特開2020-23657(P2020-23657A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2020-23657組成物、人工爪組成物、爪加飾材、人工爪、収容容器、像形成装置、及び像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23657(P2020-23657A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】組成物、人工爪組成物、爪加飾材、人工爪、収容容器、像形成装置、及び像形成方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/00 20060101AFI20200121BHJP
   B29C 64/314 20170101ALI20200121BHJP
   B29C 64/124 20170101ALI20200121BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20200121BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20200121BHJP
   A45D 31/00 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   C08F290/00
   B29C64/314
   B29C64/124
   A61K8/81
   A61Q3/02
   A45D31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2019-17699(P2019-17699)
(22)【出願日】2019年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2018-143431(P2018-143431)
(32)【優先日】2018年7月31日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】末永 武範
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅秀
(72)【発明者】
【氏名】森田 充展
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇
(72)【発明者】
【氏名】野口 宗
(72)【発明者】
【氏名】山口 竜輝
【テーマコード(参考)】
4C083
4F213
4J127
【Fターム(参考)】
4C083AC852
4C083AD091
4C083AD092
4C083CC28
4C083EE06
4C083EE10
4F213AA21
4F213AA44
4F213AB04
4F213AH81
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL23
4F213WL96
4J127AA03
4J127AA04
4J127BA031
4J127BB221
4J127BD411
4J127BF611
4J127BF61X
4J127BF61Y
4J127BG171
4J127BG17Y
4J127BG271
4J127BG27Y
4J127CB161
4J127CB391
4J127CC161
4J127EA13
4J127FA46
(57)【要約】      (修正有)
【課題】臭気を低減でき、皮膚感作性について安全な硬化物が得られる組成物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び分子量800以上の重合開始剤を含有する組成物である。

は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは炭素数1〜10のアルキルカルボニルオキシ基又は炭素数1〜10のアルキルオキシカルボニル基を含む置換基を表す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、
皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び
分子量800以上の重合開始剤を含有することを特徴とする組成物。
【化1】
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
【化2】
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化3】
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【請求項2】
前記アクリルアミド化合物が、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)であり、前記一般式(3)中のRが炭素数1〜2のアルキル基である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、5質量%以上40質量%以下である請求項1から2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
分子量800以上の重合開始剤が、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)、1,3−ジ({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン、1,3−ジ({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)−ポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]−ポリ(オキシエチレン)}4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物、ポリブチレングリコールビス(9−オキソ−9H−チオキサンチニルオキシ)アセテート、及び2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロペニルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オンのオリゴマーから選択される少なくとも1種を含む請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記重合開始剤の含有量が、1質量%以上20質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
活性エネルギー線硬化型組成物である請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の組成物が容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の組成物を収容する収容部と、
前記組成物を付与する付与手段と、
前記組成物を硬化させる硬化手段と、
を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の組成物を付与する付与工程と、
前記組成物を硬化させる硬化工程と、
を含むことを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする人工爪組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の人工爪組成物を含むことを特徴とする爪加飾材。
【請求項12】
請求項10に記載の人工爪組成物を硬化してなることを特徴とする人工爪。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、人工爪組成物、爪加飾材、人工爪、収容容器、像形成装置、及び像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
