特開2020-202626(P2020-202626A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-202626電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-202626(P2020-202626A)
(43)【公開日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20201120BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20201120BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20201120BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20201120BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20201120BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J1/00 304H
   H01M10/44 Q
   H01M10/48 P
   G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2019-106559(P2019-106559)
(22)【出願日】2019年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】特許業務法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 寿光
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
5H030
5H301
【Fターム(参考)】
5G165DA02
5G165EA02
5G165EA04
5G165HA01
5G165JA07
5G165LA01
5G165MA10
5G165NA05
5G165NA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503GA01
5G503GA13
5G503GA15
5G503GD03
5G503GD06
5H030AS11
5H030BB01
5H030FF43
5H030FF44
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】負荷に対する電力供給を停止することなく電源切り替え処理や充電処理を実行可能とした装置、方法を実現する。
【解決手段】第1電源ポートと電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、第2電源ポートと負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、各スイッチ回路を制御するコントローラを有する。コントローラは、各スイッチ回路について、(a)ON状態、(b)OFF状態、(c)ダイオード動作状態、これら3状態の切り替え処理を実行して、負荷に対する電力供給を停止することなく各電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する。さらに、負荷であるモータの回転による回生エネルギーによるバッテリ充電を実行する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電処理を実行する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)と、
前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路の前記負荷側電圧であるスイッチ回路出力側電圧(Vout)を比較し、
比較結果に応じて、前記3状態の切り替え処理を実行する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)と、
前記スイッチ回路出力側電圧(Vout)との比較結果に基づいて、
前記第1電源ポートと前記第2電源ポートの双方に電源が接続されたバッテリ交換実行モードであるか、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電する処理を実行する充電モードであるかを判定する請求項3に記載の電源切り替え装置。
【請求項5】
前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路は複数のFETによって構成される理想ダイオード回路である請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路内に構成されたFETのゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路の制御を実行する第1コントローラと、
前記第2スイッチ回路の制御を実行する第2コントローラとの複数のコントローラによって構成されている請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項8】
前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたマイコンを有し、
前記マイコンは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)との比較処理を実行して比較結果を前記コントローラに出力する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項9】
前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたコンパレータを有し、
前記コンパレータは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)との比較処理を実行して比較結果を前記コントローラに出力する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項10】
前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
前記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理のタイミングを制御する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記負荷の処理状況に応じて、前記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理タイミングを決定する請求項1に記載の電源切り替え装置。
【請求項12】
駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボット。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電処理を実行する請求項12に記載のロボット。
【請求項14】
電源切り替え装置において実行する電源切り替え制御方法であり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え制御方法。
【請求項15】
ロボットにおいて実行するロボット制御方法であり、
前記ロボットは、
駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボット制御方法。
【請求項16】
電源切り替え装置において電源切り替え制御処理を実行させるプログラムであり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記プログラムは、前記コントローラに、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行させて、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラムに関する。具体的には電力供給を停止することなく、バッテリ(電源)の切り替えを行うことを可能とした電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの多くはバッテリで動作する。このようなロボットの電源(バッテリ)交換作業は、電源(バッテリ)からロボットシステムに対する電力供給を停止して行われることが多い。しかしこのような電力の停止は、アクチュエータ電源の喪失によるタスクの中断やシステム再起動の必要性を生ずるため、ロボットの運用効率を低下させる要因となる。
【0003】
電源交換に伴う運用効率の低下を回避するためには、アクチュエータ等の負荷等に対する電力供給を継続したままバッテリを交換することが有効である。バッテリ交換時にも給電を維持すれば、タスク中断やシステム再起動が不要となり、運用効率の低下を低減できる。
なお、給電を停止することなく電源交換を行うことを活線挿抜もしくは活性挿抜、あるいはホットスワップ等と呼ぶ。
【0004】
複数バッテリを利用し電力供給構成を開示した従来技術として、例えば特許文献1(特開平9−84273号公報)や、特許文献2(特開2011−115031号公報)がある。
特許文献1(特開平9−84273号公報)は、ダイオードOR接続とメカ的なバッテリ検出手法を用いることで、電源を遮断することなくバッテリを交換可能とする構成を開示している。
【0005】
しかし、この開示構成は、以下のような問題点がある。
(a)ダイオードによる熱損失が大きい
(b)常時逆流防止のため、回生(充電)電流をバッテリに回収できない
(c)メカ的なバッテリ検出手法のため検出部の耐久性が低い
(d)電源−平滑コンデンサ間の突入電流が発生
【0006】
また、特許文献2(特開2011−115031号公報)は、燃料電池とバッテリを併用した構成において、バッテリの放電深度を浅めに抑えるよう充放電を管理して、バッテリの長寿命化を図る構成を開示している。
【0007】
しかし、この開示構成は、以下のような問題点がある。
(a)燃料電池とバッテリを用いて並列に電力を供給可能であるが、バッテリからの放電と、燃料電池からバッテリに対する回生(充電)でそれぞれ別の回路が必要
(b)ダイオードによる熱損失が大きい
(c)バッテリ交換については開示していない
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−84273号公報
【特許文献2】特開2011−115031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、例えば上記の従来技術の問題点を発生させることなく、ロボット等のシステムに対する電力供給を継続しながらバッテリ(電源)切り替えを可能とした電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の側面は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え装置にある。
