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特開2020-193104かご内状態検出システム、エレベーター及びかご内状態検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-193104(P2020-193104A)
(43)【公開日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】かご内状態検出システム、エレベーター及びかご内状態検出方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20201106BHJP
【FI】
   B66B3/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-101436(P2019-101436)
(22)【出願日】2019年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 貴大
(72)【発明者】
【氏名】星野 孝道
(72)【発明者】
【氏名】鳥谷部 訓
(72)【発明者】
【氏名】前原 知明
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303CB25
3F303CB31
3F303CB33
3F303CB42
(57)【要約】
【課題】センサ出力を元にかご内満員を検出する場合の満員情報のばらつきを抑制する。
【解決手段】本発明の一態様は、センサが出力する情報に基づくかご内の利用状態を示す値を保持する処理を行うかご内状態保持部と、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、かご内状態保持部に対し、かご内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しないかご内状態更新判定部と、かご内状態保持部により保持されたかご内の利用状態を示す値に基づいて、かご内の満員を検出するかご内満員検出部と、を備え、かご内状態保持部は、ドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、かつかご内の満員が検出された場合には、ドアに関する状況が予め設定された条件と不一致となるまで満員情報を保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかご内の状態を取得するセンサが出力する情報に基づいて、前記かご内の満員を検出する処理を行う演算装置、を備えるかご内状態検出システムであって、
前記演算装置は、
前記センサが出力する情報に基づく前記かご内の利用状態を示す値を保持する処理を行うかご内状態保持部と、
前記エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、前記かご内状態保持部に対し、前記かご内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しないかご内状態更新判定部と、
前記かご内状態保持部により保持された前記かご内の利用状態を示す値に基づいて、前記かご内の満員を検出するかご内満員検出部と、を備え、
前記かご内状態保持部は、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と合致した場合、かつ前記かご内満員検出部で前記かご内の満員が検出された場合には、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と不一致となるまで、前記かご内が満員状態であることを示す満員情報を保持する制御を行う
かご内状態検出システム。
【請求項2】
前記予め設定された条件とは、前記エレベーターの戸閉じ状態、或いは、戸閉じ開始状態、或いは、戸開き時から任意時間経過時、或いは外部機器からの戸閉じ指令の入力があった場合のいずれか一つを少なくとも含む条件である
請求項1に記載のかご内状態検出システム。
【請求項3】
前記かご内状態更新判定部は、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と合致した場合、かつ前記かご内の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、前記かご内状態保持部に対し、前記かご内の利用状態を示す値の更新を許可し、
前記かご内状態保持部は、保持していた前記かご内の利用状態を示す値を変化後の前記かご内の利用状態を示す値で更新する
請求項1に記載のかご内状態検出システム。
【請求項4】
前記かご内状態更新判定部は、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と不一致の場合、前記かご内状態保持部に対し、前記かご内の利用状態を示す値の更新を許可する
請求項3に記載のかご内状態検出システム。
【請求項5】
前記センサは、前記かご内を撮影するカメラである
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のかご内状態検出システム。
【請求項6】
前記かご内状態保持部は、前記かご内の利用状態を示す値として前記かご内の人数又は乗車率を保持し、
前記かご内満員検出部は、前記かご内状態保持部により保持された前記人数又は前記乗車率と、満員検出用の閾値とを用いて、前記かご内の満員を検出する処理を行う
請求項5に記載のかご内状態検出システム。
【請求項7】
前記かご内満員検出部は、前記かご内状態保持部により保持された前記かご内の人数を、予め設定された前記かごの定員と乗車率とを掛けて算出される満員検出用の閾値と比較し、前記かご内の人数が当該満員検出用の閾値を超える場合には、前記かご内が満員であると判断する
請求項6に記載のかご内状態検出システム。
【請求項8】
満員検出用の前記人数及び/又は前記乗車率を、利用者の性別又は年齢に応じて設定する
請求項7に記載のかご内状態検出システム。
【請求項9】
前記センサは、前記かご内の荷重を検出する荷重センサであり、
前記かご内満員検出部は、前記荷重センサで検出された荷重が満員検出用の閾値よりも大きい場合に、前記かご内が満員であると判断する
請求項1に記載のかご内状態検出システム。
【請求項10】
かごと、かご内の状態を取得するセンサが出力する情報に基づいて前記かご内の満員を検出する処理を行う演算装置と、を備えたエレベーターであって、
前記演算装置は、
