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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202249(P2020-202249A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】配線基板及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20201120BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20201120BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   H05K3/46 N
   H05K3/46 G
   H05K1/02 J
   H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-107146(P2019-107146)
(22)【出願日】2019年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 大介
(72)【発明者】
【氏名】國兼 成充
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA15
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB15
5E316BB16
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC13
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC39
5E316DD02
5E316DD17
5E316DD25
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE09
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG16
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH11
5E316HH40
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB12
5E338CD32
5E338EE21
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】配線基板の信頼性向上。
【解決手段】実施形態の配線基板100は、ビア導体33a〜33dを含む多層コア基板3と、多層コア基板3の第1面3a上に形成されている第1積層体1と、多層コア基板3の第2面3b上に形成されている第2積層体2と、を含んでいる。多層コア基板3は第2スタックビア導体52を、第1積層体1は第3スタックビア導体53を、第2積層体2は第4スタックビア導体54をそれぞれ含んでいる。第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士のずれの最大値は、第3及び第4のスタックビア導体53、54それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有していて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む多層コア基板と、
前記第1面上に形成されていて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む第1積層体と、
前記第2面上に形成されていて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む第2積層体と、
を含む配線基板であって、
前記多層コア基板は第2スタックビア導体を含み、
前記第1積層体は第3スタックビア導体を含み、
前記第2積層体は第4スタックビア導体を含み、
前記第2スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値は、前記第3スタックビア導体及び前記第4スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きい。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、前記多層コア基板内の前記ビア導体の外径は、前記第1積層体内の前記ビア導体及び前記第2積層体内の前記ビア導体それぞれの外径よりも大きい。
【請求項3】
請求項1記載の配線基板であって、前記多層コア基板内の前記ビア導体、及び、前記第1積層体内又は前記第2積層体内の前記ビア導体によって構成される第1スタックビア導体をさらに備え、
前記第2スタックビア導体それぞれを構成する前記ビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値は、前記第1スタックビア導体それぞれを構成する前記ビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きい。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板であって、
前記多層コア基板、前記第1積層体、及び前記第2積層体それぞれに含まれる前記ビア導体によって構成されていて前記配線基板を貫通する全層スタックビア導体が形成されており、
前記全層スタックビア導体の中心軸と、前記全層スタックビア導体を構成する前記多層コア基板内の前記ビア導体の中心軸との間隔の最大値は、前記全層スタックビア導体の中心軸と、前記全層スタックビア導体を構成する前記第1及び第2の積層体内の前記ビア導体の中心軸との間隔の最大値よりも大きい。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1積層体又は前記第2積層体に含まれる前記絶縁層は補強材を含まない樹脂で形成されており、前記多層コア基板に含まれる前記絶縁層は補強材を含む樹脂で形成されている。
【請求項6】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1積層体又は前記第2積層体に含まれる前記導体層は金属箔を用いずに形成されており、前記多層コア基板に含まれる前記導体層は金属箔を含んでいる。
