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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-204350(P2020-204350A)
(43)【公開日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】ころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 19/26 20060101AFI20201127BHJP
   F16C 33/34 20060101ALI20201127BHJP
   F16C 33/46 20060101ALI20201127BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   F16C19/26
   F16C33/34
   F16C33/46
   F16C33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-111488(P2019-111488)
(22)【出願日】2019年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 徹
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA12
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA43
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA05
3J701BA06
3J701BA35
3J701BA45
3J701BA53
3J701BA54
3J701BA57
3J701FA15
3J701FA41
3J701FA44
3J701GA24
3J701GA34
3J701GA51
(57)【要約】
【課題】製造コストの増加を抑制しつつ、回転性能を高くし、負荷容量を大きくすることができると共に、保持器の強度を高くすることができるころ軸受を提供する。
【解決手段】ころ軸受1は、内周面に外輪軌道面2aを有する外輪2と、外周面に内輪軌道面3aを有する内輪3と、外輪軌道面2aと内輪軌道面3aとの間に転動自在に配置される複数のころ4と、を備え、複数のころ4の軸方向両端面4wの軸心位置には、一対の軸部4dが形成され、複数のころ4の軸方向両側に配置され、複数のころ4の一対の軸部4dと嵌合する貫通穴5aをそれぞれ有し、複数のころ4を回転可能に支持する一対の環状板5を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置される複数のころと、を備えるころ軸受であって、
前記複数のころの軸方向両端面の軸心位置には、一対の軸部が形成され、
前記複数のころの軸方向両側に配置され、前記複数のころの一対の軸部と嵌合する穴部をそれぞれ有し、前記複数のころを回転可能に支持する一対の環状板を備える、ころ軸受。
【請求項2】
前記一対の環状板は、別体である、請求項1に記載のころ軸受。
【請求項3】
前記外輪又は前記内輪に設けられ、前記複数のころの軸方向位置を規制するつばとつば輪を備え、
前記つばと前記つば輪には、前記環状板の軸方向外側面と対向して、前記環状板の軸方向位置を規制する突部が設けられる、請求項2に記載のころ軸受。
【請求項4】
前記つば輪は、前記外輪又は前記内輪に対してインロー構造により組み付けられると共に、固定手段により固定される、請求項3に記載のころ軸受。
【請求項5】
前記環状板の前記穴部は、貫通穴であり、
前記軸部の軸方向外端部には、前記環状板の軸方向外側面と対向するフランジが取り付けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ころ軸受に関し、例えば、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、又は自動調心ころ軸受等のころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧延機等の製鉄機械、建設機械、鉱山機械、風力発電設備等の重荷重、衝撃荷重、振動、急加減速が発生するような機械、設備等において、高負荷能力を有する円筒ころ軸受、円すいころ軸受、又は自動調心ころ軸受が使用されている。
【0003】
そして、従来の高負荷能力を有するころ軸受としては、例えば、保持器を備えていない総ころ軸受と称される円筒ころ軸受が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、内輪と、外輪と、これら内外輪の間に転動自在に設けた複数のころと、これらころの両側に設けた環状板と、を備えるころ軸受において、各ころは、両端面の中心部に凹部を有し、各環状板は、独立であって、上記各凹部に、これら凹部と回転可能に挿入する複数の係止ピンを備えるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−088970号公報