前記センサが出力する情報に基づく前記かご内の利用状態を示す値を保持する処理を行うかご内状態保持部と、
前記エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、前記かご内状態保持部に対し、前記かご内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しないかご内状態更新判定部と、
前記かご内状態保持部により保持された前記かご内の利用状態を示す値に基づいて、前記かご内の満員を検出するかご内満員検出部と、を備え、
前記かご内状態保持部は、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と合致した場合、かつ前記かご内満員検出部で前記かご内の満員が検出された場合には、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と不一致となるまで、前記かご内が満員状態であることを示す満員情報を保持する
エレベーター。
【請求項11】
かごと、かご内の状態を取得するセンサが出力する情報に基づいて前記かご内の満員を検出する処理を行う演算装置と、を備えたエレベーターにおけるかご内状態検出方法であって、
かご内状態保持部において、前記センサが出力する情報に基づく前記かご内の利用状態を示す値を保持する処理と、
かご内状態更新判定部において、前記エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、前記かご内状態保持部に対し、前記かご内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しない処理と、
かご内満員検出部において、前記かご内状態保持部により保持された前記かご内の利用状態を示す値に基づいて、前記かご内の満員を検出する処理と、
前記かご内状態保持部において、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と合致した場合、かつ前記かご内満員検出部で前記かご内の満員が検出された場合には、前記エレベーターのドアに関する状況が前記予め設定された条件と不一致となるまで、前記かご内が満員状態であることを示す満員情報を保持する処理と、を含む
かご内状態検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かご内状態検出システム、エレベーター及びかご内状態検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗りかご内に斜め下方に向けて設置された撮像部の画像を処理して、乗りかごの混雑度判定が可能な画像診断の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−144826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像部で撮影された画像を用いて乗りかご内が満員であることを検出する場合、画像上で利用者の重なり等が影響し、満員検出結果(満員情報)のばらつきが発生する。そして、満員情報のばらつきが発生することで、本来満員であるのに満員を検知できない場合やその逆の場合があった。
【0005】
上記の状況から、撮像部等のセンサを用いて乗りかご内が満員であることを検出する場合に、満員情報のばらつきを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のかご内状態検出システムは、エレベーターのかご内の状態を取得するセンサが出力する情報に基づいて、前記かご内の満員を検出する処理を行う演算装置、を備えるかご内状態検出システムである。
上記演算装置は、上記センサが出力する情報に基づくかご内の利用状態を示す値を保持する処理を行うかご内状態保持部と、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、上記かご内状態保持部に対し、かご内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しないかご内状態更新判定部と、上記かご内状態保持部により保持されたかご内の利用状態を示す値に基づいて、かご内の満員を検出するかご内満員検出部と、を備える。
そして、上記かご内状態保持部は、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合、かつ上記かご内満員検出部でかご内の満員が検出された場合には、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と不一致となるまで、かご内が満員状態であることを示す満員情報を保持する制御を行う。
【0007】
また、本発明の一態様のエレベーターは、かごと、かご内の状態を取得するセンサが出力する情報に基づいてかご内の満員を検出する処理を行う上記演算装置と、を備えたエレベーターである。
さらに、本発明の一態様のかご内状態検出方法は、上記エレベーターにおけるかご内状態検出方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも一態様によれば、センサを用いて乗りかご内が満員であることを検出する場合に、満員情報のばらつきを抑制し、満員情報の精度を向上させることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベーターシステムの概略及びエレベーター運行管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】エレベーター運行管理システムを構成する計算装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るエレベーター運行管理システムによるかご内人数更新処理の手順例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施形態に係るエレベーター運行管理システムによるかご内満員検出処理の手順例を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態に係るエレベーターと建築物の乗場の例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第1例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第2例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第3例を示す図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第4例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第5例を示す図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係るかご内の利用者(人数)とカメラの撮影画像の第6例を示す図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係るエレベーターと建築物の乗場の例を示す図である。
