特開2020-164050(P2020-164050A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-164050(P2020-164050A)
(43)【公開日】2020年10月8日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20200911BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20200911BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20200911BHJP
   A47C 7/46 20060101ALI20200911BHJP
【FI】
   B60N2/90
   A47C27/00 Q
   A47C7/14 Z
   A47C7/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-66915(P2019-66915)
(22)【出願日】2019年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 勇
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B084BA01
3B084HA12
3B087DE04
3B096AA01
3B096AB05
3B096AB07
3B096AC11
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】粉体を収容した車両用シートにおいて、粉体を適切な部位に流動させ得る車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シート10において、シートクッション20の内部に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部22を備え、収容部22に気体を送気することにより粉体を流体化させて、収容部22の形状を軟質化にし、収容部22から気体を吸気することにより粉体を固体化させて、収容部22の形状を硬質化する。また、収容部22は、可撓性が高い高可撓性部位22bと、可撓性が低いまたは無い低可撓性部位22aとを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員の臀部を支持するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックと、を備えた車両用シートにおいて、
前記シートクッションの内部または前記シートバックの内部の少なくとも一方に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部と、
前記収容部に気体を送気するとともに、前記収容部から気体を吸気する送吸気部と、を備え、
前記送吸気部は、
前記収容部に気体を送気することにより前記収容部に収容された粉体を流体化させて、前記収容部の形状を軟質化にし、
前記収容部に気体を吸気することにより前記収容部に収容された粉体を固体化させて、前記収容部の形状を硬質化にし、
前記収容部は、
可撓性が異なり、可撓性が高い高可撓性部位と、可撓性が低いまたは無い低可撓性部位とを有する、
ことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記収容部は、前記シートクッションの内部に設けられており、
前記高可撓性部位は、前記シートクッションの外周面側に設けられており、
前記低可撓性部位は、前記シートクッションの中央側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記収容部は、前記シートクッションの内部に設けられており、
前記高可撓性部位は、前記シートクッションの前面側に設けられており、
前記低可撓性部位は、前記シートクッションの後面側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記収容部は、前記シートクッションの内部に設けられており、
前記高可撓性部位は、前記シートクッションの中央側に設けられており、
前記低可撓性部位は、前記シートクッションの外周面側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記収容部は、前記シートクッションの内部に設けられており、
前記高可撓性部位は、前記シートクッションの後面側に設けられており、
前記低可撓性部位は、前記シートクッションの前面側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記収容部は、前記シートバックの内部に設けられており、
前記高可撓性部位は、前記シートバックの上面側に設けられており、
前記低可撓性部位は、前記シートバックの下面側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートは、乗員それぞれの着座姿勢を考慮することなく、メーカーの推奨する着座姿勢で製造されている。乗員がメーカーの推奨する着座姿勢で着座していない場合、乗員の体の各部に疲れを感じる。また、この種の車両用シートは、乗員の体型も考慮されていない。
【0003】
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1は、可撓性を有する空気非透過性材料によって形成され内部に粉体を流動可能な状態で充填した袋体を座部及び背当部に配置した車両用シートを開示している。特許文献1に開示されている車両用シートは、着座者の体重により袋体内の粉体を流動させ座部及び背当部の表面を乗員の着座姿勢に合わせた凹凸面に形成し、袋体内から空気を吸引することによって袋体内の粉体の位置を固定させ座部及び背当部の表面の凹凸面を維持している。
【0004】
