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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-178521(P2020-178521A)
(43)【公開日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】直流電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/06 20060101AFI20201002BHJP
【FI】
   H02M7/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-81390(P2019-81390)
(22)【出願日】2019年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】小川 悟史
(72)【発明者】
【氏名】中山 栄二
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006AA02
5H006AA05
5H006BB05
5H006CA02
5H006CB01
5H006DB01
5H006DC02
5H006FA00
5H006HA06
(57)【要約】
【課題】異常時に電源供給経路を遮断する遮断手段を設けながら信頼性や効率の低下を抑制することの可能な直流電源装置を提供する。
【解決手段】直流電源装置1は、交流電源3に接続される第1変換ユニット10と、電動工具70に接続される第2変換ユニット30と、第1変換ユニット10及び第2変換ユニット30を互いに接続するケーブル5と、を備える。第1変換ユニット10において、トライアック13及びリレー24が、ラインフィルタ回路12とダイオードブリッジ14との間の電流経路に、互いに電気的に並列な状態で設けられる。演算部20は、第1変換ユニット10が交流電源3に接続されると、トライアック13をターンオンする。演算部20は、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されると、リレー24をターンオンする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の交流電源及び電動工具に接続されて、交流電源から入力される交流を直流に変換して電動工具に出力する直流電源装置であって、
電動工具に接続して直流を出力する出力部と、
交流電源に接続して交流が入力される入力部と、
前記出力部と前記入力部とを接続して、前記入力部と前記出力部との間を流れる電流の経路となる電源経路と、
前記電源経路を遮断可能な遮断回路と、を有し、
前記遮断回路は、半導体素子により電流を遮断可能な第1の遮断回路と、機械的な接点により電流を遮断可能な第2の遮断回路と、を含み、
前記第1の遮断回路及び前記第2の遮断回路は、電気的に並列な状態で前記電源経路上に設けられる、直流電源装置。
【請求項2】
前記第1の遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続されると、前記出力部に対する電動工具の接続にかかわらずに前記電源経路を導通させ、
前記第2の遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続され、かつ、前記出力部に電動工具が接続されると、前記電源経路を導通させる、請求項1に記載の直流電源装置。
【請求項3】
前記遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続され、かつ、前記出力部に電動工具が接続されていても、異常が発生すると、前記電源経路を遮断する、請求項2に記載の直流電源装置。
【請求項4】
前記異常は、前記電源経路における前記遮断回路と前記出力部との間に断線が生じることを含む、請求項3に記載の直流電源装置。
【請求項5】
前記遮断回路における前記電源経路の遮断を制御する制御回路を有する、請求項1乃至4の何れか一項に直流電源装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記第1の遮断回路と電気的に絶縁されている、請求項5に記載の直流電源装置。
【請求項7】
前記制御回路と前記第1の遮断回路の制御端子との間に、フォトカプラを含む第1の駆動回路が設けられ、
前記制御回路は、前記第1の駆動回路を制御することで、前記第1の遮断回路における電流の遮断を制御する、請求項6に記載の直流電源装置。
【請求項8】
前記第1の遮断回路はトライアックである、請求項1乃至7の何れか一項に記載の直流電源装置。
【請求項9】
前記第2の遮断回路はリレーである、請求項1乃至8の何れか一項に記載の直流電源装置。
【請求項10】
外部の交流電源に接続される第1変換ユニットと、
外部の電動工具に接続される第2変換ユニットと、