【特許文献2】特開平10−213140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した特許文献1は、保持器を省略した円筒ころ軸受、即ち、総ころ軸受であるため、負荷容量が大きく重荷重条件下での使用に適しているが、総ころ軸受は、隣り合うころの転動面同士が逆方向にすべり接触しながら回転するため回転性能が低く、さらに、ころ表面において損傷が起こりやすいことから、適用は低速回転の機械や設備等に限られていた。
【0007】
また、上記した特許文献2では、保持器の柱部(円周方向に隣り合うころところの間に設けられた、保持器の一部分)を取り除き、多くのころを配置して、負荷容量を大きくすることができると共に、他部と比べて強度の低い柱部を有しないことによって保持器の強度を充分に高くすることができるものの、係止ピンの溶接が必要であるため、製造コストが増加してしまっていた。また、溶接不具合により溶接部の割れ、脱落や係止ピンの脱落等が起きる可能性があり、これらが発生した場合、機械や設備等の運転を停止してメンテナンスを行う必要がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストの増加を抑制しつつ、回転性能を高くし、負荷容量を大きくすることができると共に、保持器の強度を高くすることができるころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配置される複数のころと、を備えるころ軸受であって、前記複数のころの軸方向両端面の軸心位置には、一対の軸部が形成され、前記複数のころの軸方向両側に配置され、前記複数のころの一対の軸部と嵌合する穴部をそれぞれ有し、前記複数のころを回転可能に支持する一対の環状板を備える、ころ軸受。
(2)前記一対の環状板は、別体である、(1)に記載のころ軸受。
(3)前記外輪又は前記内輪に設けられ、前記複数のころの軸方向位置を規制するつばとつば輪を備え、前記つばと前記つば輪には、前記環状板の軸方向外側面と対向して、前記環状板の軸方向位置を規制する突部が設けられる、(2)に記載のころ軸受。
(4)前記つば輪は、前記外輪又は前記内輪に対してインロー構造により組み付けられると共に、固定手段により固定される、(3)に記載のころ軸受。
(5)前記環状板の前記穴部は、貫通穴であり、前記軸部の軸方向外端部には、前記環状板の軸方向外側面と対向するフランジが取り付けられる、(1)〜(4)のいずれかに記載のころ軸受。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のころの軸方向両端面の軸心位置には、一対の軸部が形成され、複数のころの軸方向両側に配置され、複数のころの一対の軸部と嵌合する穴部をそれぞれ有し、複数のころを回転可能に支持する一対の環状板を備えるため、製造コストの増加を抑制しつつ、回転性能を高くし、負荷容量を大きくすることができると共に、環状板の強度を高くすることができる。このため、重荷重、衝撃荷重、振動、急加減速を伴う使用条件下でも軸受を長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るころ軸受の第1実施形態の側面図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3A】第1実施形態において、ころ案内の場合の図2の要部拡大図である。
図3B】第1実施形態において、内輪案内の場合の図3に対応する要部拡大図である。
図4A】第1実施形態のころ軸受の第1変形例を示す断面図である。
図4B】第1実施形態のころ軸受の第2変形例を示す断面図である。
図5】第2実施形態のころ軸受を示す断面図である。
図6A】第2実施形態において、ころ案内の場合の図3に対応する要部拡大図である。
図6B】第2実施形態において、外輪案内の場合の図3に対応する要部拡大図である。
図7A】第2実施形態のころ軸受の第1変形例を示す断面図である。
図7B】第2実施形態のころ軸受の第2変形例を示す断面図である。
図8】本発明に係るころ軸受の第3実施形態の断面図である。
図9】第3実施形態のころ軸受の第1変形例を示す断面図である。
図10】第3実施形態のころ軸受の第2変形例を示す断面図である。
図11】第3実施形態のころ軸受の第3変形例を示す断面図である。
図12】本発明に係るころ軸受の第4実施形態の断面図である。
図13】第4実施形態のころ軸受の第1変形例を示す断面図である。
図14】第4実施形態のころ軸受の第2変形例を示す断面図である。
図15】第4実施形態のころ軸受の第3変形例を示す断面図である。
図16】第4実施形態のころ軸受の第4変形例を示す断面図である。
図17】第4実施形態のころ軸受の第5変形例を示す断面図である。
図18】本発明に係るころ軸受の第5実施形態の断面図である。
図19A】ころ案内の場合の図18の要部拡大図である。
図19B】内輪案内の場合の図18の要部拡大図である。
図20】第5実施形態のころ軸受の第1変形例を示す断面図である。
図21】第5実施形態のころ軸受の第2変形例を示す断面図である。
図22】第5実施形態のころ軸受の第3変形例を示す断面図である。