【0011】
さらに、本開示の第2の側面は、
駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボットにある。
【0012】
さらに、本開示の第3の側面は、
電源切り替え装置において実行する電源切り替え制御方法であり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え制御方法にある。
【0013】
さらに、本開示の第4の側面は、
ロボットにおいて実行するロボット制御方法であり、
前記ロボットは、
駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボット制御方法にある。
【0014】
さらに、本開示の第5の側面は、
電源切り替え装置において電源切り替え制御処理を実行させるプログラムであり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記プログラムは、前記コントローラに、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行させて、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行させるプログラムにある。
【0015】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0016】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0017】
本開示の一実施例の構成によれば、負荷に対する電力供給を停止することなく電源切り替え処理や充電処理を実行可能とした装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、第1電源ポートと電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、第2電源ポートと負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、各スイッチ回路を制御するコントローラを有する。コントローラは、各スイッチ回路について、(a)ON状態、(b)OFF状態、(c)ダイオード動作状態、これら3状態の切り替え処理を実行して、負荷に対する電力供給を停止することなく各電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する。さらに、負荷であるモータの回転による回生エネルギーによるバッテリ充電を実行する。
本構成により、負荷に対する電力供給を停止することなく電源切り替え処理や充電処理を実行可能とした装置、方法が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】バッテリで動作するロボットの電源交換作業の具体例と問題点について説明する図である。
図2】バッテリからの給電を維持したままバッテリ交換を行うロボットの例について説明する図である。
図3】ダイオードOR回路を用いたバッテリ交換処理例について説明する図である。
図4】モータの回転によって発生した回生電流がダイオードによって遮断されてしまう例について説明する図である。
図5】理想ダイオード回路の一例について説明する図である。
図6】モータの回転によって発生した回生電流が理想ダイオード回路によって遮断されてしまう例について説明する図である。
図7】理想ダイオード回路の(a)バッテリの活線挿抜(ホットスワップ)処理時と、(b)回生エネルギー回収時の状態について説明する図である。
図8】本開示の電源切り替え装置の構成例について説明する図である。
図9】本開示の電源切り替え装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図10】本開示の電源切り替え装置が実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
図11】本開示の電源切り替え装置の構成例について説明する図である。
図12】本開示の電源切り替え装置の構成例について説明する図である。
図13】本開示の電源切り替え装置の構成例について説明する図である。
図14】本開示の電源切り替え装置の構成例について説明する図である。
図15】本開示の走行ロボットのハードウェア構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本開示の電源切り替え装置、ロボット、および方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.ロボットの電源交換作業の具体例と問題点について
2.本開示の電源切り替え構成と、電源切り替え処理およびエネルギー回生処理について
3.本開示の電源切り替え装置が実行する処理のシーケンスについて
4.初期状態が異なる場合の処理シーケンスについて
5.その他の実施例について
6.ロボットのハードウェア構成例について
7.本開示の構成のまとめ
【0020】
[1.ロボットの電源交換作業の具体例と問題点について]
まず、図1以下を参照してバッテリで動作するロボットの電源交換作業の具体例と問題点について説明する。
【0021】
図1には、バッテリ(電源)により駆動するロボット10を示している。
ロボット10は、歩行型ロボットであり、倉庫A〜倉庫B〜倉庫Cを移動して各倉庫の荷物を運ぶ処理を行う。
【0022】
ロボット10には着脱可能なバッテリが搭載される。例えばスタート地点である倉庫Aでバッテリ1,11を装着し、倉庫Bまで移動する。ここでバッテリ1,11の残量が少なくなったため、ロボット10からバッテリ1,11を取り外して、新たなバッテリ2,12をロボット10に装着する。
【0023】
従来、このバッテリ交換処理に際しては、ロボット10のアクチュエータに対する電力供給をOFFにした後、バッテリ1,11をロボット10から取り外し、その後、バッテリ2,12をロボットに装着し、最後にシステムの再起動処理、すなわち新たなバッテリ2,12によりロボット10のアクチュエータに電力供給を再開する再起動処理を行う必要があった。
【0024】
このように、バッテリ交換作業は、アクチュエータ電源の喪失によるタスクの中断やシステム再起動の必要性を生ずるため、ロボットの運用効率を低下させる大きな要因となる。
【0025】
このバッテリ交換作業に伴う運用効率の低下を回避する方策として、システムに対するバッテリからの給電を維持したままバッテリ交換を行うことが有効である。
いわゆる活線挿抜や活性挿抜、あるいはホットスワップと呼ばれる給電を維持したままのバッテリ交換を行うことで、アクチュエータ等のシステム負荷に対する電源OFF処理やシステム再起動処理等を行うことなくバッテリ交換が可能となり、バッテリ交換作業に伴う運用効率の低下を回避することができる。
【0026】
図2は、バッテリからの給電を維持したままバッテリ交換を行う具体例を示す図である。
図1と同様、倉庫B地点でバッテリ交換を行うが、図2に示すロボット10は、バッテリ1,11による給電を実行中に、新たなバッテリ2,12をロボット12に装着し、装着完了後、ロボット10に対する給電を新たなバッテリ2,12からの給電に切り替える。その後、バッテリ1,11をロボット10から取り外す。
【0027】
このように、システムに対するバッテリからの給電を維持したままバッテリ交換を行うことで、ロボット10のアクチュエータ等のシステム負荷に対する電源OFF処理やシステム再起動処理等を行う必要がなくなり、バッテリ交換に要する時間を短縮し、効率的なロボット運用が可能となる。
【0028】
このような給電を維持したままバッテリ交換を可能とする回路構成として、ダイオードOR回路が知られている。
図3を参照してダイオードOR回路を用いたバッテリ交換処理について説明する。
【0029】
図3(a)は、ダイオードOR回路の一方のダイオードD1側にバッテリ1,11を接続した構成である。
この構成において、バッテリ1,11からシステム負荷(Load)に電力が供給される。
【0030】
図3(b)はバッテリ交換作業を示している。
ダイオードOR回路の一方のダイオードD1にバッテリ1,11を接続した状態で、もう一方のダイオードD2側にバッテリ2,12を接続する。
【0031】
バッテリ1,11は、一定期間の使用後であり電圧が低下している。これに対して、バッテリ2,12は、使用前であり電圧の低下はない。すなわち、バッテリ1,11の電圧Vin1、バッテリ2,12の電圧をVin2とすると、
Vin1<Vin2
上記関係が成立する。
【0032】
このような電圧差がある2つのバッテリをダイオードOR回路に同時に接続すると、図3(b)に示す回路上の矢印のように電流が流れる。
すなわち、電圧の高いバッテリ2,12からダイオードD2を介してシステム負荷(Load)に電力が供給される。電圧の高いバッテリ2,12からの電流は、ダイオードD2を介してダイオードD1まで達するが、ダイオードD1の整流作用によりダイオードD1から先へは流れない。この状態でバッテリ1,11を取り外す。
【0033】
このように、ダイオードOR回路を利用することで、給電を維持したままバッテリ交換が可能となる。
【0034】
しかし、この構成は、回生エネルギーの回収によるバッテリ充電ができないという問題がある。
例えば、ロボット等では、システム負荷(Load)としてモータが利用されることが多い。このモータが外力で回されると、モータは発電機として振る舞い、電力が発生する。この電力をバッテリへ供給することでバッテリの充電が可能となる。
このような負荷(Load)の生成したエネルギーを回生エネルギーとよび、回生エネルギーを効率的に利用することで省エネが実現される。昨今、このような回生エネルギーの効率的利用が重要視されている。
【0035】
システム負荷(Load)としてモータが接続されている場合、モータが外力によって回されることにより、モータから電源に向かう発電電流(回生電流)が発生する。しかし、図3に示す構成では、モータの回転によって発生した回生電流は、ダイオードにより遮断されバッテリに供給されない。
【0036】
具体例を図4に示す。図4に示すように、負荷(Load)側のモータ21が回転し、一定条件を満たすと、負荷(Load)側の電圧Voutが、ダイオードD1に接続されたバッテリ1,11の電圧Vin1より高くなる。すなわち、
Vin1<Vout
上記式を満たす設定となる。
【0037】
ダイオードD1がなければ、負荷(Load)側のモータ21の回転により発生した電流(回生電流)がバッテリ1,11に供給され、バッテリ1,11の充電、いすなわち回生エネルギーの回収が可能となる。
しかし、図4に示す構成では、モータの回転によって発生した回生電流は、ダイオードD1の整流作用によりダイオードD1により遮断されバッテリ1,11に供給されない。すなわち、バッテリ1,11を回生電流によって充電できない。また、バッテリに充電されず行き場のなくなった回生電流は、電源ラインの急激な電圧上昇を引き起こし、周辺デバイスを破損する危険がある。
【0038】
