特開2020-23157(P2020-23157A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-23157記録ヘッドユニット及び画像形成装置及びラインヘッドモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23157(P2020-23157A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】記録ヘッドユニット及び画像形成装置及びラインヘッドモジュール
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20200121BHJP
【FI】
   B41J2/01 307
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-102702(P2019-102702)
(22)【出願日】2019年5月31日
(31)【優先権主張番号】特願2018-142170(P2018-142170)
(32)【優先日】2018年7月30日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 剛史
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056FA13
2C056HA02
2C056HA08
2C056HA11
(57)【要約】
【課題】ラインヘッド本体に高度な加工をすることなく、かつ簡単な構成及び少ない部品点数で位置調整機構を設けた記録ヘッドユニット及びこれを備えた画像形成装置を提供することができ、高速、高画質、小型化を全て達成することが可能な記録ヘッドユニット及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の記録ヘッドを有するラインヘッドモジュール22と、装置本体4に固定されラインヘッドモジュール22が少なくとも一つ搭載された本体プレート28とを有し、ラインヘッドモジュール22は、本体プレート28に対するラインヘッドモジュール22の記録ヘッド長手方向における位置を調整する第1の調整機構35と、本体プレート28に対するラインヘッドモジュール22の回転方向における位置を調整する第2の調整機構36とを有する記録ヘッドユニット2。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録ヘッドを有するラインヘッドモジュールと、装置本体に固定され前記ラインヘッドモジュールが少なくとも一つ搭載された本体プレートとを有し、
前記ラインヘッドモジュールは、前記本体プレートに対する該ラインヘッドモジュールの記録ヘッド長手方向における位置を調整する第1の調整機構と、前記本体プレートに対する該ラインヘッドモジュールの回転方向における位置を調整する第2の調整機構とを有する記録ヘッドユニット。
【請求項2】
請求項1記載の記録ヘッドユニットにおいて、
前記ラインヘッドモジュールは、該ラインヘッドモジュールを前記本体プレートに固定する少なくとも2箇所の被固定部を有し、一つの前記被固定部には前記第1の調整機構が、他の一つの前記被固定部には前記第2の調整機構がそれぞれ設けられていることを特徴とする記録ヘッドユニット。
【請求項3】
請求項1または2記載の記録ヘッドユニットにおいて、
前記第1の調整機構及び前記第2の調整機構は、前記ラインヘッドモジュールの前記記録ヘッド長手方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側、かつ前記ラインヘッドモジュールの前記記録ヘッド長手方向と直交する記録ヘッド短手方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側にそれぞれ配設されていることを特徴とする記録ヘッドユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一つに記載の記録ヘッドユニットにおいて、
前記第1の調整機構及び前記第2の調整機構は、前記ラインヘッドモジュールの外周辺から進退自在であると共に対応する前記本体プレートに対して接離可能な調整部を有し、該調整部は、少なくとも先端にテーパ形状部を有するねじ部材と、前記テーパ形状部に接触して前記ラインヘッドモジュールの外周辺に対して進退する移動部材とを有することを特徴とする記録ヘッドユニット。