図23】本発明に係るころ軸受の第6実施形態の断面図である。
図24A】本発明に係るころ軸受の第7実施形態の断面図である。
図24B】つば輪の位置決め構造を示す断面図である。
図25】本発明に係るころ軸受の第8実施形態の側面図である。
図26図25のB−B線断面図である。
図27】本発明に係るころ軸受の第9実施形態の断面図である。
図28】本発明に係るころ軸受の第10実施形態の断面図である。
図29】第10実施形態のころ軸受の変形例を示す断面図である。
図30】本発明を単列の円すいころ軸受に適用した場合の断面図である。
図31】本発明を複列の円すいころ軸受に適用した場合の断面図である。
図32】本発明を自動調心ころ軸受に適用した場合の断面図である。
図33】特許文献2を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るころ軸受の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明における左右とは、ころ軸受又はころの回転軸心方向における左右のことである。
【0013】
(第1実施形態)
まず、図1図4Bを参照して、本発明に係るころ軸受の第1実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態のころ軸受1は、図1及び図2に示すように、単列の円筒ころ軸受であって、内周面に外輪軌道面2aを有する外輪2と、外周面に内輪軌道面3aを有する内輪3と、この外輪軌道面2aと内輪軌道面3aとの間に転動自在に配置される複数のころ4と、複数のころ4を周方向に略等間隔に保持する左右一対の環状板(保持器)5と、を備える。
【0015】
ころ4の軸方向両端面4wの軸心CL位置には、転動面を構成する円筒部分より小径の一対の軸部4dが軸方向に突出して形成されている。ころ4は、軸部4dを削り出すことで、該円筒部分と一体に形成される。
【0016】
ころ4を保持する一対の環状板5は、断面矩形状の円環状部材であり、複数のころ4の軸方向両側に配置される。一対の環状板5には、一対の軸部4dとそれぞれ嵌合し、ころ4の軸部4dを回転可能に支持する複数の貫通穴(穴部)5aが周方向に略等間隔で形成されている。一対の環状板5は、複数のころ4を周方向に略等間隔に保持する保持器を構成する。また、本実施形態では、一対の環状板5は、別体であり、互いを軸方向に連結する柱部を備えていない。
【0017】
内輪3は、図2に示すように、その一端側(図2中左側)に円環状のつば6が径方向外側に突出して形成され、他端側(図2中右側)につば輪7が取り付けられている。そして、つば6及びつば輪7は、ころ4の軸方向両端面4wに対向してころ4の軸方向位置を規制している。
【0018】
つば輪7は、内輪3とは別体に形成された円環状部材であり、内輪3に取り付けられる構造である。つば輪7は、その内周面に段部7gが形成されており、内輪3の外周面の他端部(内輪軌道面3aの延長線上の部分)に外嵌するように組み付けられている。つまり、つば輪7は、内輪3に対してインロー構造により組み付けられている。そして、つば輪7は、その周方向に略等間隔に配置される複数の固定手段(六角穴付ボルト等)11により内輪3に固定されている。
【0019】
つば6の外周面の軸方向外端部には、径方向外側に突出する環状の突部6dが形成されている。突部6dは、一方側(図2中左側)の環状板5の軸方向外側面に対向するように形成され、環状板5の軸方向位置を規制して、稼働時の環状板5の脱落を防止する。
【0020】
つば輪7の外周面の軸方向外端部には、径方向外側に突出する環状の突部7dが形成されている。突部7dは、他方側(図2中右側)の環状板5の軸方向外側面に対向するように形成され、環状板5の軸方向位置を規制して、稼働時の環状板5の脱落を防止する。
【0021】
なお、環状板5の案内方式は、ころ案内であってもよいし、内輪案内であってもよい。例えば、環状板5をころ案内で使用する場合、図3Aに示すように、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1は、つば6の外周面と環状板5の内周面との間の隙間Δ2(つば輪7の外周面と環状板5の内周面との間の隙間)より小さく設定されている。
【0022】
また、環状板5を内輪案内で使用する場合、図3Bに示すように、つば6の外周面と環状板5の内周面との間の隙間Δ2(つば輪7の外周面と環状板5の内周面との間の隙間)は、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1より小さく設定されている。
【0023】
なお、ころ案内、内輪案内は、機械や設備等の使用条件等によって決められる。ただし、環状板5の挙動を安定化するために、軌道輪案内(内輪案内、後述する外輪案内)を採用した方がより好ましい。また、つば6の突部6d、つば輪7の突部7d等により環状板5の軸方向の動きが制限され、環状板5の挙動が安定化する場合は、転動体案内(ころ案内)を採用してもよい。
【0024】