爪を装飾する方法としてジェルネイルが知られている。ジェルネイルは、流動性があり、紫外線や可視光線を照射して硬化する光重合(フォトポリマリゼーション)反応性を有するネイル材料である。
このようなジェルネイルとしては、例えば、ウレタン系樹脂、モノマー、及び重合開始剤を含有する人工爪組成物が提案されている(例えば、特許文献1から4参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、臭気を低減でき、皮膚感作性について安全な硬化物が得られる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための手段としての本発明の組成物は、下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び分子量800以上の重合開始剤を含有する。
【化1】
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
【化2】
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化3】
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、臭気を低減でき、皮膚感作性について安全な硬化物が得られる組成物を提供することができる。
なお、皮膚感作性について安全とは、LLNA法による皮膚感作性試験において、感作性の程度を示すSI(Stimulation Index)値が3以下であることを示す。
また、上記「LLNA法」とは、OECDテストガイドラインとして定められる皮膚感作性試験であり、文献(例えば「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55)に示されるように、皮膚感作性の程度を示すStimulation Index(SI値)が3以下の場合に感作性について問題なしと判断するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である
図2図2は、組成物を用いて立体造形を行う方法の一例について説明する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(組成物)
本発明の組成物は、下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び分子量800以上の重合開始剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【化4】
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
【化5】
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化6】
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【0008】
本発明の組成物は、従来技術では、モノマーや重合開始剤による臭気や皮膚刺激性、皮膚感作性などの課題を有しており、特に安価で容易に調達可能な(メタ)アクリル酸エステル化合物は、皮膚に触れるとアレルギーを引き起こす皮膚感作性について、ほとんどが高い毒性を有しているが、従来技術では、この問題の解決手段は示されていないという知見に基づくものである。
【0009】
本発明の組成物は、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び分子量800以上の重合開始剤を含有することにより、人工爪組成物として好適であり、臭気を低減でき、皮膚感作性について安全な硬化物が得られる。
人工爪組成物は、実際に人体の爪に接触して使用し、日常生活中で爪が水や衝撃などにさらされるという用途上、密着性が重要である。更に、人工爪組成物は人体に直接触れるという性質上、皮膚感作性の安全性の観点からSI値が3以下であることが必要である。そのため、本発明では、硬化時の密着性に優れ、安全性に優れる、SI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレートを用いる。
また、人工爪組成物はその用途上衝撃や傷を受けやすく、耐擦過性が求められる。そのため、ウレタン(メタ)アクリレートとは異なるモノマーの配合が好適に用いられるが、皮膚感作性の安全性及び使用上の臭気の点で、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物及び分子量800以上の重合開始剤を本発明では用いる。
【0010】
本発明の組成物としては、硬化型組成物が好ましい。硬化型組成物としては、熱硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられるが、活性エネルギー線硬化型組成物がより好適である。
なお、本願明細書においては、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0011】
<アクリルアミド化合物>
前記アクリルアミド化合物は、前記一般式(1)で表される。
前記一般式(1)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるXは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表す。
前記炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるYは、前記一般式(2)又は前記一般式(3)を表す。
【0012】
前記一般式(2)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(2)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
【0013】
前記一般式(3)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(3)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記一般式(1)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるXは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表す。
前記炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
前記一般式(1)におけるYは、前記一般式(2)又は前記一般式(3)を表す。
【0014】
前記一般式(2)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(2)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
【0015】
前記一般式(3)におけるRは、直鎖でも分岐鎖でもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記一般式(3)における*は、前記Xとの結合部位を表す。
前記エステル構造を有するアクリルアミド化合物は、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)で表されることが好ましい。
前記一般式(3)のRが炭素数1〜2のアルキル基であることが好ましい。
【0016】