【請求項7】
絶縁層と、金属箔を含む導体層とを交互に積層することによって、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有すると共に、前記絶縁層それぞれを貫通するビア導体を含む多層構造のコア基板を形成することと、
前記第1面及び前記第2面上にさらに、絶縁層と、金属箔を含まない導体層とを積層することによって絶縁層と導体層との積層体を形成することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記積層体を形成することは、前記積層体内の絶縁層それぞれを貫通するビア導体を形成することによって、前記積層体内にスタックビア導体を形成することを含み、
前記コア基板を形成することは、前記コア基板内に第2スタックビア導体を形成することを含み、
前記第2スタックビア導体を形成することは、前記積層体内の前記スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きく平面視における位置が互いにずれるようにビア導体を積層することを含んでいる。
【請求項8】
請求項7記載の配線基板の製造方法であって、前記コア基板内の前記導体層は、サブトラクティブ法、又は金属箔を用いるセミアディティブ法を用いて形成され、前記積層体内の前記導体層は金属箔を用いないセミアディティブ法を用いて形成される。
【請求項9】
請求項7記載の配線基板の製造方法であって、前記積層体を形成することは、前記コア基板内の前記ビア導体と前記積層体内の前記ビア導体とによって構成される第1スタックビア導体を形成することをさらに含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の配線層と、各配線層の間に介在する絶縁層と、各絶縁層に形成されたビアとを含む多層配線基板が開示されている。各絶縁層を介して隣接する導体層同士はビアを介して接続されており、隣接する絶縁層それぞれに形成されるビア同士が積み重ねられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−14847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の多層配線基板では、隣接する絶縁層それぞれに形成されるビア同士は、互いに略真上又は略真下に重ねられている。従って、配線基板に反りが生じたときに生じる応力が、積み重ねられたビア導体同士の間で吸収され難く、界面剥離や絶縁層のクラックなどが抑制され難いと推察される。ビア導体と絶縁層との間に剥離が生じた場合には、積み重ねられたビアに沿って、その剥離が配線基板の厚さ方向に伝わり易いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有していて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む多層コア基板と、前記第1面上に形成されていて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む第1積層体と、前記第2面上に形成されていて、交互に積層されている絶縁層及び導体層、並びに各絶縁層を貫通するビア導体を含む第2積層体と、を含んでいる。そして、前記多層コア基板は第2スタックビア導体を含み、前記第1積層体は第3スタックビア導体を含み、前記第2積層体は第4スタックビア導体を含み、前記第2スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値は、前記第3スタックビア導体及び前記第4スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きい。
【0006】
本発明の配線基板の製造方法は、絶縁層と、金属箔を含む導体層とを交互に積層することによって、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有すると共に、前記絶縁層それぞれを貫通するビア導体を含む多層構造のコア基板を形成することと、前記第1面及び前記第2面上にさらに、絶縁層と、金属箔を含まない導体層とを積層することによって絶縁層と導体層との積層体を形成することと、を含んでいる。そして、前記積層体を形成することは、前記積層体内の絶縁層それぞれを貫通するビア導体を形成することによって、前記積層体内にスタックビア導体を形成することを含み、前記コア基板を形成することは、前記コア基板内に第2スタックビア導体を形成することを含み、前記第2スタックビア導体を形成することは、前記積層体内の前記スタックビア導体それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きく平面視における位置が互いにずれるようにビア導体を積層することを含んでいる。
【0007】
本発明の実施形態によれば、配線基板における応力集中が緩和され、配線基板の信頼性が向上することがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。
図2図1のII部の拡大図。
図3図2に示される第1スタックビア導体の他の例を示す拡大図。
図4図1のIV部の拡大図。
図5A】一実施形態の配線基板における第1積層体内のスタックビア導体の一例を示す断面図。
図5B】一実施形態の配線基板におけるコア基板内のスタックビア導体の一例を示す断面図。
図6A】一実施形態の配線基板における第1積層体内のスタックビア導体の他の例を示す断面図。
図6B】一実施形態の配線基板におけるコア基板内のスタックビア導体の他の例を示す断面図。
図7A】本発明の一実施形態の配線基板の製造方法における出発基板の形成後の状態の一例を示す断面図。
図7B】一実施形態の配線基板の製造方法におけるコア基板の形成後の状態の一例を示す断面図。
図7C】一実施形態の配線基板の製造方法における第1スタックビア導体の形成後の状態の一例を示す断面図。
図7D】一実施形態の配線基板の製造方法における第1及び第2の積層体の形成後の状態の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態の配線基板の一例である配線基板100の断面図が示されている。また、図2には、図1のII部の拡大図が示されている。
【0010】