このように構成された本実施形態のころ軸受1によれば、複数のころ4の軸方向両端面4wの軸心CL位置には、一対の軸部4dが形成され、また、複数のころ4の軸方向両側に配置され、複数のころ4の一対の軸部4dと嵌合する穴部をそれぞれ有し、複数のころ4を回転可能に支持する一対の環状板5を備える。このため、ころ軸受1の稼働時に、各ころ4間に隙間が設けられた状態でころ4が一対の環状板5に回転可能に支持されるので、回転性能を高くすることができる。また、ころ軸受1は、従来保持器のような係止ピンを環状板に溶接する溶接工程が不要であるため、製造コストの増加を抑制することができる。さらに、ころ軸受1は、一対の環状板5同士を連結する柱部(例えば、実用新案登録第2595876号のステー104や特許第6253877号の柱部33)がなく、ころ数を多くすることができ、負荷容量を大きくすることができる。また、環状板5は、他部と比べて強度の低い柱部を有していない構造の保持器であり、保持器としての強度を高くすることができる。このため、重荷重、衝撃荷重、振動、急加減速を伴う使用条件下でも軸受を長期間使用することができる。
【0025】
また、本実施形態のころ軸受1によれば、内輪3に、複数のころ4の軸方向位置を規制するつば6とつば輪7が設けられ、つば6とつば輪7に設けられる突部6d,7dにより、簡素な構造で稼働時の環状板5の脱落を防止することができる。
【0026】
また、本実施形態のころ軸受1によれば、つば輪7は、内輪3に対してインロー構造により組み付けられるため、内輪3とつば輪7の中心合わせを容易且つ確実に行うことができる。また、中心合わせを行った後につば輪7を固定手段(六角穴付ボルト等)11により固定するため、固定作業を容易にすることができる。
【0027】
なお、本実施形態では、固定手段(六角穴付ボルト等)11は、各ころ4の位置毎に2本ずつ配置されているが、1本ずつ配置されていてもよいし、各ころ4の位置毎に配置されていなくてもよい。つまり、固定手段11の数や配置に制限はない。また、固定手段11はボルトに限定されない。
【0028】
本発明の効果を確認するため、本発明例(第1実施形態相当品)と比較例1〜3のころ本数を比較した。また、比較例1は、ころ間に間座を備える軸受(特開2005−344854号公報参照)で、ころ本数は21本であり、比較例2は、ピン形保持器を備える軸受(特開昭53−000358号公報参照)で、ころ本数は21本であり、比較例3は、もみ抜き保持器を備えるころ軸受で、ころ本数は19本である。なお、議論を簡単にするため、ころ本数以外の値(寸法等)はすべて同じとした。また、比較例1〜3のころ本数は、特開2005−344854号公報の表1を参照した。
【0029】
本発明例のころ本数は22本であり、比較例1〜3のころ本数(19〜21本)よりも多くなるため、本発明例の軸受寿命は、比較例1〜3よりも長くなる。
【0030】
なお、本実施形態の第1変形例として、図4Aに示すように、内輪3の左右両側につば輪7が取り付けられる構造としてもよい。これにより、ころ軸受1が左右対称形状となり、内輪3を容易に製造加工することができる。
【0031】
また、本実施形態の第2変形例として、図4Bに示すように、内輪側につば6及びつば輪7が設けられるとともに、外輪2は、内輪3に設けられたつば輪7と径方向に対向する部分につば8を形成してもよい。もちろん、外輪2は、内輪3に設けられた、つば6と径方向に対向する部分につば8を形成してもよい。
【0032】
(第2実施形態)
次に、図5図7Bを参照して、本発明に係るころ軸受の第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0033】
この実施形態では、図5に示すように、つば8及びつば輪9が外輪2の左右両側に設けられている。つば輪9は、外輪2に対してインロー構造により組み付けられるため、外輪2とつば輪9の中心合わせを容易且つ確実に行うことができる。また、中心合わせを行った後につば輪9を固定手段(六角穴付ボルト等)11により固定するため、固定作業を容易にすることができる。
また、本実施形態の場合も、つば8とつば輪9に設けられる突部8d,9dにより、簡素な構造で稼働時の環状板5の脱落を防止することができる。
【0034】
なお、環状板5の案内方式は、ころ案内であってもよいし、外輪案内であってもよい。例えば、環状板5をころ案内で使用する場合、図6Aに示すように、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間は、つば8の内周面と環状板5の外周面との間の隙間(つば輪9の内周面と環状板5の外周面との間の隙間)より小さく設定されている。
【0035】
また、環状板5を外輪案内で使用する場合、図6Bに示すように、つば8の内周面と環状板5の外周面との間の隙間(つば輪9の内周面と環状板5の外周面との間の隙間)は、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間より小さく設定されている。
【0036】