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、単官能で環構造を有しない3級アクリルアミドの末端にエステル構造を有している。一般に、低分子量の3級アクリルアミド化合物は、揮発性を有していることからモノマー独特の臭気を強く感じ、これらの化合物を含む硬化型組成物を扱う上で不快感が生じることになる。
【0017】
そこで、前記一般式(1)で表される3級アクリルアミド化合物は、末端部にエステル構造を有している。そのため、エステル構造による揮発性の低下により、臭気を抑制することができる。また、エステル構造の存在による分子間の相互作用により、硬化性も向上すると考えられる。
【0018】
重合性を示すアクリルアミド基を有し、エステル構造を含まないアクリルアミド化合物は多数市販されている(例えば、N−アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等)が、本発明の効果をすべて満足するものを見出すことは困難である。本発明は、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、中性で適度な極性を有するエステル構造を含むことで、本発明の効果を満足することを見出したものである。
【0019】
次に、前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物の具体例として、例示化合物a群からh群を示すが、これらに限定されるものではない。
【0020】
前記例示化合物a群としては、例えば、以下に示すa1からa6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
<<例示化合物a1群>>
【化7】
【0022】
<<例示化合物a2群>>
【化8】
【0023】
<<例示化合物a3群>>
【化9】
【0024】
<<例示化合物a4群>>
【化10】
【0025】
<<例示化合物a5群>>
【化11】
【0026】
<<例示化合物a6群>>
【化12】
【0027】
前記例示化合物b群としては、例えば、以下に示すb1からb6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
<<例示化合物b1群>>
【化13】
【0029】
<<例示化合物b2群>>
【化14】
【0030】
<<例示化合物b3群>>
【化15】
【0031】
<<例示化合物b4群>>
【化16】
【0032】
<<例示化合物b5群>>
【化17】
【0033】
<<例示化合物b6群>>
【化18】
【0034】
前記例示化合物c群としては、例えば、以下に示すc1からc6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
<<例示化合物c1群>>
【化19】
【0036】
<<例示化合物c2群>>
【化20】
【0037】
<<例示化合物c3群>>
【化21】
【0038】
<<例示化合物c4群>>
【化22】
【0039】
<<例示化合物c5群>>
【化23】
【0040】
<<例示化合物c6群>>
【化24】
【0041】
前記例示化合物d群としては、例えば、以下に示すd1からd6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
<<例示化合物d1群>>
【化25】
【0043】
<<例示化合物d2群>>
【化26】
【0044】
<<例示化合物d3群>>
【化27】
【0045】
<<例示化合物d4群>>
【化28】
【0046】
<<例示化合物d5群>>
【化29】
【0047】
<<例示化合物d6群>>
【化30】
【0048】
前記例示化合物e群としては、例えば、以下に示すe1からe6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
<<例示化合物e1群>>
【化31】
【0050】
<<例示化合物e2群>>
【化32】
【0051】
<<例示化合物e3群>>
【化33】
【0052】
<<例示化合物e4群>>
【化34】
【0053】
<<例示化合物e5群>>
【化35】
【0054】
<<例示化合物e6群>>
【化36】
【0055】
前記例示化合物f群としては、例えば、以下に示すf1群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0056】
<<例示化合物f1群>>
【化37】
【0057】
前記例示化合物g群としては、例えば、以下に示すg1からg6群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0058】
<<例示化合物g1群>>
【化38】
【0059】
<<例示化合物g2群>>
【化39】
【0060】
<<例示化合物g3群>>
【化40】
【0061】
<<例示化合物g4群>>
【化41】
【0062】
<<例示化合物g5群>>
【化42】
【0063】
<<例示化合物g6群>>
【化43】
【0064】
前記例示化合物h群としては、例えば、以下に示すh1群の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0065】
<<例示化合物h1群>>
【化44】
【0066】
前記例示化合物a群からh群の中でも、例示化合物a1−1、例示化合物a1−4、例示化合物a6−1、例示化合物d1−1、例示化合物d1−2、例示化合物d1−4、例示化合物d1−5、例示化合物d3−2、例示化合物d4−1、例示化合物d4−5、例示化合物d6−1、例示化合物d6−4、例示化合物g1−1、例示化合物g1−2、及び例示化合物g1−5が好ましく、例示化合物d1−1、例示化合物d1−2、例示化合物g1−1、例示化合物g1−2、及び例示化合物g1−5が、硬化性の点からより好ましい。
【0067】
前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物は、異なる化合物同士を2種以上混合して用いることができ、この場合の異なる化合物には構造異性体も含まれる。混合比は特に限定されない。
アクリルアミド化合物の含有量は、組成物の全量に対して、10質量%以上98質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が更に好ましい。
【0068】
<ウレタン(メタ)アクリレート>
皮膚感作性試験のSI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレートとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、巴工業株式会社製CN9002などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートはSI値が3以下であり、SI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレートを用いることで皮膚感作性において安全である。
なお、SI値(Stimulation Index)とは皮膚感作性の程度を示す指標であり、OECDテストガイドライン429などで定められるLLNA法で求められる。 SI値が3以下の場合に感作性なしと判断するものであり、このことは、例えば、次の文献に示されている(参考文献:「機能材料」2005年9月号、Vol.25、No.9、P55)。
SI値は小さいほど皮膚感作性の程度が低く、2以下がより好ましく、1.6以下が更に好ましい。
【0069】
皮膚感作性試験のSI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、組成物の全量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下が更に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が1質量%以上50質量%以下であると、臭気を低減でき、皮膚感作性について安全な硬化物が得られる。
