特開2020-23824(P2020-23824A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23824(P2020-23824A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】水栓装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20200121BHJP
   E03C 1/044 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   E03C1/042 B
   E03C1/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-148727(P2018-148727)
(22)【出願日】2018年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 駿
(72)【発明者】
【氏名】姜 賢▲ジン▼
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BB01
2D060BB07
2D060BC30
2D060BE15
2D060BF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成により、一次側流路内の圧力を容易に開放することができる水栓装置を提供する。
【解決手段】給水管からの水が流通する一次側流路(給水流路C)が形成された水栓本体110を備えている。水栓装置は、水栓本体110に一次側流路と外部の空間とを連通する連通部(開口部113)が設けられており、連通部には、一次側流路内の圧力が所定の圧力以下のときには一次側流路と外部の空間との連通を遮断した状態を維持し、一次側流路内の圧力が所定の圧力を超えたときには一次側流路と外部の空間とを連通する圧抜き機構部(圧抜き機構付き栓1)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管からの水が流通する一次側流路が形成された水栓本体を備えた水栓装置であって、
前記水栓本体には、前記一次側流路と外部の空間とを連通する連通部が設けられており、
前記連通部には、前記一次側流路内の圧力が所定の圧力以下のときには前記一次側流路と外部の空間との連通を遮断した状態を維持し、前記一次側流路内の圧力が前記所定の圧力を超えたときには前記一次側流路と外部の空間とを連通する圧抜き機構部が設けられていることを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
前記連通部の前記外部側の開口を含む前記水栓本体を覆うカバーを備えていることを特徴とする請求項1記載の水栓装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記連通部から排出される水を受ける水受部を有していることを特徴とする請求項2記載の水栓装置。
【請求項4】
前記圧抜き機構部は、前記水栓本体に埋没して設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の水栓装置を開示している。この水栓装置は、水抜き栓としての水抜きキャップを備えている。この種の水抜き栓は、主に寒冷地仕様の水栓装置において使用される。水抜き栓は、水栓装置の給水流路に設けられる。水抜き栓は、気温の低下が予測される際に緩められて給水流路内の空間を外部空間に連通して水を排出することで、凍結による内圧の上昇によって内部部品が破損してしまうのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−179927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような水抜き栓による水抜き作業は、手動操作により行わなければならないため煩雑であった。また、作業を怠ってしまったり、気温低下が不測のものであったり等、水抜き作業が実施されなかった場合には、水栓装置を破損させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成により、一次側流路内の圧力を容易に開放することができる水栓装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水栓装置は、
給水管からの水が流通する一次側流路が形成された水栓本体を備えた水栓装置であって、
前記水栓本体には、前記一次側流路と外部の空間とを連通する連通部が設けられており、