ここで、本実施形態のころ軸受1の回転性能について、図33に示す特許文献2に記載のころ軸受と比較しながら説明する。特許文献2では、保持器(環状板118と係止ピン119)の重心Gがころ107上になく、保持器の重心から外れた位置に荷重がかかるため、保持器は軸方向外側に倒れようとし(矢印Z参照)、不安定な挙動(倒れる、戻るの繰り返しによる暴れ)を示す。そして、つば輪117の内周面の突部117aで不安定な挙動に起因する大きな荷重を受けるのであるが、このとき突部117aの軸方向内側面と環状板118の軸方向外側面とが片当たりとなるため、面圧Pが大きくなる。
【0037】
これに対して、本実施形態では、図6A及び図6Bに示すように、保持器(環状板5)の重心Gがころ4の軸部4d上にあり、保持器の重心に荷重がかかるため、保持器が軸方向外側に倒れにくく、不安定な挙動を示しにくい。そして、図6Aの場合、ころ4の軸部4dの外周面で保持器の重量を受ける(不安定な挙動に起因する大きな荷重は受けない)のであるが、このときころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面とは片当たりとなりにくいため、面圧Pが上記特許文献2よりも小さい。また、図6Bの場合、つば8(つば輪9)の内周面で保持器の重量を受ける(不安定な挙動に起因する大きな荷重は受けない)のであるが、つば8(つば輪9)の内周面と環状板5の外周面とは片当たりとなりにくいため、面圧Pが上記特許文献2よりも小さい。つまり、本実施形態の方が上記特許文献2よりも面圧Pが小さい。
【0038】
従って、上記特許文献2では、面圧Pが大きいため、すべり速度Vを大きくすること(例えば、軸受回転数を大きくすること等)が困難である。これに対して、本発明では、面圧Pが上記特許文献2よりも小さいため、すべり速度Vを上記特許文献2よりも大きくすることができる。つまり、本実施形態は、すべり接触におけるPV値(面圧Pとすべり速度Vの積であり、所定値を超えると摩耗が早く進んだり、発熱したり、発熱による焼付きが起こったりする)を所定値以下にすることが容易である。
【0039】
なお、本実施形態の第1変形例として、図7Aに示すように、外輪2の左右両側につば輪9が設けられてもよい。
【0040】
また、本実施形態の第2変形例として、図7Bに示すように、外輪側につば8及びつば輪9が設けられるとともに、内輪3は、外輪2に設けられたつば輪9と径方向に対向する部分につば6を形成してもよい。もちろん、内輪3は、外輪2に設けられた、つば8と径方向に対向する部分につば6を形成してもよい。
【0041】
さらに、本発明によれば、外輪2につば8とつば輪9を設ける形態のころ軸受1を圧延機に使用し、外輪2がハウジングに固定され、内輪3で圧延ロールを支持する場合、メンテナンス等で軸受を分解する際、外輪2側に複数のころ4及び一対の環状板5を残した状態で、内輪3を圧延ロールと共に引き抜いたり、ころ軸受1を残した状態で圧延ロールを引き抜いたりすることができるので、ころ軸受1と圧延ロールのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0042】
(第3実施形態)
次に、図8図11を参照して、本発明に係るころ軸受の第3実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0043】
本実施形態では、図8に示すように、第1実施形態と同様に、つば6及びつば輪7を内輪3側に設けた複列ころ軸受の構造となっている。具体的に、左右のころ4間に位置する内輪3の外周面には、環状の突部6dを有するつば6が形成され、左右のころ4の軸方向外側に位置する内輪3の外周面には、つば輪7がそれぞれ取り付けられている。また、突部6dは、左右のころ4の軸方向内側の環状板5,5の両方を軸方向に規制する。
【0044】
なお、本実施形態の第1変形例として、図9に示すように、複列ころ軸受は、一方の列(図9中右側)のころ4の長さを、他方の列(図9中左側)のころ4の長さよりも大きくしてもよい。このような左右非対称の複列ころ軸受は、左右の列に異なる荷重が作用する場合に使用され、大きい荷重が作用する側に長さの大きいころを配置し、小さい荷重が作用する側に長さの小さいころを配置する。
【0045】
次に、本実施形態の第2変形例として、図10に示すように、複列ころ軸受は、つば8及びつば輪9を外輪2側に設けてもよい。具体的に、左右のころ4間に位置する外輪2の内周面には、環状の突部8dを有するつば8が形成され、左右のころ4の軸方向外側に位置する外輪2の内周面には、つば輪9がそれぞれ取り付けられている。
【0046】
また、本実施形態の第3変形例として、図11に示すように、図10に示す第2変形例の複列ころ軸受に対して、内輪3の外周面の一端部(図11中左端部)に小つば10が形成されてもよい。小つば10の外径は、環状板5の内径より小さく、ころ4の軸方向外側の端面4wから離間している。この構造は、例えば、圧延機の圧延ロール支持用のころ軸受のように、ころ軸受の取り外しを考慮し、ころ軸受からころが外れにくい構造である。なお、小つば10は、ころ軸受の用途に応じて位置を適切に選択して設けることができる。例えば、小つば10は、図9において、外輪2の内周面の一端部に設けてもよいし、図2において、外輪2の内周面の一端部に設けてもよいし、図5において、内輪3の外周面の一端部に設けてもよい。
その他の構成及び作用効果については、上記第1又は第2実施形態と同様である。
【0047】