【請求項5】
請求項4記載の記録ヘッドユニットにおいて、
前記移動部材が球体であることを特徴とする記録ヘッドユニット。
【請求項6】
請求項4記載の記録ヘッドユニットにおいて、
前記移動部材がC形状板であることを特徴とする記録ヘッドユニット。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一つに記載の記録ヘッドユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
複数の記録ヘッドを備え、画像形成装置の装置本体に固定された本体プレートに取付可能であり、
前記本体プレートに対する記録ヘッド長手方向における取付位置を調整する第1の調整機構と、
前記本体プレートに対する回転方向における取付位置を調整する第2の調整機構とを有するラインヘッドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドユニット及び画像形成装置及びラインヘッドモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
記録ヘッドであるインクジェットヘッドの個別液室に圧力変動を発生させる方式として、複数の方式が実用化及び製品化されている。一例として、個別液室内にヒータを設置して液体を気化させて圧力変動を利用するサーマルインクジェット方式、個別液室にアクチュエータを設置する圧電素子方式や静電方式等が挙げられる。
そして、このように構成された複数の個別液室内にインクを供給し、供給したインクを圧力変動によって個別液室に形成されたノズル孔から所定の圧力によって吐出させ、吐出したインクを被記録媒体に飛翔付着させることによって所望の画像を形成する画像形成装置としてのインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置として、被記録媒体の幅よりも小さく形成された記録ヘッドを被記録媒体上で左右に高速で往復移動させ、被記録媒体を少しずつ搬送して被記録媒体の全体に画像を形成するシリアルヘッド方式と、被記録媒体の幅と同等以上の長さを有する長尺の記録ヘッドで広い面積を一度に画像形成することが可能なラインヘッド方式とが知られている。
高速で画像形成を行うにはラインヘッド方式が適しており、そのためには長尺化した記録ヘッドが必要であるが、長尺化した記録ヘッドを単一の記録ヘッドによって構成するとコストが高くなるため、小さなヘッドモジュールを装置本体のベースプレート上に複数個並べて記録ヘッドユニットを構成することが一般的に行われている。
【0004】
また、出力される画像形成物の画質としては1200dpi以上の高画質が求められており、上述した高速化と高画質化とを両立させるためには、装置本体のベースプレート上に複数個のヘッドモジュールを並設する際に、ベースプレートに対する各ヘッドモジュールの高精度な位置決めが必要となる。上述した1200dpiの画質精度を得るためには数μm以下の位置精度が必要であるが、ヘッドモジュールそのものの加工精度ではその実現は困難であり、高精度な位置決めを行うために複数のヘッドモジュールの位置をそれぞれ調整する必要がある。
しかし従来の構成では、ヘッドモジュール側ではなく装置本体側に位置決め機構が設けられていたため、装置本体が大型化してしまうという問題点があった。また、位置決め機構の構成によっては、調整のために非常に手間と時間がかかってしまうという問題点があった。
シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置において、ヘッドモジュール側に位置調整機構を有する技術が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置では、記録ヘッド側に位置調整機構を有する技術は未だ知られていない。また、「特許文献1」に開示された技術では、ヘッド本体にテーパ加工が必要である等、構成が比較的複雑であると共に部品点数も多くなり、コストアップしてしまうという問題点がある。
