特開2020-23825(P2020-23825A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-23825(P2020-23825A)
(43)【公開日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20200121BHJP
【FI】
   E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-148730(P2018-148730)
(22)【出願日】2018年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 駿
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BC30
2D060BE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水栓本体に対して吐水管のガタつきが生じ難く操作性が良い吐水装置を提供する。
【解決手段】吐水装置は、流出口22を有する水栓本体20と、流出口22に接続される円筒形状の通水管40と、通水管40に連通する吐水管50と、を備えている。通水管40は、流出口22に対して中心軸周りに回転自在となるように、一端が流出口22に接続され、他端から吐水管50が径方向に延びている。吐水装置は、水栓本体20に取り付けられ、通水管40の外周面を覆うカバー部材60を備えている。吐水装置は、通水管40の一端側と流出口22との間、および通水管40の他端側とカバー部材60との間にそれぞれ設けられ、硬質の樹脂製である一対の摺動リング70を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流出口を有する水栓本体と、
前記流出口に接続される円筒形状の通水管と、
前記通水管に連通する吐水管と、
を備え、前記通水管が前記流出口に対して中心軸周りに回転自在となるように前記通水管の一端が前記流出口に接続され、前記吐水管が前記通水管の他端から径方向に延びる吐水装置において、
前記水栓本体に取り付けられ、前記通水管の外周面を覆うカバー部材と、
前記通水管の一端側と前記流出口との間、および前記通水管の他端側と前記カバー部材との間にそれぞれ設けられ、硬質の樹脂製である一対の摺動リングと、
を備えている吐水装置。
【請求項2】
前記摺動リングは、内周面において前記通水管に係合する係合部を有し、
前記通水管は、外周面において前記係合部が係合する被係合部を有する請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記摺動リングは、周方向の所定位置が切断された切り欠き部を有し、前記切り欠き部が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が前記通水管の外周面に当接する請求項1又は2に記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の水栓は、筒状の水栓本体と、吐水管と、を備えている。水栓本体の中央下端には、第1吐水口が形成されている。吐水管は、第1吐水口に回動自在に接続されている。また、吐水管と第1吐水口との間には、湯水の吐水先を切り替える切換弁が設けられている。そして、吐水管は、水栓本体に対して回転移動させて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−270507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような水栓では、切換弁のように接続部分に設けられるシール部材として、一般的にゴム製の弾性部材(Oリング等)が用いられる。しかしながら、接続部分にゴム製のシール部材を用いると、吐水管を水栓本体に対して回転移動させる際に、シール部材が変形し易く、吐水管と水栓本体との間のガタつきが大きくなる虞がある。これにより、水栓の操作性が悪化するという問題が生じ得る。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水栓本体に対して吐水管のガタつきが生じ難く操作性が良い吐水装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の吐水装置は、
流出口を有する水栓本体と、
前記流出口に接続される円筒形状の通水管と、
前記通水管に連通する吐水管と、
を備え、前記通水管が前記流出口に対して中心軸周りに回転自在となるように前記通水管の一端が前記流出口に接続され、前記吐水管が前記通水管の他端から径方向に延びる吐水装置において、
前記水栓本体に取り付けられ、前記通水管の外周面を覆うカバー部材と、
