【解決手段】車両内装部材3Aは、車両の乗員スペース4内に配設され、一端が乗員スペースの天井部22に接続される少なくとも1つの棒状部材16と、棒状部材に接続され、乗員スペース内を車両の車幅方向に沿って延びる接続部材18と、棒状部材を棒状部材の一端を中心として前後方向に回転させる回転機構20と、を備える。
前記棒状部材又は前記接続部材のうち少なくとも一方に固定されて前記車幅方向に沿って延びる仕切部をさらに備える請求項1から5の何れか一項に記載の車両内装部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、フロアスペースに荷物積載部を突出させることで荷積み領域を拡大するなど、一定の効果は認められるものの、フロアスペースは乗員スペースの一部に過ぎず、乗員スペースをさらに有効活用することができる余地がある。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みなされたものであり、乗員スペースをさらに有効活用することができる車両内装部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る車両内装部材は、車両の乗員スペース内に配設され、一端が前記乗員スペースの天井部に接続される少なくとも1つの棒状部材と、前記棒状部材に接続され、前記乗員スペース内を前記車両の車幅方向に沿って延びる接続部材と、前記棒状部材を前記棒状部材の前記一端を中心として前後方向に回転させる回転機構と、を備える。
【0007】
上記(1)の構成によれば、接続部材は乗員スペース内を車幅方向に沿って延び、回転機構によって乗員スペース内を前後方向に回転する。このため、乗員スペースの任意の位置に車幅方向に沿って延びる接続部材を配置することができる。よって、この接続部材を介して、乗員スペースをさらに有効活用することができる。例えば、ハンガーのようなフックを有する部材を接続部材に掛け、さらにこのハンガーに衣類を掛けることで、衣類を乗員スペースに効率的に積載することができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、前記回転機構は、前記棒状部材の前記一端を前記車幅方向に沿って貫通する回転軸を備え、前記回転軸は前記天井部に取り付けられる。
【0009】
上記(2)の構成によれば、回転軸を中心として棒状部材を前後方向に回転させることができるので、棒状部材に接続されている接続部材の上下方向の位置及び前後方向の位置を調整することができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の構成において、前記棒状部材の前記一端を前記車両の前後方向に沿って移動可能に構成される前後方向移動機構をさらに備える。
【0011】
上記(3)の構成によれば、棒状部材は乗員スペース内を前後方向に沿って移動することができる。このため、棒状部材に接続されている接続部材の前後方向の位置を容易に調整することができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載の構成において、前記前後方向移動機構は、前記天井部内を前記前後方向に沿って延びるガイド部と、前記棒状部材の前記一端に取り付けられ、前記ガイド部に沿って移動可能に支持される支持部と、を含む。
【0013】
上記(4)の構成によれば、支持部は棒状部材の一端に取り付けられ、ガイド部に沿って移動可能に支持される。そして、このガイド部は前後方向に沿って延びる。このため、支持部を前後方向に移動させることができ、棒状部材に接続されている接続部材の前後方向の位置を容易に調整することができる。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)の何れか1つに記載の構成において、前記棒状部材は、筒形状を有する第1棒状部材と、前記第1棒状部材に挿入される第2棒状部材と、を含み、前記第1棒状部材の周壁を貫通する孔部に前記第2棒状部材の外表面に設けられる凸部が嵌合可能に構成される。
【0015】
上記(5)の構成によれば、第2棒状部材が第1棒状部材に挿入されることで、棒状部材の長さを短くすることができる。また、第2棒状部材の外表面に設けられる凸部が第1棒状部材の周壁を貫通する孔部に嵌合するように第2棒状部材を第1棒状部材から引き出すことで、棒状部材の長さを長くすることができる。つまり、ユーザは棒状部材の長さを容易に調整することができる。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)の何れか1つに記載の構成において、前記棒状部材又は前記接続部材のうち少なくとも一方に固定されて前記車幅方向に沿って延びる仕切部をさらに備える。上記(6)の構成によれば、仕切部がさらに備えられることで、乗員スペースを仕切部より前方の空間と、仕切部より後方の空間とに仕切ることができる。
