特開2020-176161(P2020-176161A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭化成株式会社の特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-176161(P2020-176161A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】硬化型組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/67 20060101AFI20201002BHJP
   C08G 18/73 20060101ALI20201002BHJP
   C08G 18/66 20060101ALI20201002BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   C08G18/67
   C08G18/73
   C08G18/66 074
   C08F290/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-76996(P2019-76996)
(22)【出願日】2019年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】内田 雅子
【テーマコード(参考)】
4J034
4J127
【Fターム(参考)】
4J034BA08
4J034CA04
4J034CB03
4J034CB07
4J034CC03
4J034DA01
4J034DB04
4J034DB07
4J034DC50
4J034DF02
4J034DF12
4J034DF16
4J034DF19
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG06
4J034FA02
4J034FB01
4J034FC01
4J034FC03
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034JA01
4J034JA02
4J034JA42
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034KD11
4J034KD12
4J034KE02
4J034LA23
4J034QB12
4J034QB14
4J034QB17
4J034RA07
4J034RA08
4J034RA09
4J034RA15
4J127AA03
4J127BB041
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC151
4J127BD461
4J127BD471
4J127BD481
4J127BE281
4J127BE28Y
4J127BF141
4J127BF14X
4J127BF151
4J127BF15X
4J127BF181
4J127BF18X
4J127BF191
4J127BF19X
4J127BF621
4J127BF62X
4J127BG091
4J127BG09X
4J127BG181
4J127BG18X
4J127CB341
4J127CB371
4J127EA12
4J127FA08
4J127FA14
(57)【要約】
【課題】塗膜としたときの柔軟性及び耐熱性に優れる硬化型組成物を提供する。
【解決手段】硬化型組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、2官能性アルコール、及び(メタ)アクリル酸エステルから得られ、前記2官能性アルコールが脂肪族ジオールを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘキサメチレンジイソシアネート、2官能性アルコール、及び(メタ)アクリル酸エステルから得られ、
前記2官能性アルコールが脂肪族ジオールを含む、硬化型組成物。
【請求項2】
前記2官能性アルコールが、脂肪族ジオールと、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群より選ばれる1種以上のジオールと、からなる、請求項1に記載の硬化型組成物。
【請求項3】
前記2官能性アルコールが、脂肪族ジオール及びポリエーテルジオールからなる、請求項1又は2に記載の硬化型組成物。
【請求項4】
光重合開始剤を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化型組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化型組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(UV)や電子線(EB)等の活性エネルギー線により硬化する樹脂(以下、「活性エネルギー線硬化樹脂」と称する場合がある)は、常温下短時間で硬化し、無溶剤系とすることが可能である。画像形成時の解像力が高い等、従来の溶剤系である熱硬化型樹脂と比べて著しい特徴を有するため、注目を集めている。
【0003】
これら活性エネルギー線硬化樹脂のうち、イソシアネート成分と、水酸基を有する(メタ)アクリレート成分との反応物である、いわゆるウレタンアクリレート類は、硬化性に優れ、強靭な塗膜を得ることができる。その一方で、特に、多官能の(メタ)アクリレート成分を用いた場合に、得られるウレタンアクリレート類は、柔軟性に劣る傾向がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4765136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗膜としたときの柔軟性、耐水性及び耐熱性に優れる硬化型組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る硬化型組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、2官能性アルコール、及び(メタ)アクリル酸エステルから得られ、前記2官能性アルコールが脂肪族ジオールを含む。