このように、ダイオードOR回路ではモータからの回生電流もダイオードが整流してしまい、回生エネルギーをバッテリに回収できない。
【0039】
なお、ダイオードOR回路の利用構成において、大電流を扱う用途ではダイオードの順方向電圧降下による損失が課題となる場合が多く、この課題を解決するため、ダイオード単体の代わりに、トランジスタを用いてダイオードの整流特性を模した回路、すなわち理想ダイオード回路を用いることが多い。
【0040】
図5を参照して、理想ダイオード回路の一例について説明する。
図5(a)は、理想ダイオード回路31,32を用いたダイオードOR回路の構成例である。
図5(b)は、理想ダイオード回路の詳細回路構成の一例を示す図である。
図5(b)に示すように、理想ダイオード回路は、理想ダイオードコントローラによって制御可能な複数のFETによって構成することができる。
図5(b)に示すような理想ダイオード回路を用いることで、ダイオードの順方向電圧降下による損失を低減できる。
【0041】
しかし、このような理想ダイオード回路を用いたダイオードOR回路を用いても、図6に示すように、モータ21の回転によって発生した回生電流は、ダイオード理想回路31により遮断されバッテリ1,11に供給されない。すなわち、バッテリ1,11を回生電流によって充電できない。また、バッテリに充電されず行き場のなくなった回生電流は、電源ラインの急激な電圧上昇を引き起こし、周辺デバイスを破損する危険がある。
【0042】
ダイオードOR回路を用いた場合に、回生エネルギーを回収できない理由の一つは、ダイオードOR回路ではダイオードが活線挿抜動作(ホットスワップ)による出力側電圧の上昇と、回生エネルギーによる出力側電圧の上昇を区別できないということがある。
この問題について、図7を参照して説明する。
【0043】
図7は、理想ダイオード回路の2つの異なる処理時の状態を説明する図である。
(a)バッテリの活線挿抜(ホットスワップ)処理時
(b)回生エネルギー回収時
【0044】
図7(a)バッテリの活線挿抜(ホットスワップ)処理時に示す状態では、ダイオードOR回路の一方の理想ダイオード回路31の左右端部の電圧の関係、すなわちバッテリ1,11側の電圧(Vin1)と負荷(モータ21)側の電圧(Vin2)との関係は、
Vin1<Vin2
上記の関係に設定される。
【0045】
一方、図7(b)回生エネルギー回収時に示す状態では、理想ダイオード回路31の左右端部の電圧の関係、すなわちバッテリ1,11側の電圧(Vin1)と負荷(モータ21)側の電圧(Vout)との関係は、
Vin1<Vout
上記の関係に設定される。
【0046】
理想ダイオード回路31にとっては、図7(a),(b)に示す2つの状態は、いずれもバッテリ1,11側が外部の負荷側より低電圧であり、理想ダイオード回路31から見た場合、この2状態を区別することができない。
【0047】
ダイオードOR回路を用いた構成で回生エネルギーの回収ができない理由は、このように活線挿抜動作(ホットスワップ)による出力側電圧の上昇と、回生エネルギーによる出力側電圧の上昇を区別できないということである。
【0048】
[2.本開示の電源切り替え構成と、電源切り替え処理およびエネルギー回生処理について]
次に本開示の電源切り替え構成と、電源切り替え処理およびエネルギー回生処理について説明する。
【0049】
図8に本開示の電源切り替え装置の一構成例を示す。
図8に示す電源切り替え装置100aは、例えば図1図2を参照して説明したロボット10内部に構成される。
例えば図8に示す負荷210は、例えば、ロボットの制御を行うCPUや、駆動を行うアクチュエータ、モータなどが含まれる。負荷にモータが含まれる場合、モータの回転による回生エネルギー(回生電流)が発生する。
【0050】
なお、負荷210前段の平滑用コンデンサ103は、出力ラインに存在する容量性負荷であり、負荷210に対する出力の変動を抑え安定化(平滑化)させるためのコンデンサである。
【0051】
図8に示すように、電源切り替え装置100aは、2つの電源ポートとして第1電源ポート101と、第2電源ポート102を有する。
第1電源ポート101には、バッテリ1,201が接続され、第2電源ポート102にはバッテリ2,202が接続される。
【0052】
なお、バッテリ1,201とバッテリ2,202は、通常時はどちらか一方がポートに接続され、接続されたバッテリから負荷210に対して電力が供給される。ただし、給電を維持したままバッテリ交換を行う活線挿抜や活性挿抜、あるいはホットスワップと呼ばれるバッテリ交換時には一時的に2つのバッテリが接続される。
バッテリ交換作業終了時に古いバッテリが取り外される。
【0053】
電源切り替え装置100aの第1電源ポート101は、第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に接続されている。
また、第2電源ポート102は、第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に接続されている。
【0054】
第1電源ポート101に接続された第1スイッチ回路(SW1)110は、2つのFET、すなわちFET(1A)111と、FET(1B)112を有する。
【0055】
FET(1A)111は、バッテリ1,201の通電制御用FETであり、バッテリ1,201から第1スイッチ回路110を介した外部への電力供給の制御を行う。具体的には、FETコントローラ130が、FET(1A)111のゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御することで、入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流の導通、遮断を制御する。
【0056】
また、FET(1A)111は、FETコントローラ130によるゲート(Gate)電圧の制御により、FET(1A)111の導通・遮断速度も制御可能であり、これにより出力側の容量性負荷(平滑コンデンサ103)への突入電流を抑制することが可能である。
【0057】
第1スイッチ回路(SW1)110の負荷側のFET(1B)112は、逆流防止制御用FETである。具体的には、FETコントローラ130が、FET(1B)112のゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御することで、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流の導通、遮断を制御する。
【0058】
第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET、すなわちFET(1A)111と、FET(1B)112を制御することで、第1スイッチ回路(SW1)110は、
(a)ON状態
(b)OFF状態
(c)理想ダイオード動作状態
これらの3状態に設定することが可能となる。
なお、これら3状態の設定や遷移は、FETコントローラ130によって制御される。
【0059】
(a)ON状態は、第1スイッチ回路(SW1)110が導通した状態である。
第1スイッチ回路(SW1)110を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流と、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流のいずれをも導通した状態である。
【0060】
(b)OFF状態は、第1スイッチ回路(SW1)110が遮断した状態である。
第1スイッチ回路(SW1)110を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流と、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流のいずれをも遮断した状態である。
【0061】
(c)理想ダイオード動作状態は、
第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)の電圧が、出力側(負荷側)の電圧より大きい場合に、第1スイッチ回路(SW1)110を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流を導通させ、
第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)の電圧より、出力側(負荷側)の電圧が大きくなった場合には、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流を遮断するダイオード特性に従った動作状態である。
【0062】
なお、(a)ON状態では、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)と出力側(負荷側)の電圧に依存せずに、第1スイッチ回路(SW1)110は、常時、導通状態となる。
また、(b)OFF状態では、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)と出力側(負荷側)の電圧に依存せずに、第1スイッチ回路(SW1)110は、常時、遮断状態となる。
【0063】
一方、第2電源ポート102に接続された第2スイッチ回路(SW2)120も、2つのFET、すなわちFET(2A)121と、FET(2B)122を有する。
【0064】
FET(2A)121は、バッテリ2,202の通電制御用FETであり、バッテリ2,202から第2スイッチ回路120を介した外部への電力供給の制御を行う。具体的には、FETコントローラ130が、FET(2A)121のゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御することで、入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流の導通、遮断を制御する。
【0065】
また、FET(2A)121は、FETコントローラ130によるゲート(Gate)電圧の制御により、FET(2A)121の導通・遮断速度も制御可能であり、これにより出力側の容量性負荷(平滑コンデンサ103)への突入電流を抑制することが可能である。
【0066】
第2スイッチ回路(SW2)120の負荷側のFET(2B)122は、逆流防止制御用FETである。具体的には、FETコントローラ130が、FET(2B)122のゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御することで、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流の導通、遮断を制御する。
【0067】
第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET、すなわちFET(2A)121と、FET(2B)122を制御することで、第2スイッチ回路(SW2)120は、
(a)ON状態
(b)OFF状態
(c)理想ダイオード動作状態
これらの3状態に設定することが可能となる。
なお、これら3状態の設定や遷移は、FETコントローラ130によって制御される。
【0068】