【0070】
<上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物及びSI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレート以外のその他の重合性化合物>
上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物及びSI値が3以下であるウレタン(メタ)アクリレート以外のその他の重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類に代表される公知の重合性モノマーを適用できる。
その他の重合性化合物を併用することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度、硬化物の硬度や密着性などを容易に調整することができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物以外の重合性化合物として、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
【0071】
一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物以外の重合性化合物の含有量は、組成物の全量に対して、1質量%以上60質量%が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0072】
<分子量800以上である重合開始剤>
分子量800以上である重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)(IGM社製、「Omnipol 910」)、1,3−ジ({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン(Lambson社製、「Speedcure7010」)、1,3−ジ({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)−ポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]−ポリ(オキシエチレン)}4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物(Lambson社製、「Speedcure7040」)、ポリブチレングリコールビス(9−オキソ−9H−チオキサンチニルオキシ)アセテート(IGM社製、「Omnipol TX」)、高分子型チオキサンテン化合物(Lahn AG社製、「Genepol TX−2」)、2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロペニルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オンのオリゴマー[ベンゼン,(1−メチルエチニル)−,ホモポリマー,ar−(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−オキソプロピル)誘導体](IGM社製、「Esacure ONE」)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、重合開始剤のことを単に開始剤とも称することがある。
【0073】
分子量800以上である重合開始剤は、α−アミノケトン系の重合開始剤であって、発光ピーク波長が365nm、385nm、395nm、又は405nmである紫外線発光ダイオードの波長に対して吸収感度を有する重合開始剤である。これらの発光ピーク波長に対して吸収感度を有する重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド系の重合開始剤やα−アミノケトン系の重合開始剤が知られている。しかし、アシルホスフィンオキサイド系の重合開始剤として知られている「ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、商品名:Irgacure819」等は、本発明の組成物に用いられるエステル構造を有するアクリルアミド化合物に対して溶解性が劣る。そのため、上記のような溶解性の劣る重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物に対し、波長365nm〜405nmに発光ピークを有する紫外線を、紫外線発光ダイオードを用いて照射した場合、実用的な硬化性を実現することは困難であった。
一方で、分子量800以上である重合開始剤は、本発明の組成物に用いられるエステル構造を有するアクリルアミド化合物に対して溶解性が優れる。そのため、及びエステル構造を有する一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、及び分子量800以上である重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型組成物に対し、波長365nm以上405nm以下に発光ピークを有する紫外線を、紫外線発光ダイオードを用いて照射した場合、実用的な硬化性を実現することができる。
【0074】
分子量800以上である重合開始剤の含有量は、組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましく、5質量%以上10質量%以下が更に好ましい。
また、組成物中における、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物の含有量の分子量800以上である重合開始剤の含有量に対する質量比は、5以上25以下が好ましく、8以上20以下がより好ましく、9以上19以下が更に好ましい。
【0075】
<分子量800以上の重合開始剤以外のその他の重合開始剤>
分子量800以上の重合開始剤以外のその他の重合開始剤としては、熱重合開始剤と光重合開始剤とがある。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。光重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
【0076】
分子量800以上の重合開始剤以外のその他の重合開始剤は、組成物の全量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
分子量800以上の重合開始剤以外のその他の重合開始剤を併用することにより、使用目的に合わせて、組成物の硬化性や粘度、硬化物の硬度や密着性などを容易に調整することができる。
【0077】
本発明の組成物は、活性エネルギー線照射による重合開始剤の分解を促進させるため、更に増感剤を含んでいてもよい。
増感剤は活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となり、その状態で重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱等の作用により重合開始剤の化学変化(分解、ラジカル、酸又は塩基の生成)を促進する。光重合開始剤に対する増感剤の質量比は、5×10−3以上200以下が好ましく、0.02以上50以下がより好ましい。
【0078】
増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、波長が350nm以上450nm以下の領域に吸収波長を有する増感色素を用いることができる。増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリリウム類(例えば、スクアリリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)などが挙げられる。