前記連通部には、前記一次側流路内の圧力が所定の圧力以下のときには前記一次側流路と外部の空間との連通を遮断した状態を維持し、前記一次側流路内の圧力が前記所定の圧力を超えたときには前記一次側流路と外部の空間とを連通する圧抜き機構部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この水栓装置は、一次側流路と外部の空間とを連通する連通部に圧抜き機構部を設けている。圧抜き機構部は、一次側流路内の圧力が所定の圧力を超えたときには、一次側流路と外部の空間とを連通する。このように、水栓装置は、一次側流路の内圧の上昇が生じた際には、自動的に一次側流路内の圧力を開放することができる。また、自動的に圧力を開放することができるので、給水配管側からの凍結が生じた場合等においては、手動操作による水抜き作業を行う必要がない。このため、水抜き作業の実施の有無に依らず、一次側流路内の圧力を確実に開放することができる。
【0008】
したがって、本発明の水栓装置は、簡易な構成により、一次側流路内の圧力を容易に開放することができる。
【0009】
なお、上記「所定の圧力」とは、一般的な水道の通常状態における水圧0.05MPa〜0.75MPaに対し、2.5MPa〜3.5MPa程度を意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る水栓装置を示す斜視図(その1)である。
図2】実施例1に係る水栓装置を示す斜視図(その2)である。
図3】実施例1に係る水栓装置において、カバーを取り外した状態を示す斜視図(その1)である。
図4】実施例1に係る水栓装置において、カバーを取り外した状態を示す斜視図(その2)である。
図5】実施例1に係る水栓装置を示す平面断面図である。
図6】実施例1に係る水栓装置を示す正面断面図である。
図7】実施例1に係る圧抜き機構付き栓(圧抜き機構部)を示す断面図である。
図8】実施例1に係る圧抜き機構付き栓(圧抜き機構部)を示す分解斜視図である。
図9】実施例2に係る水栓装置を示す正面断面図である。
図10】実施例2に係る圧抜き機構付き栓(圧抜き機構部)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0012】
本発明の水栓装置は、前記連通部の前記外部側の開口を含む前記水栓本体を覆うカバーを備え得る。この場合、カバーによって連通部の開口を外部から視認不能とすることができるので、意匠性の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の水栓装置において、前記カバーは、前記連通部から排出される水を受ける水受部を有し得る。この場合、水受部によって圧抜きの際に排出される水を受けることができるので、排水の直接的な飛散の抑制を図ることができる。
【0014】
本発明の水栓装置において、前記圧抜き機構部は、前記水栓本体に埋没して設けられ得る。この場合、圧抜き機構部を設けたことによる水栓装置の意匠性の低下を抑制することができる。
【0015】
次に、本発明の水栓装置を具体化した実施例1及び2について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、上下、左右の方向については、図6及び図9に表れる向きをそのまま上下、左右方向と定義し、前後の方向については、図5に表れる下方を前方、上方を後方と夫々定義して説明する。
【0016】
<実施例1>
実施例1の水栓装置100は、壁取り付け型の混合水栓である。水栓装置100は、本体部101と、温調操作ハンドル102と、吐出操作ハンドル103と、を備えている。本体部101は、左右方向を長手方向とする角柱形状をなしており、その後面が壁面に取り付けられる。温調操作ハンドル102及び吐出操作ハンドル103は、本体部101の左右方向の端部にそれぞれ設けられている。
【0017】
本体部101は、金属製の水栓本体110を樹脂製のカバー120により覆う形態で構成されている。カバー120は、図1及び図2に示すように、上部カバー部材121、下部カバー部材122、及び後部カバー部材123の3つの部材で構成されている。上部カバー部材121及び下部カバー部材122は、水栓本体110と、後述する給湯側取付脚104及び給水側取付脚105とを上下から挟み込んでそれら全体を覆っている。後部カバー部材123は、これら上部カバー部材121及び下部カバー部材122に後方から差し込まれる形態で取り付けられている。後部カバー部材123は、上部カバー部材121及び下部カバー部材122に対して前後方向にスライド自在に設けられており、水栓装置100が壁面に取り付けられた状態において壁面との間に隙間が形成されないように調整可能な構成とされている。また、下部カバー部材122には、後述する下部吐出口110Cに取り付けられるキャップ部材107、及び後部吐出口110Dに取り付けられるシャワーエルボ109を露出させる開口が形成されている。
