特開2020-27060(P2020-27060A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-27060(P2020-27060A)
(43)【公開日】2020年2月20日
(54)【発明の名称】流量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/684 20060101AFI20200124BHJP
【FI】
   G01F1/684 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-152603(P2018-152603)
(22)【出願日】2018年8月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 和明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 優介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健悟
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035AA02
2F035EA03
2F035EA08
(57)【要約】
【課題】逆流による流体の取り込みを抑えて流量検出部の計測誤差を低減できる。
【解決手段】流体を流す流路に設けられる流量測定装置(10,10a〜10g,12,12a〜12f,14,16,16a〜16c,18,18a〜18d)であって、
前記流路から少なくとも流体の一部を取り込む開口部(110)を有する第1分流路(100)と、前記第1分流路から分岐し、前記第1分流路から流される流体の流量を検出する流量検出部(300)を有する第2分流路(200)と、を備え、前記第2分流路は、前記第2分流路が前記第1分流路から分岐する分岐位置とは反対側の端部に少なくとも1つの端開口部(220,220a〜220d)を有するとともに、前記端開口部から前記第2分流路への流体の流入を低減する流入低減構造を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流す流路に設けられる流量測定装置(10,10a〜10g,12,12a〜12f,14,16,16a〜16c,18,18a〜18d)であって、
前記流路から少なくとも流体の一部を取り込む開口部(110)を有する第1分流路(100)と、
前記第1分流路から分岐し、前記第1分流路から流される流体の流量を検出する流量検出部(300)を有する第2分流路(200)と、を備え、
前記第2分流路は、
前記第2分流路が前記第1分流路から分岐する分岐位置とは反対側の端部に少なくとも1つの端開口部(220,220a〜220d)を有するとともに、前記端開口部から前記第2分流路への流体の流入を低減する流入低減構造を有する、流量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流量測定装置(10,10a〜10g)であって、
前記第2分流路は、1つの前記端開口部(220)を有し、
前記流入低減構造は、前記流量検出部と前記端開口部との間の前記第2分流路を画定する壁面から前記第2分流路の内側に向けて突出する突出部(230,230a〜230g)である、流量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の流量測定装置であって、
前記突出部は、前記壁面のうち前記端開口部と対向する対向壁面から突出する、流量測定装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の流量測定装置であって、
前記突出部は、前記端開口部を前記端開口部の中心線方向に投影したとき、前記壁面のうち前記端開口部が投影された領域に重ならない位置に配置される、流量測定装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までのいずれか一項に流量測定装置であって、
前記突出部の形状は、前記流量検出部から前記端開口部に向けて流体が流れるときの流路抵抗が、前記端開口部から前記流量検出部に向けて流体が流れるときの流路抵抗よりも小さくなる形状である、流量測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の流量測定装置(12,12a〜12f)であって、
前記第2分流路は、互いに向かい合う2つの前記端開口部(220a,220b)を有し、
前記流入低減構造は、2つの前記端開口部の間を仕切る仕切り部(240,240a〜240f)であり、
前記仕切り部は、2つの前記端開口部と対向する位置より前記流量検出部の側に厚肉部(244)を有するとともに、2つの前記端開口部と対向する位置において、前記厚肉部より薄い薄肉部(242)を有する、流量測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の流量測定装置であって、
前記仕切り部の形状は、前記流量検出部から前記端開口部に向けて流体が流れるときの流路抵抗が、前記端開口部から前記流量検出部に向けて流体が流れるときの流路抵抗よりも小さくなる形状である、流量測定装置。
【請求項8】
請求項1に記載の流量測定装置(14,16,16a〜16c,18,18a〜18d)であって、