また、特許文献2には、表皮部材とクッション体との間に粉体として発泡プラスチック粒子を充填した複数の気密袋を配置した車両用シートを開示している。特許文献2に開示されている車両用シートは、複数の気密袋内を減圧して発泡プラスチック粒子同士を密着、固化させることによって表皮部材の全面を乗員の着座姿勢に合わせた凹凸面を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−229930公報
【特許文献2】実開平4−115448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている車両用シートは、乗員の着座姿勢によって粉体が所定の方向側に偏ってしまい、粉体を適切な部位に流動させることが困難であった。
また、粉体を適切な部位に流動させるためには、様々な部材や制御方法が必要にもなるが、粉体を収容した車両用シートにおいては、スペース上の制約もあり、簡易な構成にて、粉体を適切な部位に流動させることも望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決するものであり、粉体を収容した車両用シートにおいて、粉体を適切な部位に流動させ得る車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の車両用シートは、乗員の臀部を支持するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックと、を備えた車両用シートにおいて、前記シートクッションの内部または前記シートバックの内部の少なくとも一方に、可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、粉体を収容する収容部と、前記収容部に気体を送気するとともに、前記収容部から気体を吸気する送吸気部と、を備え、前記送吸気部は、前記収容部に気体を送気することにより前記収容部に収容された粉体を流体化させて、前記収容部の形状を軟質化にし、前記収容部に気体を吸気することにより前記収容部に収容された粉体を固体化させて、前記収容部の形状を硬質化にし、前記収容部は、可撓性が異なり、可撓性が高い高可撓性部位と、可撓性が低いまたは無い低可撓性部位とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、粉体を収容した車両用シートにおいて、粉体を適切な部位に流動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係る車両用シートを備えた車両における車内の斜視図である。
図2】本発明の実施形態1に係る車両用シートの斜視図である。
図3】本発明の実施形態1に係る車両用シートにおいて、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図4】本発明の実施形態1に係る車両用シートにおいて、車両に対する水平方向を断面方向としたときの水平断面概念図である。
図5】本発明の実施形態に係る車両用シートの電気的構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態1に係る車両用シートに乗員が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図7】本発明の実施形態2に係る車両用シートにおいて、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図8】本発明の実施形態2に係る車両用シートに乗員が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
図9】本発明の実施形態3に係る車両用シートのシートクッションにおいて、車両に対する水平方向を断面方向としたときの水平断面概念図である。
図10】本発明の実施形態4に係る車両用シートのシートバックにおいて、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る車両用シートについて、図1図6を参照しながら説明する。ただし、以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
[車両用シートの概略構成]
本発明の実施形態1に係る車両用シート10の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0013】
図1は、車両用シート10を備えた車両1における車内の斜視図である。また、図2は、車両用シート10の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、車両1における車内には、インストルメントパネル2よりも後方に設置されているフロントシート3と、フロントシート3よりも後方に設置されているリアシート4とが配置されている。また、フロントシート3は、運転席用のフロントシート3aと、助手席用のフロントシート3bと、を有している。本実施形態に係る車両用シート10は、フロントシート3またはリアシート4の少なくともいずれか一方に適用されるものである。
【0015】
図2に示すように、車両用シート10は、車両本体の構造体上に固定されているシートクッション20と、シートクッション20の後端側から上方に向かって延びるように設けられたシートバック30と、シートバック30の上端に設けられたヘッドレスト40と、を備えている。
【0016】
また、シートクッション20は乗員の臀部及び脚部を支持するものであり、シートバック30は乗員の腰部及び背中を支持するものである。ヘッドレスト40は、乗員の頭部を支持するものである。
【0017】
[車両用シートの内部構成]
次に、本発明の実施形態1に係る車両用シート10の内部構成について図3及び図4に基づいて説明する。図3は、車両用シート10において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。図4は、車両用シート10において、車両に対する水平方向を断面方向としたときの水平断面概念図である。尚、以下の説明においては、適宜図1及び図2を参酌する。