前記通水管の一端側と前記流出口との間、および前記通水管の他端側と前記カバー部材との間にそれぞれ設けられ、硬質の樹脂製である一対の摺動リングと、
を備えている。
【0007】
この吐水装置は、一対の摺動リングが、硬質の樹脂製であり、通水管の一端側と流出口との間、および通水管の他端側とカバー部材との間にそれぞれ設けられている。このような構成では、摺動リングは、吐水管および通水管を水栓本体に対して回転操作させる際に、ゴム製である構成等に比べて変形し難くなる。そのため、水栓本体に対する吐水管のガタつきが生じ難くなり、操作性の良い吐水装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の吐水装置を前面側から見た斜視図である。
図2】水栓本体および本体カバーと吐水部の接続部分を拡大して示す側断面図である。
図3】通水管の斜視図である。
図4】カバー部材の断面斜視図である。
図5】摺動リングの斜視図である。
図6】摺動リングの側面図である。
図7】摺動リングの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の吐水装置は、前記摺動リングが、内周面において前記通水管に係合する係合部を有し得る。前記通水管は、外周面において前記係合部が係合する被係合部を有し得る。
この場合、この吐水装置は、摺動リングの係合部が通水管の被係合部に係合することによって、摺動リングが通水管に確実に組み付けられる。そのため、摺動リングは、通水管から外れることなく流出口やカバー部材に接することで、通水管が流出口およびカバー部材から抜け出ることを防止することができる。
【0011】
本発明の吐水装置は、前記摺動リングが、周方向の所定位置が切断された切り欠き部を有し、前記切り欠き部が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が前記通水管の外周面に当接し得る。
この場合、この吐水装置は、摺動リングを、切り欠き部を介して通水管の外周面に内周面が当接するように通水管に組み付けることができる。そして、摺動リングは、切り欠き部が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管の外周面に当接するため、通水管の外周面に対してずれ難く確実に組み付けることができる。そのため、摺動リングを介して通水管の位置決めを行い易く、流出口の中心軸に対して通水管の中心軸が合わせ易くなり、流出口に対する通水管の組み付け精度を向上させることができる。
【0012】
次に、本発明の吐水装置を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、上下、左右の方向については、図1に表れる向きをそのまま上下、左右方向と定義する。前後方向は、上下、左右方向と直交する方向であり、図1に示す吐水管50が延びる方向が前方側、それとは反対側を後方側と定義する。
【0013】
<実施例1>
図1に示す実施例1の吐水装置10は、例えば浴室に設けられたデッキの上面に設置されるデッキ型の混合水栓である。吐水装置10は、図1に示すように、一対の取付脚部材23と、水栓本体20(図2参照)と、本体カバー12と、温調ハンドル13と、切替ハンドル14と、吐水部30と、を備えている。吐水装置10は、後述する取付脚部材23に形成された供給流路(図示略)から供給される湯や水を、所望の温度となるように混合して吐水部30の吐水口53から吐出させる。
【0014】
水栓本体20は、図2に示すように、ハウジング21、混合弁(図示略)、各種流通路(図示略)を備えている。ハウジング21は、例えば金属によって形成され、混合弁、各種流通路を収容している。ハウジング21は、下端に一対の取付脚部材23が取り付けられている。混合弁は、一方の取付脚部材23が備える給湯路(図示略)から供給された湯と、他方の取付脚部材23が備える給水路(図示略)から供給された水を混合した混合湯又は水を流出する。混合弁は、後述する切替ハンドル14により操作される。
【0015】
水栓本体20は、図示を省略するが、例えば混合用湯流通路、水流通路、湯水流通路等を備えている。混合用湯流通路は、給湯路からの湯が導入され、混合弁に湯を供給する流通路である。水流通路は、給水路からの水が導入され、混合弁に水を供給する流通路である。湯水流通路は、混合弁により混合された混合湯又は水が流通し、吐水部30および後部流出部(水栓本体20の背面に形成され、図示しないシャワーエルボに接続される流通路、図示略)につながる流通路である。
【0016】