図1に示されるように、配線基板100は、第1面3a及び第1面3aの反対面である第2面3bを有する多層コア基板3と、第1面3a上に形成されている第1積層体1と、第2面3b上に形成されている第2積層体2と、を含んでいる。多層コア基板3は、交互に積層されている絶縁層及び導体層(図1の例では、絶縁層32、絶縁層32a〜32d、及び導体層31a〜31f)を含む、多層構造を有するコア基板である。以下の説明では、「多層コア基板3」は単に「コア基板3」とも称される。第1積層体1及び第2積層体2も、交互に積層されている絶縁層及び導体層を含んでいる。図1の例では、第1積層体1は絶縁層12a〜12c及び導体層11a〜11cを含んでおり、第2積層体2は絶縁層22a〜22c及び導体層21a〜21cを含んでいる。
【0011】
図1の例においてコア基板3内の絶縁層32は、コア基板3の形成において出発基板として用いられる絶縁基板からなるベース絶縁層である。第1及び第2の積層体1、2は、配線基板100において、コア基板3の第1面3a上及び第2面3b上それぞれに形成されているビルドアップ層である。配線基板100では、後述されるように、コア基板3内の導体層31b、31c、31e、31f、並びに、絶縁層32a〜32dなどの各導体層及び各絶縁層も、絶縁層32の各面に、ビルドアップ製法によって形成されている。
【0012】
第1及び第2の積層体1、2、並びにコア基板3は、各絶縁層を貫通し、各絶縁層を挟む2つの導体層同士を接続する複数のビア導体を含んでいる。図1の例では、第1積層体1は、絶縁層12aを貫通するビア導体13a、絶縁層12bを貫通するビア導体13b、及び、絶縁層12cを貫通するビア導体13cを含んでいる。第2積層体2は、絶縁層22aを貫通するビア導体23a、絶縁層22bを貫通するビア導体23b、及び、絶縁層22cを貫通するビア導体23cを含んでいる。そして、コア基板3は、絶縁層32aを貫通するビア導体33a、絶縁層32bを貫通するビア導体33b、絶縁層32cを貫通するビア導体33c、及び絶縁層32dを貫通するビア導体33dを含んでいる。コア基板3は、さらに、絶縁層32を貫通するスルーホール導体33eを含んでいる。
【0013】
なお、配線基板100の説明では、配線基板100の厚さ方向においてコア基板3の絶縁層32から遠い側は「上側」もしくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層32に近い側は「下側」もしくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各絶縁層において、絶縁層32と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層32を向く表面は「下面」とも称される。従って第1積層体1及び第2積層体2の説明では、コア基板3から遠い側が「上側」、「上方」、又は単に「上」とも称され、コア基板3に近い側が「下側」、「下方」、又は単に「下」とも称される。また、配線基板100の厚さ方向は、単に「Z方向」とも称される。
【0014】
図1に示されるように、ベース絶縁層(絶縁層32)は、コア基板3の第1面3a側の第1ベース面B1及び第1ベース面B1の反対面である第2ベース面B2を有している。第1ベース面B1上に、順に、導体層31a、絶縁層32a、導体層31b、絶縁層32b、及び導体層31cが積層されている。第2ベース面B2上には、順に、導体層31d、絶縁層32c、導体層31e、絶縁層32d、及び導体層31fが積層されている。絶縁層32b及び導体層31cそれぞれの上面が第1面3aを構成している。絶縁層32d及び導体層31fそれぞれの上面(絶縁層32と反対側を向く面)が第2面3bを構成している。
【0015】
コア基板3の第1面3a上に、絶縁層12a、導体層11a、絶縁層12b、導体層11b、絶縁層12c、及び導体層11cが順に積層されている。導体層11cは、外部の電子部品(図示せず)の実装に用いられる接続パッド11c1を含んでいる。第1積層体1の上にはソルダーレジスト層41が形成されている。ソルダーレジスト層41は、接続パッド11c1を露出させる開口を備えている。
【0016】
コア基板3の第2面3b上に、絶縁層22a、導体層21a、絶縁層22b、導体層21b、絶縁層22c、及び導体層21cが順に積層されている。導体層21cは、外部のマザーボードなどとの接続に用いられる接続パッド21c1を含んでいる。第2積層体2の上にはソルダーレジスト層42が形成されている。ソルダーレジスト層42は、接続パッド21c1を露出させる開口を備えている。
【0017】
ソルダーレジスト層41、42は、絶縁性を有する任意の材料を用いて形成され得る。ソルダーレジスト層41、42は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを主原料とする感光性樹脂を用いて形成される。
【0018】
接続パッド11c1及び接続パッド21c1の露出面には、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、ハンダ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されていてもよい。
【0019】
第1積層体1内、第2積層体2内、及びコア基板3内の各絶縁層は、任意の絶縁性材料を用いて形成される。絶縁性材料としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。これらの樹脂を用いて形成される各絶縁層は、ガラス繊維又はアラミド繊維などの補強材、及び/又は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。
【0020】
図1の例では、コア基板3内の絶縁層32、32a〜32dそれぞれは、補強材321を含んでいる。補強材321としては、前述したガラス繊維及びアラミド繊維、さらに、ガラス不織布及びアラミド不織布などが例示されるが、補強材321はこれらに限定されない。コア基板3内の各絶縁層の厚さは、例えば、30μm以上、80μm以下である。
【0021】
一方、図1の例では、第1積層体1内の絶縁層12a〜12c、並びに、第2積層体2内の絶縁層22a〜22cは、補強材を含んでいない、エポキシ樹脂などの先に例示した樹脂などで形成されている。第1及び第2の積層体1、2内の各絶縁層の厚さは、例えば、10μm以上、40μm未満である。
【0022】