前記2官能性アルコールが、脂肪族ジオールと、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群より選ばれる1種以上のジオールとからなってもよい。
前記2官能性アルコールが、脂肪族ジオール及びポリエーテルジオールからなってもよい。
上記第1態様に係る硬化型組成物は、光重合開始剤を更に含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記態様の硬化型組成物によれば、塗膜としたときの柔軟性及び耐熱性に優れる硬化型組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0009】
なお、本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」は、メタクリルとアクリルとを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートとを包含するものとする。
【0010】
≪硬化型組成物≫
本実施形態の硬化型組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する場合がある)と、2官能性アルコールと、(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られる。すなわち、本実施形態の硬化型組成物は、HDI、2官能性アルコール及び(メタ)アクリル酸エステルの反応物である。また、2官能性アルコールは脂肪族ジオールを含む。
本実施形態の硬化型組成物は、上記構成を有することで、塗膜としたときの柔軟性及び耐熱性に優れる。
次いで、本実施形態の硬化型組成物の各構成成分について以下に詳細を説明する。
【0011】
<2官能性アルコール>
本実施形態の硬化型組成物に用いられる2官能性アルコールとしては、1分子中に2個の水酸基を有する化合物である。
2官能性アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。これら2官能性アルコールを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。2官能性アルコールは、脂肪族ジオールを含み、脂肪族ジオールと、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群より選ばれる1種以上のジオールと、からなることが好ましく、脂肪族ジオール及びポリエーテルジオールからなることがより好ましい。
【0012】
[脂肪族ジオール]
脂肪族ジオールとは、アルキレンジオールであり、炭素数3以上10以下の分岐鎖を有するアルキレンジオールが好ましい。このようなアルキレンジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0013】
[ポリエーテルジオール]
ポリエーテルジオールとは、ポリオキシアルキレングリコールであり、数平均分子量が200以上4000以下のポリオキシアルキレングリコールが好ましい。ポリエーテルジオールとして具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0014】
[ポリエステルジオール]
ポリエステルジオールとは、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とをエステル化させることで得られる化合物、又はカプロラクトン化合物とジオール化合物とを反応させることで得られる化合物であり、カプロラクトン化合物とジオール化合物とを反応させることで得られる化合物が好ましい。ポリエステルジオールの製造に用いられるジオール化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール等が挙げられる。
ポリエステルジオールとして具体的には、例えば、ダイセル製のプラクセル205UT(数平均分子量:530)等が挙げられる。
【0015】
[ポリカーボネートジオール]
ポリカーボネートジオールとは、ジオール化合物と、エチレンカーボネートや炭酸ジブチルエステル等の炭酸ジアルキルエステル等の化合物と、の反応によって得られる化合物であり、脂肪族ジオールと、エチレンカーボネートや炭酸ジブチルエステル等の炭酸ジアルキルエステル等の化合物と、の反応によって得られる化合物が好ましい。ポリカーボネートジオールの製造に用いられる脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これら脂肪族ジオールを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよいが、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
ポリカーボネートジオールとして具体的には、例えば、旭化成製のポリカーボネートジオール デュラノールT5650E(低粘度グレード、液体、数平均分子量:500、水酸基価:200mgKOH/g以上250mgKOH/g以下)、同G3450J(高耐薬品・高耐摩耗グレード、液体、数平均分子量:800、水酸基価:130mgKOH/g以上150mgKOH/g以下)、同T4671(耐摩耗グレード、液体、数平均分子量:1000、水酸基価:100mgKOH/g以上120mgKOH/g以下)等が挙げられる。
【0016】
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化して得られる反応物であり、ヒドロキシを有する(メタ)アクリレート(以下、「ヒドロキシアクリレート」と略記する場合がある)が好ましい。ヒドロキシアクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メsxcタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