【0018】
また、図2及び図6に示すように、カバー120は水受部122Aを有している。水受部122Aは、下部カバー部材122の後述する開口部113の下方に対応する位置に設けられている。水受部122Aは、後述する圧抜き機構付き栓1から排出される水を受ける。
【0019】
水栓本体110は、図5に示すように、給湯口110A、給水口110B、下部吐出口110C、及び後部吐出口110Dと、これらを連通して湯水を流通させる流路と、が形成されている。また、図5に示すように、水栓本体110には、混合弁111及び切替弁112が収納されている。水栓本体110は、給湯口110A及び給水口110Bと、下部吐出口110C及び後部吐出口110Dとが混合弁111及び切替弁112を介して流路により連通されている。すなわち、これら混合弁111及び切替弁112は、水栓本体110内に形成された水の流路に設けられている。
【0020】
給湯口110A及び給水口110Bには、給湯側取付脚104及び給水側取付脚105の各一端がそれぞれ接続されている。給湯側取付脚104及び給水側取付脚105の各他端は、壁面に引き出された給湯管及び給水管(図示せず)にそれぞれ接続されている。水栓本体110は、これら給湯側取付脚104及び給水側取付脚105を介して、給湯管及び給水管(図示せず)からの湯及び水が供給される。なお、給湯口110A及び給水口110Bのそれぞれには、上流側への逆流を防止する逆止弁106が設けられている。
【0021】
混合弁111は、給湯口110A及び給水口110Bの下流側に配されている。混合弁111と給湯口110Aとの間には給湯流路Hが形成されている。また、混合弁111と給水口110Bとの間には給水流路Cが形成されている。混合弁111は、給湯流路H及び給水流路Cを介して給湯口110A及び給水口110Bから供給される湯及び水を混合する。混合弁111は、温調操作ハンドル102の操作により湯と水を所望の比率で混合する。
【0022】
切替弁112は混合弁111の下流側に配されている。切替弁112と混合弁111との間には湯水流路Mが形成されている。切替弁112は、湯水流路Mを介して混合弁111から供給される湯水の吐出と止水の切り替えを行う。切替弁112は、吐出操作ハンドル103の操作により、下流側の下部吐出口110C又は後部吐出口110Dへの吐出と止水とを切り替える。
【0023】
下部吐出口110C及び後部吐出口110Dは、切替弁112の下流側にそれぞれ形成されている。下部吐出口110Cには、円環状のキャップ部材107及びストレーナ108が取り付けられており、これらを介して水栓装置100の下方へ直接的に湯水を吐出する。後部吐出口110Dにはシャワーエルボ109が取り付けられている。後部吐出口110Dは、シャワーエルボ109を介して図示しないシャワーホースの一端に接続されており、シャワーホースの他端には図示しないシャワーヘッドが取り付けられている。後部吐出口110Dは、このシャワーヘッドから吐出される湯水を吐出する。下部吐出口110Cと切替弁112との間には第1吐出流路E1が形成されている。また、後部吐出口110Dと切替弁112との間には第2吐出流路E2が形成されている。上述のように、下部吐出口110C及び後部吐出口110Dいずれの吐出口へ吐出するかの切り替えは切替弁112により行われる。
【0024】
また、図4及び図6に示すように、水栓本体110の下部には開口部113(本発明に係る連通部として例示する。)が形成されている。開口部113は、上下に延びる筒状に形成されており、一次側流路としての給水流路Cと、水栓本体110の外部空間と、を連通する形態で設けられている。開口部113は、その内周面にめねじ113Aを形成している。
【0025】
開口部113には圧抜き機構付き栓1(本発明に係る圧抜き機構部として例示する。)が設けられている。圧抜き機構付き栓1は、水栓本体110下部の開口部113に螺合により取り付けられている。圧抜き機構付き栓1は、水栓装置100に取り付けられた状態では水栓本体110内に埋没している。詳細には、実施例1の圧抜き機構付き栓1は、開口部113に螺合されて水栓装置100に取り付けられた状態において、開口部113の下端縁部に略面一、または下端縁よりも上方に位置する形態とされる。したがって、水栓本体110に取り付けられた状態の圧抜き機構付き栓1は、水栓本体110とともにカバー120によって覆われて外部からは視認不能な状態とされる。
【0026】