【0017】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)の何れか1つに記載の構成において、前記少なくとも1つの棒状部材は、一方側棒状部材と、前記一方側棒状部材とは前記車幅方向の位置が異なる他方側棒状部材と、を含み、前記接続部材は、前記一方側棒状部材の他端と前記他方側棒状部材の他端とを接続する。上記(7)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏するとともに、1つの棒状部材が設けられる場合と比較して、強度の向上や車両の振動に対する耐振動性の向上などを図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、乗員スペースの任意の位置に車幅方向に沿って延びる接続部材を配置することができるので、乗員スペースをさらに有効活用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
本発明の一実施形態に係る車両内装部材は、車両の乗員スペースをさらに有効活用するためのものである。本開示の第1〜第4実施形態では、車両内装部材がワンボックスカーの乗員スペースに設けられている場合を例にして説明するが、スリーボックスカーのように乗員スペースと荷室とが隔離されている乗員スペースに設けられてもよい。また、本開示では、図面への記載も含み、車両の前後方向を「前後方向」と記載し、車両の上下方向を「上下方向」と記載し、車両の車幅方向を「車幅方向」と記載している。
【0022】
(第1実施形態)
図1〜3を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両内装部材3Aの構成について説明する。
図1に示すように、車両1の車室2には乗員スペース4と荷室6とが含まれる。乗員スペース4は、主に人を車両1に載せるための空間であって、前方スペース4a及び後方スペース4bを有する。前方スペース4a内には前部座席10が設けられている。前部座席10は、例えば、車両1の運転員が着座する運転席である。後方スペース4bは、前方スペース4aより後方に位置する空間である。本開示では乗員スペース4のうち前部座席10のシートクッションの後端より後方に位置する空間を後方スペース4bと記載する。
【0023】
後方スペース4b内には後部座席8が設けられている。この後部座席8は、シートクッション8Aと、シートバック8Bと、ヘッドレスト8Cと、を備える。シートクッション8Aは後部座席8に着座する後部座席員(以下、乗員と記載する)の大腿部等を、シートバック8Bは乗員の胴体部等を、ヘッドレスト8Cは乗員の頭部等を支持するものである。また、シートバック8Bはシートクッション8Aに向かって傾倒可能に構成されている。
【0024】
荷室6は、主に荷物を車両1に載せるための空間であって、乗員スペース4より後方に位置する。本開示では車室2のうち後部座席8のシートクッション8Aの後端より後方に位置する空間を荷室6と記載する。また、荷室6は乗員スペース4と連通している。
図1に示した実施形態では、シートバック8Bをシートクッション8Aに向かって傾倒させることでシートバック8Bの背面8Baと荷室6の床面12とを面一にすることができるようになっている。言い換えると、後方スペース4bの分だけ荷室6が前方に拡大可能に構成されている。尚、シートバック8Bの背面8Baと荷室6の床面12とは完全に面一になる必要はなく、他の実施形態ではシートバック8Bの背面8Baと荷室6の床面12との間には段差や隙間が形成されていてもよい。
【0025】
乗員スペース4内には、上述した後部座席8に加え車両内装部材3Aが設けられている。この車両内装部材3Aは、棒状部材16と、接続部材18と、回転機構20と、を備える。
図2に示すように、棒状部材16は一方側棒状部材16A(16)と他方側棒状部材16B(16)とを含む。一方側棒状部材16Aは、乗員スペース4のうち後方スペース4b内に配設される。一方側棒状部材16Aの一端17A(17)は、後述する第1回転機構20Aを介して乗員スペース4の天井部22に接続される。他方側棒状部材16Bは、乗員スペース4のうち後方スペース4b内に一方側棒状部材16Aよりも車幅方向他方側に配設される。他方側棒状部材16Bの一端17B(17)は、後述する第2回転機構20Bを介して乗員スペース4の天井部22に接続される。天井部22は、例えば車両1のルーフである。
【0026】
接続部材18は、直線形状を有しており、後方スペース4b内を車幅方向に沿って延びる。この接続部材18は、車幅方向一方側の左端24が一方側棒状部材16Aの一端17Aとは反対側の他端19A(19)と接続され、車幅方向他方側の右端26が他方側棒状部材16Bの一端17Bとは反対側の他端19B(19)と接続されている。尚、
図2の紙面に対して左方を車幅方向一方と記載し、右方を車幅方向他方と記載している。
【0027】