【0018】
図3に示すように、車両用シート10は、シートバック30に、乗員の背部が接する背面31と、粉体を収容する袋状のシートバック用収容部32とを備えている。
【0019】
背面31は、布、本革又は合成皮革等の表皮部材31aで覆われている。
【0020】
シートバック用収容部32は、背面31の後方において車両用シート10に着座した乗員の背部と対向する対向側に設けられており、可撓性を有する気体非透過性材料の袋体にて形成されている。
【0021】
また、シートバック用収容部32は、後述する送吸気部23から送吸気されてきた気体を内部に流通させるための接続部33を有している。
【0022】
本実施形態においては、シートバック用収容部32に送吸気される気体は、空気(外気)に対応しているが、粉体の流体化・固体化を高める媒体となるような媒体ガスであってもよい。このことは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0023】
シートバック用収容部32は、可撓性を有する気体非透過性材料の袋体であるため、内部の気密性が保たれている。シートバック用収容部32に収容されている粉体は、送吸気部23を介して流体化及び固体化に切り替えられている。
【0024】
また、車両用シート10は、シートクッション20に、乗員の臀部が接する座面21と、粉体を収容する袋状のシートクッション用収容部22と、シートクッション用収容部22に気体を送吸気する送吸気部23とを備えている。
【0025】
また、シートクッション20の下方であって、シートクッション20を支持する支持部(図示せず)には、シートクッション20にかかる圧力を検出するシート圧力センサ21bが設けられている。
【0026】
座面21は、布、本革又は合成皮革等の表皮部材21aで覆われている。
【0027】
シートクッション用収容部22は、座面21の下方において車両用シート10に着座した乗員の臀部と対向する対向側に設けられており、シートクッション20の前面側から後面側へと下り傾斜となるように配置されている。
【0028】
シートクッション用収容部22は、低い可撓性を有する気体非透過性材料から成る低可撓性部位22aと、低可撓性部位22aよりも高い可撓性を有する気体非透過性材料から成る高可撓性部位22bとを縫製等により結合させることによって、袋状に形成されている。気体非透過性材料は、例えば樹脂、ゴム等が挙げられる。
なお、本実施形態1においては、シートクッション用収容部22が2種類の異なる可撓性を有しているが、3種類以上の異なる可撓性を有していてもよい。また、低可撓性部位22aは、可撓性が無くてもよい。
【0029】
低可撓性部位22aは、シートクッション20の後面側に設けられている。高可撓性部位22bは、シートクッション20の前面側に設けられている。
【0030】
シートクッション用収容部22は、可撓性を有する気体非透過性材料で形成された袋体であるため、内部の気密性が保たれており、内部に粉体を収容している。
【0031】
また、シートクッション用収容部22は、送吸気部23から送吸気されてきた気体を内部に流通させるための接続部24を有している。
【0032】
送吸気部23は、例えばコンプレッサ等から構成されており、流通管25を介して、シートクッション用収容部22の接続部24と、シートバック用収容部32の接続部33とに接続されている。また、送吸気部23は、後述するコントローラ100からの制御信号に応じて、シートクッション用収容部22とシートバック用収容部32とに気体を送吸気する。
【0033】
送吸気部23は、流通管25を介してシートクッション用収容部22とシートバック用収容部32とに気体を送気することにより、シートクッション用収容部22とシートバック用収容部32との形状を膨らむように変形させ、収容されている粉体を流体化させる。収容されている粉体が流体化するため、シートクッション用収容部22とシートバック用収容部32との形状は軟質化する。
【0034】
これに対し、送吸気部23は、流通管25を介してシートクッション用収容部22とシートバック用収容部32とから気体を吸気することにより、シートクッション用収容部22とシートバック用収容部32の形状を収縮するように変形させ、収容されている粉体を固体化させる。収容されている粉体が固体化するため、シートクッション用収容部22とシートバック用収容部32との形状は硬質化する。
【0035】
送吸気部23は、流通管25を介してシートクッション用収容部22に気体を送気した場合、高可撓性部位22bにおけるシートクッション用収容部22の形状は、可撓性が高いため、座面21への膨らみによる変形量が大きい。
【0036】
一方、低可撓性部位22aにおけるシートクッション用収容部22の形状は、可撓性が低いため、座面21への膨らみによる変形量が小さい。
【0037】
このため、シートクッション用収容部22は、場所に応じて可撓性を異ならせることによって、座面21への膨らみによる変形量を変更させることができる。
【0038】
[車両用シートの電気的構成]
次に、本発明の実施形態に係る車両用シート10の電気的構成について図5に基づいて説明する。図5は、車両用シート10の電気的構成を示すブロック図である。
【0039】
図5に示すように、車両用シート10には、コントローラ100が備えられている。
コントローラ100は、シート圧力センサ21bと、送吸気部23と、車両1の進行方向を撮影する車外撮影用カメラ101と、車両1内の乗員を撮影する車内撮影用カメラ102とに通信可能に接続されている。
【0040】
車内撮影用カメラ102は、車両用シート10に着座している乗員の姿勢を検出する姿勢検出部を構成している。また、シート圧力センサ21bによっても、圧力分布によって、着座している乗員の姿勢を推定できる。
【0041】
コントローラ100は、不図示のプロセッサ、メモリ及びストレージ等から構成されており、車両用シート10に含まれる各種構成要素を統括的に制御し、車両用シート10の各種機能を実現するための制御処理を実行する。プロセッサは、本実施形態におけるプログラムをストレージから呼び出してメモリに展開し、これらを所定順序で実行することにより、乗員の着座姿勢の制御に関するシートクッション制御処理及びシートバック制御処理を実行する。