(第4実施形態)
次に、図12図17を参照して、本発明に係るころ軸受の第4実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0048】
本実施形態では、図12に示すように、ころ4の一対の軸部4dの端面にねじ穴4hが形成され、ねじ穴4hにボルト13が取り付けられる。そして、ボルト13の頭部となるフランジ13aにより環状板5の軸部4dからの脱落が防止される。また、ねじ穴4hは、ころ4の軸心CLの位置に形成されている。
【0049】
本実施形態によれば、ボルト13に設けられたフランジ13aにより、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて、一対の環状板5と複数のころ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりすることができ、分解性及び組立性、即ち、メンテナンス性を向上することができる。なお、ころ軸受1の稼動時における環状板5の脱落を防止する役割は、つば6の突部6d及びつば輪7の突部7dが果たしている。
【0050】
次に、本実施形態の第1変形例として、図13に示すように、ボルト13が取り付けられたころ4は、内輪3の左右両側につば輪7を取り付けた構造にも適用できる。
【0051】
また、本実施形態の第2変形例として、図14に示すように、つば6及びつば輪7が突部6d,7dを有しない構造としてもよい。本変形例における、フランジ13aを有するボルト13は、ころ軸受1の稼動時において環状板5の脱落を防止する役割を果たすと同時に、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりするための役割も果たしている。
【0052】
また、本実施形態の第3変形例として、図15に示すように、内輪3の左右両側につば6を有し、つば6が突部6dを有しない構造としてもよい。本変形例においても、フランジ13aを有するボルト13は、ころ軸受1の稼動時において環状板5の脱落を防止する役割を果たす。また、本変形例は、つば輪7が設けられていないため、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりする必要のないときに使用してもよい構造である。
【0053】
また、本実施形態の第4変形例として、図16に示すように、ころ4の両端面4wと軸部4dとの間に新たな段部4eを設けてもよい。したがって、環状板5は、段部4eとフランジ13aによって軸方向位置を規制されている。また、本変形例においても、つば6及びつば輪7に突部6d,7dを有しない構造である。本変形例によれば、ころ4に新たな段部4e((環状板5の外径−環状板5の内径)/2>段部4eの直径)を設けるため、ころ4と環状板5とのすべり速度を小さくすることができ、これにより、摩擦による発熱や環状板5の摩耗(ころ4よりも環状板5の方が軟らかい場合)を低減させることができる場合がある。
【0054】
また、本実施形態の第5変形例として、図17に示すように、つば6及びつば輪7の突部6d,7dを環状板5の軸方向内側面ところ4の両端面4wとの間に形成してもよい。この場合、環状板5は、突部6d、7dとフランジ13aによって軸方向位置を規制されている。本変形例は、例えば、ころ4の両端面4wと環状板5とを接触させたくない場合や、第4変形例のように、ころ4に新たな段部4eを設けられない場合の対応策の1つである。
【0055】
なお、該変形例は、内輪3の左右両側につば6を有する構造であってもよい。また、本変形例は、突部6d,7dを環状板5の軸方向内側面ところ4の両端面4wとの間に形成しているため、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりする必要のないときに使用してもよい構造である。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0056】
(第5実施形態)
次に、図18〜22を参照して、本発明に係るころ軸受の第5実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0057】
本実施形態では、図18に示すように、一対の環状板5の内周面の軸方向内端部に突部5eをそれぞれ形成すると共に、つば6及びつば輪7の外周面の軸方向内端部に、突部5eを回転可能に嵌合させる段部6e,7eをそれぞれ形成する。そして、本実施形態では、一対の環状板5の突部5eとつば6及びつば輪7の段部6e,7eとの接触により、環状板5の脱落が防止されている。
【0058】
また、環状板5をころ案内で使用する場合、図19Aに示すように、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1は、つば6の外周面と環状板5の内周面との間の隙間Δ2(つば輪7の外周面と環状板5の内周面との間の隙間)より小さく設定されている。また、環状板5の突部5eの軸方向外端面5e1とつば6(つば輪7)の段部6e(段部7e)の径方向に沿う垂直面61は接触可能であり、環状板5の突部5eの内周面とつば6(つば輪7)の段部6e(段部7e)の外周面は非接触である。