【0079】
本発明の組成物は、更に共増感剤を含んでいてもよい。共増感剤は、増感色素の活性エネルギー線に対する感度を一層向上させたり、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制したりする。
共増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等のアミン系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等のチオール及びスルフィド類などが挙げられる。
【0080】
本発明の組成物は、更に重合禁止剤を含んでいてもよい。これにより、組成物の保存性(保管安定性)を高めることができる。また、組成物を加熱し粘度を低下させて吐出する場合の熱重合によるヘッド詰まりを防ぐことができる。
重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、アルミニウムのクペロン錯体などが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、組成物の全量に対して、200ppm以上20,000ppm以下が好ましい。
【0081】
<その他の成分>
本発明の組成物は、更に必要に応じて、その他の成分として、例えば、色材、有機溶媒、安定剤、可塑剤、増粘剤、防腐剤、放熱剤、生体適合性物質、繊維強化材料などが挙げられる。
【0082】
色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。なお、本発明の組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】
<有機溶媒>
本発明の組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
【0084】
可塑剤は、モノマーにより形成されるポリマーに柔軟性を付与することができ、例えば、ポリエチレングリコールエステル、末端がキャップされたポリエステル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸、グルタル酸ジオクチル、トリグリセリド、シュウ酸ジオクチル、リン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチルなどが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
繊維強化材料は、特に限定されないが、組成物の耐衝撃性を増強するための、スチレン、アクリロニトリル等の天然ゴム又は合成ゴムを含む。
安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤及びフリーラジカル安定剤が挙げられる。前者は、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄等を含み、後者は、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体を含む。
【0085】
<組成物の調製>
本発明の組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、SI値が3.0以上のウレタン(メタ)アクリレート、分子量800以上の重合開始剤、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
【0086】
<粘度>
本発明の組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃〜65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また、当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
【0087】
<硬化手段>
本発明の組成物を硬化させる硬化手段としては、加熱硬化又は活性エネルギー線による硬化が挙げられ、これらの中でも活性エネルギー線による硬化が好ましい。
組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
これらの中でも、省エネルギー化や装置小型化の観点から、紫外線発光ダイオード(以下、UV−LEDともいう)から照射される波長285nm以上405nm以下(好ましくは365nm以上405nm以下)にピークを有する紫外線が好ましい。なお、重合開始剤の光吸収スペクトルは一般にブロードであって、狭小な特定波長域を照射するUV−LEDを用いることは、組成物の硬化性向上を困難にする。そのため、UV−LEDを用いたとしても硬化性に優れる本発明の組成物を用いることが好ましい。
【0088】
<用途>
本発明の組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の組成物は、2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図1図2に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図1は、本発明の組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図2は、本発明の組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
更に、本発明の組成物は、2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、例えば、組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が、爪や爪状のプラスチック基材上に形成された構造体を加工してなる人工爪も含む。本発明の組成物は除去性と爪密着性に優れることから、特に人工爪組成物のベースコートとして好適である。
【0089】
(人工爪組成物、爪加飾材、人工爪)
本発明の人工爪組成物は、本発明の組成物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の人工爪組成物には、本発明の特性を損なわない範囲において、顔料、染料などの着色剤、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、難燃剤、有機充填剤、酸化防止剤、重合禁止剤、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合してもよい。
爪加飾材とは、爪の装飾又は補強のために使用されるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュア、ジェルネイルなどが挙げられる。
人工爪には、爪(自爪)に合成樹脂製の付け爪を形成するものも含まれる。
【0090】
本発明の人工爪組成物は、ヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布した後、露光によって硬化し、人工爪を形成する組成物である。また、本発明の人工爪組成物により形成された人工爪は、有機溶剤等を用いた除去方法によって除去することも可能である。
本発明における人工爪とは、ヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に、美装及び/又は保護を目的に形成される層を指す。また、例えば、上記他の人工爪としては、爪の美装及び/又は保護を目的とする任意の形状の樹脂基材(付け爪)などが挙げられる。
なお、「ヒト及び動物の爪、並びに、他の人工爪」を、単に「爪」ともいう。
【0091】
上記人工爪の形状は、特に制限はなく、所望の形状に形成すればよい。例えば、爪の表面を被覆するように形成してもよいし、爪の一部のみに形成してもよいし、ネイルフォーム等を使用し爪の延長のため、爪よりも大きな形状に形成してもよい。