回転機構20は第1回転機構20A(20)と第2回転機構20B(20)とを含む。第1回転機構20Aは、天井部22に配設されており、一方側棒状部材16Aを一方側棒状部材16Aの一端17Aを中心として前後方向に回転させる。第2回転機構20Bは、第1回転機構20Aよりも天井部22の車幅方向他方側に配設されており、他方側棒状部材16Bを他方側棒状部材16Bの一端17Bを中心として前後方向に回転させる。
図3を参照して、第1回転機構20A及び第2回転機構20Bの構成について具体的に説明する。
【0028】
図3に示すように、天井部22の内面22a(ヘッドライニング)には後方スペース4bとは反対側に向かって凹む第1凹部28Aと、第1凹部28Aより車幅方向他方側に位置する第2凹部28Bとが形成されている。第1凹部28Aには一方側棒状部材16Aの一端17Aが挿入され、第2凹部28Bには他方側棒状部材16Bの一端17Bが挿入される。
【0029】
第1回転機構20Aは、第1凹部28A内を車幅方向に沿って延びる第1回転軸30Aを備える。この第1回転軸30Aは、一方側棒状部材16Aの一端17Aを車幅方向に沿って貫通する。また、この第1回転軸30Aは、一端が第1凹部28Aの車幅方向一方側の側面に接続され、他端が第1凹部28Aの車幅方向他方側の側面に接続されることで、天井部22に取り付けられている。このように、第1回転軸30Aは、一方側棒状部材16Aが第1回転軸30A(一方側棒状部材16Aの一端17A)を中心として前後方向に回転可能であるように一方側棒状部材16Aを支持している。
【0030】
第2回転機構20Bは、第2凹部28B内を車幅方向に沿って延びる第2回転軸30Bを備える。この第2回転軸30Bは、他方側棒状部材16Bの一端17Bを車幅方向に沿って貫通する。また、この第2回転軸30Bは、一端が第2凹部28Bの車幅方向一方側の側面に接続され、他端が第2凹部28Bの車幅方向他方側の側面に接続されることで、天井部22に取り付けられている。このように、第2回転軸30Bは、他方側棒状部材16Bが第2回転軸30B(他方側棒状部材16Bの一端17B)を中心として前後方向に回転可能であるように他方側棒状部材16Bを支持している。
【0031】
図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両内装部材3Aの作用・効果について説明する。第1実施形態によれば、接続部材18は後方スペース4b内を車幅方向に沿って延びている。そして、第1回転機構20Aは後方スペース4b内に配設される一方側棒状部材16Aを前後方向に回転させ、第2回転機構20Bは後方スペース4b内に配設される他方側棒状部材16Bを前後方向に回転させる。このため、
図4に示すように、接続部材18を棒状部材16の一端17を中心として後方スペース4b内を回転移動させ、後方スペース4bの任意の位置に配置することができる。よって、この接続部材18を介して、後方スペース4bをさらに有効活用することができる。
【0032】
例えば、
図5に示すように、ハンガー21のようなフックを有する部材を接続部材18に掛け、さらにこのハンガー21に衣類W1を掛けることで、衣類W1を後方スペース4bに効果的に積載することができる。また、図示しないが、後方スペース4b又は荷室6に積載する積載物の寸法に応じて接続部材18を回転移動させて配置することで、積載物の移動を規制することができる。
【0033】
また、棒状部材16の一端17は回転機構20を介して天井部22に接続されているので、
図4において点線で示されるように、棒状部材16を天井部22に向かって傾倒させ、棒状部材16及び接続部材18を後方スペース4bの頂上付近に配置させることができる。このため、接続部材18が不要の際には、後方スペース4bにおける乗員や荷物を積載するスペースを広く確保することができる。
【0034】
尚、第1実施形態では、一方側棒状部材16A及び他方側棒状部材16Bが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図6に示されるように、1つの棒状部材16に接続部材18が接続されていてもよく、棒状部材16の他端19と接続部材18の任意の箇所(例えば、接続部材18の中間付近)とが接続される。また、接続部材18は後方スペース4b内を車幅方向全体に亘って延びていてもよいし、後方スペース4bのうち車幅方向他方側のスペースにだけ延びていてもよい。また、接続部材18は、棒状部材16の一端17と他端19との間に接続されてもよい。
【0035】
また、第1実施形態では、接続部材18は直線形状を有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示すように、接続部材18は、回転機構20(第1回転機構20A及び第2回転機構20B)に向かって突出する折り返し部23を備えていてもよい。
【0036】
また、第1実施形態では、接続部材18が後方スペース4b内を回転移動する場合を例にして説明したが、接続部材18は前方スペース4a内を回転移動するよう構成されてもよい。また、接続部材18は後方スペース4bに加え荷室6内を回転移動するように構成されてもよい。