図13】本発明の第2の実施形態に係るエレベーターシステムの概略及びエレベーター運行管理システムの構成例を示すブロック図である。
図14】本発明の第2の実施形態に係るエレベーター運行管理システムによる乗場人数更新処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0011】
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係るエレベーター運行管理システムについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係るエレベーターシステムの概略及びエレベーター運行管理システムの構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すエレベーターシステム1は、乗場エレベーターサービス要求装置10、監視カメラ20、エレベーター運行管理システム30、1〜N号機の各号機の乗りかご(以下「かご」と表記する。)50の昇降を制御する1〜N号機のエレベーター制御装置40、1〜N号機の各号機のかご50、及びセンサデータ加工処理部60を備える。エレベーター運行管理システム30は、かご内状態検出システムの一例である。
【0013】
また、エレベーターシステム1のエレベーター運行管理システム30及びセンサデータ加工処理部60は、ネットワークNを介して、乗場エレベーターサービス要求装置10及び監視カメラ20と通信可能に接続されている。エレベーター運行管理システム30は、1〜N号機の各号機のエレベーター制御装置40を通して、1〜N号機のエレベーター(かご50)の運行を統括的に管理及び制御する。
【0014】
かご50には、図5に示すようにロープ56を介してつり合いおもり55が接続されている。エレベーター制御装置40は、不図示の巻上機を駆動させてロープ56を巻き上げることで、かご50の昇降を行う。
【0015】
1号機からN号機のそれぞれのかご50に対して、かご内カメラ51(以下「カメラ」51と表記する。)が設けられる。カメラ51は、エレベーターのかご50内の状態を周期的(例えば0.5秒又は1秒間隔)に取得するセンサの一例であり、壁上部や天井隅などのかご50内全体を撮影できる位置に設置される。また、かご50の床下には、図5に示す荷重センサ53が設置されている。荷重センサ53は、かご50内の荷重を周期的に測定し、測定結果(荷重データ)をセンサデータ加工処理部60へ送信する。そして、かご50内に設置された不図示の通信装置が、カメラ51の画像データ及び荷重センサ53の荷重データをセンサデータ加工処理部60へ、有線通信又は無線通信により周期的に送信する。
【0016】
エレベーターシステム1は、号機及び乗場ごとに、図示しないかごドアセンサと乗場ドアセンサを備える。かごドアセンサは、かごドア52(図5参照)の付近に設けられ、かごドア52の戸開状態又は戸閉状態に応じたかごドア信号を出力する。また、乗場ドアセンサは、乗場ドアの付近に設けられ、乗場ドアの戸開状態又は戸閉状態に応じた乗場ドア信号を出力する。かごドア信号及び乗場ドア信号は、号機ごとにエレベーター制御装置40に送られる。
【0017】
乗場エレベーターサービス要求装置10は、建築物全体で少なくとも1台以上設置されていればよい。乗場エレベーターサービス要求装置10は、乗場行先階登録装置や乗場ドア付近に設けられた乗場呼びボタンなどである。乗場行先階登録装置は、例えばエレベーターが設置された建築物のエレベーターホール(階床)ごとに設置され、利用者は乗場行先階登録装置を操作して所望の行先階を予約(登録)することができる。利用者は乗場呼びボタンにより、UP方向かDOWN方向へのサービス要求を乗場から登録することが可能となる。監視カメラ20は、例えばエレベーターの乗場ごとに、エレベーターの利用者が撮影できる位置に設けられる。監視カメラ20の利用方法については、第2の実施形態(図12図14)で説明する。
【0018】
センサデータ加工処理部60は、各号機のかご50内のカメラ51から画像データを受信する。そして、センサデータ加工処理部60は、画像データを解析して画像データに含まれるかご50内の利用者の人数や乗車率(占有率)を算出し、その結果をエレベーター運行管理システム30へ送信する。乗車率(占有率)は、撮影画像上のかご50内の面積に対して人物の面積が占める割合から求められる。画像データの解析方法について周知の種々の技術を用いることができる。センサデータ加工処理部60は、DSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアで構成してもよいし、図2に示す計算装置70を用いてソフトウェアで構成してもよい。
【0019】
また、センサデータ加工処理部60は、各号機のかご50内の荷重センサ53から荷重データ(測定結果)を受信する。そして、センサデータ加工処理部60は、荷重データを解析してかご50内の乗車率等を算出し、その結果をエレベーター運行管理システム30へ送信する。
【0020】
なお、センサデータ加工処理部60がかご50内に設けられ、センサデータ加工処理部60による画像データ及び荷重データの解析結果を、通信装置がエレベーター運行管理システム30へ送信するようにしてもよい。または、センサデータ加工処理部60が、エレベーター運行管理システム30に設けられてもよい。
【0021】
[エレベーター運行管理システム]
エレベーター運行管理システム30は、入出力情報受信部31、学習部32、閾値記憶部33、かご内状態更新判定部34、かご内状態保持部35、かご内満員検出部36、及び満員指令部37を備える。
【0022】
入出力情報受信部31は、エレベーター運行管理システム30に入力される情報及びエレベーター運行管理システム30から出力する情報を受信する。入出力情報受信部31は、図2に示す通信インターフェース78の動作を制御し、外部装置とデータの入力及び出力を行う。例えば、入出力情報受信部31は、ネットワークNを介して、カメラ51が出力する画像データに基づくかご50内の利用状態を示す情報(人数、乗車率など)を受信し、その情報をかご内状態更新判定部34へ出力する。