本発明は上述の問題点を解決し、簡単な構成でコストアップすることなく記録ヘッド側に位置調整機構を設けた記録ヘッドユニット及びこれを備えた画像形成装置及びラインヘッドモジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、複数の記録ヘッドを有するラインヘッドモジュールと、装置本体に固定され前記ラインヘッドモジュールが少なくとも一つ搭載された本体プレートとを有し、前記ラインヘッドモジュールは、前記本体プレートに対する該ラインヘッドモジュールの記録ヘッド長手方向における位置を調整する第1の調整機構と、前記本体プレートに対する該ラインヘッドモジュールの回転方向における位置を調整する第2の調整機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ラインヘッド本体に高度な加工をすることなく、かつ簡単な構成及び少ない部品点数で位置調整機構を設けた記録ヘッドユニット及びこれを備えた画像形成装置を提供することができ、高速、高画質、小型化を全て達成することが可能な記録ヘッドユニット及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を適用可能なインクジェット記録装置の概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に用いられる記録ヘッドユニット及び維持機構装置を説明する概略図である。
図3】本発明の一実施形態に用いられる本体プレートの概略図である。
図4】本発明の一実施形態に用いられる本体プレートの固定部を説明する概略図である。
図5】本発明の一実施形態に用いられる本体プレートのX基準部及びY基準部及びθ基準部を説明する概略図である。
図6】本発明の一実施形態に用いられるラインヘッドモジュール及び第1調整機構を説明する概略図である。
図7】本発明の一実施形態に用いられるラインヘッドモジュール及び第2調整機構を説明する概略図である。
図8】本発明の一実施形態に用いられる本体プレートに対するラインヘッドモジュールの位置決め固定を説明する概略図である。
図9】本発明の一実施形態に用いられる第1調整機構の概略図である。
図10】本発明の一実施形態に用いられる第1調整機構を説明する概略図である。
図11】本発明の一実施形態に用いられる第2調整機構を説明する概略図である。
図12】本発明の一実施形態の変形例に用いられる移動部材を説明する概略図である。
図13】本発明の一実施形態に用いられるラインヘッドモジュールを説明する概略図である。
図14】本発明の一実施形態に用いられるラインヘッドモジュールを説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態を適用可能な画像形成装置としてのカラープリンタであるインクジェット記録装置1を示している。インクジェット画像形成装置1は、記録媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列を有するライン型の液滴吐出ヘッド(ラインヘッド)を搭載したライン型プリンタである。同図において符号2はブラック、マゼンタ、シアン、イエロの4色にそれぞれ対応した4個のライン型液滴吐出ヘッドである記録ヘッドを備えた記録ヘッドユニットであり、記録ヘッドユニット2の近傍には記録ヘッドユニット2が有する各記録ヘッドに対応した維持機構装置3が配設されている。維持機構装置3が作動するパージ処理、ワイピング処理等のヘッド保全動作時には、維持機構装置3に対応する位置へと記録ヘッドユニット2が移動する。
【0010】
装置本体4の下部に設けられた給紙トレイ5は、ベース6に対して圧板7及び被記録媒体としての記録紙8を給紙する給紙ローラ9が取り付けられて構成されている。圧板7はベース6に取り付けられた回転軸10を中心に回転可能であり、圧板ばね11によって給紙ローラ9に向けて付勢されている。圧板7の給紙ローラ9と対向する部位には、記録紙8の重送を防止するための人工皮革等の高摩擦抵抗部材からなる図示しない分離パッドが設けられている。また給紙ローラ9の近傍には、圧板7と給紙ローラ9とを接離させる図示しないリリースカムが設けられている。
【0011】
上述の構成において、インクジェット記録装置1の待機状態では図示しないリリースカムが圧板7を所定位置まで押し下げており、これにより圧板7と給紙ローラ9との当接が解除されている。そして、この状態で給紙ローラ9よりも用紙搬送方向下流側に配設された搬送ローラ12の駆動力が図示しないギヤ等を介して給紙ローラ9及び図示しないリリースカムに伝達されると、図示しないリリースカムが圧板7から離れて圧板7が上昇することにより給紙ローラ9と記録紙8とが当接し、給紙ローラ9の回転に伴い記録紙8がピックアップされて給紙が開始され、記録紙8は図示しない分離パッドによって1枚ずつに分離される。