(a)ON状態は、第2スイッチ回路(SW2)120が導通した状態である。
第2スイッチ回路(SW2)120を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流と、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流のいずれをも導通した状態である。
【0069】
(b)OFF状態は、第2スイッチ回路(SW2)120が遮断した状態である。
第2スイッチ回路(SW2)120を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流と、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流のいずれをも遮断した状態である。
【0070】
(c)理想ダイオード動作状態は、
第2スイッチ回路(SW2)120の入力側(バッテリ側)の電圧が、出力側(負荷側)の電圧より大きい場合に、第2スイッチ回路(SW2)120を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流を導通させ、
第2スイッチ回路(SW2)120の入力側(バッテリ側)の電圧より、出力側(負荷側)の電圧が大きくなった場合には、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流を遮断するダイオード特性に従った動作状態である。
【0071】
なお、(a)ON状態では、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側(バッテリ側)と出力側(負荷側)の電圧に依存せずに、第2スイッチ回路(SW2)120は、常時、導通状態となる。
また、(b)OFF状態では、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側(バッテリ側)と出力側(負荷側)の電圧に依存せずに、第2スイッチ回路(SW2)120は、常時、遮断状態となる。
【0072】
FETコントローラ130は、第1スイッチ回路(SW1)110の、2つのFET、すなわちFET(1A)111と、FET(1B)112、および、第2スイッチ回路(SW2)120は、2つのFET、すなわちFET(2A)121と、FET(2B)122、これら4つのFETのゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御する。
【0073】
FETコントローラ130は、以下の3つの電圧検出部を有する。
(1)Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)
(2)Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)
(3)Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧
【0074】
FETコントローラ130は、これらの3つの電圧、すなわちVin1、Vin2、Voutを比較して、比較結果に基づいて第1スイッチ回路(SW1)110と第2スイッチ回路(SW2)120の4つのFETのGate電圧を制御する。
【0075】
具体的には、Vin1、Vin2、Voutの比較結果に基づいて、各スイッチ回路110,120の3状態(ON状態,OFF状態,理想ダイオード動作状態)を切り替える。この切り替えにより、以下の3種類の処理の切り替え制御を実行する。
(処理1)通常処理:バッテリから負荷に対する電力供給処理
(処理2)活線挿抜処理(ホットスワップ):負荷に対する電力供給を継続しながら行うバッテリの切り替え処理
(処理3)回生処理:負荷のモータの回転による回生エネルギー(回生電流)をバッテリに供給してバッテリを充電する処理
【0076】
[3.本開示の電源切り替え装置が実行する処理のシーケンスについて]
次に、本開示の電源切り替え装置が実行する処理のシーケンスについて説明する。具体的には、FETコントローラ130の実行する処理のシーケンスについて説明する。
【0077】
図9は、FETコントローラ130の実行する処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。FETコントローラ130は、例えばFETコントローラ130内部または外部のメモリに格納されたプログラムに従って処理を実行する。FETコントローラ130はプログラム実行機能を有するプロセッサを保持し、プロセッサの制御に従って以下に説明するフローに従った処理を実行する。
【0078】
なお、図9に示すフローは、初期状態(スタート状態)が、図8に示す構成において、バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に電力供給がなされている通常処理状態である。
【0079】
すなわち、初期状態では、FETコントローラ130による各スイッチのFETのゲート(Gate)電圧制御により、
第1スイッチ回路(SW1)110=ON
第2スイッチ回路(SW2)120=OFF
この状態に設定されている。
以下、図9示すフローの各ステップの処理について説明する。
【0080】
(ステップS101)
まず、FETコントローラ130は、ステップS101において、以下の3つの電圧を検出する。
(1)Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)
(2)Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)
(3)Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧
【0081】
(ステップS102)
次に、FETコントローラ130は、ステップS102において、Vin1とVoutの比較処理を実行し、以下の式が成立するか否かを判定する。
Vin1+Vtha<Vout
なお、
Vin1は、第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)、
Voutは、各スイッチ回路110,120出力側電圧、
Vthaは、予め規定したしきい値である。
このしきい値Vthaは、ユーザが任意に設定可能である。
【0082】
しきい値Vthaは0以上の任意の値が設定可能であるが、例えばしきい値Vtha=0とした場合、Vin1とVoutの値がほぼ同じ場合、動作切り替えが頻繁に発生して不安定なる可能性がある。安定的な動作をさせたい場合は、0よりやや大きい値を設定することが好ましい。
【0083】
ステップS102において、
Vin1+Vtha<Vout
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS103に進む。
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、ステップS111に進む。
【0084】
(ステップS111)
まず、ステップS102において、
Vin1+Vtha<Vout
上記式が成立しないと判定した場合のステップS111の処理について説明する。
【0085】
Vin1+Vtha<Vout
上記式が成立しない場合とは、
Vin1+Vtha≧Vout
上記関係にある場合である。すなわち、
Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)にしきい値Vthaを加算した値が、
Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧以上である場合である。
【0086】
この場合は、ステップS111において現在の動作状態、すなわち、バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に電力供給を行う通常処理状態を継続する。
【0087】
このバッテリ1,201から負荷210に対する電力供給処理は、FETコントローラ130が、各スイッチ回路を以下の動作状態に設定(維持)することで行われる処理である。
第1スイッチ回路(SW1)110=ON
第2スイッチ回路(SW2)120=OFF
【0088】
上記設定により、ON状態に設定された第1スイッチ回路(SW1)110を介してバッテリ1,201から負荷210に対する電力供給が継続される。
【0089】
(ステップS103)
一方、ステップS102において、
Vin1+Vtha<Vout
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS103に進む。
【0090】
FETコントローラ130は、ステップS103において、Vin1とVin2の比較処理を実行し、以下の式が成立するか否かを判定する。
Vin1+Vthb<Vin2
なお、
Vin1は、第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)、
Vin2は、第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)、
Vthbは、予め規定したしきい値である。
このしきい値Vthbは、ユーザが任意に設定可能である。
【0091】
しきい値Vthbも前述のVthaと同様、0以上の任意の値が設定可能であるが、例えばしきい値Vthb=0とした場合、動作切り替えが頻繁に発生して不安定なる可能性がある。安定的な動作をさせたい場合は、0よりやや大きい値を設定することが好ましい。
【0092】
ステップS103において、
Vin1+Vthb<Vin2
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS104に進む。
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、ステップS121に進む。
【0093】
なお、ステップS103において、
Vin1+Vthb<Vin2
上記式が成立する場合とは、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側の第2電源ポート102に、バッテリ1,201より電圧の高いバッテリ2,202が接続されていることを意味する。すなわち交換対象の未使用バッテリが接続されていることを意味する。
【0094】
このように、ステップS103の判定処理は、交換対象の未使用バッテリ2,202が第2スイッチ回路(SW2)120の入力側の第2電源ポート102に接続されているか否かを判定する処理に相当する。
【0095】
ステップS103において、
Vin1+Vthb<Vin2
上記式が成立した場合は、交換対象の未使用バッテリ2,202が第2スイッチ回路(SW2)120の入力側の第2電源ポート102に接続されていると判定して、ステップS104以下において、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理を実行する。
【0096】