【0023】
学習部32は、かご50内が満員状態のときの状況を学習する。例えば学習部32は、どの程度の人数及び/又は乗車率(占有率)でかご50内が満員状態になるのかを学習する。例えば学習部32は、かごドア52(図5参照)等のエレベーターのドアが開いているのに利用者が乗り込んで来ないのは、かご50内が満員であるためと判断し、学習する。
【0024】
本実施形態の学習部32は、乗車率を学習して設定する乗車率設定部32aを備える。ところで、男性と女性ではパーソナルスペースの大きさに違いがあり、大人と子どもではかご50に乗車できる人数が異なる。そのため、男性の利用者が多い階、女性の利用者が多い階、子どもの利用者が多い階などの条件の違いによって、かご50内の人数や乗車率が異なってくる。したがって、建築物や階床ごとに定員や乗車率の閾値を設定することが望ましい。例えば、所定期間(数時間や一日など)のエレベーターの利用状況を集計して満員状態となる乗車率の平均値を算出し、満員検出用の閾値を設定する。
【0025】
閾値記憶部33は、学習部32の乗車率設定部32aで設定された閾値を記憶し、かご内満員検出部36の読み出しに従い閾値を出力する。
【0026】
かご内状態更新判定部34は、エレベーターの戸開閉状態を判定し、戸開状態のときにはかご内状態保持部35に対し、かご50内の利用状態を示す値(人数、乗車率など)の更新を許可する(更新許可判定)。戸開時に、後述する満員情報がリセットされる。また、かご内状態更新判定部34は、戸閉状態のときにはかご内状態保持部35に対し、かご50内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しない(更新禁止判定)。また、かご内状態更新判定部34は、戸閉状態のときにかご50内の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、かご内状態保持部35に対し、かご50内の利用状態を示す値の更新を許可する(更新許可判定)。
【0027】
かご内状態保持部35は、カメラ51が出力する画像データに基づくかご50内の利用状態を示す値(人数、乗車率など)を、RAM73又は不揮発性ストレージ77に記憶(保持)する処理を行う。かご内状態保持部35は、戸開状態のときには、かご50内の利用状態を示す値の更新を行う。また、かご内状態保持部35は、戸閉状態となった後にかご内満員検出部36でかご50内の満員が検出された場合には、戸開状態となるまでかご50内が満員状態であることを示す満員情報を保持する処理を行う。戸閉後に満員を検出した時点で満員情報が保持される。また、かご内状態保持部35は、戸閉状態のときにかご50内の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、保持しているかご50内の利用状態を示す値を変化後のかご50内の利用状態を示す値で更新する。上述したように満員情報は、戸開時にリセットされる。
【0028】
かご内満員検出部36は、かご内状態保持部35により保持されたかご50内の利用状態を示す値に基づいて、かご50内の満員を検出する処理を行う。より具体的には、かご内満員検出部36は、かご内状態保持部35により保持されたかご50内の利用状態を示す値として例えば人数又は乗車率と、満員検出用の閾値とを用いて、かご50内の満員を検出する処理を行う。例えば、かご内満員検出部36は、当該人数及び/又は乗車率が満員検出用の閾値よりも大きい場合に、かご50内が満員であると判断する。
【0029】
満員指令部37は、かご内満員検出部36で満員が検出されると、該当号機のエレベーター制御装置40にかご50内が満員であることを示す満員指令を出力する。
【0030】
[計算装置の構成]
次に、エレベーター運行管理システム30を構成する計算装置70のハードウェア構成を説明する。
【0031】
図2は、エレベーター運行管理システム30を構成する計算装置70の構成例を示すブロック図である。計算装置70は、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算装置70は、バス74にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73を備える。さらに、計算装置70は、表示装置75、入力装置76、不揮発性ストレージ77、通信インターフェース78を備える。
【0032】
CPU71は、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM72から読み出してRAM73にロードし、実行する。RAM73には、CPU71の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、CPU71によって適宜読み出される。表示装置75は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、計算装置70で行われる処理の結果等をユーザーに表示する。入力装置76には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が用いられ、ユーザーが所定の操作入力、指示を行うことが可能である。各装置で用いられる入力装置76及び表示装置75は、まとめて入出力装置とも呼ばれる。なお、表示装置75及び入力装置76は、装置の構成によっては設けられないこともある。
【0033】
不揮発性ストレージ77としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージ77には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算装置70を機能させるためのプログラムが記録されている。ROM72及び不揮発性ストレージ77は、CPU71が動作するために必要なプログラムやデータ等を永続的に記録している。
【0034】
通信インターフェース78には、例えばNIC(Network Interface Card)やモデム等が用いられ、端子が接続されたLAN等のネットワークN又は専用線等を介して、外部装置との間で各種のデータを送受信することが可能に構成されている。通信インターフェース78と各号機のエレベーター制御装置40との間では、シリアル通信を行うようにしてもよい。
【0035】
[かご内人数更新処理]