図7及び図8に示すように、圧抜き機構付き栓1は、栓本体10及び弁体20を備えている。また、圧抜き機構付き栓1は、弁体20を閉弁方向に付勢する付勢部材である圧縮コイルばね30と、水栓本体110に取り付けられた際にシール部材として機能するOリング40と、を備えている。圧抜き機構付き栓1は、栓本体10の内部の空間10Aに弁体20及び圧縮コイルばね30が収納されてユニット化されており、水栓本体110に着脱自在に設けられている。
【0027】
栓本体10は開口部113に着脱自在に取り付けられる。また、栓本体10は、開口部113に取り付けられた状態で、給水流路Cと水栓本体110の外部の空間とを連通する連通路が形成されている。栓本体10は、スピンドル11及びスピンドル受12を有している。スピンドル11はガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPSGF)製である。スピンドル11は、筒状部11A、拡径部11B、係止部11C、係合部11D、くびれ部11E及びフランジ部11Fを具備している。筒状部11Aは下側が開口する有底の円筒形状をなしている。拡径部11Bは、筒状部11Aの底壁側端部の外周を筒状部11Aの外径よりも拡径して形成されている。係止部11Cは、後述するスピンドル受12の被係止部12Aに係止している。係止部11Cは、筒状部11Aの周壁をU字状にくり抜いて形成されており、その下端が筒状部11Aの開口側端部に連結されているとともに上端が自由端となる形態の片持ち状に形成されており、所謂スナップフィット構造により係止されている。係止部11Cは、スピンドル11の中心軸周りに180°等配で2箇所に形成されている。
【0028】
係合部11Dは、拡径部11Bの下端面から筒状部11Aの外周面に沿って下方に延びる形態で突出して形成されている。係合部11Dは、後述するスピンドル受12の被係合部12Bに係合している。係合部11Dは、スピンドル11の中心軸周りに180°等配かつ係止部11Cとは90°ずれた位置で、2箇所に形成されている。くびれ部11Eは、筒状部11Aの底壁側の端部から上方に延出する形態で形成されている。くびれ部11EにはOリング40が取り付けられており、これにより開口部113の内周面との間が液密にシールされている。フランジ部11Fは、スピンドル11の上端部に形成されている。フランジ部11Fは、くびれ部11Eの外径よりも大きい外径で形成されており、くびれ部11Eに嵌め込まれたOリング40の抜け止めとして作用するとともに、圧抜き機構付き栓1が開口部113に取り付けられた状態において、開口部113の上端部の内壁に嵌め込まれる。
【0029】
また、スピンドル11には連通孔11Gが形成されている。連通孔11Gは、スピンドル11の中心軸に沿って、筒状部11Aの底壁下面からフランジ部11Fの上面まで貫通して形成されている。また、連通孔11Gの下端側となる筒状部11Aの底壁下面には、テーパ状に下方に突出した突出部11Hが形成されている。この突出部11Hは、弁体20の閉弁時に弁体20が当接して連通孔11Gを閉鎖する弁座とされている。
【0030】
スピンドル受12は黄銅(C3604BD)製である。図7及び図8に示すように、スピンドル受12は、上側が開口する有底の円筒形状をなしている。栓本体10は、このようなスピンドル受12とスピンドル11とを嵌め合わせることにより、その内側に弁体20を収納する空間10Aを形成している。スピンドル受12の周壁には、スピンドル11と嵌め合わされた際に、スピンドル11の係止部11Cが係止される被係止部12A、スピンドル11の係合部11Dが係合される被係合部12Bが設けられている。
【0031】
また、スピンドル受12の底壁には、圧縮コイルばね30のばね座となる凹部12Cと、底壁を上下に貫通する連通孔12Dと、が形成されている。連通孔12Dは、中心軸周りに複数(図4中、3つ)形成されており、スピンドル11とともに形成する栓本体10の内部の空間10Aと外部の空間とを連通している。なお、複数の連通孔12Dのそれぞれは、スピンドル11に形成された連通孔11Gよりも大きい内径で形成されている。また、連通孔12Dは、圧抜き機構付き栓1の水栓装置100への取り付け時の工具掛けとしても使用される。更に、スピンドル受12の外周面にはおねじ12Eが形成されている。おねじ12Eは、開口部113の内周面に形成されためねじ113Aに螺合する。本実施例の栓本体10は、おねじ12Eがめねじ113Aに螺合することにより、開口部113に着脱自在に取り付けられる。また、開口部113に取り付けられた状態の栓本体10は、開口部113に埋没した形態とされる。
【0032】