前記第1及び第2変換ユニットを互いに接続するケーブルと、を有し、
前記第1変換ユニットに前記第1の遮断回路及び前記第2の遮断回路が設けられる、請求項1乃至9の何れか一項に記載の直流電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源から入力される交流電圧を直流電圧に変換して電動工具に供給する直流電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、外部の交流電源及び電動工具に接続されて、前記交流電源から入力される交流を直流に変換して前記電動工具に出力する直流電源装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−278375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直流電源装置においては、異常時に電源供給経路を遮断するための遮断回路を設けたいという要望があった。遮断回路としてリレーなどの機械的なスイッチを用いると、使用中に直流電源装置に衝撃が加わった場合にリレーが予期せず遮断してしまう虞があり、信頼性の観点から特に電動工具に用いる直流電源装置には適さなかった。一方、遮断回路としてトライアックなどの電気的な素子を用いると、使用時の素子での電圧降下により電力消費が大きくなり、電源効率の観点から望ましくなかった。
【0005】
上記課題を鑑み、本発明は、異常時に電源供給経路を遮断する遮断手段を設けながら信頼性や効率の低下を抑制することの可能な直流電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、直流電源装置である。この直流電源装置は、
外部の交流電源及び電動工具に接続されて、交流電源から入力される交流を直流に変換して電動工具に出力する直流電源装置であって、
電動工具に接続して直流を出力する出力部と、
交流電源に接続して交流が入力される入力部と、
前記出力部と前記入力部とを接続して、前記入力部と前記出力部との間を流れる電流の経路となる電源経路と、
前記電源経路を遮断可能な遮断回路と、を有し、
前記遮断回路は、半導体素子により電流を遮断可能な第1の遮断回路と、機械的な接点により電流を遮断可能な第2の遮断回路と、を含み、
前記第1の遮断回路及び前記第2の遮断回路は、電気的に並列な状態で前記電源経路上に設けられる。
【0007】
前記第1の遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続されると、前記出力部に対する電動工具の接続にかかわらずに前記電源経路を導通させ、
前記第2の遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続され、かつ、前記出力部に電動工具が接続されると、前記電源経路を導通させてもよい。
【0008】
前記遮断回路は、前記入力部に交流電源が接続され、かつ、前記出力部に電動工具が接続されていても、異常が発生すると、前記電源経路を遮断してもよい。
【0009】
前記異常は、前記電源経路における前記遮断回路と前記出力部との間に断線が生じることを含んでもよい。
【0010】
前記遮断回路における前記電源経路の遮断を制御する制御回路を有してもよい。
【0011】
前記制御回路は、前記第1の遮断回路と電気的に絶縁されていてもよい。
【0012】
前記制御回路と前記第1の遮断回路の制御端子との間に、フォトカプラを含む第1の駆動回路が設けられ、
前記制御回路は、前記第1の駆動回路を制御することで、前記第1の遮断回路における電流の遮断を制御してもよい。
【0013】
前記第1の遮断回路はトライアックであってもよい。
【0014】
前記第2の遮断回路はリレーであってもよい。
【0015】
外部の交流電源に接続される第1変換ユニットと、
外部の電動工具に接続される第2変換ユニットと、
前記第1及び第2変換ユニットを互いに接続するケーブルと、を有し、
前記第1変換ユニットに前記第1の遮断回路及び前記第2の遮断回路が設けられてもよい。
【0016】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異常時に電源供給経路を遮断する遮断手段を設けながら信頼性や効率の低下を抑制することの可能な直流電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る直流電源装置1及びその第2変換ユニット30を接続した電動工具70の側面図。
図2】バッテリパック80を装着した電動工具70の側面図。
図3】直流電源装置1の、第1変換ユニット10及び第2変換ユニット30の上ケースをそれぞれ展開した状態の平面図。
図4】第1変換ユニット10の内部構成を示す平面図。
図5】第2変換ユニット30の内部構成を示す平面図。
図6】直流電源装置1及び電動工具70の回路ブロック図。