次に、エレベーター運行管理システム30によるかご内人数更新処理の手順例を説明する。なお、かご内人数を乗車率等の他の指標に代えて、同様の更新処理を行うことができる。
【0036】
図3は、エレベーター運行管理システム30によるかご内人数更新処理の手順例を示すフローチャートである。まず、エレベーター運行管理システム30のかご内状態更新判定部34は、入出力情報受信部31を介して各号機のエレベーター制御装置40から、各エレベーターの戸開閉状態を判断するためのかごドア信号及び乗場ドア信号を受信する。そして、かご内状態更新判定部34は、受信したかごドア信号及び乗場ドア信号に基づいて、各エレベーターが戸閉状態か否かを判定する(S1)。
【0037】
かご内状態更新判定部34によりエレベーターが戸閉状態であると判定された場合(S1のYES)、かご内状態保持部35は、戸閉直前にRAM73(又は不揮発性ストレージ77)に記憶されていたかご内人数の情報を保持する(S2)。
【0038】
次いで、かご内状態更新判定部34は、カメラ51の撮影画像の解析結果に基づいて現在のかご内人数がRAM73に保持されたかご内人数(保持結果)よりも多いか否かを判定する(S3)。現在のかご内人数がRAM73の保持結果以下である場合には(S3のNO)、本フローチャートの処理を終了する。
【0039】
次いで、かご内状態更新判定部34により現在のかご内人数がRAM73に保持されたかご内人数(保持結果)よりも多いと判定された場合には(S3のYES)、かご内状態保持部35は、かご内人数(かご内の利用状態を示す値の一例)の更新処理を行う(S4)。具体的には、かご内状態保持部35は、保持されていたかご50内の人数を現在のかご50内の人数で更新する。
【0040】
また、かご内状態更新判定部34によりエレベーターが戸開状態であると判定された場合(S1のNO)、かご内状態保持部35は、かご50内の人数の更新処理を行う(S5)。ステップS4又はS5の処理後、本フローチャートの処理を終了する。
【0041】
エレベーター運行管理システム30は、センサデータ加工処理部60から、カメラ51が撮影した画像データに基づくかご内の利用状態を示す情報を周期的に受信し、図3に示すフローチャートの処理を実行する。
【0042】
本実施形態では、エレベーターの戸閉状態の有無によってかご内状態更新を行うが、これに限ったものではない。例えば、かご内状態更新のタイミングは、エレベーターの戸開き時間満了時や、外部のセンサや機器によって戸閉処理を行う際の戸閉じ指令が出力された時点でもよい。また、戸開き時からある任意の時間経過時や、外部のセンサや機器(以下「外部機器」と総称する。)からの戸閉じ指令等の何らかの指令によって更新タイミングを変更する構成としてもよい。本実施形態は、様々なエレベーターのドアに関する状況をトリガとして更新タイミングが設定されたかご内状態更新判定部を要するものとする。
【0043】
[かご内満員検出処理]
次に、エレベーター運行管理システム30によるかご内満員検出処理の手順例を説明する。
【0044】
図4は、エレベーター運行管理システム30によるかご内満員検出処理の手順例を示すフローチャートである。まず、エレベーター運行管理システム30のかご内満員検出部36は、閾値記憶部33から予め設定されたかご50の定員(満員時人数)と乗車率を読み出す。そして、かご内満員検出部36は、かご内状態保持部35により保持されたかご内人数を、その定員と乗車率を掛けた値(満員検出用の閾値)と比較し、かご内人数が満員検出用の閾値を超えたか否かを判定する(S11)。
【0045】
そして、かご内人数が満員検出用の閾値を超える場合には(S11のYES)、かご内満員検出部36は、該当号機のかご50を満員状態と判定し(S12)、判定結果を満員指令部37へ出力する。また、かご内人数が満員検出用の閾値を超えない場合には(S11のNO)、本フローチャートの処理を終了する。
【0046】
次いで、満員指令部37は、かご内満員検出部36で満員が検出されると、該当号機のエレベーター制御装置40にかご50内が満員であることを示す満員指令を出力する(S13)。該当号機のエレベーター制御装置40は、満員指令に基づいて乗場呼びのある階でかご50を停止しないなどの運転を行う。また、エレベーター運行管理システム30は、該当号機エレベーターの乗場でかご50の到着を待っている利用者に対し、他号機エレベーターの利用を勧めるアナウンスを行う制御や、他号機エレベーターのかご50を乗場呼びのある階に向かわせる制御などを行うようにしてもよい。
【0047】
以上のとおり、第1の実施形態に係るかご内状態検出システム(エレベーター運行管理システム30)は、エレベーターのかご50内の状態を取得するセンサ(カメラ51)が出力する情報(画像データ)に基づいて、かご50内の満員を検出する処理を行う演算装置(計算装置70)、を備える。
当該演算装置は、センサが出力する情報に基づくかご50内の利用状態を示す値(人数、乗車率など)を記憶するかご内状態保持部(かご内状態保持部35)と、エレベーターのドア(少なくともかごドア52を含む)に関する状況が予め設定された条件(例えば戸閉状態)と合致した場合、かご内状態保持部に対し、かご50内の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しないかご内状態更新判定部(かご内状態更新判定部34)と、かご内状態保持部により保持されたかご50内の利用状態を示す値に基づいて、かご50内の満員を検出するかご内満員検出部(かご内満員検出部36)と、を備えるものである。
そして、かご内状態保持部は、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件(例えば戸閉状態)と合致した場合、かつかご内満員検出部でかご50内の満員が検出された場合には、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と不一致(例えば戸開状態)となるまで、かご50内が満員状態であることを示す満員情報を保持するように構成されている。
【0048】
このように構成された第1の実施形態によれば、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と不一致(例えば戸開状態)の場合、画像データの解析結果をそのまま活用して満員検出を行い、戸閉開始から次の戸開まで(戸閉開始から次の停止階までの区間)は満員情報を保持し満員情報の更新を行わない。エレベーターが戸閉状態から戸開状態となるまでの間、満員情報が保持されるため、かご50内の画像データに基づく満員情報のばらつきを抑制し、満員情報の精度を向上させることができる。それにより、かご内が満員状態であるのに満員を検知できない問題やその逆の問題が解消される。