【0012】
給紙ローラ9は記録紙8を各記録ヘッド2の下方に位置する用紙搬送手段13に送り込むべく回転し、記録紙8は各ガイド板14,15の間を通過して搬送ローラ12まで導かれ、搬送ローラ12及びこれと対をなすピンチローラ16とによって用紙搬送手段13まで搬送される。その後、インクジェット記録装置1は再び記録紙8と給紙ローラ9との当接を解除した待機状態となり、搬送ローラ12からの駆動力が切断される。図1において符号17は手差し給紙用の第2給紙ローラであり、手差しトレイ18上に載置された記録紙8を図示しない制御装置からの記録信号に従って給紙し、搬送ローラ12とピンチローラ16との間に向けて搬送する。
【0013】
用紙搬送手段13まで搬送された記録紙8は、記録ヘッドユニット2の下方を通過する。このとき、記録ヘッドユニット2からの液滴吐出タイミング及び記録紙8の搬送速度が図示しない制御装置により制御され、これにより記録紙8上に所望の画像が記録される。画像が記録された記録紙8は、排紙ローラ19及び拍車20によって挟持搬送されて排紙トレイ21上に排出される。
上述のインクジェット記録装置1において、記録ヘッドユニット2の上方には、記録ヘッドユニット2に供給する各色インクを収納した図示しないインク収納タンク及び各インク収納タンクから記録ヘッドユニット2に各色インクを供給する図示しないインク供給手段を備えた図示しないインク供給機構が配設されている。
【0014】
図2は、記録ヘッドユニット2及び維持機構装置3の上方から図示しないインク供給機構を取り除いた状態を示している。記録ヘッドユニット2は、ブラック用記録ヘッド2A、イエロ用記録ヘッド2B、マゼンタ用記録ヘッド2C、シアン用記録ヘッド2Dの4色に対応した4種類の記録ヘッド群によって構成されている。各記録ヘッド2A,2B,2C,2Dは使用されるインクの色が異なる点を除いて同一に構成されており、ここではブラック用記録ヘッド2Aを代表して説明する。
記録ヘッド2Aは、複数個の記録ヘッドを有する複数(本実施形態では4個)のラインヘッドモジュール22を被記録媒体である記録紙8の幅方向に並列して有しており、各ラインヘッドモジュール22は装置本体4に固定された本体プレート28に固定されている。
【0015】
記録ヘッドユニット2に隣接して維持機構装置3が配設されている。維持機構装置3は、各ラインヘッドモジュール22に対して着脱可能に構成されインク吸引及び保湿を行う複数のキャップ24、各ラインヘッドモジュール22のインク吐出面から余分なインクを除去する複数のワイパ25等を有している。
維持機構装置3は装置本体4に固定されており、記録ヘッドユニット2及び図示しないインク供給機構が一体的に水平移動動作及び昇降動作を行う。これにより、各ラインヘッドモジュール22が各キャップ24及び各ワイパ25に対して接離動作を行うと共に維持動作が行われる。維持動作は、主に非画像形成動作時において行われる。
【0016】
図3は、各ラインヘッドモジュール22を固定すべく装置本体4に設けられているステンレス製の本体プレート28を示している。本実施形態では、記録ヘッドユニット2が4種類の記録ヘッド2A,2B,2C,2Dを有しており、ラインヘッドモジュール22も4列配置されるため本体プレート28は4列の配設部28a,28b,28c,28dを有している。各配設部28a,28b,28c,28dはそれぞれ同様に構成されているので、配設部28aのみを説明する。
【0017】
配設部28aには、6個の固定部29a,29b,29c,29d,29e,29f及び、配設部28aの長手方向である記録ヘッド長手方向の両端部近傍に配設され図4に一方のみを示す固定部29g,29hが設けられており、配設部28aには4個のラインヘッドモジュール22が取り付けられる。第1のラインヘッドモジュール22は固定部29gと固定部29aとにおいて、第2のラインヘッドモジュール22は固定部29bと固定部29cとにおいて、第3のラインヘッドモジュール22は固定部29dと固定部29eとにおいて、第4のラインヘッドモジュール22は固定部29fと固定部29hとにおいてそれぞれ本体プレート28に固定される。