導体層11a〜11c、導体層21a〜21c、及び導体層31a〜31fは、例えば、銅、ニッケル、銀、又はパラジウムなどを含む金属箔、蒸着膜、又はめっき膜単独で、又はこれらの積層体で形成されている。導体層11a〜11c、導体層21a〜21c、及び導体層31a〜31fは、それぞれ、任意の導体パターンを含み得る。配線基板100内の各導体層は、各導体層の下側に形成される各ビア導体と一体的に形成されるビアパッドを含んでいる。
【0023】
図1の例において第1積層体1内の導体層11a〜11c、及び、第2積層体2内の導体層21a〜21cは、金属箔を用いずに形成されている。導体層11a〜11cは、それぞれ、図2に示されるように、シード膜112及び電解めっき膜113を含んでいる。シード膜112は、電解めっき膜113の形成時に給電層として用いられる。図2には示されていないが、導体層21a〜21cも、導体層11a〜11cと同様に、シード膜及び電解めっき膜を含んでいる。図1の例の第1積層体1及び第2積層体2それぞれの各導体層は、例えば、金属箔を用いないセミアディティブ(SAP:Semi-Additive Process)法で形成される。
【0024】
第1積層体1内及び第2積層体2内の各導体層の厚さは、例えば、10μm以上、20μm未満である。このように、第1積層体1及び第2積層体2内の金属箔を含まない各導体層は、最小線幅/最小線間幅(L/S)に関して10μm/10μmの配線ルールで配置された配線パターンを有し得る。従って、第1及び第2の積層体1、2には、以下に述べられる、金属箔を含む導体層を有するコア基板3内よりも微細なピッチで並ぶ、より細い配線を形成することができる。
【0025】
一方、図1の例では、コア基板3内の導体層31a〜31cは、図2に示されるように、金属箔311、シード膜312、及び電解めっき膜313を含んでいる。シード膜312は、電解めっき膜313の形成時に給電層として用いられる。図2には示されていないが、導体層31d〜31fも、導体層31a〜31cと同様に、金属箔、シード膜及び電解めっき膜を含んでいる。図1の例のコア基板3内の各導体層は、例えば、サブトラクティブ法、又は、金属箔を用いるセミアディティブ(MSAP:Modified Semi-Additive Process)法を用いて形成される。このように金属箔311が含まれる場合、コア基板3内の各導体層の厚さは、例えば、20μm以上、70μm以下である。また、コア基板3内の各導体層は、例えば、最小線幅/最小線間幅(L/S)に関して40μm/40μmの配線ルールで配置された配線パターンを有し得る。
【0026】
ビア導体13a〜13c、ビア導体23a〜23c、及びビア導体33a〜33dそれぞれは、各ビア導体を包含する絶縁層を貫く貫通孔を導電体で埋めることによって形成されている所謂フィルドビアである。各ビア導体は、それぞれの上側の導体層と一体的に形成されている。ビア導体33a〜33dは、それぞれ、導体層31b、31c、31e、31fそれぞれに含まれる第3ビアパッド314と一体的に形成されている。ビア導体13a〜13cは、導体層11a〜11cそれぞれに含まれる第1ビアパッド114と一体的に形成されている。ビア導体23a〜23cは、導体層21a〜21cそれぞれに含まれる第2ビアパッド214と一体的に形成されている。ビア導体13a〜13c、ビア導体23a〜23c、及びビア導体33a〜33dそれぞれは、例えば、前述したシード膜112又はシード膜312、及び、めっき膜113又はめっき膜313によって形成される。
【0027】
スルーホール導体33eは、絶縁層32に設けられた貫通孔を銅又はニッケルなどの導電体で充填することによって、導体層31a及び導体層31dと一体的に形成されている。
【0028】
そして、本実施形態の配線基板100は、導体層を介して重ねられた2つ以上のビア導体によって構成される複数のスタックビア導体を含んでいる。
【0029】
配線基板100は、コア基板3内のビア導体と第1積層体1内又は第2積層体2内のビア導体とによって構成される複数の第1スタックビア導体51を含んでいる。図1の例では、第1スタックビア導体51は、コア基板3の第1面3aの下側のビア導体33bと第1面3aの上側のビア導体13aとによって構成されている。加えて、第1スタックビア導体51は、第2面3bの下側(コア基板3側)のビア導体33dと第2面3bの上側(第2積層体2側)のビア導体23aとによって構成されている。すなわち、複数の第1スタックビア導体51それぞれは、コア基板3の第1面3a上の導体層31c又は第2面3b上の導体層31fを介して重なる2つのビア導体によって構成される。
【0030】
配線基板100は、コア基板3、第1積層体1、及び第2積層体2、それぞれの中にも、スタックビア導体を含んでいる。コア基板3は、コア基板3内の隣接する2つの絶縁層それぞれを貫通するビア導体によって構成される複数の第2スタックビア導体52を含んでいる。図1の例では、第2スタックビア導体52は、ビア導体33aとビア導体33bとによって構成されると共に、ビア導体33cとビア導体33dとによって構成されている。
【0031】
また、第1積層体1は、第1積層体1内の隣接する2つの絶縁層それぞれを貫通するビア導体によって構成される複数の第3スタックビア導体53を含んでいる。図1の例では、第3スタックビア導体53は、ビア導体13aとビア導体13bとによって構成されると共に、ビア導体13bとビア導体13cとによって構成されている。
【0032】
また、第2積層体2は、第2積層体2内の隣接する2つの絶縁層それぞれを貫通するビア導体によって構成される複数の第4スタックビア導体54を含んでいる。図1の例では、第4スタックビア導体54は、ビア導体23aとビア導体23bとによって構成されると共に、ビア導体23bとビア導体23cとによって構成されている。
【0033】
図1では、符号51、符号52、符号53、及び符号54は、それぞれ、対応する各スタックビア導体のうちの1つ又は2つに対してのみ付されており、他のスタックビア導体に対する符号は省略されているが、各スタックビア導体は、それそれ、複数形成されている。なお、本実施形態の配線基板100は、図1の例と異なり、第1〜第4のスタックビア導体51〜54それぞれを1つだけ含んでいてもよい。また、各スタックビア導体は、3つ以上のビア導体によって構成され、3層以上の階層構造を有していてもよい。
【0034】