前記第2分流路は、互いに向かい合う2つの前記端開口部(220c,220d)を有し、
前記流入低減構造は、2つの前記端開口部のそれぞれの開口端面の傾きによって構成されており、一方の前記端開口部の前記開口端面の傾きと他方の前記端開口部の前記開口端面の傾きとが、2つの前記端開口部の中心同士を結ぶ対向方向に対して同じ側に傾くように構成されている、流量測定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の流量測定装置(16,16a〜16c)であって、さらに、
2つの前記端開口部のうち少なくとも一方の前記端開口部の前記開口端面の傾きに沿って当該端開口部を前記第2分流路の壁面に投影した範囲に含まれた前記壁面に少なくとも一部が設けられたへこみ部(260,260a〜260c)を備える、流量測定装置。
【請求項10】
請求項8に記載の流量測定装置(18,18a〜18d)であって、さらに、
2つの前記端開口部のうち少なくとも一方の前記端開口部の前記開口端面の傾きに沿って当該端開口部を前記第2分流路の壁面に投影した範囲に含まれた前記壁面から少なくとも一部が前記第2分流路の内側に向けて突出する突出部(280,280a〜280e)を備える、流量測定装置。
【請求項11】
請求項8に記載の流量測定装置であって、さらに、
2つの前記端開口部のうち少なくとも一方の前記端開口部の前記開口端面の傾きに沿って当該端開口部を前記第2分流路の壁面に投影した範囲に含まれた前記壁面に少なくとも一部が設けられたへこみ部と、前記範囲に含まれた前記壁面から少なくとも一部が前記第2分流路の内側に向けて突出する突出部と、を備える、流量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量測定装置は、主流路に備えつけられて主流路から取り込まれた流体の流量を検出する流量検出部を有する検出流路を備えるものがある。流体の流れ方向を区別して流量の検出ができない流量測定装置では、逆流による流体の取り込みを抑えて流量検出部の計測誤差を低減するために、検出流路の出口側において主流路の逆流時に生じる動圧を低減する構造を有するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−307906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような流量測定装置においては、検出流路の出口側において逆流時に生じる動圧を低減したとしても、主流路に逆流が生じた場合には、検出流路の入口側が出口側に対して負圧となることによって検出流路の出口側から逆流として流体が流入しようとすることがある。このため、流量測定装置の検出流路の出口側において逆流による流体の流入を低減できる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態によれば、流量測定装置が提供される。この流量測定装置は、流体を流す流路に設けられる流量測定装置(10,10a〜10g,12,12a〜12f,14,16,16a〜16c,18,18a〜18d)であって、前記流路から少なくとも流体の一部を取り込む開口部(110)を有する第1分流路(100)と、前記第1分流路から分岐し、前記第1分流路から流される流体の流量を検出する流量検出部(300)を有する第2分流路(200)と、を備え、前記第2分流路は、前記第2分流路が前記第1分流路から分岐する分岐位置とは反対側の端部に少なくとも1つの端開口部(220,220a〜220d)を有するとともに、前記端開口部から前記第2分流路への流体の流入を低減する流入低減構造を有する。この形態の流量測定装置によれば、端開口部において渦が形成されやすくなるため、逆流による流体の流入を低減できる。したがって、逆流による流体の取り込みを抑えて流量検出部の計測誤差を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図2】−X軸方向側から見た流量測定装置を示す説明図。
図3】第1実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図4】第1実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図5】比較例の流量測定装置を示す要部断面図。
図6】比較例の流量測定装置を示す要部断面図。
図7】第2実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図8】第2実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図9】比較例の流量測定装置を示す要部断面図。