【0018】
第1ないし第4のラインヘッドモジュール22が固定される配設部28aの対応部位には、各ラインヘッドモジュール22に対して1つずつY基準部30が設けられている。図4図5にも示すY基準部30は配設部28aを構成する本体プレート28に一体的に形成された凸部によって構成されており、Y基準部30は配設部28aにラインヘッドモジュール22が取り付けられる際にラインヘッドモジュール22のY基準面に接触して、ラインヘッドモジュール22の記録紙搬送方向及び記録ヘッド長手方向と直交する記録ヘッド短手方向であるY方向における位置決めを行う。
さらに本体プレート28は、ラインヘッドモジュール22が取り付けられる際に各固定部29a,29b,29c,29d,29e,29f,29g,29hの上面をラインヘッドモジュール22の後述するベースプレート底面に接触して、ラインヘッドモジュール22の高さ方向であるZ方向における位置決めを行う。これ等のY方向及びZ方向の取付位置は、配設部28aにラインヘッドモジュール22が取り付けられる際に部品の精度によって決定される。
【0019】
各固定部29g,29b,29d,29fには、本体プレート28にラインヘッドモジュール22が取り付けられる際に、ラインヘッドモジュール22に設けられた第1の調整機構によってラインヘッドモジュール22の記録紙幅方向、すなわち記録ヘッド長手方向であるX方向における位置決めを行うためのX基準部31が設けられている(図4に固定部29g,29bに設けられたX基準部31のみを示す)。
さらに各固定部29a,29c,29e,29hには、本体プレート28にラインヘッドモジュール22が取り付けられる際に、ラインヘッドモジュール22に設けられた第2の調整機構によってラインヘッドモジュール22の回転方向、すなわちY基準部30を基準とした回転方向であるθ方向における位置決めを行うためのθ基準部32が設けられている(図4図5に固定部29aに設けられたθ基準部32のみを示す)。
【0020】
図6は、一つのラインヘッドモジュール22を示している。ラインヘッドモジュール22は、基板であるステンレス製のベースプレート26にインクを吐出する後述する記録ヘッド及び後述するインク供給系部品や電装部品等が搭載され、これ等がカバー27で覆われることによって構成されている。ラインヘッドモジュール22は図2及び図6に示すように平面視Z形状を呈しており、図2に示すように複数個連続配置してライン化した際に大型化しないように構成されている。ラインヘッドモジュール22には、上述したように平面視Z形状を形成する2箇所の凹部22a,22bが形成されている。
【0021】
ベースプレート26には、ベースプレート26を本体プレート28に固定するための被固定部33が取り付けられている。被固定部33は、ラインヘッドモジュール22の記録ヘッド長手方向であるX方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側、かつラインヘッドモジュール22の記録ヘッド短手方向であるY方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側、すなわち図6及び図7に示すように、各凹部22a,22bに配設されている。被固定部33には、穴部が1箇所とタップが2箇所形成されている。穴部には図示しない固定ねじが挿通され、この図示しない固定ねじが各固定部29に形成されたタップ34に螺合されることにより、ラインヘッドモジュール22が本体プレート28に対して固定される。図4に、各固定部29a,29b,29gに形成されたタップ34をそれぞれ示す。
【0022】
ここで、ラインヘッドモジュール22の構成について説明する。
ラインヘッドモジュール22は、図13及び図14に示すように、インクを吐出する複数の記録ヘッド23、ベースプレート26、カバー部材41、放熱部材42、マニホールド43、プリント基板44、カバー27等を有している。
複数の記録ヘッド23は、それぞれ図示しない、ノズルを形成したノズル板、ノズルに通じる個別液室等を形成する個別流路板、圧電素子を含む振動板、振動板に積層した中間流路板、中間流路板に積層した共通流路板等を有する周知の構成である。
プリント基板44と記録ヘッド23が有する図示しない圧電素子とはフレキシブル配線部材45を介して接続されており、フレキシブル配線部材45には駆動回路であるドライバIC46が実装されている。