本開示において「スタックビア導体」は、隣接する複数の導体層それぞれを貫通するビア導体同士が、下側(絶縁層32側)のビア導体の上面と上側のビア導体の下面(底面)とが平面視で少なくとも部分的に重なるように積み重ねられている、ビア導体の積層体を意味する。なお「平面視」は、配線基板100をZ方向に沿った視線で見ることを意味する。
【0035】
図1のII部には、各スタックビア導体を構成するビア導体の中心軸同士の間隔が、上記スタックビア導体の定義を満たす範囲で略最大である第1〜第3のスタックビア導体51〜53が示されている。すなわち、II部の拡大図である図2に示されるように、第1スタックビア導体51において、ビア導体13aの底面は、ビア導体33bの上面33b1と平面視で僅かに重なっている。同様に、第2スタックビア導体52において、ビア導体33bの底面は、ビア導体33aの上面33a1と平面視で僅かに重なっている。また、第3スタックビア導体53において、ビア導体13cの底面は、ビア導体13bの上面13b1と平面視で僅かに重なっている。なお「ビア導体の中心軸」は、各ビア導体の重心を通るZ方向と平行な仮想直線である。
【0036】
従って、図2に示されるビア導体13aの中心軸とビア導体33bの中心軸との間隔G1は、1又は複数の第1スタックビア導体51それぞれを構成するビア導体同士の中心軸における間隔のうちの最大値である。同様に、図2に示されるビア導体33bの中心軸とビア導体33aの中心軸との間隔G2は、1又は複数の第2スタックビア導体52それぞれを構成するビア導体同士の中心軸における間隔のうちの最大値である。また、図2におけるビア導体13cの中心軸とビア導体13bの中心軸との間隔G3は、1又は複数の第3スタックビア導体53それぞれを構成するビア導体同士の中心軸における間隔のうちの最大値である。図2には示されていないが、第4スタックビア導体54(図1参照)それぞれを構成するビア導体同士の中心軸における間隔のうちの最大値も間隔G3と略同じである。
【0037】
本実施形態では、図2に示されるように、第2スタックビア導体52それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値(間隔G2)は、第3スタックビア導体53及び第4スタックビア導体54それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値(間隔G3)よりも大きい。
【0038】
すなわち本実施形態では、コア基板3内に形成されるスタックビア導体それぞれを構成する各ビア導体の中心軸同士の間隔の最大値は、第1積層体1内又は第2積層体2内に形成されるスタックビア導体それぞれを構成する各ビア導体の中心軸同士の間隔の最大値よりも大きい。換言すると、Z方向と直交する方向において、コア基板3内に形成されるスタックビア導体それぞれを構成する各ビア導体間のずれは、第1積層体1内又は第2積層体2内に形成されるスタックビア導体それぞれを構成する各ビア導体間のずれよりも大きい。以下の説明では、各ビア導体の中心軸間に意図的に間隔が設けられているものを含めて、スタックビア導体を構成するビア導体同士の中心軸における間隔は、ビア導体同士の「ずれ」とも称される。
【0039】
本実施形態では、このようにコア基板3内に形成されるスタックビア導体(第2スタックビア導体52)を構成するビア導体同士のずれが、第1積層体1又は第2積層体2内に形成されるスタックビア導体と比べて大きい。従って、コア基板3内の第2スタックビア導体52では、第3及び第4のスタックビア導体53、54と比べて、より多くの応力を吸収することができると考えられる。また、例えば第1積層体1側からビア導体33b又はその周囲に伝わるクラックや界面剥離が、第2スタックビア導体52によって塞き止められ易いと推察される。
【0040】
コア基板3は、第1及び第2の積層体1、2に対して、Z方向における配線基板100の中央部側に形成されている。配線基板100のような多層構造の配線基板では、その厚さ方向の中央側、すなわち内層側ほど、外層側からの応力が累積されるため応力が過大になり易い。本実施形態では、配線基板100の中央部側に配されるコア基板3内の第2スタックビア導体52が、上記のように、応力に対する耐性に関して好ましいと考えられる構造を有している。従って、配線基板100では、例えば反りが生じても、界面剥離やクラックなどの発生が防止又は抑制され、万一それらが発生してもその伝搬が抑制され易いと考えられる。すなわち、良好な信頼性が得られると考えられる。
【0041】
図1及び図2の例では、コア基板3内の各ビア導体(ビア導体33a〜33d)の外径D3は、第1積層体1内の各ビア導体(ビア導体13a〜13c)の外径D1及び第2積層体2内の各ビア導体(ビア導体23a〜23c)それぞれの外径D2よりも大きい。なお、各ビア導体の「外径」は、各ビア導体の上面における各ビア導体の外周上の2点間の最大距離である。コア基板3内の各ビア導体の外径が比較的大きいことは、コア基板3内において応力に対する耐性の良好な第2スタックビア導体52が形成され易いため好ましい。
【0042】
さらに、第3ビアパッド314の外径D33は、第1ビアパッド114の外径D11及び第2ビアパッド214の外径D22よりも大きい。従って、例えば、互いに対するずれの大きいビア導体33a及びビア導体33bで第2スタックビア導体52が形成される場合でも、各ビア導体の上面の外縁が各ビアパッドの外縁に達する、所謂「座切れ」が生じ難いと考えられる。
【0043】
図1及び図2の例では、第1スタックビア導体51それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値(間隔G1)は、第2スタックビア導体52それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値(間隔G2)と略同じである。ビア導体33bがビア導体33aと略同じ外径を有するため、間隔G1と間隔G2とが略同じであっても、第1スタックビア導体51が構成され得る。
【0044】
しかし、第1スタックビア導体51それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値は、第2スタックビア導体52それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値よりも小さくてもよい。図3には、そのような第1スタックビア導体51の例が示されている。図3の例では、1又は複数の第1スタックビア導体51それぞれを構成するビア導体同士(ビア導体13a及びビア導体33b)のずれの最大値は、図3に示される間隔G5である。