図7】第1変換ユニット10の異常検出端子10aの電圧Vsを、ケーブル5の断線時、待機時(電動工具70の非接続時)、及び電動工具70の接続時の各々について示した図。
図8】直流電源装置1におけるトライアック13及びリレー24のオンオフの時間変化を示すタイムチャート。
図9】直流電源装置1のケーブル5に断線が発生した場合におけるトライアック13及びリレー24のオンオフの時間変化を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0020】
本実施の形態は、交流電源から入力される交流を直流に変換して電動工具に出力する直流電源装置1に関する。図3により、直流電源装置1における前後方向を定義する。直流電源装置1は、第1変換ユニット10と、第2変換ユニット30と、ケーブル5と、を備える。第1変換ユニット10は、電源コード11により、外部の交流電源に接続される。第2変換ユニット30は、電動工具70のバッテリパック接続部75に着脱可能に接続される。電動工具70のバッテリパック接続部75には、図2に示すようにバッテリパック80を着脱可能に接続することもできる。作業者が電動工具70のトリガスイッチ71をオンにすることで、直流電源装置1又はバッテリパック80から電動工具70に駆動電力が供給される。電動工具70は、図示の例ではハンマドリルであるが、バッテリパック80を着脱可能に接続する電動工具であれば種類は限定されない。ケーブル5は、第1変換ユニット10と、第2変換ユニット30と、を互いに接続する。ケーブル5は、電源コード11よりも長いことが望ましい。ケーブル5を十分に長くすることで、電動工具70による作業時に、第1変換ユニット10を床面等から浮かせる必要がなく、作業者は第1変換ユニット10の重さを支える必要がなく、作業性が良好となる。
【0021】
図3に示すように、第1変換ユニット10内の後端部には、第1冷却ファン17が設けられる。第2変換ユニット30内の後端部には、第2冷却ファン37が設けられる。第1冷却ファン17及び第2冷却ファン37の発生する冷却風の流れを、図3に矢印で示している。第1冷却ファン17の発生する冷却風は、第1変換ユニット10のハウジングの前部に設けられた吸気口26から吸い込まれ、第1変換ユニット10を構成する各部品を冷却しながら前方に流れ、前記ハウジングの後部に設けられた排気口27から排気される。第2冷却ファン37の発生する冷却風は、第2変換ユニット30のハウジングの両側面の吸気口から吸い込まれ、フィン41、42によって前方に導風されながら第2変換ユニット30内の両側部の各部品を冷却し、前記ハウジングの中央部において前方から後方に、第2変換ユニット30の幅方向中央部の各部品を冷却しながら流れ、前記ハウジングの後部に設けられた排気口から排気される。
【0022】
図4に示すように、第1変換ユニット10には、電解コンデンサC1、ダイオードD1、スイッチング素子Q1、ダイオードブリッジ14、スイッチング素子としてのトライアック13、インダクタL1等の部品が設けられる。図5に示すように、第2変換ユニット30には、ダイオードD2、D3、フィン41、42、電解コンデンサC2、C3、絶縁トランス31、スイッチング素子32等の部品が設けられる。
【0023】
図6は、直流電源装置1及び電動工具70の回路ブロック図である。第1変換ユニット10において、外部の交流電源3に接続される2つの端子は、第1入力部である。ケーブル5との接続端子のうち力率改善回路(PFC回路)25の出力端子に接続される2つの端子(+端子10bと−端子10c)は、第1出力部である。第1変換ユニット10は、ラインフィルタ回路12と、第1の遮断回路としてのトライアック13と、第2の遮断回路としてのリレー24と、整流回路としてのダイオードブリッジ14と、力率改善回路25と、を含む。ラインフィルタ回路12の入力端子は、交流電源3に接続される。交流電源3から入力される交流電圧のピーク値(第1電圧値)は、例えば80V以上260V未満である。
【0024】
ダイオードブリッジ14の入力端子は、ラインフィルタ回路12の出力端子に接続される。トライアック13及びリレー24は、ラインフィルタ回路12とダイオードブリッジ14との間の電流経路、すなわち直流電源装置1の入力部(交流電源3に接続される2つの端子)と出力部(電動工具70との接続端子のうち電解コンデンサC3の両端に接続される2つの端子)とを接続して当該入力部と当該出力部との間を流れる電流の経路となる電源経路に、互いに電気的に並列な状態で設けられる。トライアック13は、電流を遮断可能な半導体素子の一例である。リレー24は、機械的な接点により電流を遮断するスイッチの一例である。トライアック13及びリレー24は、第1変換ユニット10の出力/遮断を切り換えるために設けられる。ダイオードブリッジ14は、ラインフィルタ回路12の出力電流を整流する。力率改善回路25は、入力電圧、すなわちダイオードブリッジ14の出力電圧を昇圧する昇圧型である。力率改善回路25の出力する直流電圧の電圧値(第2電圧値)、すなわち第1変換ユニット10の出力電圧の電圧値は、例えば200V以上500V未満である。第2電圧値は、第1電圧値よりも高い。
