが切り出される。このシート材Sの切断の間、駆動カム42と従動カム43は相対移動しないので、移動機構40を構成するカム機構41も作動せず、突き上げ部材32はベルトコンベヤ22のベルト24の上面より上方に保持され、これによりシート材Sの先端部はベルト24の上面から持ち上げられた状態に保持される。
【0029】
図10は、図8から更に上型14が下動されて駆動カム42によって従動カム43が上記搬送方向前方に移動された状態の移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図11は、そのときのブランキングラインの概略構成図である。この駆動カム42による従動カム43の上記搬送方向先方への移動に伴い、副動カム44が搬送方向先方に移動され、それに伴って作動カム45が下降されるので、突き上げ部材32の上端部、すなわち不図示の支持部36及びローラ37はベルトコンベヤ22のベルト24の上面よりも下方に移動され、切断されたブランク材Bがベルトコンベヤ22のベルト24の上面に載置されて搬送される。したがって、これまでの間、シート材Sの先端部、すなわち切断端部が回転し続けるベルト24と擦れることがなく、上記ベルト24との擦れに伴う諸問題を回避することができる。
【0030】
図12は、図10から更に上型14が下動されて上型14の下死点に到達した状態の移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図13は、図12の直後の移動機構40及び遅延機構50の正面図である。前述したように、この実施の形態では、上型14が下死点まで下動された状態で、駆動カム42は従動カム43とのカム面接触が外れ、従動カム43の搬送方向後方側の鉛直面に沿って上下方向に移動可能になる。このとき、上型14と上型連動部材52の間に介在された弾性部材58の復元力で弾性部材58が上下方向に伸長し、これに伴って上型連動部材52が下降され、駆動カム42と従動カム43の鉛直面同士の接触長が大きくなる。この状態で、上型連動部材52は上下動ガイド54の抜け止め56に当接して支持されている。
【0031】
図14は、図13から上型14が上動され、駆動カム42と従動カム43の鉛直面同士の接触が完了する状態の移動機構40及び遅延機構50の正面図であり、図15は、そのときのブランキングラインの概略構成図である。駆動カム42と従動カム43は、図13の鉛直面同士の接触が図14でなくなるまで、カム面接触せず、したがって従動カム43は上記搬送方向に相対移動しない。図14の状態の直後から、リターンスプリング47によって従動カム43が搬送方向後方に戻され、これにより、駆動カム42と従動カム43のカム面接触が開始される。その結果、前述のように、従動カム43及び副動カム44の搬送方向後方への移動に伴って作動カム45及び突き上げ部材32が押し上げスプリング48によって上動され始め、図3及び図4の上型上死点状態に戻る。このように、弾性部材58によって駆動カム42が下方に移動されることにより、駆動カム42と従動カム43の鉛直面同士の接触長が大きくなり、上型14の上動から駆動カム42と従動カム43のカム面接触までの時間が大きくなるので、この間、突き上げ部材32が上動されず、図15に示すように、切断されたブランク材Bの払い出しに際し、ブランク材Bの搬送妨害を回避することができる。
【0032】
このように、この実施の形態のブランキングラインでは、切断機構10を構成する下型12に対して上型14を下動するとカム機構41からなる移動機構40によって保持機構30の突き上げ部材32が下動され、上型14を上動すると突き上げ部材32が上動されるので、上型14に設けられた上カッター部18が下カッター部16に向けて下動されるまで、すなわち、シート材Sが切断されるまでは、シート材Sの先端部、すなわち切断端部を突き上げ部材32によってベルトコンベヤ22のベルト24の上面よりも上方で保持することができる。また、遅延機構50により、上型14の上下動に対するカム機構41の作動タイミングをずらすことによって上型14の下動に対する突き上げ部材32の下動のタイミングが遅延されるので、シート材Sが切断完了されるまでは、シート材Sの先端部を突き上げ部材32によってベルトコンベヤ22のベルト24の上面よりも上方で保持することができる。これらにより、シート材Sの切断端部と回転するベルト24の擦れを回避することができることから、個別の駆動装置を用いることなく、簡潔な構造にして、両者の擦れによる諸問題を回避することができる。また、同様に、遅延機構50によって上型14の上動に対する突き上げ部材32の上動のタイミングが遅延されるので、例えば、切断されたブランク材Bの搬送方向後端部が通過するまで、突き上げ部材32をベルト24の上面よりも下方に位置させることができ、これによりブランク材Bの搬送妨害を回避することができる。
【0033】
また、切断機構10によるシート材Sの切断後に突き上げ部材32がベルト24の上面よりも下方位置に移動するように上型14の下動に対する突き上げ部材32の下動のタイミングを遅延することにより、シート材Sの切断端部と回転するベルト24の擦れをより一層確実に回避することができる。
【0034】
また、突き上げ部材32の位置をブランク材Bの搬送方向後端部が通過した後にベルト24の上面よりも上方位置に移動するように上型14の上動に対する突き上げ部材32の上動のタイミングを遅延することにより、ブランク材Bの搬送妨害を確実に回避することができる。
【0035】
また、上型14と移動機構40のカム機構41との間に介在された弾性部材58で遅延機構50を構成することにより、ブランク材B切断完了までのシート材S切断端部と回転するベルト24の擦れ回避や、ブランク材Bの搬送妨害回避を、極めて簡潔な構造で達成することができる。
【0036】
以上、実施の形態に係るブランキングラインについて説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、遅延機構50の弾性部材58にウレタン部材を用いたが、これに代えて、ばね部材を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 切断機構
12 下型
14 上型
16 下カッター部
18 上カッター部
20 搬送機構
22 ベルトコンベヤ
24 ベルト
30 保持機構
32 突き上げ部材
40 移動機構
41 カム機構
42 駆動カム(カム機構)
43 従動カム(カム機構)
44 副動カム(カム機構)
45 作動カム(カム機構)
46 接続軸(カム機構)
47 リターンスプリング(カム機構)
48 押し上げスプリング(カム機構)
50 遅延機構
52 上型連動部材(遅延機構)
54 上下動ガイド(遅延機構)
56 抜け止め(遅延機構)
58 弾性部材(遅延機構)
S シート材
B ブランク材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15