【0045】
図3に示されるように、間隔G5は、間隔G2よりも小さく、間隔G3(及び図3に示されない第4スタックビア導体54を構成するビア導体の中心軸同士の最大の間隔)と略同じである。すなわち、第2スタックビア導体52それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値(間隔G2)は、第1スタックビア導体51それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値(間隔G5)よりも大きい。
【0046】
このように、第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士のずれの最大値は、第1スタックビア導体51を構成するビア導体同士のずれの最大値よりも大きくてもよい。この場合でも、第1スタックビア導体51よりも内層側に位置する第2スタックビア導体52におけるビア導体同士のずれが大きいので、配線基板100内に生じる応力が軽減され易いと考えられる。
【0047】
本実施形態の配線基板100における各ビア導体に関する各部の長さを例示すると、第1積層体1内の各ビア導体の外径D1及び第2積層体2内の各ビア導体の外径D2は、40μm以上、70μm未満である。コア基板3内の各ビア導体の外径D3は、70μm以上、100μm以下である。第1ビアパッドの外径D11及び第2ビアパッドの外径D22は、例えば、65μm以上、120μm未満である。第3ビアパッドの外径D33は、例えば、150μm以上、240μm以下である。第3スタックビア導体53又は第4スタックビア導体54それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値(間隔G3)は、例えば、2μm以上、15μm未満である。そして、第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士のずれの最大値(間隔G2)は、15μm以上、35μm未満である。
【0048】
図4には、図1のIV部の拡大図が示されている。配線基板100には、図4に示されるように、全層スタックビア導体6が形成されている。「全層スタックビア導体」は、コア基板3、第1積層体1、及び第2積層体2それぞれに含まれる各ビア導体によって構成されていて配線基板100を貫通するビア導体の積層体である。換言すると、全層スタックビア導体6は、第1〜第4のスタックビア導体51〜54の積層体である。図4の例では、全層スタックビア導体6の一部は、スルーホール導体33eによって構成されている。
【0049】
前述したように、第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士のずれの最大値は、第3スタックビア導体53それぞれを構成するビア導体同士のずれの最大値及び第4スタックビア導体54を構成するビア同士のずれの最大値よりも大きい。そのため、全層スタックビア導体6の中心軸C6と、全層スタックビア導体6を構成するコア基板3内の各ビア導体の中心軸との間隔の最大値Gm3は、中心軸C6と、全層スタックビア導体6を構成する第1及び第2の積層体1、2内の各ビア導体の中心軸との間隔の最大値Gm1よりも大きいことがある。全層スタックビア導体6に沿って伝わり、内層側ほど過大になり易い応力が、コア基板3内のビア導体同士の間で吸収され易いと考えられる。
【0050】
なお「全層スタックビア導体6の中心軸」は、全層スタックビア導体6を構成する全てのビア導体の上面を平面視において重ね合わせることによって形成される形状の重心を通るZ方向と平行な仮想直線である。
【0051】
配線基板100において、第3スタックビア導体53を構成する各ビア導体と一体的に形成されるビアパッド(第1ビアパッド114)同士の位置関係の一例が図5Aに示されている。同様に、第2スタックビア導体52を構成する各ビア導体と一定的に形成されるビアパッド(第3ビアパッド314)同士の位置関係の一例が図5Bに示されている。
【0052】
図5Aに示される第3スタックビア導体53の一例では、第3スタックビア導体53を構成する2つのビア導体(ビア導体13c及びビア導体13b)の中心軸同士は離間している。しかし、ビア導体13c及びビア導体13bそれぞれと一体的に形成される第1ビアパッド114同士は平面視で略重なっており、それぞれの中心軸(軸C11)は略一致している。図示されていないが、第4スタックビア導体54(図1参照)においても、ビア導体23c及びビア導体23bそれぞれの第2ビアパッド214(図1参照)の中心軸同士が離間せずに略一致していてもよい。
【0053】
同様に、図5Bに示される第2スタックビア導体52の一例では、第2スタックビア導体52を構成する2つのビア導体(ビア導体33b及びビア導体33a)の中心軸同士は離間している。しかし、ビア導体33b及びビア導体33aそれぞれの第3ビアパッド314同士は平面視で離間しておらず、それぞれの中心軸(軸C31)は略一致している。
【0054】
さらに、第3スタックビア導体53を構成する各ビア導体と一体的に形成される第1ビアパッド114同士の位置関係の他の例が図6Aに示されている。同様に、第2スタックビア導体52を構成する各ビア導体と一定的に形成される第3ビアパッド314同士の位置関係の他の例が図6Bに示されている。
【0055】
図6Aに示される第3スタックビア導体53の他の例では、各第1ビアパッド114の中心軸と、各第1ビアパッド114と一体的に形成されるビア導体13c又はビア導体13bそれぞれの中心軸とは略一致している。図6Aの例において、ビア導体13cと一体的に形成される第1ビアパッド114の中心軸C13cと、ビア導体13bと一体的に形成される第1ビアパッド114の中心軸C13bとは、離間している。図示されていないが、第4スタックビア導体54(図1参照)においても、各第2ビアパッド214の中心軸と、ビア導体23c及びビア導体23bそれぞれの中心軸とが略一致していてもよく、第2ビアパッド214それぞれの中心軸同士が離間していてもよい。
【0056】
同様に、図6Bに示される第2スタックビア導体52の他の例では、各第3ビアパッド314の中心軸と、各第3ビアパッド314と一体的に形成されるビア導体33b又はビア導体33aそれぞれの中心軸とは略一致している。図6Bの例において、ビア導体33bと一体的に形成される第3ビアパッド314の中心軸C33bと、ビア導体33aと一体的に形成される第3ビアパッド314の中心軸C33aとは、離間している。図5A図5B図6A及び図6Bに示されるように、各スタックビア導体を構成するビア導体それぞれと一体的に形成されるビアパッドの中心軸同士は、一致していてもよく、離間していてもよい。