また、本発明の人工爪組成物は、塗布により厚みを制御することができる。人工爪全体の厚みとしては、一般に人工爪がとりうる範囲であれば、特に制限されるものではないが、耐久性及び除去性の観点から、10μm以上2,000μm以下の範囲であることが好ましい。
【0092】
人工爪の構成は、一例として、爪から近い順に、プライマー層(ベース層のみで爪との密着力が不足する場合、密着力を向上させるための爪とベース層の間の層)、ベース層(密着力を向上させ、爪への色移りを防止するための爪とカラー層の間の層)、カラー層(色材を含む層)、トップ層(耐久性、光沢、美観を向上させるための最も外側の層)、等のいずれか1つ以上を含む層構造であることが一般的であるが、本発明の人工爪組成物は、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層のいずれにも好適に用いることができる。
中でも、耐久性及び除去性の観点から、本発明の人工爪組成物を硬化してなる層が爪と接していることが好ましい。
また、本発明の人工爪組成物によって形成した人工爪層の上層(人工爪層を基準とした時に爪と反対側の面)又は下層(人工爪層と爪との間の面)に、別途、色、ツヤ及び/又は密着を出す目的で、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層を有していてもよい。
【0093】
本発明の人工爪組成物は、爪加飾材としての光硬化性人工爪組成物(「ジェルネイル用人工爪組成物」ともいう。)であり、活性エネルギー線により硬化可能な人工爪組成物である。
【0094】
<<収容容器>>
本発明の収容容器は、組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の組成物が収容された容器は、組成物カートリッジや組成物ボトルとして使用することができ、これにより、組成物の搬送や組成物の交換等の作業において、組成物に直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、組成物へのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが好ましい。
【0095】
<<像の形成方法、形成装置>>
本発明の像の形成方法について、本発明の組成物を付与する工程は、特に制限はなく、筆等の塗布具を用いてもよいし、本発明の組成物を吐出する方法なども挙げられ、また硬化工程は、活性エネルギー線を用いてもよいし、加熱なども挙げられる。本発明の組成物を活性エネルギー線で硬化させるためには、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、本発明の組成物を筆等の塗布具で塗布する工程、塗布手段や、吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法としては、特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型などが挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式などが挙げられる。
【0096】
図1は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図1の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の組成物とは組成が異なる第二の組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図1では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。また、造形物支持基板37に手や指を載せ、爪に像形成してもよい。
【実施例】
【0097】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものでは
ない。
【0098】
<SI値の評価方法>
前記SI値はLLNA法(Local Lymph Node Assay)による皮膚感作性試験に従い、以下のようにして測定した。
【0099】
[試験材料]
<<陽性対照物質>>
前記陽性対照物質としては、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(HCA、和光純薬工業株式会社製)を使用した。
【0100】
<<媒体>>
前記媒体としては、アセトン(和光純薬工業株式会社製)とオリーブ油(フヂミ製薬所製)を、体積比(アセトン:オリーブ油)=4:1で混合した混合液を使用した。
【0101】
<<使用動物>>
被験物質、陽性対照、媒体対照のそれぞれについて、マウスの雌に対し6日間の検疫を含む8日間の馴化を行った。検疫、馴化期間中、全ての動物に異常は認められなかった。
感作開始2日前に測定した体重を用いて、体重層別無作為抽出法で、個体の体重が全体の平均体重±20%以内となるように2群(4匹/群)に群分けした。感作開始時の動物の週齢は8〜9週齢であった。群分けにより外れた動物は試験から除外した。
使用した動物は、試験期間を通して尾部への油性インク塗布により識別し、併せてケージはラベルをつけて識別した。
【0102】
<<飼育環境>>
使用動物は、検疫、馴化期間中を含む全飼育期間を通して、温度21℃〜25℃、相対湿度40%〜70%、換気回数10〜15回/時間、明暗サイクル12時間感覚(7時点灯〜19時消灯)に設定したバリアーシステムの飼育室で飼育した。
飼育ケージはポリカーボネート製ケージを使用した。使用動物は4匹/ケージで飼育した。
飼料は、実験動物用固形飼料MF(オリエンタル酵母工業株式会社製)を使用し、使用動物に自由摂取させた。飲料水は、塩素濃度が略5ppmとなるように次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス、オーヤラックス社製)を添加した水道水を、給水びんにより、使用動物に自由摂取させた。床敷はサンフレーク(モミ材、電気かんな削りくず、日本チャールス・リバー社製)を使用した。飼料及び飼育用器材は、オートクレープ滅菌(121℃、30分間)したものをそれぞれ使用した。
ケージ及び床敷は、群分け時及び耳介リンパ節摂取日(飼育室からの搬出時)に交換し、給水びん及びラックは、群分け時に交換した。
【0103】
[試験方法]
<<群構成>>
SI値の測定試験で使用した群構成を、表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
[調製]
<<被験物質>>
表2に被験物質の秤量条件を示す。被験物質をメスフラスコに秤量し、媒体を加えながら1mLに定容した。調製液は、遮光した気密容器(ガラス製)に入れた。
【0106】
【表2】
【0107】
<<陽性対照物質>>
略0.25gのHCAを正確に秤量し、媒体を加えながら1mLとして25.0w/v%液を調製した。調製物は、遮光した気密容器(ガラス製)に入れた。
【0108】
<<BrdU>>
5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU、ナカライテスク株式会社製)200mgをメスフラスコに正確に秤量し、生理食塩液(大塚製薬工業株式会社製)を加えて超音波照射し、溶解させた。その後、20mLに定容して10mg/mL液(BrdU調製液)を調製した。調製液は、滅菌濾過フィルターを用いて濾過滅菌し、滅菌容器に入れた。
【0109】
<<調製時期及び保管期間>>
陽性対照物質調製液は感作開始前日に調製し、使用時以外は冷所で保管した。媒体及び被験物質調製液は各感作日に調製した。BrdU液は、投与の2日前に調製し、投与日まで冷所に保管した。
【0110】