図10】第3実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図11】第3実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図12】第4実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図13】第4実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図14】第5実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図15】第5実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図16】第6実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図17】第7実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図18】第8実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図19】第9実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図20】第10実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図21】第11実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図22】第12実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図23】第13実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図24】第14実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図25】第15実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図26】第16実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図27】第17実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図28】第18実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図29】第19実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図30】第20実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図31】第21実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図32】第22実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図33】第23実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図34】第24実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図35】第25実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図36】第26実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図37】第27実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図38】第28実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
図39】第29実施形態の流量測定装置を示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1に示す第1実施形態の流量測定装置10は、流体を流す流路に設けられて流路内を流れる流体の流量を測定する。本実施形態では、流量測定装置10は、内燃機関のシリンダーへ気体を導く吸気管IPに挿入されて設けられる。図1のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。図1には、YZ平面で切られた流量測定装置10の断面が示されている。図1に示す流体の流れ方向については、+Y軸方向を順方向とし、−Y軸方向を逆方向とする。図1において、順方向の流体の流れ方向は、方向FDとして示す。図1において、内燃機関のシリンダーは、流量測定装置10から+Y軸方向の側に設けられている。流量測定装置10は、第1分流路100と、第2分流路200と、流量検出部300と、を備える。
【0008】
第1分流路100は、吸気管IPを流れる流体の一部を取り込む流路である。第1分流路100は、−Y軸方向側に第1開口部110を有するとともに+Y軸方向側に第2開口部120を有する。第1分流路100は、第1開口部110から第2開口部120まで伸びた流路である。
【0009】
第2分流路200は、第1分流路100から分岐する流路である。第2分流路200は、第1分流路100から分岐して端開口部220まで伸びた流路である。
【0010】
図2には、−X軸方向側から見た流量測定装置10が示されている。端開口部220は、第2分流路200から−X軸方向側に向けて開口している。
【0011】
図1の説明に戻り、流量検出部300は、第2分流路200のうち+Z軸方向側に設けられる。流量検出部300は、第1分流路100から第2分流路200に流される流体の流量を検出する。図1に示された断面において、流量検出部300および周辺の構造は、紙面奥側である+X軸方向側に配置されていることから、破線で示されている。本実施形態では、流量検出部300は、熱線式である。流量検出部300は、フラップ式もしくはカルマン渦式であってもよい。