図7及び図8に示すように、弁体20は、圧力パッキン21及びパッキン受22を有している。圧力パッキン21はフッ素ゴム(FKM)製である。圧力パッキン21は、下方に突出する突起が形成された円柱形状をなしている。圧力パッキン21は、その上面21Aが閉弁時に弁座としてのスピンドル11の突出部11Hに当接する。パッキン受22はポリアセタール(POM)製である。パッキン受22は下部が上部よりも縮径された段差状の柱状に形成されている。パッキン受22には、上方に開口する形態の凹状の有底孔が形成されて圧力パッキン21が嵌め込まれている。パッキン受22は、上部の外周面が断面六角形状に形成されている。パッキン受22の下部の外周面は断面円形状に形成されている。パッキン受22は、断面円形をなす下部が圧縮コイルばね30に挿入され、段差状に形成されている上部の下端に圧縮コイルばね30の上端面が当接している。弁体20は、圧縮コイルばね30の弾性力を受けて上方に付勢され、弁座としての突出部11Hに当接して連通孔11Gを閉鎖している。
【0033】
上述のように、弁体20は、圧縮コイルばね30により閉弁方向、すなわち、圧力パッキン21の上面21Aがスピンドル11の突出部11Hに当接する方向に付勢力が付与された状態で栓本体10内に収納されている。弁体20は、給水流路C内の圧力が所定の圧力以下のときには、圧力パッキン21の上面21Aが突出部11Hに当接した状態である連通孔11Gを閉鎖した状態を維持する。そして、弁体20は、給水流路C内の圧力が所定の圧力を超えたときには、圧力パッキン21の上面21Aが突出部11Hから離間し、連通孔11Gを開放する。本実施例の場合、上記所定の圧力を約3.0MPaに設定している。この圧力は、圧縮コイルばね30の弾性力と、連通孔11Gの開口面積と、を調整して設定される。
【0034】
次に、上記のように構成された実施例1の水栓装置100の作用について説明する。
この水栓装置100において、圧抜き機構付き栓1は、通常状態では、圧縮コイルばね30による弁体20を付勢する力が給水流路C内の圧力による力よりも大きく、弁体20により連通孔11Gを閉鎖した閉弁状態とされている。これにより、水栓本体110内の一次側流路である給水流路Cと外部との連通が遮断された状態とされる。一方、冬季の寒冷地等において水栓装置100の上流側の給水配管からの凍結が発生するなどして給水流路C内の圧力上昇が生じ、給水流路C内の圧力による力が圧縮コイルばね30による弁体20を付勢する力よりも大きくなった場合には、開弁状態とされて給水流路C内の圧力が外部に逃がされる。すなわち、給水流路C内の圧力による力によって弁体20が押し下げられ、連通孔11Gと栓本体10内の空間10Aとが連通し、スピンドル受12の連通孔12Dから外部に圧力を逃がす。換言すると、内圧の上昇によって弁体20が自動的に開弁されることにより、給水流路C内の水が連通路としての連通孔11G、空間10A、及び連通孔12Dを通過して外部に排出される。これにより、内圧の上昇による破損が防止される。
【0035】
また、水栓装置100は、開口部113の外部側の開口を含む水栓本体110全体がカバー120によって覆われている。そして、この開口部113に埋没して取り付けられている圧抜き機構付き栓1を外部からは視認不能な状態としている。これにより、水栓装置100の意匠性の向上が図られるとともに、圧抜き機構付き栓1を取り付けたことによる水栓装置100の意匠性の低下の抑制が図られている。
【0036】
また、圧抜き機構付き栓1の連通孔12Dから排出された水は、下部カバー部材122の水受部122Aで受けられる。すなわち、圧抜き機構付き栓1は、下部カバー部材122の水受部122Aの上方に位置する形態でカバー120内に収容されており、排水の直接的な飛散が抑制されている。
【0037】
以上のように、実施例1の水栓装置100は、給水管からの水が流通する一次側流路としての給水流路Cが形成された水栓本体110を備えている。この水栓本体110には、給水流路Cと外部の空間とを連通する連通部としての開口部113が設けられている。そして、開口部113には、給水流路C内の圧力が所定の圧力以下のときには給水流路Cと外部の空間との連通を遮断した状態を維持し、給水流路C内の圧力が所定の圧力を超えたときには給水流路Cと外部の空間とを連通する圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓1が設けられている。
【0038】