【0042】
そして、コントローラ100は、検出した着座姿勢に基づいて、送吸気部23に気体の送吸気をさせる送吸制御をする。特に、本実施形態においては、検出した着座姿勢の変化が少ないと検出されると、シートクッション用収容部22及びシートバック用収容部32から吸気をさせる制御を実行する。
【0043】
[車両用シートの粉体の偏りを抑制する態様の説明]
次に、本発明の実施形態1に係る車両用シート10の乗員に着座姿勢を維持させる態様について図6を用いて説明する。図6は、車両用シート10に乗員50が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。尚、以下の説明においては、適宜図3図5を参酌する。
【0044】
図6に示すように、乗員50がシートクッション20に着座する場合には、コントローラ100は、シートクッション用収容部22の形状を乗員50の着座姿勢の形状に合わせるため、送吸気部23を介してシートクッション用収容部22に気体を送気させることにより粉体を流体化させ、シートクッション用収容部22の形状を軟質化にしておく。
【0045】
このとき、乗員50がシートクッション20の後面側に着座すると、低可撓性部位22aが乗員50の臀部により押圧されることによって、低可撓性部位22aに収容された粉体が、シートクッション20の前面側へと移動する。
【0046】
そして、シートクッション20の前面側へと移動した粉体は、前面側の高可撓性部位22bに偏り、可撓性が高いことから、座面21の前面に大きな膨らみを形成することになる。
【0047】
その後、コントローラ100が、車内撮影用カメラ102又はシート圧力センサ21bによって検出された乗員50の着座姿勢の変化量が少ないと判定すると、送吸気部23にシートクッション用収容部22から気体を吸気させることにより粉体を固体化させ、シートクッション用収容部22の形状を硬質化にする。これによって、シートクッション用収容部22の形状を乗員50の着座姿勢の形状に合わせることができ、着座する乗員50の安定感を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態においては、シートクッション20の前面側の座面21が膨らむことによって、車両走行時における車両の前後方向への加速度による慣性力(所謂前後G)による乗員50の着座姿勢の揺れを抑制することができる。
【0049】
シートクッション20の前面側の座面21が膨らむことによって、車両1の前面衝突時において、乗員50がシートクッション20の前方かつ下方に潜り込んでしまうような所謂サブマリン現象を防止することもできる。
【0050】
そして、コントローラ100が、車内撮影用カメラ102又はシート圧力センサ21bを介して乗員50が離席したと判定すると、送吸気部23にシートクッション用収容部22に気体を送気させることにより粉体を流体化させる。そして、前面側の高可撓性部位22bに偏った粉体は、その自重により、後面側の低可撓性部位22aへと下方に流動することになる。
このため、シートクッション用収容部22に収容されている粉体の位置が乗員50の着座する直前の状態の位置に確実に戻りやすくなり、復元性を向上させることができる。
【0051】
以上のように、本実施形態1では、車両用シート10のシートクッション20の内部に、可撓性が高い高可撓性部位22bと、可撓性が低いまたは無い低可撓性部位22aとの異なる可撓性を有するシートクッション用収容部22が設けられている。また、シートクッション用収容部22は内部に粉体を収容している。さらに、シートクッション20の後面側には低可撓性部位22aが設けられており、シートクッション20の前面側には高可撓性部位22bが設けられている。そして、送吸気部23がシートクッション用収容部22に気体を送気した場合、乗員50がシートクッション20の後面側に着座することにより、シートクッション用収容部22は、低可撓性部位22aで収容している粉体を、高可撓性部位22bに流動させ易くすることができる。
【0052】
このため、本実施形態1では、シートクッション用収容部22の可撓性を異ならせるという簡易な構成により、シートクッション用収容部22に収容された粉体を、シートクッション20の前面側に流動させることができる。
【0053】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る車両用シートについて、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、車両用シート10において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。図8は、車両用シート10に乗員が着座している状態において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。
【0054】
図7に示すように、実施形態2に係る車両用シート10においては、低可撓性部位22aは、シートクッション20の前面側に設けられている。高可撓性部位22bは、シートクッション20の後面側に設けられている。すなわち、実施形態2に係る車両用シート10においては、実施形態1に係る車両用シート10と比較して、低可撓性部位22aと高可撓性部位22bとの配置関係が逆に構成されている。
【0055】
そして、図8に示すように、乗員50がシートクッション20の後面側に着座すると、高可撓性部位22bが乗員50の臀部により押圧されることによって、高可撓性部位22bに収容された粉体が、シートクッション20の前面側及びシートクッション20の後面側へと移動する。
【0056】
そして、シートクッション20の前面側へと移動した粉体は、前面側の低可撓性部位22aに偏るものの、可撓性が低いことから、座面21の前面に小さな膨らみを形成する。
【0057】