[感作及びBrdU投与]
<<感作>>
各被験物質及び陽性対照物質の調製液及び媒体を動物の両耳介にそれぞれ25μLずつ塗布した。塗布には、マイクロピペッターを用いた。この操作を1日1回、3日間連続して行った。
【0111】
<<BrdUの投与>>
最終感作の略48時間後に1回、BrdU調製液を動物1匹あたり0.5mL、腹腔内投与した。
【0112】
[観察及び検査]
<<一般状態>>
試験に使用した全動物について、感作開始日から耳介リンパ節採取日(飼育室からの搬出日)まで、1日1回以上観察した。なお、観察日の起算法は、感作開始日をDay1とした。
【0113】
<<体重測定>>
感作開始日及び耳介リンパ節採取日(飼育室からの搬出日)に体重を測定した。また、群ごとの体重の平均値及び標準誤差を算出した。
【0114】
<<耳介リンパ節の採取及び質量測定>>
BrdU投与の略24時間後に動物を安楽死させ、耳介リンパ節を採取した。周囲組織を取り除き、両側耳介リンパ節を一括して質量測定した。また、群ごとの耳介リンパ節重量の平均値及び標準誤差を算出した。質量測定後、個体毎に−20℃に設定されたバイオメディカルフリーザーで凍結保存した。
【0115】
<<BrdU取り込み量の測定>>
耳介リンパ節を室温に戻した後、生理食塩液を加えながらすり潰し、懸濁させた。この懸濁液を濾過した後、個体ごとに3wellずつ、96wellマイクロプレートに分注し、ELISA法によりBrdU取り込み量の測定を行った。試薬は、市販のキット(Cell Proliferation ELISA、BrdU colorimetric、Cat.No.1647229、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を使用し、マルチプレートリーダー(FLUOstar OPTIMA、BMG LABTECH社製)より得られた各個体の吸光度(OD370nm−OD492nm、BrdU取り込み量)について、3wellの平均値を各個体のBrdU測定値とした。
【0116】
[結果の評価]
<<Stimulation Index(SI)の算出>>
下記式で示すように、各個体のBrdU測定値を、媒体対照群のBrdU測定値の平均値で除して、各個体のSI値を算出した。各試験群のSI値は、各個体のSIの平均値とした。なお、SI値は、小数点以下第2位を四捨五入して小数点第1位まで表示した。
【0117】
【数1】
【0118】
<組成物の構成成分>
組成物の調製に用いた原材料の略号、化合物名、メーカー名及び製品名を表3−1及び表3−2に示した。アクリルアミド化合物であるモノマーは、合成例1〜6に示す方法で合成した。合成した化合物の同定は核磁気共鳴分光法(使用装置:日本電子株式会社製「JNM−ECX500」)で実施し、純度の測定はガスクロマトグラフ法(使用装置:株式会社島津製作所製「GCMS−QP2010 Plus」)で実施した。これらの化学分析は定法により実施した。
【0119】
【表3-1】
【0120】
【表3-2】
*(C−1):ウレタン(メタ)アクリレート(巴工業株式会社製、CN9002、SI値=1.6)
【0121】
(合成例1)
<N−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)の合成>
N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、試薬)0.30モル、炭酸カリウム(関東化学株式会社製、試薬)0.45モル、及び水400mLを0℃〜10℃で撹拌混合し、その温度を保ったままアクリル酸クロリド(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.33モルをゆっくり滴下した。滴下終了後、酢酸エチル(関東化学株式会社製、試薬)400mLで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて水400mLで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧下40℃で留去して、目的のN−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)0.20モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.3質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルグリシンメチルエステル(A1−1)の分子量は157.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号72065−23−7)。
【0122】
(合成例2)
<N−アクリロイル−N−メチルグリシンエチルエステル(A1−2)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−メチルグリシンエチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−メチルグリシンエチルエステル(A1−2)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルグリシンエチルエステル(A1−2)の分子量は171.2であり、公知の化合物である(CAS登録番号170116−05−9)。
【0123】
(合成例3)
<メタクリロイルオキシエチルアクリルアミド(A1−3)の合成>
N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(東京化成工業株式会社製)(13.0g、113mmol)を脱水ジクロロメタン(70mL)中に加え、フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、トリエチルアミン(17.2g、170mmol)を加えた。混合物を約−10℃に冷却した後、メタクリル酸クロライド(14.6g、140mmol)を、系内温度が−10℃〜−5℃になるようにゆっくりと滴下し、その後、2時間室温下で撹拌した。析出物を濾過によって取り除き、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して茶色油状物を得た。
得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(Wakogel C300 500g)により精製して、無色油状物13.0g(収率:約66%)を得た。
以上により、メタクリロイルオキシエチルアクリルアミド(A1−3)を合成した。
【0124】
(合成例4)
<N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−4)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−4)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−イソプロピルグリシンイソプロピルエステル(A1−4)の分子量は213.3であった。
【0125】
(合成例5)
<N−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−5)の合成>
合成例1において、N−メチルグリシンメチルエステル塩酸塩をN−メチルアラニンメチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社製、試薬)に変更した以外は、合成例1と同様にして、目的のN−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−5)0.22モルをほぼ無色透明の液体として得た。純度は98.5質量%であった。
なお、N−アクリロイル−N−メチルアラニンメチルエステル(A1−5)の分子量は171.2であった。