この水栓装置100は、給水流路Cと外部の空間とを連通する連通部としての開口部113に、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓1を設けている。圧抜き機構付き栓1は、給水流路C内の圧力が所定の圧力を超えたときには給水流路Cと外部の空間とを連通する。このように、給水流路Cの内圧の上昇が生じた際には、自動的に給水流路C内の圧力を開放することができる。また、自動的に圧力を開放することができるので、給水配管側からの凍結が生じた場合等においては、手動操作による水抜き作業を行う必要がない。このため、水抜き作業の実施の有無に依らず、給水流路C内の圧力を確実に開放することができる。
【0039】
したがって、水栓装置100は、簡易な構成により、一次側流路としての給水流路C内の圧力を容易に開放することができる。
【0040】
また、開口部113の外部側の開口を含む水栓本体110を覆うカバー120を備えている。これにより、カバー120によって開口部113の開口を外部から視認不能とすることができるので、意匠性の向上を図ることができる。
【0041】
また、カバー120は、開口部113から排出される水を受ける水受部122Aを有している。このため、水受部122Aによって圧抜きの際に排出される水を受けることができるので、排水の直接的な飛散の抑制を図ることができる。
【0042】
また、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓1は、水栓本体110に埋没して設けられている。このため、圧抜き機構付き栓1を取り付けたことによる水栓装置100の意匠性の低下を抑制することができる。
【0043】
また、圧抜き機構付き栓1は、栓本体10と、弁体20とがユニット化されて、連通部としての水栓本体110の開口部113に着脱自在に取り付けられている。このため、水栓装置100側に開口部113を設け、この開口部113に圧抜き機構付き栓1を取り付けることで、圧抜き機構部を有する水栓装置を容易に実現することができる。このため、水栓装置毎に圧抜き機構部を設計して組み入れる必要がなく、圧抜き機構部を有する水栓装置を低コストで実現することができる。
【0044】
<実施例2>
次に、実施例2に係る水栓装置について説明する。実施例2の水栓装置は、圧抜き機構付き栓201を備えている。この圧抜き機構付き栓201は、実施例1と同様の構成に加えて、栓本体が操作部を備えている点等において実施例1と相違する。なお、実施例1と同様の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0045】
実施例2の水栓装置において、圧抜き機構付き栓201は、図9及び図10に示すように、実施例1と同様の構成であるが、栓本体210が操作部213を備えている。操作部213は、水栓本体110との間の止水を開放する操作を行うために設けられている。図9に示すように、操作部213は、水栓本体110の開口部113に取り付けられた状態で開口部113から外方に突出している。また、本実施例の圧抜き機構付き栓201は、開口部113に取り付けられた状態で、カバー120の下部カバー部材122に形成された貫通孔122Bを貫通して外方に突出している。すなわち、実施例2の圧抜き機構付き栓201は、下部カバー部材122の下面よりも下方に突出する形態で、開口部113に取り付けられる。
【0046】
図10に示すように、操作部213は、栓本体210のスピンドル受212の下端から下方に延びる形態で、スピンドル受212と一体的に形成されている。操作部213は、その外周面に平目ローレット(図示せず)が形成されている。操作部213は、水抜き作業を行う際には、このローレットが形成された外周面を指先でつままれて手回し操作される。操作部213には、凹部12Cからスピンドル受212の底壁及び操作部213を貫通して操作部213の下面に開口する連通孔212Dが形成されている。この連通孔212Dは、実施例1における各連通孔12Dの内径よりも大きい内径で、栓本体210の中心軸に沿って1つ形成されている。
【0047】
また、本実施例において、圧抜き機構付き栓201は、図9及び図10に示すように、ソケット202を介して水栓本体110の開口部113に取り付けられている。ソケット202は、その中心軸に沿って貫通する貫通孔202Aが形成された筒状に形成されている。ソケット202は、上部外周面におねじ部202Bが形成されており、下部内周面にめねじ部202Cが形成されている。おねじ部202Bは、スピンドル受212の外周面に形成されたおねじ12Eと同径、同ピッチのねじであり、開口部113のめねじ113Aに螺合する。また、めねじ部202Cは、開口部113のめねじ113Aと同径、同ピッチのねじであり、スピンドル受212のおねじ12Eが螺合する。このようにして圧抜き機構付き栓201をソケット202に螺合するとともに、ソケット202を開口部113に螺合することにより、圧抜き機構付き栓201の外周面とソケット202の内周面との間はOリング40によって液密にシールされ、ソケット202の外周面と開口部113の内周面との間は、ソケット202に取着されたシール部材203によって液密にシールされる。