【0057】
実施形態の配線基板100は、コア基板3、並びに、第1積層体1及び第2積層体2それぞれにおいて、2以上の任意の数の絶縁層及び導体層を含み得る。図1の例と異なり、コア基板3が、6未満又は6を超える数の導体層を含んでいてもよく、第1及び第2の積層体1、2それぞれが、3未満又は3を超える数の導体層を含んでいてもよい。
【0058】
つぎに、図1に示される配線基板100を例に、一実施形態の配線基板の製造方法が、図7A図7Dを参照して説明される。
【0059】
本実施形態の配線基板の製造方法は、図7A図7Dに示されるように、絶縁層と導体層とを積層することによって、第1面3a及び第1面3aの反対面である第2面3bを有する多層構造のコア基板3を形成することを含んでいる。コア基板3は、コア基板3内の絶縁層(絶縁層32a〜32d)それぞれを貫通するビア導体(ビア導体33a〜33d)を含むように形成される。本実施形態の配線基板の製造方法は、第1面3a及び第2面3b上にさらに、絶縁層と導体層とを積層することによって絶縁層と導体層との積層体(第1積層体1及び第2積層体2)を形成することを含んでいる。コア基板3の形成では、金属箔を含む導体層が積層され、第1積層体1及び第2積層体2の形成では、金属箔を含まない導体層が積層される。まず、コア基板3の形成方法が以下に説明される。
【0060】
図7Aに示されるように、コア基板3のベース絶縁層となる絶縁基板320と、絶縁基板320の両面それぞれに積層された金属箔とを有する出発基板が用意される。例えば銅箔を表裏両面に備える両面銅張積層板が出発基板として用意される。両面銅張積層板には、例えば炭酸ガスレーザー光の照射によって、スルーホール導体33eを形成するための貫通孔が形成され、貫通孔の内壁及び両面銅張積層板の表面上に無電解めっき又はスパッタリングなどによって導体膜が形成される。そして、この導体膜をシード層及び給電層として用いる電解めっき、及び、適切なマスクを用いるエッチングなどを含むサブトラクティブ法を用いて、所望の導体パターンをそれぞれ有する導体層31a及び導体層31d、並びにスルーホール導体33eが形成される。なお、導体層31a、31d、並びにスルーホール導体33eは、金属箔を用いるセミアディティブ法(MSAP法)を用いて形成されてもよい。
【0061】
図7Bに示されるように、絶縁層及び導体層がさらに積層される。まず、導体層31a及び導体層31d上に、補強材321を含むプリプレグと金属箔とが熱圧着され、絶縁層32a、32cが形成される。絶縁層32a及びその上の金属箔におけるビア導体33aの形成箇所、並びに、絶縁層32c及びその上の金属箔におけるビア導体33cの形成箇所に、例えば炭酸ガスレーザー光の照射によって貫通孔が形成される。そしてサブトラクティブ法又はMSAP法を用いて、所望の導体パターンを有する導体層31b、31e、並びに、絶縁層32aを貫通するビア導体33a及び絶縁層32cを貫通するビア導体33cが形成される。絶縁基板320はコア基板3のベース絶縁層(絶縁層32)を構成する。さらに、絶縁層32a、32c、導体層31b、31e、ビア導体33a、及びビア導体33cの形成と同様の方法で、絶縁層32b、32d、導体層31c、31f、ビア導体33b、及びビア導体33dが形成される。
【0062】
コア基板3を形成することは、図7Bに示されるように、コア基板3内に第2スタックビア導体52を形成することを含んでいる。第2スタックビア導体52を形成することは、平面視における位置が互いにずれるように各ビア導体を積層することを含んでいる。図7Bの例ではビア導体33aとビア導体33bとが積層されることによって、及び、ビア導体33cとビア導体33dとが積層されることによって第2スタックビア導体52が形成されている。例えば、各ビア導体用の貫通孔を形成する際に用いるレーザー光照射装置を適切にプログラミングすることによって、平面視における互いの位置がずれたビア導体からなる第2スタックビア導体52を形成することができる。
【0063】
第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士は、平面視における互いの位置が、後述する1又は複数の第3スタックビア導体53それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きくずれるように形成される。また、第2スタックビア導体52を構成するビア導体同士は、平面視における互いの位置が、後述する1又は複数の第4スタックビア導体54それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも大きくずれるように形成される。このように第2スタックビア導体52を形成することによって、コア基板3の応力に対する耐性が高められると推察される。図7A及び図7Bの工程を経ることによって、第1面3a及び第2面3bを有すると共に、各絶縁層を貫通するビア導体33a〜33d(第2スタックビア導体52)を含む多層構造のコア基板3が形成される。
【0064】
つぎに、コア基板3の第1面3a上に第1積層体1が形成されると共に、第2面3b上に第2積層体2が形成される。
【0065】
まず、図7Cに示されるように、フィルム状の絶縁性樹脂(例えばエポキシ樹脂)が第1面3a及び第2面3bに熱圧着され、絶縁層12a及び絶縁層22aが形成される。絶縁層12aにおけるビア導体13aの形成箇所、及び、絶縁層22aにおけるビア導体23aの形成箇所それぞれに、例えば炭酸ガスレーザー光の照射によって貫通孔が形成される。貫通孔の内壁上及び絶縁層12a、22aの表面上に無電解めっき又はスパッタリングなどによって導体膜が形成される。この導体膜をシード層及び給電層として用いると共に、適切な開口を有するめっきレジストを用いる電解めっきによって、それぞれ所望の導体パターンを有する導体層11a及び導体層21a、並びに、ビア導体13a、及びビア導体23aが形成される。すなわち、金属箔を用いないサブトラクティブ法(SAP法)によって各導体層及び各ビア導体が形成される。
【0066】