【0049】
予め設定された条件とは、エレベーターの戸閉じ状態、或いは、戸閉じ開始状態(戸開き時間満了時)、或いは、戸開き時から任意時間経過時、或いは外部機器からの戸閉じ指令の入力があった場合のいずれか一つを少なくとも含む条件である。本実施形態では、様々なエレベーターのドアに関する状況をトリガとして更新タイミングが設定されたかご内状態更新判定部を有することにより、種々の状況に対応して精度の高いかご内状態検出を実現できる。
【0050】
また、上述した本実施形態に係るかご内状態検出システム(エレベーター運行管理システム30)では、かご内状態更新判定部(かご内状態更新判定部34)は、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件(例えば戸閉状態)と合致した場合、かつかご50内の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、かご内状態保持部(かご内状態保持部35)に対し、かご50内の利用状態を示す値の更新を許可し、かご内状態保持部は、保持していたかご50内の利用状態を示す値を変化後のかご50内の利用状態を示す値で更新するように構成されている。
【0051】
このような本実施形態によれば、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と合致した場合(例えば戸閉状態)、かつかご50内の利用状態を示す値(例えば画像データに基づくかご内人数)が大きくなる方向に変化した場合に、かご内状態保持部により保持していたかご50内の利用状態を示す値を更新する。これにより、例えば戸閉状態でもかご50内の画像データに基づいて新たに満員を検出することが可能となり、満員情報の精度が向上する。
【0052】
また、上述した本実施形態に係るかご内状態更新判定部(かご内状態更新判定部34)は、エレベーターのドアに関する状況が予め設定された条件と不一致(例えば戸開状態)の場合、かご内状態保持部(かご内状態保持部35)に対し、かご50内の利用状態を示す値の更新を許可するように構成されている。
【0053】
このような本実施形態によれば、例えば戸開状態ではかご50内の画像データに基づいて満員状態の検出及び更新が随時行われる。それゆえ、戸開状態において、かご50内の画像データに基づく満員情報のばらつきを抑制し、満員情報の精度を維持できる。
【0054】
また、上述した本実施形態では、センサとしてかご50内を撮影するカメラ51を用いている。カメラ51が撮影した画像データを解析することで、かご50内の画像データに映る利用者の人数や乗車率を正確に把握することができる。
【0055】
また、上述した本実施形態に係るかご内状態保持部(かご内状態保持部35)は、かご50内の利用状態を示す値としてかご50内の人数又は乗車率を保持し、かご内満員検出部(かご内満員検出部36)は、かご内状態保持部により保持された人数又は乗車率と、満員検出用の閾値とを用いて、かご内の満員を検出する処理を行うように構成されている。
【0056】
例えば、かご内満員検出部36は、かご内状態保持部35により保持されたかご50内の人数を、予め設定されたかごの定員と乗車率とを掛けて算出される満員検出用の閾値と比較し(S11)、かご50内の人数が当該満員検出用の閾値を超える場合には、かご50内が満員であると判断する。
【0057】
このような本実施形態によれば、現在のかご内人数を、定員と乗車率とを掛けて算出される満員検出用の閾値と比較することにより、かご内人数と乗車率の両方を考慮してより精度の高い満員検出が行える。
【0058】
また、上述した本実施形態において、満員検出用の人数及び/又は乗車率を、利用者の性別又は年齢に応じて設定することが望ましい。これにより、エレベーターの利用者の属性の傾向に合わせて、より精度の高い満員検出が行える。
【0059】
[エレベーターと建築物の乗場の例]
図5は、エレベーターと建築物の乗場の例を示す図である。現在、利用者U1を乗せたかご51が、建築物の4階(以下「4F」)に停止している。4Fの乗場では、6人の利用者U2〜U7がかご51の到着を待っている。また、3Fの乗場では1人の利用者U8、2Fの乗場では1人の利用者U9がそれぞれかご51の到着を待っている。乗場呼びボタン80は、乗場エレベーターサービス要求装置10の一例であり、上方向呼びボタンと下方向呼びボタンからなる。図5では、4Fから2Fにかけて下方向呼びボタンが押下され、4Fから2Fの各表示灯81の下側ランプが点灯している様子が示されている。
【0060】
[乗りかご内の利用者と撮影画像]
(第1例)
図6は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第1例を示す。図6の例では、5Fに着床したかご50のかごドア52が戸閉した直後の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像を示している。エレベーターシステム1では、かごドア52の開閉と乗場ドアの開閉が同期するように制御される。図6Aに示すように、かご50内にいる利用者は1人である。図6Bに示すカメラ51の撮影画像にも、1人の利用者U1が映っている。
【0061】
この場合、かご50が4Fに着床する以前にかご50に利用者U1が乗り込んだ際に、かご内状態保持部35によりかご内人数が“0”から“1”に更新される。
【0062】
(第2例)
図7は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第2例を示す。図7の例では、4Fに着床したかご50に6人の利用者U2〜U7が乗り込んでかごドア52が戸閉した直後の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像を示している。図7Aに示すように、かご50内にいる利用者は7人である。図7Bに示すカメラ51の撮影画像にも、7人の利用者U1〜U7が映っている。
【0063】
この場合、4Fでかご50に新たに利用者U2〜U7が乗り込み、撮影画像に映る利用者が1人(図6)から7人に増加しているため、かご内状態保持部35によりかご内人数の情報が“1”から“7”に更新される。
【0064】
(第3例)