【0059】
また、環状板5を内輪案内で使用する場合、図19Bに示すように、つば6の外周面と環状板5の内周面との間の隙間Δ2(つば輪7の外周面と環状板5の内周面との間の隙間)は、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1より小さく設定されている。また、環状板5の突部5eの軸方向外端面5e1とつば6(つば輪7)の段部6e(段部7e)の径方向に沿う垂直面61は接触可能であり、環状板5の突部5eの内周面とつば6(つば輪7)の段部6e(段部7e)の外周面は非接触である。なお、ころ案内、内輪案内は、機械や設備等の使用条件等によって決められる。
【0060】
また、本実施形態の第1変形例として、図20に示すように、外輪2は、図18に示す内輪3の外周面のつば輪7と径方向に対向する部分につば8を形成してもよい。もちろん、外輪2は、図18に示す内輪3の外周面のつば6と径方向に対向する部分につば8を形成してもよい。
【0061】
また、本実施形態の第2変形例として、図21に示すように、一対の環状板5の突部5eにより、環状板5の脱落を防止する構造は、第2実施形態に適用されてもよい。即ち、一対の環状板5の外周面の軸方向内端部に突部5eをそれぞれ形成すると共に、つば8(つば輪9)の内周面の軸方向内端部に、突部5eを回転可能に嵌合させる段部8e,9e(図22参照)をそれぞれ形成する。
【0062】
この場合も、環状板5を外輪案内で使用する場合、図21に示すように、つば8の内周面と環状板5の外周面との間の隙間Δ3(つば輪9の内周面と環状板5の外周面との間の隙間)は、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1より小さく設定されている。また、環状板5の突部5eの軸方向外端面5e1とつば8(つば輪9)の段部8e(段部9e)の径方向に沿う垂直面81は接触可能であり、環状板5の突部5eの外周面とつば8(つば輪9)の段部8e(段部9e)の内周面は非接触である。なお、環状板5をころ案内で使用する場合、ころ4の軸部4dの外周面と環状板5の貫通穴5aの内周面との間の隙間Δ1は、つば8の内周面と環状板5の外周面との間の隙間Δ3より小さく設定されている。
【0063】
また、本実施形態の第3変形例として、図22に示すように、つば8及びつば輪9を外輪2側に設けると共に、突部5eを環状板5の外周面の軸方向内端部に形成し、さらに、内輪3は、図22に示す外輪2のつば輪9と径方向に対向する部分につば6を形成してもよい。もちろん、内輪3は、図22に示す外輪2のつば8と径方向に対向する部分につば6を形成してもよい。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
(第6実施形態)
次に、図23を参照して、本発明に係るころ軸受の第6実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0065】
本実施形態では、図23に示すように、つば輪7が内輪3の外周面に外嵌する構造(図2参照)ではなく、つば輪7が内輪3の内周面に内嵌するインロー構造になっている。具体的には、内輪3の内周面の軸方向外端部に凹状の段部3fを形成すると共に、つば輪7の軸方向内側面の内径側端部に段部3fに内嵌する突部7fを形成する。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
(第7実施形態)
次に、図24A及び図24Bを参照して、本発明に係るころ軸受の第7実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0067】
本実施形態では、図24Aに示すように、図23における内輪3とつば輪7のインロー構造を取り去って、固定手段(六角穴付ボルト等)11によりつば輪7を内輪3に取り付けている。この場合、図24Bに示すように、内輪3及びつば輪7に互いに連通するピン挿入穴3h,7hを形成し、そのピン挿入穴3h,7hに位置決めピンPを挿入して、内輪3とつば輪7の中心合わせを容易且つ確実に行っている。なお、位置決めピンPは、2ヶ所設けられていればよいが、3ヶ所以上設けられていてもよい。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0068】
(第8実施形態)
次に、図25及び図26を参照して、本発明に係るころ軸受の第8実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0069】
本実施形態は、図25及び図26に示すように、ころ4を1本以上(本実施形態では1本)抜き取り、空いたスペースに一対の環状板5を軸方向に連結する柱部14を配置した構造である。柱部14は、ころ4と接触することなくころ4と平行に配置され、その両端が環状板5に固定手段(ねじ、溶接等)により固定されている。また、柱部14は、周方向に90度の間隔で配置されている。なお、本実施形態は、上記したボルト13を使用できない場合、且つ環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりしたい場合に有効である。