また、ハウジング21は、図2に示すように、混合弁により混合された混合湯又は水が流れ出る流出口22が形成されている。流出口22は、略円筒状であり、ネジ山22Aと、凹部22Bと、が形成されている。ネジ山22Aは、流出口22の先端の外周面に形成されている。また、凹部22Bは、流出口22の先端の内周面が凹むように形成されている。凹部22Bの先端部(上端部)は、上方に向かうにつれて外側に位置するように傾斜している。
【0017】
本体カバー12は、例えば樹脂製であり、図1に示すように、水栓本体20の外面を覆っている。図1に示すように、は、前カバー12Aと、後カバー12Bと、によって構成されている。前カバー12Aは、水栓本体20の正面側(前面側)を覆う。後カバー12Bは、水栓本体20の背面側(後面側)を覆う。前カバー12Aおよび後カバー12Bは、互いに取り外し可能になっている。図2に示すように、本体カバー12の上端の外縁には、下方に凹む段差部12Cが形成されている。
【0018】
温調ハンドル13は、水栓本体20の混合弁による混合湯の混合割合を調節する操作ハンドルである。温調ハンドル13は、水平方向に延びる軸周りに回動自在に、水栓本体20に設けられている。切替ハンドル14は、図示しない切替弁等によって流出口22又はシャワーエルボへの吐出と止水とを切り替えるとともに、混合湯又は水の吐出量を調節する操作ハンドルである。切替ハンドル14は、水平方向に延びる軸周りに回動自在に水栓本体20に設けられている。
【0019】
吐水部30は、図2に示すように、通水管40と、吐水管50と、カバー部材60と、一対の摺動リング70と、を備えている。
通水管40は、流出口22に対して中心軸周りに回転自在となるように一端(図2では下端)が流出口22に接続されている。通水管40は、図3に示すように、筒部41と、フランジ部42と、を備えている。筒部41は、円筒形状であり、一端(図3では上端)にフランジ部42が設けられている。筒部41には、通水路41Aと、被係合部41B,41Cと、が形成されている。通水路41Aは、筒部41を貫通する貫通孔である。被係合部41Bは、後述する摺動リング70が係合する溝である。被係合部41Bは、筒部41の長手方向の中心より僅かに他端寄り(図3では下端寄り)の位置において、外周沿って形成されている。被係合部41Cは、筒部41の長手方向の一端(図3では上端)より僅かに他端寄りの位置において、外周に沿って形成されている。
【0020】
フランジ部42は、筒部41の一端において径方向外側に延出する鍔部分である。フランジ部42は、第1凸部42Aと、第2凸部42Bと、が形成されている。第1凸部42Aは、フランジ部42の一端(図3では上端)において、径方向外側に延出している。第2凸部42Bは、第1凸部42Aよりも他端(図3では下端)側に形成されている。第2凸部42Bは、第1凸部42Aよりも外側に突出している。
【0021】
吐水管50は、通水管40を介して、水栓本体20に回動自在に接続されている。吐水管50は、通水管40の他端(図2では上端)から径方向に延びている。吐水管50は、図2に示すように、第1管部51と、第2管部52と、吐水口53(図1参照)と、を備え、L字状に屈曲している。第1管部51は、円形リング状の管であり、通水管40のフランジ部42に外側から覆うようにかしめられている。第2管部52は、第1管部51の上端部から回動軸に略交差する方向に直線状に延びる管である。第2管部52の先端には、吐水口53が設けられている。吐水管50は、水栓本体20の正面前方を中心として、通水管40とともに水平面内で約360°の範囲で回動自在とされている。
【0022】
カバー部材60は、図4に示すように、円筒状に形成されている。カバー部材60は、第1筒部61と、第2筒部62と、を備えている。第1筒部61は、円筒状に形成されている。第2筒部62は、第1筒部61よりも径が大きな円筒状に形成され、第1筒部61と連通している。カバー部材60は、内周面側に、第1溝部63と、第2溝部64と、第3溝部65と、が形成されている。第1溝部63は、カバー部材60の上端側に形成されている。第3溝部65は、第1溝部63の下端側に形成されている。第2溝部64は、第1溝部63と第3溝部65の間において、第1溝部63および第3溝部65よりも浅い溝として形成されている。第3溝部65には、ネジ山66が形成されている。第2筒部62の下端面には、外縁に沿って円形リング状に突出する凸部67が形成されている。
【0023】