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、交換対象の未使用バッテリ2,202が第2スイッチ回路(SW2)120の入力側の第2電源ポート102に接続されていないと判定して、ステップS121以下において、バッテリ1,201の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ1,201の充電処理を実行する。
【0097】
(ステップS104)
ステップS104〜S107の処理は、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理に相当する。
【0098】
このステップS104〜S107におけるバッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理は、ステップS102、ステップS103において、
Vin1+Vtha<Vout
Vin1+Vthb<Vin2
上記2つの式が成立すると判定した場合に実行する。
【0099】
すなわち、
Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)にしきい値Vthaを加算した値が、
Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧未満であり、かつ、
Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)にしきい値Vthbを加算した値が、
Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)未満である。
これらの条件を満たす場合である。
【0100】
これらの条件を満たす場合、FETコントローラ130は、新たな交換対象の未使用バッテリ2,202が第2スイッチ回路(SW2)120の入力側の第2電源ポート102に接続されていると判定し、ステップS104以下において、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理を実行する。
【0101】
まず、ステップS104において、FETコントローラ130は、第1スイッチ回路(SW1)110をON状態から理想ダイオード動作状態に変更する。
この状態変更処理は、FETコントローラ130が、第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET(1A)111、FET(1B)112のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0102】
前述したように、理想ダイオード動作状態とは、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)の電圧が、出力側(負荷側)の電圧より大きい場合に、第1スイッチ回路(SW1)110を介した入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流を導通させ、
第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)の電圧より、出力側(負荷側)の電圧が大きくなった場合には、出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流を遮断するダイオード特性に従った動作状態である。
【0103】
(ステップS105)
次に、FETコントローラ130は、ステップS105において、第2スイッチ回路(SW2)120をOFF状態からON状態に変更する。
この状態変更処理も、FETコントローラ130が、第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET(2A)121、FET(2B)122のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0104】
(ステップS106)
次に、FETコントローラ130は、ステップS106において、第1スイッチ回路(SW1)110を理想ダイオード動作状態からOFF状態に変更する。
この状態変更処理も、FETコントローラ130が、第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET(1A)111、FET(1B)112のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0105】
(ステップS107)
ステップS107では、上述したステップS104〜S106の処理結果として、バッテリ2,202から第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に対する電力供給が開始される。
すなわち、
スタート状態=バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に対する電力供給状態から、
ステップS107=バッテリ2,202から第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に対する電力供給状態への変更処理が、
負荷210に対する電力供給を停止することなく実行される。
すなわちバッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理が完了する。
【0106】
このバッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理は、FETコントローラ130が、各スイッチ回路を以下の動作状態に、順次、設定することで行われる処理である。
(S104)第1スイッチ回路(SW1)110=ON→理想ダイオード動作状態
(S105)第2スイッチ回路(SW2)120=OFF→ON
(S106)第1スイッチ回路(SW1)110=理想ダイオード動作状態→OFF
上記のスイッチ回路の動作状態変更処理を順次、実行することで、負荷210に対する電力供給を停止することなく、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理を行うことが可能となる。
【0107】
すなわち、まず、(S104)第1スイッチ回路(SW1)110=ON→理想ダイオード動作状態とすることで、バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210側に電力供給が継続される。
前述したように、理想ダイオード動作状態では、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)の電圧が出力側(負荷側)電圧より大きい場合、第1スイッチ回路(SW1)110を介して入力(バッテリ側)→出力(負荷側)方向の電流を導通状態とする動作状態である。
【0108】
次に、(S105)第2スイッチ回路(SW2)120=OFF→ONとすることで、第2スイッチ回路(SW2)120を介して、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側(バッテリ側)に接続されたバッテリ2,202から負荷210側への電力供給が開始される。
【0109】
なお、この時点で、出力側(負荷側)電圧が、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側(バッテリ側)より大きくなる可能性があるが、第1スイッチ回路(SW1)110は、理想ダイオード動作状態に設定されているため、第1スイッチ回路(SW1)110の出力(負荷側)→入力(バッテリ側)方向の電流は遮断され、バッテリ1,201に電流が入力される逆流状態は発生しない。
【0110】
最後に、(S106)第1スイッチ回路(SW1)110=理想ダイオード動作状態→OFFの切り替え処理を行うことで、バッテリ1,201と負荷210の導通状態は完全に遮断される。この後は、バッテリ1,201を第1電源ポート101から取り外すことが可能となる。
【0111】
上述した手順により、負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)が、第1スイッチ回路(SW1)110を介してバッテリ1,201に流入し、バッテリ1,201の充電処理が実行される。
【0112】
(ステップS121)
次に、ステップS121〜S123の処理について説明する。
このステップS121〜S123の処理は、バッテリ1,201の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ1,201の充電処理である。
【0113】
このバッテリ回生処理は、ステップS102、ステップS103において、
Vin1+Vtha<Vout
Vin1+Vthb≧Vin2
上記2つの式が成立すると判定した場合に実行する。
【0114】
すなわち、
Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)にしきい値Vthaを加算した値が、
Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧未満であり、かつ、
Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)にしきい値Vthbを加算した値が、
Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)以上である。
これらの条件を満たす場合である。
【0115】
なお、FETコントローラ130は、ステップS102,S103において、
Vin1+Vtha<Vout
Vin1+Vthb≧Vin2
上記2つの式が成立することを確認して、負荷側の電圧(Vout)の上昇が回生エネルギーの発生に基づくものであると判定してステップS121以下の処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ1,201の充電処理を実行する。
【0116】
すなわち、ステップS102において、
Vin1+Vtha<Vout
上記式を満足する場合、
負荷側の電圧(Vout)の上昇の原因として以下の2つの理由が想定される。
(理由1)バッテリ2,202の出力電圧に基づく電圧(Vout)の上昇、
(理由2)負荷210の回生エネルギーの発生に基づく電圧(Vout)の上昇。
【0117】
しかし、さらに、ステップS103において、
Vin1+Vthb≧Vin2
この式を満足することが確認される。この式を満足する場合とは、
第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)が、
第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,102出力電圧)+しきい値(Vthb)より低い場合である。
【0118】
このステップS103において、
Vin1+Vthb≧Vin2
この式を満足することが確認されると、負荷側の電圧(Vout)の上昇の原因として想定された上記の(理由1)は可能性がないと判定される。結果として、
負荷側の電圧(Vout)の上昇の原因は、上記(理由2)、すなわち、負荷210の回生エネルギーの発生に基づく電圧(Vout)の上昇であると判定することができる。