【0048】
このようなソケット202を介して圧抜き機構付き栓201を水栓本体110に取り付ける場合には、ユニット化された圧抜き機構付き栓201自体の大きさは変更することなく、ソケット202の大きさを変更することで、操作部213の水栓本体110からの突出量を自在に変更することができる。
【0049】
また、手動操作による水抜き作業を行う場合には、操作部213をつまんで、おねじ12Eとめねじ部202Cとの螺合を緩める方向に圧抜き機構付き栓201を回転させる。これにより、Oリング40によるシールが解除され、栓本体210の外周面とソケット202の内周面を伝って水抜きされる。
【0050】
以上より、実施例2の水栓装置もまた、実施例1と同様に、簡易な構成により、の一次側流路としての給水流路C内の圧力を容易に開放することができる。
【0051】
また、実施例2の水栓装置において、圧抜き機構付き栓201の栓本体210は、水栓本体110の開口部113に取り付けられた状態で開口部113から外方に突出しており、水栓本体110との間の止水を開放する操作を行うための操作部213を有している。これにより、従来と同様の手動操作による水抜き作業を行うこともできるので、給水流路C内の圧力を確実に開放することができる。
【0052】
また、実施例2の水栓装置において、圧抜き機構付き栓201は、ソケット202を介して開口部113に取り付けられている。このため、圧抜き機構付き栓の構成は共通とし、ソケットの大きさや長さを変更することで、操作部213を所望の突出量で突出させて開口部113に取り付けることができる。また、ソケットを変更することにより、共通化された1種類の圧抜き機構付き栓201を種々の水栓装置に対応させて取り付けることができる。
【0053】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1及び2では、圧抜き機構部として特定構成の圧抜き機構付き栓を例示したが、圧抜き機構部の構成は特に限定されない。
(2)実施例1及び2では、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓を水栓本体の開口部に螺合により取り付ける形態を例示したが、圧抜き機構付き栓を備える場合には、水栓本体との係合形態は他の形態によるものであってもよい。
(3)実施例1及び2では、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓が弁体を備えており、この弁体が圧縮コイルばねにより付勢されている形態を例示したが、他の付勢手段により付勢される形態であってもよい。
(4)実施例1では、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓を開口部に埋没させる形態を例示したが、これは必須ではない。圧抜き機構部は、開口部に取り付けられた状態において開口部から外方に突出した形態であってもよい。また、水栓本体を覆うカバーが備えられている場合には、栓本体は、開口部及びカバーから外方に突出した形態であってもよい。
(5)実施例2では、圧抜き機構部としての圧抜き機構付き栓がソケットを介して水栓本体の開口部に取り付けられる形態を例示したが、これは必須ではなく、実施例1と同様に、ソケットを介さず、開口部に直接的に取り付けられていてもよい。
(6)実施例1及び2では、水栓本体を覆うカバーが備えられている形態を例示したが、これは必須ではなく、カバーが備えられていなくてもよい。また、水栓装置にカバーが備えられている場合、その構成等は特に限定されない。
(7)実施例1及び2では、圧抜き機構部として、ユニット化されて水栓本体の開口部に着脱自在に取り付けられる圧抜き機構付き栓を例示したが、圧抜き機構が水栓本体に直接的に組み込まれて内蔵された形態、例えば、水栓本体に形成された連通路と、この連通路に組み込まれて一次側流路内の圧力変化に応じて連通路を開閉する弁体と、を有した形態等の他の形態であってもよい。
(8)実施例1及び2では、各部材を特定の材質で形成する形態を例示したが、それらの材質は特に限定されない。
【符号の説明】
【0054】
<符号表>
1,201…圧抜き機構付き栓(圧抜き機構部)
100…水栓装置
110…水栓本体
113…開口部(連通部)
120…カバー
122A…水受部
C…給水流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10