【0037】
(第2実施形態)
図8及び
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る車両内装部材3Bについて説明する。車両内装部材3Bは、第1実施形態に係る車両内装部材3Aに対して、前後方向移動機構29が追加されている点で異なる。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図8に示すように、車両内装部材3Bは前後方向移動機構29をさらに備える。前後方向移動機構29は、棒状部材16の一端17を前後方向に沿って移動可能に構成される。
図9を参照して、前後方向移動機構29の具体的な構成について説明する。尚、一方側棒状部材16Aの一端17Aを前後方向に沿って移動させる場合を例にして説明する。
【0039】
図9に示すように、前後方向移動機構29はガイド部32と支持部34とを含む。ガイド部32は、筐体部33と、一方側スライドレール部35と、他方側スライドレール部37と、を有する。筐体部33は、中空形状を有しており、後方スペース4bに向かって開口するように第1凹部28Aに埋め込まれている。一方側スライドレール部35は、筐体部33の内面のうち車幅方向一方側の側面から車幅方向他方側に向かって延び、先端35aから後方スペース4bとは反対側(上方)に向かって突出する。他方側スライドレール部37は、筐体部33の内面のうち車幅方向他方側の側面から車幅方向一方側に向かって延び、先端37aから後方スペース4bとは反対側(上方)に向かって突出する。このように構成されるガイド部32は、天井部22内を前後方向に沿って延びる。
【0040】
支持部34は、第1回転軸30Aを介して、一方側棒状部材16Aの一端17Aに取り付けられ、ガイド部32に沿って移動可能に支持される。具体的に説明すると、支持部34は、一方側ローラ部39と、他方側ローラ部41とを含む。一方側ローラ部39は、第1回転軸30Aの車幅方向一方側の一端と接続されている。また、一方側ローラ部39は、円盤形状を有しており、筐体部33の内部を一方側スライドレール部35が延びる方向(前後方向)に沿って移動可能に一方側スライドレール部35に支持される。他方側ローラ部41は、第1回転軸30Aの車幅方向他方側の他端と接続されている。また、他方側ローラ部41は、円盤形状を有しており、筐体部33の内部を他方側スライドレール部37が延びる方向(前後方向)に沿って移動可能に他方側スライドレール部37に支持される。
【0041】
尚、第1実施形態では、第1回転軸30Aの両端のそれぞれが第1凹部28Aの両側面のそれぞれに接続されることで、第1回転軸30Aは天井部22に取り付けられていたが、第2実施形態では、第1回転軸30Aが接続される支持部34が第1凹部28Aに埋め込まれるガイド部32によって支持されることで、第1回転軸30Aは天井部22に取り付けられている。
【0042】
第2実施形態によれば、一方側棒状部材16Aの一端17Aが第1回転軸30Aを介して支持部34に取り付けられているので、支持部34を前後方向に移動させることで、一方側棒状部材16Aに接続されている接続部材18の前後方向の位置を容易に調整することができる(
図8参照)。
【0043】
尚、前後方向移動機構29が棒状部材16の一端17を車両1の前後方向に沿って移動可能に構成されるのであれば、第2実施形態で説明した構成に限定されない。また、他方側棒状部材16Bの一端17Bを前後方向に沿って移動させる構成は、第2実施形態で説明した構成と同じであってもよいし、この構成とは異なる構成であってもよい。また、不図示ではあるが、前後方向移動機構29は、棒状部材16の一端17の前後方向における位置を固定する固定機構を備えていてもよい。固定機構は、例えば、筐体部33の内面から突出するダボであって、支持部34に干渉可能に構成されている。
【0044】
(第3実施形態)
図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る車両内装部材3Cについて説明する。車両内装部材3Cは、第2実施形態に係る棒状部材16が伸縮可能に構成されている点で異なる。第3実施形態において、第2実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。尚、一方側棒状部材16Aを伸縮させる場合を例にして説明する。
【0045】
図10に示すように、車両内装部材3Cは、第1棒状部材43と第2棒状部材45とを含む一方側棒状部材16Aを備える。第1棒状部材43は筒状形状を有しており、第1棒状部材43の内部には挿入空間36が形成されている。このような第1棒状部材43は、例えば、円筒形状を有するパイプである。第1棒状部材43の第1回転機構20Aとは反対側の先端は挿入空間36と連通可能に開口している。第1棒状部材43には、第1棒状部材43の周壁44の一部を貫通する孔部49が形成されている。
【0046】