【0119】
このように、FETコントローラ130は、ステップS102,S103において、
Vin1+Vtha<Vout
Vin1+Vthb≧Vin2
上記2つの式が成立することを確認して、負荷側の電圧(Vout)の上昇が回生エネルギーの発生に基づくものであると判定して、ステップS121〜S123の処理、すなわち、負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ1,201の充電処理を実行する。
【0120】
まず、ステップS121において、FETコントローラ130は、第1スイッチ回路(SW1)110のON状態を継続する。
この状態維持処理は、FETコントローラ130が、第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET(1A)111、FET(1B)112のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を、現在の状態に維持することで行われる。
【0121】
(ステップS122)
次に、FETコントローラ130は、ステップS122において、第2スイッチ回路(SW2)120のOFF状態を継続する。
この状態維持処理も、FETコントローラ130が、第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET(2A)121、FET(2B)122のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を、現在の状態に維持することで行われる。
【0122】
(ステップS123)
ステップS123では、上述したステップS121〜S122の処理結果として、バッテリ1,201の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ1,201の充電処理が実行される。
【0123】
このバッテリ1,201の充電(回生)処理は、FETコントローラ130が、各スイッチ回路を以下の動作状態に設定することで行われる処理である。
第1スイッチ回路(SW1)110=ON
第2スイッチ回路(SW2)120=OFF
【0124】
上記設定により、負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)が、第1スイッチ回路(SW1)110を介してバッテリ1,201に流入し、バッテリ1,201の充電処理が実行される。
【0125】
上述したように、図8に示す電源切り替え装置100aは、FETコントローラ130が、2つのバッテリ201,202の各々接続されたスイッチ回路110,120を制御、すなわち、
(a)ON状態
(b)OFF状態
(c)理想ダイオード動作状態
これらの3状態の切り替え制御を行う。
【0126】
図8に示す電源切り替え装置100aは、FETコントローラ130によるこれらの制御により、以下の3つの処理を確実に実行することが可能となる。
(処理1)通常処理:バッテリから負荷に対する電力供給処理
(処理2)活線挿抜処理(ホットスワップ):負荷に対する電力供給を継続しながら行うバッテリの切り替え処理
(処理3)回生処理:負荷のモータの回転による回生エネルギー(回生電流)をバッテリに供給してバッテリを充電する処理
【0127】
[4.初期状態が異なる場合の処理シーケンスについて]
次に、先に図8を参照して説明した処理とは初期状態が異なる場合の処理シーケンスについて説明する。
図9に示すフローは、初期状態(スタート状態)が、図8に示す構成において、バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に電力供給がなされている通常処理状態である。
【0128】
初期状態(スタート状態)が、バッテリ2,202から第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に電力供給がなされている通常処理状態の場合に、FETコントローラ130の実行する処理シーケンスを図10に示す。
【0129】
図10に示すフローは、図9に示すフロー中の
バッテリ1とバッテリ2、
スイッチ1(SW1)とスイッチ2(SW2)、
Vin1とVin2、
これらを入れ替えたフローに相当する。
【0130】
図10に示すフローに従った処理について説明する。
初期状態では、FETコントローラ130による各スイッチのFETのゲート(Gate)電圧制御により、
第1スイッチ回路(SW1)110=OFF
第2スイッチ回路(SW2)120=ON
この状態に設定されている。
【0131】
(ステップS201)
まず、FETコントローラ130は、ステップS201において、以下の3つの電圧を検出する。
(1)Vin1:第1スイッチ回路(SW1)110入力側電圧(=バッテリ1,201出力電圧)
(2)Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)
(3)Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧
【0132】
(ステップS202)
次に、FETコントローラ130は、ステップS202において、Vin1とVoutの比較処理を実行し、以下の式が成立するか否かを判定する。
Vin2+Vtha<Vout
【0133】
ステップS202において、
Vin2+Vtha<Vout
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS203に進む。
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、ステップS211に進む。
【0134】
(ステップS211)
まず、ステップS202において、
Vin2+Vtha<Vout
上記式が成立しないと判定した場合のステップS211の処理について説明する。
【0135】
Vin2+Vtha<Vout
上記式が成立しない場合とは、
Vin2+Vtha≧Vout
上記関係にある場合である。すなわち、
Vin2:第2スイッチ回路(SW2)120入力側電圧(=バッテリ2,202出力電圧)にしきい値Vthaを加算した値が、
Vout:各スイッチ回路110,120出力側電圧以上である場合である。
【0136】
この場合は、ステップS211において現在の動作状態、すなわち、バッテリ2,202から第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に電力供給がなされている通常処理状態を継続する。
【0137】
このバッテリ2,202から負荷210に対する電力供給処理は、FETコントローラ130が、各スイッチ回路を以下の動作状態に設定(維持)することで行われる処理である。
第1スイッチ回路(SW1)110=OFF
第2スイッチ回路(SW2)120=ON
【0138】
上記設定により、ON状態に設定された第2スイッチ回路(SW2)120を介してバッテリ2,202から負荷210に対する電力供給が継続される。
【0139】
(ステップS203)
一方、ステップS202において、
Vin2+Vtha<Vout
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS203に進む。
【0140】
FETコントローラ130は、ステップS203において、Vin1とVin2の比較処理を実行し、以下の式が成立するか否かを判定する。
Vin2+Vthb<Vin2
【0141】
ステップS203において、
Vin2+Vthb<Vin1
上記式が成立すると判定した場合は、ステップS204に進む。
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、ステップS221に進む。
【0142】
なお、ステップS203において、
Vin2+Vthb<Vin1
上記式が成立する場合とは、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側の第1電源ポート101に、バッテリ2,202より電圧の高いバッテリ1,201が接続されていることを意味する。すなわち交換対象の未使用バッテリが接続されていることを意味する。
【0143】
このように、ステップS203の判定処理は、新たな交換対象の未使用バッテリ1,201が第1スイッチ回路(SW1)110の入力側の第1電源ポート101に接続されているか否かを判定する処理に相当する。
【0144】
ステップS203において、
Vin2+Vthb<Vin1
上記式が成立した場合は、交換対象の未使用バッテリ1,201が第1スイッチ回路(SW1)110の入力側の第1電源ポート101に接続されていると判定して、ステップS204以下において、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理を実行する。
【0145】
一方、上記式が成立しないと判定した場合は、交換対象の未使用バッテリ1,201が第1スイッチ回路(SW1)110の入力側の第1電源ポート101に接続されていないと判定して、ステップS221以下において、バッテリ2,202の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ2,202の充電処理を実行する。
【0146】
(ステップS204)
ステップS204〜S207の処理は、バッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理に相当する。
【0147】
このステップS204〜S207におけるバッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理は、ステップS202、ステップS203において、
Vin1+Vtha<Vout
Vin1+Vthb<Vin2
上記2つの式が成立すると判定した場合に実行する。
【0148】
まず、ステップS204において、FETコントローラ130は、第2スイッチ回路(SW2)120をON状態から理想ダイオード動作状態に変更する。
この状態変更処理は、FETコントローラ130が、第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET(2A)121、FET(2B)122のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0149】
(ステップS205)
次に、FETコントローラ130は、ステップS205において、第1スイッチ回路(SW1)110をOFF状態からON状態に変更する。
この状態変更処理も、FETコントローラ130が、第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET(1A)111、FET(1B)112のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0150】
(ステップS206)
次に、FETコントローラ130は、ステップS206において、第2スイッチ回路(SW2)120を理想ダイオード動作状態からOFF状態に変更する。