図8は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第3例を示す。図8の例では、4Fに着床したかご50が戸閉状態となってから一定時間が経過後の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像を示している。図8Aに示すように、かご50内にいる利用者は7人である。しかし、図8Bに示すカメラ51の撮影画像に映っているのは、利用者U5を除く6人の利用者U1〜U4,U6,U7である。子どもなどの小さな利用者U5が大きな利用者の陰に隠れたか、又は利用者U5がかご50の奥(カメラ51側)に寄ったため、1人の利用者U5がカメラ51の画角から外れて撮影画像に映っていない。
【0065】
この場合、戸閉後に撮影画像に映る利用者が7人(図7)から6人に減少しているが、かご内状態保持部35によりかご内人数の情報として“7”が保持される。
【0066】
(第4例)
図9は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第4例を示す。図9の例では、3Fに停止したかご50に1人の利用者U8が乗り込んでかごドア52が戸閉した直後の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像示している。図9Aに示すように、かご50内にいる利用者は8人である。図9Bに示すカメラ51の撮影画像にも、8人の利用者U1〜U8が映っている。
【0067】
この場合、3Fでかご50に新たに利用者U8が乗り込み、撮影画像に映る利用者が7人(図8)から8人に増加しているため、かご内状態保持部35によりかご内人数の情報が“7”から“8”に更新される。ここで、満員検出用の閾値(定員)が“8”に設定されていた場合には、かご内満員検出部36により満員が検出される。
【0068】
(第5例)
図10は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第5例を示す。図10の例では、3Fに着床したかご50が戸閉状態となってから一定時間が経過後の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像を示している。図10Aに示すように、かご50内にいる利用者は8人である。しかし、図10Bに示すカメラ51の撮影画像に映っているのは、利用者U8を除く7人の利用者U1〜U7である。1人の利用者U8がカメラ51の画角から外れて撮影画像に映っていない。
【0069】
この場合、戸閉後に撮影画像に映る利用者が8人(図9)から7人に減少しているが、かご内状態保持部35によりかご内人数の情報として“7”が保持される。また、戸閉状態のままであるため、かご内状態保持部35により“満員情報”が保持される。学習部32は、図10に示した状況及び利用者U9の行動に関する情報を学習し、適切な乗車率の設定に活用する。
【0070】
(第6例)
図11は、かご50内の利用者(人数)とカメラ51の撮影画像の第6例を示す。図11の例は、2Fに到着してかご50のかごドア52が戸開した後、1人の利用者U9がかご50に乗り込もうとした際の、かご50内の利用者(人数)と撮影画像を示している。図11Aに示すように、かご50内にいる利用者は8人である。このとき図11Bに示すカメラ51の撮影画像には、利用者U9を含む8人の利用者U1〜U7,U9が映っている。利用者U9は、着床したかご50に乗り込むため乗場ドアの前に立っていたが、乗場ドア及びかごドア52が戸開してかご50内を見ると、満員状態で乗り込むスペースがないと判断して乗り込まなかった。このときかご50の出入り口付近にいた利用者U9が、撮影画像に映り込んでいる。
【0071】
この図11に示した例は、上述した第1の実施形態におけるかご内人数更新処理を適用しなかった場合の状況を示している。本実施形態のかご内人数更新処理を適用しない場合、図10において戸閉状態にもかかわらず撮影画像内の人数が定員の8人から7人に減少した時点で図9において検出した満員情報が更新(リセット)されてしまう。そのため、エレベーター制御装置40は、かご50を乗場呼びのある階に停止させてしまっている。
【0072】
これに対し、本実施形態のかご内人数更新処理が適用されていれば、図10で撮影画像内の人数が減少しても図9で検出した満員情報をそのまま保持する。そのため、エレベーター運行管理システム30は、満員状態にあるエレベーターのかご50を2Fに停止させずに、2Fの乗場にいる利用者に対しアナウンス等を行い他号機エレベーターへ案内する制御を行うことができる。そのため、到着したかご50が満員である場合と比較して、利用者のストレスを軽減することができる。
【0073】
[第1の実施形態の変形例]
上述した第1の実施形態では、かご50内の状態を取得するセンサの例としてカメラ51について説明したが、かご50内の荷重を検出する荷重センサ53(図5参照)を用いてもよい。
【0074】
センサデータ加工処理部60は、荷重センサ53から周期的に入力される荷重データに基づいてかご50内の利用状態(例えば荷重)を検出する処理を実施し、検出結果をエレベーター運行管理システム30に送信する。荷重データに基づくかご50内の利用状態を示す情報として、乗車率やおおよその人数を検出するようにしてもよい。
【0075】
かご内満員検出部36は、入出力情報受信部31を介してセンサデータ加工処理部60から、荷重センサ53の荷重データに基づくかご50内の利用状態についての検出結果(本例では荷重)を受信する。そして、かご内満員検出部36は、荷重センサ53で検出された荷重が満員検出用の閾値よりも大きい場合に、かご50内が満員であると判断する。かご内状態保持部35とかご内状態更新判定部34の処理は、第1の実施形態と同じである。
【0076】
センサとして荷重センサ53を用いた本変形例においても、第1の実施形態におけるカメラ51を用いた場合と同様の効果が得られる。かご50内で利用者がジャンプするなどの何らかの理由により、かご50内の荷重が変化することをかご内満員検出部36の満員検出に反映することができる。例えば、かご50内の利用者がジャンプする直前ではかご内荷重が増加し、利用者がジャンプした直後ではかご内荷重が減少する。
【0077】
<2.第2の実施形態>
エレベーターの運行(かご50の停止及び通過)をより適切に行うためには、第1の実施形態で検出されるかご50内の利用状態(満員かどうか)に加えて、乗場の利用状態(人数、混雑度など)も反映して運行制御することが望ましいと考えられる。第2の実施形態は、監視カメラ20の撮影画像を用いて乗場にいる利用者の人数を把握することを目的としたものである。
【0078】