【0023】
本実施形態では、複数の記録ヘッド23が間隔を取ってベースプレート26に配置されている。具体的には、図14に示すように、短手方向(図14に示す記録ヘッド長手方向Xに直交する方向)に並設した2個の記録ヘッド23を一組とし、四つの組を長手方向に千鳥状に配置して8個の記録ヘッド23によってラインヘッドモジュール22を構成している。
記録ヘッド23のベースプレート26への取り付けは、ベースプレート26に設けられた図示しない開口部に記録ヘッド23を挿入し、ベースプレート26に接合固定されたカバー部材41に記録ヘッド23のノズル板周縁部を接合して固定している。また、記録ヘッド23の図示しない共通流路部材の外部に設けたフランジ部23aをベースプレート26に接合して固定している。
なお、記録ヘッド23とベースプレート26との固定構造はこれに限定されず、接着、カシメ、ねじ締結等の周知の方法を採用できる。
【0024】
ベースプレート26は、線膨張係数が低い材料で形成されることが好ましい。例えば、鉄にニッケルを添加した42alloy(アロイ)やインバー材等が挙げられる。これにより、記録ヘッド23が発熱してベースプレート26の温度が上昇しても、ベースプレート26の熱膨張が少ないため所定の位置からのノズルのずれが生じにくくなり、インクの着弾位置ずれを抑制できる。
放熱部材42は、4個の記録ヘッド23及びベースプレート26に対向して配置されている。放熱部材42は、金属製で熱伝導率が高い材料が好ましく、アルミニウム、銀、銅、金を含む金属が好適に用いられる。
【0025】
ドライバIC46を搭載したフレキシブル配線部材45は、放熱部材42と図示しない熱伝導テープによって固定されている。これにより、ドライバIC46と放熱部材42とがフレキシブル配線部材45及び図示しない熱伝導テープを介して熱的に結合されている。ここでいう熱的に結合とは、ドライバIC46から発生した熱が放熱部材42に熱伝導される状態にあることを意味している。
カバー27はベースプレート26に取り付けられており、その内部にプリント基板44、マニホールド43、放熱部材42、ドライバIC46を含むフレキシブル配線部材45の一部を収容している。
マニホールド43は、放熱部材42上に接着やパッキン等の手段によって部分的に接触配置されている。これにより、放熱部材42の熱がマニホールド43に伝導してインク温度が上昇することを抑制でき、温度による特性のばらつきを抑制できる。
【0026】
カバー27の外周辺であって各凹部22a,22bと対応する位置には、ラインヘッドモジュール22の記録ヘッド長手方向であるX方向における位置を調整する第1の調整機構としての第1調整機構35(図6参照)と、ラインヘッドモジュール22の回転方向であるθ方向における位置を調整する第2の調整機構としての第2調整機構36(図7参照)とが配設されている。
図8に示すように、固定部29gの近傍であってY基準部30とラインヘッドモジュール22を介して対向する位置には、ラインヘッドモジュール22を図8においてY方向へと付勢する板ばね37が配設されている。また、固定部29a側のラインヘッドモジュール22の突出した外周辺近傍には、ラインヘッドモジュール22を図8においてY方向上方へと付勢する板ばね38と、ラインヘッドモジュール22を図8において−X方向へと付勢する板ばね39とが配設されている。板ばね39は、隣り合うラインヘッドモジュール22との間に配設されている。
【0027】
図9は、第1調整機構35を示している。第1調整機構35は、本体35A及びねじ部材としての調整ねじ35Bから構成されている。
本体35Aは、角柱状の主部35a、主部35aに一体形成された腕部35b、主部35a内に格納される球体35cから主に構成されている。
主部35aの中心部には高さ方向の全域にわたって雌ねじ35dが形成されており、雌ねじ35dの下部には、球体35cがしっくりと嵌合可能である大きさを有し雌ねじ35dに対して直交する方向に、主部35aを貫通するように形成された穴部35eが形成されている。第1調整機構35では、穴部35eの向きは腕部35bが延びる方向に対して直交する方向となるように形成されている。なお、本例では穴部35eは主部35aを貫通する構成としたが、穴部35eは図9において主部35aの奥側側面に対しては必ずしも貫通する必要はなく、球体35cの中心が雌ねじ35dの中心Oの近傍に位置可能となる深さ、例えば図10に示す深さが少なくとも形成されていればよい。