これに対し、シートクッション20の後面側へと移動した粉体は、最後面側の高可撓性部位22bに偏り、可撓性が高いことから、座面21の最後面に大きな膨らみを形成することになる。
【0058】
このように、実施形態2においても、シートクッション用収容部22の形状を乗員50の着座姿勢の形状に合わせることができ、着座する乗員50の安定感を向上させることができる。そして、シートクッション20の前面側及び最後面側の座面21が膨らむことによって、車両走行時における車両の前後方向への加速度による慣性力(所謂前後G)による乗員50の着座姿勢の揺れを抑制することもできる。
【0059】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る車両用シートについて、図9を参照しながら説明する。図9は、車両用シート10のシートクッション20において、車両に対する水平方向を断面方向としたときの水平断面概念図である。
【0060】
図9に示すように、実施形態3に係る車両用シート10においては、低可撓性部位22aがシートクッション20の中央側に設けられており、高可撓性部位22bがシートクッション20の左右方向の一端側を含むようにシートクッション20の外周側に設けられている。
【0061】
このため、実施形態3に係る車両用シート10においては、乗員50がシートクッション20の中央部に着座すると、低可撓性部位22aが乗員50の臀部により押圧されることによって、低可撓性部位22aに収容された粉体が、シートクッション20の外周側へと移動する。
【0062】
そして、シートクッション20の外周側へと移動した粉体は、外周側の高可撓性部位22bに偏るものの、可撓性が高いことから、座面21の外周に大きな膨らみを形成する。
【0063】
このように、実施形態3においても、シートクッション用収容部22の形状を乗員50の着座姿勢の形状に合わせることができ、着座する乗員50の安定感を向上させることができる。そして、シートクッション20の外周側が膨らむことによって、車両走行時における車両の前後方向及び左右方向への加速度による慣性力(所謂前後G及び左右G)による乗員50の着座姿勢の揺れを抑制することもできる。
【0064】
なお、実施形態3においては、低可撓性部位22aがシートクッション20の中央側に設けられており、高可撓性部位22bがシートクッション20の外周側に設けられるように構成したが、低可撓性部位22aがシートクッション20の中央側に設けられており、
高可撓性部位22bがシートクッション20の外周に設けられるように構成してもよい。
【0065】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る車両用シートについて、図10を参照しながら説明する。図10は、車両用シート10のシートバック30において、車両の前後方向を断面方向としたときの縦断面概念図である。図10(a)は、本実施形態2におけるシートバック30である。図10(b)は、従来のシートバック70である。
【0066】
図10(b)に示すように、従来のシートバック70は、1種類の可撓性を有する気体非透過性材料の袋状にて形成され、内部に粉体を収容するシートバック用収容部71を備えている。
【0067】
シートバック用収容部71は、シートバック70の背面に沿うように鉛直方向に設けられている。これにより、シートバック用収容部71の内部に収容されている粉体は、シートバック用収容部71の下側に偏る。また、シートバック用収容部71の形状がシートバック用収容部71の内部に収容されている粉体の偏りによって膨らむように変形するため、乗員の座り心地を低下させている。
【0068】
一方、図10(a)に示すように、本実施形態4におけるシートバック用収容部60は、低可撓性部位60aと、低可撓性部位60aよりも高い可撓性を有する高可撓性部位60bとを縫製等により結合させることによって、袋状に形成されている。
【0069】
高可撓性部位60bはシートバック30の上面側に設けられており、低可撓性部位60aは高可撓性部位60bよりもシートバック30の下面側に設けられている。このため、シートバック用収容部60の内部に収容されている粉体がシートバック用収容部60の下側に偏ることなく、低可撓性部位60aにおけるシートバック用収容部60の形状は維持される。これにより、シートバック30の下面側においてシートバック用収容部60の形状が膨らむように変形しないため、乗員の乗り心地が向上する。
【0070】
さらに、低可撓性部位60aが乗員50の背中により押圧されることによって、低可撓性部位60aに収容された粉体が、シートバック30の上面側へと移動する。
【0071】
そして、シートバック30の上面側へと移動した粉体は、上面側の高可撓性部位22bに偏るものの、高可撓性部位22bは可撓性が高いことから、シートバック30の形状を乗員50の着座姿勢の形状に合わせることができ、着座する乗員50の安定感を向上させることができる。
【0072】
[その他]
上述の各実施形態において、高可撓性部位及び低可撓性部位を有する収容部は、シートクッション20又はシートバック30のいずれか一方に設けられていたが、これに限られないものとする。収容部は、シートクッション20及びシートバック30の両方に設けられていてもよいものとする。
【符号の説明】
【0073】
1:車両、3:フロントシート、4:リアシート、10:車両用シート、20:シートクッション、21:座面、21a:表皮部材、21b:シート圧力センサ、22:シートクッション用収容部(収容部)、22a:低可撓性部位、22b:高可撓性部位、23:送吸気部、24:接続部、25:流通管、30:シートバック、31:背面、32:シートバック用収容部、33:接続部、40:ヘッドレスト、50:乗員、60:シートバック用収容部(収容部)、60a:低可撓性部位、60b:高可撓性部位、100:コントローラ、101:車外撮影用カメラ、102:車内撮影用カメラ

図1
図2
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図9
図10