<硬化型組成物の製造方法>
本実施形態の硬化型組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、2官能性アルコールとHDIとを反応させてウレタンプレポリマーを製造した後に、当該ウレタンプレポリマーと(メタ)アクリル酸エステル(好ましくは、ヒドロキシアクリレート)とを反応させる方法や、2官能性アルコールとHDIと(メタ)アクリル酸エステル(好ましくは、ヒドロキシアクリレート)とを同時に反応させる方法等が挙げられる。
【0018】
これらの反応には、ウレタン化のための触媒を添加することができる。触媒としては、例えば、スズ化合物、アミン化合物等が挙げられる。スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジオクチルスズジラウレート等が挙げられる。アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
【0019】
本実施形態の硬化型組成物の製造方法では、必要に応じて、ラジカル重合禁止剤を用いてもよい。ラジカル重合禁止剤としては、ラジカルを補足し得る化合物であれば特に制限されず、従来から知られている通常のラジカル重合禁止剤が使用可能である。好ましいラジカル重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、エトキシハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、次亜リン酸等が挙げられる。これらラジカル重合禁止剤を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0020】
これらの反応は、無溶剤で行なうこともでき、溶剤存在下で行なうこともできる。溶剤として具体的には、例えば、炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アルキレングリコールモノエーテルアセテート系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルキレングリコールモノエーテルアセテート系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
【0021】
また、溶剤の代わりに反応性希釈剤を用いることもできる。反応性希釈剤として具体的には、例えば、(メタ)アクリレート、スチレン、スチレン誘導体等が挙げられ、スチレン誘導体としては、例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これら反応性希釈剤の中から使用目的や所望物性に合わせて、任意のものを任意の割合で使用することができる。
【0022】
<その他成分>
本実施形態の硬化型組成物は、光重合開始剤を更に含んでもよい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、α−ケトエステル系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン/ベンゾフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物等が挙げられる。
【0023】
本実施形態の硬化型組成物は、熱重合開始剤を更に含んでもよい。熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
【0024】
本発明の硬化型組成物には、前述した成分以外にも、使用する目的及び用途に応じて種々の成分を配合できる。種々の成分として具体的には、例えば、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、有機フィラー、光安定剤等が挙げられる。
【0025】
<用途>
本実施形態の硬化型組成物は、塗料組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、注型剤組成物等の硬化性組成物;繊維処理剤等の各種表面処理剤組成物;各種エラストマー組成物;発泡体組成物等の架橋剤;改質剤;添加剤として用いることができる。
【0026】
また、本実施形態の硬化型組成物は、後述する実施例に示すように、各種材質からなる基板等の被塗物上に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることで、被塗物上に塗膜を形成させることができる。なお、ここでいう「活性エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味する。活性エネルギー線として具体的には、例えば、紫外線(UV)、放射線、電子線(EB)等が挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明はいかなる意味においてもこれらの実施例によっては限定されない。
【0028】
<評価方法>
実施例及び比較例で得られた硬化型組成物について、各種の特性及び物性の評価は、以下の方法を用いて行なった。
【0029】
[UV照射]
各種基板に塗工した硬化型組成物に対するUV照射は、小型UV照射装置(オーク製造社のハンディUV−300)を用いた。なお、積算光量は、紫外線光量計付照度計(オーク製造社のUV−M03A)で測定した。
【0030】
[評価1]柔軟性
実施例及び比較例で得られた硬化型組成物に対し、固形分が50質量%となるように酢酸n−ブチルで希釈し、さらに、光重合開始剤(IRGACURE 127;BASF社製)を固形分100質量%に対して4質量%となるように配合し、ガラス板に塗工した(乾燥膜厚:約40μm)。100℃のオーブンで5分間、酢酸n−ブチルを揮発した後、5分間UV照射して(積算光量:900mJ/cm)、UV硬化積層体を得た。得られたUV硬化積層体に対し、JIS−K−5600−5−4(鉛筆の傷跡が観察されない硬度)に従い、柔軟性を評価した。評価基準は以下に示すとおりである。
【0031】
(評価基準)