【0025】
第1変換ユニット10において、検出抵抗R1は、力率改善回路25の出力電流(第1変換ユニット10の出力電流)の経路に設けられる。電源回路15は、ラインフィルタ回路12の出力電圧を、演算部20等の動作電圧(例えばDC5V)に変換する。電源回路15は、入力側と出力側が絶縁された絶縁型であるとよい。電流検出回路16は、検出抵抗R1の両端の電圧を基に力率改善回路25の出力電流を検出し、制御回路としての演算部20にフィードバックする。温度検出回路19は、サーミスタ等の温度検出素子を含み、第1変換ユニット10内の温度を検出し、演算部20にフィードバックする。演算部20は、第1制御部の例示であり、マイクロコントローラを含む。演算部20は、温度検出回路19による温度検出値に応じて第1冷却ファン17を駆動する。また、演算部20は、温度検出回路19による異常温度検出時、電流検出回路16による異常電流検出時、又はケーブル5の断線が検出された時に、トライアック13及びリレー24をオフし、第1変換ユニット10の出力を遮断する。演算部20は、第1の駆動回路としてのトライアック駆動回路28を介してトライアック13の導通、遮断を制御する。トライアック駆動回路28はフォトカプラを含み、演算部20はトライアック13の制御端子と絶縁されている。演算部20は、第2の駆動回路としてのリレー駆動回路29を介してリレー24の導通、遮断を制御する。抵抗R2の一端は、電源回路15の出力電圧が供給される電源ラインに接続される。抵抗R2の他端は、演算部20に接続されると共に、異常検出端子10aを介してケーブル5の通電信号送出線5aに接続される。すなわち、演算部20は、異常検出端子10aを介してケーブル5の通電信号送出線5aに接続される。リセット端子18は、ケーブル5の断線時に演算部20がトライアック13及びリレー24をオフとした後、ケーブル5の交換が完了した場合に、演算部20を初期状態に戻すために設けられる。リセット端子18にリセット操作を行うことで、演算部20は、初期状態に戻って再びトライアック13をオンし(非遮断状態とし)、電動工具70が接続されればリレー24をオンする(非遮断状態とする)。
【0026】
第2変換ユニット30において、ケーブル5との接続端子のうち絶縁トランス31の入力側に接続される2つの端子(+端子30bと−端子30c)は、第2入力部である。電動工具70との接続端子のうち電解コンデンサC3の両端に接続される2つの端子は、第2出力部である。電解コンデンサC2は、第2入力部を構成する2つの端子間に設けられる。絶縁トランス31、スイッチング素子32、ダイオードD2、D3、及び電解コンデンサC3は、変圧回路を構成する。スイッチング素子32は、絶縁トランス31の一次側に設けられる。絶縁トランス31の二次側に、ダイオードD2、D3が設けられる。絶縁トランス31の二次側の電圧は、電解コンデンサC3により平滑される。絶縁トランス31の二次側の直流電圧の電圧値(第3電圧値)は、例えば0V以上400V未満であり、特に0V以上70V未満の範囲で、接続する電動工具70の定格電圧に合わせた電圧とすることが望ましい。第3電圧値は、第2電圧値よりも低い。検出抵抗R3は、絶縁トランス31及び電解コンデンサC3の出力電流(第2変換ユニット30の出力電流)の経路に設けられる。電流検出回路35は、検出抵抗R3の両端の電圧を基に、絶縁トランス31及び電解コンデンサC3の出力電流を検出する。電圧検出回路34は、絶縁トランス31の両端の電圧を検出する。スイッチング制御回路33は、電流検出回路35による電流検出値、及び電圧検出回路34による電圧検出値に応じて、スイッチング素子32のオンオフを制御する。
【0027】
補助電源36は、ケーブル5からの入力電圧を、スイッチング制御回路33及び演算部40等の動作電圧に変換する。温度検出回路38は、サーミスタ等の温度検出素子を含み、第2変換ユニット30内の温度を検出し、演算部40にフィードバックする。演算部40は、第2制御部の例示であり、マイクロコントローラを含む。演算部40は、温度検出回路38による温度検出値に応じて第2冷却ファン37を駆動する。また、演算部40は、温度検出回路38による異常温度検出時には、LD端子を介して電動工具70の演算部73にオフ信号(異常検出信号)を送信し、電動工具70の駆動を停止させる。+端子30bとグランドとの間には、抵抗R4、R5が直列接続される。スイッチング素子Q3のゲートは、抵抗R4、R5の相互接続端子に接続される。スイッチング素子Q3のソースは、グランドに接続される。スイッチング素子Q3のドレインは、抵抗R7の一端に接続される。抵抗R7の他端は、異常検出端子30aに接続される。異常検出端子30aは、ケーブル5の通電信号送出線5aに接続される。異常検出端子30aとグランドとの間に、抵抗R6が接続される。スイッチング素子Q3のゲート、ソース間には、抵抗R5と並列に、フォトカプラ39の出力側のフォトトランジスタが設けられる。フォトカプラ39の入力側の発光ダイオードのアノードは、抵抗R8を介して5Vの電源ラインに接続される。前記発光ダイオードのカソードは、演算部40に接続される。下プラス端子は、演算40に接続されると共に、抵抗R9を介して5Vの電源ラインに接続される。上マイナス端子は、グランドに接続される。