一対の摺動リング70は、図5図7に示すように、通水管40の一端側(下端側)と流出口22との間、および通水管40の他端側(上端側)とカバー部材60との間にそれぞれ設けられている。摺動リング70は、硬質の樹脂製である。摺動リング70は、略円筒状に形成され、上下方向に連なった薄肉部分70Aおよび厚肉部分70Bによって構成されている。摺動リング70は、切り欠き部71と、係合部72と、外側縁部73と、3つの突起部74と、が形成されている。切り欠き部71は、摺動リング70の周方向の所定位置を切断するようにして形成されている。係合部72は、摺動リング70の一端(図5では下端)において、丸みを帯びた外形で内側に突出している。外側縁部73は、摺動リング70の一端において外側に突出している。外側縁部73の一端(図5では下端)は、図6に示すように、面取りされている。係合部72および外側縁部73は、厚肉部分70Bを構成する部分である。突起部74は、図7に示すように、摺動リング70の外周面において、中心周りに120°等配で形成される突起である。
【0024】
図2に示すように、通水管40の一端側(下端側)と流出口22(具体的には凹部22B)との間には、パッキン80が設けられている。パッキン80は、断面視で略U字状の円形リング状に形成され、通水管40の一端側(下端側)と流出口22との間の全周をシールしている。
【0025】
次に、水栓本体20と吐水部30の接続構造について説明する。
図2に示すように、通水管40は、流出口22の内側に挿入されている。具体的には、通水管40の下端が、凹部22Bよりも下方に位置している。カバー部材60は、通水管40の外周面を覆い、ネジ山66が流出口22のネジ山22Aに螺合している。カバー部材60の凸部67は、本体カバー12の段差部12Cに上下方向で対向している。このようにして、カバー部材60は、水栓本体20に取り付けられている。
【0026】
下側の摺動リング70は、図2に示すように、通水管40の一端側(下端側、具体的には一端(下端)より他端(上端)寄りの位置)と、流出口22(具体的には、凹部22B)との間に設けられている。具体的には、摺動リング70の薄肉部分70Aが、通水管40の一端側(下端側)と凹部22Bとによって挟まれている。3つの突起部74は、凹部22Bの内周面に接している。厚肉部分70Bは、薄肉部分70Aよりも上方の位置で、通水管40とカバー部材60との間に位置している。また、係合部72は、被係合部41Bに嵌め込まれている。そして、下側の摺動リング70は、切り欠き部71が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管40の外周面に当接している。外側縁部73は、流出口22の先端と、第3溝部65を構成する上側の壁部65Aと、の間に位置している。また、厚肉部分70Bの端部(図2では下側の摺動リング70の上端部)が、壁部65Aに接している。
【0027】
パッキン80は、通水管40の一端側(下端側)と流出口22(具体的には、凹部22B)との間において、下側の摺動リング70の下方に設けられている。パッキン80は、径方向に弾性力を持つように、径方向に弾性変形した状態で設けられている。
【0028】
上側の摺動リング70は、図2に示すように、通水管40の他端側(上端側、具体的には他端(上端)より僅かに一端(下端)寄りの位置)と、カバー部材60(具体的には、第1溝部63)との間に設けられている。係合部72は、被係合部41Cに嵌め込まれている。そして、上側の摺動リング70は、切り欠き部71が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管40の外周面に当接している。薄肉部分70Aの端部(図2では上側の摺動リング70の上端部)が、カバー部材60の上端部と略同じ高さに位置している。また、厚肉部分70Bの端部(図2では摺動リング70の下端部)が、第1溝部63を構成する下側の壁部63Aと離間している。
【0029】
摺動リング70は、吐水管50および通水管40を水栓本体20に対して回転操作させる際に、水栓本体20やカバー部材60から押圧力を受けたとしても、硬質の樹脂製であるため、ゴム製である構成等に比べて変形し難く、摺動抵抗も小さくなる。また、摺動リング70は、ゴム製である構成等に比べて、摺動による経年劣化を抑え、耐久性を向上させることができる。したがって、水栓本体20に対する通水管40および吐水管50のガタつきが生じ難くなり、操作性の良い吐水装置10を実現できる。
【0030】
また、下側の摺動リング70の係合部72が、通水管40の被係合部41Bに係合することによって、下側の摺動リング70が通水管40に確実に組み付けられることになる。そのため、下側の摺動リング70が、第3溝部65の壁部65Aに下方から当接した状態が保たれ、通水管40が流出口22およびカバー部材60から抜け出ることを防止することができる。
【0031】
また、各摺動リング70は、切り欠き部71が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管40の外周面に当接するため、通水管40の外周面に対してずれ難く確実に組み付けられている。これにより、通水管40が、摺動リング70を介して流出口22等によって位置決めし易くなり、流出口22の中心軸に対して通水管40の中心軸が揃い易くなる。したがって、流出口22に対する通水管40の組み付け精度を向上させることができる。