【0126】
(実施例1〜12及び比較例1〜4)
<組成物の作製>
表4から表6に示す各成分を均一に混合し、メンブランフィルターでろ過して粗大粒子を除去し、実施例1〜12及び比較例1〜4の各組成物を作製した。
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
<皮膚感作性の評価>
上記の方法で作製された組成物のSI値(Stimulation Index)を、OECDテストガイドライン429などで定められるLLNA法で求め、表7及び表8に示した。なお、B以上が、実用可能である。
[評価基準]
A:SI値が1.6未満
B:SI値が1.6以上3以下
C:SI値が3超6未満
D:SI値が6以上
【0131】
<臭気の評価>
各組成物の臭気を、次の(1)〜(3)の手順により確認し、下記評価基準に基づいて、「臭気のなさ」を評価した。表7及び表8に示した。
(1)50mLのサンプル瓶(ガラス瓶)に、約100mg(0.1g)の各組成物を秤り取り、フタをした。
(2)室温(25℃)条件下で、30分間放置した。
(3)サンプル瓶(ガラス瓶)に鼻を近づけて、フタを開けた時の臭気を嗅いだ。
[評価基準]
A:臭いを感じない又は感じても不快ではない
B:特有の臭気により不快感が生じる
C:特有の臭気により強い不快感が生じる
【0132】
【表7】
【0133】
【表8】
【0134】
表7及び表8の結果から、実施例1〜12の組成物は、比較例1〜4の組成物に比べて、皮膚感作性及び臭気に優れており、人工爪組成物として好適に適用可能であることがわかった。
【0135】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物、
皮膚感作性試験のSI値が3以下のウレタン(メタ)アクリレート、及び
分子量800以上の重合開始剤を含有することを特徴とする組成物である。
【化1】
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかを表す。
【化2】
ただし、前記一般式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化3】
ただし、前記一般式(3)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
<2> 前記アクリルアミド化合物が、前記一般式(1)中のYが前記一般式(3)であり、前記一般式(3)中のRが炭素数1〜2のアルキル基である前記<1>に記載の組成物である。
<3> 前記アクリルアミド化合物の含有量が、30質量%以上90質量%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の組成物である。
<4> 前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、5質量%以上40質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の組成物である。
<5> 分子量800以上の重合開始剤が、ポリエチレングリコール200−ジ(β−4(4−(2−ジメチルアミノ−2−ベンジル)ブタノニルフェニル)ピペラジン)、1,3−ジ({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−[1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル)オキシ]アセチルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパン、1,3−ジ({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシ)−2,2−ビス({α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]}オキシメチル)プロパンと{α−4−(ジメチルアミノ)ベンゾイルポリ(オキシエチレン)−ポリ[オキシ(1−メチルエチレン)]−ポリ(オキシエチレン)}4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートの混合物、ポリブチレングリコールビス(9−オキソ−9H−チオキサンチニルオキシ)アセテート、及び2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロペニルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オンのオリゴマーから選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の組成物である。
<6> 前記重合開始剤の含有量が、1質量%以上20質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の組成物である。
<7> 有機溶剤を含まない前記<1>から<6>のいずれかに記載の組成物である。
<8> 活性エネルギー線硬化型組成物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の組成物である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物が容器中に収容されてなることを特徴とする収容容器である。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物を収容する収容部と、
前記組成物を付与する付与手段と、
前記組成物を硬化させる硬化手段と、
を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置である。
<11> 前記硬化手段が、波長365nm以上405nm以下にピークを有する紫外線を照射するUV−LEDである前記<10>に記載の像形成装置である。
<12> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物を付与する付与工程と、
前記組成物を硬化させる硬化工程と、
を含むことを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法である。
<13> 前記硬化工程において、波長365nm以上405nm以下にピークを有する紫外線をUV−LEDで照射する前記<12>に記載の像形成方法である。
<14> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物を含有することを特徴とする人工爪組成物である。
<15> 前記<14>に記載の人工爪組成物を含むことを特徴とする爪加飾材である。
<16> 前記<14>に記載の人工爪組成物を硬化してなることを特徴とする人工爪である。
【0136】
前記<1>から<8>のいずれかに記載の組成物、前記<9>に記載の収容容器、前記<10>から<11>のいずれかに記載の2次元又は3次元の像形成装置、前記<12>から<13>のいずれかに記載の2次元又は3次元の像形成方法、前記<14>に記載の人工爪組成物、前記<15>に記載の爪加飾材、及び前記<16>に記載の人工爪によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0137】
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 組成物
6 硬化層
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0138】
【特許文献1】特開2015−209390号公報
【特許文献2】特許第5240939号公報
【特許文献3】特開2015−189668号公報
【特許文献4】特開2016−141634号公報
図1
図2