【0028】
ケーブル5は、通電信号送出線5aに加え、第1変換ユニット10の出力側に設けられる+端子10bと第2変換ユニット30の入力側に設けられる+端子30bとを接続する+側電源線5bと、第1変換ユニット10の出力側に設けられる−端子10cと第2変換ユニット30の入力側に設けられる−端子30cとを接続する−側電源線5cと、を有する三線構造である。
【0029】
電動工具70は、トリガスイッチ71と、インバータ回路72と、制御部としての演算部73と、モータ74と、ショートバー76と、電解コンデンサC4と、を含む。電解コンデンサC4は、インバータ回路72の入力端子間に設けられる。インバータ回路72は、三相ブリッジ接続されたFETやIGBT等のスイッチング素子を有する。演算部73は、インバータ回路72を制御することで、モータ74の駆動を制御する。演算部73は、LD端子を介して第2変換ユニット30の演算部40からオフ信号(異常検出信号)を受信すると、トリガスイッチ71の状態に関わらずインバータ回路72をオフし、モータ74の駆動を停止する。ショートバー76は、下プラス端子と上マイナス端子との間を短絡する金属体である。第2変換ユニット30が電動工具70に接続されると、ショートバー76によって下プラス端子と上マイナス端子との間が短絡され、第2変換ユニット30の下プラス端子はグランド電位となる。第2変換ユニット30が電動工具70に接続されていない場合、第2変換ユニット30の下プラス端子の電圧は、抵抗R9によってプルアップされ、5Vとなる。このように、第2変換ユニット30の演算部40は、下プラス端子の電圧により、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されているか否かを検出できる。
【0030】
図7は、第1変換ユニット10の異常検出端子10aの電圧Vsを、ケーブル5の断線時、待機時(電動工具70の非接続時)、及び電動工具70の接続時の各々について示した図である。ケーブル5が断線している場合、異常検出端子10aの電圧Vsは、抵抗R2によってプルアップされ、5Vとなる。ケーブル5が断線していない場合であって第2変換ユニット30が電動工具70に接続されていない場合(待機時)、第2変換ユニット30の演算部40はフォトカプラ39をオンし、スイッチング素子Q3はオフとなり、異常検出端子10aの電圧Vsは、5Vを抵抗R2、R6で分圧した値、例えば3.5Vとなる。ケーブル5が断線していない場合であって第2変換ユニット30が電動工具70に接続されている場合、第2変換ユニット30の演算部40はフォトカプラ39をオフし、スイッチング素子Q3はオンとなり、異常検出端子10aの電圧Vsは、5Vを、抵抗R2と、抵抗R6、R7の並列回路と、で分圧した値、例えば1.2Vとなる。第1変換ユニット10の演算部20は、異常検出端子10aの電圧により、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されているか否か、及びケーブル5の断線の有無を検出できる。
【0031】
図8は、直流電源装置1におけるトライアック13及びリレー24のオンオフの時間変化を示すタイムチャートである。時刻t1において第1変換ユニット10が交流電源3に接続されると、演算部20は、起動すると共にトライアック13をターンオンする。演算部20がトライアック13をターンオンすることに関して、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されているか否かは無関係である。一方、演算部20は、第1変換ユニット10が交流電源3に接続されても、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されていなければ、リレー24をオンしない(オフを維持する)。演算部20は、時刻t2において第2変換ユニット30が電動工具70に接続されると、リレー24をターンオンする。演算部20は、時刻t3において第2変換ユニット30が電動工具70から外されると、リレー24をターンオフする。時刻t4において第1変換ユニット10が交流電源3から外されると、演算部20は停止し、トライアック13はターンオフする。
【0032】