この状態変更処理も、FETコントローラ130が、第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET(2A)121、FET(2B)122のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を切り替えることにより行われる。
【0151】
(ステップS207)
ステップS207では、上述したステップS204〜S206の処理結果として、バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に対する電力供給が開始される。
すなわち、
スタート状態=バッテリ2,202から第2スイッチ回路(SW2)120を介して負荷210に対する電力供給状態から、
ステップS207=バッテリ1,201から第1スイッチ回路(SW1)110を介して負荷210に対する電力供給状態への変更処理が、
負荷210に対する電力供給を停止することなく実行される。
すなわちバッテリの活線挿抜(ホットスワッビング)処理が完了する。
【0152】
(ステップS221)
次に、ステップS221〜S223の処理について説明する。
このステップS221〜S223の処理は、バッテリ2,202の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ2,202の充電処理である。
【0153】
このバッテリ回生処理は、ステップS202、ステップS203において、
Vin2+Vtha<Vout
Vin2+Vthb≧Vin1
上記2つの式が成立すると判定した場合に実行する。
【0154】
FETコントローラ130は、ステップS202,S203において、
Vin2+Vtha<Vout
Vin2+Vthb≧Vin1
上記2つの式が成立することを確認して、負荷側の電圧(Vout)の上昇が回生エネルギーの発生に基づくものであると判定してステップS221以下の処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ2,202の充電処理を実行する。
【0155】
まず、ステップS221において、FETコントローラ130は、第2スイッチ回路(SW2)120のON状態を継続する。
この状態維持処理は、FETコントローラ130が、第2スイッチ回路(SW2)120の2つのFET(2A)121、FET(2B)122のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を、現在の状態に維持することで行われる。
【0156】
(ステップS222)
次に、FETコントローラ130は、ステップS222において、第1スイッチ回路(SW1)110のOFF状態を継続する。
この状態維持処理も、FETコントローラ130が、第1スイッチ回路(SW1)110の2つのFET(1A)111、FET(1B)112のゲート(Gate)電圧制御により、各FETの導通、遮断状態を、現在の状態に維持することで行われる。
【0157】
(ステップS223)
ステップS223では、上述したステップS221〜S222の処理結果として、バッテリ2,202の充電処理、すなわち負荷210のモータが生成する回生エネルギー(回生電流)に基づくバッテリ2,202の充電処理が実行される。
【0158】
上述したように、図8に示す電源切り替え装置100aは、初期状態が、バッテリ1,201を介した負荷210に対する電力供給状態であっても、バッテリ2,202を介した負荷210に対する電力供給状態であっても、いずれの場合も、スイッチ回路110,120を制御、すなわち、
(a)ON状態
(b)OFF状態
(c)理想ダイオード動作状態
これらの3状態の制御を行うことで、以下の3つの処理を確実に実行できる。
(処理1)通常処理:バッテリから負荷に対する電力供給処理
(処理2)活線挿抜処理(ホットスワップ):負荷に対する電力供給を継続しながら行うバッテリの切り替え処理
(処理3)回生処理:負荷のモータの回転による回生エネルギー(回生電流)をバッテリに供給してバッテリを充電する処理
【0159】
[5.その他の実施例について]
次に、その他の実施例について説明する。
図8に示す電源切り替え装置100aは、本開示の電源切り替え装置の一構成例である。、本開示の電源切り替え装置は、図8に示す構成の他、様々な構成とすることが可能である。
以下の複数の変形例について、順次、説明する。
変形例1.各スイッチ回路対応の個別のFETコントローラを有する構成例
変形例2.マイコン(MCU)を用いた構成例
変形例3.コンパレータを用いた構成例
変形例4.CPUを用いた構成例
【0160】
(変形例1.各スイッチ回路対応の個別のFETコントローラを有する構成例)
まず、変形例1として、各スイッチ回路対応の個別のFETコントローラを有する構成例について、図11を参照して説明する。
図11に示す電源切り替え装置100bは、図8に示す電源切り替え装置100aのFETコントローラ130を2つに分離した構成を持つ電源切り替え装置である。
【0161】
図11に示す電源切り替え装置100bには、第1FETコントローラ141と第2FETコントローラ142を有する。
第1FETコントローラ141は、第1スイッチ回路(SW1)の2つのFET、すなわちFET(1A)111と、FET(1B)112を制御する。各FETのゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御する
【0162】
また、第2FETコントローラ142は、第2スイッチ回路(SW2)の2つのFET、すなわちFET(2A)121と、FET(2B)122を制御する。各FETのゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御する
【0163】
これら第1FETコントローラ141と第2FETコントローラ142の制御により、第1スイッチ回路(SW1)と、第2スイッチ回路(SW2)は、
(a)ON状態
(b)OFF状態
(c)理想ダイオード動作状態
これらの3状態のいずれかに設定される。
【0164】
この図11に示す電源切り替え装置100bも、先に説明した図9図10に示すフローに従った処理と同様の処理を行うことができる。
【0165】
(変形例2.マイコン(MCU)を用いた構成例)
次に、図12を参照してマイコン(MCU)を用いた構成例について説明する。
【0166】
図12に示す電源切り替え装置100cは、図8に示す電源切り替え装置100aのFETコントローラ130を、図12に示すFETコントローラ150とマイコン(MCU)160の2つの構成に分離した構成である。
【0167】
図8に示す電源切り替え装置100aのFETコントローラ130は、FETコントローラ130内部で、各電圧(Vin1,Vin2,Vout)の比較処理や比較結果に基づく制御態様の決定等を行っている。
【0168】
これに対して、図12に示す電源切り替え装置100cでは、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側電圧(Vin1)、すなわち、バッテリ1,101側電圧と、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側電圧(Vin2)、すなわち、バッテリ2,102側電圧との比較処理をマイコン(MCU)160が実行する。FETコントローラ150は、マイコン(MCU)160の出力する電圧比較結果に基づいて各スイッチ回路110,120のFETを制御する。
【0169】
FETコントローラ150は、マイコン(MCU)160の出力する電圧比較結果を入力する制御情報入力部(Exit control端子)を有し、この制御情報入力部(Exit control端子)を介して入力するマイコン(MCU)160の出力値に基づいて各スイッチ回路110,120のFETを制御する。
【0170】
この構成の場合、図9図10に示すフローに従った処理は、マイコン(MCU)160とFETコントローラ150とによって実行されることになる。
【0171】
なお、マイコン(MCU)160において電圧比較結果に基づく各スイッチの制御態様を決定し、決定した制御情報をFETコントローラ1250に入力する構成としもよい。
この場合、FETコントローラ150はマイコン160から入力する制御情報に下型制御を実行する。
【0172】
(変形例3.コンパレータを用いた構成例)
次に、図13を参照してコンパレータを用いた構成例について説明する。
【0173】
図13に示す電源切り替え装置100dは、図8に示す電源切り替え装置100aのFETコントローラ130を、図13に示すFETコントローラ170とコンパレータ180の2つの構成に分離した構成である。
【0174】
図13に示す電源切り替え装置100dのコンパレータ180は、第1スイッチ回路(SW1)110の入力側電圧(Vin1)、すなわち、バッテリ1,101側電圧と、第2スイッチ回路(SW2)120の入力側電圧(Vin2)、すなわち、バッテリ2,102側電圧との比較処理を実行して比較結果をFETコントローラ170に入力する。
【0175】
FETコントローラ170は、コンパレータ180の電圧比較結果を入力する情報入力部(Exit control端子)を有し、この情報入力部(Exit control端子)を介して入力する電圧比較結果に基づいて各スイッチ回路110,120のFETを制御する。
【0176】
この構成の場合、図9図10に示すフローに従った処理は、コンパレータ180とFETコントローラ170とによって実行されることになる。
【0177】
(変形例4.CPUを用いた構成例)
次に図14を参照してCPUを用いた構成例について説明する。
図14に示す電源切り替え装置100eは、図8に示す電源切り替え装置100aのFETコントローラ130を、図14に示すFETコントローラ190とCPU195の2つの構成に分離した構成である。
【0178】
CPU195は、例えば、負荷の動作状態に基づいて、各スイッチ回路の動作状態(ON,OFF,理想ダイオード)の切り替えタイミングを制御する。
具体的には、負荷210の動作が少ないタイミングを選んで各スイッチ回路の動作状態(ON,OFF,理想ダイオード)の切り替えを実行させる制御を実行する。
【0179】
CPU195は、負荷の動作計画、具体的にはロボットの行動計画情報(プログラム情報)を図示しない記憶部から取得し、取得した行動計画情報(プログラム情報)に基づいて負荷210の処理が少ないタイミングを検出する。この検出したタイミングで各スイッチ回路の動作状態(ON,OFF,理想ダイオード)の切り替えを実行させるようにFETコントローラ190に制御情報を出力する。
【0180】
なお、CPU195が負荷動作状況監視処理を実行して、監視結果に基づいて負荷210の処理が少ないタイミングを検出し、検出したタイミングで各スイッチ回路の動作状態(ON,OFF,理想ダイオード)の切り替えを実行させるようにFETコントローラ190に制御情報を出力する構成としてもよい。
【0181】