【0012】
図3には、端開口部220を通るXZ平面で切られた流量測定装置10の断面が示されている。図3の断面は、図1の矢視IIIから見た流量測定装置10の断面である。絞り部340は、X軸方向において流量検出部300と向かい合う位置に配される。絞り部340は、流量検出部300を通過する流体の流れを絞るための構造である。図3に示された断面において、流量検出部300および絞り部340は、紙面奥側である+Y軸方向側に配置されていることから、破線で示されている。
【0013】
突出部230は、流量検出部300と端開口部220との間の第2分流路200を画定する壁面から内側に向けて突出している。本実施形態では、突出部230は、第2分流路200を画定する壁面のうち+X軸方向側の壁面から、−X軸方向に向けて突出している。+X軸方向側の壁面は、端開口部220と対向する対向壁面である。突出部230は、+X軸方向側の壁面のうち+Y軸方向寄りの位置から−X軸方向に向けて突出している。XZ平面で切られた断面における突出部230の形状は、三角形形状である。
【0014】
図4には、端開口部220を端開口部220の中心線CL方向であるX軸方向に投影したときの領域R1を示している。端開口部220の中心線CLとは、端開口部220の+X軸方向端側の断面の中心(重心)と−X軸方向端側の断面の中心(重心)とを通る線をいう。本実施形態では、突出部230は、第2分流路200を画定する壁面のうち領域R1に重ならない位置に配置される。また、突出部230の形状は、流量検出部300から端開口部220に向けて流体が流れるときの流路抵抗が、端開口部220から流量検出部300に向けて流体が流れるときの流路抵抗よりも小さくなる形状である。
【0015】
流量測定装置10は、吸気管IPを流れる流体が順方向である+Y軸方向に流れているときの流量を検出する。すなわち、流量検出部300は、第1開口部110を介して第1分流路100に取り込まれた流体の一部が端開口部220の側に向けて流れるときの流量を検出する。よって、流体が端開口部220から流入して第1分流路100の側に向けて流れると、流量検出部300の計測誤差につながる。図1に示すように、流量測定装置10では、突出部230を備えることにより、流体が端開口部220から流入した場合であっても、流体が突出部230に衝突して渦VTa(図3に図示)を形成させられるため、逆流による流体の流入を低減できる。
【0016】
図5に示す比較例の流量測定装置10pは、突出部230を備えていない点を除き、第1実施形態の流量測定装置10の装置構成と同じである。第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。図6には、端開口部220を通るXZ平面で切られた流量測定装置10pの断面が示されている。
【0017】
比較例の流量測定装置10pでは、突出部230を備えていないことから、図6に示された流れCF1のように、端開口部220から流入した流体は、第1分流路100の側に向けて流れる。このため、流量検出部300の計測誤差につながる。一方、第1実施形態の流量測定装置10では、突出部230を備えることにより、流体が端開口部220から流入した場合であっても、流体が突出部230に衝突して渦VTaを形成させられるため、逆流による流体の流入を低減できる。したがって、逆流による流体の取り込みを抑えて流量検出部300の計測誤差を低減できる。
【0018】
また、第1実施形態の流量測定装置10では、突出部230が第2分流路200を画定する壁面のうち+X軸方向側の壁面から、−X軸方向に向けて突出している。このため、突出部230が第2分流路200を画定する壁面のうち+X軸方向側の壁面とは異なる壁面に設けられている形態と比べて、突出部230が形成されている位置において第2分流路200の流路軸心が急激に変化させられることおよび端開口部220から流入した流体の流れが突出部230に阻まれやすいことから、渦VTaが形成されやすい。
【0019】
また、第1実施形態の流量測定装置10では、突出部230は、第2分流路200を画定する壁面のうち領域R1に重ならない位置に配置される。このため、突出部230が領域R1に重なる位置に配置されている形態と比べて、端開口部220から流入した流体が突出部230に阻まれやすくなることから、渦VTaが形成されやすい。
【0020】
また、突出部230の形状は、流量検出部300から端開口部220に向けて流体が流れるときの流路抵抗が、端開口部220から流量検出部300に向けて流体が流れるときの流路抵抗よりも小さくなる形状である。このため、端開口部220から流入した流体が突出部230に阻まれて渦VTaが形成されやすくすることと、第1分流路100に取り込まれて端開口部220に向けて流れる流体の流れを流れやすくすることと、を両立できる。
【0021】
B.第2実施形態:
図7に示す第2実施形態の流量測定装置12は、第1実施形態の流量測定装置10と比べて、突出部230を備えていない点、端開口部220の代わりに端開口部220aおよび端開口部220bを備える点および仕切り部240を備える点を除き、第1実施形態の流量測定装置10の装置構成と同じである。第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0022】