図12は、第2の実施形態に係るエレベーターと建築物の乗場の例を示す図である。各階床のエレベーターホールに設置された監視カメラ20は、エレベーターの乗場及びかご50の出入り口を撮影できる位置となるように調整する。また、監視カメラ20の一点鎖線で示した画角は、乗場にいる利用者を極力多く撮影できるように設定する。線Aは仮想の通路出入り口を示し、線Bはかご50の出入り口の位置を示すものである。監視カメラ20で撮影された画像データを解析することで、線Aと線Bで囲まれる空間に存在する利用者の人数を算出する。第2の実施形態では、第1の実施形態におけるかご内人数更新処理の原理を応用して乗場人数更新処理を行う。
【0079】
図13は、第2の実施形態に係るエレベーターシステムの概略及びエレベーター運行管理システムの構成例を示すブロック図である。図13に示すエレベーターシステム1Aのエレベーター運行管理システム30Aは、第1の実施形態のエレベーター運行管理システム30と比較して、乗場状態更新判定部94、乗場状態保持部95、及び乗場状態指令部96を備える点が異なる。
【0080】
乗場状態更新判定部94は、監視カメラ20の撮影画像の各出入り口を設定した画角より利用者の通過を判定し、利用者が通過した場合には乗場状態保持部95に対し、乗場の利用状態を示す値(人数、混雑度など)の更新を許可する(更新許可判定)。
また、乗場状態更新判定部94は、利用者の通過がないときには乗場状態保持部95に対し、乗場の利用状態を示す値が小さくなる方向の更新を許可しない(更新禁止判定)。さらに、乗場状態更新判定部94は、利用者の通過がないときに乗場の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、乗場状態保持部95に対し、乗場の利用状態を示す値の更新を許可する(更新許可判定)。
【0081】
乗場状態保持部95は、監視カメラ20が出力する画像データに基づく乗場の利用状態を示す値(人数、混雑度など)を、RAM73又は不揮発性ストレージ77に記憶する処理を行う。乗場状態保持部95は、監視カメラ20の撮影画像より利用者の通過が検出された場合には、かご50内の利用状態を示す値の更新を行う。また、乗場状態保持部95は、利用者の通過がない状態のときに乗場の利用状態を示す値が大きくなる方向に変化した場合には、保持している乗場の利用状態を示す値を変化後の乗場の利用状態を示す値で更新する。
【0082】
乗場状態指令部96は、該当号機のエレベーター制御装置40に乗場の利用状態を示す値(乗場状態の情報)を乗場状態指令として出力する。
【0083】
[乗場人数更新処理]
次に、エレベーター運行管理システム30による乗場人数更新処理の手順例を説明する。なお、乗場人数を混雑度に変えて、同様の処理を行うことができる。
【0084】
図14は、第2の実施形態に係るエレベーター運行管理システム30による乗場人数更新処理の手順例を示すフローチャートである。まず、エレベーター運行管理システム30の乗場状態更新判定部94は、入出力情報受信部31を介して各号機のエレベーターの監視カメラ20の画像データを解析した結果(本例では利用者の通過の有無、乗場人数)を受信する。そして、乗場状態更新判定部94は、受信した解析結果に基づいて、各乗場において監視カメラ20の撮影画像の各出入り口を設定した画角より利用者の通過を検出したか否かを判定する(S21)。
【0085】
乗場状態更新判定部94により利用者の通過があると判定された場合(S21のYES)、かご内状態保持部35は、監視カメラ20の撮影画像に基づく乗場の人数(乗場の利用状態を示す値の一例)を更新する(S22)。
【0086】
一方、利用者の通過がないと判定された場合(S21のNO)、乗場状態更新判定部94は、監視カメラ20の撮影画像の解析結果に基づいて現在の乗場人数がRAM73に保持された乗場人数(保持結果)よりも多いか否かを判定する(S23)。現在の乗場人数がRAM73の保持結果以下である場合には(S23のNO)、本フローチャートの処理を終了する。
【0087】
次いで、乗場状態更新判定部94により現在の乗場人数がRAM73に保持された乗場人数(保持結果)よりも多いと判定された場合には(S23のYES)、乗場状態保持部95は、乗場人数の更新処理を行う(S24)。具体的には、乗場状態保持部95は、保持されていた乗場の人数を現在の乗場の人数で更新する。ステップS22又はS24の処理後、本フローチャートの処理を終了する。
【0088】
エレベーター運行管理システム30は、センサデータ加工処理部60から、監視カメラ20が撮影した画像データに基づく乗場の利用状態を示す情報を周期的に受信し、図14に示すフローチャートの処理を実行する。乗場状態指令部96は、RAM73に保持された乗場人数を乗場状態指令として出力する。
【0089】
エレベーター運行管理システム30は、乗場状態指令とかご内人数と乗場呼びから満員となるエレベーター(及びその階床)を予測することができる。それにより、エレベーター運行管理システム30は、その予測結果に基づいて、各号機のエレベーター制御装置40により各号機のかご50の運行を適切に制御することができる。
【0090】
<3.その他>
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0091】
例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するためにエレベーター運行管理システムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成要素に置き換えることは可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成要素を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0092】
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1,1A…エレベーターシステム、 20…監視カメラ、 30,30A…エレベーター運行管理システム、 31…入出力情報受信部31、 32…学習部、 32a…乗車率設定部、 33…閾値記憶部、 34…かご内状態更新判定部34、 35…かご内状態保持部、 36…かご内満員検出部、 37…満員指令部、 40…エレベーター制御装置、 50…乗りかご、 51…かご内カメラ、 52…乗り場ドア、 53…荷重センサ、 60…センサデータ加工処理部、 70…計算装置、 71…CPU、 72…ROM、 94…乗場状態更新判定部、 95…乗場状態保持部、 96…乗場状態指令部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14