【0028】
腕部35bは、主部35aの下部側方に、一体的に延出形成されている。腕部35bには3個の穴部35f,35g,35hがそれぞれ貫通形成されており、穴部35fは被固定部33に形成された図示しない穴部と対応する位置に、各穴部35g,35hは被固定部33に形成された図示しないタップと対応する位置にそれぞれ形成されている。
この構成より、穴部35fに挿通される図示しない固定ねじが固定部29gに形成されたタップ34に螺合されることにより、ラインヘッドモジュール22及び第1調整機構35が本体プレート28に対して固定される。さらに、各穴部35g,35hに挿通される図示しない固定ねじが被固定部33に形成された図示しない2個のタップにそれぞれ螺合されることにより、第1調整機構35がラインヘッドモジュール22に対して強固に固定される。
【0029】
調整ねじ35Bはその外周面に一様に雄ねじ35iが形成されており、雄ねじ35iは雌ねじ35dに対して螺合可能に構成されている。調整ねじ35Bの上端にはマイナスドライバが嵌合可能な溝部35jが形成されており、溝部35jに嵌合されたマイナスドライバによって回転されることにより、調整ねじ35Bは主部35a内を昇降自在に構成されている。
調整ねじ35Bの下端にはテーパ形状部35kが形成されており、テーパ形状部35kが穴部35e内の球体35cに接触することにより、穴部35eが形成された主部35aの外周面より球体35cの外周面が突出可能に構成されている。
【0030】
次に第2調整機構36について説明する。図8に示すように、第2調整機構36も第1調整機構35と同様に本体36A及びねじ部材としての調整ねじ36Bによって構成されている。調整ねじ36Bは調整ねじ35Bと同じ構成であり、本体36Aは本体35Aに比して球体が嵌入される穴部の位置が異なる点においてのみ相違している。
図11に示すように、本体36Aは主部35aと同様に構成された主部36a及び腕部35bと同様に構成された腕部36bを有し、主部36aの下部には球体35cと同様に構成された球体36cが配設されている。球体36cは、主部36aの下部に形成された穴部36dに嵌入されており、穴部36dの向きは腕部36bが延びる方向と同じ方向となるように形成されている。また腕部36bには、各穴部35f,35g,35hと同様に形成された3個の穴部36e,36f,36gが形成されている。
【0031】
上述の構成より、図8に示すようにラインヘッドモジュール22を本体プレート28上の所定の取付位置に載置し、図示しない固定ねじを各固定部のタップに螺合することによってラインヘッドモジュール22を本体プレート28に対して固定する。このとき、本体プレート28上に複数個のラインヘッドモジュール22が固定されるため、各ラインヘッドモジュール22の本体プレート28に対するX方向位置及びθ方向位置の位置調整が必要となる。この位置調整時において、操作者によって操作される各調整ねじ35B,36Bと、各調整ねじ35B,36Bの操作によって移動する移動部材としての各球体35c,36cによって調整部が構成される。以下に、位置調整方法を説明する。
【0032】
先ず、図示しない固定ねじを各固定部のタップに螺合して、ラインヘッドモジュール22を本体プレート28に対して仮固定する。この仮固定状態において、ラインヘッドモジュール22は所定の力が作用すると移動可能である。仮固定状態から、第1調整機構35の調整ねじ35Bを回して下降させ、この下降に伴い下降するテーパ形状部35kによって球体35cの外周面を主部35aの側面から突出させる。この突出により、板ばね39の付勢力によって図8において−X方向へと付勢されていたラインヘッドモジュール22が球体35cの突出量に応じて図8において+X方向へと移動され、ラインヘッドモジュール22のX方向位置が調整される。
同様に、仮固定状態から第2調整機構36の調整ねじ36Bを回して下降させ、この下降に伴い下降するテーパ形状部によって球体36cの外周面を主部36aの側面から突出させる。この突出により、各板ばね37,38の付勢力によって図8においてY基準部30を中心として反時計回り方向へと付勢されていたラインヘッドモジュール22が球体36cの突出量に応じて図8において時計回り方向へと回動され、ラインヘッドモジュール22のθ方向位置が調整される。