端開口部220aは、第2分流路200から−X軸方向側に向けて開口している。端開口部220bは、第2分流路200から+X軸方向側に向けて開口している。端開口部220aおよび端開口部220bは、同じ大きさの矩形形状をした開口である。
【0023】
仕切り部240は、端開口部220aと端開口部220bとの間を仕切る。換言すれば、端開口部220aから+X軸方向側を見ても、仕切り部240に隠されて端開口部220bは見えない。端開口部220bから−X軸方向側を見ても、同様に、仕切り部240に隠されて端開口部220aは見えない。仕切り部240は、端開口部220aおよび端開口部220bと対向する位置より流量検出部300の側に厚肉部244を有するとともに、端開口部220aおよび端開口部220bと対向する位置において、厚肉部244より薄い薄肉部242を有する。図8は、端開口部220aおよび端開口部220bと対向する位置について示している。端開口部220aおよび端開口部220bと対向する位置とは、領域R2に含まれる仕切り部240側の位置のことである。領域R2とは、端開口部220aおよび端開口部220bをそれぞれの中心線方向であるX軸方向に投影した領域のことである。
【0024】
流量測定装置12では、仕切り部240を備えることにより、流体が端開口部220aおよび端開口部220bから流入した場合であっても、薄肉部242に沿って流れた流体が仕切り部240の厚肉部244に衝突して渦VTbを形成させられるため、逆流による流体の流入を低減できる。
【0025】
図9に示す比較例の流量測定装置12pは、仕切り部240を備えていない点を除き、第2実施形態の流量測定装置12の装置構成と同じである。第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0026】
比較例の流量測定装置12pでは、仕切り部240を備えていないことから、流体が端開口部220aおよび端開口部220bから流入した流体は、流れCF2に示されているように、流量検出部300の側に向けて流れる。このような流れCF2の発生は、流量検出部300の計測誤差につながる。一方、第2実施形態の流量測定装置12では、仕切り部240を備えることにより、流体が端開口部220aおよび端開口部220bから流入した場合であっても、薄肉部242に沿って流れた流体が仕切り部240の厚肉部244に衝突して渦VTbを形成させられるため、逆流による流体の流入を低減できる。したがって、逆流による流体の取り込みを抑えて流量検出部300の計測誤差を低減できる。
【0027】
C.第3実施形態:
図10に示す第3実施形態の流量測定装置14は、第2実施形態の流量測定装置12と比べて、仕切り部240を備えていない点と、端開口部220aおよび端開口部220bの代わりに端開口部220cおよび端開口部220dを備える点と、を除き、第2実施形態の流量測定装置12の装置構成と同じである。第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0028】
端開口部220cは、第2分流路200から−X軸方向側に向けて開口している。端開口部220dは、第2分流路200から+X軸方向側に向けて開口している。端開口部220cと端開口部220dとが対向する対向方向をX軸方向とする。端開口部220cおよび端開口部220dは、端開口部220cの開口端面の傾きと端開口部220dの開口端面の傾きとが、端開口部220cと端開口部220dとの中心同士を結ぶ対向方向CDに対して同じ側に傾くように構成されている。ここでいう対向方向CDに対して同じ側に傾くとは、対向方向CDに対する開口端面の傾きの成分についての相関が同じということである。例えば、図10の流量測定装置14の場合、端開口部220cの開口端面の傾きを表す線分Lcと端開口部220dの開口端面の傾きを表す線分Ldとは、X軸方向の成分とZ軸方向の成分との間において同じ負の相関がある。すなわち、線分Lcと線分Ldとは、−X軸方向側から+X軸方向側に向かうにつれて+Z軸方向側から−Z軸方向側に向かうことから、X軸方向とZ軸方向との間において同じ負の相関があるということである。ただし、相関が同じであるというだけであって、線分Lcの傾きと線分Ldの傾きとは、同じでなくてもよい。すなわち、線分Lcと線分Ldとは平行でなくてもよいということである。端開口部220cの開口端面の傾きと端開口部220dの開口端面の傾きとは、X軸方向とZ軸方向との間において同じ負の相関があることに限られず、X軸方向の成分とZ軸方向の成分との間において同じ正の相関があってもよい。
【0029】
図11には、流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したときの流量測定装置14の状態を示している。流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したとき、端開口部220cから流入する流体と端開口部220dから流入する流体とが対向することによって生じるせん断応力によって渦VTcが形成させられやすい。渦VTcは、端開口部220cおよび端開口部220dから流入する流体の取り込みを抑えることから、流量検出部300の計測誤差を低減できる。