◎:2H以下
○:3H以上5H以下
×:6H以上
【0032】
[評価2]耐水性
実施例及び比較例で得られた硬化型組成物に対し、固形分が50質量%となるように酢酸n−ブチルで希釈し、さらに、光重合開始剤(IRGACURE 127;BASF社製)を固形分100質量%に対して4質量%となるように配合し、ポリプロピレン(PP)板に塗工した(乾燥膜厚:約40μm)。100℃のオーブンで5分間、酢酸n−ブチルを揮発した後、5分間UV照射して(積算光量:900mJ/cm)硬化させた後、板から剥離させることでUV硬化フィルムを得た。得られたUV硬化フィルムを80℃の温水に1週間浸漬し、強度保持率を測定した。なお、本試験における強度保持率とは、浸漬前後での最大破断応力の変化率であり、A&D(エー・アンド・デー)社製の「TENSILON(テンシロン)RTE−1210」(商品名)を用いて、以下の測定条件に従い、測定した。測定した強度保持率に基づいて以下の評価基準により、UV硬化フィルムの耐水性を評価した。
【0033】
(測定条件)
引張スピード:20mm/min
試料寸法:縦20mm×横10mm×厚さ40μm
温度23℃/湿度50%
【0034】
(評価基準)
○:強度保持率が90%以上
×:強度保持率が90%未満
【0035】
[評価3]耐熱性
実施例及び比較例で得られた硬化型組成物に対し、固形分が50質量%となるように酢酸n−ブチルで希釈し、さらに、光重合開始剤(IRGACURE 127;BASF社製)を固形分100質量%に対して4質量%となるように配合し、ポリプロピレン(PP)板に塗工した(乾燥膜厚:約40μm)。100℃のオーブンで5分間、酢酸n−ブチルを揮発した後、5分間UV照射して(積算光量:900mJ/cm)硬化させた後、板から剥離させることでUV硬化フィルムを得た。得られたUV硬化フィルムを120℃の雰囲気下に1週間置き、強度保持率を測定した。なお、本試験における強度保持率とは、120℃に置く前後での最大破断応力の変化率であり、A&D(エー・アンド・デー)社製の「TENSILON(テンシロン)RTE−1210」(商品名)を用いて、以下の測定条件に従い、測定した。測定した強度保持率に基づいて以下の評価基準により、UV硬化フィルムの耐熱性を評価した。
【0036】
(測定条件)
引張スピード:20mm/min
試料寸法:縦20mm×横10mm×厚さ40μm
温度23℃/湿度50%
【0037】
(評価基準)
○:強度保持率が90%以上
×:強度保持率が90%未満
【0038】
<ウレタンプレポリマーの合成>
[合成例1〜7]ウレタンプレポリマーUP−1〜UP−7の合成
2官能性アルコールとHDIとを、表1に示す質量部で配合し、100℃で4時間反応させた。その後、反応物を薄膜蒸発缶にて未反応のHDIを除去して、ウレタンプレポリマーUP−1〜UP−7を得た。なお、表1において、「ポリエチレングリコール」は、東京化成工業製のポリエチレングリコール 400(数平均分子量:400)である。「ポリプロピレングリコール」は、富士フイルム和光純薬製のポリプロピレングリコール,ジオール型,400(数平均分子量:400)である。「ポリエステルジオール」は、ダイセル社製のプラクセル205UT(数平均分子量:530)である。「PCD T5650E」は、旭化成製のポリカーボネートジオール T5650E(低粘度グレード、液体、数平均分子量:500、水酸基価:200mgKOH/g以上250mgKOH/g以下)である。
【0039】
【表1】
【0040】
<硬化型組成物の製造>
[実施例1〜5]硬化型組成物S−a1〜S−a5の製造
合成例で得られたウレタンプレポリマーUP−1〜UP−5について、それぞれ水酸基に対するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)が1.0となるようにペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を配合し、さらに、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)1500ppm、及び、ジ−n−オクチル錫ジラウリル酸塩(「ネオスタン U−810」(商品名))500ppmを添加して、赤外分光光度計でイソシアネートのピーク(2270cm−1)の消失が確認できるまで反応させて、硬化型組成物S−a1〜S−a5を得た。
【0041】
[比較例1〜2]硬化型組成物S−b1〜S−b2の製造
合成例で得られたウレタンプレポリマーUP−6〜UP−7を用いた以外は、実施例1〜5と同様の方法を用いて、硬化型組成物S−b1〜S−b2を得た。
【0042】
実施例及び比較例で得られた各硬化型組成物について、上記記載の方法を用いて、各種評価を行った。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
表2から、HDI、脂肪族ジオールを含む2官能性アルコール及び(メタ)アクリル酸エステルから誘導された硬化型組成物S−a1〜S−a5(実施例1〜5)では、塗膜としたときの柔軟性、耐水性及び耐熱性に優れていた。
脂肪族ジオール及びポリエーテルジオールを用いて誘導された硬化型組成物S−a1〜S−a3では、脂肪族ジオール及びポリエーテルジオール以外の2官能性アルコールを用いて誘導された硬化型組成物S−a4〜S−a5と比較して、塗膜としたときの柔軟性が特に良好であった。
一方、脂肪族ジオールの代わりに脂肪族トリオールを用いて誘導された硬化型組成物S−b1では、塗膜としたときの耐水性及び耐熱性に優れるが、柔軟性が劣っていた。
また、脂肪族ジオールを含まない2官能性アルコールを用いて誘導された硬化型組成物S−b2では、塗膜としたときの柔軟性は優れるが、耐熱性が劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本実施形態の硬化型組成物は、例えば、塗料組成物;粘着剤組成物;接着剤組成物;注型用組成物;繊維処理剤等の各種表面処理剤組成物;各種エラストマー組成物;発泡体組成物等の架橋剤;改質剤;添加剤として用いることができる。