このような制御を実行することで各スイッチ回路のFETのストレスを低減したスイッチ状態切り替え処理が可能となる。
【0182】
[6.ロボットのハードウェア構成例について]
次に、上述した電源切り替え回路を内部に有する走行ロボット300のハードウェア構成の一例について説明する。
図15は、本開示の走行ロボット300の一構成例を示すブロック図である。
【0183】
図15に示すように、走行ロボット300は、制御部301、入力部302、出力部303、センサ群304、駆動部305、通信部306、記憶部307、電源切り替え部321を有する。
【0184】
制御部301は、走行ロボット100において実行する処理の制御を行う。例えば記憶部307に格納されている制御プログラムに従った処理を実行する。制御部301はプログラム実行機能を有するプロセッサを有する。
【0185】
入力部302は、ユーザにより、様々なデータ入力が可能なインタフェースであり、タッチパネル、コード読み取り部、各種のスイッチ等によって構成される。
出力部303はアラートや音声を出力するスピーカ、画像出力するディスプレイ、、さらにライト等を出力する出力部である。
【0186】
センサ群304はカメラ、マイク、レーダ、距離センサ等の様々なセンサによって構成される。
駆動部305は走行ロボット100を移動させるための車輪や脚の駆動部であるモータ等のアクチュエータや方向制御機構等によって構成される。
通信部306は、例えば管理サーバや、外部センサ等の外部機器等との通信処理を実行する。
記憶部307は、走行経路情報や、制御部301において実行するプログラム情報等を格納している。
【0187】
電源切り替え部321は、先に図8他を参照して説明した電源切り替え装置に相当する構成を有する。すなわち、
(a)バッテリの活線挿抜(ホットスワップ)処理
(b)回生エネルギー回収
これらの処理をスイッチ回路の動作状態(ON,OFF,理想ダイオード動作)の切り替えにより実現する構成を有する。
【0188】
[7.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0189】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え装置。
【0190】
(2) 前記コントローラは、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電処理を実行する(1)に記載の電源切り替え装置。
【0191】
(3) 前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)と、
前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路の前記負荷側電圧であるスイッチ回路出力側電圧(Vout)を比較し、
比較結果に応じて、前記3状態の切り替え処理を実行する(1)または(2)に記載の電源切り替え装置。
【0192】
(4) 前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)と、
前記スイッチ回路出力側電圧(Vout)との比較結果に基づいて、
前記第1電源ポートと前記第2電源ポートの双方に電源が接続されたバッテリ交換実行モードであるか、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電する処理を実行する充電モードであるかを判定する(3)に記載の電源切り替え装置。
【0193】
(5) 前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路は複数のFETによって構成される理想ダイオード回路である(1)〜(4)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0194】
(6) 前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路、および前記第2スイッチ回路内に構成されたFETのゲート(Gate)−ソース(Source)間電圧を制御する(1)〜(5)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0195】
(7) 前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路の制御を実行する第1コントローラと、
前記第2スイッチ回路の制御を実行する第2コントローラとの複数のコントローラによって構成されている(1)〜(6)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0196】
(8) 前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたマイコンを有し、
前記マイコンは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)との比較処理を実行して比較結果を前記コントローラに出力する(1)〜(7)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0197】
(9) 前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたコンパレータを有し、
前記コンパレータは、
前記第1スイッチ回路の前記第1電源ポート側電圧である第1スイッチ回路入力側電圧(Vin1)と、
前記第2スイッチ回路の前記第2電源ポート側電圧である第2スイッチ回路入力側電圧(Vin2)との比較処理を実行して比較結果を前記コントローラに出力する(1)〜(8)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0198】
(10) 前記電源切り替え装置は、
前記コントローラに接続されたプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
前記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理のタイミングを制御する(1)〜(9)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0199】
(11) 前記プロセッサは、
前記負荷の処理状況に応じて、前記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理タイミングを決定する(1)〜(10)いずれかに記載の電源切り替え装置。
【0200】
(12) 駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボット。
【0201】
(13) 前記コントローラは、
前記負荷を構成するモータの回転によって発生した回生エネルギーを、前記第1電源ポート、または前記第2電源ポートに接続された電源であるバッテリに入力して充電処理を実行する(12)に記載のロボット。
【0202】
(14) 電源切り替え装置において実行する電源切り替え制御方法であり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する電源切り替え制御方法。
【0203】
(15) ロボットにおいて実行するロボット制御方法であり、
前記ロボットは、
駆動部を有する負荷と、
前記負荷に対する電力供給を行う電源の切り替え制御を行う電源切り替え部を有し、
前記電源切り替え部は、
第1電源ポートと、電力供給対象の前記負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行して、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行するロボット制御方法。
【0204】
(16) 電源切り替え装置において電源切り替え制御処理を実行させるプログラムであり、
前記電源切り替え装置は、
第1電源ポートと、電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、
第2電源ポートと、前記負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路を制御するコントローラを有し、
前記プログラムは、前記コントローラに、
前記第1スイッチ回路と前記第2スイッチ回路の各々について、
(a)導通状態であるON状態、
(b)遮断状態であるOFF状態、
(c)電源ポート側電圧が負荷側電圧より高い場合に、電源ポート側から負荷側に対する一方向の電力供給のみを許容するダイオード動作状態、
上記(a)〜(c)の3状態の切り替え処理を実行させて、前記負荷に対する電力供給を停止することなく、前記第1電源ポートと前記第2電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行させるプログラム。
【0205】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0206】
また、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0207】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、負荷に対する電力供給を停止することなく電源切り替え処理や充電処理を実行可能とした装置、方法が実現される。
具体的には、例えば、第1電源ポートと電力供給対象の負荷との間に構成された第1スイッチ回路と、第2電源ポートと負荷との間に構成された第2スイッチ回路と、各スイッチ回路を制御するコントローラを有する。コントローラは、各スイッチ回路について、(a)ON状態、(b)OFF状態、(c)ダイオード動作状態、これら3状態の切り替え処理を実行して、負荷に対する電力供給を停止することなく各電源ポートに接続された電源の切り替え処理を実行する。さらに、負荷であるモータの回転による回生エネルギーによるバッテリ充電を実行する。
本構成により、負荷に対する電力供給を停止することなく電源切り替え処理や充電処理を実行可能とした装置、方法が実現される。
【符号の説明】
【0208】
10 ロボット
11 バッテリ1
12 バッテリ2
21 モータ
31,32 理想ダイオード回路
100 電源切り替え装置
101 第1電源ポート
102 第2電源ポート
103 平滑コンデンサ
110 第1スイッチ回路(SW1)
111,112 FET
120 第2スイッチ回路(SW2)
121,122 FET
130 FETコントローラ
201 バッテリ1
202 バッテリ2
210 負荷
141 第1FETコントローラ
142 第2FETコントローラ
150 FETコントローラ
160 マイコン(MCU)
170 FETコントローラ
180 コンパレータ
190 FETコントローラ
195 CPU
300 走行ロボット
301 制御部
302 入力部
303 出力部
304 センサ群
305 駆動部
306 通信部
307 記憶部
321 電源切り替え部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15