【0030】
D.第4実施形態:
図12に示す第4実施形態の流量測定装置16は、第3実施形態の流量測定装置14と比べて、へこみ部260を備える点と、を除き、第3実施形態の流量測定装置14の装置構成と同じである。第3実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0031】
へこみ部260は、範囲Rdに含まれた第2分流路200の壁面に全体が設けられる。範囲Rdとは、線分Ldに沿って端開口部220dを第2分流路200の壁面に投影した範囲のことである。
【0032】
図13には、流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したときの流量測定装置16の状態を示している。流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したとき、第3実施形態と同様に、端開口部220cから流入する流体と端開口部220dから流入する流体とが対向することによって生じるせん断応力によって渦VTdが形成させられやすい。また、このとき、端開口部220dから流入する流体は、第3実施形態と比べて、へこみ部260に沿って流れを反転させられることから、渦VTdをより一層形成しやすくすることができる。
【0033】
E.第5実施形態:
図14に示す第5実施形態の流量測定装置18は、第4実施形態の流量測定装置16と比べて、へこみ部260の代わりに突出部280を備える点を除き、第4実施形態の流量測定装置16の装置構成と同じである。第4実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0034】
突出部280は、範囲Rdに含まれた第2分流路200の壁面から全体が第2分流路200の内側に向けて突出する。
【0035】
図15には、流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したときの流量測定装置18の状態を示している。流体が端開口部220cおよび端開口部220dから流入したとき、第3実施形態と同様に、端開口部220cから流入する流体と端開口部220dから流入する流体とが対向することによって生じるせん断応力によって渦VTeが形成させられやすい。また、このとき、端開口部220dから流入する流体は、第3実施形態と比べて、突出部280に衝突して流れを反転させられることから、渦VTeをより一層形成しやすくすることができる。
【0036】
F.他の実施形態:
図16に示す第6実施形態の流量測定装置10aは、図1に示した第1実施形態の流量測定装置10と比べて、突出部230とは異なる突出部230aを備える点を除き、第1実施形態の流量測定装置10の装置構成と同じである。第1実施形態では、突出部230は、+X軸方向側の壁面のうち+Y軸方向寄りの位置から−X軸方向に向けて突出していたが、本発明はこれに限られない。突出部230aは、+X軸方向側の壁面のうち−Y軸方向寄りの位置から−X軸方向に向けて突出している。XZ平面で切られた断面における突出部230aの形状は、三角形状である。第6実施形態の流量測定装置10aは、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
図17に示す第7実施形態の流量測定装置10bは、図1に示した第1実施形態の流量測定装置10と比べて、突出部230とは異なる突出部230bを備える点を除き、第1実施形態の流量測定装置10の装置構成と同じである。突出部230bは、端開口部220と対向する対向壁面である+X軸方向側の壁面のうちY軸方向全体にわたった位置から−X軸方向に向けて突出している。XZ平面で切られた断面における突出部230bの形状は、三角形状である。第7実施形態の流量測定装置10bは、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0038】
図18図22に示す第8〜12実施形態の流量測定装置10c〜10gは、図3に示した第1実施形態の流量測定装置10と比べて、突出部230とは異なる突出部230c〜230gを備える点を除き、第1実施形態の流量測定装置10の装置構成と同じである。XZ平面で切られた断面における突出部の形状は、第1実施形態の形状に限られず、図18図22に示された突出部230c〜230gのような形状であってもよい。第8〜12実施形態の流量測定装置10c〜10gは、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0039】
図23図28に示す第13〜18実施形態の流量測定装置12a〜12fは、図7に示した第2実施形態の流量測定装置12と比べて、仕切り部240とは異なる仕切り部240a〜240fを備える点を除き、第2実施形態の流量測定装置12の装置構成と同じである。仕切り部の形状は、第2実施形態の形状に限られず、図23図28に示された仕切り部240a〜240fのような形状であってもよい。第13〜18実施形態の流量測定装置12a〜12fは、第2実施形態と同様の効果を奏する。また、仕切り部の形状は、流量検出部300から端開口部220aおよび端開口部220bに向けて流体が流れるときの流路抵抗が、端開口部220aおよび端開口部220bから流量検出部300に向けて流体が流れるときの流路抵抗よりも小さくなる形状であってもよい。このような仕切り部の形状を有する流量測定装置では、端開口部220から流入した流体が突出部230に阻まれて渦が形成されやすくすることと、第1分流路100に取り込まれて端開口部220に向けて流れる流体の流れを流れやすくすることと、を両立できる。