本実施形態の配線基板の製造方法は、第1及び第2の積層体1、2のいずれか又は両方の形成において、各絶縁層を貫通するビア導体を形成することによって、第1スタックビア導体51を形成することを含んでいる。第1スタックビア導体51は、コア基板3内のビア導体(図7Cの例では、ビア導体33b及び/又はビア導体33d)と第1積層体1内及び/又は第2積層体2内のビア導体(図7Cの例では、ビア導体13a及び/又はビア導体23a)とによって構成される。従って、1又は複数のビア導体13a、及び、1又は複数のビア導体23aは、少なくともその一部が、ビア導体33b及びビア導体33dのいずれかと平面視で少なくとも部分的に重なるように形成される。前述したように、各ビア導体用の貫通孔の形成時の炭酸ガスレーザー光などの照射を適切に行うことによって、所望の位置に各ビア導体を形成することができる。
【0067】
図7Dに示されるように、第1及び第2の積層体1、2の形成において、さらに、絶縁層及び導体層が積層される。図7Dの例では、コア基板3の第1面3a側に絶縁層12b、導体層11b、絶縁層12c及び導体層11cが積層され、さらに、ビア導体13b及びビア導体13cが形成される。第2面3b側には、絶縁層22b、導体層21b、絶縁層22c及び導体層21cが積層され、ビア導体23b及びビア導体23cが形成されている。これら各絶縁層、各導体層及び各ビア導体は、図7Aを参照して説明された、絶縁層12a、導体層11a及びビア導体13aと同様の方法で形成され得る。例えば、金属箔を用いないSAP法が用いられる。
【0068】
本実施形態の配線基板の製造方法では、第1及び第2の積層体1、2のいずれか又は両方の形成において、第1積層体1内及び第2積層体2内のいずれか又は両方にスタックビア導体を形成することを含んでいる。図7Dの例では、第1積層体1内に第3スタックビア導体53が形成されると共に、第2積層体2内に第4スタックビア導体54が形成される。第3及び第4スタックビア導体53、54は、第1積層体1又は第2積層体2内の各導体層同士を接続するビア導体(図7Dの例では、ビア導体13b、ビア導体13c、ビア導体23b及びビア導体23c)によって構成される。従って、1又は複数のビア導体13c、及び、1又は複数のビア導体23cは、少なくともその一部が、ビア導体13b及びビア導体23bのいずれかと平面視で少なくとも部分的に重なるように形成される。前述したように、各ビア導体用の貫通孔の形成時の炭酸ガスレーザー光などの照射を適切に行うことによって、所望の位置に各ビア導体を形成することができる。
【0069】
第3及び第4スタックビア導体53、54は、第3スタックビア導体53又は第4スタックビア導体54を構成するビア導体同士の平面視における位置が互いにずれるように形成されてもよい。第3スタックビア導体53及び第4スタックビア導体54それぞれにおける応力の吸収性能が高まることがある。しかし、第3スタックビア導体53及び第4スタックビア導体54それぞれを構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値は、前述した第2スタックビア導体52を構成するビア導体それぞれの中心軸同士の間隔の最大値よりも小さい。
【0070】
図7C及び図7Dに示される工程を経ることによって第1積層体1及び第2積層体2が形成される。その後、第1積層体1上にソルダーレジスト層41が形成され、第2積層体2上にソルダーレジスト層42が形成される(図1参照)。ソルダーレジスト層41、42は、例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを含む樹脂層の形成と、適切なパターンを有するマスクを用いた露光、及び現像とによって形成される。以上の工程を経ることによって、図1の例の配線基板100が完成する。なお、ソルダーレジスト層41、42の開口に露出する接続パッド11c1及び/又は接続パッド21c1には、必要に応じて、無電解めっき、半田レベラ、又はスプレーコーティングなどによって、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、ハンダ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されてもよい。
【0071】
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示された構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。例えば、第1スタックビア導体51は、コア基板3の第1面3a又は第2面3bだけに形成されてもよい。1又は複数の第2スタックビア導体52は、1又は複数の第3及び第4スタックビア導体53、54を構成するビア導体同士のずれよりも小さいビア導体同士のずれを有するスタックビア導体を含んでいてもよい。また、1又は複数の各スタックビア導体は、互いの位置がずれていないビア導体によって構成されたスタックビア導体を含んでいてもよい。また、コア基板3は、ベース絶縁層の両側に導体層及び絶縁層が形成されたものでなくてもよく、例えば、一方向にのみ導体層と絶縁層とが積層された所謂コアレス多層基板であってもよい。また、ベース絶縁層(絶縁層32)に含まれているスルーホール導体33eの代わりにビア導体が用いられてもよい。
【0072】
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、コア基板3は、任意の支持板上に導体層及び絶縁層を積層し、支持板を除去することによって形成されてもよい。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
100 配線基板
1 第1積層体
11a〜11c 導体層
12a〜12c 絶縁層
13a〜13c ビア導体
2 第2積層体
21a〜21c 導体層
22a〜22c 絶縁層
23a〜23c ビア導体
3 多層コア基板
3a 第1面
3b 第2面
31a〜31f 導体層
32、32a〜32d 絶縁層
321 補強材
33a〜33d ビア導体
51 第1スタックビア導体
52 第2スタックビア導体
53 第3スタックビア導体
54 第4スタックビア導体
6 全層スタックビア導体
C6 全層スタックビア導体の中心軸
G1〜G5 ビア導体の中心軸同士の間隔の最大値
D1 第1積層体内のビア導体の外径
D2 第2積層体内のビア導体の外径
D3 コア基板内のビア導体の外径
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D