【0070】
本実施形態の場合、柱部14の固定手段の使用により、製造コストが増加することとなるが、稼動時に生じる側板間の周方向のねじれを考慮した上で、環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりするのに充分な強度を有していればよく、ピン形保持器(特開昭53−000358号)のように柱部(ピン)へのころの衝突を考慮しなくてよいので、柱部14の数(固定手段の数)が少なくて済み、製造コストの増加を抑えることができる。なお、稼動時に生じる側板間の周方向のねじれを考慮した上で、引き抜いたり、吊り上げたりするのに充分な強度を有していれば、柱部14の数は2以上の任意の数から選ぶことができるが、負荷容量の観点から柱部14の数は少ない方が好ましい。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
(第9実施形態)
次に、図27を参照して、本発明に係るころ軸受の第9実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0072】
本実施形態では、図27に示すように、ころ4の一対の軸部4dを、軸方向外側に向かうに従って縮径するテーパー形状にしている。本実施形態によれば、軸部4dの形状を軸方向外側に向かうに従って縮径するテーパー形状にしているため、ころ4の両端面4wと環状板5が接触せず、摩擦による発熱や環状板5の摩耗を低減することができる。しかしながら、テーパーの角度が大きくなればなるほど(軸部4dの形状が軸方向外側に向かうに従って細くなればなるほど)突部6d、7dの軸方向内側面と環状板5の軸方向外側面との摩擦による発熱が大きくなるので、テーパーの角度は小さいほうがよい。なお、軸部4dの形状や段部4e(図16参照)は、使用条件などによって選択してよい。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0073】
(第10実施形態)
次に、図28及び図29を参照して、本発明に係るころ軸受の第10実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
【0074】
本実施形態は、図28に示すように、ころ4の軸部4dを別部品とし、この軸部4dをねじ等の固定手段によりころ4の両端面4wに取り付けた構造である。
【0075】
次に、本実施形態の変形例として、図29に示すように、別部品にした軸部4dの軸方向外端部にフランジ4fを形成してもよい。
【0076】
本変形例によれば、軸部4dの軸方向外端部に設けられたフランジ4fにより、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて、一対の環状板5と複数のころ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりすることができ、分解性及び組立性、メンテナンス性を向上することができる。なお、ころ軸受1の稼動時における環状板5の脱落を防止する役割は、つば6の突部6d及びつば輪7の突部7dが果たしている。
【0077】
また、つば6及びつば輪7が突部6d,7dを有しない構造とした場合、軸部4dのフランジ4fは、ころ軸受1の稼動時において環状板5の脱落を防止する役割を果たすと同時に、ころ軸受1の分解時及び組立時などにおいて環状板5ところ4とを同時に引き抜いたり、吊り上げたりするための役割も果たしている。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
【0078】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、本発明を単列又は複列の円筒ころ軸受に適用した場合を例示したが、これに限定されず、図30に示す単列の円すいころ軸受、図31に示す複列の円すいころ軸受、図32に示す自動調心ころ軸受、四列の円筒ころ軸受、及び四列の円すいころ軸受に本発明を適用してもよい。
さらに、例えば、図15に示すつばを外輪に設けてもよい(このとき内輪は、つばを有しない)。
また、本発明のころの軸部と回転可能に嵌合する穴部は、上記実施形態の貫通穴に限定されず、有底穴であってもよい。
また、つば輪が周辺の部品等によって内輪(内輪につば輪を設けている時)や外輪(外輪につば輪を設けている時)に対して正しく固定されているような場合は、固定手段(六角穴付ボルト等)11や位置決めピンPを設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ころ軸受
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 内輪
3a 内輪軌道面
6、8 つば
6d、8d 突部
7、9 つば輪
7d、9d 突部
7g 段部
4 ころ
4w 両端面(端面)
4d 軸部
5 環状板(保持器)
5a 貫通穴(穴部)
11 固定手段(六角穴付ボルト等)
CL 軸心
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33