【0040】
図29図31に示す第19〜21実施形態の流量測定装置16a〜16cは、図12に示された第4実施形態の流量測定装置16と比べて、へこみ部260とは異なるへこみ部260a〜260cを備える点を除き、第4実施形態の流量測定装置16の装置構成と同じである。へこみ部260の形状は、第4実施形態の形状に限られず、図29に図示されたへこみ部260aのように平面の組み合わせから構成される形状であってもよい。また、第4実施形態では、へこみ部260は、範囲Rdに含まれた第2分流路200の壁面に全体が設けられていたが、このような形態に限られず、図30に図示されたへこみ部260bのように、範囲Rcに含まれた第2分流路200の壁面に、へこみ部260bのうち全体のうちの一部が設けられてもよい。範囲Rcとは、線分Lcに沿って端開口部220cを第2分流路200の壁面に投影した範囲のことである。また、へこみ部260の数は、第4実施形態に示された1つに限られず、図31に図示されたへこみ部260aおよびへこみ部260cのように、2つ備えられていてもよい。第19〜21実施形態の流量測定装置16a〜16cは、第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0041】
図32図35に示す第22〜25実施形態の流量測定装置18a〜18dは、図14に示された第5実施形態の流量測定装置18と比べて、突出部280とは異なる突出部280a〜280eを備える点を除き、第5実施形態の流量測定装置18の装置構成と同じである。突出部280の形状は、第5実施形態の形状に限られず、図32および図33に図示された突出部280aおよび突出部280bのような形状であってもよい。また、第5実施形態では、突出部280は、範囲Rdに含まれた第2分流路200の壁面から全体が第2分流路200の内側に向けて突出していたが、このような形態に限られず、図34に図示された突出部280cのように、範囲Rcに含まれた第2分流路200の壁面から、突出部280c全体のうちの一部が突出してもよい。また、突出部280の数は、第5実施形態に示された1つに限られず、図35に図示された突出部280dおよび突出部280eのように、2つ備えられていてもよい。第22〜25実施形態の流量測定装置18a〜18dは、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
図36図38に示す第26〜28実施形態の流量測定装置20a〜20cは、国際公開番号WO2017/073276A1に開示される熱式流量計を改変したものである。図36図38に図示された流量測定装置20a〜20cは、理解を容易にするために、改変前の熱式流量計と同一の構成については、第2出口313と、表側副通路溝330と、流量検出部602と、のみに符号を付した。流量測定装置20a〜20cは、それぞれ、流量検出部602と第2出口313との間の表側副通路溝330を画定する壁面から内側に向けて突出する突出部230h、突出部230i、突出部230jおよび突出部230kを有する。流量測定装置20a〜20cにおいても、突出部230h、突出部230i、突出部230jおよび突出部230kを備えることにより、流体が第2出口313から流入した場合であっても、流体が突出部230h、突出部230i、突出部230jおよび突出部230kに衝突して渦を形成させられるため、第2出口313からの逆流による流体の流入を低減できる。
【0043】
図39に示す第29実施形態の流量測定装置30は、特表2004−519690に開示される装置を改変したものである。図39に図示された流量測定装置30は、理解を容易にするために、改変前の装置と同一の構成については、測定エレメント9と、入口開口21と、排除開口33と、変向案内通路51と、出口開口54と、のみに符号を付した。流量測定装置30は、測定エレメント9と出口開口54との間の変向案内通路51を画定する壁面から内側に向けて突出する突出部230mを有する。流量測定装置30においても、突出部230mを備えることにより、流体が出口開口54から流入した場合であっても、流体が突出部230mに衝突して渦を形成させられるため、出口開口54の逆流による流体の流入を低減できる。
【0044】
第30実施形態の流量測定装置は、図12に示された第4実施形態の流量測定装置16と比べて、さらに、第5実施形態の流量測定装置18が備える突出部280を備える。すなわち、流量測定装置は、へこみ部260と突出部280とのうち少なくとも一方を備える形態に限られず、へこみ部260と突出部280との両方を備える形態であってもよい。
【0045】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…流量測定装置、100…第1分流路、110…第1開口部、200…第2分流路、220…端開口部、300…流量検出部
図1
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