第2棒状部材45は、接続部材18の左端24から第1回転機構20Aに向かって延びている。また、第2棒状部材45は中空形状を有しており、例えば、円筒形状を有するパイプである。第2棒状部材45の第1回転機構20A側の先端は開口している。第2棒状部材45の周壁46の外表面46aの一部には、第2棒状部材45が延びる長さ方向に対して垂直方向に弾性変形するように構成される弾性部47が設けられる。この弾性部47は、コイルバネや板バネのような弾性部材であってもよいし、フッ素ゴム、シリコンゴムのような弾性材料から形成されてもよい。第2棒状部材45の外径は第1棒状部材43の内径と略同一の大きさであり、第2棒状部材45は第1棒状部材43に挿入可能に構成される。尚、接続部材18も中空形状を有しており、第2棒状部材45と連続的に接続されている。
【0047】
弾性部47(第2棒状部材45の外表面46a)には凸部48が取り付けられている。凸部48は、第1凸部48A(48)と、第1凸部48Aより接続部材18に近接する位置に設けられる第2凸部48B(48)と、を含む。第1凸部48A及び第2凸部48Bは、後方スペース4bに向かって突出しており、外形形状が滑らかに変化していくように凸状に湾曲している(略半球形状を有している)。また、第1凸部48A及び第2凸部48Bは孔部49に嵌合可能であるように、第1凸部48Aの断面及び第2凸部48Bの断面は孔部49の断面内に収まるようになっている。
【0048】
第3実施形態によれば、第1凸部48A及び第2凸部48Bは、弾性部47に設けられているので、第2棒状部材45の周壁46の外表面46aに対して出没可能になっている。そして、第2棒状部材45が第1棒状部材43に挿入され、第2凸部48Bを孔部49に嵌合させることで、一方側棒状部材16Aの長さを短くすることができる。また、第1凸部48Aが孔部49に嵌合するように第2棒状部材45を第1棒状部材43から引き出すことで、一方側棒状部材16Aの長さを長くすることができる。つまり、ユーザは一方側棒状部材16Aの長さを容易に調整することができる。尚、
図10には、第1凸部48Aが孔部49に嵌合している状態が示されている。
【0049】
また、第3実施形態によれば、一方側棒状部材16Aが伸縮可能に構成されていない場合と比較して、接続部材18を配置することができる範囲が拡がるため、後方スペース4bをさらに有効活用することができる。尚、一方側棒状部材16Aが伸縮可能に構成されるのであれば、本発明は第3実施形態に限定されない。また、他方側棒状部材16Bを伸縮可能にする構成は、第3実施形態で説明した構成と同じであってもよいし、この構成とは異なる構成であってもよい。
【0050】
(第4実施形態)
図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る車両内装部材3Dについて説明する。車両内装部材3Dは、第1実施形態に係る車両内装部材3Aに対して、仕切部50が追加されている点で異なる。第4実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図11に示すように、車両内装部材3Dは仕切部50をさらに備える。仕切部50は平板形状を有している。仕切部50は、一方側棒状部材16Aの車幅方向他方側の壁面に固定されており、一方側棒状部材16Aの下端19Aから一方側棒状部材16Aの長さ方向に連続的に延びている。また、仕切部50は、他方側棒状部材16Bの車幅方向一方側の壁面に固定されており、他方側棒状部材16Bの下端19Bから他方側棒状部材16Bの長さ方向に連続的に延びている。また、仕切部50は、接続部材18の回転機構20(第1回転機構20A及び第2回転機構20B)側の壁面に固定されており、接続部材18の左端24から右端26に亘って連続的に延びている。
【0052】
第4実施形態によれば、一方側棒状部材16A及び他方側棒状部材16Bを回転させることで、後方スペース4bを仕切部50より前方の空間と仕切部50より後方の空間とに仕切ることができる。このため、例えば、仕切部50より後方の空間にペットを乗せるための空間を形成することができ、後方スペース4bをさらに活用することができる。
【0053】
尚、仕切部50は、網目状に構成されていてもよく、例えば、金網であってもよい。この場合、例えば、運転席から仕切部50より後方の空間に乗せているペットの様子を視認することができる。また、第4実施形態では、仕切部50は、一方側棒状部材16A、他方側棒状部材16B、及び接続部材18に固定されていたが、接続部材18にだけ固定されてもよいし、一方側棒状部材16Aにだけ固定されてもよい。
【0054】
また、第4実施形態では、第1実施形態に係る車両内装部材3Aに対して仕切部50が追加される場合を例にして説明したが、第2実施形態に係る車両内装部材3Bや第3実施形態に係る車両内装部材3Cに対して仕切部50が追加されてもよい。
【0055】
以上、本発明の第1〜第4実施形態に係る車両内装部材について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。