各位置調整後、第1調整機構35及び第2調整機構36に設けられた図示しない固定ねじがタップに対して本締めされることにより、ラインヘッドモジュール22が本体プレート28に対して位置決め固定される。
【0033】
上述の構成によれば、ラインヘッド本体に高度な加工をすることなく、かつ簡単な構成及び少ない部品点数で位置調整機構を設けた記録ヘッドユニット及びこれを備えた画像形成装置を提供することができ、高速、高画質、小型化を全て達成することが可能な記録ヘッドユニット及び画像形成装置を提供することができる。
また、ラインヘッドモジュール22には2箇所の被固定部33が設けられ、各被固定部33に第1調整機構35と第2調整機構36とが設けられているので、位置決め固定可能なラインヘッドモジュール22を小型化することができる。
さらに、第1調整機構35及び第2調整機構36はラインヘッドモジュール22の記録ヘッド長手方向であるX方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側、かつラインヘッドモジュール22の記録ヘッド短手方向であるY方向において最も外側に位置する外周辺よりも内側、すなわち各凹部22a,22bに配設されているので、ラインヘッドモジュール22を複数個設けた場合であっても記録ヘッドユニット2の大型化を防止でき、記録ヘッドユニット2の小型化を図ることができる。
また、位置調整時において操作者によって操作される調整部を有するので、簡単な構成で調整作業を容易に行うことができる。
【0034】
図12は、本発明の一実施形態の変形例において、球体35c,36cに代えて用いられる移動部材としてのC形状板40を示している。C形状板40は一部が切り欠かれたC型形状を呈しており、弾性及び強度を有する金属によって形成されている。C形状板40は中心に穴部40aを有しており、穴部40aの直径は調整ねじ35B,36Bの直径よりも小さくなるように形成されている。C形状板40は、主部35a,36aの下部であって穴部35e,36dが形成されていた位置と同じ位置に配設されており、主部35a,36a内に形成された溝部35mに嵌入されている。溝部35mは、C形状板40の穴部40aに調整ねじ35B,36Bのテーパ形状部35kが挿入されてC形状板40が拡開変形した際に、C形状板40が接触しない大きさに形成されている。
【0035】
この構成により、位置調整時に調整ねじ35B,36Bを下降させるとこの下降に伴い下降するテーパ形状部35kによってC形状板40の穴部40aが拡開され、これによりC形状板40の外周面を主部35aの側面から突出させて上記実施形態と同様にラインヘッドモジュール22の位置が調整される。
この構成によれば、上記実施形態において用いられる球体35c,36cに比して形成が容易なC形状板40を用いて同様の作用効果を得ることができ、コストダウンを図ることができる。
【0036】
上記実施形態及び変形例では、画像形成装置としてカラープリンタを用いた例を示したが、画像形成装置としてはこれに限られず、プリンタ、ファクシミリ、複合機等にも本発明は適用可能である。また本実施形態及び変形例では、画像が形成される被記録媒体として記録紙8を用いる構成を示したが、被記録媒体は記録紙8には限定されず、厚紙、ハガキ、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状を呈し画像形成可能な物質であればどのようなものを用いてもよい。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 画像形成装置(インクジェット記録装置)
2 記録ヘッドユニット
4 装置本体
22 ラインヘッドモジュール
28 本体プレート
33 被固定部
35 第1の調整機構(第1調整機構)
35B,36B ねじ部材(調整ねじ)
35c,36c 移動部材(球体)
35k テーパ形状部
36 第2の調整機構(第2調整機構)
40 移動部材(C形状板)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】特許第4679682号公報
図1
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図5
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