図9は、直流電源装置1のケーブル5に断線が発生した場合におけるトライアック13及びリレー24のオンオフの時間変化を示すタイムチャートである。以下、図8との相違点を説明する。演算部20は、時刻t5においてケーブル5の断線を検出すると、トライアック13及びリレー24の双方をターンオフする。時刻t6において第1変換ユニット10が交流電源3から外されると、演算部20は停止する。
【0033】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0034】
(1) 異常時に電源供給経路を遮断する遮断回路としてトライアック13及びリレー24の並列回路を用いているため、遮断回路がトライアック13のみである場合と比較して、電源経路を低抵抗化できて効率が良く、また、遮断回路がリレー24のみである場合と比較して、衝撃による予期せぬ遮断のリスクを低減でき、信頼性が高い。特に電動工具に用いる直流電源装置1では、使用中に衝撃や振動が加わりリレー24が予期せず遮断してしまうリスクが比較的高いが、トライアック13が並列に存在することで、リレー24の遮断による影響を好適に抑制できる。
【0035】
(2) リレー24は、第2変換ユニット30が電動工具70に接続された時にオンし、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されていないときはオフのため、第2変換ユニット30が電動工具70に接続されていないときもリレー24をオンする場合と比較して、リレー24をオンに維持する電力を低減できる。
【0036】
(3) 異常検出端子10aの電圧により、ケーブル5の断線だけでなく電動工具70の接続も検出できるため、接続検出用に別途端子を設ける場合と比較して部品点数を削減でき、コスト安である。
【0037】
(4) 第1変換ユニット10では、交流入力電圧を当該交流入力電圧のピーク値よりも高い直流電圧に変換してケーブル5に出力するため、低電圧値の直流電圧に変換してケーブル5に出力する場合と比較して、ケーブル5に流れる電流を小さくし、ケーブル5における電力損失を抑制できる。
【0038】
(5) 第1変換ユニット10は、ケーブル5の断線時にトライアック13及びリレー24をオフしてケーブル5への直流電圧の出力を遮断する構成のため、丸鋸等でケーブル5を誤って切断してしまった場合に、ケーブル5の断線部分に高い直流電圧が現れることを抑制できる。
【0039】
(6) 力率改善回路25等のサイズ及び重量の大きな回路部品を第1変換ユニット10に設けることで、電動工具70に接続される第2変換ユニット30を小型、軽量にでき、電動工具70の操作性が良い。
【0040】
(7) 第1変換ユニット10は、高温や過電流などの異常時に、演算部20がトライアック13及びリレー24をオフし、出力を停止する保護機構を有する。また、第2変換ユニット30は、高温などの異常時に、演算部40がLD端子を介して電動工具70にオフ信号を送信し、このオフ信号を受け取った電動工具70内の演算部73が電動工具70の駆動を停止する保護機能を有する。このように、第1変換ユニット10及び第2変換ユニット30がいずれも保護機能を有し、全体として二重保護を行うことで、例えば第1変換ユニット10と第2変換ユニット30のいずれか一方のみに著しい温度上昇が発生した場合にも、電動工具70への電力供給あるいは電動工具70の駆動を停止し、直流電源装置1の故障を抑制することができる。
【0041】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0042】
電動工具70の接続検出は、電動工具70のショートバー76を利用する構成に限定されず、例えば電動工具70がバッテリパック80の種類を識別するための識別端子を有する場合は当該識別端子を利用してもよく、直流電源装置1及び電動工具70が通信機能を有する場合は当該通信機能を利用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 直流電源装置、3 交流電源、5 ケーブル、
10 第1変換ユニット、11 電源コード、12 ラインフィルタ回路、13 トライアック、14 ダイオードブリッジ、15 電源回路、16 電流検出回路、17 第1冷却ファン、18 リセット端子、19 温度検出回路、20 演算部(第1制御部)、22 ドライバ回路、24 リレー、25 力率改善回路、26 吸気口、27 排気口、28 トライアック駆動回路、29 リレー駆動回路、
30 第2変換ユニット、31 絶縁トランス、32 スイッチング素子、33 スイッチング制御回路、34 電圧検出回路、35 電流検出回路、36 補助電源、37 第2冷却ファン、38 温度検出回路、39 フォトカプラ、40 演算部(第2制御部)、
70 電動工具、71 トリガスイッチ、72 インバータ回路、73 演算部、74 モータ、75 バッテリパック接続部、76 ショートバー、
80 バッテリパック
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