【0032】
また、一対の摺動リング70は、それぞれ同じ構成であるため、部品の共通化を図ることができ、部品の管理も行い易くなる。
【0033】
次に、吐水部30を水栓本体20に取り付ける取付工程について、図2を参照して説明する。
まず、吐水管50が接続された通水管40を用意する。そして、通水管40の他端側(上端側)に摺動リング70を組み付ける。続いて、通水管40をカバー部材60の内部に挿通するようにして、通水管40の外周面をカバー部材60で覆う。その後、摺動リング70を、通水管40の一端側(下端側)に組み付ける。これにより、カバー部材60が通水管40に固定される。このようにして、吐水部30が構成される。
【0034】
続いて、本体カバー12が組み付けられた状態の水栓本体20に対して、パッキン80を凹部22Bに組み付ける。そして、このような状態の水栓本体20に対して、吐水部30を接続する。具体的には、カバー部材60の下端を流出口22の上端に接触させ、ネジ山66をネジ山22Aに螺合させる。パッキン80に挿通した通水管40を、流出口22の内側に挿入する。流出口22の上端は、カバー部材60の第3溝部65と摺動リング70の間に入り込む。このようにして、吐水部30の水栓本体20への取り付けが完了する。
【0035】
以下、本構成の効果を例示する。
実施例1の吐水装置10は、一対の摺動リング70が、硬質の樹脂製であり、通水管40の一端側と流出口22との間、および通水管40の他端側とカバー部材60との間にそれぞれ設けられている。このような構成では、摺動リング70は、吐水管50および通水管40を水栓本体20に対して回転操作させる際に、ゴム製である構成等に比べて変形し難くなる。そのため、水栓本体20に対する吐水管50のガタつきが生じ難くなり、操作性の良い吐水装置10を実現できる。
【0036】
また、摺動リング70は、内周面において通水管40に係合する係合部72を有している。通水管40は、外周面において係合部72が係合する被係合部41Bを有している。
これにより、この吐水装置10は、摺動リング70の係合部72が通水管40の被係合部41Bに係合することによって、摺動リング70が通水管40に確実に組み付けられる。そのため、摺動リング70は、通水管40から外れることなく流出口22やカバー部材60に接することで、通水管40が流出口22およびカバー部材60から抜け出ることを防止することができる。
【0037】
また、摺動リング70は、周方向の所定位置が切断された切り欠き部71を有し、切り欠き部71が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管40の外周面に当接している。
これにより、この吐水装置10は、摺動リング70を、切り欠き部71を介して通水管40の外周面に内周面が当接するように通水管40に組み付けることができる。そして、摺動リング70は、切り欠き部71が狭まる方向に弾性力を持つように内周面が通水管40の外周面に当接するため、通水管40の外周面に対してずれ難く確実に組み付けることができる。そのため、摺動リング70を介して通水管40の位置決めを行い易く、流出口22の中心軸に対して通水管40の中心軸が合わせ易くなり、流出口22に対する通水管40の組み付け精度を向上させることができる。
【0038】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、吐水装置10は、一対の摺動リング70を備えていたが、摺動リング70の数はこれに限定されない。また、通水管40において摺動リング70が係合する位置も任意に設定してもよい。
(2)実施例1では、摺動リング70に、3つの突起部74が形成されていたが、突起部74の数はこれに限定されない。また、摺動リング70において突起部74が形成される位置も任意に設定してもよい。
(3)実施例1では、吐水装置10は、L字状に屈曲した吐水管50を備える形態を例示したが、吐水管50の形状等は特に限定されない。例えば、吐水管50は、いわゆるグースネックのように曲線状に構成されていてもよい。
(4)実施例1では、吐水装置10として、デッキ型の水栓を例示したが、壁取り付け型の水栓であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…吐水装置
20…水栓本体
22…流出口
40…通水管
41B,41C…被係合部
50…吐水管
60…カバー部材
70…摺動リング
71…切り欠き部
72…係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7